説明

照明制御装置

【課題】所望の照度を確保しつつ消費電力を抑制可能な照明制御装置を提供する。
【解決手段】複数の区画の夫々に設けられた複数の照明装置の明るさを制御する照明制御装置であって、複数の区画を撮影するビデオカメラの出力に基づいて、複数の区画の夫々における人の有無を検出する検出部と、前記複数の照明装置のうち、人が検出される検出区画の照明装置を点灯するとともに、検出区画及び検出区画に隣接する隣接区画と異なる区画の照明装置を消灯し、検出区画の照度が所定の照度となるように、隣接区画の照明装置の明るさを制御する制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスビルの事務所等においては、複数の区画ごとに設けられた人感センサの検出結果に基づいて、各区画に設けられた照明装置の点灯、消灯が制御されることがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−313588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、照明装置の夫々は、一般的に区画の中心が最も明るくなるような位置に設けられる。このため、人が検出された検出区画の照明装置のみを点灯させた場合、検出区画の中心は所望の照度が確保されるが、検出区画の中心から遠くなると所望の照度の確保が難しくなる。したがって、検出区画全体の照度を所望の照度とするためには、例えば、検出区画に隣接する区画の照明装置も点灯する必要がある。
しかしながら、このような場合、検出区画の照度が所望の照度を大きく上回ることがあり、結果的に無駄な電力が消費される。
【0005】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、所望の照度を確保しつつ消費電力を抑制可能な照明制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一つの側面に係る、複数の区画の夫々に設けられた複数の照明装置の明るさを制御する照明制御装置は、前記複数の区画を撮影するビデオカメラの出力に基づいて、前記複数の区画の夫々における人の有無を検出する検出部と、前記複数の照明装置のうち、人が検出される検出区画の照明装置を点灯するとともに、前記検出区画及び前記検出区画に隣接する隣接区画と異なる区画の照明装置を消灯し、前記検出区画の照度が所定の照度となるように、前記隣接区画の照明装置の明るさを制御する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
所望の照度を確保しつつ消費電力を抑制可能な照明制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態である機器制御システム10の構成を示す図である。
【図2】事務所15の区画を示す平面図である。
【図3】事務所15における区画1の側面図である。
【図4】コンピュータ21の構成を示す図である。
【図5】CPU61aが実現する機能ブロックを示す図である。
【図6】コンピュータ21aが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】区画8に人がいる場合における照明装置の明るさの一例を示す図である。
【図8】区画5,6に人が検出された場合における照明装置の明るさの一例を示す図である。
【図9】区画に含まれる複数の領域を説明するための図である。
【図10】CPU61bが実現する機能ブロックを示す図である。
【図11】コンピュータ21bが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】区画8の領域7に人がいる場合における照明装置の明るさの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0010】
==機器制御システム10の第1の実施形態==
図1は、本発明の第1の実施形態であり、例えばオフィスビルにおける事務所15に設けられた各種機器を制御する機器制御システム10aの構成を示す図である。図2は、事務所15内の空間の区画を示す平面図である。事務所15は、例えば、区画1〜15の15個の仮想的な区画に区切られている。また、事務所15における区画1,4,7,10,13には、外部の光が取り入れられる窓が設けられている。図3は、事務所15における区画1の側面図である。
【0011】
機器制御システム10aは、コントローラ20、コンピュータ21a、カメラ30,31、通信用アダプタ40、インターフェース(IF:Interface)装置41、室外機45、空気調和機A1〜A15、及び照明装置B1〜B15含んで構成される。
