照明付き栽培システム
【課題】 栽培する植物体の成長等による大きさに変化があっても、常に必要照度の光を植物体に照射でき、設備コストも抑制できる照明付き栽培システムを提供する。
【解決手段】 この照明付き栽培システムは、ラック本体2に栽培物載置棚3を上下複数段に設置したラック1を備える。各栽培物載置棚3の上方には栽培物載置棚の栽培物を照明する照明器具4を複数台ずつ設け、これら各照明器具4を照明器具昇降機構5によりラック本体2に対して個別に上下位置変更可能に支持する。
【解決手段】 この照明付き栽培システムは、ラック本体2に栽培物載置棚3を上下複数段に設置したラック1を備える。各栽培物載置棚3の上方には栽培物載置棚の栽培物を照明する照明器具4を複数台ずつ設け、これら各照明器具4を照明器具昇降機構5によりラック本体2に対して個別に上下位置変更可能に支持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、植物工場等に設置される照明付き栽培システムに関する。
【背景技術】
【0002】
植物工場では、単位面積あたりの栽培数を増やすため、一般的に栽培部分を多段とした多段式栽培システムが用いられている。多段式栽培システムにおける各段の栽培部分には、栽培する植物の大きさに関係なく、植物の光合成を促進するための照明器具(蛍光灯、LED、高圧Naランプなど)が所定の位置に取付けられている。このため、照明器具から栽培部分に照射される光の照度は常に一定となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−50288号公報
【特許文献2】特開平8−266152号公報
【特許文献2】特開平6−197673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した従来の多段式栽培システムでは、栽培する植物の大きさに関係なく、常に一定位置に取付けられた照明器具により光が植物体に照射される。そのため、栽培する植物体が小さい時点に合わせて必要照度を設定すると、成長により植物体が大きくなった時点で、必要照度以上の光を照射することになる。あるいは、植物体が大きくなった時点に合わせて必要照度を設定すると、植物体が小さいときには照度不足となる。また、植物体の大きさに関係なく、必要に応じて照度を設定・調整する場合は、照明器具に対する照度制御が必要になるため、設備コストが増大するという問題が生じる。
【0005】
この発明の目的は、栽培する植物体の成長により大きさに変化があっても、常に必要照度の光を植物体に照射でき、設備コストも抑制できる照明付き栽培システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の照明付き栽培システムは、ラック本体に栽培物載置棚を上下複数段に設置したラックと、各栽培物載置棚の上方に位置して複数台ずつ設けられて栽培物載置棚の栽培物を照明する照明器具と、これら各照明器具を前記ラック本体に対して個別に上下位置変更可能に支持する複数の照明器具昇降機構とを備える。
【0007】
この構成によると、各照明器具を前記ラック本体に対して個別に上下位置変更可能に支持する複数の照明器具昇降機構を設けたため、栽培する植物体の大きさが成長により変化しても、照明器具昇降機構を調整するだけで、常に必要照度の光を植物体に照射できる。そのため、制御装置などの過剰な設備が要らず簡易な設備で対応できるため、設備コストも抑制できる。また、必要照度を大きくする場合には、照明器具を栽培する植物体に近接させることで対応できるため、照明器具の負荷を下げることができる。さらに、照度の調整には熟練を要せず誰でも使用できる。照明器具昇降機構は、各照明器具を個別に上下位置変更可能であるため、同じ栽培物載置棚の栽培物に、栽培物載置棚上の照明器具並び方向の場所による大きさの違いがあっても、各照明器具を場所毎に高さ調整することで、場所による大きさの違いに対処することができる。
【0008】
この発明において、前記各照明器具は、前記ラック本体の幅方向に延びてラック本体の奥行き方向に複数台平行に並べて設けられ、前記照明器具昇降機構は、前記各照明器具の両端にそれぞれ設けられた照明支持具と、前記ラック本体に設けられて前記各照明器具の両端の前記照明支持具を上下位置変更可能に案内する複数の照明受部材と、前記ラック本体に設けられて前記各照明器具を個別に持ち上げ付勢する昇降用ユニットと、前記各照明器具の前記各照明支持具を前記照明受部材に対して上下位置変更可能に留め付ける留め具とでなるものとしても良い。
このように構成した場合、照明器具の重量が昇降用ユニットで持ち上げ付勢されるため、作業者が手作業で上下位置変更を行うにつき、照明器具を支えておく必要がなく、位置変更作業が容易である。また、照明器具の位置調整では、照明器具が照明受部材と照明支持具とで案内されるため、上下位置変更時に位置ずれしない。
【0009】
また、この発明において、前記昇降用ユニットは、前記ラック本体の奥行き方向に延びて前記ラック本体に取付けられる昇降用ユニット本体と、この昇降用ユニット本体の奥行き方向に並ぶ複数箇所に設けられてそれぞれ下端が前記奥行き方向に並ぶ各照明器具に結合され照明器具をばね部材によって持ち上げ付勢する持ち上げ力付与機構とでなるものとしても良い。
