説明

照明器具

【課題】簡単な構成で蛍光ランプを安定して固定することのできコストダウンを図ることができる照明器具を提供する。
【解決手段】器具本体10における蛍光ランプ20に対向する面16に、蛍光ランプ20のブリッジ24と係合する係合部18を設けたので、放電路が長手方向中央部22aを中心として略同一平面に沿って2重渦巻状に旋回された発光管22を有する蛍光ランプ20をランプソケット17に取付けた際に、複数個の支持バネを設けることなく、蛍光ランプ20の鉛直方向への移動を阻止することができ、照明器具10の簡素化およびコストダウンを図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状の放電路が長手方向中央部を中心として略同一平面に沿って2重渦巻状に旋回された蛍光ランプを有する照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、放電路が2重渦巻状に旋回された蛍光ランプが知られている(例えば特許文献1参照)。
図7(A)、(B)に示すように、特許文献1に記載の蛍光ランプ100は、管状の放電路が長手方向中央部101aを中心として略同一平面に沿って2重渦巻状に旋回された発光管101を有しており、裏面(発光面と反対側)において中央部101aを通って発光管101の両端部101b、101bを連結するブリッジ102が設けられている。また、ブリッジ102の中央部には、裏側に突出して口金103が設けられており、口金103の中央には、ランプピン104が設けられている。
【特許文献1】特開2007−273330号公報(第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した特許文献1に記載の蛍光ランプ100では、口金103を照明器具のソケットに嵌合させることにより取り付けているので発光管101の固定を十分に行うことができない。また、口金103に係止爪部を設け、照明器具に設けられているフックに係合して脱落を防止する構造となっているので、口金103の構成を複雑にしているという問題があった。
【0004】
また、図8に示す照明器具110のように、2重渦巻状に旋回された発光管111の両端部に口金112、112を設け、両口金112、112間にブリッジ113を設けた蛍光ランプ114を用いる場合においては、蛍光ランプ114を安定して固定するために、器具本体115にランプ支持バネ116が設けられている。
このため、部品点数が増加して、照明器具110のコストアップを招くという問題があった。
【0005】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、簡単な構成で蛍光ランプを安定して固定することのできコストダウンを図ることができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の照明器具は、管状の放電路が長手方向中央部を中心として略同一平面に沿って2重渦巻状に旋回された発光管と、前記発光管の両端部にそれぞれ設けられた一対の口金と、前記口金に設けられて前記発光管の軸方向に沿って延びるランプピンと、前記一対の口金間を連結支持するブリッジとを備えた蛍光ランプと、前記ランプピンと電気的に接続されて前記蛍光ランプに電力を供給するランプソケットと、前記ランプソケットを介して前記蛍光ランプを保持する器具本体と、を備えた照明器具であって、前記器具本体における前記蛍光ランプに対向する面に、前記ブリッジと係合して前記蛍光ランプの鉛直方向への移動を阻止する係合部を設けた構成を有している。
【0007】
この構成により、器具本体における蛍光ランプに対向する面に、蛍光ランプのブリッジと係合する係合部を設けたので、放電路が長手方向中央部を中心として略同一平面に沿って2重渦巻状に旋回された発光管を有する蛍光ランプをランプソケットに取付けた際に、複数個の支持バネを設けることなく、蛍光ランプの鉛直方向への移動を阻止することができ、照明器具の簡素化およびコストダウンを図ることができる。
【0008】
また、本発明の照明器具は、前記係合部が、前記ブリッジを押圧する弾性部材を有する構成を有している。
【0009】
この構成により、弾性部材の復帰力により蛍光ランプのブリッジを両側から挟むとともに、この弾性部材の挿入口をブリッジの幅よりも大きくしておくことにより、ブリッジを弾性部材の挿入口に押し込んで係止することができる。これにより、複数個の支持バネを設けることなく、1個の弾性部材により蛍光ランプの鉛直方向への移動を阻止することができ、照明器具の簡素化およびコストダウンを図ることができる。
【0010】
さらに、本発明の照明器具は、前記係合部が、前記ブリッジを水平方向から係止する係止部材を有する構成を有している。
【0011】
この構成により、例えば蛍光ランプに対向する反射板から蛍光ランプ側へ、先端がL字状に屈曲した係止部材を設け、蛍光ランプを水平方向へ旋回させることにより係止部材の先端に蛍光ランプのブリッジを引っ掛けるようにすることができる。これにより、支持バネを設けることなく、蛍光ランプの鉛直方向への移動を阻止することができ、照明器具の簡素化およびコストダウンを図ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、器具本体における蛍光ランプに対向する面に、蛍光ランプのブリッジと係合する係合部を設けたので、放電路が長手方向中央部を中心として略同一平面に沿って2重渦巻状に旋回された発光管を有する蛍光ランプをランプソケットに取付けた際に、複数個の支持バネを設けることなく、蛍光ランプの鉛直方向への移動を阻止することができ、照明器具の簡素化およびコストダウンを図ることができるという効果を有する照明器具を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の第1実施形態にかかる照明器具を示す分解斜視図、図2(A)は平面らせん形蛍光灯の平面図、図2(B)は図2(A)中B方向から見た正面図、図3はランプソケットの斜視図、図4(A)は平面らせん形蛍光灯を取付けた状態を示す断面図、図4(B)は弾性部材の断面図である。
