照明器具、照明器具を制御する方法、及びシステム
【課題】電子ペーパを光制御媒体として用いて、空間を照らすことに使用される光を修正、調光、又は色シフトするシステム及び方法を提供する。
【解決手段】システムは、光源と、電子ペーパ反射板とであって、反射板から反射される光を制御するために、制御可能な反射能を有する電子ペーパ反射板又は電子ペーパバッフルであって、バッフルを通り抜ける光を制御するために、制御可能な透光性を有する電子ペーパバッフルと、を含む。電子ペーパ媒体に入射する光は、自然光のような、他の光源からの光を含んでよい。一方法は、空間内の所望の照明を、光源の特性と比較する。次に、照明下の物体に所望の量の光を与えるために、電子ペーパ媒体の特性を調節する。壁及び家具の表面に電子ペーパを貼ることにより、壁及び家具からの反射能を制御できる。
【解決手段】システムは、光源と、電子ペーパ反射板とであって、反射板から反射される光を制御するために、制御可能な反射能を有する電子ペーパ反射板又は電子ペーパバッフルであって、バッフルを通り抜ける光を制御するために、制御可能な透光性を有する電子ペーパバッフルと、を含む。電子ペーパ媒体に入射する光は、自然光のような、他の光源からの光を含んでよい。一方法は、空間内の所望の照明を、光源の特性と比較する。次に、照明下の物体に所望の量の光を与えるために、電子ペーパ媒体の特性を調節する。壁及び家具の表面に電子ペーパを貼ることにより、壁及び家具からの反射能を制御できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に照明の分野に関し、特に、照明において反射光を制御する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
空間内の照明は、空間の照明に寄与する光源のタイプ及び位置だけでなく、空間に到達した光が当たる種々の媒体のフィルタリング特性及び反射特性によっても決まる。フィルタリングは、光路内の透光性又は半透光性の材料において発生する。反射は、光を受ける物体の表面において発生する。光を反射する材料の色、明るさ、角度などの反射特性は、反射光の特性に影響を及ぼす。空間内の照明の大部分が反射光によって与えられる場合がある。
【0003】
照明には、直接照明と間接照明との2通りがある。直接光は、照明光源から物体に向かって進む。直接光は、一般に、光源のタイプ(例えば、白熱灯か蛍光灯か)、光源と物体との間に直接配置された媒体(例えば、ルーバ又は透光性拡散媒体)、及び、電気的又は電子的調光によって制御される。間接光は、直接光源が狙いを定めた表面によって反射され、反射性媒体によって物体に戻される。反射の程度は、高反射性、鏡面状、及び、集束、高拡散、又は、「ソフト」等がある。透光性媒体には、略透明から略不透明まである。両タイプの拡散性媒体は、後述されるように、着色が可能である。照明器具は、照明プロセスの特定の構成要素から、放射される光の質に関連する様々な理由から、直接光及び間接光の両方が利用される。写真家、建築家、及び、照明器具デザイナは、所望の照明効果を達成するために、照明器具の反射面の特性を慎重に選択する。
【0004】
プロ仕様の照明効果を得る場合、直接光源及び間接(バウンス)光源の両方が用いられる。光源に対する反射面として動作させるために、様々に着色された媒体を使用することが可能である。反射面として動作させるために使用される着色媒体の例として、フォームコア及び厚紙のアートボードがある。着色媒体の色としては、主に白、黒が使用され、まれに銀及び金が使用される。
【0005】
照明器具の性能及び光で強化される機能性は、反射光によって左右される。強度可変反射板(Variable intensity reflectors)は、一般的ではない。限られた数の照明器具が、機械的可変反射板(mechanically variable reflectors)を使用する。そのような機械的反射板として、半分が白に塗られ、半分が黒に塗られた円筒がある。白の半分が表を向いているときは、ほぼすべての入射光が反射される。黒の半分が表を向いているときは、すべての入射光が吸収される。この円筒は、所望の反射度に応じた特定の比率で白を露出させるように回転する。
【0006】
プロ仕様の照明では、Panavision Companyの「PanaLite Eye Light」器具だけが、可変色調反射板(variable tone reflector)を使用して光出力を制御する器具として知られている。この器具は、半分が白に塗られ、半分が黒に塗られ、回転して光の出力を制御する、一連の平行ローラから光を反射する。他の反射照明応用の場合は、光を反射面からバウンスさせることが、最も一般的である。
【0007】
色温度は、可視光の一特性であり、写真撮影、映像撮影、出版、及び、他の関連分野において応用される。色度は、色の質であり、純度及び色相によって決定される。光源の色温度は、その色度と、理論的な加熱された黒体放射体(black−body radiator)の色度とを比較することによって決定される。加熱された黒体放射体と光源の色とが一致するケルビン温度が、その光源の色温度である。
【0008】
フィルムストック及びビデオカメラは、特定の色温度に対して白を再現するように製造されている。例えば、白熱光の場合の3200度ケルビン、「昼光」の場合の5800度ケルビンは、2つの標準的な設定である。適切な画像を作成するためには、光源の色温度が安定していて制御可能であることが重要である。しかしながら、安定した制御を実現することが困難な場合がある。その理由として、例えば、1)白熱光源は、電気的に調光される場合には、調光範囲全体にわたって色が変化すること、2)蛍光器具は、ほとんど調光不可能であり、グローブの寿命にわたって変化する様々な色温度を有すること、3)家庭用の既存の光源には、様々なランプ光源が含まれることなどが挙げられる。
【0009】
照明器具によって与えられる照明、又は、自然光から空間に与えられる照明に対する、改良された制御を実現することは、これら及び他の難題を照明の専門家に提起している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】エイチ.アリサワ 外(H. Arisawa, et al.)、「コレステリック液晶を用いたフォトアドレス可能な電子ペーパ(Photoaddressable Electronic Paper Using Cholesteric Liquid Crystal)」、アイエス&ティー エヌアイピー17−228(IS&T NIP17-228)、2008年
【非特許文献2】ヒロシ アリサワ(Hiroshi Arisawa)、キヨシ シゲヒロ(Kiyoshi Shigehiro)、「フォトアドレス可能な電子ペーパ及びトナーディスプレイ(Photo-addressable E-Paper and Toner Display)」、アイエス&ティー エヌアイピー20:デジタル印刷技術における国際会議(IS&T's NIP20: International Conference on Digital Printing Technologies)、ソルトレーク市 ユタ州(Salt Lake City, UT)、2004年10月21日、p.922−926
【非特許文献3】ティー.キクシマ 外(T. Kikushima, et. al.)、「有機光伝導体及びカプセル化されたコレステリック液晶を用いたフォトアドレス可能な白黒電子ペーパ(Black and White Photo-address Electronic Paper using Encapsulated Cholesteric Liquid Crystal and Organic Photoconductor)」、アイディーダブリュ’02(IDW'02)、2002年、p.1345
【非特許文献4】「イー インク コーポレーション(E Ink Corporation)」、[online]、[平成21年1月7日検索]、インターネット<URL: http://www.eink.com >
【非特許文献5】「富士通 イーペイパー(Fujitsu e-paper)」、[online]、[平成21年1月7日検索]、インターネット<URL: http://www.fujitsu.com/global/about/rd/200509epaper.html>
【非特許文献6】「富士ゼロック スフォトアドレス型電子ペーパ(Photo-address Electronic Paper)」、[online]、[平成21年1月7日検索]、インターネット<URL:http://www.fujixerox.co.jp/eng/company/technical/epaper/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、照明及び照明器具の、従来の制御方法の問題及び他の問題のうちの1つ以上を防ぐ方法及びシステムを対象としている。
【0012】
本発明は、電子ペーパ媒体の制御可能な反射特性及び透光特性を利用して、照明器具によって与えられる光、又は、空間の照明に用いられる光を制御するシステム及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の態様は、空間の照明を制御するシステムを提供する。本システムは、光源及び反射板を含む。光源の役割は、放射光を提供することである。この放射光のすべて又は一部が、反射板に入射する。反射板の役割は、入射光を受け、入射光を、反射光として反射することである。入射光は、上記光源からの放射光の少なくとも一部を含み、更には、空間内に存在する他の光源からの光を含む場合がある。反射板は、制御可能な電子ペーパ反射能を有する電子ペーパを含む。反射板は、電子ペーパ反射板と呼ばれることがある。電子ペーパ反射板の反射能を制御することにより、空間の照明が制御される。
【0014】
一態様では、本システムは更に、放射光の少なくとも一部が空間に直接到達するのを防ぐバッフルを含む。バッフルは更に、透光性を有すルーバッフル電子ペーパ媒体を含んでもよい。空間の照明を更に制御するために、電子ペーパバッフルの透光性が制御可能である。一態様では、空間内の放射光に対する反射光の割合を制御するために、バッフルの位置、及び、バッフルの光拡散特性が制御可能である。光源は、ほぼ一定の強度の光を与えることが可能であり、あるいは、光源において放射光の強度を変化させる調光器を含んでもよい。一態様では、入射光は、光源からの直接経路に沿って反射板に到達する直接放射光と、光源からの間接経路に沿って反射板に到達する間接放射光とを含む。一態様では、電子ペーパ反射板はフレームを含み、電子ペーパはフレームの上に取り付けられる。電子ペーパ反射板の柔軟な形状は、反射光の方向を制御するために制御可能であってもよい。反射度は、反射光の強度を制御するために制御可能であってもよい。反射度は、約0%から100%の範囲で制御可能であってもよい。電子ペーパ反射板のパターンは、反射光のパターンを制御するために制御可能であってもよい。電子ペーパ反射板の色は、反射光の色を制御するために制御可能であってもよい。一態様では、システムは更に、電子ペーパの反射能を制御するための電源を含んでもよい。
【0015】
本発明の態様は更に、照明器具を制御することにより空間の照明を制御する方法を提供する。照明器具は、放射光を与える光源と、放射光を制御する電子ペーパ媒体とを含む。本方法は、空間における所望の照明を決定し、所望の照明に応じて電子ペーパ媒体の照明特性を調節し、放射光を修正し、空間を照らす、ことを含む。放射光は、空間の照明に使用される修正された光を得るために、電子ペーパ媒体の照明特性を制御することによって修正される。
【0016】
一態様では、照明器具で使用される電子ペーパ媒体は、電子ペーパ反射性媒体を含み、電子ペーパ反射性媒体は、電子ペーパ反射性媒体に対する入射光を反射して反射光を与える。電子ペーパ媒体の照明特性を調節することは、所望の照明に応じて電子ペーパ反射性媒体の反射能特性を調節することを含む。電子ペーパ媒体は、電子ペーパバッフルを含んでもよく、電子ペーパ媒体の照明特性を調節することは、所望の照明に応じて電子ペーパバッフルの透光特性を調節することを含んでもよい。
【0017】
一態様では、本方法は更に、光源の特性を決定し、光源の特性に応じて、電子ペーパ反射性媒体の反射能特性を調節する、ことを含む。一態様では、本方法は、更に、光源の特性に応じて、電子ペーパバッフルの透光特性を調節することを含んでもよい。光源の特性は、放射光の強度と、放射光の色と、時間とともに起こる、放射光の色のシフトと、光源において放射光を調光する機能と、を含んでもよい。所望の照明を決定するために、所望の照明に対する照明器具の強度、色、パターン、及び、寄与が決定される。電子ペーパ反射性媒体の反射能特性を調節することは、電子ペーパ反射性媒体の反射度、色、パターン、及び、1つ以上の角度を調節することを含んでもよい。電子ペーパ反射性媒体の反射能特性又は電子ペーパバッフルの透光性特性を調節することは、電子器具(electronic instrumentation)によって自動的に行われてもよい。
【0018】
本発明の態様は更に、空間内の照明を制御する方法を提供し、本方法は、空間内で第1の光を受け、制御可能な電子ペーパ照明特性を有する電子ペーパを含む少なくとも1つの媒体を提供し、空間内の照明を制御するために、電子ペーパ照明特性を制御する、ことを含む。媒体は入射光を受け、入射光は、第1の光を含み、他の光を含んでもよい。第1の光は、自然光及び人工光を含んでもよい。媒体は、電子ペーパ反射板を含んでもよく、入射光の約0%から100%を反射光として反射してもよい。電子ペーパ反射板からの反射光の色及びパターンは、制御可能である。媒体は、制御可能な透光性を有する電子ペーパ透光性媒体を含んでもよい。媒体は、柔軟であってもよく、形状が制御可能であってもよい。一態様では、空間内の照明を制御するために、第1の光及び電子ペーパ照明特性の両方が同時に制御される。
【0019】
本発明の態様は更に、光源と、バッフルと、反射板と、調光器と、第1の電源と、電子回路と、第2の電源と、を含む照明器具を提供する。光源の役割は、放射光を放射し、空間を照らすバッフルの役割は、放射光の少なくとも一部が空間に直接到達するのを防ぐ(blocking)ことである。反射板の役割は、反射板に対する入射光を反射光として反射することであり、反射板は、制御可能な反射能を有する電子ペーパ反射性媒体を含む。調光器の役割は、光源において放射光の強度を変化させることである。第1の電源の役割は、光源に電力を供給することである。第2の電源の役割は、電子ペーパ反射性媒体に書き込みを行うことである。電子回路の役割は、電子ペーパ反射性媒体を制御することである。入射光は、光源からの直接経路に沿って反射板に到達する直接放射光と、光源からの間接経路に沿って反射板に到達する間接放射光とを含む。反射板は、電子ペーパ反射性媒体を保持するフレームを含む。空間内の放射光に対する反射光の割合を制御するために、バッフルの位置、及び、バッフルの光拡散特性が制御可能である。電子ペーパの制御可能な反射能は、反射光の強度を制御し、黒色から灰色を経て白色になるグロスシェードシフトを引き起こし、反射光の色を制御し、赤色から黄色や緑色になる単純な色シフトを引き起こし、反射光のパターンを制御し、反射光の方向を制御する、ことを行うために、制御可能であるバッフルは、制御可能な透光性を有する透光性電子ペーパを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】空間の照明に対する、反射光の寄与を示した図である。
【図2A】本発明の態様による、電子ペーパを用いて、空間の照明に使用される光を制御する、例示的システムを示した図である。
【図2B】本発明の態様による、電子ペーパを用いて、空間の照明に使用される光を制御する、別の例示的システムを示した図である。
【図2C】本発明の態様による、電子ペーパを用いて、調光、光の色、パターン、又は、方向を変化させるための、いくつかの設定又はシステムを示した図である。
【図3】本発明の態様による、電子ペーパを用いて、照明器具の照明特性を変化させる方法のフローチャートを示した図である。
【図4】本発明の態様による、反射性電子ペーパ面を含む、プロ仕様のソフトライトシステムを示した図である。
【図5】本発明の態様による、反射性電子ペーパ面を含むバウンス配置システムを示した図である。
【図6】本発明の態様による、反射性電子ペーパ面を含む、プロ仕様のタングステンオープンフェイスランプシステムを示した図である。
【図7】本発明の態様による、反射性電子ペーパ面を含む、ハイドロポニックスペシャルティCFL器具システムを示した図である。
【図8】本発明の態様による、反射性電子ペーパ面を含む、蛍光間接シーリングライトシステムを示した図である。
【図9】例示的な、電子ペーパを示した図である。
【図10】本発明の態様による、電子ペーパを用いて、建築空間内の光を制御する、一例示的応用を示した図である。
【図11】本発明のシステムを実装することが可能な、コンピュータプラットフォームの一例示的実施形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に関連するさらなる態様が、一部は、以下の記述において説明され、一部は、その記述から自明になるか、本発明の実践によって明らかになる。本発明の態様は、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲で具体的に記載されている要素ならびに様々な要素及び態様の組み合わせによって実現及び達成される。
【0022】
前述の説明及び以下の説明は、両方とも、例示的かつ説明のためであるに過ぎず、特許請求されている本発明又はその応用をいかなる形でもまったく限定するものではないことを理解されたい。
【0023】
以下の詳細な説明では、添付図面を参照しており、添付図面においては、同一の機能要素を類似の参照符号で示している。前述の添付図面は、本発明の原理と合致している具体的な実施形態及び実施態様を、限定的ではなく、例示として示している。これらの実施態様は、当業者であれば本発明を実践できるように、十分詳細に説明されている。しかしながら、他の実施態様も利用可能であること、ならびに、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、様々な要素の構造的変更及び/又は置換が可能であることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味に解釈されてはならない。更に、説明される、本発明の各種実施形態は、汎用コンピュータで実行されるソフトウェアの形状、専用ハードウェアの形状、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実装可能である。
【0024】
電子ペーパ(electronic paper、あるいはePaper)は、紙面上の普通のインクの外観を模倣することを意図された表示技術である。電子ペーパに書くこととは、電子ペーパの反射度を設定し、色及びパターンを調節することを意味する。電子ペーパは、印刷された紙のように画像を表示する、書き換え可能な媒体である。バックライトを用いて画素に光を当てる従来のフラットパネルディスプレイと異なり、電子ペーパは、普通の紙のように光を反射し、電力の印加(drawing electricity)なしで、文字及び画像を無期限に保持することが可能であり、画像を後で変更することを可能とする。画素が、安定又は双安定の画像であるために、常時給電なしで各画素の状態を維持できることは、重要な特徴の1つである。しかしながら、電子ペーパの形状によっては、画像を保持するために、何らかの電力が必要である。
【0025】
電子ペーパは、コンピュータモニタの制限のいくつかを克服するために開発された。例えば、モニタのバックライトは人間の眼に負担をかけるが、電子ペーパは、普通の紙と同じように光を反射する。更に、電子ペーパは、フラットスクリーンモニタよりも、傾けて読むことが容易である。電子ペーパは、他の表示技術に比べて、軽量であり、耐久性があり、非常に柔軟である。
【0026】
