説明

照明ユニット、導光体、および表示装置

【課題】光の取り出し効率を向上すると同時に輝度空間分布を均一にするすることの出来る照明ユニットを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の照明ユニットは、導光体の入射面(光源からの光が入射する第1側端面)を除く側端面に光反射部材を設けることにより、側端面から抜け出る光を抑え、射出効率を高めることができる。また、光反射部材の端部を第1側端面より離れた位置に配置することにより、第1側端面近傍における局所的な輝度の向上を防ぐことが出来、輝度空間分布を均一にすることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光体を用いた照明ユニット、該照明ユニットに専ら用いる導光体、該照明ユニットを組み込んだ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置において、バックライト方式が提案されている。バックライト方式は、図柄を変更するパネル(液晶パネルなど)の背面側(観察面側とは反対側)に光源を配置し、パネル背面からの光でパネルに応じた図柄を表示する方式、である。
【0003】
近年、バックライト方式に採用されている照明ユニットとして、「エッジライト方式」が提案されている。「エッジライト方式」は、導光体の側端面に光源を配置し、側端面から入射した光源からの光を、光出射面から面方向に拡散して出射する方式である。
【0004】
「エッジライト方式」は、面方向に均一な光の出射を行うことが求められる。輝度空間分布が均一でない場合、観察面側からみた表示画面に輝度ムラが発生するためである。一般に、光源からの位置が離れるほど光量が低下することから、特に大型画面(20inch以上)の表示装置において、輝度空間分布の均一性は顕著に問題となる。
【0005】
また、「エッジライト方式」に用いる光路制御を行う導光板では、光源から入射した光は光源からの光を光出射面側へ効率良く取り出すことができるように、光出射面以外の方向に向かう光の光量を抑制することが求められている。このため、導光板の側端面に光反射部材を設けることが提案されている。
【0006】
例えば、光源からの光が入射する光入射面と対向する側端面である終端面に光反射部材として反射型回折格子を配置し、終端面へ向かう光を導光板内に反射させ、光射出効率を向上させることが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−294361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
光射出効率をより向上させるためには、光反射部材が覆う側端面の面積を増加させることが考えられる。
【0009】
しかしながら、光入射面を除く側端面全てに光反射部材を設けた場合、側端面に照射された光は光反射部材により反射されてしまうため、光反射部材を配置した側端面近傍の輝度が過度に高まってしまい、輝度空間分布を均一にすることが困難となる恐れがある。
【0010】
そこで、本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、光の取り出し効率を向上すると同時に輝度空間分布を均一にすることの出来る照明ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態は、光源と、導光体と、光反射部材と、を備えた照明ユニットであって、前記導光体は、第1主面と、前記第1主面と対向する第2主面と、前記第1主面と前記第2主面とを接続する4つの側端面を有する導光体であり、前記光源は、前記4つの側端面のうちの1つである第1側端面に臨んで、延在方向に複数並べて配置され、前記光反射部材は、前記第1側端面に対向する第2側端面、及び、前記第1側端面と前記第2側端面とを接続する第3側端面・第4側端面に臨んで配置され、前記第1主面には、前記導光体内を導光する光を前記第2主面側へと偏向する光偏向要素が形成され、前記第3側端面および前記第4側端面に臨んで配置された前記光反射部材の第1側端面側の端部は、前記第1主面の延在方向にあって前記第1側端面より離れた位置にあることを特徴とする照明ユニットである。
【0012】
前記第1側端面、から、前記第3側端面および前記第4側端面に臨んで配置された前記光反射部材の第1側端面側の端部、までの距離Aは、下記式を満たす距離Aであることが好ましい。
0.03×(M−L)<{F(A)−L/2}<0.10×(M−L)
x:第1主面の延在方向における第1側端面からの距離、
F(x):前記光源の一つのみを点灯したときの第2主面の法線方向に対する面光強度分布にあって、距離xにおける配列方向断面プロファイルの半値半幅、