【0012】
コントローラ20は、利用者が空気調和機A1〜A15や照明装置B1〜B15の状態を設定するためのいわゆる操作パネルである。具体的には、コントローラ20が操作されると、空気調和機A1〜A15のオンオフ、冷暖房の選択、温度等や、照明装置B1〜B15の点灯、消灯、明るさ等が設定される。なお、コントローラ20の操作結果は、コンピュータ21aへと送信される。
【0013】
コンピュータ21a(照明制御装置)は、機器制御システム10aを統括制御する装置である。具体的には、コンピュータ21aは、コントローラ20の操作結果や、後述するカメラ30,31で撮影された映像に基づいて、空気調和機A1〜A15、照明装置B1〜B15を制御する。なお、コンピュータ21aの詳細については後述する。
【0014】
カメラ30は、区画1の天井に設けられ、事務所15の内の空間を撮影する。カメラ31は、例えば、区画15の天井(不図示)に設けられ、事務所15の内の空間を撮影する。なお、カメラ30,31により、事務所15の全ての領域が撮影されることとする。また、詳細は後述するが、カメラ30,31からの映像がコンピュータ21aで処理されることにより、区画1〜15のうち人が検出される検出区画が特定される。
【0015】
通信用アダプタ40は、コンピュータ21aが空気調和機A1〜A15及び室外機45を制御できるよう、コンピュータ21aと、空気調和機A1〜A15及び室外機45を接続する。
【0016】
インターフェース装置(IF装置)41は、コンピュータ21aが照明装置B1〜B15を制御できるよう、コンピュータ21aと、照明装置B1〜B15を接続する。
【0017】
室外機45は、空気調和機A1〜A15に接続され、空気調和機A1〜A15が調和空気を供給する際に空気調和機A1〜A15とともに動作する。
【0018】
空気調和機A1は、図3に示すように、区画1の天井に設けられ、コンピュータ21aの制御に応じて、送風口を介して区画1に調和空気を供給する。なお、空気調和機A1には、温度センサ(不図示)が設けられている。また、空気調和機A1は、前述の温度センサの温度、すなわち、区画1の温度が所望の温度となるように調和空気を供給する。
【0019】
空気調和機A2〜A15は、区画2〜15の天井に夫々設けられ、空気調和機A1と同様に、区画2〜15に調和空気を供給する。
【0020】
照明装置B1は、区画1の天井に設けられた調光可能な蛍光灯等であり、コンピュータ21aの制御に応じた明るさで発光する。また、照明装置B1が100%の明るさで点灯されている場合、区画1の中心位置における照度は、例えば700ルクスとなり、区画1の中心から遠い位置(例えば、区画1と区画2,4との境界付近の位置)の照度は、例えば700ルクスより小さくなる。なお、照明装置B2〜B15は、区画2〜15の天井に夫々設けられ、照明B1と同様である。
【0021】
このように、本実施形態では、区画n(nは1〜15までの自然数)の天井には、空気調和機An、及び照明装置Bnが設置されている。
【0022】
==コンピュータ21aの詳細==
コンピュータ21aは、図4に示すように、メモリ60a、及びCPU61aを含んで構成される。
【0023】
メモリ60a(記憶部)は、例えば、CPU61aが実行するためのプログラムデータを記憶する。また、メモリ60aは、人が検出される検出区画全体の照度が、例えば、作業者が快適に作業をすることができる照度である700ルクス(所定の照度)となるように、照明装置の明るさを設定するための照明データ(情報)を記憶する。
【0024】
ところで、検出区画の照度が700ルクスになる際の各照明装置の明るさは、例えば、逐点法や光束法による照度計算の計算結果から求めることができる。本実施形態では、例えば、検出区画の照明装置が100%の明るさで点灯し、検出区画に隣接する隣接区画の照明装置が60%の明るさで点灯している際に、検出区画全体の照度が700ルクスとなる。このため、前述の照明データは、検出区画の照明装置の明るさを100%で点灯し、隣接区画の照明装置を60%の明るさで点灯し、その他の区画の照明装置を消灯するためのデータである。なお、ここで、照明データを求める際には、検出区画に入射される照明装置以外の光(例えば、外部からの光)は考慮していない。
【0025】
CPU61aは、メモリ60aに記憶されたプログラムデータを実行することにより、各種機能を実現する。具体的には、CPU61aは、図5に示すような、検出部70、測定部71、及び制御部72の機能を実現する。
【0026】
検出部70は、カメラ30,31から出力される映像に基づいて、事務所15における人の有無を検出する。さらに検出部70は、人が検出されると、人が検出された検出区画を判定する。