このように昇降用ユニットを構成した場合、照明受部材と照明支持具とによる位置ずれ防止作用のため、平行リンクなどを用いず、持ち上げ力付与機構で支持しても、位置ずれを生じずに照明器具を昇降させることができる。
【0010】
また、この発明において、前記照明器具の両端にそれぞれ設けられた照明支持具は係止孔を有し、前記照明受部材は上下方向に並ぶ複数の位置決め孔を有し、留め具は、前記照明受部材の任意の位置決め孔に差し替え可能に差し込まれて前記照明支持具の係止孔に係合するものとしても良い。
このように構成した場合、構成がコンパクトになり、複数の照明器具が奥行き方向に並んでいてもスペース的に無理無く設置できる。
【発明の効果】
【0011】
この発明の照明付き栽培システムは、ラック本体に栽培物載置棚を上下複数段に設置したラックと、各栽培物載置棚の上方に位置して複数台ずつ設けられて栽培物載置棚の栽培物を照明する照明器具と、これら各照明器具を前記ラック本体に対して個別に上下位置変更可能に支持する複数の照明器具昇降機構とを備えるため、栽培する植物体の大きさに関係なく、常に必要照度の光を植物体に照射でき、設備コストも抑制できる。また、同じ栽培物載置棚の栽培物に、栽培物載置棚上の場所による大きさの違いがあっても、照明器具の場所毎に、大きさの違いに対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(A)はこの発明の一実施形態に係る照明付き栽培システムを正面側から見た斜視図、(B)は同照明付き栽培システムを背面側から見た斜視図である。
【図2】同栽培システムの正面図である。
【図3】同栽培システムの右側面図である。
【図4】同栽培システムの背面図である。
【図5】同栽培システムの平面図である。
【図6】図2のVI− VI 矢視断面図である。
【図7】図5のVII −VII 矢視断面図である。
【図8】同栽培システムの各照明器具を上方位置に設定した状態を示す斜視図である。
【図9】同栽培システムの分解斜視図である。
【図10】同栽培システムの上部を示す斜視図である。
【図11】同栽培システムの照明器具昇降機構における昇降用ユニットの斜視図である。
【図12】同栽培システムの照明器具と照明器具昇降機構における照明支持具との組合わせ体を示す斜視図である。
【図13】同組合せ体の分解斜視図である。
【図14】同栽培システムの照明器具昇降機構における照明受部材の斜視図である。
【図15】同栽培システムの照明器具昇降機構における照明支持具と照明受部材との組合せ部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明の一実施形態を図1〜図15と共に説明する。図1(A),(B)は、この実施形態の照明付き栽培システムを正面側および背面側から見た斜視図を示し、図2,図3,図4および図5は、正面図,右側面図,背面図および平面図を示す。この照明付き栽培システムは、植物工場内に設置されて植物の栽培に供される多段式栽培システムであって、ラック本体2に栽培物載置棚3を上下複数段に設置したラック1と、各栽培物載置棚3の上方にそれぞれ位置して栽培物載置棚3の栽培物を照射する複数台の照明器具4と、これらの各照明器具4を前記ラック本体2に対して上下位置変更可能に支持する照明器具昇降機構5とを備える。
【0014】
前記ラック本体2は、左右両端の前後位置に立設される複数本の縦フレーム14と、幅方向に延びて前部左右の縦フレーム14,14間、および後部左右の縦フレーム14,14間を連結する上下複数段の幅方向横フレーム15と、奥行き方向に延びて左部前後の縦フレーム14,14間、および右部前後の縦フレーム14,14間を連結する上下複数段の奥行き方向横フレーム16とにより構成される。
【0015】
前記栽培物載置棚3は、図示の例では上下4段に設置される。各段の栽培物載置棚3は、それぞれ前記ラック本体2の幅方向横フレーム15および奥行き方向横フレーム16を構成部材の一部として共用し、さらに前後の幅方向横フレーム15,15間に幅方向に並ぶ複数本の桟部材17を連結して構成される。これら各段の栽培物載置棚3には図2のように栽培用トレイ13が載置される。また、この照明付き栽培システムの真下には、図示しない養液タンクが配置され、ラック本体2に沿って配管された養液給水パイプ19(図6)などを経て各栽培物載置棚3上の栽培用トレイ13に養液が供給される。
【0016】
