説明

照明システム

【課題】放電管とLED照明とを併用するときに、LED照明のための配線の変更・追加を簡便に行う。
【解決手段】放電管2の安定器20と、安定器に配線ケーブルを介して電気的に接続され放電管2のランプピン2aを挿入するソケット電極を有するランプソケット10と、安定器20から放電管2へ供給される電力からLEDを点灯させる電力に変成する絶縁トランスTrを有する、絶縁トランスTrが配線ケーブル4に電気的に接続されたLED駆動ユニット12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電管の安定器を用いてLEDと放電管との双方を点灯させる照明システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
百貨店、スーパー、専門店等においては商品展示販売用陳列棚、ガラス製陳列ケース等の什器が広く使用されている。特に、貴金属類等の商品は商品姿が小さく高価なため特に小型小容積のガラス陳列ケースが多く使用されている。図1に示すように宝石類などの貴金属は煌めきを重視しハロゲンランプ等のスポット照明器具を遠くから照射しケース内には光源を置かない照明手法が好んで使用されている。現在、蛍光灯を棚照明として使用する場合は20φ以下の細型蛍光灯が好んで使用され安定器としても20kHz以上の高周波インバータが多く使用されている。
【0003】
これらの商品照明に関して、光源である蛍光灯や電子安定器、蛍光灯ソケット、配線等何れも照明を行う為に要する機器部材は占有体積を最小限とし光だけを効率良く得る要求が極めて強い。この為、木製の棚照明においては棚板の厚さ方向で棚板下部をくりぬいて仕上げ、この中に器具の場合は器具を独立安定器の場合はランプ、安定器、ソケット等を納める手法が一般的に取られている。電源は各棚と直角に配置され壁に埋め込まれた細型レールコンセントとこれに合致させた小型プラグにより各棚毎に最短で電源を得られるので電源配線による美観の阻害は少ない。
【0004】
展示用ガラスケースの場合は周囲360度と上方から商品を見るようになっているので、照明器具やソケット付き反射カバーは最小限の部材をケース内に設置し、その他の安定器、配線等はケース外の見えない場所に設置する場合が多い。ガラスケース内のむき出しの配線は美観を損なうので細い金属パイプに配線を納め、ランプや反射カバーの支持を兼ねた器具が多い。この様に小型のガラスケースになればなるほどその仕上げ法は難しく最低限の電線を限定して使用することになる。このため、安定器とソケット間の管灯回路配線が長くなり、あるいは誘導で光量が減少しもしくはチラツキ等不安定点灯となり易く苦慮している場合もよく見られる。さらに美観重視のため難しい什器組み立てとなり、内部光源をセットした後、ランプ交換が極めて難しい等の問題を含む什器となる場合もある。
【0005】
貴金属陳列ケースを例にすると展示商品は極めて小さく高価な物が多い。商品の性格から煌めきを重視した照明が多く希望される。今まではお客の上方向又は横後方の天井や壁から大型のハロゲン電球で照射するケース照明が多い。これはハロゲンランプが赤外線を多く含み温度上昇から狭いガラスケース内には設置出来ないため距離が離れている分大型の光源を要するからである。
【0006】
ところで、近年、開発・実用化されたLEDスポット器具は小型で省エネ、発熱が少ない長寿命等の特長を有する。蛍光灯や冷陰極ランプ用高周波安定器の一部より電力を得てLEDを点灯させて使用することが提案されている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1において、蛍光灯の近傍に複数のLEDが配置されており、電源や高周波トランスの一部から高周波電力を取りだしてLEDを点灯させる回路が開示されている。
【特許文献1】特開2003−264090号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したガラスケース内の照明として従来のハロゲンランプ等に代えて、特許文献1に示すような蛍光灯とLEDとを併用した照明システムを採用することが考えられる。ただし、特許文献1において、LEDは蛍光灯の補助照明として照明器具の中に混在させた構成を有し、一定の場所に固定された状態で使用する場合には適用することができる。しかし、ガラスケース内の商品のスポット照明としてLEDを用いる場合、商品の配置および数に合わせてLEDの設置位置を変更する必要がある。したがって、特許文献1のような管灯回路をガラスケース内の照明として用いた場合、LED照明の配置の自由が制限されてしまうという問題がある。一方、予めLED配線を長くしてLED照明の配置自由度を向上させたときには配線長が延びることにより誘電ノイズの発生等により点灯が不安定になるもしくは蛍光灯の寿命が短くなるといった問題が生じる。