【0027】
測定部71は、カメラ30,31から出力される映像に基づいて、各区画の照度を測定する。
【0028】
制御部72は、コントローラ20の操作結果、検出部70の検出結果、測定部71の測定結果に基づいて、空気調和機A1〜A15、及び照明装置B1〜B15を制御する。制御部72は、コントローラ20の操作結果が出力されると、操作結果に応じて照明装置B1〜B15等の機器を制御する。一方、コントローラ20から操作結果が出力されない場合、制御部87は、検出部70の検出結果、測定部71の測定結果に基づいて、照明装置B1〜B15等を制御する。
【0029】
具体的には、制御部72は、検出部70が人を検出すると、検出区画の照度が700ルクスとなるように、照明データに基づいて照明装置の明るさを制御する。ところで、前述のように、照明データを求める際には、検出区画に入射される外部からの光等は考慮していない。このため、照明装置の明るさが制御された後に、例えば検出区画に窓を介して外部からの光が多く入射される場合、検出区画の照度は700ルクスより高くなる場合がある。制御部72は、検出区画の照度が例えば710ルクスより高い場合、照明装置の消費電力を削減しつつ、検出区画の照度が所望の700ルクスとなるように照明装置の明るさを低下させる。
【0030】
==コンピュータ21aが実行する処理の一例==
ここで、コントローラ20が操作されない場合におけるコンピュータ21aが実行する処理の一例を、図6を参照しつつ説明する。
【0031】
まず、検出部70は、事務所15の人の有無を検出する(S100)。そして、人が検出されると(S100:YES)、検出部70は、検出区画を判定する(S101)。一方、人が検出されないと(S100:NO)、検出部70は処理S100を実行する。そして、制御部72は、検出部70が人を検出すると、検出区画の照度が700ルクスとなるように、照明データに基づいて照明装置の明るさを制御する(S102)。具体的には、制御部72は、検出区画の照明装置を100%の明るさで点灯し、隣接区画の照明装置を60%の明るさで点灯し、検出区画及び隣接区画と異なる区画の照明装置を消灯する。
【0032】
その後、測定部71は、検出区画の照度を測定し(S103)、制御部72は、測定部71の測定結果に基づいて、検出区画の照度が710ルクスより高いか否かを判別する(S104)。検出区画の照度が710ルクスより高い場合(S104:YES)、検出区画の照度を所望の700ルクスとするために、検出区画、または隣接区画の照明装置の明るさを低下させる(S105)。そして、検出区画の照度が700ルクスとなると、コンピュータ21aは、照明装置の明るさの制御を終了する。一方、検出区画の照度が710ルクスより低い場合(S104:NO)、コンピュータ21aは、照明装置の明るさの制御を終了する。
【0033】
このように、本実施形態では、検出区画の照度が700ルクスとなるように照明装置の明るさは制御される。その結果、検出区画の照度は700〜710ルクスとなる。
【0034】
==機器制御システム10aの動作==
ここで、図7を参照しつつ、例えば、事務所15の区画8に人がいる場合における機器制御システム10aの動作について説明する。なお、ここでは、コントローラ20は予め操作され、全ての照明装置は消灯されていることとする。さらに、事務所15内は窓からの光によって数百ルクス程度の照度があることとする。
【0035】
まず、カメラ30,31からの映像に基づいて、検出部70は処理S100を実行することにより、事務所15内に人がいることを検出する。そして、検出部70は、処理101を実行し、検出区画が区画8であることを判定する。このため、ここでは、区画5,7,9,11が隣接区画になる。制御部72は、処理S102を実行し、メモリ60aに記憶された照明データに基づいて、区画8の照明装置B8を100%の明るさで点灯し、区画1〜4,6,10,12〜15の照明装置B1〜B4,B6,B10,B12〜B15を消灯する。さらに、制御部72は、区画5,7,9,11の照明装置B5,B7,B9,B11を60%の明るさとなるよう制御する。その後、測定部71は、区画8の照度を測定する。前述のように、事務所15内は、照明装置B1〜B15が消灯されている際であっても数百ルクス程度の照度がある。このため、区画8や隣接区画の照明装置が点灯されることにより、区画8の照度は710ルクスよりも高くなる。したがって、制御部72は、区画8の照度が700ルクスとなるように、例えば隣接区画の照明装置の明るさを徐々に低下させる。なお、この際には、例えば隣接区画の照明装置B5,B7,B9,B11のうち、照度の高い隣接区画の照明装置が順次選択される。つまり、本実施形態では、まず、窓に近い区画である区画7の照明装置B7の明るさが徐々に低下される。このような処理が実行されることにより、最終的に区画8の照度は700ルクスになる。
