説明

照明器具

【課題】光源を交換する際に確実に電流を断つことができる照明器具を提供する。
【解決手段】光源21が取り付けられる器具本体20の前方に着脱可能に設けられているカバー部材30が器具本体20に取り付けた状態では、カバー部材30に設けられている押圧部34がスイッチ25を押圧するので、スイッチ25はオン状態となり、光源21に電力を供給可能となる。一方、カバー部材30を取り外すと、カバー部材30の押圧部34がスイッチ25から離反するので、オフ状態となり、光源21への電力供給を確実に停止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源が取り付けられる器具本体の前方に、カバー部材を着脱可能に有する照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、器具本体の前方に、カバー部材を着脱可能に有する照明器具が知られている(例えば特許文献1参照)。
図5に示すように、特許文献1に記載の照明器具100は、冷蔵庫101の内部に設けられた照明であり、冷蔵庫101の扉を開けることにより、照明灯102が点灯するようになっている。照明灯102は保護カバー103で覆われており、保護カバー103は着脱可能となっている。保護カバー103の内部にはスイッチ104が設けられており、保護カバー103を取り付けた状態でスイッチ104はオンとなるので、扉を開けた際に点灯可能となる。一方、保護カバー103を開くと、スイッチ104がオフとなるので、照明灯102の交換時等に電流を断つことができる。
【特許文献1】特開平5−325628号公報(第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、図6に示す照明器具105のように、両端に口金106aを有する白熱灯ランプ106をソケット107に装着するものでは、ランプ106およびソケット107が露出して用いられる場合がある。このような場合においてランプ106を交換する場合に、図7に示すように、一方の口金106aがソケット107に固定され、他方の口金106bがフリー状態となる場合がある。このとき、電源オンの通電状態でフリーの口金106bに作業者が触れると、感電するおそれがある。
【0004】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、光源を交換する際に確実に電流を断つことができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の照明器具は、光源が取り付けられる器具本体と、器具本体の前方にカバー部材を着脱可能に有する照明器具であって、前記器具本体に、前記光源に供給する電力をオン・オフ切替えるスイッチを設けるとともに、前記カバー部材に前記スイッチをオンにするための押圧部を設け、前記カバー部材を前記器具本体に装着した際には前記スイッチはオンとなって前記光源に電力を供給し、前記カバー部材を前記器具本体から取り外した際には前記スイッチがオフとなって電力の供給を停止する構成を有している。
【0006】
この構成により、光源が取り付けられる器具本体の前方に着脱可能に設けられているカバー部材が、器具本体に取り付けた状態では、カバー部材に設けられている押圧部がスイッチを押圧するので、スイッチはオン状態となり、光源に電力を供給可能となる。一方、カバー部材を取り外すと、カバー部材の押圧部がスイッチから離反するので、オフ状態となり、光源への電力供給を確実に停止することができる。
【0007】
また、本発明の照明器具は、前記押圧部が、前記カバー部材の内壁に設けた突出部である構成を有している。
【0008】
この構成により、カバー部材を取付けると、カバー部材の内壁に設けた突出部がスイッチを押圧してオンとする。カバー部材を取り外すと、突出部がスイッチから離反するので、スイッチはオフとなる。
【0009】
さらに、本発明の照明器具は、前記突出部は、その弾性力でもって前記スイッチを押圧する構成を有している。
【0010】
この構成により、カバー部材を取り付けた状態では、突出部はスイッチに当接して弾性変形しており、その弾性力でスイッチを押圧するので、カバー部材を取り付けたときには、確実にスイッチを押圧することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、光源が取り付けられる器具本体の前方に着脱可能に設けられているカバー部材が、器具本体に取り付けた状態では、カバー部材に設けられている押圧部がスイッチを押圧するので、スイッチはオン状態となり、光源に電力を供給可能となる。一方、カバー部材を取り外すと、カバー部材の押圧部がスイッチから離反するので、オフ状態となり、光源への電力供給を確実に停止することができるという効果を有する照明器具を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
図1(A)は本発明の実施形態にかかる照明器具の平面図、図1(B)は同じく正面図、図1(C)は同じく側面図、図2(A)はカバー部材を取り付けた状態を示す断面図、図2(B)はカバー部材を取り外した状態を示す断面図、図3(A)は遮光板を取り付けたときの回路図、図3(B)は遮光板を外したときの回路図、図4(A)は遮光板の断面図、図4(B)は(A)中B方向から見た背面図である。
【0013】