F(A):前記光源の一つのみを点灯したときの第2主面の法線方向に対する面光強度分布にあって、距離Aにおける配列方向断面プロファイルの半値半幅、
M:前記光源の配列長、
L:前記光源の配列方向に対する長さ。
【0013】
また、前記導光体と前記光反射部材は接していてもよい。
【0014】
また、前記光偏向要素は、凹ドット形状であってもよい。
【0015】
また、前記光偏向要素の前記光源の配列方向におけるアスペクト比は、0.05以上0.3以下の範囲内にあることが好ましい。
【0016】
また、前記第2主面には、第1側端面の延在方向と略直交する方向に延在した第2主面レンズが形成されていてもよい。
【0017】
また、前記第2主面レンズの配列方向断面のレンズ幅に対するレンズ高さの比であるアスペクト比は、0.1以上0.6以下の範囲内にあることが好ましい。
【0018】
本発明の一実施形態は、上述に記載の照明ユニットを用いた表示装置である。
【0019】
本発明の一実施形態は、上述に記載の照明ユニットに用いる導光体である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の照明ユニットは、導光体の入射面(光源からの光が入射する第1側端面)を除く側端面に光反射部材を設けることにより、側端面から抜け出る光を抑え、光射出効率を高めることができる。また、第3側端面および第4側端面において光反射部材の端部を第1側端面より離れた位置に配置することにより、第1側端面近傍における局所的な輝度の向上を防ぐことが出来、輝度空間分布を均一にすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の照明ユニットの一例を示す概略図である。
【図2】本発明の照明ユニットの光反射部材の作用の説明に用いる模式図である。
【図3】本発明の照明ユニットの光反射部材の作用の説明に用いる模式図である。
【図4】本発明の照明ユニットの光反射部材の作用の説明に用いる模式図である。
【図5】本発明の照明ユニットの光反射部材の作用の説明に用いる模式図である。
【図6】本発明の照明ユニットの光反射部材の配置位置における好ましい様態の説明に用いる模式図である。
【図7】本発明の照明ユニットの光反射部材の配置位置における好ましい様態の説明に用いる模式図である。
【図8】本発明の照明ユニットの光偏光要素の一例を示す模式図である。
【図9】本発明の照明ユニットの光偏光要素における好ましい様態の説明に用いる模式図である。
【図10】本発明の照明ユニットの第2主面レンズの一例を示す模式図である。
【図11】本発明の照明ユニットの第2主面レンズの一例のY方向断面図である。
【図12】本発明の照明ユニットの第2主面レンズに対する光線の動きについて示したY方向断面図である。
【図13】本発明の照明ユニットに用いる導光体の一例を示す模式図である。
【図14】本発明の照明ユニットを用いた表示装置の一例を示す模式図である。
【図15】実施例におけるxに対する{F(x)−L}の変化を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の照明ユニットについて説明を行う。
【0023】
図1に、本発明の照明ユニットの一例を示す。
導光板10は、観察者方向Fを向いた第2主面11と、第2主面11と対向する第1主面12と、前記第1主面と前記第2主面とを接続する4つの側端面(第1側端面13、第2側端面14、第3側端面15、第4側端面16)から構成される。第1側端面13側には、光源(図示せず)が並んで配置されている。さらに、第2側端面14、第3側端面第2側端面側領域15bおよび第4側端面第2側端面側領域16bには、光反射部材19を臨んで配置している。また、第3側端面第1側端面側領域15aおよび第4側端面第1側端面側領域16aに対応する部位には光反射部材は配置されない。光反射部材19を、第2側端面14、第3側端面第2側端面側領域15bおよび第4側端面第2側端面側領域16bに臨ませて配置することで、入射面となる第1側端面13以外の側端面から抜け出る光を抑えることができ、ロスとなる光が減少することで、射出効率の高い照明ユニットを得ることができる。
【0024】
導光体は、光を面方向に出射する出射面(第2主面)と、出射面と対向する光立ち上げ面(第1主面)と、前記第2主面と前記第1主面とを接続する4つの側端面(それぞれ、第1側端面、前記第1側端面に対向する第2側端面、前記第1側端面と前記第2側端面とを接続する第3側端面・第4側端面)と、を有する板状の形成体である。また、光源からの光は第1側端面(入射面)から導光体内に導光される。
【0025】
