説明

照明付浴槽装置

【課題】 メンテナンスの際に、浴槽の外側に配設された光源の取り外しおよび取り付けを容易にすることができる照明付浴槽装置を提供する。
【解決手段】 透光性を有する浴槽と、可撓性を有する連結体と、前記連結体により支持された複数の光源と、を有する2本の連結光源と、前記浴槽の外側において周状に配設され、前記連結光源を挿脱可能であるガイド部材と、を備え、前記連結光源は、第1の連結光源体と、第2の連結光源体と、からなり、前記ガイド部材は、前記第1の連結光源体を挿脱可能な前記ガイド部材の一端側の第1の嵌脱部と、前記第2の連結光源体を挿脱可能な前記ガイド部材の他端側の第2の嵌脱部と、が形成されていることを特徴とする照明付浴槽装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、照明付浴槽装置に関し、具体的には照明を使って浴槽内を光らせることができる照明付浴槽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
浴槽のデザイン性を高めたり、演出効果を高めるために、浴槽近傍に照明器具を取り付けた浴槽がある。そのような浴槽では、例えば、浴槽の内部を照明するために照明器具が光透過性を有する浴槽の裏面に設け、照明器具の光を浴槽の内部に至るようにするなどの工夫がなされている。
【0003】
しかしながら、浴槽のデザイン性や演出効果をさらに高めるために、浴槽の内部側面周状を光らせようとすると、複数の照明器具を浴槽の裏面に設ける必要がある。
【0004】
これに対して、光透過性を有する材料により成形された浴槽容器の周壁裏面側に、端部が照明用光源装置の光源に指向され、光源からの照明光を受けて側面発光する複数本の光ファイバーを網目状に編んで帯状化した帯状光ファイバーを周設させている浴槽がある(特許文献1)。特許文献1に記載された光透過性を有する浴槽の裏面に光ファイバーを周設させている浴槽によれば、浴槽内の側面周状を照明することができる。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された浴槽において、浴槽容器の周壁裏面側に周設される光ファイバーのメンテナンスの際には、浴槽を持ち上げたりまたは取り外す必要があるため、大変な作業を強いられるという問題がある。さらに、取り外した光ファイバーを再び浴槽容器の裏面側全周に周設させる取り付け作業も煩雑になってしまうという問題もある。
【特許文献1】特開2003−38375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、メンテナンスの際に、浴槽の外側に配設された光源の取り外しおよび取り付けを容易にすることができる照明付浴槽装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、透光性を有する浴槽と、可撓性を有する連結体と、前記連結体により支持された複数の光源と、を有する2本の連結光源と、前記浴槽の外側において周状に配設され、前記連結光源を挿脱可能であるガイド部材と、を備え、前記連結光源は、第1の連結光源体と、第2の連結光源体と、からなり、前記ガイド部材は、前記第1の連結光源体を挿脱可能な前記ガイド部材の一端側の第1の嵌脱部と、前記第2の連結光源体を挿脱可能な前記ガイド部材の他端側の第2の嵌脱部と、が形成されていることを特徴とする照明付浴槽装置が提供させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の態様によれば、メンテナンスの際に、浴槽の外側に配設された光源の取り外しおよび取り付けを容易にすることができる照明付浴槽装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明は、透光性を有する浴槽と、可撓性を有する連結体と、前記連結体により支持された複数の光源と、を有する2本の連結光源と、前記浴槽の外側において周状に配設され、前記連結光源を挿脱可能であるガイド部材と、を備え、前記連結光源は、第1の連結光源体と、第2の連結光源体と、からなり、前記ガイド部材は、前記第1の連結光源体を挿脱可能な前記ガイド部材の一端側の第1の嵌脱部と、前記第2の連結光源体を挿脱可能な前記ガイド部材の他端側の第2の嵌脱部と、が形成されていることを特徴とする照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、連結光源は第1の連結光源体と第2の連結光源体に分かれてガイド部材の嵌脱部から挿脱可能に挿入されることから、連結光源を交換することが必要になった際に、浴槽を動かすことなく、嵌脱部から連結光源の取り付け、および取り外し作業を容易に行うことができる。