【0008】
そこで、本発明は、放電管の安定器から供給される電力を用いて放電管とLEDとの双方を点灯させるときに、LED照明の配置位置の変更および追加を簡便に行うことができる照明システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の照明システムは、放電管の安定器と、安定器に配線ケーブルを介して電気的に接続された放電管のランプピンに接触するソケット電極を有するランプソケットと、安定器から放電管へ供給される電力からLEDを点灯させる電力に変成する絶縁トランスを有する、絶縁トランスが配線ケーブルに電気的に接続されたLED駆動ユニットとを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
ここで、放電管は、蛍光灯であってもよいし冷陰極線管であってもよい。
【0011】
また、LED駆動ユニットは1つ設けられていてもよいし、安定器の容量を考慮して複数設けられていてもよい。
【0012】
なお、LED駆動ユニットは、配線ケーブルに接続されたものであればその構成を問わず、たとえば配線ケーブルに直接接続されたものであってもよいし、ランプソケットに取り付けられ、ランプ挿入孔を介して配線ケーブルに接続されているものであってもよい。このとき、LED駆動ユニットは、ランプソケットと一体的に形成されていてもよいし、着脱可能に取り付けられたものであってもよい。LED駆動ユニットがランプソケットに対し着脱可能であるとき、ランプソケットは、ソケット電極に隣接し接触することにより電気的に接続された筒状の第1接続端子を有するものであってもよい。また、LED駆動ユニットは、第1接続端子に挿入することにより電気的に接続されるピン状の第2接続端子とを有するものであってもよい。なお、ランプソケットとLED駆動ユニットとが一体的に設けられている場合には、上記接続端子による接続に限らずLED駆動ユニットがソケット電極に電気的に接続されていればよい。
【0013】
また、LED駆動ユニットは、LEDを駆動する駆動電力を生成するものであればLEDとの接続形態は問わず、たとえばLEDが固定されたものであってもよいし、LEDを着脱するためのLEDコネクタを有するものであってもよい。
【0014】
さらに、照明システムは、ランプソケットを支持するための支持パイプをさらに有し、配線ケーブルが支持パイプ内に収容されていても良い。このとき、LED駆動ユニットは支持パイプ内に設けられたものであってもよい。
【0015】
なお、LED駆動ユニットは、安定器の容量を考慮しLEDに1W以下の電力を供給するものであることを望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の照明システムによれば、放電管の安定器と、安定器に配線ケーブルを介して電気的に接続された放電管のランプピンに接触するソケット電極を有するランプソケットと、安定器から放電管へ供給される電力からLEDを点灯させる電力に変成する絶縁トランスを有する、絶縁トランスが配線ケーブルに電気的に接続されたLED駆動ユニットとを備えたことにより、LEDの設置場所に合わせてLED駆動ユニットを設置することができるため、安定器からLED点灯のための電力を給電する場合であってもLEDの配置位置の変更および設置数の増減を簡便に行うことができる。
【0017】
なお、LED駆動ユニットがランプソケットに取り付けられており、ランプ挿入孔を介して配線ケーブルに接続されているとき、放電管に近接した位置からLEDによる照明を行うときに、安定器からLED配線を伸ばす必要がなくランプソケットからLED駆動電力を取得することができるため、LED配線処理作業を省きLED照明の設置を効率的に行うことができる。
【0018】
また、ランプソケットが、ソケット電極に隣接し接触することにより電気的に接続された筒状の第1接続端子を有するものであり、LED駆動ユニットが、第1接続端子に挿入することにより電気的に接続されるピン状の第2接続端子を有するものであって、ランプソケットに対し着脱可能に取り付けられるものであるとき、LED駆動ユニットの着脱によってLED照明の追加・削除を容易に行うことができる。
【0019】
さらに、ランプソケットを支持するための支持パイプをさらに有し、配線ケーブルが支持パイプ内に収容されており、おり、LED駆動ユニットが支持パイプ内に設けられたものであれば、たとえば陳列棚上にスタンド型のLEDスポット照明等を容易に増設することができる。