導光体に用いる材料は、光源から発する光に対し、光透過性を有する材料であればよい。例えば、光源が可視光の場合、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フッ素系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、アクリル−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリル系樹脂、ポリメチルメタアクリレート、シクロオレフィンポリマー、などを含む材料を用いてもよい。また、導光体は異種また同種の材料が積層された積層体であってもよい。なお、アクリル系樹脂、特にPMMA(ポリメチルメタアクリレート)は可視光に対する光透過性が良好なことから、本発明の導光板に用いる主たる材料として好ましい。ここで、主たる材料とは導光板全体の重量における重量比が90%以上である材料のことをいう。
【0026】
また、導光体の第1側端面(入射面)には、光取り込み構造物が賦形されていてもよい。入射面に光取り込み構造物を形成することにより、光源からの光が入射する面積が増加し、光を導光体内に取り込む効率を向上することが出来る。光取り込み構造物としては、例えば、ランダムな構造物、凹凸状パターン、などが挙げられる。
【0027】
導光体の形成方法は、選択した材料および寸法・仕様に応じて、適宜公知の形成方法を選択し用いてよい。例えば、形成方法として、押し出し成形法、射出成形法、熱プレス成形法、などを用いてもよい。
【0028】
光源は、前記導光体の第1側端面(入射面)に臨んで、延在方向に複数並べて配置される。光源として、例えば、蛍光管、冷陰極管、熱陰極管、外部電極管、LED、有機EL、無機EL、などの光源を用いてもよい。また、1方向に複数並べて配置することから、線状光源や点状光源を用いることが好ましい。線状光源としては、例えば、CCFL、HCFL、EEFL等の蛍光管が挙げられる。また、点状光源としては、白色LED、RGB−LED等のLEDが挙げられる。
【0029】
また、光源を配置するにあたり、光源の深さ寸法は、導光板の深さ寸法の同程度以下であることが好ましい。光源の深さ寸法を導光板の深さ寸法の同程度以下にすることにより、エッジライト型の導光板として導光板の側端面に光源を配置したとき、光源からの光をロスすることなく導光板内に導光することが出来る。なお、ここで「同程度」とは、光源の深さ寸法と導光板の深さ寸法の差の絶対値が導光板の深さ寸法の10%以下程度であることをいう。
【0030】
光反射部材は、前記導光体の第2側端面、及び、第3側端面・第4側端面の一部に臨んで配置する。光反射部材を第2側端面、及び、第3側端面・第4側端面の第2側端面側に臨んで配置することにより、入射面となる第1側端面以外の側端面から抜け出る光を抑えることができ、ロスとなる光が減少することで、射出効率の高い照明ユニットを得ることができる。また、第3側端面・第4側端面に臨む光反射部材を第2側端面に近い領域に限定することで、第3側端面・第4側端面の第1側端面近傍における局所的な輝度の向上を防ぐことができ、空間輝度分布の均一性を向上させることが出来る。
また、一般に、光の閉じ込め性能が高い導光板では、第3側端面・第4側端面近傍において、第1側端面側が第2側端面側に対して輝度が高くなりやすく、輝度分布の均一性を保つことは難しい。本発明の照明ユニットによれば、第1側端面近傍における局所的な輝度の向上を防ぐことが出来ることから、本発明の照明ユニットは、特に、光の閉じ込め性能が高い導光板を好適に利用することが出来る。尚、光閉じ込め性能については後述する。
【0031】
以下、図2〜図5を用いて、光反射部材の作用について、説明を行う。なお、図2〜図5において、濃淡色は、光の強度を示しており、色が濃いほど光強度が強く、薄いほど光強度が弱いことを示す。
【0032】
図2に、側端面に光反射部材を配置しない照明ユニットについて、観察者面側Fから観測した際の光源9からの光の広がりを示す。図2では、第3側端面15・第4側端面16に照射する光は、第2側端面14に近づくほど多くなる。側端面に照射した光の一部は導光体と外部との界面にて反射され再利用することができるが、一部は透過し再利用できないロス光となってしまう。また、光源9から照射された光はX方向へ向かうと共にY方向に広がりもって伝播する。
【0033】
図3に、側端面に光反射部材を配置しない照明ユニットについて、観察者面側Fから観測した際の光源9からの光の強度分布を示す。複数の光源からの光の重なりが少ない第3側端面15・第4側端面16近傍においては、輝度が低下する。また、光の伝播距離が長くなるほど光量が低下することから、第2側端面14に近づくほど、輝度が低下する。
【0034】
