説明

照明付き鏡およびそれを備えたスタンド

【課題】身だしなみや化粧の確認のために、自然光に近い広くて色再現性の高い光源で、ムラなく上半身や顔を映し出す鏡を提供する。
【解決手段】鏡26の周囲に、赤・緑・青3原色のLEDを光源1に用いて、その光源1の赤・緑・青の光を光混合空間2をもちいて均一的な明るさと色にし、さらにドーナツ状または額縁状のスリガラス状光拡散面25で光を拡散することで、広い光の平面による自然光の昼光に近い光源となり、肌の色を自然に照明して、化粧や身づくろいをやりやすくする。光と色を混色・均一化するために光混合空間2または凹レンズを用いて光の均一化を図る。またLEDの各色の配合を変えることによって、さまざまな色を演出することができ、光のオブジェとしても利用が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、白昼自然光に近い色の均一な面光源で照明する照明付き鏡に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、暗い場所で化粧をするために、照明装置の付いたコンパクトケースや手鏡などが考案されている。
また、3原色の光源を持ち、その光源の明るさを変えて照明の色を変えられるランプミラー装置も考案されている。
【0003】
しかし、コンパクトケースや手鏡などに照明装置を付けた場合、照明が点光源になりやすく、広い面積を明るく照らすことは難しい。特にコンパクトケースの場合などは、光源と鏡が隣り合わせになり眩しさを感じてしまう。
また、コンパクトケースや手鏡などに照明装置を付けた場合、重量・厚みなどの点で、スリムで小型軽量の化粧道具が好まれる昨今では、受け入れづらいこともあった。
【0004】
照明付きコンパクトはランプや単色LEDを用いているが、ランプなどのタングステン灯は赤めに映り、また単色の白色LEDでは逆に青白く照明されて、光の波長を自然光に近づけることは難しく、不自然な照明光になりがちである。
【0005】
光が様々に変化するランプミラーの発明においても、LEDの色の変化を楽しむという、装飾性におもむきが置かれており、自然光に近い光での照明を提供する装置ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−157637公報
【特許文献2】実用新案登録第3157710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする課題は、従来からある照明付きの鏡には無い(イ)被写体を取り囲む形の広い面光源で(ロ)均一な光源面による照明、(ハ)自然光に近い光源色(昼の光で5000〜6000ケルビン)で照明する光源を持った照明付き鏡を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために、(1)背面に放熱器11の付いた赤・緑・青3原色LED14を環状に連結させた発光部1と、前記LED14から放射された光を拡散・反射・混色・平均化させる互いに対向する第1反射面21、22に囲われた光混合空間2と、混合された光を略90度前方に屈折させる第2反射面24と、その反射された光をさらに均一に分散光させるドーナツ状または額縁状のスリガラス状光拡散面25と、前記スリガラス状光拡散面25の表面側の中央付近に鏡面26と、前期LED14の明るさを赤・緑・青各々個別に調光できる照明コントロール部5とを持った照明付き鏡である。
【0009】
(2)さらに本発明は(1)においての光混合空間2内における前記第2反射面24と発光部1の間に、反射面24に近い位置でレンズ面の凹型がLED14に対向するように凹レンズ状光拡散レンズ31を設けた照明付き鏡である。
【0010】
(3)また、本発明は、(1)において、第2反射面24と前記スリガラス状光拡散面25が一体の透明ガラス製または透明樹脂製のプリズム6になった照明付き鏡である。
【0011】
(4)また本発明は、(3)において、LED14に対向して設けられた前記プリズム6の入射光面26が、凹レンズ状6´になった照明付き鏡である。
【0012】