【0010】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記ガイド部材は、ガイド部材本体と、前記ガイド部材本体における前記連結光源との当接面に摺動性を向上させる積層された被覆層と、を有し、前記被覆層は、前記連結光源本体よりも摺動性の高い材料から形成が積層されてなることを特徴する照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、ガイド部材の内面に摺動性を向上させる被覆層が積層されているため、連結光源の取り付け/取り外し作業を円滑に行うことができる。
【0011】
また、第3の発明は、第1または2の発明において、前記浴槽及び前記ガイド部材を取り囲む外周壁と、を備える照明付浴槽装置であって、前記外周壁は、開口部を有し、前記第1の嵌脱部および第2の嵌脱部は、前記開口部の近傍に配置されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、開放された空間に向かって設けられた開口部の近傍にガイド部材の嵌脱部が配置されているため、その開口部から手を入れることにより連結光源の取り付け/取り外し作業を容易に行うことができる。すなわち、且つ浴槽の奥側に手を伸ばして作業を行う必要はない。
【0012】
また、第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、前記浴槽に隣接する洗い場と、を備える照明付浴槽装置であって、前記開口部は、前記洗い場側の前記外周壁に形成されていることを特徴とする照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、洗い場の開口部から連結光源を直接取り付け/取り外すことができるため、取り付け/取り外し作業を容易に行うことができる。
【0013】
また、第5の発明は、第1乃至第4のいずれか1つの発明において、前記外周壁は、2つの前記開口部を有し、前記2つの前記開口部のそれぞれから前記2本の連結光源を挿脱することを特徴とする照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、2つの開口部は壁面ではない開放された空間に向かって設けられており、嵌脱部は外周壁の2つの開口部近傍に配置されている。そのため、2つの開口部のそれぞれから2本の連結光源を容易に取り付けたり、取り外すことができる。
【0014】
また、第6の発明は、第1乃至第5のいずれか1つの発明において、前記連結光源が前記ガイド部材に支持された状態において、前記第1の連結光源体および前記第2の連結光源体の末端は、夫々が交差する交差部、または夫々が重なり合う重なり部を有することを特徴とする照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、第1の連結光源体と第2の連結光源体の取り付け/取り外しの際に、第1の連結光源体と第2の連結光源体が干渉しにくいことから、連結光源の取り付け/取り外し作業を円滑に行うことができる。
【0015】
また、第7の発明は、第1乃至第6のいずれか1つの発明において、前記連結光源が前記ガイド部材に支持された状態において、前記複数の光源から放出された光が前記浴槽を透過して前記浴槽の内部に至ることにより、前記浴槽の全周が発光することを特徴とする照明付浴槽装置である。
浴槽の全周を発光させることにより、浴槽のデザイン性をより高めたり、演出効果をより高めることができる。
【0016】
また、第8の発明は、第1乃至第7のいずれか1つの発明において、前記複数の光源のそれぞれは、LEDであることを特徴とする照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、光源の寿命を延ばすことができ、光源の交換の頻度を低減できる。
【0017】
また、第5の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、前記複数の光源のそれぞれは、LEDであることを特徴とする照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、光源の寿命を延ばすことができ、光源の交換の頻度を低減できる。
【0018】