【0036】
なお、ここでは、区画8に人がいる場合について説明したが、例えば、区画1に人がいる場合(不図示)も同様である。この場合には、区画1の照明装置B1は、明るさが100%で点灯され、区画3,5〜15の照明装置B3,B5〜B15は消灯される。さらに、区画2,4の照明装置B2,B4の明るさは60%に制御される。
【0037】
また、例えば、図8に示すように、人が複数の区画5,6にいる場合も前述の場合と同様である。この場合には、区画5,6が検出区画となり、区画2,3,4,8,9が隣接区画となる。なお、区画5は、区画6との関係では隣接区画となるが、前述のように、検出部70は人が検出された検出区画を判定する。このため、図7のような場合、区画5,6の照明装置B5,B6の明るさは100%で点灯され、区画1,7,10〜15の照明装置B1,B7,B10〜B15は消灯される。さらに、区画2,3,4,8,9の照明装置B2,B3,B4,B8,B9の明るさは60%に制御される。
【0038】
==機器制御システム10の第2の実施形態==
ここで、機器制御システム10の第2の実施形態である機器制御システム10bについて説明する。機器制御システム10bを、機器制御システム10aと比較すると、図1に示すようにコンピュータ21aの代わりに、コンピュータ21bが設けられている点以外は同じである。なお、機器制御システム10bにおいて機器制御システム10aと異なるブロックの符合には括弧が付されている。ここでは、コンピュータ21bについて説明する。
【0039】
コンピュータ21b(照明制御装置)は、機器制御システム10bを統括制御する装置である。コンピュータ21bは、図4に示すように、メモリ60b,CPU61bを含んで構成される。
【0040】
メモリ60b(記憶部)は、例えば、CPU61bが実行するためのプログラムデータを記憶する。また、メモリ60bは、人が検出される検出領域の照度が700ルクスとなるように、照明装置の明るさを設定するための設定データ(情報)を記憶する。ここで、検出領域とは、例えば、図9に示すように、一つの区画を9個に分割した領域のうち、人が検出される領域である。なお、図9においては、区画8に含まれる領域のみが図示されているが、本実施形態では、区画1〜15の夫々の区画が9個の領域を含むこととする。
【0041】
ところで、検出領域の照度が700ルクスになる際の各照明装置の明るさは、例えば、逐点法や光束法による照度計算の計算結果から求めることができる。検出領域の照度を700ルクスとするためには、検出区画の照明装置を100%の明るさで点灯しつつ、以下の各条件が必要となる。
【0042】
検出領域が領域1の場合、例えば、検出区画の+y方向に隣接する隣接区画の照明装置と、検出区画の−x方法に隣接する隣接区画の照明装置とが60%の明るさで点灯している際に、領域1の照度は700ルクスとなる。なお、以下、領域1の照度を700ルクスとする際の条件を条件1とする。
検出領域が領域2の場合、例えば、検出区画の−x方法に隣接する隣接区画の照明装置が60%の明るさで点灯している際に、領域2の照度は700ルクスとなる(条件2)。
検出領域が領域3の場合、例えば、検出区画の−y方向に隣接する隣接区画の照明装置と、検出区画の−x方法に隣接する隣接区画の照明装置とが60%の明るさで点灯している際に、領域3の照度は700ルクスとなる(条件3)。
検出領域が領域4の場合、例えば、検出区画の+y方法に隣接する隣接区画の照明装置が60%の明るさで点灯している際に、領域4の照度は700ルクスとなる(条件4)。
検出領域が領域5の場合、領域5は検出区画の中心に位置するため、検出区画の照明装置が100%の明るさで点灯されることにより、領域5の照度は700ルクスとなる(条件5)。つまり、この場合には、隣接区画の照明装置を消灯しても良い。
検出領域が領域6の場合、例えば、検出区画の−y方法に隣接する隣接区画の照明装置が60%の明るさで点灯している際に、領域6の照度は700ルクスとなる(条件6)。
検出領域が領域7の場合、例えば、検出区画の+y方向に隣接する隣接区画の照明装置と、検出区画の+x方法に隣接する隣接区画の照明装置とが60%の明るさで点灯している際に、領域7の照度は700ルクスとなる(条件7)。
検出領域が領域8の場合、例えば、検出区画の+x方法に隣接する隣接区画の照明装置が60%の明るさで点灯している際に、領域8の照度は700ルクスとなる(条件8)。