(5)また本発明は、(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記鏡面26は台座7から立ち上がる支持棒83によって回転可能に支持されており、前記照明コントロール部5は前期台座7の内部に納まっていることを特徴とする照明付きスタンドである。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、鏡に映し出す顔や上半身部分が均一に照明され、影が出ずに立体的に鏡に映せるようになった。そして赤・緑・青の3原色の加法混色法による光源で、化粧時に晴天光や電球光などの光源に近い光で顔を照明することができるようになった。このことによって、化粧の仕上がりが一段と映えるように化粧をすることができる。また、拡散された均一で明るい光は照明される顔に影を作らないので、化粧の精度が上がる。そして、化粧等で使用しないときには、赤・緑・青の3原色を自由に組み替えて、無限に近い色合いを出すオブジェとしても美しいという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1はLED14のついた照明付き鏡の発光部1の斜視図である。
【図2】図2は鏡付き面発光部3内部の、発光部1と第1反射面21、22、第2反射面24と、光拡散部・鏡面部4、コントロール部5の位置関係を表す分解斜視図である。
【図3】図3は鏡付き面発光部3の図2におけるA、Aでの断面図で、光混合空間2と第2反射面24、スリガラス状の拡散面25を表す。
【図4】図4は鏡付き面発光部3の図6におけるB、Bでの断面図で、光混合空間2と凹レンズ状光拡散レンズ31との位置関係を表す。
【図5】図5は鏡付き面発光部3の第2反射面24とドーナツ状または額縁状のスリガラス状光拡散面25が一体の透明ガラスまたは透明樹脂のプリズムになった鏡付き面発光部の断面図である。
【図6】図6は鏡付き面発光部3内部の、発光部1と反射・拡散面25、凹レンズ状光拡散レンズ36プリズムと、コントロール部の位置関係を表す分解斜視図である。
【図7】図7は鏡付き面発光部3の凹状レンズと反射盤24と拡散面25が一体の透明ガラスまたは透明樹脂になった鏡付き面発光部3の断面図である。
【図8】図8は照明付き鏡の斜視図である。6はプリズムを外側から見た様子である。
【図9】図9は鏡付き面発光部3にスタンドを付けて、卓上で使うタイプの斜視図である
【図10】図10は照明付き鏡にスタンドを付けて、卓上で使うタイプの後方からみた、連結部分を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明装置の発光部1の斜視図である。赤・緑・青3原色LED14の背面に放熱器11が熱伝導性接着剤で固定されている。熱伝導性接着剤は高輝度LEDがかなりの熱量を出し、高温で破壊や性能低下するのを防ぐ目的がある。この放熱器がすくなくとも1個以上、環状に連結され配線された発光部1は、アルミまたはステンレス板でできた第1反射面22に熱伝導接着剤で固定され、排熱を促す。LED同士は配線13で赤・緑・青3原色LED14と赤・緑・青各々別々に分かれた回路で結線され、調光コントロール部5に配線される。
LEDの数は、多いほど明るく、そして平均的な美しい光となる。
図1の放熱器は、アルミニウムや銅などの熱伝導性の高い金属で出来ていて、ロの字またはコの字状の断面に奥行きをつけたもので、角パイプ状またはチャンネル状である。前記ロの字またはコの字状の放熱器の左右の両辺には、隣接する前記放熱器が角度をつけて連結され、全体として円環状となる。スリガラス状光拡散面25が矩形の額縁状の場合は放熱器11の連結を矩形にして、第2反射面24とLED14が対向するようにし、光の拡散ムラを防ぐ。
【0016】
図2の分解斜視図は、発光部1と光混合空間2と第2反射面24と第1反射面21、22と鏡部26、そしてコントロール部5の位置関係を表す。第1反射面21は鏡面26の裏側に鏡部26と同じ大きさでついており、第1反射面22は発光部1の付いた面に前記反射面21と一対の対向面として付いている。
鏡付き発光部3の裏側の面には、壁面に引っ掛けるための受け金具、または吊り下げワイヤーのついた電灯線がついており、この鏡付き発光部3は壁掛け式の上半身用中型姿見として使用される。
光混合空間2の上下に吸気孔81と排気孔82がある。これは光混合空間2の内部で温まった空気を重力式換気(下部から冷たい外気を吸い込んで、暖まった空気は上昇し排気孔から出す)する穴である。LEDの明るさによっては、相当な熱がでるので、リブ付き放熱器を外部に付けるか、電動小型ファンによる強制冷却も必要になる場合がある。
【0017】
図2において、赤・緑・青3原色LED14から放射された光は光混合空間2で、赤・緑・青のLEDの光、さらに隣同士のLEDの光と混じりあい、第2反射面24に到達し、前記第2反射面24により前方に略90度に反射される。