また、第5の発明は、第1乃至4のいずれか1つの発明において、前記連結光源が前記ガイド部材に支持された状態において、前記第1の連結光源体および前記第2の連結光源体の末端は、夫々が交差する交差部、または夫々が重なり合う重なり部を有することを特徴とする照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、第1の連結光源体と第2の連結光源体の取り付け/取り外しの際に、第1の連結光源体と第2の連結光源体が干渉しにくいことから、連結光源の取り付け/取り外し作業を円滑に行うことができる。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる照明付浴槽装置を上方から眺めた上面模式図である。
また、図2は、本実施形態にかかる照明付浴槽装置を側方から眺めた側面模式図である。
【0020】
本実施形態にかかる照明付浴槽装置は、透光性を有する浴槽10と、光を照射する複数の光源を有する第1の連結光源体20a、第2の連結光源体20bと、その第1の連結光源体20a、第2の連結光源体20bをそれぞれ保持するガイド部材30a、30bと、を備えている。なお、本願明細書において「透光性」とは、連結光源からの光をほとんど反射も吸収もせずに透過させるか、あるいは連結光源からの光を一部吸収したり反射したりしても残りの光を透過し、浴槽10の内側(水(湯)を溜めて使用者がその中に入ることのできる側)まで到達させ得る性質をいう。また、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
【0021】
本実施形態にかかる照明付浴槽装置は、電源部62と、電源スイッチ64と、をさらに備えている。図1に表したように、その電源スイッチ64は外部電源に接続されている。そして、第1の連結光源体20a、第2の連結光源体20bは電源部62と電源スイッチ64を介して外部電源に接続されている。使用者は電源スイッチ64を切り替えることによって、その第1の連結光源体20a、第2の連結光源体20bを点灯させたり消灯させることができる。また、図1に表したように、第1の連結光源体20aおよび第2の連結光源体20bの末端は、夫々が交差する交差部、または夫々が重なり合う重なり部を有している。これにより、第1の連結光源体と第2の連結光源体の取り付け/取り外しの際に、第1の連結光源体と第2の連結光源体が干渉しにくいことから、連結光源の取り付け/取り外し作業を円滑に行うことができる。
【0022】
図2に表したように、第1の連結光源体20a、第2の連結光源体20bとガイド部材30a、30bとは、浴槽10の下方部に配置されている。また、図1に表したように、第1の連結光源体20aとガイド部材30aとは、浴槽10の底面11および側面12の前方部に配置されており、第2の連結光源体20bとガイド部材30bとは、浴槽10の底面11および側面12の後方部および左右側方部に配置されている。そして、第1の連結光源体20a、第2の連結光源体20bとガイド部材30a、30bとは全体として、浴槽10の底面11および側面12の少なくともいずれかを取り囲むように周状に配置されている。
【0023】
そのため、第1の連結光源体20a、第2の連結光源体20bは、後に詳述するように、浴槽10の底面11と側面12との境界部近傍を周状に光らせることができる。そして、浴槽10は透光性を有するため、第1の連結光源体20a、第2の連結光源体20bは、浴槽10を通して浴槽10の内側を光らせることができる。なお、ガイド部材は、図1に表したように複数に分割されていなくともよい。例えば、連結光源とガイド部材とはそれぞれ1つの部材からなり、それらの連結光源とガイド部材とが浴槽10の底面11および側面12の少なくともいずれかを取り囲むように周状に配置されていてもよい。
【0024】
浴槽10の下方部には、浴槽10を支持する支持体50が設けられている。また、浴槽10の周囲には、浴槽の側面12に対向する面13(以下、説明の便宜上「裏面」という。)を隠したり、支持体50を隠して、照明付浴槽装置のデザイン性を高める外周壁(エプロン)55が設けられている。そして、外周壁55には、第1の連結光源体20a、第2の連結光源体20bの取り付け/取り外し作業が可能な開口部56a、56bが設けられている。これについては、後に詳述する。
【0025】
図3は、本実施形態にかかる照明付浴槽装置の断面を表す断面模式図であり、図1に表したA−A断面図に相当する。