各段の栽培物載置棚3に対応してそれらの栽培物載置棚3の上方に照明器具4が複数台並べて設けられる。これら照明器具4は、図12および図13に斜視図で示すように、照明反射板7および複数の光源保持具8を有し前記ラック本体2の幅方向に延びる器具本体6と、前記各光源保持具8に保持された複数(ここでは2つ)の光源9とを有する。光源保持具8は、光源9に電気的に接続する端子(図示せず)を有するソケット等である。光源9は、例えば丸棒状の蛍光灯やLEDランプ等からなる。ここでは、各段の栽培物載置棚3ごとに、図9のようにラック本体2の幅方向に延びる3台の照明器具4がラック本体2の奥行き方向に平行に並べて設けられる。照明器具4における各光源9は、図13のように照明反射板7の裏面に前後方向に並べて取付けられる。照明反射板7の反射面となる裏面には白色塗装が施される。照明反射板7はその前後端に下向きの折り曲げ部7aを有する。これにより、照明器具4からの光が栽培物載置棚3の植物に効率良く照射される。なお、図1に示すように、ラック本体2の両側面と背面には側面反射板11と背面反射板12が設けられ、これにより照明器具4からの光がより効率良く植物に照射される。
【0017】
前記照明器具昇降機構5は、図12および図13に斜視図で示すように各照明器具4の両端にそれぞれ設けられた照明支持具20と、図14および図15に斜視図で示すようにラック本体2に設けられて前記各照明器具4の両端の照明支持具20を上下位置変更可能に案内する複数の照明受部材21と、図10および図11に斜視図で示すようにラック本体2に設けられて各照明器具4を個別に持ち上げ付勢する昇降用ユニット22と、図15に斜視図で示すように各照明器具4の照明支持具20を対応する照明受部材21に対して上下位置変更可能に留め付ける留め具23とでなる。
【0018】
図12,図13に示すように、各照明器具4の両端にそれぞれ設けられる照明支持具20は、照明器具4の両端に直接取付けられる取付部材24と、この取付部材24の外側に固定されて外向きに開口する断面コ字状で縦長のスライド部材25とでなる。スライド部材25の外向きに突出する両フランジ部25aには、これら両フランジ部25aをその並び方向に貫通して前記留め具23を係止させる係止孔26,27が形成されている。一方の係止孔26は留め具23の雄ねじ部を挿通させる挿通孔とされ、他方向の係止孔27は留め具23の雄ねじ部を螺合させるねじ孔とされている。スライド部材25の背面には、図15に示すように、照明器具4を上下位置調整するときに、支え持つためのグリップ28が内向きに突出して設けられている。
【0019】
図14のように、照明受部材21は、前記各照明器具4の両端に設けられる照明支持具20のスライド部材25に対面して内向きに開口する断面コ字状で縦長の部材であって、その内側に照明支持具20のスライド部材25が上下にスライド自在に係合する。この照明受部材21の内向きに突出する両フランジ部21aには、上下方向に並ぶ複数の位置決め孔29が形成されている。前記留め具23は、その雄ねじ部が照明受部材21の任意の位置決め孔29に差し替え可能に差し込まれて照明支持具20の係止孔26,27に係合する。
【0020】
図10および図11に示すように、昇降用ユニット22は、ラック本体2における各段の幅方向中間位置において、奥行き方向に延びて前後の幅方向横ムレーム15,15間に取付けられる昇降用ユニット本体30と、この昇降用ユニット本体30の奥行き方向に並ぶ複数箇所、つまり各段の複数台の照明器具4の並び位置に対応する複数箇所に設けられた持ち上げ力付与機構31とでなる。持ち上げ力付与機構31は、対応する照明器具4をばね部材(図示せず)によって持ち上げ付勢する機構である。前記ばね部材は、ゼンマイばねや、ねじりコイルばね等からなる。ここでは、持ち上げ力付与機構31は巻取式の構成とされ、昇降用ユニット本体30に設けられる巻取り部31aと、この巻取り部31a側に付勢される可撓性の帯材31bとを有し、帯材31bの一端を照明器具4の器具本体6に止着して構成される。
【0021】
この照明付き栽培システムにおいて、例えば図5のVII −VII 矢視断面図を示す図7や図8のように、照明器具4が各段の栽培物載置棚3から上方に離間した上位置にあるとする。この状態から、各段の複数台の照明器具4のうちいずれかを、対応する栽培物載置棚3に近接した下位置に位置調整したいときには、対応する照明器具4の両端の照明支持具20の係止孔26,27、およびこの照明支持具20を受けるラック本体2側の照明受部材21の位置決め孔29から留め具23を抜いて位置決め解除し、照明器具4を所望の下位置に位置調整する。これに併せて、昇降用ユニット22における持ち上げ力付与機構31の巻取り部31aから、その持ち上げ力に抗して帯材31bが繰り出される。そのままでは、持ち上げ力付与機構31の持ち上げ力によって照明器具4は上位置に戻ろうとするので、その位置で照明支持具20の係止孔26,27に整合している照明受部材21の位置決め孔29に留め具23の雄ねじ部を差し込み、照明支持具20の係止孔26,27に係合させる。なお、図6では、最上段の照明器具4について上位置に設置した場合と下位置に設置した場合の両方の状態を示している。
【0022】
逆に、照明器具4を下位置から上位置に位置調整したいときにも、上記と同様に、照明支持具20の係止孔26,27、および照明受部材21の位置決め孔29から留め具23を抜いて位置決め解除し、照明器具4を所望の上位置に調整し、その位置で照明支持具20の係止孔26,27に整合している照明受部材21の位置決め孔29に留め具23の雄ねじ部を差し込み、照明支持具20の係止孔26,27に係合させる。
【0023】