より一般的なタイプの電子ペーパは、2つの信号に応答する。一方の信号は、電子ペーパが、書き込み可能な「オン」状態かどうかを決定する。もう一方の信号は、その「オン」状態の間に、電子ペーパに何を印刷するかを決定する。例えば、富士ゼロックス社のフォトアドレス可能な(photo−addressable)電子ペーパは、適切な電圧が印加されている場合のみ、書き込みが可能である。この電圧が印加されていると、フォトアドレス可能とするための層内の感光体が、入射した光に対して反応し、十分な光が感光体に届いている場合、反射性に切り替わり、感光体に届いている光が十分でない場合、透明のままとなる。他の電子ペーパ技術では、これらの信号は、別の種類であってよく、1つの信号にまとめられてもよい。一般的には、例えば、画像を書き込む第2の信号が電気的信号であって、電界方向によって反射特性が決められる。これら2つの信号は、結合されることがある。ほとんどの電子ペーパ技術では、これら2つの信号は電気的であり、スイッチ又はより複雑なインターフェースで制御可能な回路を介して、電子ペーパに到達する。回路がどれほど複雑でなければならないかは、面全体を一斉に変化させることによって十分な柔軟性が得られるか否か、又は、面の様々な領域をよりきめ細かく制御することが必要か否か、に依存する。
【0027】
電子ペーパ技術は、また、いくつかの色をサポートし、いくつかの電子ペーパ技術は、広い範囲の色をサポートしている。純粋な電子ペーパ技術は、画像を変更するときだけ電力を必要とし、一部の最新の電子ペーパ技術は、画像を維持するために少量の電力を必要とする。いずれの場合も、必要な電力が小さいか間欠的であることが、標準的なディスプレイと比べて有利である。
【0028】
電子ペーパ技術のいくつかのバリエーションが開発されつつあり、例えば、それらは、elnk(登録商標)、富士ゼロックス(登録商標)、富士通(登録商標)F、Nemoptic(登録商標)、Pol(登録商標)、SiPix(登録商標)などによって開発されている。
【0029】
電子ペーパの、予想される将来の用途として、電子ペーパの書籍、雑誌、ラベルなどがある。例えば、電子ペーパを使用した書籍は、何冊ものデジタル版の書籍を収容しながら、どの時点でもページに表示されるのは1冊だけであるようにすることが可能である。電子ペーパのポスターや同様の広告は、既に商店の店頭でデモが行われている。
【0030】
電子ペーパの開発を促す、現在及び予想される用途は、電子ペーパを直接の表示媒体として使用するものである。それらの用途では、ユーザが電子ペーパを直接見て、電子ペーパ上に示される書かれたものやパターンを観察する。したがって、電子ペーパの現在の用途はすべて、読み取りや閲覧の容易さだけのために電子ペーパの特性を用いることを対象としている。
【0031】
本発明の態様は、電子ペーパ技術の新しい用途を提供する、方法及びシステムを対象としている。
【0032】
本発明の態様は、電子ペーパの表面又は媒体から反射したり、電子ペーパの表面又は媒体を通って拡散したりする光を利用する方法及びシステムを対象とする。
【0033】
本発明の態様は、照明器具からの光を制御するために電子ペーパの動的に制御可能な反射特性を利用する方法及びシステムを含む。本発明の一態様では、照明器具からの光を反射するために使用されている電子ペーパに、所望のパターンが書き込まれ、このパターンは、電気的な制御が可能であり、照明要件の変化に応じて動的に修正されることが可能である。
【0034】
本発明の態様は、空間内の反射光を制御することによって、空間内の照明を制御するために、電子ペーパの反射特性を利用し、電子ペーパを照明デザインに利用する方法及びシステムを提供する。電子ペーパの反射特性が容易に修正可能であることは、デザイナがデザイン作業中に様々な効果を素早く簡単に実験することを可能にする。本発明の態様は更に、空間内の照明に用いられる光を制御するために、電子ペーパ媒体の透光性が制御可能であることを利用する。
【0035】
図1は、空間の照明に対する反射光の寄与を示す。
【0036】
図1では、照明器具又は自然光源からの光100が部屋に入る。光100は、第1の面110によって反射され、第1の反射光120をもたらす。第1の反射光120は、その後、第2の面130から反射され、第2の反射光140をもたらす。光100及び光の反射のいずれもが、室内に存在する壁、家具、人、及び、他の面で更に反射する可能性がある。したがって、最終的に室内の空間を照らす光は、第1の光100及び光の反射が寄与している。
【0037】
図1は、反射の複雑さと、最終的な光を制御するために、空間内の光の様々な反射を制御する可能性とを示している。
【0038】
図2Aは、本発明の態様による、電子ペーパを用いて、空間の照明に使用される光を制御するシステム2000を示す。
【0039】
システム2000は、光源2001、バッフル2004、及び、反射板2006を含む。反射板2006は、光源2001に対して、光源2001からの光を直接又は間接的に受けるように位置されている。システム2000は、空間2009を照らすために使用されている。
【0040】
また、システム2000は、反射板2006に対して示されている電源2100、コントローラ2200、書き込みソース2300、及び、光センサ2400を更に含むことが可能である。
【0041】
光源2001は、光を発するために使用される。実施形態によっては、光源2001は、ほぼ一定の強度の光を発する。また、他の実施形態では、光の強度は、光源2001において変動してもよい。言い換えると、光源は、調光可能であってもよい。光源2001は、1つの周波数の光、又は、複数の周波数を組み合わせた光を発してもよい。
【0042】
バッフル2004は、光源2001と、システム2000によって照らされるべき空間2009との間に位置している。本発明の一態様では、バッフル2004は、光源2001に対して、光源2001からの光が空間2009へ直接入るのを妨げるように位置されている。したがって、空間2009内のあらゆる光は、光源2001からの間接光による光か、空間2009内の他の光源による光となる。
【0043】
「バッフル」の定義の1つは、流体又はエネルギーの流れを制御したり方向づけたりする、平らな板である。以下の記述における「バッフル」という用語は、照明業界で使用されている従来のバッフルを意味するととともに、照明器具からの光のすべて又は一部を妨げる、照明器具の一部分を意味する。
【0044】
本発明の一態様では、バッフル2004は、完全に省略されることが可能である。あるいは、空間2009内の光が、部分的に光源2001からの直接光によってもたらされ、部分的に光源2001からの間接光によってもたらされるように、光源2001を位置させることが可能である。
【0045】
本発明の一態様では、バッフル2004の位置及び光拡散特性は、空間2009を照らすために用いられ、光源2001からの直接光及び間接光の比率を修正するために制御可能であってよい。
【0046】
図2Aでは、バッフル2004は、平面として示されている。しかしながら、バッフル2004は、半球状、半円筒状、円錐又は角錐の形状であってよく、光源2001の一部分を除くすべてを囲む面であってもよい。
【0047】
反射板2006は、光源2001に対向して位置されている。反射板2006に入射した光は、反射板2006から、反射光2008として反射される。本発明の一態様では、反射板2006に入射した光は、主として、光源2001から放射された光である。本発明の一態様では、反射板2006に入射した光は、光源2001からの直接光と光源2001からの間接光との組み合わせである。本発明の一態様では、反射板2006に入射した光は、光源2001からの直接光及び/又は間接光と、他の光源からの光と、の組み合わせである。
【0048】
反射板2006は、個々の用途に応じて適合するように、特定の形状に形成されてよい。一態様では、反射板2006は、システム2000内でその形状を維持するために、剛体に取り付けられてよい。図2Cでは、反射板2006は、半円筒面として示されている。しかしながら、反射板2006は、半球状であってよく、円錐又は角錐の形状であってよく、単純に平面であってもよい。
【0049】
一態様では、反射板2006は、柔軟な状態で維持されてよく、反射板2006の形状は、個々の用途に応じて操作されてもよい。反射板2006の形状を変化させると、入射角及び反射板2006からの反射角が変化し、反射光の方向が変化する。
【0050】
反射板2006は、反射性媒体又は反射面だけで形成されてもよい。反射板は、フレームに取り付けられた反射性媒体から形成されてもよい。この代替では、フレームは、剛体であっても柔軟であってもよい。反射板2006の形状又はフレームは、機械的に制御されることが可能であってもよい。
【0051】
光源2001は、蛍光光源、白熱光源、発光ダイオード(LED)、又は、他の任意の可視光を発することが可能な光源であってよい。
【0052】
バッフル2004は、光吸収性材料、又は反射性材料、又は、半反射性材料によって形成されてもよい。バッフル2004は、光を拡散する又は調節する透光性材料によって形成されてよい。制御可能な透光性を有する透光性バッフルを含む本発明の一態様を、図2Bに示して説明する。
【0053】
反射板2006は、様々に異なった種類の電子ペーパから形成される。多くの種類の電子ペーパは、柔軟である。したがって、反射板2006は、硬いフレームに取り付けられない限り、柔軟であることが可能である。反射板2006の形状を変化させることにより、入射角、及び、反射角を修正することが可能であり、動的又は静的に制御することが可能である。例えば、くしゃくしゃにされた電子ペーパの反射性媒体が使用された場合、単一方向から入射した光は、様々な方向に反射され、拡散効果が得られる。
【0054】
様々なパターン及び色を維持するように、電子ペーパを制御することが可能である。更に、電子ペーパの反射度を、約0%から約90%又はそれ以上までの範囲で制御することも可能である。約0%の反射度では、電子ペーパは、すべての入射光を吸収する、黒い表面のように動作する。反射度が高い場合、電子ペーパは、入射光のほとんどを反射する鏡のように動作する。電子ペーパの色及びパターンは、反射光に影響を及ぼす。反射光の方向、相対強度、色、及び、パターンは、すべて、反射板2006に使用されている電子ペーパを制御することによって、制御されることが可能である。
【0055】
電子ペーパの制御は、電子ペーパに色又はパターンを書き込むことによって、又は、電子ペーパの反射度を制御するために白及び黒の所望の組み合わせを電子ペーパに書き込むことによって、可能である。電源2100は、電子ペーパをオンにして、電子ペーパの書き込み準備を整えるために、用いられてもよい。電源2100は、光源2001にも接続されてもよい。代替として、光源2001は、別の電源を有してもよい。コントローラ2200は、電子ペーパへの書き込みに使用される書き込みソース2300を制御するために、使用される。電子ペーパのタイプによって、電子ペーパへの書き込みは、電子ペーパを照らす光源を用いて行われる。光センサ2400は、空間2009内の光を感知し、感知した光をコントローラに報告するために、用いられてもよい。
【0056】
更に、バッフル2004は、制御可能な透光性を有する電子ペーパから形成されてもよい。バッフルの透光性を制御し、照明を制御することについては、図2Bを参照しながら詳述する。
【0057】
図2Cを参照して後述されるように、反射板2006で使用されている電子ペーパを制御し、反射板2006から反射され空間2009に与えられる光を制御することが可能である。図2Cに示された態様では、反射板及びバッフルの一方又は両方が、電子ペーパから作成されてもよく、反射能及び透光性は、制御可能であってもよい。
【0058】
図2Bは、本発明の態様による、照明器具からの光を制御するための、電子ペーパの透光性の例示的応用を示す。
【0059】
いくつかのタイプの電子ペーパの透光性は、制御可能であり、照明器具によって与えられる光、又は、建築空間に取り込まれる光を制御することに利用されてもよい。図2Bは、図2Aに示されたシステムの変形であり、図2Bでは、光を制御するために、電子ペーパ媒体の透光特性及び放射特性の制御が行われている。図2Bのシステムは、光源21001及び電子ペーパバッフル21004を含んでおり、更に、反射板21006を含んでもよい。このシステムは、更に、電源21100、コントローラ21200、及び、光センサ21400を含んでもよい。光源21001は、光を発するために使用される。電子ペーパバッフル21004は、光源21001からの光が、照らされるべき空間へ直接入るのを防ぐように、光源21001と空間との間に位置している。電子ペーパバッフル21004は、電子ペーパバッフル21004を形成している電子ペーパ媒体の透光性が制御可能となるように、コントローラ21200と結合されている。本発明の一態様では、空間を照らすために使用される光源21001からの光を修正するために、バッフル21004の光拡散特性が制御可能である。電子ペーパは柔軟なので、電子ペーパバッフル21004の形状も制御可能である。
【0060】
図2Cは、本発明の態様による、電子ペーパを使用して、調光、光の色、パターン、又は、方向を変化させるための、いくつかの設定又はシステムを示す。
【0061】
図2Cは、設定200、220、240、及び、260を含む。図2Aのシステム2000の様々な設定は、設定200、220、240、及び、260として示されることが可能である。代替として、図示された設定は、別々のシステム、すなわち、別々の照明器具であってよい。したがって、200、220、240、及び、260は、図2A又は図2Bのシステム2000の設定であってもよく、別の独立したシステムの設定であってもよい。
【0062】
システム200は、光源201、バッフル204、及び、反射板206を含む。反射板206は、光源201に対して、光源201からの光を直接又は間接的に受けるように位置している。システム200は、空間210を照らすために用いられる。システム200では、反射板206は、反射板206に入射した光の大部分を、色を変化させることなく反射するように選択されている。例えば、光源201から放射されて反射板206に入射する光の90%が、反射板206によって、空間210に向けて反射されてもよい。
【0063】
システム220は、光源221と、バッフル224と、反射板226と、反射板226から反射されて空間230を照らす反射光228と、を含む。システム220では、反射板226は、反射板226に入射した光の何割かを、色を変化させることなく反射するように選択されている。例えば、光源221から放射され、反射板226に入射する光の50%が、反射板226によって、空間230に向けて反射されてもよい。
【0064】
システム240は、光源241と、バッフル244と、反射板246と、反射板246から反射されて空間250を照らす反射光248と、を含む。システム240では、反射板246は、反射板246に入射した光の何割かを反射するように、選択されている。例えば、光源241から放射されて反射板246に入射する光の50%が、反射板246によって、空間250に向けて反射されてもよい。システム240では、反射板246は、光源241からの白色光を受けるが、反射光248が青色となるように、入射光のうちの青色のみを反射する。青色は一例である。反射板246は、入射光のうちの特定の1つ以上の周波数のみを反射するように制御又は事前設定されてもよい。反射される周波数の組み合わせによって、反射光248の色が決定される。
【0065】
システム260は、光源261と、バッフル264と、反射板266と、反射板266から反射されて空間270を照らす反射光268と、を含む。システム260では、反射板266は、反射板266に入射した光をすべて吸収するように、選択されている。光源261から放射されて反射板266に入射した光の0%が反射された場合、空間250は反射板266から光を受けず、光源261からの直接光が他の方法によってこの空間で利用可能でない限り、あるいは、他の何らかの光源が光を供給しない限り、空間250は、暗いままである。
【0066】
システム200、220、240、及び、260は、あらかじめ構成された、別々のシステムであってよい。
【0067】
所望の照明に応じて、上述のシステムと同様に動作するように、システム2000が制御されてもよい。動的に制御可能なシステム2000では、空間2009内の照明の強度、色、パターン、及び、方向を変化させるために、反射板2006の反射能特性を、動的に制御及び修正する。
【0068】
上述のシステム200、220、240、及び、260、又は、動的に制御可能なシステム2000の一態様では、光源は、放射源ではなく、別の物体から反射された光を含む。
【0069】
システム200、220、240、及び、260は、反射度、色、パターン、及び、反射板の角度を含む反射能を設定し、反射光の強度、色、パターン、及び、方向を決定するために使用される。動的に制御可能なシステム2000は、反射光の強度、色、パターン、及び、反射方向を動的に変化させ、制御するために使用される。
【0070】
システム200、220、240、及び、260が使用されようと、動的に制御可能なシステム2000が使用されようと、照明器具の反射性媒体を変更することは、従来の照明器具に比べると容易である。いずれのタイプでも、光源自体を操作することを必要とせずに、照明器具からの光を調光したり、色変更したりすることが可能である。いずれのタイプでも、他の方法であれば、かつ、電子ペーパを使用しない場合には、反射能が固定の面から反射された日光(sunlight)を調光したり、色変更したりすることが可能である。
【0071】
更に、図2Cのバッフルは、図2Aに示された配置(set up)と同様に、光源からの直接光のみをブロックするように示されている。しかしながら、バッフルは、図2Bの配置と同様であってもよく、その場合、反射面から反射された光のほぼすべてが電子ペーパバッフルを通り、照明器具によって与えられる光を制御するために、バッフルの透光性が制御される。
【0072】
本発明の実施形態の照明器具において電子ペーパを反射性媒体として使用することは、調光器、グローブ、タイプなどによる光源自体に対して、従来の制御に加えて、光を反射する面を制御する柔軟性を、照明デザイナに提供する。
【0073】
例えば、蛍光ランプでは、信頼のおける調光(dimmed)が不可能であり、現場での色変更が困難である。また、タングステンハロゲン球は、狭い電圧範囲においてのみピーク効率で動作する。放射される光の制御が容易ではない光源の場合、電子ペーパの反射性媒体は、低コストで光制御を強化することを可能にする。
【0074】
図3は、本発明の態様による、電子ペーパを用いて、照明器具における反射光の強度、色、パターン、又は、方向を変化させる、又は、照明器具の他の照明特性を変化させる方法のフローチャートを示す。
【0075】
本方法は、310から始まる。次に、320で、照らされるべき空間における既存の照明が決定される。次に、330で、照らされるべき空間における所望の照明が、決定される。次に、340で、現在の照明及び所望の照明に応じて、電子ペーパの照明特性が、調節される。次に、350で、光源からの光が、電子ペーパに照らされる。次に、360で、照明特性が制御されている電子ペーパ媒体から反射した光、又は、電子ペーパ媒体を通過した光を含む光で、空間が照らされる。本方法は、370で終了する。
【0076】
320では、本方法は、空間内の既存の照明を決定されると、照明の強度が決定されてもよい。また、既存の照明の色が決定されてもよい。
【0077】
一態様では、320で空間内の現在の照明の特性を決定する代わりに、照明器具で使用されている光源の特性を決定してもよい。その場合、光源の特性、及び、所望の照明に応じて、電子ペーパの反射能特性が調節される。
【0078】
本方法では、照明器具で使用されている光源の特性が決定されると、光源から放射された光の強度が決定されてもよい。放射される光の色が決定されてもよい。光源によっては、放射光の周波数が、光源が古くなるにつれてシフトする。放射される光の1つ以上の周波数が決定されてもよい。放射される光は、光源において、調光可能であってもなくてもよい。光源において光を調光する機能が決定されてもよい。
【0079】
330では、照明器具によって照らされるべき空間における光の所望の特性を決定した場合、その空間の照明のために必要な光の強度、色、及び、パターンのうちの1つ、又はいくつか、又は、すべてが決定される。空間は、生活空間、写真撮影のセット、映画の舞台(film stage)などであってよい。空間は、いくらかの自然光又は他の光源からの光を受けていてよい。空間内の光の特性、及び、照明器具によって与えられるべき光の寄与を決定する場合は、様々なパラメータが考慮に入れられてもよい。
【0080】