第2反射面24の略90度の光の反射とは、第2反射面24と第1反射面22の成す小なる角度が45度〜50度くらいの多少内側に倒れ掛かった反射面の状態で、前記第2反射面24が光軸を略90度に反射することを表している。この第2反射面24に内向きの角度を付けることによって、鏡に映る像の中央付近が暗くならないようになる。
【0018】
図2において、第2反射面24で屈折された光はさらにスリガラス状拡散面25によって光の明るさやその指向性、赤・緑・青の色が平均化され、綺麗な均一の面光源となる。
光を拡散・混合させる面の素材は、スリガラス状の面だけではなく、乳白色の半透明板や半透明フィルム等の光を拡散させるものであっても似た効果が得られるが、乳白色の半透明板を用いた場合は、多少光の透過効率が劣り暗くなり、半透明フィルムの場合は拡散効果が多少劣る。
【0019】
胸像を映し出すのには、ある程度の大きさの鏡と照明が必要になる。たとえば一般的な洗面化粧台などでは左右または上側に照明が付き上半身を照らし出す。
しかし、下からの光も出す化粧台は無かった。例えば、写真ポートレートを美しく撮るときには、下からの光も若干ながら使用する。これは目のくぼみや骨格を補正して柔らかい顔にするのに役立っている。
今回、鏡を囲むドーナツ状の面発光部を用いたのは、そういった理由がある。ドーナツ状の広い発行面は、下からの光も提供し、ちょうどポートレート写真を撮るときのような、一番きれいな姿を鏡に投影することができる。
もちろんドーナツ型だけではなく、環状に囲った面光源なら四角い額縁状発光面でも同じ効果を得ることができる。
【0020】
図3は鏡付き発光部3の図2におけるA、A断面図である。
赤・緑・青3原色LED14から出た赤、緑、青の三原色の光は放射状に広がりながら、光混合空間2で各色が混ざる。さらにLEDの光軸と平行な一対の第1反射面21、22によっても光と色の平均化が起こり、光度の分布も平均化される。さらにその光が進むと、前記記載の略45度〜50度に傾けられた第2反射面24により、略90度光の向きが前方に変えられる。そしてさらに、スリガラス状の拡散面25でより平均化された面光源として照射されることになる。
LEDから出た光が拡散・混合しやすくするために、鏡面の裏側21と放熱器が接する面22を反射面(第1反射面)にしてある。この反射面22は、ステンレスやアルミなどの金属材質にすると、発光部1が接する部材が放熱するのにもたいへん都合がよい。
LED光の進み方については、他の発明のようにLED光を混合空間やスリガラス状の拡散面を通さずに直接照射させる方法があるが、点光源に近くなるため、眩輝のため瞳孔が閉じ、逆に顔が暗く見えてしまう。本発明は、発光面をできるかぎり均一な明るさに出来るように考えている。
【0021】
図6において光の色の調整方法を述べる。
コントロール部5のパネル65上において、LEDを調光する赤色LED調光用ツマミ51、緑色LED調光用ツマミ52、青色LED調光用ツマミ54にはそれぞれ赤色LED用パネル側色調用目印71、緑色LED用ツマミ側色調用目印72、青色LED用ツマミ側色調用目印73が付けられており、赤色LED用パネル側色調用目印61、緑色LED用ツマミ側色調用目印62、青色LED用ツマミ側色調用目印63各々の印をコントロールパネル65上にある前記パネル側色調用目印に各色それぞれ合わせることで、昼光色の照明光(5000〜6000ケルビン)が得られるように印がつけられている。前記三つのツマミは電子回路によりそれぞれLEDの明るさを0%〜100%で調節することができるようになっており、赤・緑・青の光の三原色の加法混色により、様々な色あいを作り出すことができる。
【0022】
今回、(イ)写体を取り囲む形の広い面光源で(ロ)均一な光源面による照明、(ハ)自然光に近い光源色(昼の光で5000〜6000ケルビン)で照明する光源を持った照明付き鏡を発明するにあたっては試作・実験を繰り返し、このような機構に収まった。
最近のLEDの進化により、電球や蛍光灯よりも明るい小さなLEDが供給されている。過去の発明にもこうしたLEDを使った照明付き鏡が多く紹介されている。
一番簡単な構造としては、LED光を直接、または光拡散板を通して照明する方法である。しかし、この方法だと、光の拡散が悪く、点光源のLEDは眩しく感じ、照らす部分も部分的なものになってしまう。
【0023】