【0014】
図1に示すように、本発明にかかる照明器具10は、天井や壁等の壁面11に固定して使用するものであり、例えば矩形箱状の器具本体12と、器具本体12の前面開口を覆う透明あるいは半透明の樹脂等からなるパネル13を有している。器具本体12の底板12aには、一方の端部寄りに商用交流電源(図示省略)に接続されている点灯装置14等の電気部品が取付けられており、点灯装置14等を覆うとともにパネル13を取付けるための取付板15が設けられている。パネル13は、ネジ13aを取付板15のネジ穴15aに螺合し、締め付けることにより着脱可能に取付けられる。
【0015】
また、底板12の中央部および他方の端部よりには、蛍光ランプとしての平面らせん形蛍光灯20の照明光をパネル13側に反射して照明効率を向上させる反射板16が設けられており、反射板16の上面に、平面らせん形蛍光灯20を装着するための一対のランプソケット17、17が取付けられている。これらランプソケット17、17は、電源線(図示省略)によって、点灯装置14に接続されている。そして、器具本体12における平面らせん形蛍光灯20に対向する面である反射板16の上面には、平面らせん形蛍光灯20をランプソケット17に装着した際に、平面らせん形蛍光灯20の後述するブリッジ24と係合して平面らせん形蛍光灯20の鉛直方向への移動を阻止する係合部18を1個設けた。なお、係合部18は弾性部材18aを有しており、弾性部材18はブリッジ24の中心部付近を保持するように設けるのが望ましい。
【0016】
図2に示すように、平面らせん形蛍光灯20は、管状の放電路が長手方向中央部22aを始点として同一平面に沿って2重渦巻状に旋回された発光管22を有しており、発光管22の中央部22aは、その他の部分に比して太径となっており、最冷点となっている。発光管22の両端部にはそれぞれ口金23、23が取付けられており、両口金23、23は、発光管22の中央部22aに対して、点対称の位置に設けられている。なお、両口金23、23は、照射方向と反対側の裏面に設けられたブリッジ24によって連結されている。また、各口金23、23には、平面らせん形蛍光灯20の平面に直交する方向に一対のランプピン21が、発光管22の軸方向に沿って突出して設けられている。
【0017】
図3に示すように、ランプソケット17は、例えば円柱状の本体17aを有しており、本体17aにはランプピン21を挿入するためのランプピン挿入溝17bが設けられている。ランプピン挿入溝17bの内部には、一対のランプピン21、21を保持して導通するために一対の導電板17c、17cが設けられている。また、本体17aの外周面に沿ってランプピン挿入溝17bを閉じる開閉蓋17dが設けられている。
【0018】
図4に示すように、係合部18を構成する弾性部材18aは、底面18bの両側から上方へ向かって側壁18c、18cが折曲形成されており、側壁18cの上端部には、対向する側壁18c側へ突出して係止部18dが設けられている。弾性部材18aは、ブリッジ24と係合する前の状態において、対向する側壁18c、18cの上端の間隔D1がブリッジ24の幅D2よりも大きくなっており、且つ、係止部18d、18dの間隔D3がブリッジ24の幅D2よりも小さくなるように形成されている。また、弾性部材18は、底面18bをネジ18eで反射板16に固定することにより取付けられており、両側壁18c、18cは、互いに対向する側壁18c側へ付勢されている。
【0019】
従って、平面らせん形蛍光灯20を器具本体12に取付ける際には、平面らせん形蛍光灯20の両端の口金23、23に設けられているランプピン21、21を、ランプソケット17のランプピン挿入溝17aに位置決めする。そして、平面らせん形蛍光灯20をランプソケット17の内部に挿入するとともに、ブリッジ24を反射板16に設けられている弾性部材18の内部に押し込む。ブリッジ24を弾性部材18の上方から押し込むと、ブリッジ24は両側壁18c、18cの上端部を開きながら下降し、係止部18dを越えて下降した後は、ブリッジ24の側面を挟んで保持するとともに係止部18dにより脱落を阻止することになる。その後、ランプソケット17の取っ手17eを操作して開閉蓋17dを閉じることにより固定する。
【0020】
以上、説明した照明器具10によれば、器具本体12における平面らせん形蛍光灯20に対向する反射板16に、平面らせん形蛍光灯20プのブリッジ24と係合する弾性部材18aを有する係合部18を設けたので、平面らせん形蛍光灯20をランプソケット17に取付ける際に、従来のように複数個の支持バネを設けることなく、平面らせん形蛍光灯20の鉛直方向への移動を阻止することができ、照明器具10の簡素化およびコストダウンを図ることができる。
また、弾性部材18aは平面らせん形蛍光灯20の位置決めの役割を果たしており、ランプピン21とランプソケット17の不完全接触やランプピン21の露出を防止している。