340では、既存の照明の特性及び所望の照明の特性が決定されることによって得られたパラメータを使用し、照明器具で使用されている、又は、照明器具との組み合わせで使用される、電子ペーパ反射性媒体又は電子ペーパバッフルの透光度、反射度、色、パターン、又は方向のうちのいくつか又はすべてが、調節及び設定される。これは、電子ペーパ反射性媒体によって反射される光、又は、電子ペーパバッフルを通り抜ける光、を調整するフィードバックループのように動作されてもよい。既存の照明は、電子ペーパ媒体の透光性及び反射能のパラメータを調節して、所望の照明に到達するために、フィードバックされる。
【0081】
代替として、340では、光源の特性が決定された場合、既存の照明の特性の有無に関わらず、光源の特性、及び、所望の照明の特性が、反射能パラメータを調節及び設定するために用いられてもよい。
【0082】
照明器具の特性を用いる場合、照らされるべき空間における所望の照明を定義するパラメータ、及び、照明器具を定義するパラメータが決定されれば、電子ペーパ反射性媒体の反射能を定義するパラメータが決定されてもよい。電子ペーパに入射する光のエネルギー又は電力に対する、電子ペーパから反射される光のエネルギー又は電力の比、電子ペーパからの反射光の色、反射光のパターン、及び、反射光の方向が、決定されてもよい。電子ペーパの反射能パラメータを決定する場合、すべての光源からの光の寄与が考慮される。透光性電子ペーパバッフルが使用される場合、電子ペーパ媒体の透光特性のような、電子ペーパ媒体の他の照明特性が決定されてもよい。
【0083】
例えば、光源が古くなったために放射光の色が変化した場合、電子ペーパの色を調節して、光源の色周波数がシフト補正される。また、320で、光源が調光不可能である場合は、340において、より多く又はより少なく、白又は黒を電子ペーパに書き込むことによって、電子ペーパの反射能を調節し、最終的に空間を照らす光を調光することができる。
【0084】
350では、光源からの光で、電子ペーパ反射板を、直接又は間接的に照らすことが可能である。光源からの直接光と、直接光の1つ以上の反射との組み合わせで、電子ペーパに照らされてもよい。電子ペーパバッフルがある場合、光源からの光と、反射性媒体から反射された光との組み合わせが、可変かつ制御可能な透光性を有する電子ペーパを、通り抜けてもよい。
【0085】
360では、空間を照らすために用いられる光は、電子ペーパから反射された光のみに限られてもよく、あるいは、反射光と、他の、照明器具内の光源からの直接光又は間接光との両方を含んでもよい。照明器具は、電子ペーパ反射性媒体に向けられた光以外の、光源からのすべての光を防ぐような照明器具であってもよい。光源と照らされるべき空間との相対的な位置関係は、電子ペーパから反射された光だけがその空間に到達するような位置関係であってもよい。
【0086】
更に、複数の電子ペーパ面又は媒体が様々な目的で使用されている場合、それぞれの電子ペーパ面又は媒体の関連の特性が決定される。例えば、光源と照らされている空間との間に位置している電子ペーパ反射面の反射能特性と、同じく位置している電子ペーパバッフルの透光特性とが、決定及び制御される。
【0087】
図3のフローチャートの各ステップは、オペレータによって手動で決定及び実行さてもよく、適切な計器装備を用いて自動的に決定及び実行されてもよい。センサを用いて、光の特性が決定されてもよい。コンピュータプログラムを用いて、電子ペーパ反射性媒体の所望の角度及び他の反射特性が決定されてもよい。電子回路及び機械式モータが、電子ペーパの反射度、色、パターン、及び、角度の設定に用いられてもよい。
【0088】
図4は、本発明の態様による反射性電子ペーパ面を含む、プロ仕様のソフトライトシステム(soft light system)を示す。
【0089】
図4のシステムは、光源401、ライトカバー又はバッフル404、及び、反射板406を含む。光源401は、カバー404内の凹みに収められた埋設光源であってよい。光源401からの光は、一部がカバー404によってブロックされ、一部が反射板406に向けられている。反射板406は、様々な種類の電子ペーパのうちの1つから形成される。反射光の強度、ならびに反射光の色及びパターンは、電子ペーパ反射板406を制御することにより、制御されてもよい。反射板406の角度を変化させて、反射光の方向が制御されてもよい。反射板は、単一方向から入射した光を同時に複数の異なる方向に反射するために、様々な形状に変形されてもよい。反射板406の反射度、色、パターン、及び、角度を変化させることは、用途間で静的に行われるか、各用途において動的に行われてもよい。
【0090】
図5は、それぞれが本発明の態様による反射性電子ペーパ面を含むバウンス配置システム(bouce set up system)を示す。
【0091】
図5は、バウンス配置システム500及び550を含む。バウンス配置システム500は、光源501及び反射板506を含む。反射板506は、電子ペーパ反射性媒体を含む。光源501からの光は、電子ペーパ反射板506を照らし、その後、反射光508として反射される。入射光に対する反射光の比率、反射光508の色及びパターン、ならびに反射光の方向は、電子ペーパ反射板506を制御することにより、制御されてもよい。
【0092】
バウンス配置550は、光源502、バッフル507、及び、反射板509を含む。反射板509は、電子ペーパ反射性媒体を含む。反射光510の強度、色、パターン、及び、方向は、電子ペーパ反射板509を制御することによって、静的又は動的に制御されてもよい。
【0093】
配置500では、反射板506は、平面として示されており、配置550では、反射板509は、曲面として示されている。しかしながら、反射板506、509の両方が柔軟な電子ペーパを反射性媒体として使用されていることを考慮すると、反射板の形状は、制御されてもよい。電子ペーパに硬いフレームが使用されている場合、反射板は、そのフレームの形状をとり、その形状を維持する。フレームが使用されないか、柔軟なフレームが使用されている場合は、反射板は、動作中も柔軟なままである。
【0094】
図6は、本発明の態様による反射性電子ペーパ面を含む、プロ仕様のタングステンオープンフェイスランプシステム(professional Tungsten open face lamp system)を示す。
【0095】
図6のシステムは、光源601、バッフル604、及び、反射板606を含む。反射板606は、電子ペーパ面を含む。光源601は、反射板606及びバッフル604に対して、光源601からの直接光と反射板606から反射された光とが結合されて一緒に、照らされるべき空間の照明に寄与するように、位置されている。反射光からの寄与は、電子ペーパ反射板を制御することにより、制御されてもよい。
【0096】
図7は、本発明の態様による反射性電子ペーパ面を含む、ハイドロポニックスペシャルティCFL器具システム(hydroponic specialty CLF fixture system)を示す。
【0097】
図7のシステムは、光源701、ハウジング又はフレーム704、及び、反射板706を含む。照明器具のハウジング又はフレーム704は、バッフルと同様に、特定の方向の光源からの光をブロックするように動作する。反射板706は、電子ペーパ反射性媒体を含む。光源701からの直接光と、電子ペーパ反射性媒体から反射された光との両方が、照明に用いられる光に寄与する。照明全体のうちの、反射板706が寄与する部分は、反射板706に使用されている電子ペーパの特性を制御することにより、制御されてもよい。
【0098】
図8は、本発明の態様による反射性電子ペーパ面を含む、蛍光間接シーリングライトシステム(fluorescent indirect ceiling light system)を示す。
【0099】
図8のシステムは、光源801、バッフル804、及び、反射板806を含む。反射板806は、電子ペーパ反射性媒体を含む。バッフル804は、照らされるべき空間に向かって光っている、光源801からの光を妨害する。したがって、照らされるべき空間に向かって光っている光は、主として、反射板806からもたらされる。したがって、反射板806の特性を制御することが、その空間の照明に対する有意な制御になる。
【0100】
図9は、例示的なフォトアドレス可能な電子ペーパを示す。このタイプの電子ペーパは、FXと呼ばれる。FX電子ペーパは、富士ゼロックス株式会社(〒107−0052東京都港区赤坂九丁目7番3号)で開発されたもので、これについては、非特許文献6で説明されている。
【0101】
FXは、フィルム基板902と、第1の透明電極904と、コレステリック液晶マイクロカプセル層906と、有機光導電材料層908と、第2の透明電極910と、フィルム基板912とを含む、フォトアドレス可能な電子ペーパである。カプセル化されたコレステリック液晶層906は、2つの透明電極層904、910に挟まれている。電極904、910に電圧が印加されると、フォトアドレス可能な有機層908の導電率が光に反応して変化する。電子ペーパの照射された領域が導電性となるため、接している液晶906は、別の安定した形状に変化し、電圧が除去されたときにその照射領域が固定される。一構成では、液晶は光を反射するため、電子ペーパは白色に見える。別の構成では、液晶は透明であるため、その層の下にあるものがすべて見える。FXの白黒電子ペーパ技術では、すべての黒色層が液晶層906の下に配置されるため、液晶が透明である部分が黒く見える。FXのフォトアドレス可能な電子ペーパは、異なる色を反射し、異なる電圧レベルでアクティブになる3つの層をスタックすることによって、複数の色をサポートしている。FXは、2つのタイプのフォトアドレス可能な電子ペーパを有する。1つは、前方から書き込まれ、もう1つは、後方から書き込まれる。
【0102】
本発明の一態様では、光源及び電子ペーパ反射面の両方が、同じ電源に接続され、かつ、光と反射性媒体の両方を制御するインターフェースに接続される。このインターフェースは、スイッチであってもよい。このインターフェースは、ユーザが、面の反射特性を変化させること、ならびに、光をオン/オフしたり調光したりすることを可能にする。所望のパターンを電子ペーパ上に作成するために、電子ペーパへの書き込みに用いられる光フィルタが修正されてもよい。代替として、電子ペーパへの書き込みにバックライトが用いられてもよい。
【0103】
本発明の一態様は、フォトアドレス可能な電子ペーパを用いて実装される。電子ペーパ反射面は、電圧源と、その電圧を印加するためのスイッチとに接続されることが必要であるが、書き込みは、光源自体からの光によってなされることが可能である。例えば、反射面を暗くするために、電圧が印加されている間に光をオフにすることが可能であり、媒体の反射率を高くするために、電圧が印加されている一瞬の間に最大限の明るさの設定で光を当てることが可能である。フォトアドレス可能な電子ペーパは、入射光の量に応じてコントラストが変化するが、それは、適切な電圧が印加されているときだけである。電子ペーパの様々な領域を強い照射や弱い照射にさらすことによって、画像を取り込むことが可能であり、これは、従来の感光乳剤による写真画像のプリントと同様である。この媒体への「プリント」は、可変照度の照射源と電圧源との両方を必要とする。
【0104】
別の実施形態では、本発明は、後でユーザが見る、電子ペーパの前面に光を当てることによって書き込みが行われる、特定の様々な電子ペーパを利用することが可能である。他の実施形態では、後方から光を当てるように設計された、他の様々な電子ペーパを利用することが可能である。更に別の様々な電子ペーパもあり、それらは、後方から光を受けるのではなく、基板グリッドからの荷電に応じて色又は不透明度が変化する、フィルム粒子に似た微粒子を含む。別の独自開発タイプの電子ペーパとして、E−INK Corporation(733 Concord Avenue、Cambridge、MA 02138)で開発された電子インク(Electronic ink)があり、これは、フィルム状に処理されて電子ディスプレイに組み込まれる。このタイプの電子ペーパは、電子インク電子ペーパ(E−Ink ePaper)と呼ばれる。電子インク電子ペーパは、何百万個ものマイクロカプセルを含む。一例では、各マイクロカプセルは、透明な液体中を浮遊する、正に帯電した白色粒子と、負に帯電した黒色粒子とを収容している。負の電界が印加されると、白色粒子がマイクロカプセルの上部に移動して、それらがユーザから見えるようになる。これにより、面のその部分が白く見える。同時に、逆の電界が黒色粒子をマイクロカプセルの下部に引き込み、それらはそこで隠される。このプロセスを逆にすると、黒色粒子がカプセルの上部に現れ、面のそのスポットが暗く見える。電子インク電子ディスプレイを形成するには、このインクをプラスチックフィルムのシートの上にプリントし、そのシートを積層して回路の層にする。この回路は、画素のパターンを形成し、この画素のパターンはディスプレイドライバによって制御されることが可能である。これらのマイクロカプセルは、液体キャリア媒体中に浮遊しているので、既存のスクリーン印刷プロセスにより、ガラス、プラスチック、布地から紙に至るまで、ほとんどあらゆる面に印刷されることが可能である。
【0105】
本発明の実施形態における反射性媒体として、FX電子ペーパ又は別のタイプの電子ペーパを用いることにより、材料の内外を入れ替えることを必要とせずに、照明に用いられる反射性媒体を素早く、かつ、適応的に変化させることが可能である。本発明の実施形態は、電子ペーパの修正可能な反射特性を用いて、照明を迅速に調節する。更に、本発明の電子ペーパの実施形態を使用すると、他の公知のメカニズムでサポートされているより精細な制御が可能になる。
【0106】
本発明の実施形態を利用することにより、照明器具からの光を調光することが可能であり、その色が制御されてもよい。電子ペーパ反射板は、電気的に調光される場合、調光範囲全体にわたって色が変化する白熱光源を含む光源に対する制御、調光不可能であって、グローブの寿命にわたって変化する様々な色温度を有する蛍光器具に対する制御、ならびに、様々なランプを含む家庭用光源に対する制御を可能にする。
【0107】
写真家や映画及びビデオのプロフェッショナルらは、反射性電子ペーパ照明面に対する、洗練された潜在的ユーザである。これらのプロフェッショナルらは、使用する光源の強度、スペクトル、及び、色温度の精細な制御を必要とする。典型的なプロ仕様の照明キットは、フレネルレンズライト、オープンフェイスランプ、及び、様々な蛍光ランプ、HMI(Hydrargyrum Medium Arc−length Iodide)ランプ、セラミックグローブなどを含む。ランプが取り付けられる照明器具は、照明器具によって与えられる光の特性において重要な役割を果たす。ランプレンズ及び照明器具の反射面の両方が、照明器具によって与えられる光に影響を及ぼす。レンズに関しては、レンズのタイプ又はレンズがないことが、照明器具によって与えられる光に影響を及ぼす。反射面に関しては、照明器具の反射面によって生成される強度及び色スペクトルが、照明器具によって与えられる光に影響を及ぼす。
【0108】
本発明の一態様は、オフィス環境において(例えば、会議室の照明のために)電子ペーパを使用する方法を提供する。多くの会議室は、室内の様々な照明構成のための多くの設定と、それらの中から選択するためのインターフェースとを有する。そのような会議室の照明器具に電子ペーパ反射性媒体を用いると、用途ごとに別々の光源を使用することを必要とせずに、会議室の照明に対する精細なレベルの制御が可能になる。
【0109】
本発明の一態様では、パターン及び色のルックアップテーブルが提供されてもよく、ユーザによって選択された所望のパターンが、その後、電子ペーパに書き込まれる。
【0110】
本発明の一態様は、ハイエンドの民生用ランプで使用される方法を提供する。これらのランプは、1つ以上の電子ペーパ反射面が設けられることが可能であり、電子ペーパの修正可能な特性を利用して、光を柔らかくしたり明るくしたり、色を変化させたりすることが可能な、調節可能な反射面が提供されてもよい。光の色が、例えば、青色がかった色から桃色がかった色に変化してもよい。更に、電子ペーパの反射特性による照明の調節は、広い範囲の特殊な用途(例えば、水族館の照明、潜水艦や夜間戦闘用ヘリコプタにおける軍事用途、水耕農業など)において有用であってもよい。
【0111】
本発明の一態様は、光源の経年劣化を補償する。光源によっては、放射光の周波数が、光源が古くなるにつれてシフトする。周波数は色を決定し、周波数のシフトは、光源からの放射光の色を変化させる。放射光の周波数は、所望の放射周波数に対して、決定及び比較されてもよい。光源との組み合わせで使用される電子ペーパ反射面の反射能が、フィードバック計測によって調節されてもよい。反射光は、光源から発生した入射光の周波数が、別の光源の周波数により近いようにシフトした光であってもよい。光源からの直接光が空間を照らすのを妨害するためにバッフルが用いられている場合、空間を照らすために用いられる光は、実質的に、周波数が補正された反射光である。
【0112】
本発明の一態様は、電子ペーパ反射面によるグロスシェードシフト(gross shade shift)又は単純な色シフトを含む。グロスシェードシフトは、シェードを、黒色から灰色を経て白色に変化させることを含む。単純な色シフトは、例えば、色を真っ赤から黄色や緑色にシフトすることを含む。照明器具又は他の光を強化する応用において、放射光を調光及び色シフトするために、電子ペーパが反射性媒体として用いられてもよい。
【0113】
ここまで、照明器具における電子ペーパ反射特性の利用について説明した。電子ペーパは、シェード値又は色値を設定するためには、一時的であれ永続的であれ、電源を必要とする。照明器具での使用の場合、照明器具の光源と電子ペーパ反射性媒体との両方にエネルギーを供給するために、同じ電源が使用されてもよい。代替として、電子ペーパは、独自電源を有してもよい。
【0114】
本発明の代替態様では、空間内の光全体を制御するために、壁及び空間内の他の面が電子ペーパで覆われてもよい。本発明の態様は、反射性媒体の反射特性を変化させて、より様々な照明構成を実現することが可能である。
【0115】
図10は、本発明の態様による、建築空間内の光を制御する、電子ペーパの一応用を示す。
【0116】
図10では、自然光1000が建築空間1002内を照らし、壁1200、及び、家具1400、1500、1600の表面に、直接到達しているか、別の表面から反射されて到達している。自然光1000は、照明器具からの人工光1100によって増強されてもよい。空間1002の壁及び家具の表面の一部又はすべてが、電子ペーパ反射性材料で覆われるか、電子ペーパ反射性材料を含んでもよい。したがって、これらの面からの反射能を、各面を覆う電子ペーパを制御することによって、制御されてもよい。光全体に対する反射光の割合が大きい場合は、反射光の量を変化させることが、室内の照明に影響を及ぼす。
【0117】
建築空間が自然光で照らされている場合は、そのような空間における電子ペーパの反射特性を調節及び制御することにより、その空間の自然光利用の方法を改善することができる。電子ペーパ反射面は、太陽光がピークの間は制限的な反射板として動作してもよく、太陽光が弱まるにつれて、反射度が上げられる。電子ペーパ壁紙の反射能は、ユーザによる調節が可能である。更に、制御は、光センサからのフィードバック、又は、位置から時刻を決定するルックアップテーブル又はGPSシステムからの時刻のフィードバックを用いて自動的に行われてもよい。
【0118】
この、本発明の態様は、建築家が、様々な照明効果を実験して、新規な空間照明を創造する方法を提供する。この新規な照明方法では、空間から外の視界をさえぎるシェードを含めることを必要とせず、人工光及び自然光の両方が修正可能である。
【0119】
電子ペーパ光反射板は、多数のシートの形で、複数の光レベルにさらされていて反射光の強度が制御されることが望ましい壁又は他の面のための、トーン又は色が可変である反射性媒体として使用されてもよい。例えば、美術品や家具のような物品が太陽光の反射によって有害な放射線にさらされる状況である。反射光の強度が制御されていれば、室内の美術品及び家具が、有害な日光から、保護されることが可能である。空間内の光全体に対する反射光の寄与は、大きい可能性がある。したがって、一日の経過とともに日光が変化するにつれて、室内の光の総量を調節するために、反射性壁紙の反射能を変化させてもよい。
【0120】
本発明の一態様では、遊園地で、ユーザのフィードバックに従って空間内の照明を制御するために、電子ペーパ反射面が使用されてもよい。
【0121】
本発明の一態様では、会議室の照明に使用される照明器具に電子ペーパ反射性媒体を備え付けられてもよい。光源から放射される光と、電子ペーパ反射性媒体の反射能との両方を制御し、最終的に室内の照明を制御するために、同じスイッチが用いられてもよい。