LEDは広角照射タイプのものを選んだとしても、ただ拡散板を通したり反射させたりするだけではどうしても輝度差ができてしまう。これは、LEDの中心から出た光が反射板や光拡散板に当たるときと、LEDから斜めに放射される光が第2反射面や光拡散面25とでは光到達距離に差が出て明暗が出てしまうからである。それを補正するために、隣同士のLEDの光がLEDの中心部の光の明るさに近くなるように、お互いの光を交差させて光到達距離による輝度を平均化させている。
【0024】
また、赤・緑・青3色LEDと第2反射面24とドーナツ状または額縁状のスリガラス状光拡散面25が近いと、やはり光拡散面に輝度差が現れてしまう。そのために光を混合・平均化するための空間(光混合空間2)を設けてある。LEDの光は点光源に近く、赤、緑、青の色のLEDは、光拡散面と距離を置かないと、各色がまだらに光拡散面に投影されてしまう。この現象を打ち消すために、この光混合空間2では、隣同士のLEDの赤、緑、青の色がうまく混合されるように多少広い空間となっている。
【0025】
広い光混合空間をとっても、光拡散面にはLED位置がわかるような輝点が現れる。これを防止するために、図6にあるように、LEDと、LEDの光を略90度に反射させる第2反射面24の間に、前記第2反射面24の手前側近くに凹レンズ状拡散レンズを、凹んだ側を内向きにして置いてやると、輝点は消えて綺麗な投影光が得られるようになった。
【0026】
図4は第2反射面24の前に凹レンズ状拡散レンズ31を設置した、図6におけるB、B’の断面である。LED発光面14と第2反射面24の空間距離は、離れていたほうが均一で美しい光になるが、光混合空間2が長く取れない場合などは、前記凹レンズで光を拡散させると、ムラのない光が拡散面25に投光される。
図3と図5のように凹レンズ状拡散レンズの入っていない方法と、図4と図7のように凹レンズ状プリズムが入っている方法の違いを述べる。
発行部1の赤・緑・青3色LED14数が多い場合や、光混合空間が広く取れる胸像用の鏡の場合は、光と色は十分に光混合空間2で混合・混色されるので、凹レンズ状プリズムは必要がない。しかしLED数が少ない場合などは隣同士の光の混合が起こりにくくなるので、凹レンズで強制的に光を拡散し、混合する必要がある。
【0027】
光混合空間2が狭い、例えば赤・緑・青3色LED14と第2反射面24との距離が短い卓上型スタンドミラー、例えば図10などのような場合には光の明るさと色を混合しやすくするために凹レンズ状拡散レンズ31を前期第第2反射面24の近くに設けると綺麗な投影光がドーナツ状またはスリガラス状の光拡散面25に投影される。
【0028】
鏡付き面発光部3について説明する。
表側の鏡面部26は顔や姿を映すための鏡である。その鏡を取り囲むようにドーナツ状または額縁状のスリガラス状光拡散面25が付いている。鏡面部の裏側(光混合空間2)には光を反射させるような反射面21になっている。これはLEDから出た赤・緑・青の光を効率よく混合させるための反射板である。反射面21に対向して反射面22がある。
赤・緑・青3色LED14から出た3色の光はこの対向する反射面21、22の間を往復反射しながら、赤・緑・青の色と明るさが均一化されてゆく。
鏡の大きさは、直径が人間の両目の間隔よりも大きいほうが眩しさは少なくなる。
【0029】
図5は第2反射面24とドーナツ状または額縁状のスリガラス状光拡散面25が一体のプリズムになり、LEDからの光を略90度に屈折させるのと同時に前記光拡散面25で拡散させる方法である。プリズム6に入射した光は第2反射面24により略90度に反射され、前記25の光拡散面より拡散されて放射される。
一体型のプリズムを使用した場合、光拡散部・鏡面部4を支えるための縁取りが不要になるので、よりいっそう装飾的になる。
【0030】
図6は前記の鏡付き面発光部3の分解斜視図である。光源が点光源に近い場合、拡散面に投影された光は、輝点になって投影されてしまうが、凹レンズ状の拡散レンズ31の凹レンズを、凹面がLEDに対向するように入れることにより、スリガラス状拡散面25に投影されるLEDの輝点が緩和され、より均一な照明拡散ができるようになる。また、この前期拡散レンズ31は、拡散面25と鏡26が別々の素材となる場合、サポート材・パーティション材としての役目を持つ。
【0031】
図7は凹レンズ状プリズム31と第2反射面24と、ドーナツ状または額縁状のスリガラス状光拡散面25を一体の形に透明ガラスまたは透明樹脂等で成型したものがである。