検出領域が領域9の場合、例えば、検出区画の−y方向に隣接する隣接区画の照明装置と、検出区画の+x方法に隣接する隣接区画の照明装置とが60%の明るさで点灯している際に、領域9の照度は700ルクスとなる(条件9)。
【0043】
このため、前述の設定データは、検出区画の照明装置及び隣接区画の照明装置を各条件(条件1〜9)となるように制御するとともに、その他の区画の照明装置を消灯するためのデータである。なお、ここで、設定データを求める際には、検出区画に入射される照明装置以外の光は考慮していない。
【0044】
CPU61bは、メモリ60bに記憶されたプログラムデータを実行することにより、各種機能を実現する。具体的には、CPU61bは、図10に示すような、検出部70、判定部81、測定部81、及び制御部82の機能を実現する。なお、検出部70は、CPU61aが実現する検出部70と同じである。
【0045】
判定部80は、カメラ30,31から出力される映像に基づいて、検出区画における複数の領域1〜9のうち、人が検出される検出領域を判定する。
測定部81は、カメラ30,31から出力される映像に基づいて、各領域の照度を測定する。
【0046】
制御部82は、検出領域の照度が700ルクスとなるように照明装置B1〜B15を制御する以外は、前述の制御部72と同様である。具体的には、制御部82は、判定部80が検出領域を判定すると、検出領域の照度が700ルクスとなるように、設定データに基づいて照明装置の明るさを制御する。ところで、前述のように、設定データを求める際には、検出領域に入射される外部からの光等は考慮していない。このため、制御部82は、制御部72と同様に、検出領域の照度が例えば710ルクスより高い場合、検出領域の照度が所望の700ルクスとなるように検出区画、隣接区画の照明装置の明るさを低下させる。
【0047】
==コンピュータ21bが実行する処理の一例==
ここで、コントローラ20が操作されない場合におけるコンピュータ21bが実行する処理の一例を、図11を参照しつつ説明する。
【0048】
まず、検出部70は、事務所15の人の有無を検出する(S200)。そして、人が検出されると(S200:YES)、検出部70は、検出区画を判定する(S201)。一方、人が検出されないと(S200:NO)、検出部70は処理S200を実行する。そして、判定部80は、検出区画のうち、更に人が検出される領域を判定する(S202)。制御部80が検出領域を判定すると、制御部82は、検出領域の照度が700ルクスとなるように、設定データに基づいて照明装置の明るさを制御する(S203)。
【0049】
その後、測定部81は、検出領域の照度を測定し(S204)、制御部82は、測定部81の測定結果に基づいて、検出領域の照度が710ルクスより高いか否かを判別する(S205)。検出領域の照度が710ルクスより高い場合(S205:YES)、検出領域の照度を所望の700ルクスとするために、検出区画、隣接区画の照明装置の明るさを制御する(S206)。そして、検出領域の照度が700ルクスとなると、コンピュータ21bは、照明装置の明るさの制御を終了する。一方、検出領域の照度が710ルクスより低い場合(S205:NO)、コンピュータ21aは、照明装置の明るさの制御を終了する。
【0050】
このように、本実施形態では、検出領域の照度が700ルクスとなるように照明装置の明るさが制御され、結果的に検出領域の照度は700〜710ルクスとなる。
【0051】
==機器制御システム10bの動作==
ここで、図12を参照しつつ、例えば、区画8の領域7に人がいる場合における機器制御システム10bの動作について説明する。なお、ここでは、コントローラ20は予め操作され、全ての照明装置は消灯されていることとする。さらに、全ての照明装置は消灯されている場合であっても、事務所15内は窓からの光によって数百ルクス程度の照度があることとする。
【0052】
まず、カメラ30,31からの映像に基づいて、検出部70は処理S200を実行することにより、事務所15内に人がいることを検出する。そして、検出部70は、処理201を実行し、検出区画が区画8であることを判定する。さらに、判定部80は、処理S202を実行し、検出区間である区画8における領域7に人がいることを判定する。このため、ここでは、条件7を満たす設定データが読み出されることになる。制御部82は、処理S203を実行し、メモリ60bに記憶された条件7の設定データに基づいて、区画8の照明装置B8を100%の明るさで点灯し、区画1〜6,9,10,12〜15の照明装置B1〜B6,B9,B10,B12〜B15を消灯する。さらに、制御部82は、区画7,11の照明装置B7,B11を60%の明るさとなるよう制御する。