図3に表したように、第1の連結光源体20aとガイド部材30aとは、浴槽10の裏面13側に設けられている。第1の連結光源体20aとガイド部材30aとの周囲には、反射部41、42が設けられている。反射部42は支持体50に適宜固定され、反射部41は反射部42の上方部に適宜固定されている。そして、ガイド部材30aは、反射部42に固定されている。
【0026】
浴槽10と支持体50とは、接着剤52によって接合されている。そして、接着剤52が第1の連結光源体20aの方に流れ込むことを防止するため、図3に表したように、浴槽10と反射部42との間には封止部45が設けられている。また、これと同様に、浴槽10と反射部41との間には封止部44が設けられている。そのため、第1の連結光源体20aの周囲には、浴槽10と、反射部41、42と、封止部44、45と、によって囲まれた空間が存在する。
【0027】
第1の連結光源体20aから照射された光は、浴槽10の底面11と側面12との境界部14に直接的に入射する。あるいは、第1の連結光源体20aから照射された光は、直接的に境界部14に入射しない場合であっても、反射部41、42で乱反射されることによって、間接的に境界部14に入射する。そして、浴槽10は、前述したように透光性を有するため、第1の連結光源体20aから直接的あるいは間接的に入射した光を浴槽10の内側に透過できる。
【0028】
このようにして、本実施形態にかかる照明付浴槽装置は、境界部14近傍を光らせることができる。また、第1の連結光源体20a、第2の連結光源体20bとガイド部材30a、30bとは、図1に関して前述したように、浴槽10の底面11および側面12の少なくともいずれかを取り囲むように周状に配置されているため、境界部14近傍を周状に光らせることができる。そのため、浴槽10の内側の水中内に光を照射して、浴槽のデザイン性を高めたり、演出効果を高めることができる。また、本実施形態にかかる照明付浴槽装置は、光を通すための切り欠きや窓などを備えていないため、連結光源への漏水を防止することができる。
【0029】
さらに、第1の連結光源体20aから照射された光は、底面11にはほとんど入射しない。すなわち、浴槽10の境界部14近傍は周状に光るが、浴槽10の底面11はほとんど光らない。そのため、使用者が入浴の際に浴槽10の底面11を見にくく感じるおそれは少なく、その底面11をより確実に目視することができる。これにより、使用者はより安心して足を浴槽10に入れることができる。なお、図3に表した断面模式図においては、第1の連結光源体20aおよびガイド部材30aの周囲の構造について説明したが、第2の連結光源体20bおよびガイド部材30bの周囲の構造についても同様の構造を有している。
【0030】
次に、連結光源およびガイド部材の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図4は、連結光源およびガイド部材の具体例を説明するための模式図であり、連結光源をガイド部材に挿入する前の状態を表す模式図である。
また、図5は、本具体例にかかる連結光源をガイド部材に挿入した後の状態を表す模式図である。
なお、説明の便宜上、第1の連結光源体20aおよびガイド部材30aについて以下説明するが、第2の連結光源体20bおよびガイド部材30bについても同様の構造を有する。
【0031】
第1の連結光源体20aは、連結体22aと、複数の光源23と、を有している。連結体22aは、例えば弾性体などからなり、可撓性を有している。また、連結体22aは、図4に表したように、多段形状を有している。光源23は、連結体22aに連なるように配列されている。光源23は非可撓性を有しているが、可撓性を有する連結体22aに配列されているため、光源23とそれに隣接する光源23との間の連結体22aは撓むことができる。そのため、第1の連結光源体20aは全体として可撓性を有している。なお、光源23は、LED(Light Emitting Diode)であることが好ましい。これによれば、光源23の寿命を延ばすことができる。
【0032】
ガイド部材30aは、図4に表したように、固定部材47によって反射部42に固定されている。また、ガイド部材30aは、第1の連結光源体20aと同様に可撓性を有している。なお、ガイド部材30aは、例えば接着剤などによって反射部42に固定されていてもよい。ガイド部材30aは、一端に第1の嵌脱部31aを有している。また、ガイド部材30aの長手方向に沿って、内面32a、33a、34a、35a、36aが設けられている。この内面32a、33a、34a、35a、36aには、摺動性を向上させるための被覆層が設けられている。つまり、内面32a、33a、34a、35a、36aには、被覆層が積層されている。被覆層としては、例えばポリエチレンなどのオレフィン系樹脂のコーティング被膜などが挙げられる。