【0020】
また、LED駆動ユニットがLEDに1W以下の電力を供給するものであれば、放電管に供給される電力の一部をLEDの点灯に用いることによる安定器および放電管への影響を最小限に抑えることができる。
【発明の実施の形態】
【0021】
図1は本発明の照明システムの好ましい実施形態を示す模式図、図2は照明システムの側面図であり、図1を参照して照明システム1について説明する。図1の照明システム1はたとえばガラスケースGC内に展示された商品に対し放電管2による全体照明とLED3によるスポット照明を行うものである。照明システム1は、支持パイプ4aによりガラスケースGCの上部一端側に固定されており、放電管2が反射カバー2X内に収容されている。放電管2はたとえば蛍光灯(熱陰極線管)からなり、両端においてランプソケット10により支持されている。またLED3はたとえばガラスケースGCの上面に固定されており、LEDケーブル3aを介してLED駆動ユニット12に接続されている。
【0022】
ガラスケースGCの裏面には放電管2を点灯させるための安定器20が配置されており、安定器20には商用電源が電気的に接続されている。また、安定器20と放電管2とはガラスケースGCの側端部に沿って支持パイプ4aに収容された配線ケーブル4により電気的に接続されている。なお、安定器20としてはインバータ方式等の放電管2の点灯に用いられる公知の回路を用いることができる。
【0023】
図3は安定器20と放電管2との接続譲歩歌示す模式図である。図3において、放電管2はランプソケット10の一面側10Xに着脱可能に取り付けられている。また、安定器20は配線ケーブル4を介してランプソケット10に接続されている。よって、安定器20と放電管2とは配線ケーブル4およびランプソケット10を介して電気的に接続されることになる。また、ランプソケット10の背面にはLED駆動ユニット12が取り付けられている。
【0024】
図4は本発明のランプソケットの好ましい実施形態を示す外観模式図、図5はランプソケット10およびLED駆動ユニット12の一例を示す分解斜視図である。ランプソケット10は、ソケット本体10A、ソケット電極11、第1接続端子14aを有している。ソケット本体10Aは、放電管2の径より太くランプピン2aがソケット電極11から少し抜けても絶縁を確保しながら放電管2を保持するための透明なプラスチックからなるスカート状のカバー部材10pと、たとえば20φ×12mmの略円形状の部材10qとが一体的に形成されたものである。円形状の部材10q内には2つのソケット電極11が収容されており、各ソケット電極11は円形状の部材10qに固定された陰極用および陽極用の2本の配線ケーブル4a(図5において図示せず)にそれぞれ接続されている。
【0025】
ソケット電極11はたとえば筒状に形成されており、ソケット本体10Aの一面側10Xから放電管2が差し込まれたときに、2本のランプピン2aがそれぞれソケット電極11に挿入され接触することにより、放電管2と安定器20とが電気的に接続され放電管2に駆動電力が供給される。なお、ランプピン2aのピン間隔、太さ、長さは規格化されており、ソケット電極11はランプピン2aに合った間隔、太さ、長さを有している。特に、ソケット電極11の長さはランプピン2aの長さに合わせて極力短くなるように形成されている。
【0026】
また、ソケット本体10A内にはソケット電極11に電気的に接続された2つの第1接続端子14aが収容されている。具体的には、各第1接続端子14aはたとえばピンを挿入するための筒状の金属製の部材からなっており、ソケット本体10A内のソケット電極11に対し略平行であって異なる軸上(たとえばソケット電極11の内径側)にそれぞれ配置されている。そして、各第1接続端子14aはソケット電極11に対し隣接し接触することにより電気的に接続されている。このように、ソケット電極11と第1接続端子14aとを隣接して配置することにより、ランプソケット10の小径化を図ることができる。
【0027】
LED駆動ユニット12は、ユニット本体12A、LED駆動回路12B、第2接続端子14bを備えている。ユニット本体12Aは、ソケット本体10aの外形よりもひとまわり大きい円筒状のプラスチックガードからなるものであり、ソケット本体10Aの他面側10Yに着脱可能に取り付けられる。LED駆動回路12Bはユニット本体12A内に収容されており、安定器20から放電管2へ供給される電力からLED3を点灯させる電力を変成する絶縁トランスTrを有するものである。
【0028】