図4に、第3側端面15・第4側端面16の全面に光反射部材19を配置した照明ユニットについて、観察者面側Fから観測した際の光源9からの光の強度分布を示す。図4では、第3側端面15・第4側端面16近傍の第1側端面に近い領域における輝度が向上することが示されている。これは、光反射部材19が配置されていると、第1側端面13から入射した光のうちY方向に広がる光が光反射部材19により、導光板内に偏向され、第2主面11から射出されるため、と考えられる。また、図4では、第3側端面15・第4速端面16近傍の第2側端面に近い領域における輝度が低下することが示されている。これは、光反射部材19が配置されていると、第1側端面13に近い領域で輝度が向上している分、第2側端面14に近い領域では光量が不足するため、と考えられる。
よって、第3側端面15・第4側端面16の全面に光反射部材19を配置した場合、ロス光の低減はできるが、輝度分布がより不均一になってしまう。
【0035】
図5に、本発明の照明ユニットについて、観察者面側Fから観測した際の光源9からの光の強度分布を示す。第3側端面第2側端面側領域および第4側端面第2側端面側領域に、光反射部材19を臨んで配置することにより、第3側端面15・第4側端面16近傍の第2側端面14に近い領域における輝度低下を防ぐことができる。これにより、ロス光の低減とともに、輝度分布の均一性も向上させることができる。
【0036】
光反射部材は、光源から発せられた光を受けたとき反射できる部材であればよい。例えば、(1)アルミ箔、などの金属箔、(2)偏向するように光学設計された凹凸パターン、などの光学部材、(3)体質顔料やシリカなどの無機フィラー、タルク、酸化チタン、などを含む白色着色剤、(4)樹脂(PET、PP、など)にフィラーを混練し、延伸することによりボイドを形成して反射率を高めた樹脂シート、などを光反射部材として用いてよい。特に、フィラーを混練した樹脂シートは、導光板の下部に配置するリフレクタにも利用できるため、本発明の照明ユニットをより簡便にすることができる。
【0037】
また、光反射部材は、前記導光体の側端面と接していることが好ましい。導光体と光反射部材を密着させることにより、照明ユニット組み立て時の手間を少なくすることができる。また、光反射部材と導光体との隙間から光が漏れ出ることを抑制することが出来る。
【0038】
また、光反射部材は、「前記第1側端面、から、前記第3側端面および前記第4側端面に臨んで配置された前記光反射部材の第1側端面側の端部、までの距離Aは、下記式を満たす距離Aである」ように配置することが好ましい。光反射部材を配置する領域を限定することにより、射出効率を向上させつつ、空間輝度分布の均一性を保つことができる。
0.03×(M−L)<{F(A)−L/2}<0.10×(M−L)
x:第1主面の延在方向における第1側端面からの距離、
F(x):第2主面の法線方向に対する面光強度分布にあって、距離xにおける配列方向断面プロファイルの半値半幅、
F(A):第2主面の法線方向に対する面光強度分布にあって、距離Aにおける配列方向断面プロファイルの半値半幅、
M:前記光源の配列長、
L:前記光源の配列方向に対する長さ。
【0039】
以下、図6〜図7を用いながら、光反射部材の配置位置における好ましい様態について、説明を行う。
【0040】
図6に、光源9の一つから射出され導光体10を導光し第2主面11から射出される光の、第2主面11の法線方向に対する面光強度分布(上図)と、面光強度分布の距離xにおけるY方向断面プロファイル(下図)を示す。一つの光源9から射出された光は、第1側端面13から入射し、導光板10内を導光し、第2主面11から射出される。導光の際には、基本的には光源9から第1側端面13に向かう方向(X方向)に向かって光は進むが、それと略直交する光源9の配列方向(Y方向)にも広がりを有する。そのため、光強度分布は、図7(下図)に示すように山なり形状となる。つまり、第2側端面に向かうほど、光はY方向に広がるため、半値半幅F(x)はxに対して単調に増加する。
【0041】
図7に、第2主面11の面光強度分布とF(x)の関係を示す。図中のαは0〜1までの値の係数である。図より、{F(x)−L/2}がα(M−L)と一致する位置xは、端から数えて100αパーセント以内の光源9からの光が第3側端面15・第4側端面16に照射される位置、となる。ここで、照射範囲や図中の光広がりについては、半値幅まで広がっている、とする。
係数αが0.03よりも小さい場合、第3側端面第2側端面側領域15b・第4側端面第2側端面側領域16bは大きすぎ、第1側端面13付近で局所的に輝度が向上し第2側端面14付近で輝度が低下してしまう。また、係数αが0.10より大きい場合、第3側端面第2側端面側領域15b・第4側端面第2側端面側領域16bは小さすぎ、第3側端面15・第4速端面16から抜け出てしまう光が多くなり、第2主面11から射出する光量(射出効率)が低下してしまう。
【0042】