【0033】
ガイド部材30aの長手方向に対して垂直方向の第1の嵌脱部31aの断面形状と、第1の連結光源体20aの長手方向に対して垂直方向の連結体22aの断面形状と、は略相似している。そのため、ガイド部材30aの第1の嵌脱部31aから矢印の方向に第1の連結光源体20aを挿入することができる。このとき、ガイド部材30aは、図1に表したように、浴槽10の底面11および側面12の後方部および左右側方部に配置された状態で反射部42に固定されているが、第1の連結光源体20aは可撓性を有しているため、ガイド部材30aの配置形状に沿って移動できる。
【0034】
さらに、前述したように、内面32a、33a、34a、35a、36aには被覆層が設けられているため、第1の連結光源体20aはそれらの内面を滑らかに移動できる。その結果、第1の連結光源体20aは、内面32a、33a、34a、35a、36a上を滑らかに摺動しつつ挿入され、図5に表したように、光源23をガイド部材30aの外部に向けた状態で保持される。そして、この保持状態のまま、光源23は光を照射し、浴槽10の境界部14近傍を周状に光らせることができる。
【0035】
図4および図5に表したガイド部材30aは、説明の便宜上、一端の第1の嵌脱部31a側を表しているが、他端にも同様に第2の嵌脱部を有している。そのため、ガイド部材30aの両端の嵌脱部から第1の連結光源体20aを挿脱可能である。そして、図2に表したように、一端の第1の嵌脱部は外周壁55の開口部56a近傍に配置されており、他端の第2の嵌脱部は外周壁55の開口部56b近傍に配置されている。そして、開口部56a、56bは、例えば壁面ではない開放された空間に向かって設けられている。そのため、開口部56aあるいは開口部56bから第1の連結光源体20aを容易に取り付けたり、取り外すことができる。また、第1の連結光源体20aは被覆層により滑らかに内面を移動できるため、より容易に第1の連結光源体20aを取り付けたり、取り外すことができる。
【0036】
さらに、第1の連結光源体20a、第2の連結光源体20bとガイド部材30a、30bとは、それぞれ複数に分割されているため、それぞれ1つの部材からなる場合よりも容易に第1の連結光源体20a、第2の連結光源体20bを取り付けたり、取り外すことができる。これは、連結光源とガイド部材とが、それぞれ1つの部材によって浴槽10の底面11および側面12の少なくともいずれかを取り囲むように周状に配置されている場合には、長い全長を有する連結光源を取り付けたり、取り外す必要性が生ずるためである。
【0037】
なお、第1の連結光源体20aを取り付けたり、取り外す場合であっても、ガイド部材30aは反射部42に固定されているため移動できない。また、第1の連結光源体20aの全長はガイド部材30aの全長よりも長く、且つ第2の連結光源体20bの全長はガイド部材30bの全長よりも長いことが好ましい。これによれば、浴槽10の境界部14近傍をより確実に周状に光らせることができる。すなわち、境界部14近傍において、光る部分と光らない部分とが生ずることを防止できる。したがって、浴槽のデザイン性をより高めたり、演出効果をより高めることができる。
【0038】
図6は、連結光源およびガイド部材の他の具体例を説明するための模式図であり、連結光源をガイド部材に挿入する前の状態を表す模式図である。
また、図7は、本具体例にかかる連結光源をガイド部材に挿入した後の状態を表す模式図である。
なお、説明の便宜上、第1の連結光源体20aおよびガイド部材30aについて以下説明するが、第2の連結光源体20bおよびガイド部材30bについても同様の構造を有する。
【0039】
連結光源80aは、第1の連結光源体20aと同様に、連結体82aと、複数の光源23と、を有している。連結体82aは、例えば弾性体などからなり、可撓性を有している。但し、連結体82aは連結体22aのようには多段形状を有していなくともよく、図6に表したように単段形状であってもよい。光源23は非可撓性を有しているが、可撓性を有する連結体82aに配列されているため、光源23とそれに隣接する光源23との間の連結体82aは撓むことができる。そのため、連結光源80aは全体として可撓性を有している。
【0040】
ガイド部材90aは、図6に表したように、固定部材48によって反射部42に固定されている。本具体例においては、反射部42は孔43を有している。この孔43は、反射部42を貫通して設けられている。固定部材48は孔43を通って、ガイド部材90aと反射部42とを固定している。