【0021】
次に、本発明の第2の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図5は本発明の第2実施形態にかかる照明器具を示す分解斜視図、図6(A)は装着された平面らせん形蛍光灯の支持状態を示す断面図、図6(B)は係止部材の断面図である。なお、前述した第1実施形態にかかる照明器具と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0022】
図5および図6に示すように、本発明の第2実施形態にかかる照明器具10Bは、器具本体12における平面らせん形蛍光灯20に対向する面である反射板16に、平面らせん形蛍光灯20のブリッジ24に係合する係合部19として、ブリッジ24を水平方向から係止する係止部材19aを設けたものである。なお、係止部材19aは、平面らせん形蛍光灯20をランプソケット17に装着した際に、ブリッジ24の下方に位置する場所に設けるようにする。また、係止部材19aは、ブリッジ24の中心に対して略対称な位置に複数個(ここでは、2個)設けるのが望ましい。
【0023】
図6(B)に示すように、係止部材19aは、反射板16を切り起こして上方へ曲げ上げた立壁19bと、立壁19bの上端から水平に曲げた水平部19cを有しており、水平部19cの下面には、下方へ突出した凸部19dが設けられている。なお、ブリッジ24には、凸部19dが嵌入する凹部24a(図6(B)参照)を設けるのが望ましい。
【0024】
従って、平面らせん形蛍光灯20を器具本体12に取付ける際には、まず平面らせん形蛍光灯20を係止部材19aの水平部19cの下方まで押し下げる。次いで、ランプピン21がランプソケット17のランプピン挿入溝17bに挿入されるように水平方向(図5において時計方向)に旋回させて、ランプピン21をランプソケット17に接続するとともに係止部材19aによってブリッジ24を係止する。その後、ランプソケット17の取っ手17eを操作して開閉蓋17dを閉じることにより固定する。
【0025】
以上、説明した照明器具10Bによれば、器具本体12における平面らせん形蛍光灯20に対向する面である反射板16に、切起しにより先端がL字状に屈曲した係止部材19aを設け、平面らせん形蛍光灯20を水平方向へ旋回させることにより係止部材19aの先端に平面らせん形蛍光灯20のブリッジ24を引っ掛けるようにしたので、従来のように支持バネを設けることなく、平面らせん形蛍光灯20の鉛直方向への移動を阻止することができ、照明器具10Bの簡素化およびコストダウンを図ることができる。
【0026】
なお、本発明の照明器具は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
例えば、前述した各実施形態においては、矩形箱状の器具本体12を例示したが、これに限らず、例えば円形箱状等にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる照明器具を示す分解斜視図
【図2】(A)は平面らせん形蛍光灯の平面図、(B)は(A)中B方向から見た正面図
【図3】ランプソケットの斜視図
【図4】(A)は平面らせん形蛍光灯を取付けた状態を示す断面図、(B)は弾性部材の断面図
【図5】本発明の第2実施形態にかかる照明器具を示す分解斜視図
【図6】(A)は装着された平面らせん形蛍光灯の支持状態を示す断面図、(B)は係止部材の断面図
【図7】従来の照明器具に用いられている蛍光ランプの一例であり、(A)は発光面側から見た斜視図、(B)は発光面と反対側から見た斜視図
【図8】従来の照明器具に用いられている蛍光ランプの別の例を示す側面図
【符号の説明】
【0028】
10、10B 照明器具
12 器具本体
16 反射板(対向する面)
17 ランプソケット
18 係合部
18a 弾性部材
19 係合部
19a 係止部材
20 平面らせん形蛍光灯(蛍光ランプ)
21 ランプピン
22 発光管
23 口金
24 ブリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状の放電路が長手方向中央部を中心として略同一平面に沿って2重渦巻状に旋回された発光管と、前記発光管の両端部にそれぞれ設けられた一対の口金と、前記口金に設けられて前記発光管の軸方向に沿って延びるランプピンと、前記一対の口金間を連結支持するブリッジとを備えた蛍光ランプと、
前記ランプピンと電気的に接続されて前記蛍光ランプに電力を供給するランプソケットと、
前記ランプソケットを介して前記蛍光ランプを保持する器具本体と、を備えた照明器具であって、
前記器具本体における前記蛍光ランプに対向する面に、前記ブリッジと係合して前記蛍光ランプの鉛直方向への移動を阻止する係合部を設けたことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記係合部が、前記ブリッジを押圧する弾性部材を有することを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記係合部が、前記ブリッジを水平方向から係止する係止部材を有することを特徴とする請求項1記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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