このように、この照明付き栽培システムでは、ラック本体2に栽培物載置棚3を上下複数段に設置したラック1と、各栽培物載置棚3の上方に位置して複数台ずつ設けられて栽培物載置棚3の栽培物を照明する照明器具4と、これら各照明器具4を前記ラック本体2に対して上下位置変更可能に支持する照明器具昇降機構5とを備えているので、栽培する植物体の成長による大きさの変化があっても、照明器具昇降機構5で照明器具4の高さ位置を調整するだけで、常に必要照度の光を植物体に照射できる。また、制御装置などの過剰な設備が要らず簡易な設備で対応できるため、設備コストも抑制できる。また、必要照度を大きくする場合には、照明器具4を栽培する植物体に近接させることで対応できるため、照明器具4の負荷を下げることができる。さらに、照度の調整には熟練を要せず誰でも使用できる。
【0024】
また、この実施形態では、前記各照明器具4が、ラック本体2の幅方向に延びてラック本体2の奥行き方向に複数台平行に並べて設けられ、前記照明器具昇降機構5を、各照明器具4の両端にそれぞれ設けられた照明支持具20と、ラック本体2に設けられて各照明器具4の両端の前記照明支持具20を上下位置変更可能に案内する複数の照明受部材21と、ラック本体2に設けられて各照明器具4を個別に持ち上げ付勢する昇降用ユニット22と、各照明器具4の各照明支持具20を照明受部材21に対して上下位置変更可能に留め付ける留め具23とで構成している。このため、照明器具4の重量が昇降用ユニット22で持ち上げ付勢されることになる。これにより、作業者が手作業で上下位置変更を行うにつき、照明器具4を支えておく必要がなく、位置変更作業が容易である。また、照明器具4の位置調整では、照明器具4が照明受部材21と照明支持具20とで案内されるため、上下位置変更時に位置ずれしない。
各照明器具4は、上記のようにラック本体2の幅方向に延びてラック本体2の奥行き方向に複数台平行に並べて設けられ、照明器具昇降機構5により個々の照明器具4毎に上下位置の調整が可能である。そのため、栽培する植物体がラック本体2の奥行き方向によって高さが異なっても、その植物体の高さに応じて奥行き方向の各照明器具4毎の高さを相互に異ならせることで、植物体をより適切な高さから照明することができる。
【0025】
また、この実施形態では、前記昇降用ユニット22が、ラック本体2の奥行き方向に延びてラック本体2に取付けられる昇降用ユニット本体30と、この昇降用ユニット本体30の奥行き方向に並ぶ複数箇所に設けられてそれぞれ下端が奥行き方向に並ぶ各照明器具4に結合され照明器具4をばね部材によって持ち上げ付勢する持ち上げ力付与機構31とでなるが、照明受部材21と照明支持具20とによる位置ずれ防止作用のため、平行リンクなどを用いず、持ち上げ力付与機構31で照明器具4を支持しても、位置ずれを生じずに照明器具4を昇降させることができる。
【0026】
また、この実施形態では、照明器具4の両端にそれぞれ設けられた照明支持具20が係止孔26,27を有し、照明受部材21は上下方向に並ぶ複数の位置決め孔29を有し、留め具23は、照明受部材21の任意の位置決め孔29に差し替え可能に差し込まれて照明支持具20の係止孔26,27に係合するものとしているので、構成がコンパクトになり、複数の照明器具4が奥行き方向に並んでいてもスペース的に無理無く設置できる。
【符号の説明】
【0027】
1…ラック
2…ラック本体
3…栽培物載置棚
4…照明器具
5…照明器具昇降機構
20…照明支持具
21…照明受部材
22…昇降用ユニット
23…留め具
26,27…係止孔
29…位置決め孔
30…昇降用ユニット本体
31…持ち上げ力付与機構
【技術分野】
【0001】
この発明は、植物工場等に設置される照明付き栽培システムに関する。
【背景技術】
【0002】
植物工場では、単位面積あたりの栽培数を増やすため、一般的に栽培部分を多段とした多段式栽培システムが用いられている。多段式栽培システムにおける各段の栽培部分には、栽培する植物の大きさに関係なく、植物の光合成を促進するための照明器具(蛍光灯、LED、高圧Naランプなど)が所定の位置に取付けられている。このため、照明器具から栽培部分に照射される光の照度は常に一定となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−50288号公報
【特許文献2】特開平8−266152号公報
【特許文献2】特開平6−197673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した従来の多段式栽培システムでは、栽培する植物の大きさに関係なく、常に一定位置に取付けられた照明器具により光が植物体に照射される。そのため、栽培する植物体が小さい時点に合わせて必要照度を設定すると、成長により植物体が大きくなった時点で、必要照度以上の光を照射することになる。あるいは、植物体が大きくなった時点に合わせて必要照度を設定すると、植物体が小さいときには照度不足となる。また、植物体の大きさに関係なく、必要に応じて照度を設定・調整する場合は、照明器具に対する照度制御が必要になるため、設備コストが増大するという問題が生じる。
【0005】