【0122】
媒体の照明特性は、媒体の反射能及び透光性、ならびに他の特性を含む。
【0123】
光学では、反射能は、入射光のうちの、表面によって反射された割合である。反射能は、反射方向、入射方向、及び、入射波長の関数である方向特性である。更に、場合によっては、反射能は、反射半球の全体にわたって平均される。更に、文献によっては、反射能は、反射率と区別される。反射が材料の薄層から発生する場合、内部反射効果により、反射率は、表面の厚さに応じて変化する可能性がある。反射能は、表面が厚くなったときの反射率の限界値として定義される。したがって、反射能は、背面の反射率のような他のパラメータに依存しない、表面の固有の反射率である。反射率は、入射光に対する、反射性媒体から反射された光のエネルギー比である。
【0124】
ここまでの記述では、「反射能」という用語は、反射光の強度を決定する、媒体の反射度、反射光の周波数、反射光のパターン、及び、反射光の方向を決定する、反射性媒体の角度を含む、反射性媒体の様々な特性を示すために用いられている。
【0125】
「反射度」は、反射性媒体への入射光のエネルギー又は電力に対する、反射性媒体からの反射光のエネルギー又は電力の比を示すために用いられている。「強度」という用語は、反射度と同様に、エネルギー又は電力の尺度として用いられている。反射度及び強度は、電力又はエネルギーの尺度として用いられている。これらの尺度は、必要に応じて、単位面積当たりであってよく、広い面積にわたって平均されてもよい。本発明のいくつかの態様では、時間平均された応用が望ましく、エネルギーがより適切な尺度である。本発明の他の態様では、時間とともに変化する照明応用が望ましく、電力が、より適切な尺度でありうる。光が、時間とともに変化することが意図されている場合、何らかの時間平均が適切である場合もある。したがって、本発明の態様では、反射能が時間とともに変化する場合には、反射度及び強度は、電力の尺度であり、ほぼ安定した反射能が利用される場合には、それらはエネルギーの尺度である。更に、反射度及び強度は、それぞれ、任意の表面の単位面積あたりの電力又はエネルギー、あるいは、任意の表面全体にわたって平均された電力又はエネルギーを示すことが可能である。反射度及び強度は、両方とも、相対的な意味で用いられる。例えば、一方が、電力として、ある基準面の単位面積当たりで測定された場合、他方も、同じ基準面に対して同じ単位で測定されなければならない、というように用いられる。あるいは、一方がエネルギーとして測定され、基準面全体にわたって平均された場合、他方も同じ基準面に対して同じ単位でなければならない。基準面は、反射板の表面であることが多い。
【0126】
反射光の周波数は、それらが可視範囲内にある場合、反射光の「色」を決定する。光は、可視光、又は、可視光の周波数より低いか高い周波数の光を有する場合がある。
【0127】
反射光の「パターン」は、反射性媒体の様々な部分から反射された光の強度及び色の変動を示す。
【0128】
反射光の方向は、反射面に対する入射光の入射角によって決まる。硬い反射面が入射光線に対して回転している場合、あるいは、表面又は媒体の全体が回転しているわけではなく、入射光線の入射箇所又は入射点が入射光線に対して回転しているように、柔軟な反射面が変形している場合には、反射光の方向が変化する可能性がある。
【0129】
前述の例示的実施形態は、可視光の文脈で説明されているが、本発明は、可視範囲の下又は上にある周波数又は波長を有する、反射された電磁波を制御することにも適用されてもよい。例えば、暗視に用いられる赤外線波の反射能、半導体プロセスに用いられる紫外線波、高密度媒体を通り抜けるイメージングに用いられるミリ波、又はレーダ波を、適切なタイプの電子ペーパで制御することが可能である。記載された波長、及び、各波長について記載された応用は、例示的である。本発明の実施形態は、電子的に可変な反射能を有する反射性媒体を用いて、電磁波を反射させる方法及びシステムに関する。
【0130】
図11は、本発明の方法論の一実施形態を実装することが可能なコンピュータ/サーバシステム1100の一実施形態を示すブロック図である。システム1100は、コンピュータ/サーバプラットフォーム1101、周辺装置1102、及び、ネットワークリソース1103を含む。
【0131】
コンピュータプラットフォーム1101は、コンピュータプラットフォーム1101の全体にわたって、かつ各種要素間で、情報を伝達するためのデータバス1104又は他の伝達メカニズムと、バス1104と結合され、情報を処理し、他の計算タスク及び制御タスクを実行するプロセッサ1105と、を含んでもよい。コンピュータプラットフォーム1101は更に、バス1104と結合されて、様々な情報と、プロセッサ1105によって実行されるべき命令とを記憶する揮発性記憶装置1106(ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的記憶装置など)を含む。揮発性記憶装置1106は更に、プロセッサ1105によって命令が実行されている間に一時変数又は他の中間情報を記憶することに用いられてもよい。コンピュータプラットフォーム1101は更に、バス1104に結合されて、プロセッサ1105用の静的情報及び命令(基本入出力システム(BIOS)や各種システム構成パラメータなど)を記憶する読み出し専用メモリ(ROM又はEPROM)1107又は他の静的記憶装置を含んでもよい。情報及び命令を記憶するために、永続的記憶装置1108(磁気ディスク、光ディスク、又は固体フラッシュメモリ装置など)が設けられ、バス1104に結合されている。
【0132】
コンピュータプラットフォーム1101は、コンピュータプラットフォーム1101のシステム管理者又はユーザに対して情報を表示するディスプレイ1109(ブラウン管ディスプレイ(CRT)、プラズマディスプレイ、又は液晶ディスプレイ(LCD)など)と、バス1104を介して結合されてもよい。情報及びコマンド選択をプロセッサ1105に伝達するための、英数字キー及び他のキーを含む入力装置1110が、バス1104と結合されている。別のタイプのユーザ入力装置として、カーソル制御装置1111(マウス、トラックボール、又はカーソル方向キーなど)があり、これは、方向情報及びコマンド選択をプロセッサ1105に伝達し、ディスプレイ1109上のカーソルの動きを制御する。この入力装置は、典型的には、2つの軸(第1の軸(例えば、x)及び第2の軸(例えば、y))の形で自由度2を有し、これによって、この装置で平面内の位置を指定することが可能になる。
【0133】
コンピュータプラットフォーム1101に増設又はリムーバブルの記憶容量を与えるために、外部記憶装置1112を、バス1104経由でコンピュータプラットフォーム1101に結合されてもよい。コンピュータシステム1100の実施形態では、他のコンピュータシステムとのデータ交換を容易にするために、外部リムーバブル記憶装置1112が用いられてもよい。
【0134】
本発明は、コンピュータシステム1100を使用して、本明細書に記載の手法を実装することに関連している。一実施形態では、本発明のシステムは、コンピュータプラットフォーム1101のようなマシンに常駐されてもよい。本発明の一実施形態によれば、本明細書に記載の手法は、プロセッサ1105が、揮発性メモリ1106に収容されている1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行することへの応答として、コンピュータシステム1100によって実行される。そのような命令は、別のコンピュータ可読媒体(永続的記憶装置1108など)から揮発性メモリ1106に読み込まれることが可能である。揮発性メモリ1106に収容されている命令のシーケンスが実行されると、プロセッサ1105が、本明細書に記載の処理ステップを実行する。代替の実施形態では、ソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェア命令との組み合わせで、ハードワイヤード回路を用いて、本発明を実装することが可能である。したがって、本発明の実施形態は、ハードウェア回路及びソフトウェアのいかなる特定の組み合わせにも限定されない。
【0135】
本明細書では、「コンピュータ可読媒体」という用語は、命令を、実行のためにプロセッサ1105に供給することに関与する任意の媒体を意味する。コンピュータ可読媒体は、本明細書に記載のいずれかの方法及び/又は手法を実装するための命令を搬送することが可能なマシン可読媒体の一例にすぎない。このようなコンピュータ可読媒体は多くの形状ととることができ、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び、伝達媒体でもよいが、これらに限定されない。不揮発性媒体は、例えば、記憶装置1108のような、光ディスク又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、揮発性記憶装置1106のような動的メモリを含む。伝送媒体としては、同軸ケーブル、銅ワイヤ、光ファイバなどがあり、これらには、データバス1104を構成するワイヤが含まれる。伝送媒体は更に、電波及び赤外線のデータ通信において生成されるような、音波又は光波の形態をとることが可能である。
【0136】
コンピュータ可読媒体の一般的な形状としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、又は他の任意の磁気媒体、CD−ROM、他の任意の光媒体、パンチカード、紙テープ、他の任意の、穴のパターンを有する物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH−EPROM、フラッシュドライブ、メモリカード、他の任意のメモリチップ又はカートリッジ、以下に記載される搬送波、又は他の任意の、コンピュータが読み取ることが可能な媒体がある。
【0137】
1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを、実行のためにプロセッサ1105まで搬送することに、様々な形状のコンピュータ可読媒体が関与してもよい。例えば、命令は、まず、リモートコンピュータから磁気ディスクで搬送されてもよい。代替として、リモートコンピュータがその動的メモリに命令をロードして、その命令が、モデムによる電話線経由で送信されてもよい。コンピュータシステム1100の近くにあるモデムが、そのデータを電話線上で受信し、赤外線送信機を用いて、そのデータを赤外線信号に変換されてもよい。赤外線検出器が、赤外線信号で搬送されたそのデータを受信してもよく、しかるべき回路が、そのデータをデータバス1104上に置かれてもよい。バス1104は、そのデータを揮発性記憶装置1106まで搬送し、プロセッサ1105が揮発性記憶装置1106から命令を取り出して実行する。揮発性メモリ1106によって受け取られた命令は、任意で、プロセッサ1105による実行の前又は後に、永続的記憶装置1108に格納されてもよい。命令は更に、当分野において周知の様々なネットワークデータ通信プロトコルを用いて、インターネット経由でコンピュータプラットフォーム1101にダウンロードされてもよい。
【0138】
コンピュータプラットフォーム1101は更に、データバス1104に結合されたネットワークインターフェースカード1113のような通信インターフェースを含む。通信インターフェース1113は、ローカルネットワーク1115と結合されたネットワークリンク1114に結合される双方向データ通信を提供する。例えば、通信インターフェース1113は、対応するタイプの電話線へのデータ通信接続を提供する統合サービスデジタル網(ISDN)カード又はモデムであってよい。別の例として、通信インターフェース1113は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワークインターフェースカード(LAN NIC)であってよい。無線リンク(周知の802.11a、802.11b、802.11g、Bluetoothなど)をネットワーク実装に用いることも可能である。そのような実装のいずれにおいても、通信インターフェース1113は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号、又は光信号を送受信する。
【0139】
ネットワークリンク1113は、典型的には、1つ以上のネットワークから他のネットワークリソースへのデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク1114は、ローカルネットワーク1115を介して、ホストコンピュータ1116又はネットワーク記憶装置/サーバ1122への接続が提供されてもよい。追加で、又は代替として、ネットワークリンク1114は、ゲートウェイ/ファイアウォール1117を介して、ワイドエリア(グローバル)ネットワーク1118(インターネットなど)に接続されてもよい。したがって、コンピュータプラットフォーム1101は、インターネット1118上の任意の場所にあるネットワークリソース(リモートネットワーク記憶装置/サーバ1119など)にアクセスすることが可能である。一方、コンピュータプラットフォーム1101は、ローカルエリアネットワーク1115上及び/又はインターネット1118上の任意の場所にいるクライアントからアクセスされてもよい。ネットワーククライアント1120及び1121自体も、プラットフォーム1101と同様のコンピュータプラットフォームをベースとして実装されてもよい。
【0140】
ローカルネットワーク1115及びインターネット1118は、両方とも、デジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号、又は光信号を使用する。コンピュータプラットフォーム1101へデジタルデータを搬送したり、コンピュータプラットフォーム1101からデジタルデータを搬送したりする、様々なネットワークを通る信号、ネットワークリンク1115上の信号、及び、通信インターフェース1113を通る信号は、情報を輸送する搬送波の例示的形状である。
【0141】
コンピュータプラットフォーム1101は、インターネット1118、LAN 1115、ネットワークリンク1114、及び、通信インターフェース1113を含む様々なネットワークを介して、メッセージを送信したり、プログラムコードを含むデータを受信したりすることが可能である。インターネットの例では、システム1101は、ネットワークサーバとして動作する場合、クライアント1120及び/又は1121で動作しているアプリケーションプログラムに関して要求されたコード又はデータを、インターネット1118、ゲートウェイ/ファイアウォール1117、ローカルエリアネットワーク1115、及び、通信インターフェース1113を介して送信してもよい。同様に、システム1101は、他のネットワークリソースからコードを受信してもよい。
【0142】
受信されたコードは、受信された時点でプロセッサ1105によって実行されるか、かつ/又は、あとで実行されるために、永続的記憶装置1108、揮発性記憶装置1106、又は他の不揮発性記憶装置に格納されてもよい。このように、コンピュータシステム1101は、搬送波の形状でアプリケーションコードを取得することが可能である。
【0143】
本発明は、いかなる特定のファイアウォールシステムにも限定されないことに注意されたい。本発明のポリシーベースのコンテンツ処理システムは、3つのファイアウォール動作モード(具体的には、NATモード、ルーティングモード、トランスペアレントモード)のいずれにおいて、用いられてもよい。
【0144】
最後に、本明細書に記載のプロセス及び手法は、いかなる具体的な装置とも本質的に関連するものではなく、構成要素の任意の適切な組み合わせによって実装されることが可能であることを理解されたい。更に、本明細書に記載の開示に従って、様々なタイプの汎用装置を使用することが可能である。また、本明細書に記載の方法ステップを実行するために、専用装置を構築することが有利であることが判明する場合もある。本明細書を、具体例に関して説明してきたが、それらの具体例は、あらゆる点において、限定的ではなく例示的であることを意図したものである。当業者であれば、ハードウェア、ソフトウェア、及び、ファームウェアの様々な組み合わせが、本発明の実施に好適であることを理解されよう。例えば、説明されたソフトウェアは、様々なプログラミング言語又はスクリプト言語(アセンブラ、C/C++、perl、シェル、PHP、Java(登録商標)など)で実装されてもよい。
【0145】
更に、当業者であれば、本明細書で開示された本発明の明細及び実践を考察することにより、本発明の他の実施態様も明らかである。照明及び照明器具を制御するシステムにおいて、説明された実施形態の様々な態様及び/又は構成要素を、単独で、又は任意の組み合わせで、使用されてもよい。本発明の明細及び例は、例示的であると見なされるべきであり、本発明の真の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物によって示されるものとする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に照明の分野に関し、特に、照明において反射光を制御する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
空間内の照明は、空間の照明に寄与する光源のタイプ及び位置だけでなく、空間に到達した光が当たる種々の媒体のフィルタリング特性及び反射特性によっても決まる。フィルタリングは、光路内の透光性又は半透光性の材料において発生する。反射は、光を受ける物体の表面において発生する。光を反射する材料の色、明るさ、角度などの反射特性は、反射光の特性に影響を及ぼす。空間内の照明の大部分が反射光によって与えられる場合がある。
【0003】
照明には、直接照明と間接照明との2通りがある。直接光は、照明光源から物体に向かって進む。直接光は、一般に、光源のタイプ(例えば、白熱灯か蛍光灯か)、光源と物体との間に直接配置された媒体(例えば、ルーバ又は透光性拡散媒体)、及び、電気的又は電子的調光によって制御される。間接光は、直接光源が狙いを定めた表面によって反射され、反射性媒体によって物体に戻される。反射の程度は、高反射性、鏡面状、及び、集束、高拡散、又は、「ソフト」等がある。透光性媒体には、略透明から略不透明まである。両タイプの拡散性媒体は、後述されるように、着色が可能である。照明器具は、照明プロセスの特定の構成要素から、放射される光の質に関連する様々な理由から、直接光及び間接光の両方が利用される。写真家、建築家、及び、照明器具デザイナは、所望の照明効果を達成するために、照明器具の反射面の特性を慎重に選択する。
【0004】
プロ仕様の照明効果を得る場合、直接光源及び間接(バウンス)光源の両方が用いられる。光源に対する反射面として動作させるために、様々に着色された媒体を使用することが可能である。反射面として動作させるために使用される着色媒体の例として、フォームコア及び厚紙のアートボードがある。着色媒体の色としては、主に白、黒が使用され、まれに銀及び金が使用される。
【0005】
照明器具の性能及び光で強化される機能性は、反射光によって左右される。強度可変反射板(Variable intensity reflectors)は、一般的ではない。限られた数の照明器具が、機械的可変反射板(mechanically variable reflectors)を使用する。そのような機械的反射板として、半分が白に塗られ、半分が黒に塗られた円筒がある。白の半分が表を向いているときは、ほぼすべての入射光が反射される。黒の半分が表を向いているときは、すべての入射光が吸収される。この円筒は、所望の反射度に応じた特定の比率で白を露出させるように回転する。
【0006】
プロ仕様の照明では、Panavision Companyの「PanaLite Eye Light」器具だけが、可変色調反射板(variable tone reflector)を使用して光出力を制御する器具として知られている。この器具は、半分が白に塗られ、半分が黒に塗られ、回転して光の出力を制御する、一連の平行ローラから光を反射する。他の反射照明応用の場合は、光を反射面からバウンスさせることが、最も一般的である。
【0007】
