説明

照明システム

【課題】照明器具の受信アンテナの安全性を確保しつつ安定して通信を行うことができる照明システムを提供する。
【解決手段】センサ部と照明器具11は、その一部が室内天井STを貫通するように設けられ、照明器具11側の無線部15のアンテナ15aは、照明器具11(筐体11a)内に備えられ、照明器具11外部と連通される貫通孔11bに対応して設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィス等の室内において、省エネルギー(省電力化)や利便性の観点から、例えば特許文献1に示すような照明装置の光の出力を人の有無で制御する照明システムが導入されている。
【0003】
特許文献1の照明システムでは、人の有無を検知する検知部とこの検知部の検知結果に応じて光の出力が制御部によって調整される照明器具とを備えている。そして、検知部からの検知結果は無線通信によって照明器具側(制御部)に伝達され、制御部はこの検知結果に基づいて照明器具の制御を行うようになっている。また、検知部の検知結果を送信するための送信アンテナと、その検知結果を受信するための受信アンテナとは、天井裏(天井より上)に載置され、室内に比べて無線伝送通信の弊害となる障害物(他の通信電波等)が少なく、安定した通信が可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−51728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような照明システムでは、通信用のアンテナを天井裏(天井より上)に配置することで、通信の安定性を向上させているが、受信アンテナが照明器具の外部に露出しているため、メンテナンスや設置時にアンテナを損傷させる虞がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、照明器具の受信アンテナの安全性を確保しつつ安定して通信を行うことができる照明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の照明システムは、人の有無を検知する検知部と該検知部の検知結果を検知信号として送信アンテナから少なくとも送信するセンサ用送信部とを有するセンサ部と、光源と前記センサ部から送信される前記検知信号を受信アンテナで受信する照明側受信部と前記光源及び照明側受信部を制御する制御部とを有する照明器具を複数有し、前記センサ部側からの検知信号を受信して制御部にて光源の光の出力を制御する照明システムであって、前記センサ部と前記照明器具は、その一部が天井を貫通するように設けられ、照明側受信部の受信アンテナは、前記照明器具内に備えられ、該照明器具外部と連通される開口部に設けられることを特徴とする。
【0008】
上記構成において、センサ部はセンサ用送信部による送信機能のみを有し、前記照明器具は照明側受信部による受信機能のみを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、照明器具の受信アンテナの安全性を確保しつつ安定して通信を行うことができる照明システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の照明システムについて説明するための概略構成図である
【図2】照明器具及びセンサ部の配置について説明するための説明図である。
【図3】(a)は照明器具の概略構成を示すブロック図であり、(b)はセンサ部の概略構成を示すブロック図であり、(c)は操作器の概略構成を示すブロック図である。
【図4】(a)は照明器具に備えられるアンテナの配置について説明するための上面図であり、(b)は照明器具に備えられるアンテナの配置について説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の照明システムは、複数の照明器具11と、複数のセンサ部21と、操作器31とを備える。
【0012】
図3(a)に示すように照明器具11は、室内Rを照らす光源12を備え、点灯回路13と電気的に接続される。この点灯回路13はこの点灯回路13を制御する制御部14と電気的に接続される。また、制御部14は、他の機器から送信される信号を受信する受信用の無線部15を備え、この信号に応じて前記点灯回路13を制御して光源12の光の出力を制御するようになっている。照明器具11は、図2に示すように、光源12の点灯部位以外が室内Rの室内天井STよりも鉛直方向上側(天井裏)に配置され、無線部15を構成するアンテナ15aが室内天井STよりも上側に配置されるようになっている。
【0013】
また、このアンテナ15aは、図4(a)(b)に示すように照明器具11の金属製の筐体11a内に備えられる。ここで、筐体11aには無数の貫通孔11bが形成され、前記アンテナ15aは前記貫通孔11bのいずれかから視認可能な位置に設けられている。このため、アンテナ15a側への無線通信用(受信用)の信号が前記筐体11aによって遮蔽されるといったことが抑えられている。なお、前記貫通孔11bは様々な規格に沿って予め形成した照明器具11を壁や天井STに取り付けるための孔の内で余った孔であることが好ましい。
【0014】
図3(b)に示すように、センサ部21は、室内R内の人の有無を検知するセンサ本体22を備え、このセンサ本体22を制御する制御部23と電気的に接続される。また、制御部23は、前記センサ本体22からの検知信号を前記照明器具11の無線部15に送信する送信用の無線部24と電気的に接続され、前記検知信号を前記無線部24を介して照明器具11側に出力するようになっている。また、センサ部21は、図2に示すようにセンサ本体22の検出面以外が室内Rの天井STよりも鉛直方向上側(天井裏)に配置され、無線部24を構成するアンテナ24aが天井STよりも上側に配置されるようになっている。
【0015】