この発明の目的は、栽培する植物体の成長により大きさに変化があっても、常に必要照度の光を植物体に照射でき、設備コストも抑制できる照明付き栽培システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の照明付き栽培システムは、ラック本体に栽培物載置棚を上下複数段に設置したラックと、各栽培物載置棚の上方に位置して複数台ずつ設けられて栽培物載置棚の栽培物を照明する照明器具と、これら各照明器具を前記ラック本体に対して個別に上下位置変更可能に支持する複数の照明器具昇降機構とを備える。
【0007】
この構成によると、各照明器具を前記ラック本体に対して個別に上下位置変更可能に支持する複数の照明器具昇降機構を設けたため、栽培する植物体の大きさが成長により変化しても、照明器具昇降機構を調整するだけで、常に必要照度の光を植物体に照射できる。そのため、制御装置などの過剰な設備が要らず簡易な設備で対応できるため、設備コストも抑制できる。また、必要照度を大きくする場合には、照明器具を栽培する植物体に近接させることで対応できるため、照明器具の負荷を下げることができる。さらに、照度の調整には熟練を要せず誰でも使用できる。照明器具昇降機構は、各照明器具を個別に上下位置変更可能であるため、同じ栽培物載置棚の栽培物に、栽培物載置棚上の照明器具並び方向の場所による大きさの違いがあっても、各照明器具を場所毎に高さ調整することで、場所による大きさの違いに対処することができる。
【0008】
この発明において、前記各照明器具は、前記ラック本体の幅方向に延びてラック本体の奥行き方向に複数台平行に並べて設けられ、前記照明器具昇降機構は、前記各照明器具の両端にそれぞれ設けられた照明支持具と、前記ラック本体に設けられて前記各照明器具の両端の前記照明支持具を上下位置変更可能に案内する複数の照明受部材と、前記ラック本体に設けられて前記各照明器具を個別に持ち上げ付勢する昇降用ユニットと、前記各照明器具の前記各照明支持具を前記照明受部材に対して上下位置変更可能に留め付ける留め具とでなるものとしても良い。
このように構成した場合、照明器具の重量が昇降用ユニットで持ち上げ付勢されるため、作業者が手作業で上下位置変更を行うにつき、照明器具を支えておく必要がなく、位置変更作業が容易である。また、照明器具の位置調整では、照明器具が照明受部材と照明支持具とで案内されるため、上下位置変更時に位置ずれしない。
【0009】
また、この発明において、前記昇降用ユニットは、前記ラック本体の奥行き方向に延びて前記ラック本体に取付けられる昇降用ユニット本体と、この昇降用ユニット本体の奥行き方向に並ぶ複数箇所に設けられてそれぞれ下端が前記奥行き方向に並ぶ各照明器具に結合され照明器具をばね部材によって持ち上げ付勢する持ち上げ力付与機構とでなるものとしても良い。
このように昇降用ユニットを構成した場合、照明受部材と照明支持具とによる位置ずれ防止作用のため、平行リンクなどを用いず、持ち上げ力付与機構で支持しても、位置ずれを生じずに照明器具を昇降させることができる。
【0010】
また、この発明において、前記照明器具の両端にそれぞれ設けられた照明支持具は係止孔を有し、前記照明受部材は上下方向に並ぶ複数の位置決め孔を有し、留め具は、前記照明受部材の任意の位置決め孔に差し替え可能に差し込まれて前記照明支持具の係止孔に係合するものとしても良い。
このように構成した場合、構成がコンパクトになり、複数の照明器具が奥行き方向に並んでいてもスペース的に無理無く設置できる。
【発明の効果】
【0011】
この発明の照明付き栽培システムは、ラック本体に栽培物載置棚を上下複数段に設置したラックと、各栽培物載置棚の上方に位置して複数台ずつ設けられて栽培物載置棚の栽培物を照明する照明器具と、これら各照明器具を前記ラック本体に対して個別に上下位置変更可能に支持する複数の照明器具昇降機構とを備えるため、栽培する植物体の大きさに関係なく、常に必要照度の光を植物体に照射でき、設備コストも抑制できる。また、同じ栽培物載置棚の栽培物に、栽培物載置棚上の場所による大きさの違いがあっても、照明器具の場所毎に、大きさの違いに対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(A)はこの発明の一実施形態に係る照明付き栽培システムを正面側から見た斜視図、(B)は同照明付き栽培システムを背面側から見た斜視図である。
【図2】同栽培システムの正面図である。
【図3】同栽培システムの右側面図である。
【図4】同栽培システムの背面図である。
【図5】同栽培システムの平面図である。
【図6】図2のVI− VI 矢視断面図である。
【図7】図5のVII −VII 矢視断面図である。
【図8】同栽培システムの各照明器具を上方位置に設定した状態を示す斜視図である。
【図9】同栽培システムの分解斜視図である。
【図10】同栽培システムの上部を示す斜視図である。
【図11】同栽培システムの照明器具昇降機構における昇降用ユニットの斜視図である。
【図12】同栽培システムの照明器具と照明器具昇降機構における照明支持具との組合わせ体を示す斜視図である。