LED駆動回路12Bには第1接続端子14aに電気的に接続される第2接続端子14bが取り付けられている。具体的には、第2接続端子14bは金属製の挿入ピンからなっており、第2接続端子14bが第1接続端子14aに挿入されることにより、第1接続端子14aと第2接続端子14bが接触し電気的に接続するとともに、LED駆動ユニット12がランプソケット10に対し着脱可能に取り付けられる。
【0029】
また、LED駆動ユニット12にはLEDコネクタ13が設けられており、LED駆動ユニット13はユニット本体12Aの外面に形成されている。そして、LEDコネクタ13にはLED3に接続されたLEDケーブル3aが着脱可能に取り付けられることになる。なお、LEDケーブル3aは10V,350mAに適合した配線からなっている。また、LEDコネクタ13にはLEDケーブル3aを介さずに直接LED3が装着されるものであってもよい。
【0030】
さらに、LED3を使用しないときにはLED駆動ユニット12を取り外して放電管2のみで使用することができ、LED駆動ユニット12とLED3は別途保管できる。このように、LED駆動ユニットの着脱によってLED照明の追加・削除を容易に行うことができる。
【0031】
図6は図4および図5に示すランプソケット10の一例を示す回路図である。図6において、LED駆動ユニット12は、絶縁トランスTr、直流カットコンデンサC2、整流ダイオードD1、平滑コンデンサC1、定電流回路等を備えている。絶縁トランスTrは、1次側コイルNs1に安定器20から高電圧が供給されたとき、2次側コイルNp2側に目的の電圧値に変成して出力するものである。なお、絶縁トランスTrとしてリーケージタイプの絶縁トランスとすれば更に安全性が高められる。
【0032】
また、たとえば1対のランプソケット10にそれぞれ取り付けた2つのLED駆動ユニット12は左右各1w程度の電力をLED3に供給する。なお、安定器20の蛍光灯安定器容量と蛍光灯寿命とを考慮し最大1wのLEDを双方併せて2個までとしている。このとき、長さの短い蛍光灯では安定器電力も余力が出てくるのでLED個数を増やすことも可能である。
【0033】
このように、LED駆動ユニット12を配線ケーブル4aに接続して安定器20から供給される電力を用いてLED3を点灯させることにより、LED3の設置場所に合わせてLED駆動ユニット12を設置することができるため、安定器20からLED点灯のための電力を給電する場合であってもLEDの配置位置の変更および設置数の増減を簡便に行うことができる。
【0034】
すなわち、従来のように、安定器20からLED3の点灯電力を供給する際、予めLED配線を長くしてLED照明の配置自由度を向上させた場合には配線長が延びることにより誘電ノイズの発生等により点灯が不安定になるもしくは蛍光灯の寿命が短くなるといった問題が生じるとともに、高電圧からの分岐、さらに蛍光灯の寿命を大きく左右する蛍光灯フィラメント予熱回路からLED電力給電や他の負荷を使用し電源を乱しランプ短寿命の危険性を高くする等の悪影響が生じる。
【0035】
そこで、図6に示すように、LED駆動ユニット12を安定器20とは別体で構成するとともに、絶縁トランスTrを用いて放電管2を点灯させる為の高電圧から絶縁された状態でLED3にLED電源が供給されるようにする。これにより、安定器20からLED点灯のための電力を給電する場合であってもLEDの配置位置の変更および設置数の増減を簡便に行うことができる。
【0036】
さらに、LED駆動ユニット12は安定器20とランプソケット10とを結ぶ配線ケーブル4に接続すればよいため、安定器20とLED駆動ユニット12とを直接結ぶ配線や、安定器20とLED3と直接結ぶ配線が不要になる。配線数を少なくすることができることによって、店舗照明や什器照明、ガラスショーケース照明、ショーウィンド照明等において、配線による美観が損なわれるのを防止することができる。
【0037】
また、LED駆動ユニットの点灯および着脱状態によらず、放電管2はフィラメント電力変動の少ない安定器20からの電力を取得することができるため、LED駆動ユニット12の着脱により放電管2の寿命が短くなるのを防止することができる。なお、LED3は1W以下に限定することが好ましい。
【0038】
特に、LED3に供給する電力を10V、0.35A以下の低電圧少電流にしたとき、絶縁トランスTrの大きさを小さくすることができる。このため、LED駆動ユニット12を概ね20φx30mm以下の容積で納めることができる。また、消費電力が小さいためにLEDケーブル3aは機械的に許す極細の配線で済むため、LEDケーブル3aによる美観を損なうことを防ぐことができる。
【0039】