色温度は、可視光の一特性であり、写真撮影、映像撮影、出版、及び、他の関連分野において応用される。色度は、色の質であり、純度及び色相によって決定される。光源の色温度は、その色度と、理論的な加熱された黒体放射体(black−body radiator)の色度とを比較することによって決定される。加熱された黒体放射体と光源の色とが一致するケルビン温度が、その光源の色温度である。
【0008】
フィルムストック及びビデオカメラは、特定の色温度に対して白を再現するように製造されている。例えば、白熱光の場合の3200度ケルビン、「昼光」の場合の5800度ケルビンは、2つの標準的な設定である。適切な画像を作成するためには、光源の色温度が安定していて制御可能であることが重要である。しかしながら、安定した制御を実現することが困難な場合がある。その理由として、例えば、1)白熱光源は、電気的に調光される場合には、調光範囲全体にわたって色が変化すること、2)蛍光器具は、ほとんど調光不可能であり、グローブの寿命にわたって変化する様々な色温度を有すること、3)家庭用の既存の光源には、様々なランプ光源が含まれることなどが挙げられる。
【0009】
照明器具によって与えられる照明、又は、自然光から空間に与えられる照明に対する、改良された制御を実現することは、これら及び他の難題を照明の専門家に提起している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】エイチ.アリサワ 外(H. Arisawa, et al.)、「コレステリック液晶を用いたフォトアドレス可能な電子ペーパ(Photoaddressable Electronic Paper Using Cholesteric Liquid Crystal)」、アイエス&ティー エヌアイピー17−228(IS&T NIP17-228)、2008年
【非特許文献2】ヒロシ アリサワ(Hiroshi Arisawa)、キヨシ シゲヒロ(Kiyoshi Shigehiro)、「フォトアドレス可能な電子ペーパ及びトナーディスプレイ(Photo-addressable E-Paper and Toner Display)」、アイエス&ティー エヌアイピー20:デジタル印刷技術における国際会議(IS&T's NIP20: International Conference on Digital Printing Technologies)、ソルトレーク市 ユタ州(Salt Lake City, UT)、2004年10月21日、p.922−926
【非特許文献3】ティー.キクシマ 外(T. Kikushima, et. al.)、「有機光伝導体及びカプセル化されたコレステリック液晶を用いたフォトアドレス可能な白黒電子ペーパ(Black and White Photo-address Electronic Paper using Encapsulated Cholesteric Liquid Crystal and Organic Photoconductor)」、アイディーダブリュ’02(IDW'02)、2002年、p.1345
【非特許文献4】「イー インク コーポレーション(E Ink Corporation)」、[online]、[平成21年1月7日検索]、インターネット<URL: http://www.eink.com >
【非特許文献5】「富士通 イーペイパー(Fujitsu e-paper)」、[online]、[平成21年1月7日検索]、インターネット<URL: http://www.fujitsu.com/global/about/rd/200509epaper.html>
【非特許文献6】「富士ゼロック スフォトアドレス型電子ペーパ(Photo-address Electronic Paper)」、[online]、[平成21年1月7日検索]、インターネット<URL:http://www.fujixerox.co.jp/eng/company/technical/epaper/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、照明及び照明器具の、従来の制御方法の問題及び他の問題のうちの1つ以上を防ぐ方法及びシステムを対象としている。
【0012】
本発明は、電子ペーパ媒体の制御可能な反射特性及び透光特性を利用して、照明器具によって与えられる光、又は、空間の照明に用いられる光を制御するシステム及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の態様は、空間の照明を制御するシステムを提供する。本システムは、光源及び反射板を含む。光源の役割は、放射光を提供することである。この放射光のすべて又は一部が、反射板に入射する。反射板の役割は、入射光を受け、入射光を、反射光として反射することである。入射光は、上記光源からの放射光の少なくとも一部を含み、更には、空間内に存在する他の光源からの光を含む場合がある。反射板は、制御可能な電子ペーパ反射能を有する電子ペーパを含む。反射板は、電子ペーパ反射板と呼ばれることがある。電子ペーパ反射板の反射能を制御することにより、空間の照明が制御される。
【0014】
一態様では、本システムは更に、放射光の少なくとも一部が空間に直接到達するのを防ぐバッフルを含む。バッフルは更に、透光性を有すルーバッフル電子ペーパ媒体を含んでもよい。空間の照明を更に制御するために、電子ペーパバッフルの透光性が制御可能である。一態様では、空間内の放射光に対する反射光の割合を制御するために、バッフルの位置、及び、バッフルの光拡散特性が制御可能である。光源は、ほぼ一定の強度の光を与えることが可能であり、あるいは、光源において放射光の強度を変化させる調光器を含んでもよい。一態様では、入射光は、光源からの直接経路に沿って反射板に到達する直接放射光と、光源からの間接経路に沿って反射板に到達する間接放射光とを含む。一態様では、電子ペーパ反射板はフレームを含み、電子ペーパはフレームの上に取り付けられる。電子ペーパ反射板の柔軟な形状は、反射光の方向を制御するために制御可能であってもよい。反射度は、反射光の強度を制御するために制御可能であってもよい。反射度は、約0%から100%の範囲で制御可能であってもよい。電子ペーパ反射板のパターンは、反射光のパターンを制御するために制御可能であってもよい。電子ペーパ反射板の色は、反射光の色を制御するために制御可能であってもよい。一態様では、システムは更に、電子ペーパの反射能を制御するための電源を含んでもよい。
【0015】
本発明の態様は更に、照明器具を制御することにより空間の照明を制御する方法を提供する。照明器具は、放射光を与える光源と、放射光を制御する電子ペーパ媒体とを含む。本方法は、空間における所望の照明を決定し、所望の照明に応じて電子ペーパ媒体の照明特性を調節し、放射光を修正し、空間を照らす、ことを含む。放射光は、空間の照明に使用される修正された光を得るために、電子ペーパ媒体の照明特性を制御することによって修正される。
【0016】
一態様では、照明器具で使用される電子ペーパ媒体は、電子ペーパ反射性媒体を含み、電子ペーパ反射性媒体は、電子ペーパ反射性媒体に対する入射光を反射して反射光を与える。電子ペーパ媒体の照明特性を調節することは、所望の照明に応じて電子ペーパ反射性媒体の反射能特性を調節することを含む。電子ペーパ媒体は、電子ペーパバッフルを含んでもよく、電子ペーパ媒体の照明特性を調節することは、所望の照明に応じて電子ペーパバッフルの透光特性を調節することを含んでもよい。
【0017】
一態様では、本方法は更に、光源の特性を決定し、光源の特性に応じて、電子ペーパ反射性媒体の反射能特性を調節する、ことを含む。一態様では、本方法は、更に、光源の特性に応じて、電子ペーパバッフルの透光特性を調節することを含んでもよい。光源の特性は、放射光の強度と、放射光の色と、時間とともに起こる、放射光の色のシフトと、光源において放射光を調光する機能と、を含んでもよい。所望の照明を決定するために、所望の照明に対する照明器具の強度、色、パターン、及び、寄与が決定される。電子ペーパ反射性媒体の反射能特性を調節することは、電子ペーパ反射性媒体の反射度、色、パターン、及び、1つ以上の角度を調節することを含んでもよい。電子ペーパ反射性媒体の反射能特性又は電子ペーパバッフルの透光性特性を調節することは、電子器具(electronic instrumentation)によって自動的に行われてもよい。
【0018】
本発明の態様は更に、空間内の照明を制御する方法を提供し、本方法は、空間内で第1の光を受け、制御可能な電子ペーパ照明特性を有する電子ペーパを含む少なくとも1つの媒体を提供し、空間内の照明を制御するために、電子ペーパ照明特性を制御する、ことを含む。媒体は入射光を受け、入射光は、第1の光を含み、他の光を含んでもよい。第1の光は、自然光及び人工光を含んでもよい。媒体は、電子ペーパ反射板を含んでもよく、入射光の約0%から100%を反射光として反射してもよい。電子ペーパ反射板からの反射光の色及びパターンは、制御可能である。媒体は、制御可能な透光性を有する電子ペーパ透光性媒体を含んでもよい。媒体は、柔軟であってもよく、形状が制御可能であってもよい。一態様では、空間内の照明を制御するために、第1の光及び電子ペーパ照明特性の両方が同時に制御される。
【0019】
本発明の態様は更に、光源と、バッフルと、反射板と、調光器と、第1の電源と、電子回路と、第2の電源と、を含む照明器具を提供する。光源の役割は、放射光を放射し、空間を照らすバッフルの役割は、放射光の少なくとも一部が空間に直接到達するのを防ぐ(blocking)ことである。反射板の役割は、反射板に対する入射光を反射光として反射することであり、反射板は、制御可能な反射能を有する電子ペーパ反射性媒体を含む。調光器の役割は、光源において放射光の強度を変化させることである。第1の電源の役割は、光源に電力を供給することである。第2の電源の役割は、電子ペーパ反射性媒体に書き込みを行うことである。電子回路の役割は、電子ペーパ反射性媒体を制御することである。入射光は、光源からの直接経路に沿って反射板に到達する直接放射光と、光源からの間接経路に沿って反射板に到達する間接放射光とを含む。反射板は、電子ペーパ反射性媒体を保持するフレームを含む。空間内の放射光に対する反射光の割合を制御するために、バッフルの位置、及び、バッフルの光拡散特性が制御可能である。電子ペーパの制御可能な反射能は、反射光の強度を制御し、黒色から灰色を経て白色になるグロスシェードシフトを引き起こし、反射光の色を制御し、赤色から黄色や緑色になる単純な色シフトを引き起こし、反射光のパターンを制御し、反射光の方向を制御する、ことを行うために、制御可能であるバッフルは、制御可能な透光性を有する透光性電子ペーパを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】空間の照明に対する、反射光の寄与を示した図である。
【図2A】本発明の態様による、電子ペーパを用いて、空間の照明に使用される光を制御する、例示的システムを示した図である。
【図2B】本発明の態様による、電子ペーパを用いて、空間の照明に使用される光を制御する、別の例示的システムを示した図である。
【図2C】本発明の態様による、電子ペーパを用いて、調光、光の色、パターン、又は、方向を変化させるための、いくつかの設定又はシステムを示した図である。
【図3】本発明の態様による、電子ペーパを用いて、照明器具の照明特性を変化させる方法のフローチャートを示した図である。
【図4】本発明の態様による、反射性電子ペーパ面を含む、プロ仕様のソフトライトシステムを示した図である。
【図5】本発明の態様による、反射性電子ペーパ面を含むバウンス配置システムを示した図である。
【図6】本発明の態様による、反射性電子ペーパ面を含む、プロ仕様のタングステンオープンフェイスランプシステムを示した図である。
【図7】本発明の態様による、反射性電子ペーパ面を含む、ハイドロポニックスペシャルティCFL器具システムを示した図である。
【図8】本発明の態様による、反射性電子ペーパ面を含む、蛍光間接シーリングライトシステムを示した図である。
【図9】例示的な、電子ペーパを示した図である。
【図10】本発明の態様による、電子ペーパを用いて、建築空間内の光を制御する、一例示的応用を示した図である。
【図11】本発明のシステムを実装することが可能な、コンピュータプラットフォームの一例示的実施形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に関連するさらなる態様が、一部は、以下の記述において説明され、一部は、その記述から自明になるか、本発明の実践によって明らかになる。本発明の態様は、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲で具体的に記載されている要素ならびに様々な要素及び態様の組み合わせによって実現及び達成される。
【0022】
前述の説明及び以下の説明は、両方とも、例示的かつ説明のためであるに過ぎず、特許請求されている本発明又はその応用をいかなる形でもまったく限定するものではないことを理解されたい。
【0023】
以下の詳細な説明では、添付図面を参照しており、添付図面においては、同一の機能要素を類似の参照符号で示している。前述の添付図面は、本発明の原理と合致している具体的な実施形態及び実施態様を、限定的ではなく、例示として示している。これらの実施態様は、当業者であれば本発明を実践できるように、十分詳細に説明されている。しかしながら、他の実施態様も利用可能であること、ならびに、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、様々な要素の構造的変更及び/又は置換が可能であることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味に解釈されてはならない。更に、説明される、本発明の各種実施形態は、汎用コンピュータで実行されるソフトウェアの形状、専用ハードウェアの形状、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実装可能である。
【0024】
電子ペーパ(electronic paper、あるいはePaper)は、紙面上の普通のインクの外観を模倣することを意図された表示技術である。電子ペーパに書くこととは、電子ペーパの反射度を設定し、色及びパターンを調節することを意味する。電子ペーパは、印刷された紙のように画像を表示する、書き換え可能な媒体である。バックライトを用いて画素に光を当てる従来のフラットパネルディスプレイと異なり、電子ペーパは、普通の紙のように光を反射し、電力の印加(drawing electricity)なしで、文字及び画像を無期限に保持することが可能であり、画像を後で変更することを可能とする。画素が、安定又は双安定の画像であるために、常時給電なしで各画素の状態を維持できることは、重要な特徴の1つである。しかしながら、電子ペーパの形状によっては、画像を保持するために、何らかの電力が必要である。
【0025】
電子ペーパは、コンピュータモニタの制限のいくつかを克服するために開発された。例えば、モニタのバックライトは人間の眼に負担をかけるが、電子ペーパは、普通の紙と同じように光を反射する。更に、電子ペーパは、フラットスクリーンモニタよりも、傾けて読むことが容易である。電子ペーパは、他の表示技術に比べて、軽量であり、耐久性があり、非常に柔軟である。
【0026】
より一般的なタイプの電子ペーパは、2つの信号に応答する。一方の信号は、電子ペーパが、書き込み可能な「オン」状態かどうかを決定する。もう一方の信号は、その「オン」状態の間に、電子ペーパに何を印刷するかを決定する。例えば、富士ゼロックス社のフォトアドレス可能な(photo−addressable)電子ペーパは、適切な電圧が印加されている場合のみ、書き込みが可能である。この電圧が印加されていると、フォトアドレス可能とするための層内の感光体が、入射した光に対して反応し、十分な光が感光体に届いている場合、反射性に切り替わり、感光体に届いている光が十分でない場合、透明のままとなる。他の電子ペーパ技術では、これらの信号は、別の種類であってよく、1つの信号にまとめられてもよい。一般的には、例えば、画像を書き込む第2の信号が電気的信号であって、電界方向によって反射特性が決められる。これら2つの信号は、結合されることがある。ほとんどの電子ペーパ技術では、これら2つの信号は電気的であり、スイッチ又はより複雑なインターフェースで制御可能な回路を介して、電子ペーパに到達する。回路がどれほど複雑でなければならないかは、面全体を一斉に変化させることによって十分な柔軟性が得られるか否か、又は、面の様々な領域をよりきめ細かく制御することが必要か否か、に依存する。
【0027】
電子ペーパ技術は、また、いくつかの色をサポートし、いくつかの電子ペーパ技術は、広い範囲の色をサポートしている。純粋な電子ペーパ技術は、画像を変更するときだけ電力を必要とし、一部の最新の電子ペーパ技術は、画像を維持するために少量の電力を必要とする。いずれの場合も、必要な電力が小さいか間欠的であることが、標準的なディスプレイと比べて有利である。
【0028】
電子ペーパ技術のいくつかのバリエーションが開発されつつあり、例えば、それらは、elnk(登録商標)、富士ゼロックス(登録商標)、富士通(登録商標)F、Nemoptic(登録商標)、Pol(登録商標)、SiPix(登録商標)などによって開発されている。
【0029】
電子ペーパの、予想される将来の用途として、電子ペーパの書籍、雑誌、ラベルなどがある。例えば、電子ペーパを使用した書籍は、何冊ものデジタル版の書籍を収容しながら、どの時点でもページに表示されるのは1冊だけであるようにすることが可能である。電子ペーパのポスターや同様の広告は、既に商店の店頭でデモが行われている。
【0030】
電子ペーパの開発を促す、現在及び予想される用途は、電子ペーパを直接の表示媒体として使用するものである。それらの用途では、ユーザが電子ペーパを直接見て、電子ペーパ上に示される書かれたものやパターンを観察する。したがって、電子ペーパの現在の用途はすべて、読み取りや閲覧の容易さだけのために電子ペーパの特性を用いることを対象としている。
【0031】
本発明の態様は、電子ペーパ技術の新しい用途を提供する、方法及びシステムを対象としている。
【0032】
本発明の態様は、電子ペーパの表面又は媒体から反射したり、電子ペーパの表面又は媒体を通って拡散したりする光を利用する方法及びシステムを対象とする。
【0033】
本発明の態様は、照明器具からの光を制御するために電子ペーパの動的に制御可能な反射特性を利用する方法及びシステムを含む。本発明の一態様では、照明器具からの光を反射するために使用されている電子ペーパに、所望のパターンが書き込まれ、このパターンは、電気的な制御が可能であり、照明要件の変化に応じて動的に修正されることが可能である。
【0034】
本発明の態様は、空間内の反射光を制御することによって、空間内の照明を制御するために、電子ペーパの反射特性を利用し、電子ペーパを照明デザインに利用する方法及びシステムを提供する。電子ペーパの反射特性が容易に修正可能であることは、デザイナがデザイン作業中に様々な効果を素早く簡単に実験することを可能にする。本発明の態様は更に、空間内の照明に用いられる光を制御するために、電子ペーパ媒体の透光性が制御可能であることを利用する。
【0035】
図1は、空間の照明に対する反射光の寄与を示す。
【0036】
図1では、照明器具又は自然光源からの光100が部屋に入る。光100は、第1の面110によって反射され、第1の反射光120をもたらす。第1の反射光120は、その後、第2の面130から反射され、第2の反射光140をもたらす。光100及び光の反射のいずれもが、室内に存在する壁、家具、人、及び、他の面で更に反射する可能性がある。したがって、最終的に室内の空間を照らす光は、第1の光100及び光の反射が寄与している。
【0037】
図1は、反射の複雑さと、最終的な光を制御するために、空間内の光の様々な反射を制御する可能性とを示している。
【0038】
図2Aは、本発明の態様による、電子ペーパを用いて、空間の照明に使用される光を制御するシステム2000を示す。
【0039】
システム2000は、光源2001、バッフル2004、及び、反射板2006を含む。反射板2006は、光源2001に対して、光源2001からの光を直接又は間接的に受けるように位置されている。システム2000は、空間2009を照らすために使用されている。
【0040】
また、システム2000は、反射板2006に対して示されている電源2100、コントローラ2200、書き込みソース2300、及び、光センサ2400を更に含むことが可能である。
【0041】