【0053】
その後、測定部81は領域7の照度を測定する。前述のように、事務所15内は、照明装置B1〜B15が消灯されている際であっても数百ルクス程度の照度がある。このため、区画8や区画7,11の照明装置が点灯されることにより、領域7の照度は710ルクスよりも高くなる。したがって、制御部82は、領域7の照度が700ルクスとなるように、例えば区画7,11の照明装置の明るさを徐々に低下させる。
【0054】
なお、この際には、区画7,11の照明装置B7,B11のうち、照度の高い隣接区画の照明装置が順次選択され、明るさが徐々に低下される。つまり、本実施形態では、まず、窓に近い区画である区画7の照明装置B7の明るさが徐々に低下される。このような処理が実行されることにより、最終的に領域7の照度は700ルクスになる。
【0055】
以上、本実施形態の機器制御システム10について説明した。例えば、機器制御システム10aでは、検出区画の照度が700ルクスとなるように、検出区画の照明装置の明るさを100%で点灯し、隣接区画の照明装置を60%の明るさで点灯する。さらに、検出区画及び隣接区画とは異なる区画の照明装置は消灯される。このため、例えば、検出区画及び隣接区画の照明装置をともに100%の明るさで点灯する場合と比較すると、所望の照度を確保しつつ消費電力を抑制可能である。
【0056】
また、隣接区画の照明装置の明るさは、検出区画の照明装置が100%の明るさで点灯し、検出区画及び隣接区画以外の区画の照明装置を消灯した状態で、例えば、逐点法や光束法による照度計算の計算結果に基づいて求められる。この際には、検出区画に入射される照明装置以外の光(例えば、外部からの光)は考慮されていない。このため、計算された照明データに基づいて照明装置を制御すると、外部からの光の有無によらず確実に検出区画の照度を所望の照度以上にすることができる。
【0057】
また、照明データは、メモリ60aに記憶されている。このため、例えばCPU61aの検出部70が、人を検出するたびに前述の照明データを逐次計算する場合と比較すると、CPU61aの負荷を軽減できる。
【0058】
また、判定部80は、ビデオカメラ30,31からの出力に基づいて、検出区画における複数の領域のうち人が検出された検出領域を判定する。そして、制御部82は、検出領域の照度が所望の照度となるように、隣接区画の照明の明るさを制御する。例えば、図12に示すように、区画8の領域7が検出領域である場合、制御部82は、隣接区画5,7,9,11のうち、区画5,9の照明装置B5,B9を消灯し、区画7,11の照明装置B7,B11を60%の明るさにする。一方、図7に示すように検出区画のみに基づいて照明装置を制御する場合では、隣接区画5,7,9,11の全ての照明装置B5,B7,B9,B11が60%の明るさで点灯されている。つまり、検出区画に加え、検出領域の情報に基づいて照明装置の明るさを制御することにより、人がいる領域を所望の照度としつつ、より消費電力を削減できる。なお、人感センサ等を用いて区画内を複数の領域に分割することも可能である。しかし、この場合には人感センサを領域の数だけ設ける必要がある。本実施形態では、ビデオ30,31の出力に基づいて、判定部80が検出領域を判定している。このため、領域の数を増加させる場合であっても、新たにセンサ等を増やす必要がない。
【0059】
また、測定部71は、ビデオカメラ30,31からの出力に基づいて、検出区画の照度を測定する。前述のように、事務所15に窓が設けられている場合、事務所15内の照明装置が消灯されている場合であっても、事務所15内が明るいことがある。制御部72は、測定部71の測定結果に基づいて、検出区画の照度が所望の照度となるように、例えば、隣接区画の照明装置の明るさを制御する。この結果、本実施形態では、照度計算結果に基づいて照明装置の明るさが制御される場合と比較すると、検出区画の照度を所望の照度にしつつ、より消費電力を抑制できる。
【0060】
また、測定部81は、ビデオカメラ30,31からの出力に基づいて、検出領域の照度を測定する。そして、制御部82は、測定部81の測定結果に基づいて、検出領域の照度が所望の照度となるように、例えば、隣接区画の照明装置の明るさを制御する。この結果、検出区画の照度に基づいて照明装置の明るさが制御される場合と比較すると、人のいる領域のみを所望の照度とするため、より消費電力を削減できる。
【0061】
なお、上記の実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0062】