【0041】
ガイド部材90aは中空形状を有しており、一端に第1の嵌脱部91aを有している。また、ガイド部材90aは、透光性を有している。そして、ガイド部材90aの内面92aには、ガイド部材30aと同様に、摺動性を向上させるための被覆層が設けられている。つまり、ガイド部材90aの内面92aには、被覆層が積層されている。ガイド部材90aの材質としては、例えば可撓性を有する塩化ビニル樹脂などが挙げられる。一方、被覆層としては、例えばポリエチレンなどのオレフィン系樹脂のコーティング被膜などが挙げられる。
【0042】
ガイド部材90aの長手方向に対して垂直方向の第1の嵌脱部91aの断面積は、連結光源80aの長手方向に垂直方向の連結体82aおよび光源23の断面積よりも大きい。そのため、ガイド部材90aの第1の嵌脱部91aから矢印の方向に連結光源80aを挿入することができる。このとき、ガイド部材90aは、図1に表したように、浴槽10の底面11および側面12の後方部および左右側方部に配置された状態で反射部42に固定されているが、連結光源80aは可撓性を有しているため、ガイド部材90aの配置形状に沿って移動できる。
【0043】
さらに、ガイド部材90aの内面92aには被覆層が設けられているため、連結光源80aは内面92aを滑らかに移動できる。その結果、連結光源80aは、内面92aを滑らかに移動しつつ挿入され、図7に表したように、ガイド部材90aの内部に収納される。そして、この収納状態のまま、光源23は光を照射できる。このとき、ガイド部材90aは透光性を有しているため、光源23から照射された光はガイド部材90aを通って浴槽10の境界部14に入射できる。そのため、光源23は浴槽10の境界部14近傍を周状に光らせることができる。
【0044】
図6および図7に表したガイド部材90aは、説明の便宜上、一端の第1の嵌脱部91a側を表しているが、他端にも同様に第2の嵌脱部を有している。そのため、ガイド部材90aの両端の嵌脱部から連結光源80aを挿脱可能である。そして、図2に表したように、一端の第1の嵌脱部は外周壁55の開口部56a近傍に配置されており、他端の第2の嵌脱部は外周壁55の開口部56b近傍に配置されている。そして、図4および図5に関して前述したように、開口部56a、56bは、例えば壁面ではない開放された空間に向かって設けられている。そのため、図4および図5に関して前述したように、開口部56aあるいは開口部56bから第1の連結光源体20aを容易に取り付けたり、取り外すことができる。
【0045】
なお、ガイド部材90aは反射部42に固定されているため、第1の連結光源体80aの取り付け/取り外しの際には移動できない。また、図4および図5に表した具体例と同様に、第1の連結光源体80aの全長はガイド部材90aの全長よりも長く、且つ第2の連結光源体80bの全長はガイド部材90bの全長よりも長いことが好ましい。これによれば、図4および図5に表した具体例に関して前述した効果と同様の効果を得ることができる。また、固定部材48は、透光性を有していることが好ましい。これによれば、光源23から照射された光の少なくとも一部は固定部材48を透過できるため、光る部分と光らない部分とが生ずることを防止できる。その他の効果についても、図4および図5に関して前述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0046】
次に、連結光源およびガイド部材の設置形態の変形例について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の変形例に関する説明においては、図6および図7に表した具体例にかかる第1の連結光源体80aおよびガイド部材90aを使用した場合を例に挙げて説明する。
図8は、連結光源およびガイド部材の設置形態の変形例を例示する模式図であり、図1に表したA−A断面図に相当する。
【0047】
本変形例においては、ガイド部材90aは反射部42ではなく、透光性を有する取付部49を介して浴槽10の裏面13に固定されている。取付部49は、例えば接着剤などにより浴槽10の裏面13に固定されている。ガイド部材90aは、固定部材46、47によって取付部49に固定されている。その他の構造については、図1〜図3に関して前述した照明付浴槽装置の構造と同様である。
【0048】