図3(c)に示すように、操作器31は、室内Rに備えられて室内Rの人による操作が可能な操作部32を備える。操作部32は、制御部33と電気的に接続され、この制御部33は操作部32の操作ボタンに応じて信号を無線部34に出力する前記照明器具11の無線部15に送信する無線部34とを備える。
【0016】
次に、本実施形態の照明システムの動作例(作用)について説明する。
室内Rに人がドア等を開けて入った場合、センサ本体22はその旨を検知して制御部23に対して検知信号が出力する。制御部23は、検知信号が入力されるとその信号を無線部24のアンテナ24aから送信する。アンテナ24aからの検知信号は照明器具11側の無線部15のアンテナ15aで受信され、受信した検知信号に基づいて照明器具11の制御部14は点灯回路13を介して光源12を非点灯状態から点灯状態に切り替える。
【0017】
一方、室内Rから人が外にでた場合、センサ本体22はその旨を前記検知信号の出力を停止させる。制御部23では、例えば前記検知信号が入力されない時間が所定時間無かった場合、前記アンテナ24aからの信号の送信を停止させるようになっている。すると、受信側のアンテナ15aによる検知信号の受信ができないため、照明器具11側ではアンテナ15aによって検知信号が所定時間受信できない場合、制御部14は点灯回路13を介して光源12を非点灯状態に切り替える。
【0018】
また、操作器31の操作部32が操作されると、制御部33は、無線部34からその操作内容に応じた信号を送信する。無線部34からの信号は照明器具11側の無線部15のアンテナ15aで受信され、受信した信号に基づいて照明器具11の制御部14は点灯回路13を介して光源12を非点灯状態と点灯状態とを切り替える。
【0019】
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)本実施形態の照明システムは、人の有無を検知するセンサ本体22とセンサ本体22の検知結果を検知信号として送信用のアンテナ24aから送信する無線部24とを有するセンサ部21を備える。また照明システムは、光源12とセンサ部21から送信される検知信号を受信用のアンテナ15aで受信する無線部15と光源12及び無線部15を制御する制御部14とを有する照明器具11を複数有する。そして、センサ部21と照明器具11は、その一部が室内天井STを貫通するように設けられ、照明器具11側の無線部15のアンテナ15aは、照明器具11(筐体11a)内に備えられ、照明器具11外部と連通される貫通孔11bに対応して設けられる。このような構成の照明システムでは、照明器具11内にアンテナ15aが備えられるため、アンテナ15aの損傷を抑えることができる。またアンテナ15aの取付位置に貫通孔11bが形成されるため、照明器具11(筐体11a)によって無線通信用の信号が遮蔽されることが抑えられて、安定して照明器具11及びセンサ部21間で無線通信を行うことができる。
【0020】
(2)センサ部21はセンサ用送信部としての無線部24による送信機能のみを有し、前記照明器具11は照明側受信部としての無線部15による受信機能のみを有するため、信号を処理する制御部14への過度な負担を抑えることができる。
【0021】
(3)アンテナ15aが設置される貫通孔11bは様々な規格に沿って予め形成した照明器具11を壁や天井STに取り付けるための孔の内で余った孔であるため、別途貫通孔を形成する必要がない。
【0022】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、センサ部21はセンサ用送信部としての無線部24による送信機能のみを有し、照明器具11は照明側受信部としての無線部15による受信機能のみを有することとしたが、これに限らない。センサ部21に受信機能を備え、照明器具11に送信機能を備える構成としてもよい。
【0023】
・上記実施形態では、センサ部21のアンテナ24aについて特に言及していないが、アンテナ24aを照明器具11のアンテナ15a同様に筐体内に備えて、この筐体に貫通孔(開口部)を形成する構成としてもよい。また、筐体外にアンテナ24aを露出させる構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0024】
11…照明器具、11a…筐体、11b…貫通孔(開口部)、12…光源、14…制御部、15…無線部(照明側受信部)、15a…アンテナ(受信)、21…センサ部、22…センサ本体(検知部)、24…無線部(センサ用送信部)、24a…アンテナ(送信アンテナ)、ST…室内天井(天井)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の有無を検知する検知部と該検知部の検知結果を検知信号として送信アンテナから送信するセンサ用送信部とを有するセンサ部と、
光源と前記センサ部から送信される前記検知信号を受信アンテナで受信する照明側受信部と前記光源及び照明側受信部を制御する制御部とを有する照明器具を複数有し、
前記センサ部側からの検知信号を受信して制御部にて光源の光の出力を制御する照明システムであって、
前記センサ部と前記照明器具は、その一部が天井を貫通するように設けられ、
前記センサ用送信部の送信アンテナは、前記天井より上部に設けられ、
前記照明側受信部の受信アンテナは、前記照明器具内に備えられ、該照明器具外部と連通される開口部に対応して設けられることを特徴とする照明システム。
【請求項2】
請求項1に記載の照明システムにおいて、
前記センサ部はセンサ用送信部による送信機能のみを有し、前記照明器具は照明側受信部による受信機能のみを有することを特徴とする照明システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−33652(P2013−33652A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169403(P2011−169403)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】