光源2001は、光を発するために使用される。実施形態によっては、光源2001は、ほぼ一定の強度の光を発する。また、他の実施形態では、光の強度は、光源2001において変動してもよい。言い換えると、光源は、調光可能であってもよい。光源2001は、1つの周波数の光、又は、複数の周波数を組み合わせた光を発してもよい。
【0042】
バッフル2004は、光源2001と、システム2000によって照らされるべき空間2009との間に位置している。本発明の一態様では、バッフル2004は、光源2001に対して、光源2001からの光が空間2009へ直接入るのを妨げるように位置されている。したがって、空間2009内のあらゆる光は、光源2001からの間接光による光か、空間2009内の他の光源による光となる。
【0043】
「バッフル」の定義の1つは、流体又はエネルギーの流れを制御したり方向づけたりする、平らな板である。以下の記述における「バッフル」という用語は、照明業界で使用されている従来のバッフルを意味するととともに、照明器具からの光のすべて又は一部を妨げる、照明器具の一部分を意味する。
【0044】
本発明の一態様では、バッフル2004は、完全に省略されることが可能である。あるいは、空間2009内の光が、部分的に光源2001からの直接光によってもたらされ、部分的に光源2001からの間接光によってもたらされるように、光源2001を位置させることが可能である。
【0045】
本発明の一態様では、バッフル2004の位置及び光拡散特性は、空間2009を照らすために用いられ、光源2001からの直接光及び間接光の比率を修正するために制御可能であってよい。
【0046】
図2Aでは、バッフル2004は、平面として示されている。しかしながら、バッフル2004は、半球状、半円筒状、円錐又は角錐の形状であってよく、光源2001の一部分を除くすべてを囲む面であってもよい。
【0047】
反射板2006は、光源2001に対向して位置されている。反射板2006に入射した光は、反射板2006から、反射光2008として反射される。本発明の一態様では、反射板2006に入射した光は、主として、光源2001から放射された光である。本発明の一態様では、反射板2006に入射した光は、光源2001からの直接光と光源2001からの間接光との組み合わせである。本発明の一態様では、反射板2006に入射した光は、光源2001からの直接光及び/又は間接光と、他の光源からの光と、の組み合わせである。
【0048】
反射板2006は、個々の用途に応じて適合するように、特定の形状に形成されてよい。一態様では、反射板2006は、システム2000内でその形状を維持するために、剛体に取り付けられてよい。図2Cでは、反射板2006は、半円筒面として示されている。しかしながら、反射板2006は、半球状であってよく、円錐又は角錐の形状であってよく、単純に平面であってもよい。
【0049】
一態様では、反射板2006は、柔軟な状態で維持されてよく、反射板2006の形状は、個々の用途に応じて操作されてもよい。反射板2006の形状を変化させると、入射角及び反射板2006からの反射角が変化し、反射光の方向が変化する。
【0050】
反射板2006は、反射性媒体又は反射面だけで形成されてもよい。反射板は、フレームに取り付けられた反射性媒体から形成されてもよい。この代替では、フレームは、剛体であっても柔軟であってもよい。反射板2006の形状又はフレームは、機械的に制御されることが可能であってもよい。
【0051】
光源2001は、蛍光光源、白熱光源、発光ダイオード(LED)、又は、他の任意の可視光を発することが可能な光源であってよい。
【0052】
バッフル2004は、光吸収性材料、又は反射性材料、又は、半反射性材料によって形成されてもよい。バッフル2004は、光を拡散する又は調節する透光性材料によって形成されてよい。制御可能な透光性を有する透光性バッフルを含む本発明の一態様を、図2Bに示して説明する。
【0053】
反射板2006は、様々に異なった種類の電子ペーパから形成される。多くの種類の電子ペーパは、柔軟である。したがって、反射板2006は、硬いフレームに取り付けられない限り、柔軟であることが可能である。反射板2006の形状を変化させることにより、入射角、及び、反射角を修正することが可能であり、動的又は静的に制御することが可能である。例えば、くしゃくしゃにされた電子ペーパの反射性媒体が使用された場合、単一方向から入射した光は、様々な方向に反射され、拡散効果が得られる。
【0054】
様々なパターン及び色を維持するように、電子ペーパを制御することが可能である。更に、電子ペーパの反射度を、約0%から約90%又はそれ以上までの範囲で制御することも可能である。約0%の反射度では、電子ペーパは、すべての入射光を吸収する、黒い表面のように動作する。反射度が高い場合、電子ペーパは、入射光のほとんどを反射する鏡のように動作する。電子ペーパの色及びパターンは、反射光に影響を及ぼす。反射光の方向、相対強度、色、及び、パターンは、すべて、反射板2006に使用されている電子ペーパを制御することによって、制御されることが可能である。
【0055】
電子ペーパの制御は、電子ペーパに色又はパターンを書き込むことによって、又は、電子ペーパの反射度を制御するために白及び黒の所望の組み合わせを電子ペーパに書き込むことによって、可能である。電源2100は、電子ペーパをオンにして、電子ペーパの書き込み準備を整えるために、用いられてもよい。電源2100は、光源2001にも接続されてもよい。代替として、光源2001は、別の電源を有してもよい。コントローラ2200は、電子ペーパへの書き込みに使用される書き込みソース2300を制御するために、使用される。電子ペーパのタイプによって、電子ペーパへの書き込みは、電子ペーパを照らす光源を用いて行われる。光センサ2400は、空間2009内の光を感知し、感知した光をコントローラに報告するために、用いられてもよい。
【0056】
更に、バッフル2004は、制御可能な透光性を有する電子ペーパから形成されてもよい。バッフルの透光性を制御し、照明を制御することについては、図2Bを参照しながら詳述する。
【0057】
図2Cを参照して後述されるように、反射板2006で使用されている電子ペーパを制御し、反射板2006から反射され空間2009に与えられる光を制御することが可能である。図2Cに示された態様では、反射板及びバッフルの一方又は両方が、電子ペーパから作成されてもよく、反射能及び透光性は、制御可能であってもよい。
【0058】
図2Bは、本発明の態様による、照明器具からの光を制御するための、電子ペーパの透光性の例示的応用を示す。
【0059】
いくつかのタイプの電子ペーパの透光性は、制御可能であり、照明器具によって与えられる光、又は、建築空間に取り込まれる光を制御することに利用されてもよい。図2Bは、図2Aに示されたシステムの変形であり、図2Bでは、光を制御するために、電子ペーパ媒体の透光特性及び放射特性の制御が行われている。図2Bのシステムは、光源21001及び電子ペーパバッフル21004を含んでおり、更に、反射板21006を含んでもよい。このシステムは、更に、電源21100、コントローラ21200、及び、光センサ21400を含んでもよい。光源21001は、光を発するために使用される。電子ペーパバッフル21004は、光源21001からの光が、照らされるべき空間へ直接入るのを防ぐように、光源21001と空間との間に位置している。電子ペーパバッフル21004は、電子ペーパバッフル21004を形成している電子ペーパ媒体の透光性が制御可能となるように、コントローラ21200と結合されている。本発明の一態様では、空間を照らすために使用される光源21001からの光を修正するために、バッフル21004の光拡散特性が制御可能である。電子ペーパは柔軟なので、電子ペーパバッフル21004の形状も制御可能である。
【0060】
図2Cは、本発明の態様による、電子ペーパを使用して、調光、光の色、パターン、又は、方向を変化させるための、いくつかの設定又はシステムを示す。
【0061】
図2Cは、設定200、220、240、及び、260を含む。図2Aのシステム2000の様々な設定は、設定200、220、240、及び、260として示されることが可能である。代替として、図示された設定は、別々のシステム、すなわち、別々の照明器具であってよい。したがって、200、220、240、及び、260は、図2A又は図2Bのシステム2000の設定であってもよく、別の独立したシステムの設定であってもよい。
【0062】
システム200は、光源201、バッフル204、及び、反射板206を含む。反射板206は、光源201に対して、光源201からの光を直接又は間接的に受けるように位置している。システム200は、空間210を照らすために用いられる。システム200では、反射板206は、反射板206に入射した光の大部分を、色を変化させることなく反射するように選択されている。例えば、光源201から放射されて反射板206に入射する光の90%が、反射板206によって、空間210に向けて反射されてもよい。
【0063】
システム220は、光源221と、バッフル224と、反射板226と、反射板226から反射されて空間230を照らす反射光228と、を含む。システム220では、反射板226は、反射板226に入射した光の何割かを、色を変化させることなく反射するように選択されている。例えば、光源221から放射され、反射板226に入射する光の50%が、反射板226によって、空間230に向けて反射されてもよい。
【0064】
システム240は、光源241と、バッフル244と、反射板246と、反射板246から反射されて空間250を照らす反射光248と、を含む。システム240では、反射板246は、反射板246に入射した光の何割かを反射するように、選択されている。例えば、光源241から放射されて反射板246に入射する光の50%が、反射板246によって、空間250に向けて反射されてもよい。システム240では、反射板246は、光源241からの白色光を受けるが、反射光248が青色となるように、入射光のうちの青色のみを反射する。青色は一例である。反射板246は、入射光のうちの特定の1つ以上の周波数のみを反射するように制御又は事前設定されてもよい。反射される周波数の組み合わせによって、反射光248の色が決定される。
【0065】
システム260は、光源261と、バッフル264と、反射板266と、反射板266から反射されて空間270を照らす反射光268と、を含む。システム260では、反射板266は、反射板266に入射した光をすべて吸収するように、選択されている。光源261から放射されて反射板266に入射した光の0%が反射された場合、空間250は反射板266から光を受けず、光源261からの直接光が他の方法によってこの空間で利用可能でない限り、あるいは、他の何らかの光源が光を供給しない限り、空間250は、暗いままである。
【0066】
システム200、220、240、及び、260は、あらかじめ構成された、別々のシステムであってよい。
【0067】
所望の照明に応じて、上述のシステムと同様に動作するように、システム2000が制御されてもよい。動的に制御可能なシステム2000では、空間2009内の照明の強度、色、パターン、及び、方向を変化させるために、反射板2006の反射能特性を、動的に制御及び修正する。
【0068】
上述のシステム200、220、240、及び、260、又は、動的に制御可能なシステム2000の一態様では、光源は、放射源ではなく、別の物体から反射された光を含む。
【0069】
システム200、220、240、及び、260は、反射度、色、パターン、及び、反射板の角度を含む反射能を設定し、反射光の強度、色、パターン、及び、方向を決定するために使用される。動的に制御可能なシステム2000は、反射光の強度、色、パターン、及び、反射方向を動的に変化させ、制御するために使用される。
【0070】
システム200、220、240、及び、260が使用されようと、動的に制御可能なシステム2000が使用されようと、照明器具の反射性媒体を変更することは、従来の照明器具に比べると容易である。いずれのタイプでも、光源自体を操作することを必要とせずに、照明器具からの光を調光したり、色変更したりすることが可能である。いずれのタイプでも、他の方法であれば、かつ、電子ペーパを使用しない場合には、反射能が固定の面から反射された日光(sunlight)を調光したり、色変更したりすることが可能である。
【0071】
更に、図2Cのバッフルは、図2Aに示された配置(set up)と同様に、光源からの直接光のみをブロックするように示されている。しかしながら、バッフルは、図2Bの配置と同様であってもよく、その場合、反射面から反射された光のほぼすべてが電子ペーパバッフルを通り、照明器具によって与えられる光を制御するために、バッフルの透光性が制御される。
【0072】
本発明の実施形態の照明器具において電子ペーパを反射性媒体として使用することは、調光器、グローブ、タイプなどによる光源自体に対して、従来の制御に加えて、光を反射する面を制御する柔軟性を、照明デザイナに提供する。
【0073】
例えば、蛍光ランプでは、信頼のおける調光(dimmed)が不可能であり、現場での色変更が困難である。また、タングステンハロゲン球は、狭い電圧範囲においてのみピーク効率で動作する。放射される光の制御が容易ではない光源の場合、電子ペーパの反射性媒体は、低コストで光制御を強化することを可能にする。
【0074】
図3は、本発明の態様による、電子ペーパを用いて、照明器具における反射光の強度、色、パターン、又は、方向を変化させる、又は、照明器具の他の照明特性を変化させる方法のフローチャートを示す。
【0075】
本方法は、310から始まる。次に、320で、照らされるべき空間における既存の照明が決定される。次に、330で、照らされるべき空間における所望の照明が、決定される。次に、340で、現在の照明及び所望の照明に応じて、電子ペーパの照明特性が、調節される。次に、350で、光源からの光が、電子ペーパに照らされる。次に、360で、照明特性が制御されている電子ペーパ媒体から反射した光、又は、電子ペーパ媒体を通過した光を含む光で、空間が照らされる。本方法は、370で終了する。
【0076】
320では、本方法は、空間内の既存の照明を決定されると、照明の強度が決定されてもよい。また、既存の照明の色が決定されてもよい。
【0077】
一態様では、320で空間内の現在の照明の特性を決定する代わりに、照明器具で使用されている光源の特性を決定してもよい。その場合、光源の特性、及び、所望の照明に応じて、電子ペーパの反射能特性が調節される。
【0078】
本方法では、照明器具で使用されている光源の特性が決定されると、光源から放射された光の強度が決定されてもよい。放射される光の色が決定されてもよい。光源によっては、放射光の周波数が、光源が古くなるにつれてシフトする。放射される光の1つ以上の周波数が決定されてもよい。放射される光は、光源において、調光可能であってもなくてもよい。光源において光を調光する機能が決定されてもよい。
【0079】
330では、照明器具によって照らされるべき空間における光の所望の特性を決定した場合、その空間の照明のために必要な光の強度、色、及び、パターンのうちの1つ、又はいくつか、又は、すべてが決定される。空間は、生活空間、写真撮影のセット、映画の舞台(film stage)などであってよい。空間は、いくらかの自然光又は他の光源からの光を受けていてよい。空間内の光の特性、及び、照明器具によって与えられるべき光の寄与を決定する場合は、様々なパラメータが考慮に入れられてもよい。
【0080】
340では、既存の照明の特性及び所望の照明の特性が決定されることによって得られたパラメータを使用し、照明器具で使用されている、又は、照明器具との組み合わせで使用される、電子ペーパ反射性媒体又は電子ペーパバッフルの透光度、反射度、色、パターン、又は方向のうちのいくつか又はすべてが、調節及び設定される。これは、電子ペーパ反射性媒体によって反射される光、又は、電子ペーパバッフルを通り抜ける光、を調整するフィードバックループのように動作されてもよい。既存の照明は、電子ペーパ媒体の透光性及び反射能のパラメータを調節して、所望の照明に到達するために、フィードバックされる。
【0081】
代替として、340では、光源の特性が決定された場合、既存の照明の特性の有無に関わらず、光源の特性、及び、所望の照明の特性が、反射能パラメータを調節及び設定するために用いられてもよい。
【0082】
照明器具の特性を用いる場合、照らされるべき空間における所望の照明を定義するパラメータ、及び、照明器具を定義するパラメータが決定されれば、電子ペーパ反射性媒体の反射能を定義するパラメータが決定されてもよい。電子ペーパに入射する光のエネルギー又は電力に対する、電子ペーパから反射される光のエネルギー又は電力の比、電子ペーパからの反射光の色、反射光のパターン、及び、反射光の方向が、決定されてもよい。電子ペーパの反射能パラメータを決定する場合、すべての光源からの光の寄与が考慮される。透光性電子ペーパバッフルが使用される場合、電子ペーパ媒体の透光特性のような、電子ペーパ媒体の他の照明特性が決定されてもよい。
【0083】
例えば、光源が古くなったために放射光の色が変化した場合、電子ペーパの色を調節して、光源の色周波数がシフト補正される。また、320で、光源が調光不可能である場合は、340において、より多く又はより少なく、白又は黒を電子ペーパに書き込むことによって、電子ペーパの反射能を調節し、最終的に空間を照らす光を調光することができる。
【0084】
350では、光源からの光で、電子ペーパ反射板を、直接又は間接的に照らすことが可能である。光源からの直接光と、直接光の1つ以上の反射との組み合わせで、電子ペーパに照らされてもよい。電子ペーパバッフルがある場合、光源からの光と、反射性媒体から反射された光との組み合わせが、可変かつ制御可能な透光性を有する電子ペーパを、通り抜けてもよい。
【0085】
360では、空間を照らすために用いられる光は、電子ペーパから反射された光のみに限られてもよく、あるいは、反射光と、他の、照明器具内の光源からの直接光又は間接光との両方を含んでもよい。照明器具は、電子ペーパ反射性媒体に向けられた光以外の、光源からのすべての光を防ぐような照明器具であってもよい。光源と照らされるべき空間との相対的な位置関係は、電子ペーパから反射された光だけがその空間に到達するような位置関係であってもよい。
【0086】
更に、複数の電子ペーパ面又は媒体が様々な目的で使用されている場合、それぞれの電子ペーパ面又は媒体の関連の特性が決定される。例えば、光源と照らされている空間との間に位置している電子ペーパ反射面の反射能特性と、同じく位置している電子ペーパバッフルの透光特性とが、決定及び制御される。
【0087】
図3のフローチャートの各ステップは、オペレータによって手動で決定及び実行さてもよく、適切な計器装備を用いて自動的に決定及び実行されてもよい。センサを用いて、光の特性が決定されてもよい。コンピュータプログラムを用いて、電子ペーパ反射性媒体の所望の角度及び他の反射特性が決定されてもよい。電子回路及び機械式モータが、電子ペーパの反射度、色、パターン、及び、角度の設定に用いられてもよい。
【0088】
図4は、本発明の態様による反射性電子ペーパ面を含む、プロ仕様のソフトライトシステム(soft light system)を示す。
【0089】
図4のシステムは、光源401、ライトカバー又はバッフル404、及び、反射板406を含む。光源401は、カバー404内の凹みに収められた埋設光源であってよい。光源401からの光は、一部がカバー404によってブロックされ、一部が反射板406に向けられている。反射板406は、様々な種類の電子ペーパのうちの1つから形成される。反射光の強度、ならびに反射光の色及びパターンは、電子ペーパ反射板406を制御することにより、制御されてもよい。反射板406の角度を変化させて、反射光の方向が制御されてもよい。反射板は、単一方向から入射した光を同時に複数の異なる方向に反射するために、様々な形状に変形されてもよい。反射板406の反射度、色、パターン、及び、角度を変化させることは、用途間で静的に行われるか、各用途において動的に行われてもよい。
【0090】
図5は、それぞれが本発明の態様による反射性電子ペーパ面を含むバウンス配置システム(bouce set up system)を示す。
【0091】
図5は、バウンス配置システム500及び550を含む。バウンス配置システム500は、光源501及び反射板506を含む。反射板506は、電子ペーパ反射性媒体を含む。光源501からの光は、電子ペーパ反射板506を照らし、その後、反射光508として反射される。入射光に対する反射光の比率、反射光508の色及びパターン、ならびに反射光の方向は、電子ペーパ反射板506を制御することにより、制御されてもよい。