光偏向要素は、前記導光体内を導光する光を前記第2主面側へと偏向するために第1主面(光立ち上げ面)に、形成される。光偏向要素としては、例えば、(1)印刷された白色拡散反射ドット、(2)一方向に延在したプリズム形状等の立体構造物、(3)光学設計された微小なレンズ状凹凸パターン(楕円体、球体、多角錐、円錐、などの形状、それらの頂部が削れた形状、それらを組み合わせた形状、など)、などを用いてよい。
【0043】
図8に、光偏光要素のレンズ形状の一例を示す。図8(a)は、球体状のレンズ形状である。図8(b)は、角錐状のレンズ形状である。図8(c)は、球体状の頂部が削れたレンズ形状である。図8(d)は、角錐状の頂部が削れたレンズ形状である。図8(e)は、楕円状のレンズ形状である。
【0044】
また、光偏向要素は、凹ドット形状パターンであることが好ましい。凸形状パターンと凹形状パターンとを比較した場合、凹形状の方が照射する光量が多くなり、射出効率を高めることができる。また、二次元方向に形状を持つドット形状にすることで、光制御要素の一つ一つが視認されてしまうことを防ぐことができ、局所的な輝度均一性も保つことができる。
【0045】
図9に、光偏向要素に対する光の照射について模式図で示す。図9(a)は、凹形状パターンを示す。図9(b)は、凸形状パターンを示す。第1側端面(入射面)方向からの光に対しては、図9(a)に示す凹形状における光線幅の方が大きく、凹形状の方が照射する光量が多いことが示唆される。
【0046】
また、光偏向要素の前記光源の配列方向におけるアスペクト比は、0.05以上0.3以下の範囲内にあることが好ましい。アスペクト比が0.3よりも大きい場合、光源の配列方向に対する導光板に入射した光の広がりが大きくなってしまうため、光閉じ込め性能が悪くなってしまう。また、アスペクト比が0.05よりも小さい場合、光偏向要素が長くなりすぎるため、光偏向要素の一つ一つが視認されてしまいやすくなり、局所的な輝度均一性を保つことができなくなる。光偏向要素の前記光源の配列方向におけるアスペクト比を上記範囲内にすることにより、導光板は光閉じ込め性能を好適に発揮できる。一般に、光の閉じ込め性能が高い導光板では、第3側端面・第4側端面近傍において、第1側端面側が第2側端面側に対して輝度が高くなりやすく、輝度分布の均一性を保つことは難しい。本発明の照明ユニットによれば、第1側端面近傍における局所的な輝度の向上を防ぐことが出来ることから、特に、光の閉じ込め性能が高い導光板を好適に用いることが出来る。
【0047】
また、第2主面レンズを、前記第2主面に、第1側端面の延在方向と略直交する方向に延在するように形成することが好ましい。第2主面に第1側端面の延在方向と略直交する方向に延在した第2主面レンズを配列させることにより、光源の配列方向に対する導光板に入射した光の広がりを抑えることができる。これにより、光を閉じ込めることができ、応用上、ローカルディミングやスキャニングといった機能をもたせることができる。一般に、光の閉じ込め性能が高い導光板では、第3側端面・第4側端面近傍において、第1側端面側が第2側端面側に対して輝度が高くなりやすく、輝度分布の均一性を保つことは難しい。本発明の照明ユニットによれば、第1側端面近傍における局所的な輝度の向上を防ぐことが出来ることから、特に、光の閉じ込め性能が高い導光板を好適に用いることが出来る。
【0048】
第2主面レンズのレンズ形状は、所望する仕様に応じて適宜光学設計し、決定してよい。例えば、球面形状、非球面形状、三角プリズム形状、三角形状、台形形状、これらの形状の一部を直線形状に変換した形状、これらの形状の一部が丸みを帯びた形状、これらの細部に凹凸がついた形状、角部に丸みのついた形状、などが挙げられる。
【0049】
図10に、第2主面レンズのレンズ形状の一例を示す。図10(a)は、楕円状のレンズ形状である。図10(b)は、三角状のレンズ形状である。図10(c)は、台形状の頂部が削れたレンズ形状である。図10(d)は、角錐状の頂部が削れたレンズ形状である。
【0050】
また、第2主面レンズの配列方向断面のレンズ幅に対するレンズ高さの比であるアスペクト比は、0.1以上0.6以下の範囲内にあることが好ましい。アスペクト比が0.1よりも小さい場合、光閉じ込め性能が小さくなってしまう。また、アスペクト比が0.6よりも大きい場合、光閉じ込め性能が小さくなってしまう。本発明は、光閉じ込め性能が高いときに特に有効に発揮するため、アスペクト比が、0.1以上0.6以下の範囲内であると良い。
【0051】
また、第2主面レンズの配列方向断面のレンズ幅に対するレンズ高さの比であるアスペクト比は、0.2以上0.4以下の範囲内にあることがより好ましい。特に、光閉じ込め性能を高めるためには、アスペクト比が0.1以上0.4以下の範囲が好ましい。また、第2主面(出射面)からの射出光を正面方向へと立ちあげる集光性能を考慮した場合、集光効果は出射面からの射出の際の屈折により発生し、光閉じ込め性能よりもアスペクト比が大きい方が効果を得やすいことから、アスペクト比が0.2以上0.6以下の範囲にあることが好ましい。よって、アスペクト比が0.2以上0.4以下の範囲内にあることがより好ましい。