図7では図5の反射プリズム6の代わりに凹レンズを凹面がLEDと対向するように、前記プリズム6と一体成型したプリズム6´を用いた、ガラスまたは透明樹脂製の鏡付き発光部3の断面図である。凹レンズ状の拡散レンズが一体になったため、光の透過効率もよい。また凹レンズ状の拡散レンズとプリズム、拡散面と一体成型できるので、製作工程の減少につながる。そして凹レンズと反射面と拡散面25が一体成形可能なので、大量生産に向いている。
【0032】
図8は壁掛けタイプの、前記プリズム6または6´を用いた状態で使用するときの胸像を映し出す大きさの鏡付き面発光部とコントロール部の斜視図である。コントロール部のスイッチ54で電源がオンになり、発光部1の赤・緑・青3原色LEDが発光する。ドーナツ状の光拡散面25が鏡面26を囲っているのがわかる。
この壁掛けタイプでは、電源用・吊り下げ用として、電灯線のついたワイヤーで吊るか、姿見のように壁に引っ掛けて使う。
【0033】
図9は卓上で使用するための照明付き鏡スタンドである。化粧は卓上で行われる場合が多く、天井照明などでは顔がはっきり見えづらい。照明器具をミラースタンドの鏡に反射させて顔を照明することも考えられるが、光源の光が目に入って眩しいという問題がある。この卓上型照明付き鏡(スタンド)はちょうど顔の周りから中心に向かって光を照射し、均一な照明光が得られるので、丁寧な化粧が可能になり、化粧時も楽しむことができる。
【0034】
図10には前記照明付き鏡と台座7から立ち上がる支持棒83との回転連結部82を示す。鏡付き面発光部3の裏面には内部冷却のための空気吸入口101と空気排出口102がある。高輝度LEDは発熱量が多いので、自然排熱または強制排熱してやらないと、LEDの輝度も寿命も落ちる。また、電子回路の構造にもよるが、コントロール部でもLEDの明るさを変える方法によっては熱を発生する場合もあるので、自然排熱またはファン等による強制排熱を行うことが望ましい。
【0035】
コントロール部5はLED14の赤・緑・青の明るさをそれぞれ個別に調節するコントローラーが収められている。LED14の発光調光回路は(1)パルス電流の間欠間隔でLEDの点灯時間を調節し、明るさを調節する方法や、(2)電流の大小でLED14の明るさを調節する方法、(3)電圧の大小によってLED14の明るさを調節する方法、また、それらいずれかを組み合わせた方法などがある。
【0036】
コントロール部上にはコントロールパネル65があり、その上にLEDの赤・緑・青の、明るさを手で回して調節できる赤色LED調光用ツマミ51、緑色LED調光用ツマミ52、青色LED調光用ツマミ53がある。このツマミには各色それぞれに印が付いており、赤色LED用ツマミ側色調用目印61、緑色LED用ツマミ側色調用目印62、青色LED用ツマミ側色調用目印63の各印を、各色それぞれコントロールパネル55上に付けた印、赤色LED用パネル側色調用目印71、緑色LED用ツマミ側色調用目印72、青色LED用ツマミ側色調用目印73にそれぞれ合わせることにより、自然光に近い光源(昼の光で5000〜6000ケルビン)に調節することができる。
また、赤色を強く光らせることにより昼光だけでなく、電球色の色調も作り出すこともできる。それだけでなく、各々のツマミを自由に回転させることにより、赤・緑・青の色の三原色の加法混色により、あらゆる色の光を作り出して遊ぶことも出来る。これは、鏡を使用しないときには、インテリアの光オブジェとしても演出するができる。
【0037】
光を個々に強調させて光らせることにより、特殊な照明効果を得られる。たとえば緑色光のみで顔を照明した場合、普段の光では見えにくい皮膚下のシミを強調して映し出すことが可能で、これは化粧時のシミ隠しのファンデーションを塗るときに、シミがとても分かりやすい。これは肌色の補色での照明による効果である。また、やや温色系の光で照明した場合、白色LEDで照明した貧弱な光源と異なり、華やかで健康そうに見えるのも特徴の一つである。
【0038】
赤・緑・青三原色LEDにした理由として、色の再現性がある。現在販売されている白色LEDは青色LEDに黄色の蛍光部材を透過させて作った擬似白色である。そのため、青白い光になってしまっているので化粧をするときなどには正しい色あいが出ない。赤・緑・青の三原色からなる白色LEDもあるが、各三原色の色の配合比は今のところ変えられない。
【0039】