【0092】
バウンス配置550は、光源502、バッフル507、及び、反射板509を含む。反射板509は、電子ペーパ反射性媒体を含む。反射光510の強度、色、パターン、及び、方向は、電子ペーパ反射板509を制御することによって、静的又は動的に制御されてもよい。
【0093】
配置500では、反射板506は、平面として示されており、配置550では、反射板509は、曲面として示されている。しかしながら、反射板506、509の両方が柔軟な電子ペーパを反射性媒体として使用されていることを考慮すると、反射板の形状は、制御されてもよい。電子ペーパに硬いフレームが使用されている場合、反射板は、そのフレームの形状をとり、その形状を維持する。フレームが使用されないか、柔軟なフレームが使用されている場合は、反射板は、動作中も柔軟なままである。
【0094】
図6は、本発明の態様による反射性電子ペーパ面を含む、プロ仕様のタングステンオープンフェイスランプシステム(professional Tungsten open face lamp system)を示す。
【0095】
図6のシステムは、光源601、バッフル604、及び、反射板606を含む。反射板606は、電子ペーパ面を含む。光源601は、反射板606及びバッフル604に対して、光源601からの直接光と反射板606から反射された光とが結合されて一緒に、照らされるべき空間の照明に寄与するように、位置されている。反射光からの寄与は、電子ペーパ反射板を制御することにより、制御されてもよい。
【0096】
図7は、本発明の態様による反射性電子ペーパ面を含む、ハイドロポニックスペシャルティCFL器具システム(hydroponic specialty CLF fixture system)を示す。
【0097】
図7のシステムは、光源701、ハウジング又はフレーム704、及び、反射板706を含む。照明器具のハウジング又はフレーム704は、バッフルと同様に、特定の方向の光源からの光をブロックするように動作する。反射板706は、電子ペーパ反射性媒体を含む。光源701からの直接光と、電子ペーパ反射性媒体から反射された光との両方が、照明に用いられる光に寄与する。照明全体のうちの、反射板706が寄与する部分は、反射板706に使用されている電子ペーパの特性を制御することにより、制御されてもよい。
【0098】
図8は、本発明の態様による反射性電子ペーパ面を含む、蛍光間接シーリングライトシステム(fluorescent indirect ceiling light system)を示す。
【0099】
図8のシステムは、光源801、バッフル804、及び、反射板806を含む。反射板806は、電子ペーパ反射性媒体を含む。バッフル804は、照らされるべき空間に向かって光っている、光源801からの光を妨害する。したがって、照らされるべき空間に向かって光っている光は、主として、反射板806からもたらされる。したがって、反射板806の特性を制御することが、その空間の照明に対する有意な制御になる。
【0100】
図9は、例示的なフォトアドレス可能な電子ペーパを示す。このタイプの電子ペーパは、FXと呼ばれる。FX電子ペーパは、富士ゼロックス株式会社(〒107−0052東京都港区赤坂九丁目7番3号)で開発されたもので、これについては、非特許文献6で説明されている。
【0101】
FXは、フィルム基板902と、第1の透明電極904と、コレステリック液晶マイクロカプセル層906と、有機光導電材料層908と、第2の透明電極910と、フィルム基板912とを含む、フォトアドレス可能な電子ペーパである。カプセル化されたコレステリック液晶層906は、2つの透明電極層904、910に挟まれている。電極904、910に電圧が印加されると、フォトアドレス可能な有機層908の導電率が光に反応して変化する。電子ペーパの照射された領域が導電性となるため、接している液晶906は、別の安定した形状に変化し、電圧が除去されたときにその照射領域が固定される。一構成では、液晶は光を反射するため、電子ペーパは白色に見える。別の構成では、液晶は透明であるため、その層の下にあるものがすべて見える。FXの白黒電子ペーパ技術では、すべての黒色層が液晶層906の下に配置されるため、液晶が透明である部分が黒く見える。FXのフォトアドレス可能な電子ペーパは、異なる色を反射し、異なる電圧レベルでアクティブになる3つの層をスタックすることによって、複数の色をサポートしている。FXは、2つのタイプのフォトアドレス可能な電子ペーパを有する。1つは、前方から書き込まれ、もう1つは、後方から書き込まれる。
【0102】
本発明の一態様では、光源及び電子ペーパ反射面の両方が、同じ電源に接続され、かつ、光と反射性媒体の両方を制御するインターフェースに接続される。このインターフェースは、スイッチであってもよい。このインターフェースは、ユーザが、面の反射特性を変化させること、ならびに、光をオン/オフしたり調光したりすることを可能にする。所望のパターンを電子ペーパ上に作成するために、電子ペーパへの書き込みに用いられる光フィルタが修正されてもよい。代替として、電子ペーパへの書き込みにバックライトが用いられてもよい。
【0103】
本発明の一態様は、フォトアドレス可能な電子ペーパを用いて実装される。電子ペーパ反射面は、電圧源と、その電圧を印加するためのスイッチとに接続されることが必要であるが、書き込みは、光源自体からの光によってなされることが可能である。例えば、反射面を暗くするために、電圧が印加されている間に光をオフにすることが可能であり、媒体の反射率を高くするために、電圧が印加されている一瞬の間に最大限の明るさの設定で光を当てることが可能である。フォトアドレス可能な電子ペーパは、入射光の量に応じてコントラストが変化するが、それは、適切な電圧が印加されているときだけである。電子ペーパの様々な領域を強い照射や弱い照射にさらすことによって、画像を取り込むことが可能であり、これは、従来の感光乳剤による写真画像のプリントと同様である。この媒体への「プリント」は、可変照度の照射源と電圧源との両方を必要とする。
【0104】
別の実施形態では、本発明は、後でユーザが見る、電子ペーパの前面に光を当てることによって書き込みが行われる、特定の様々な電子ペーパを利用することが可能である。他の実施形態では、後方から光を当てるように設計された、他の様々な電子ペーパを利用することが可能である。更に別の様々な電子ペーパもあり、それらは、後方から光を受けるのではなく、基板グリッドからの荷電に応じて色又は不透明度が変化する、フィルム粒子に似た微粒子を含む。別の独自開発タイプの電子ペーパとして、E−INK Corporation(733 Concord Avenue、Cambridge、MA 02138)で開発された電子インク(Electronic ink)があり、これは、フィルム状に処理されて電子ディスプレイに組み込まれる。このタイプの電子ペーパは、電子インク電子ペーパ(E−Ink ePaper)と呼ばれる。電子インク電子ペーパは、何百万個ものマイクロカプセルを含む。一例では、各マイクロカプセルは、透明な液体中を浮遊する、正に帯電した白色粒子と、負に帯電した黒色粒子とを収容している。負の電界が印加されると、白色粒子がマイクロカプセルの上部に移動して、それらがユーザから見えるようになる。これにより、面のその部分が白く見える。同時に、逆の電界が黒色粒子をマイクロカプセルの下部に引き込み、それらはそこで隠される。このプロセスを逆にすると、黒色粒子がカプセルの上部に現れ、面のそのスポットが暗く見える。電子インク電子ディスプレイを形成するには、このインクをプラスチックフィルムのシートの上にプリントし、そのシートを積層して回路の層にする。この回路は、画素のパターンを形成し、この画素のパターンはディスプレイドライバによって制御されることが可能である。これらのマイクロカプセルは、液体キャリア媒体中に浮遊しているので、既存のスクリーン印刷プロセスにより、ガラス、プラスチック、布地から紙に至るまで、ほとんどあらゆる面に印刷されることが可能である。
【0105】
本発明の実施形態における反射性媒体として、FX電子ペーパ又は別のタイプの電子ペーパを用いることにより、材料の内外を入れ替えることを必要とせずに、照明に用いられる反射性媒体を素早く、かつ、適応的に変化させることが可能である。本発明の実施形態は、電子ペーパの修正可能な反射特性を用いて、照明を迅速に調節する。更に、本発明の電子ペーパの実施形態を使用すると、他の公知のメカニズムでサポートされているより精細な制御が可能になる。
【0106】
本発明の実施形態を利用することにより、照明器具からの光を調光することが可能であり、その色が制御されてもよい。電子ペーパ反射板は、電気的に調光される場合、調光範囲全体にわたって色が変化する白熱光源を含む光源に対する制御、調光不可能であって、グローブの寿命にわたって変化する様々な色温度を有する蛍光器具に対する制御、ならびに、様々なランプを含む家庭用光源に対する制御を可能にする。
【0107】
写真家や映画及びビデオのプロフェッショナルらは、反射性電子ペーパ照明面に対する、洗練された潜在的ユーザである。これらのプロフェッショナルらは、使用する光源の強度、スペクトル、及び、色温度の精細な制御を必要とする。典型的なプロ仕様の照明キットは、フレネルレンズライト、オープンフェイスランプ、及び、様々な蛍光ランプ、HMI(Hydrargyrum Medium Arc−length Iodide)ランプ、セラミックグローブなどを含む。ランプが取り付けられる照明器具は、照明器具によって与えられる光の特性において重要な役割を果たす。ランプレンズ及び照明器具の反射面の両方が、照明器具によって与えられる光に影響を及ぼす。レンズに関しては、レンズのタイプ又はレンズがないことが、照明器具によって与えられる光に影響を及ぼす。反射面に関しては、照明器具の反射面によって生成される強度及び色スペクトルが、照明器具によって与えられる光に影響を及ぼす。
【0108】
本発明の一態様は、オフィス環境において(例えば、会議室の照明のために)電子ペーパを使用する方法を提供する。多くの会議室は、室内の様々な照明構成のための多くの設定と、それらの中から選択するためのインターフェースとを有する。そのような会議室の照明器具に電子ペーパ反射性媒体を用いると、用途ごとに別々の光源を使用することを必要とせずに、会議室の照明に対する精細なレベルの制御が可能になる。
【0109】
本発明の一態様では、パターン及び色のルックアップテーブルが提供されてもよく、ユーザによって選択された所望のパターンが、その後、電子ペーパに書き込まれる。
【0110】
本発明の一態様は、ハイエンドの民生用ランプで使用される方法を提供する。これらのランプは、1つ以上の電子ペーパ反射面が設けられることが可能であり、電子ペーパの修正可能な特性を利用して、光を柔らかくしたり明るくしたり、色を変化させたりすることが可能な、調節可能な反射面が提供されてもよい。光の色が、例えば、青色がかった色から桃色がかった色に変化してもよい。更に、電子ペーパの反射特性による照明の調節は、広い範囲の特殊な用途(例えば、水族館の照明、潜水艦や夜間戦闘用ヘリコプタにおける軍事用途、水耕農業など)において有用であってもよい。
【0111】
本発明の一態様は、光源の経年劣化を補償する。光源によっては、放射光の周波数が、光源が古くなるにつれてシフトする。周波数は色を決定し、周波数のシフトは、光源からの放射光の色を変化させる。放射光の周波数は、所望の放射周波数に対して、決定及び比較されてもよい。光源との組み合わせで使用される電子ペーパ反射面の反射能が、フィードバック計測によって調節されてもよい。反射光は、光源から発生した入射光の周波数が、別の光源の周波数により近いようにシフトした光であってもよい。光源からの直接光が空間を照らすのを妨害するためにバッフルが用いられている場合、空間を照らすために用いられる光は、実質的に、周波数が補正された反射光である。
【0112】
本発明の一態様は、電子ペーパ反射面によるグロスシェードシフト(gross shade shift)又は単純な色シフトを含む。グロスシェードシフトは、シェードを、黒色から灰色を経て白色に変化させることを含む。単純な色シフトは、例えば、色を真っ赤から黄色や緑色にシフトすることを含む。照明器具又は他の光を強化する応用において、放射光を調光及び色シフトするために、電子ペーパが反射性媒体として用いられてもよい。
【0113】
ここまで、照明器具における電子ペーパ反射特性の利用について説明した。電子ペーパは、シェード値又は色値を設定するためには、一時的であれ永続的であれ、電源を必要とする。照明器具での使用の場合、照明器具の光源と電子ペーパ反射性媒体との両方にエネルギーを供給するために、同じ電源が使用されてもよい。代替として、電子ペーパは、独自電源を有してもよい。
【0114】
本発明の代替態様では、空間内の光全体を制御するために、壁及び空間内の他の面が電子ペーパで覆われてもよい。本発明の態様は、反射性媒体の反射特性を変化させて、より様々な照明構成を実現することが可能である。
【0115】
図10は、本発明の態様による、建築空間内の光を制御する、電子ペーパの一応用を示す。
【0116】
図10では、自然光1000が建築空間1002内を照らし、壁1200、及び、家具1400、1500、1600の表面に、直接到達しているか、別の表面から反射されて到達している。自然光1000は、照明器具からの人工光1100によって増強されてもよい。空間1002の壁及び家具の表面の一部又はすべてが、電子ペーパ反射性材料で覆われるか、電子ペーパ反射性材料を含んでもよい。したがって、これらの面からの反射能を、各面を覆う電子ペーパを制御することによって、制御されてもよい。光全体に対する反射光の割合が大きい場合は、反射光の量を変化させることが、室内の照明に影響を及ぼす。
【0117】
建築空間が自然光で照らされている場合は、そのような空間における電子ペーパの反射特性を調節及び制御することにより、その空間の自然光利用の方法を改善することができる。電子ペーパ反射面は、太陽光がピークの間は制限的な反射板として動作してもよく、太陽光が弱まるにつれて、反射度が上げられる。電子ペーパ壁紙の反射能は、ユーザによる調節が可能である。更に、制御は、光センサからのフィードバック、又は、位置から時刻を決定するルックアップテーブル又はGPSシステムからの時刻のフィードバックを用いて自動的に行われてもよい。
【0118】
この、本発明の態様は、建築家が、様々な照明効果を実験して、新規な空間照明を創造する方法を提供する。この新規な照明方法では、空間から外の視界をさえぎるシェードを含めることを必要とせず、人工光及び自然光の両方が修正可能である。
【0119】
電子ペーパ光反射板は、多数のシートの形で、複数の光レベルにさらされていて反射光の強度が制御されることが望ましい壁又は他の面のための、トーン又は色が可変である反射性媒体として使用されてもよい。例えば、美術品や家具のような物品が太陽光の反射によって有害な放射線にさらされる状況である。反射光の強度が制御されていれば、室内の美術品及び家具が、有害な日光から、保護されることが可能である。空間内の光全体に対する反射光の寄与は、大きい可能性がある。したがって、一日の経過とともに日光が変化するにつれて、室内の光の総量を調節するために、反射性壁紙の反射能を変化させてもよい。
【0120】
本発明の一態様では、遊園地で、ユーザのフィードバックに従って空間内の照明を制御するために、電子ペーパ反射面が使用されてもよい。
【0121】
本発明の一態様では、会議室の照明に使用される照明器具に電子ペーパ反射性媒体を備え付けられてもよい。光源から放射される光と、電子ペーパ反射性媒体の反射能との両方を制御し、最終的に室内の照明を制御するために、同じスイッチが用いられてもよい。
【0122】
媒体の照明特性は、媒体の反射能及び透光性、ならびに他の特性を含む。
【0123】
光学では、反射能は、入射光のうちの、表面によって反射された割合である。反射能は、反射方向、入射方向、及び、入射波長の関数である方向特性である。更に、場合によっては、反射能は、反射半球の全体にわたって平均される。更に、文献によっては、反射能は、反射率と区別される。反射が材料の薄層から発生する場合、内部反射効果により、反射率は、表面の厚さに応じて変化する可能性がある。反射能は、表面が厚くなったときの反射率の限界値として定義される。したがって、反射能は、背面の反射率のような他のパラメータに依存しない、表面の固有の反射率である。反射率は、入射光に対する、反射性媒体から反射された光のエネルギー比である。
【0124】
ここまでの記述では、「反射能」という用語は、反射光の強度を決定する、媒体の反射度、反射光の周波数、反射光のパターン、及び、反射光の方向を決定する、反射性媒体の角度を含む、反射性媒体の様々な特性を示すために用いられている。
【0125】
「反射度」は、反射性媒体への入射光のエネルギー又は電力に対する、反射性媒体からの反射光のエネルギー又は電力の比を示すために用いられている。「強度」という用語は、反射度と同様に、エネルギー又は電力の尺度として用いられている。反射度及び強度は、電力又はエネルギーの尺度として用いられている。これらの尺度は、必要に応じて、単位面積当たりであってよく、広い面積にわたって平均されてもよい。本発明のいくつかの態様では、時間平均された応用が望ましく、エネルギーがより適切な尺度である。本発明の他の態様では、時間とともに変化する照明応用が望ましく、電力が、より適切な尺度でありうる。光が、時間とともに変化することが意図されている場合、何らかの時間平均が適切である場合もある。したがって、本発明の態様では、反射能が時間とともに変化する場合には、反射度及び強度は、電力の尺度であり、ほぼ安定した反射能が利用される場合には、それらはエネルギーの尺度である。更に、反射度及び強度は、それぞれ、任意の表面の単位面積あたりの電力又はエネルギー、あるいは、任意の表面全体にわたって平均された電力又はエネルギーを示すことが可能である。反射度及び強度は、両方とも、相対的な意味で用いられる。例えば、一方が、電力として、ある基準面の単位面積当たりで測定された場合、他方も、同じ基準面に対して同じ単位で測定されなければならない、というように用いられる。あるいは、一方がエネルギーとして測定され、基準面全体にわたって平均された場合、他方も同じ基準面に対して同じ単位でなければならない。基準面は、反射板の表面であることが多い。
【0126】
反射光の周波数は、それらが可視範囲内にある場合、反射光の「色」を決定する。光は、可視光、又は、可視光の周波数より低いか高い周波数の光を有する場合がある。
【0127】
反射光の「パターン」は、反射性媒体の様々な部分から反射された光の強度及び色の変動を示す。
【0128】
反射光の方向は、反射面に対する入射光の入射角によって決まる。硬い反射面が入射光線に対して回転している場合、あるいは、表面又は媒体の全体が回転しているわけではなく、入射光線の入射箇所又は入射点が入射光線に対して回転しているように、柔軟な反射面が変形している場合には、反射光の方向が変化する可能性がある。
【0129】
前述の例示的実施形態は、可視光の文脈で説明されているが、本発明は、可視範囲の下又は上にある周波数又は波長を有する、反射された電磁波を制御することにも適用されてもよい。例えば、暗視に用いられる赤外線波の反射能、半導体プロセスに用いられる紫外線波、高密度媒体を通り抜けるイメージングに用いられるミリ波、又はレーダ波を、適切なタイプの電子ペーパで制御することが可能である。記載された波長、及び、各波長について記載された応用は、例示的である。本発明の実施形態は、電子的に可変な反射能を有する反射性媒体を用いて、電磁波を反射させる方法及びシステムに関する。
【0130】
図11は、本発明の方法論の一実施形態を実装することが可能なコンピュータ/サーバシステム1100の一実施形態を示すブロック図である。システム1100は、コンピュータ/サーバプラットフォーム1101、周辺装置1102、及び、ネットワークリソース1103を含む。
【0131】