例えば、処理S105では、まず検出区画の照明装置の明るさを低下させても良い。つまり、処理S105では、検出区画及び隣接区画の照明装置うち少なくとも何れか一方を制御し、検出区画の照度を所定の照度とすれば良い。
【0063】
例えば、制御部72は、測定部71の測定結果にもとづいて、空気調和機A1〜A16の温度を制御することとしても良い。例えば、事務所15内の照度が710ルクスよりも高い場合には、外部より事務所内15に光が多く入っていることが分かる。このような場合、事務所15内の温度は一般的に外部の光により上昇する。このため、制御部72は、例えば窓際の区画1の照度が710ルクスよりも高い場合、空気調和機A1の温度を設定された温度よりも低下させても良い。このような構成とすることで、空気調和機A1の消費電力を抑制することができる。
【符号の説明】
【0064】
10a,10b 機器制御システム
15 事務所
20 コントローラ
21a,21b コンピュータ
30,31 カメラ
40 通信用アダプタ
41 インターフェース(IF)装置
45 室外機
60a,60b メモリ
61a,60b CPU
70 検出部
71,81 測定部
72,82 制御部
80 判定部
A1〜A16 空気調和機
B1〜B16 照明装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の区画の夫々に設けられた複数の照明装置の明るさを制御する照明制御装置であって、
前記複数の区画を撮影するビデオカメラの出力に基づいて、前記複数の区画の夫々における人の有無を検出する検出部と、
前記複数の照明装置のうち、人が検出される検出区画の照明装置を点灯するとともに、前記検出区画及び前記検出区画に隣接する隣接区画と異なる区画の照明装置を消灯し、前記検出区画の照度が所定の照度となるように、前記隣接区画の照明装置の明るさを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする照明制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明制御装置であって、
前記制御部は、
前記検出区画の照明装置が点灯され、前記検出区画及び前記隣接区画と異なる区画の照明装置が消灯された状態で、前記検出区画の照度が所定の照度となるように計算された前記隣接区画の照明装置の明るさを示す情報に基づいて、前記隣接区画の照明装置の明るさを制御すること、
を特徴とする照明制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の照明制御装置であって、
前記隣接区画の照明装置の明るさを示す情報を記憶する記憶部を更に備え、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された前記隣接区画の照明装置の明るさを示す情報に基づいて、前記隣接区画の照明装置の明るさを制御すること、
を特徴とする照明制御装置。
【請求項4】
請求項2に記載の照明制御装置であって、
前記ビデオカメラからの出力に基づいて、前記検出区画における複数の領域のうち、人が検出される検出領域を判定する判定部を更に備え、
前記制御部は、
前記検出区画の照明装置が点灯され、前記検出区画及び前記隣接区画と異なる区画の照明装置が消灯された状態で、前記検出領域の照度が所定の照度となるように計算された前記隣接区画の照明装置の明るさを示す情報に基づいて、前記隣接区画の照明装置の明るさを制御すること、
を特徴とする照明制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の照明制御装置であって、
前記ビデオカメラからの出力に基づいて、前記検出区画の照度を測定する測定部を更に備え、
前記制御部は、
前記測定部の測定結果に基づいて、前記検出区画の照度が所定の照度となるよう、前記検出区画の照明装置及び前記隣接区画の照明装置のうち少なくとも何れか一方の明るさを制御すること、
を特徴とする照明制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の照明制御装置であって、
前記ビデオカメラからの出力に基づいて、前記検出区画における複数の領域のうち、人が検出される検出領域を判定する判定部を更に備え、
前記制御部は、
前記測定部の測定結果に基づいて、前記検出領域の照度が所定の照度となるよう、前記検出区画の照明装置及び前記隣接区画の照明装置のうち少なくとも何れか一方の明るさを制御すること、
を特徴とする照明制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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