さらに、ガラスケースGCのような周囲がガラスなどで作られた美観重視の什器照明においては、配線数が限られるとともに、配線を収納するとともに反射カバー2X等を支持する極細の支持パイプを使用するような限られた配線条件になる。このような条件下においてLED3によるスポット照明の位置を変更しもしくは追加するときに、安定器20からLED3までの配線を短くしもしくはなくすことができるため美観的に優れた什器照明を実現することができる。
【0040】
なお、図6においては放電管2として蛍光灯を用いた場合について例示しているが、図7に示すように放電管102として冷陰極線管を用いた照明システム100であってもよい。このとき、冷陰極ランプは蛍光灯より更に細いランプ外形となり反射カバーも細くこのことより更に美観を良好にすることができる。また、冷陰極ランプとLEDは少電流で済むので細い配線が可能となり、それに伴い配線ケーブル4を内蔵する支持パイプ4aの径を細くすることができる。さらに、冷陰極ランプと白色LEDの組み合わせでは双方が持つ長寿命光源としての特長を利用し、美観重視でランプ交換メンテナンスの極めて難しい什器用へも設置可能な長寿命照明システムが実現することができる。なお、冷陰極線管の場合であっても、それぞれ陰極用と陽極用の2本の配線ケーブル4aが各ランプソケット10に接続される(図7の左側のLED駆動ユニット12)。そして、ランプソケット10内において冷陰極線管にはいずれか一方の電極が接続され、LED駆動ユニット12には2つの電極が電気的に接続される。
【0041】
図8は本発明の照明システムの別の実施形態を示す模式図である。なお、図8において図1と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。図8の照明システム200が図1の照明システム1と異なる点は、支持パイプ4aにLED駆動ユニット210が接続されている点である。
【0042】
LED駆動ユニット210は、支持パイプ4aの途中に収納されており支持パイプ4aと一体化されている。そして、LED駆動ユニット210に設けられたコネクタ13にたとえばスタンド型のLED3が接続されることになる。
【0043】
このように、LED駆動ユニット210の設置場所の自由度が向上させることにより、LED3を点灯させるための配線長を短くすることができ、配線長を長くすることによる悪影響を最小限に抑えることができる。さらに、配線長を短くすることにより美観的に優れた照明が可能となる。さらに、LED回路ブロックから小型コネクタによりLED駆動ユニット12を外部へ取り出し近接したLED30に給電しガラスケースGC内の商品と近接した場所からの照明も可能となる。なお、LED駆動ユニット210は図7の右側のLED駆動ユニット12のように配線ケーブル4aに接続されることになる。
【0044】
上記各実施の形態によれば、放電管2の安定器20と、安定器20に配線ケーブル4を介して電気的に接続された放電管2のランプピン2aに接触するソケット電極11を有するランプソケット10と、安定器20から放電管2へ供給される電力からLED3を点灯させる電力に変成する絶縁トランスTrを有する、絶縁トランスTrが配線ケーブル4に電気的に接続されたLED駆動ユニット12とを備えたことにより、LEDの設置場所に合わせてLED駆動ユニット12を設置することができるため、安定器20からLED点灯のための電力を給電する場合であってもLED3の配置位置の変更および設置数の増減を簡便に行うことができる。
【0045】
なお、LED駆動ユニット12がランプソケット10に取り付けられており、ランプ挿入孔を介して配線ケーブル4に接続されているとき、放電管2に近接した位置からLED3による照明を行うときに、安定器20からLED配線を伸ばす必要がなくランプソケット10からLED駆動電力を取得することができるため、LED配線処理作業を省きLED照明の設置を効率的に行うことができる。
【0046】
また、ランプソケット10が、ソケット電極11に電気的に接続された第1接続端子14aを有するものであり、LED駆動ユニット12が、第1接続端子14aに電気的に接続される第2接続端子14bを有するものであって、ランプソケット10に対し着脱可能に取り付けられるとき、LED駆動ユニット12の着脱によってLED照明の追加・削除を容易に行うことができる。
【0047】
さらに、ランプソケット10を支持するための支持パイプ4aをさらに有し、配線ケーブル4が支持パイプ4a内に収容されているものであり、LED駆動ユニットが支持パイプ4a内に設けられているものであれば、たとえば陳列棚上にスタンド型のLEDスポット照明等を容易に増設することができる。
【0048】