【図13】同組合せ体の分解斜視図である。
【図14】同栽培システムの照明器具昇降機構における照明受部材の斜視図である。
【図15】同栽培システムの照明器具昇降機構における照明支持具と照明受部材との組合せ部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明の一実施形態を図1〜図15と共に説明する。図1(A),(B)は、この実施形態の照明付き栽培システムを正面側および背面側から見た斜視図を示し、図2,図3,図4および図5は、正面図,右側面図,背面図および平面図を示す。この照明付き栽培システムは、植物工場内に設置されて植物の栽培に供される多段式栽培システムであって、ラック本体2に栽培物載置棚3を上下複数段に設置したラック1と、各栽培物載置棚3の上方にそれぞれ位置して栽培物載置棚3の栽培物を照射する複数台の照明器具4と、これらの各照明器具4を前記ラック本体2に対して上下位置変更可能に支持する照明器具昇降機構5とを備える。
【0014】
前記ラック本体2は、左右両端の前後位置に立設される複数本の縦フレーム14と、幅方向に延びて前部左右の縦フレーム14,14間、および後部左右の縦フレーム14,14間を連結する上下複数段の幅方向横フレーム15と、奥行き方向に延びて左部前後の縦フレーム14,14間、および右部前後の縦フレーム14,14間を連結する上下複数段の奥行き方向横フレーム16とにより構成される。
【0015】
前記栽培物載置棚3は、図示の例では上下4段に設置される。各段の栽培物載置棚3は、それぞれ前記ラック本体2の幅方向横フレーム15および奥行き方向横フレーム16を構成部材の一部として共用し、さらに前後の幅方向横フレーム15,15間に幅方向に並ぶ複数本の桟部材17を連結して構成される。これら各段の栽培物載置棚3には図2のように栽培用トレイ13が載置される。また、この照明付き栽培システムの真下には、図示しない養液タンクが配置され、ラック本体2に沿って配管された養液給水パイプ19(図6)などを経て各栽培物載置棚3上の栽培用トレイ13に養液が供給される。
【0016】
各段の栽培物載置棚3に対応してそれらの栽培物載置棚3の上方に照明器具4が複数台並べて設けられる。これら照明器具4は、図12および図13に斜視図で示すように、照明反射板7および複数の光源保持具8を有し前記ラック本体2の幅方向に延びる器具本体6と、前記各光源保持具8に保持された複数(ここでは2つ)の光源9とを有する。光源保持具8は、光源9に電気的に接続する端子(図示せず)を有するソケット等である。光源9は、例えば丸棒状の蛍光灯やLEDランプ等からなる。ここでは、各段の栽培物載置棚3ごとに、図9のようにラック本体2の幅方向に延びる3台の照明器具4がラック本体2の奥行き方向に平行に並べて設けられる。照明器具4における各光源9は、図13のように照明反射板7の裏面に前後方向に並べて取付けられる。照明反射板7の反射面となる裏面には白色塗装が施される。照明反射板7はその前後端に下向きの折り曲げ部7aを有する。これにより、照明器具4からの光が栽培物載置棚3の植物に効率良く照射される。なお、図1に示すように、ラック本体2の両側面と背面には側面反射板11と背面反射板12が設けられ、これにより照明器具4からの光がより効率良く植物に照射される。
【0017】
前記照明器具昇降機構5は、図12および図13に斜視図で示すように各照明器具4の両端にそれぞれ設けられた照明支持具20と、図14および図15に斜視図で示すようにラック本体2に設けられて前記各照明器具4の両端の照明支持具20を上下位置変更可能に案内する複数の照明受部材21と、図10および図11に斜視図で示すようにラック本体2に設けられて各照明器具4を個別に持ち上げ付勢する昇降用ユニット22と、図15に斜視図で示すように各照明器具4の照明支持具20を対応する照明受部材21に対して上下位置変更可能に留め付ける留め具23とでなる。
【0018】
図12,図13に示すように、各照明器具4の両端にそれぞれ設けられる照明支持具20は、照明器具4の両端に直接取付けられる取付部材24と、この取付部材24の外側に固定されて外向きに開口する断面コ字状で縦長のスライド部材25とでなる。スライド部材25の外向きに突出する両フランジ部25aには、これら両フランジ部25aをその並び方向に貫通して前記留め具23を係止させる係止孔26,27が形成されている。一方の係止孔26は留め具23の雄ねじ部を挿通させる挿通孔とされ、他方向の係止孔27は留め具23の雄ねじ部を螺合させるねじ孔とされている。スライド部材25の背面には、図15に示すように、照明器具4を上下位置調整するときに、支え持つためのグリップ28が内向きに突出して設けられている。
【0019】
図14のように、照明受部材21は、前記各照明器具4の両端に設けられる照明支持具20のスライド部材25に対面して内向きに開口する断面コ字状で縦長の部材であって、その内側に照明支持具20のスライド部材25が上下にスライド自在に係合する。この照明受部材21の内向きに突出する両フランジ部21aには、上下方向に並ぶ複数の位置決め孔29が形成されている。前記留め具23は、その雄ねじ部が照明受部材21の任意の位置決め孔29に差し替え可能に差し込まれて照明支持具20の係止孔26,27に係合する。