図9は、照明付き鏡にスタンドを付けて、卓上で使うタイプである。このLEDコントロール部も前記に示したように、赤色LEDツマミ側色調用目印61を赤色LED用パネル側色調用目印71に、緑色LEDツマミ側色調用目印62を緑色LED用パネル側色調用目印72に、青色LED調光用ツマミ側色調用目印63を青色LED用パネル側色調用目印73にそれぞれ合わせることにより、自然光に近い光源(昼の光で5000〜6000ケルビン)に調節することができる。
【0040】
図10はスタンド型の照明付き鏡を斜め裏から見た図である。回転可能になるような連結部83で鏡付き面発光部3を上下に向きを変えることができる。
71は吸気孔、72は排気孔である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
鏡の周囲に付けた光拡散部をコントローラー5上に取り付けたつまみを回すことにより、赤・緑・青の光の量をそれぞれ個別に調節し調光し、広い面での面光源を作り出し、単体の白色LEDには無い自然な光源を作り出し、鏡に自身を映し出すことができる。また、平均化され広い面による照明によって、顔を立体的に照明することができるので、化粧等の精密なチェックに有用である。
【符号の説明】
【0042】
1 発光部
2 光混合空間
3 鏡付き面発光部
4 光拡散部・鏡面部
5 LEDコントロール部
6 プリズム
6´ 凹レンズ付きプリズム
7 台座部
8 回転部
11 放熱器
12 配線
14 赤・緑・青3色LED
21 第1反射面
22 第1反射面
24 第2反射面
25 ドーナツ状または額縁状のスリガラス状光拡散面
26 鏡面
31 凹レンズ状拡散レンズ
51 赤色LED調光用ツマミ
52 緑色LED調光用ツマミ
53 青色LED調光用ツマミ
54 電源スイッチ
61 赤色LED用ツマミ側色調用目印
62 緑色LED用ツマミ側色調用目印
63 青色LED用ツマミ側色調用目印
65 コントロールパネル
71 赤色LED用パネル側色調用目印
72 緑色LED用パネル側色調用目印
73 青色LED用パネル側色調用目印
81 吸気孔
82 排気孔
83 支持棒
84 回転可能な連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面に放熱器11の付いた赤・緑・青3原色のLED14を環状に連結させた発光部1と、前記LED14から放射された光を拡散・反射・混色・平均化させる互いに対向する第1反射面21、22に囲われた光混合空間2と、混合された光を略90度前方に屈折させる第2反射面24と、その反射された光をさらに均一に分散光させるドーナツ状または額縁状のスリガラス状光拡散面25と、前記スリガラス状光拡散面25の表面側の中央付近に鏡面26と、前期LED14の明るさを赤・緑・青各々の明るさを個別に調光できる照明コントロール部5とを持った照明付き鏡。
【請求項2】
請求項1においての光混合空間2内における前記第2反射面24と発光部1の間に、反射面24に近い位置でレンズ面の凹型がLED14に対向するように凹レンズ状光拡散レンズ31を設けた照明付き鏡。
【請求項3】
請求項1において、第2反射面24と前記の光混合空間2内における前記スリガラス状光拡散面25が一体の透明ガラス製または透明樹脂製のプリズム6になった照明付き鏡。
【請求項4】
請求項3において、LED14に対向して設けられた前記プリズム6の入射光面26が、凹レンズ状6´になった照明付き鏡
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、前記鏡面26は台座7から立ち上がる支持棒83によって回転可能に支持されており、前記照明コントロール部5は前期台座7の内部に納まっていることを特徴とする照明付きスタンド


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−114054(P2012−114054A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264494(P2010−264494)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【特許番号】特許第4773579号(P4773579)
【特許公報発行日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(504214774)
【Fターム(参考)】