【0052】
図11に、第1主面12と対向する第2主面11に第2主面レンズ18を形成した導光体10についてY方向断面図を示す。ここで、第2主面レンズのアスペクト比は、第2主面レンズ18のY方向断面のレンズ幅W2に対するレンズ高さH2の比である。また、図11では、第2主面レンズ18のピッチ幅はP2として示す。
【0053】
図12に、第2主面レンズに対する光線の動きについて示したY方向断面図を示す。このとき、光線はX方向に対して進んでおり、反射する光が存在する。よって、入射光を実線、反射光を点線で示す。図12(a)は、第2主面レンズのアスペクトが0.1よりも小さい場合を示す。図12(a)では、レンズの接線角が小さく、平坦面の場合と大きな差がない。図12(b)は、第2主面レンズのアスペクトが0.1以上0.60以下の範囲の場合を示す。図12(b)では、入射光線と近い方向に反射されるので、光の閉じ込め性能が向上する。図12(c)は、第2主面レンズのアスペクトが0.6よりも大きい場合を示す。図12(c)では、レンズの接線角が大きく、導光中の光の反射光を逆に広げてしまう。
【0054】
図13に、凹状の光偏向要素を形成し、X方向に延在した第2主面レンズ18を配列させた導光体10の一例を示す。第2主面11に、X方向に延在した第2主面レンズ18を配列させることで、Y方向に広がっていく光を第2主面レンズ18により反対方向に導光させることができる。これにより、導光板10に入射した光のY方向に対する広がりを抑えることができる。つまり、F(x)のx依存性を小さくすることができる。よって、第2主面レンズ18を配列させることにより、光を閉じ込めることができ、応用上、ローカルディミングやスキャニングといった機能をもたせることができる。また、第1主面には、凹形状の光偏光要素が形成されている。
【0055】
また、本発明の照明ユニットにおいて、更に、前記導光板の出射面上に配置される光学シートを備えていてもよい。適宜公知の光学シートと組み合わせることにより、所望の表示性能を有する表示装置を提供することが出来る。また、光学シートは、所望の輝度と視野角を得られるように複数種類組み合わせても良い。光学シートとして、例えば、マイクロレンズシート、拡散シート、プリズムシート、レンチキュラーレンズシート、偏光分離シート、などが挙げられる。特に、拡散要素を含む光学シートを配置すると、導光板の光偏向要素が直接視認されることを防ぐことができるため好ましい。
【0056】
また、本発明の照明ユニットにおいて、導光板の下部にリフレクタを配置してもよい。光反射性を有するリフレクタを配置することにより導光板の下部に抜けた光を第2主面側 へ反射することができ、光取り出し効率を向上させることが出来る。リフレクタとして、例えば、(1)樹脂(PET、PP、など)にフィラーを混練し、延伸することによりボイドを形成して反射率を高めた樹脂シート、(2)透明もしくは白色の樹脂シート表面にアルミ蒸着などで鏡面を形成したシート、(3)アルミ等の金属箔もしくは金属箔を担持した樹脂シート、(4)表面に十分な反射性を有する金属薄板、などを用いてもよい。
【0057】
以下、本発明の表示装置について説明を行う。
本発明の表示装置は、上述の照明ユニットと、照明ユニットから出射される光が背面側から入射されるように配置された画像表示パネルと、を備える。
【0058】
画像表示パネルは、複数の画素が配列され、各画素を切り替えることにより所望する画像を表示画像として表示する。画像表示パネルとしては、例えば、液晶表示素子、カラーフィルタを備えた液晶表示素子、有機EL素子、無機EL素子、フィルムなどを用いてよい。用いる画像表示素子により、投射スクリーン装置、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ、液晶表示装置、などとなる。
【0059】
図14に、本発明の表示装置の一例を以下に示す。