本変形例によれば、ガイド部材90aは取付部49を介して浴槽10の裏面13に固定されているため、境界部14近傍をより明るく光らせることができる。これは、第1の連結光源体80aと浴槽10とがより近いためである。また、ガイド部材90aは浴槽10に直接的に固定されているため、第1の連結光源体80aからの光によって照射された境界部14近傍の明るさが、反射部42や支持体50などの位置精度に影響を受けるおそれは少ない。すなわち、第1の連結光源体80aからの光によって照射された境界部14近傍の明るさは、浴槽10と第1の連結光源体80aとの相対位置に大きく影響する。そのため、反射部42や支持体50などの取付精度や位置精度によらず、境界部14近傍を略一定の明るさに光らせることができる。
【0049】
なお、固定部材46は透光性を有することが好ましい。これによれば、第1の連結光源体80aから照射された光の少なくとも一部は固定部材46を透過できるため、より確実に反射部41、42に到達することができる。反射部41、42に到達した光は反射部41、42で乱反射されることによって、間接的に境界部14に入射できる。したがって、境界部14近傍をより明るく光らせることができる。また、その他の効果についても、図1〜図3および図6〜図7に関して前述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0050】
図9は、連結光源およびガイド部材の設置形態の他の変形例を例示する模式図であり、図1に表したA−A断面図に相当する。
本変形例においては、ガイド部材90aは反射部42ではなく、支持体50に固定されている。より具体的には、ガイド部材90aは固定部材46、47によって支持体50に固定されている。その他の構造については、図1〜図3に関して前述した照明付浴槽装置の構造と同様である。
【0051】
本変形例によれば、ガイド部材90aが反射部42に固定されている場合に比べて、境界部14近傍をより明るく光らせることができる。これは、ガイド部材90aが反射部42に固定されている場合に比べて、第1の連結光源体80aと浴槽10とがより近いためである。また、ガイド部材90aを予め支持体50に固定することができるため、ガイド部材90aの固定作業をより簡易化することができる。
【0052】
なお、固定部材46は透光性を有することが好ましい。これによれば、第1の連結光源体80aから照射された光の少なくとも一部は固定部材46を透過できるため、より確実に境界部14や反射部41、42に到達することができる。したがって、境界部14近傍をより明るく光らせることができる。また、その他の効果についても、図1〜図3および図6〜7図7に関して前述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0053】
以上説明したように、本実施形態によれば、連結光源は、可撓性を有する連結体と、複数の光源と、を有している。また、ガイド部材は可撓性を有し、両端に嵌脱部を有している。そのため、ガイド部材の両端の嵌脱部から容易に連結光源を取り付けたり、取り外すことができる。さらに、浴槽10は光を通すための切り欠きや窓などを有していないため、連結光源への漏水を防止することができる。連結光源およびガイド部材は、浴槽10の底面11および側面12の少なくともいずれかを取り囲むように周状に配置されている。そのため、本実施形態にかかる照明付浴槽装置は、浴槽10の境界部14近傍を周状に光らせることができる。
【0054】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、第1の連結光源体20a、第2の連結光源体20bやガイド部材30a、30bなどが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などやガイド部材30a、30bの設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態にかかる照明付浴槽装置を上方から眺めた上面模式図である。
【図2】本実施形態にかかる照明付浴槽装置を側方から眺めた側面模式図である。
【図3】本実施形態にかかる照明付浴槽装置の断面を表す断面模式図であり、図1に表したA−A断面図に相当する。
【図4】連結光源およびガイド部材の具体例を説明するための模式図であり、連結光源をガイド部材に挿入する前の状態を表す模式図である。
【図5】本具体例にかかる連結光源をガイド部材に挿入した後の状態を表す模式図である。
【図6】連結光源およびガイド部材の他の具体例を説明するための模式図であり、連結光源をガイド部材に挿入する前の状態を表す模式図である。