【0020】
図10および図11に示すように、昇降用ユニット22は、ラック本体2における各段の幅方向中間位置において、奥行き方向に延びて前後の幅方向横ムレーム15,15間に取付けられる昇降用ユニット本体30と、この昇降用ユニット本体30の奥行き方向に並ぶ複数箇所、つまり各段の複数台の照明器具4の並び位置に対応する複数箇所に設けられた持ち上げ力付与機構31とでなる。持ち上げ力付与機構31は、対応する照明器具4をばね部材(図示せず)によって持ち上げ付勢する機構である。前記ばね部材は、ゼンマイばねや、ねじりコイルばね等からなる。ここでは、持ち上げ力付与機構31は巻取式の構成とされ、昇降用ユニット本体30に設けられる巻取り部31aと、この巻取り部31a側に付勢される可撓性の帯材31bとを有し、帯材31bの一端を照明器具4の器具本体6に止着して構成される。
【0021】
この照明付き栽培システムにおいて、例えば図5のVII −VII 矢視断面図を示す図7や図8のように、照明器具4が各段の栽培物載置棚3から上方に離間した上位置にあるとする。この状態から、各段の複数台の照明器具4のうちいずれかを、対応する栽培物載置棚3に近接した下位置に位置調整したいときには、対応する照明器具4の両端の照明支持具20の係止孔26,27、およびこの照明支持具20を受けるラック本体2側の照明受部材21の位置決め孔29から留め具23を抜いて位置決め解除し、照明器具4を所望の下位置に位置調整する。これに併せて、昇降用ユニット22における持ち上げ力付与機構31の巻取り部31aから、その持ち上げ力に抗して帯材31bが繰り出される。そのままでは、持ち上げ力付与機構31の持ち上げ力によって照明器具4は上位置に戻ろうとするので、その位置で照明支持具20の係止孔26,27に整合している照明受部材21の位置決め孔29に留め具23の雄ねじ部を差し込み、照明支持具20の係止孔26,27に係合させる。なお、図6では、最上段の照明器具4について上位置に設置した場合と下位置に設置した場合の両方の状態を示している。
【0022】
逆に、照明器具4を下位置から上位置に位置調整したいときにも、上記と同様に、照明支持具20の係止孔26,27、および照明受部材21の位置決め孔29から留め具23を抜いて位置決め解除し、照明器具4を所望の上位置に調整し、その位置で照明支持具20の係止孔26,27に整合している照明受部材21の位置決め孔29に留め具23の雄ねじ部を差し込み、照明支持具20の係止孔26,27に係合させる。
【0023】
このように、この照明付き栽培システムでは、ラック本体2に栽培物載置棚3を上下複数段に設置したラック1と、各栽培物載置棚3の上方に位置して複数台ずつ設けられて栽培物載置棚3の栽培物を照明する照明器具4と、これら各照明器具4を前記ラック本体2に対して上下位置変更可能に支持する照明器具昇降機構5とを備えているので、栽培する植物体の成長による大きさの変化があっても、照明器具昇降機構5で照明器具4の高さ位置を調整するだけで、常に必要照度の光を植物体に照射できる。また、制御装置などの過剰な設備が要らず簡易な設備で対応できるため、設備コストも抑制できる。また、必要照度を大きくする場合には、照明器具4を栽培する植物体に近接させることで対応できるため、照明器具4の負荷を下げることができる。さらに、照度の調整には熟練を要せず誰でも使用できる。
【0024】
また、この実施形態では、前記各照明器具4が、ラック本体2の幅方向に延びてラック本体2の奥行き方向に複数台平行に並べて設けられ、前記照明器具昇降機構5を、各照明器具4の両端にそれぞれ設けられた照明支持具20と、ラック本体2に設けられて各照明器具4の両端の前記照明支持具20を上下位置変更可能に案内する複数の照明受部材21と、ラック本体2に設けられて各照明器具4を個別に持ち上げ付勢する昇降用ユニット22と、各照明器具4の各照明支持具20を照明受部材21に対して上下位置変更可能に留め付ける留め具23とで構成している。このため、照明器具4の重量が昇降用ユニット22で持ち上げ付勢されることになる。これにより、作業者が手作業で上下位置変更を行うにつき、照明器具4を支えておく必要がなく、位置変更作業が容易である。また、照明器具4の位置調整では、照明器具4が照明受部材21と照明支持具20とで案内されるため、上下位置変更時に位置ずれしない。
各照明器具4は、上記のようにラック本体2の幅方向に延びてラック本体2の奥行き方向に複数台平行に並べて設けられ、照明器具昇降機構5により個々の照明器具4毎に上下位置の調整が可能である。そのため、栽培する植物体がラック本体2の奥行き方向によって高さが異なっても、その植物体の高さに応じて奥行き方向の各照明器具4毎の高さを相互に異ならせることで、植物体をより適切な高さから照明することができる。
【0025】