図14に示す表示装置1は、観察面方向Fから見て、画像表示パネル2、照明ユニット3、がこの順で配置された構成である。画像表示パネル2は、偏光板上層4と偏光板下層5との間に、画像表示素子6を配置した構成である。照明ユニット3は、観察面方向Fから見て、光学シート、ランプハウス、がこの順で配置された構成である。図14では、光学シートは3種配置されており、観察面方向Fから見て、偏光機能を有する偏光光学シート23/集光機能を有するようにプリズム状パターンが平行に配列された集光光学シート22/光を均一に広げるように表面が凹凸状に形成されている拡散光学シート21、がこの順で配置されている。ランプハウスは、導光体10の側端部である第1側端面13(光入射面)に臨んで光源9を配置し、第1主面12(光立ち上げ面)側にリフレクタ20を配置し、第2主面11(光出射面)から光を出射する構成である。また、導光板10は、第1主面12(光立ち上げ面)と第2主面(光出射面)11とが対向し、両者は第1側端面13(光入射面)、第2側端面14で接続されている。また、第1主面12(光立ち上げ面)には、光立ち上げパターンとして光偏向要素17が形成されている。また、第2主面(光出射面)11には、光拡散パターンとして第2主面レンズ18が形成されている。
【0060】
図14では、光源9から出射された光は、直接的に、またはリフレクタ60での反射を介した後に導光板10に入射する。導光板10に入射した光は、導光板10の内部を通過して直接的に、または光学偏光要素17において反射した後に第2主面(光出射面)11から出射する。導光板10から面方向に出射した光は、拡散光学シート21/集光光学シート22/偏光光学シート23をこの順で通過し、光照射方向Kの向きに出射され、画像表示パネル2に入射する。画像表示パネル2では、画像信号に基づいて駆動部(図示せず)によって制御された各画素領域の偏光状態に応じて、所定の画素領域からの光が表示光として透過され、観察面方向Fから観察したとき画像表示が行われる。
【実施例】
【0061】
導光板として、厚み2mmt、サイズ500mm×300mmのアクリル板を用意した。第2主面レンズ18がないものと、第2レンズ18としてアスペクト比0.3の形状が長辺方向に延在したレンズが賦形されたものの2種類を用意した。そのそれぞれに対して、光偏向要素17として、短辺方向に対するアスペクト比が0.1の凹ドット形状、0.3の凹ドットを賦形した導光板10を用意した。光源9として白色LED(光源長L=5mm)を短辺に沿うように複数配置(配列長M=300mm)し、導光板10の第1主面11と対向する位置に反射シート20、第2主面12と対向する位置に光学シート21・22・23として拡散シート・プリズムシートの2枚を配置した。
【0062】
上記4つの導光板に対して、白色LEDを一つのみ点灯させたときの画面輝度分布の測定を行った。また、光反射部材19を第2側端面14と第2領域15b、16bに密着させて配置し、第2領域の開始位置Aをいくつか変更して、画面輝度分布の測定を行った。光反射部材19にはPETにフィラーを混練後延伸することによりボイドを形成して反射率を高めた樹脂シートを利用した。
画面輝度分布の測定は、Radiant Imaging社製の輝度・照度・色度測定システムProMetric(PM―1200)を利用した。
【0063】
まず、白色LEDを一つのみ点灯させたときの画面輝度分布の測定の結果から、各導光板10の{F(x)−L}を第1側端面13からの距離xに対してプロットした結果を図15に示す。第2レンズを賦形することによりグラフの増加率が小さいことがわかる。つまり、光の閉じ込め性が高い。また、光偏向要素17のY方向に対するアスペクト比は0.1の方が光閉じ込め性は高い。
【0064】
次に、光反射部材19の配置開始位置Aを変更したときの、画面輝度分布・画面中心輝度の評価結果を表1・2に示す。
【表1】

【表2】

【0065】
画面輝度分布は、画面全体の輝度の最大値と最小値の差が小さい方が好ましく、A=500mmつまり光反射部材19を第3・4側端面15・16に配置しない場合に比べて、良好なものを○、不良なものを×とした。結果、Aが小さい場合×になり、大きくなると○になることが判明した。図15と比較すると、Aが{F(x)−L}が凡そ9を超えるx以上のときに○となっていることがわかる。
【0066】
画面中心輝度は、大きい方が好ましく、A=0mmつまり光反射部材19を第3・4側端面15・16の全面に配置した場合に比べて、良好なものを○、不良なものを×とした。結果、Aが大きい場合×になり、小さくなると○になることが判明した。図15と比較すると、Aが{F(x)−L}が凡そ30を超えないx以上のときに○となっていることがわかる。
【0067】
画面輝度分布と画面中心輝度の両方が○となるものを○とし、片方でも×になってしまうものを×そしてまとめた表を表3に示す。結果、総合評価として、○になるものは、凡そ9<{F(x)−L}<凡そ30ということがわかる。今回、M=300mmなので、凡そ、0.03×(M−L)<{F(A)−L/2}<0.10×(M−L)である。
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の照明ユニットは、面方向に拡散する光を要する用途に対し広範に利用することができる。例えば、表示装置(液晶表示装置、投射スクリーン装置、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ、液晶表示装置)、ノートパーソナルコンピュータ、タブレットパーソナルコンピュータ、デジタルサイネージ、空間立体映像投影装置、携帯電話端末、電子書籍端末、照明具、建材、などの用途に用いることが期待される。