コンピュータプラットフォーム1101は、コンピュータプラットフォーム1101の全体にわたって、かつ各種要素間で、情報を伝達するためのデータバス1104又は他の伝達メカニズムと、バス1104と結合され、情報を処理し、他の計算タスク及び制御タスクを実行するプロセッサ1105と、を含んでもよい。コンピュータプラットフォーム1101は更に、バス1104と結合されて、様々な情報と、プロセッサ1105によって実行されるべき命令とを記憶する揮発性記憶装置1106(ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的記憶装置など)を含む。揮発性記憶装置1106は更に、プロセッサ1105によって命令が実行されている間に一時変数又は他の中間情報を記憶することに用いられてもよい。コンピュータプラットフォーム1101は更に、バス1104に結合されて、プロセッサ1105用の静的情報及び命令(基本入出力システム(BIOS)や各種システム構成パラメータなど)を記憶する読み出し専用メモリ(ROM又はEPROM)1107又は他の静的記憶装置を含んでもよい。情報及び命令を記憶するために、永続的記憶装置1108(磁気ディスク、光ディスク、又は固体フラッシュメモリ装置など)が設けられ、バス1104に結合されている。
【0132】
コンピュータプラットフォーム1101は、コンピュータプラットフォーム1101のシステム管理者又はユーザに対して情報を表示するディスプレイ1109(ブラウン管ディスプレイ(CRT)、プラズマディスプレイ、又は液晶ディスプレイ(LCD)など)と、バス1104を介して結合されてもよい。情報及びコマンド選択をプロセッサ1105に伝達するための、英数字キー及び他のキーを含む入力装置1110が、バス1104と結合されている。別のタイプのユーザ入力装置として、カーソル制御装置1111(マウス、トラックボール、又はカーソル方向キーなど)があり、これは、方向情報及びコマンド選択をプロセッサ1105に伝達し、ディスプレイ1109上のカーソルの動きを制御する。この入力装置は、典型的には、2つの軸(第1の軸(例えば、x)及び第2の軸(例えば、y))の形で自由度2を有し、これによって、この装置で平面内の位置を指定することが可能になる。
【0133】
コンピュータプラットフォーム1101に増設又はリムーバブルの記憶容量を与えるために、外部記憶装置1112を、バス1104経由でコンピュータプラットフォーム1101に結合されてもよい。コンピュータシステム1100の実施形態では、他のコンピュータシステムとのデータ交換を容易にするために、外部リムーバブル記憶装置1112が用いられてもよい。
【0134】
本発明は、コンピュータシステム1100を使用して、本明細書に記載の手法を実装することに関連している。一実施形態では、本発明のシステムは、コンピュータプラットフォーム1101のようなマシンに常駐されてもよい。本発明の一実施形態によれば、本明細書に記載の手法は、プロセッサ1105が、揮発性メモリ1106に収容されている1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行することへの応答として、コンピュータシステム1100によって実行される。そのような命令は、別のコンピュータ可読媒体(永続的記憶装置1108など)から揮発性メモリ1106に読み込まれることが可能である。揮発性メモリ1106に収容されている命令のシーケンスが実行されると、プロセッサ1105が、本明細書に記載の処理ステップを実行する。代替の実施形態では、ソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェア命令との組み合わせで、ハードワイヤード回路を用いて、本発明を実装することが可能である。したがって、本発明の実施形態は、ハードウェア回路及びソフトウェアのいかなる特定の組み合わせにも限定されない。
【0135】
本明細書では、「コンピュータ可読媒体」という用語は、命令を、実行のためにプロセッサ1105に供給することに関与する任意の媒体を意味する。コンピュータ可読媒体は、本明細書に記載のいずれかの方法及び/又は手法を実装するための命令を搬送することが可能なマシン可読媒体の一例にすぎない。このようなコンピュータ可読媒体は多くの形状ととることができ、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び、伝達媒体でもよいが、これらに限定されない。不揮発性媒体は、例えば、記憶装置1108のような、光ディスク又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、揮発性記憶装置1106のような動的メモリを含む。伝送媒体としては、同軸ケーブル、銅ワイヤ、光ファイバなどがあり、これらには、データバス1104を構成するワイヤが含まれる。伝送媒体は更に、電波及び赤外線のデータ通信において生成されるような、音波又は光波の形態をとることが可能である。
【0136】
コンピュータ可読媒体の一般的な形状としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、又は他の任意の磁気媒体、CD−ROM、他の任意の光媒体、パンチカード、紙テープ、他の任意の、穴のパターンを有する物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH−EPROM、フラッシュドライブ、メモリカード、他の任意のメモリチップ又はカートリッジ、以下に記載される搬送波、又は他の任意の、コンピュータが読み取ることが可能な媒体がある。
【0137】
1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを、実行のためにプロセッサ1105まで搬送することに、様々な形状のコンピュータ可読媒体が関与してもよい。例えば、命令は、まず、リモートコンピュータから磁気ディスクで搬送されてもよい。代替として、リモートコンピュータがその動的メモリに命令をロードして、その命令が、モデムによる電話線経由で送信されてもよい。コンピュータシステム1100の近くにあるモデムが、そのデータを電話線上で受信し、赤外線送信機を用いて、そのデータを赤外線信号に変換されてもよい。赤外線検出器が、赤外線信号で搬送されたそのデータを受信してもよく、しかるべき回路が、そのデータをデータバス1104上に置かれてもよい。バス1104は、そのデータを揮発性記憶装置1106まで搬送し、プロセッサ1105が揮発性記憶装置1106から命令を取り出して実行する。揮発性メモリ1106によって受け取られた命令は、任意で、プロセッサ1105による実行の前又は後に、永続的記憶装置1108に格納されてもよい。命令は更に、当分野において周知の様々なネットワークデータ通信プロトコルを用いて、インターネット経由でコンピュータプラットフォーム1101にダウンロードされてもよい。
【0138】
コンピュータプラットフォーム1101は更に、データバス1104に結合されたネットワークインターフェースカード1113のような通信インターフェースを含む。通信インターフェース1113は、ローカルネットワーク1115と結合されたネットワークリンク1114に結合される双方向データ通信を提供する。例えば、通信インターフェース1113は、対応するタイプの電話線へのデータ通信接続を提供する統合サービスデジタル網(ISDN)カード又はモデムであってよい。別の例として、通信インターフェース1113は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワークインターフェースカード(LAN NIC)であってよい。無線リンク(周知の802.11a、802.11b、802.11g、Bluetoothなど)をネットワーク実装に用いることも可能である。そのような実装のいずれにおいても、通信インターフェース1113は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号、又は光信号を送受信する。
【0139】
ネットワークリンク1113は、典型的には、1つ以上のネットワークから他のネットワークリソースへのデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク1114は、ローカルネットワーク1115を介して、ホストコンピュータ1116又はネットワーク記憶装置/サーバ1122への接続が提供されてもよい。追加で、又は代替として、ネットワークリンク1114は、ゲートウェイ/ファイアウォール1117を介して、ワイドエリア(グローバル)ネットワーク1118(インターネットなど)に接続されてもよい。したがって、コンピュータプラットフォーム1101は、インターネット1118上の任意の場所にあるネットワークリソース(リモートネットワーク記憶装置/サーバ1119など)にアクセスすることが可能である。一方、コンピュータプラットフォーム1101は、ローカルエリアネットワーク1115上及び/又はインターネット1118上の任意の場所にいるクライアントからアクセスされてもよい。ネットワーククライアント1120及び1121自体も、プラットフォーム1101と同様のコンピュータプラットフォームをベースとして実装されてもよい。
【0140】
ローカルネットワーク1115及びインターネット1118は、両方とも、デジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号、又は光信号を使用する。コンピュータプラットフォーム1101へデジタルデータを搬送したり、コンピュータプラットフォーム1101からデジタルデータを搬送したりする、様々なネットワークを通る信号、ネットワークリンク1115上の信号、及び、通信インターフェース1113を通る信号は、情報を輸送する搬送波の例示的形状である。
【0141】
コンピュータプラットフォーム1101は、インターネット1118、LAN 1115、ネットワークリンク1114、及び、通信インターフェース1113を含む様々なネットワークを介して、メッセージを送信したり、プログラムコードを含むデータを受信したりすることが可能である。インターネットの例では、システム1101は、ネットワークサーバとして動作する場合、クライアント1120及び/又は1121で動作しているアプリケーションプログラムに関して要求されたコード又はデータを、インターネット1118、ゲートウェイ/ファイアウォール1117、ローカルエリアネットワーク1115、及び、通信インターフェース1113を介して送信してもよい。同様に、システム1101は、他のネットワークリソースからコードを受信してもよい。
【0142】
受信されたコードは、受信された時点でプロセッサ1105によって実行されるか、かつ/又は、あとで実行されるために、永続的記憶装置1108、揮発性記憶装置1106、又は他の不揮発性記憶装置に格納されてもよい。このように、コンピュータシステム1101は、搬送波の形状でアプリケーションコードを取得することが可能である。
【0143】
本発明は、いかなる特定のファイアウォールシステムにも限定されないことに注意されたい。本発明のポリシーベースのコンテンツ処理システムは、3つのファイアウォール動作モード(具体的には、NATモード、ルーティングモード、トランスペアレントモード)のいずれにおいて、用いられてもよい。
【0144】
最後に、本明細書に記載のプロセス及び手法は、いかなる具体的な装置とも本質的に関連するものではなく、構成要素の任意の適切な組み合わせによって実装されることが可能であることを理解されたい。更に、本明細書に記載の開示に従って、様々なタイプの汎用装置を使用することが可能である。また、本明細書に記載の方法ステップを実行するために、専用装置を構築することが有利であることが判明する場合もある。本明細書を、具体例に関して説明してきたが、それらの具体例は、あらゆる点において、限定的ではなく例示的であることを意図したものである。当業者であれば、ハードウェア、ソフトウェア、及び、ファームウェアの様々な組み合わせが、本発明の実施に好適であることを理解されよう。例えば、説明されたソフトウェアは、様々なプログラミング言語又はスクリプト言語(アセンブラ、C/C++、perl、シェル、PHP、Java(登録商標)など)で実装されてもよい。
【0145】
更に、当業者であれば、本明細書で開示された本発明の明細及び実践を考察することにより、本発明の他の実施態様も明らかである。照明及び照明器具を制御するシステムにおいて、説明された実施形態の様々な態様及び/又は構成要素を、単独で、又は任意の組み合わせで、使用されてもよい。本発明の明細及び例は、例示的であると見なされるべきであり、本発明の真の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物によって示されるものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間の照明を制御するシステムであって、
放射光を与える光源と、
前記空間の照明を制御するために制御可能である電子ペーパ反射能を有する、電子ペーパを含み、前記放射光の少なくとも一部を含む入射光を受け、前記入射光を反射光として反射させて前記空間に照明光として供給する反射板と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記空間の照明を更に制御するために制御可能である電子ペーパ透光性を有するバッフル電子ペーパ媒体を含み、前記放射光の少なくとも一部が前記空間に直接到達するのを防ぐバッフルと、
を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記空間内の前記放射光と前記反射光との割合を制御するために、前記バッフルの位置、及び、前記バッフルの光拡散特性が制御可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
さらに前記反射板の形状を変化させる手段を備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記電子ペーパ反射能は、前記反射光のパターンを制御するために制御可能である、パターンを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
空間の照明を制御するために、放射光を与える光源と前記放射光を制御するための電子ペーパ媒体とを含む、照明器具を制御する方法であって、
前記空間内の所望の照明を決定し、
前記所望の照明に応じて、前記電子ペーパ媒体の照明特性を調節し、
修正された光を得るために、前記電子ペーパ媒体の照明特性を制御することによって前記放射光を修正し、
前記修正された光を含む光で、前記空間を照らす、
ことを含む、方法。
【請求項7】
前記電子ペーパ媒体は、前記電子ペーパ反射性媒体への入射光を反射することにより反射光を与える、電子ペーパ反射性媒体を含み、
前記電子ペーパ媒体の照明特性を調節することは、前記所望の照明に応じて前記電子ペーパ反射性媒体の反射能特性を調節する、ことを含み、
前記電子ペーパ媒体の照明特性を制御することによって前記放射光を修正することは、前記電子ペーパ反射性媒体に前記放射光を当てる、ことを含み、
前記修正された光を含む光で前記空間を照らすことは、前記反射光を含む光で前記空間を照らす、ことを含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
空間内を照らす照明器具であって、
放射光を放射する光源と、
制御可能な透光性を有する透光性電子ペーパを含み、前記放射光の少なくとも一部が前記空間に直接到達するのを防ぐ、バッフルと、
制御可能な反射能を有する電子ペーパ反射性媒体を含み、前記電子ペーパ反射性媒体を保持するフレームを含み、前記光源からの直接経路に沿って前記反射板に到達する直接放射光、及び、前記光源からの間接経路に沿って前記反射板に到達する間接放射光を含む入射光を、反射光として反射させて前記空間に照明光として供給する反射板と、
前記光源において前記放射光の強度を変化させる調光器と、
前記光源に電力を供給する第1の電源と、
前記電子ペーパ反射性媒体に書き込みを行うための第2の電源と、
前記電子ペーパ反射性媒体を制御する電子回路と、
を備える、照明器具であって、
前記空間内の前記放射光に対する前記反射光の割合を制御するために、前記バッフルの位置、及び、前記バッフルの光拡散特性が制御可能であり、
前記電子ペーパの前記制御可能な反射能は、前記反射光の強度を制御し、黒色から灰色を経て白色になるグロスシェードシフトを引き起こし、前記反射光の色を制御し、赤色から黄色や緑色となる色シフトを引き起こし、前記反射光のパターンを制御し、前記反射光の方向を制御する、ように制御可能である、
照明器具。
【請求項1】
空間の照明を制御するシステムであって、
放射光を与える光源と、
前記空間の照明を制御するために制御可能である電子ペーパ反射能を有する、電子ペーパを含み、前記放射光の少なくとも一部を含む入射光を受け、前記入射光を反射光として反射させて前記空間に照明光として供給する反射板と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記空間の照明を更に制御するために制御可能である電子ペーパ透光性を有するバッフル電子ペーパ媒体を含み、前記放射光の少なくとも一部が前記空間に直接到達するのを防ぐバッフルと、
を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記空間内の前記放射光と前記反射光との割合を制御するために、前記バッフルの位置、及び、前記バッフルの光拡散特性が制御可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
さらに前記反射板の形状を変化させる手段を備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記電子ペーパ反射能は、前記反射光のパターンを制御するために制御可能である、パターンを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
空間の照明を制御するために、放射光を与える光源と前記放射光を制御するための電子ペーパ媒体とを含む、照明器具を制御する方法であって、
前記空間内の所望の照明を決定し、
前記所望の照明に応じて、前記電子ペーパ媒体の照明特性を調節し、
修正された光を得るために、前記電子ペーパ媒体の照明特性を制御することによって前記放射光を修正し、
前記修正された光を含む光で、前記空間を照らす、
ことを含む、方法。
【請求項7】
前記電子ペーパ媒体は、前記電子ペーパ反射性媒体への入射光を反射することにより反射光を与える、電子ペーパ反射性媒体を含み、
前記電子ペーパ媒体の照明特性を調節することは、前記所望の照明に応じて前記電子ペーパ反射性媒体の反射能特性を調節する、ことを含み、
前記電子ペーパ媒体の照明特性を制御することによって前記放射光を修正することは、前記電子ペーパ反射性媒体に前記放射光を当てる、ことを含み、
前記修正された光を含む光で前記空間を照らすことは、前記反射光を含む光で前記空間を照らす、ことを含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
空間内を照らす照明器具であって、
放射光を放射する光源と、
制御可能な透光性を有する透光性電子ペーパを含み、前記放射光の少なくとも一部が前記空間に直接到達するのを防ぐ、バッフルと、
制御可能な反射能を有する電子ペーパ反射性媒体を含み、前記電子ペーパ反射性媒体を保持するフレームを含み、前記光源からの直接経路に沿って前記反射板に到達する直接放射光、及び、前記光源からの間接経路に沿って前記反射板に到達する間接放射光を含む入射光を、反射光として反射させて前記空間に照明光として供給する反射板と、
前記光源において前記放射光の強度を変化させる調光器と、
前記光源に電力を供給する第1の電源と、
前記電子ペーパ反射性媒体に書き込みを行うための第2の電源と、
前記電子ペーパ反射性媒体を制御する電子回路と、
を備える、照明器具であって、
前記空間内の前記放射光に対する前記反射光の割合を制御するために、前記バッフルの位置、及び、前記バッフルの光拡散特性が制御可能であり、
前記電子ペーパの前記制御可能な反射能は、前記反射光の強度を制御し、黒色から灰色を経て白色になるグロスシェードシフトを引き起こし、前記反射光の色を制御し、赤色から黄色や緑色となる色シフトを引き起こし、前記反射光のパターンを制御し、前記反射光の方向を制御する、ように制御可能である、
照明器具。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−193958(P2009−193958A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13782(P2009−13782)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]