また、この実施形態では、前記昇降用ユニット22が、ラック本体2の奥行き方向に延びてラック本体2に取付けられる昇降用ユニット本体30と、この昇降用ユニット本体30の奥行き方向に並ぶ複数箇所に設けられてそれぞれ下端が奥行き方向に並ぶ各照明器具4に結合され照明器具4をばね部材によって持ち上げ付勢する持ち上げ力付与機構31とでなるが、照明受部材21と照明支持具20とによる位置ずれ防止作用のため、平行リンクなどを用いず、持ち上げ力付与機構31で照明器具4を支持しても、位置ずれを生じずに照明器具4を昇降させることができる。
【0026】
また、この実施形態では、照明器具4の両端にそれぞれ設けられた照明支持具20が係止孔26,27を有し、照明受部材21は上下方向に並ぶ複数の位置決め孔29を有し、留め具23は、照明受部材21の任意の位置決め孔29に差し替え可能に差し込まれて照明支持具20の係止孔26,27に係合するものとしているので、構成がコンパクトになり、複数の照明器具4が奥行き方向に並んでいてもスペース的に無理無く設置できる。
【符号の説明】
【0027】
1…ラック
2…ラック本体
3…栽培物載置棚
4…照明器具
5…照明器具昇降機構
20…照明支持具
21…照明受部材
22…昇降用ユニット
23…留め具
26,27…係止孔
29…位置決め孔
30…昇降用ユニット本体
31…持ち上げ力付与機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラック本体に栽培物載置棚を上下複数段に設置したラックと、各栽培物載置棚の上方に位置して複数台ずつ設けられて栽培物載置棚の栽培物を照明する照明器具と、これら各照明器具を前記ラック本体に対して個別に上下位置変更可能に支持する複数の照明器具昇降機構とを備えた照明付き栽培システム。
【請求項2】
請求項1において、前記各照明器具は、前記ラック本体の幅方向に延びてラック本体の奥行き方向に複数台平行に並べて設けられ、前記照明器具昇降機構は、前記各照明器具の両端にそれぞれ設けられた照明支持具と、前記ラック本体に設けられて前記各照明器具の両端の前記照明支持具を上下位置変更可能に案内する複数の照明受部材と、前記ラック本体に設けられて前記各照明器具を個別に持ち上げ付勢する昇降用ユニットと、前記各照明器具の前記各照明支持具を前記照明受部材に対して上下位置変更可能に留め付ける留め具とでなる照明付き栽培システム。
【請求項3】
請求項2において、前記昇降用ユニットは、前記ラック本体の奥行き方向に延びて前記ラック本体に取付けられる昇降用ユニット本体と、この昇降用ユニット本体の奥行き方向に並ぶ複数箇所に設けられてそれぞれ下端が前記奥行き方向に並ぶ各照明器具に結合され照明器具をばね部材によって持ち上げ付勢する持ち上げ力付与機構とでなる照明付き栽培システム。
【請求項4】
請求項2または請求項3において、前記照明器具の両端にそれぞれ設けられた照明支持具は係止孔を有し、前記照明受部材は上下方向に並ぶ複数の位置決め孔を有し、留め具は、前記照明受部材の任意の位置決め孔に差し替え可能に差し込まれて前記照明支持具の係止孔に係合する照明付き栽培システム。
【請求項1】
ラック本体に栽培物載置棚を上下複数段に設置したラックと、各栽培物載置棚の上方に位置して複数台ずつ設けられて栽培物載置棚の栽培物を照明する照明器具と、これら各照明器具を前記ラック本体に対して個別に上下位置変更可能に支持する複数の照明器具昇降機構とを備えた照明付き栽培システム。
【請求項2】
請求項1において、前記各照明器具は、前記ラック本体の幅方向に延びてラック本体の奥行き方向に複数台平行に並べて設けられ、前記照明器具昇降機構は、前記各照明器具の両端にそれぞれ設けられた照明支持具と、前記ラック本体に設けられて前記各照明器具の両端の前記照明支持具を上下位置変更可能に案内する複数の照明受部材と、前記ラック本体に設けられて前記各照明器具を個別に持ち上げ付勢する昇降用ユニットと、前記各照明器具の前記各照明支持具を前記照明受部材に対して上下位置変更可能に留め付ける留め具とでなる照明付き栽培システム。
【請求項3】
請求項2において、前記昇降用ユニットは、前記ラック本体の奥行き方向に延びて前記ラック本体に取付けられる昇降用ユニット本体と、この昇降用ユニット本体の奥行き方向に並ぶ複数箇所に設けられてそれぞれ下端が前記奥行き方向に並ぶ各照明器具に結合され照明器具をばね部材によって持ち上げ付勢する持ち上げ力付与機構とでなる照明付き栽培システム。
【請求項4】
請求項2または請求項3において、前記照明器具の両端にそれぞれ設けられた照明支持具は係止孔を有し、前記照明受部材は上下方向に並ぶ複数の位置決め孔を有し、留め具は、前記照明受部材の任意の位置決め孔に差し替え可能に差し込まれて前記照明支持具の係止孔に係合する照明付き栽培システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−59291(P2013−59291A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200278(P2011−200278)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
【Fターム(参考)】
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