【符号の説明】
【0069】
1……表示装置
2……画像表示パネル
3……照明ユニット
4……偏光板上層
5……偏光板下層
6……画像表示素子
9……光源
10……導光体
11……第2主面
12……第1主面
13……第1側端面
14……第2側端面
15……第3側端面
16……第4側端面
17……光偏向要素
18……第2主面レンズ
19……光反射部材
20……リフレクタ
21……拡散光学シート
22……集光光学シート
23……偏光光学シート
15a……第3側端面第1側端面側領域
15b……第3側端面第2側端面側領域
16a……第4側端面第1側端面側領域
16b……第4側端面第2側端面側領域
X……光源の配列方向と略直行する方向
Y……光源の配列方向
A……光反射部材の端部位置
M……光源の配列長
L……光源の配列方向に対する長さ
H……レンズ高さ
W……レンズ幅
K……光照射方向
F……観察面方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、導光体と、光反射部材と、を備えた照明ユニットであって、
前記導光体は、第1主面と、前記第1主面と対向する第2主面と、前記第1主面と前記第2主面とを接続する4つの側端面を有する導光体であり、
前記光源は、前記4つの側端面のうちの1つである第1側端面に臨んで、延在方向に複数並べて配置され、
前記光反射部材は、前記第1側端面に対向する第2側端面、及び、前記第1側端面と前記第2側端面とを接続する第3側端面・第4側端面に臨んで配置され、
前記第1主面には、前記導光体内を導光する光を前記第2主面側へと偏向する光偏向要素が形成され、
前記第3側端面および前記第4側端面に臨んで配置された前記光反射部材の第1側端面側の端部は、前記第1主面の延在方向にあって前記第1側端面より離れた位置にあること
ことを特徴とする照明ユニット。
【請求項2】
前記第1側端面、から、前記第3側端面および前記第4側端面に臨んで配置された前記光反射部材の第1側端面側の端部、までの距離Aは、下記式を満たす距離Aであること
を特徴とする請求項1に記載の照明ユニット。
0.03×(M−L)<{F(A)−L/2}<0.10×(M−L)
x:第1主面の延在方向における第1側端面からの距離、
F(x):前記光源の一つのみを点灯したときの第2主面の法線方向に対する面光強度分布にあって、距離xにおける配列方向断面プロファイルの半値半幅、
F(A):前記光源の一つのみを点灯したときの第2主面の法線方向に対する面光強度分布にあって、距離Aにおける配列方向断面プロファイルの半値半幅、
M:前記光源の配列長、
L:前記光源の配列方向に対する長さ。
【請求項3】
前記導光体と前記光反射部材は接していること
を特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の照明ユニット。
【請求項4】
前記光偏向要素は、凹ドット形状であること
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の照明ユニット。
【請求項5】
前記光偏向要素の前記光源の配列方向におけるアスペクト比は、0.05以上0.3以下の範囲内にあること
を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の照明ユニット。
【請求項6】
前記第2主面には、第1側端面の延在方向と略直交する方向に延在した第2主面レンズが形成されていること
を特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の照明ユニット。
【請求項7】
前記第2主面レンズの配列方向断面のレンズ幅に対するレンズ高さの比であるアスペクト比は、0.1以上0.6以下の範囲内にあること
を特徴とする請求項6に記載の照明ユニット。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の照明ユニットを用いた表示装置。
【請求項9】
請求項1から7のいずれかに記載の照明ユニットに用いる導光体。

【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−109906(P2013−109906A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252840(P2011−252840)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】