【図7】本具体例にかかる連結光源をガイド部材に挿入した後の状態を表す模式図である。
【図8】連結光源およびガイド部材の設置形態の変形例を例示する模式図であり、図1に表したA−A断面図に相当する。
【図9】連結光源およびガイド部材の設置形態の他の変形例を例示する模式図であり、図1に表したA−A断面図に相当する。
【符号の説明】
【0056】
10 浴槽、 11 底面、 12 側面、 13 裏面、 14 境界部、 20a第1の連結光源体、20b 第2の連結光源体、 22a、22b 連結体、 23 光源、 30a、30b ガイド部材、 31a第1の嵌脱部、31b第2の 嵌脱部、 32a、32b、33a、33b、34a、34b、35a、35b、36a、36b 内面、 41、42 反射部、 43 孔、 44、45 封止部、 46、47、48 固定部材、 49 取付部、 50 支持体、 52 接着剤、 55 外周壁、 56a、56b 開口部、 62 電源部、 64 電源スイッチ、 80a第1の連結光源体、80b 第2の連結光源体、 82a、82b 連結体、 90a、90b ガイド部材、 91a第1の嵌脱部、91b第2の 嵌脱部、 92a、92b 内面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有する浴槽と、
可撓性を有する連結体と、前記連結体により支持された複数の光源と、を有する2本の連結光源と、
前記浴槽の外側において周状に配設され、前記連結光源を挿脱可能であるガイド部材と、
を備え、
前記連結光源は、第1の連結光源体と、第2の連結光源体と、からなり、
前記ガイド部材は、
前記第1の連結光源体を挿脱可能な前記ガイド部材の一端側の第1の嵌脱部と、
前記第2の連結光源体を挿脱可能な前記ガイド部材の他端側の第2の嵌脱部と、
が形成されている
ことを特徴とする照明付浴槽装置。
【請求項2】
前記ガイド部材は、
ガイド部材本体と、
前記ガイド部材本体における前記連結光源との当接面に摺動性を向上させる積層された被覆層と、
を有し、
前記被覆層は、前記連結光源本体よりも摺動性の高い材料から形成が積層されてなる
ことを特徴する請求項1に記載の照明付浴槽装置。
【請求項3】
前記浴槽及び前記ガイド部材を取り囲む外周壁と、
を備える照明付浴槽装置であって、
前記外周壁は、開口部を有し、
前記第1の嵌脱部および第2の嵌脱部は、前記開口部の近傍に配置されてなる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の照明付浴槽装置。
【請求項4】
前記浴槽に隣接する洗い場と、
を備える照明付浴槽装置であって、
前記開口部は、前記洗い場側の前記外周壁に形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1つに記載の照明付浴槽装置。
【請求項5】
前記外周壁は、2つの前記開口部を有し、前記2つの前記開口部のそれぞれから前記2本の連結光源を挿脱する
ことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1つに記載の照明付浴槽装置。
【請求項6】
前記連結光源が前記ガイド部材に支持された状態において、前記第1の連結光源体および前記第2の連結光源体の末端は、夫々が交差する交差部、または夫々が重なり合う重なり部を有する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の照明付浴槽装置。
【請求項7】
前記連結光源が前記ガイド部材に支持された状態において、前記複数の光源から放出された光が前記浴槽を透過して前記浴槽の内部に至ることにより、前記浴槽の全周が発光する
ことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1つに記載の照明付浴槽装置。
【請求項8】
前記複数の光源のそれぞれは、LEDである
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の照明付浴槽装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−35927(P2010−35927A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−204486(P2008−204486)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】