また、LED駆動ユニットがLEDに1W以下の電力を供給するものであれば、放電管2に供給される電力の一部をLED3の点灯に用いることによる安定器20および放電管2への影響を最小限に抑えることができる。
【0049】
本発明の実施形態は上記実施の形態に限定されない。たとえば図3および図4においてランプソケット10とLED駆動ユニット12とが着脱可能に取り付けられている場合について例示しているが、ランプソケット10とLED駆動ユニット12とが一体成形された1つの部材からなるものであってもよい。
【0050】
さらに、上記実施の形態において、蛍光灯ソケットの背にLED回路ブロックを接続して使用する方式を説明したが、LED駆動ユニット12が小型であるとき、放電管2の支持パイプ4aの台座内等にも収納でき、違和感なくコンパクトに実装可能で、配線も含めこれら全体を一体とすれば更に綺麗な仕上がりの照明システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の照明システムの好ましい実施形態を示す模式図
【図2】図1の照明システムの設置例を示す模式図
【図3】安定器とランプソケット間の配線の一例を示す模式図
【図4】ランプソケット周辺の一例を示す模式図
【図5】図4のランプソケットの構造を示す模式図
【図6】図4のランプソケットに内蔵されたLED駆動ユニットの一例を示す回路図
【図7】本発明の照明システムの別の実施形態を示す模式図
【図8】本発明の照明システムに適用される放電管が冷放電管であるときの回路図
【符号の説明】
【0052】
1、100 照明システム
2 放電管
2a ランプピン
2X 反射カバー
3a スポットケーブル
3 スポット照明
3 LED
3a LEDケーブル
4 配線ケーブル
4a 支持パイプ
10 ランプソケット
11 ソケット電極
12、112 LED駆動ユニット
13 LEDコネクタ
14a 第1接続端子
14b 第2接続端子
20 安定器
GC ガラスケース
GC1 陳列棚
Tr 絶縁トランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電管の安定器と、
該安定器に配線ケーブルを介して電気的に接続された前記放電管のランプピンに接触するソケット電極を有するランプソケットと、
前記安定器から前記放電管へ供給される電力からLEDを点灯させる電力を変成する絶縁トランスを有する、該絶縁トランスが前記配線ケーブルに電気的に接続された前記LED駆動ユニットと
を備えたことを特徴とする照明システム。
【請求項2】
前記LED駆動ユニットが、前記ランプソケットに取り付けられたものであり、前記ソケット電極を介して前記配線ケーブルに電気的に接続されているものであることを特徴とする請求項1記載の照明システム。
【請求項3】
前記ランプソケットが、前記ソケット電極に隣接し接触することにより電気的に接続された筒状の第1接続端子を有するものであり、
前記LED駆動ユニットが、前記第1接続端子に挿入することにより電気的に接続されるピン状の第2接続端子を有するものであって、前記ランプソケットに対し着脱可能に取り付けられるものであることを特徴とする請求項2記載の照明システム。
【請求項4】
前記LED駆動ユニットが前記LEDを着脱可能に取り付けるためのLEDコネクタを備えたものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の照明システム。
【請求項5】
前記ランプソケットを支持するための支持パイプをさらに有し、
前記配線ケーブルが前記支持パイプ内に収容されており、前記LED駆動ユニットが前記支持パイプ内に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の照明システム。
【請求項6】
前記LED駆動ユニットが前記LEDに1W以下の電力を供給するものであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の照明システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−129800(P2009−129800A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305383(P2007−305383)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(000111166)ニッポ電機株式会社 (21)
【復代理人】
【識別番号】100134245
【弁理士】
【氏名又は名称】本澤 大樹
【Fターム(参考)】