図1および図2に示すように、本発明にかかる照明器具10は、光源として両端に口金21aを有する白熱灯ランプ(以後、単に「ランプ」と言う。)21が取り付けられる器具本体20と、器具本体20の前方(図2において右方向)にカバー部材である遮光板30を着脱可能に有している。
【0014】
器具本体20は、縦板20aと横板20bとから断面L字形状に形成されており、縦壁20aを垂直な壁11に取り付けて使用される。器具本体20の横板20b上には、複数のソケット22が所定間隔で配置されており、電源23と直列で接続されている。また、器具本体20の横板20bにおける中央部分には、1対のスイッチ25、25を有するスイッチブロック26が設けられている。図3(A)および(B)に示すように、1対のスイッチ25、25は、回路上はソケット22と電源23との間に2箇所設けられている。
【0015】
図2に示すように、各スイッチ25は、常時前方に付勢されているスイッチ片25aを有しており、図2(A)に示すように、スイッチ片25aがスイッチ本体側に押圧された状態でスイッチオンとなって導通する(図3(A)参照)。一方、図2(B)に示すように、スイッチ片25aが、その弾性力によってスイッチ本体から離れると、スイッチオフとなって、電源を断つ(図3(B)参照)。
【0016】
図2および図4に示すように、遮光板30は、器具本体20の横板20bに載置される支持部31と、この支持部31から上方に折曲形成されている立壁部32と、縦壁部32の上方からランプ21を覆うように斜めに設けられている反射板33とを有している。縦壁部32の内面には、スイッチ25のスイッチ片25aを押圧する押圧部としての押圧片34がねじ34aにより取り付けられている。
【0017】
押圧片34は弾性部材であり、遮光板30を器具本体20の取り付けた状態では、押圧片34の弾性力よりスイッチ片25aを押圧してスイッチオンとする。押圧片34は、スイッチブロック26に設けられている1対のスイッチ25、25を同時に押圧可能であるとともに、遮光板30を器具本体20に取り付ける際のスライド量を考慮した、幅広の部材となっている(図4(B)参照)。なお、遮光板30を取り外した状態では、立壁部32の内面から一定量突出した状態を保持している(図2(B)参照)。
【0018】
また、図1(A)に示すように、支持部31には、器具本体20の横板20bに取り付けられている取付ねじ27の頭部か通過可能な拡径部と、頭部は通過できないがねじ部は通過できる幅狭部とからなる取付孔31aが設けられている。
【0019】
従って、図1に示すように、遮光板30を器具本体20に取り付ける場合には、遮光板30の支持部31に設けられている取付孔31aの拡径部に、器具本体20の取付ねじ27の頭部を通すとともに、縦壁部32の押圧片34によりスイッチ25のスイッチ片25aを押圧する。スイッチ片25aを押圧されたスイッチ25はスイッチオン(図3(A)参照)となり、ソケット22に電力が供給可能となり、別途設けられている点灯スイッチ(図示省略)をオンとすることによりランプ21が点灯する。
【0020】
そして、押圧片34によりスイッチ片25aを押圧した状態のまま、遮光板30を器具本体20に対して図1中矢印A方向にスライドさせる。このとき、器具本体20の横板20bの端部に設けられているストッパ28に、遮光板30の端部に設けられているエンドプレート35が当接することにより、それ以上遮光板30がスライドしないようにしている。その後、取付ねじ27を締め付けることにより、取り付けることができる。
【0021】
一方、遮光板30を取り外す際は、点灯スイッチ(図示省略)をオフにした状態で、前述した取り付け工程を逆に行うことで取り外すことができる。遮光板30を器具本体20から取り外すと、スイッチ25のスイッチ片25aがその弾性力によりスイッチ本体から離脱して、スイッチオフとなる(図3(B)参照)。
【0022】
以上、説明した本発明にかかる照明器具10によれば、ランプ21が取り付けられる器具本体20の前方に着脱可能に設けられている遮光板30が、器具本体20に取り付けた状態では、遮光板30に設けられている押圧片34がスイッチ25のスイッチ片25aを押圧するので、スイッチ25はオン状態となり、ランプ21を装着したソケット22に電力を供給可能となる。一方、遮光板30を取り外すと、遮光板30の押圧片34がスイッチ片25aから離反するので、オフ状態となり、ソケット22への電力供給を確実に停止することができる。
【0023】
また、電源23とソケット22間を接続する両側の接続線に1対のスイッチ25、25を設けたので、確実に電力供給を断つことができる。さらに、両スイッチ25、25を同じ押圧片34により操作するので、1対のスイッチ25、25を確実に操作することができる。
【0024】
なお、本発明の照明器具は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(A)は本発明の実施形態にかかる照明器具の平面図、(B)は同じく正面図、(C)は同じく側面図
【図2】(A)はカバー部材を取り付けた状態を示す断面図、(B)はカバー部材を取り外した状態を示す断面図
【図3】(A)は遮光板を取り付けたときの回路図、(B)は遮光板を外したときの回路図
【図4】(A)は遮光板の断面図、(B)は(A)中B方向から見た背面図
【図5】従来のカバーつき照明を用いた例を示す断面図
【図6】両端口金の白熱灯ランプのソケットへの着脱を示す正面図
【図7】従来の問題点を示す説明図
【符号の説明】
【0026】
10 照明器具
20 器具本体
21 両端口金の白熱ランプ(光源)
25 スイッチ
30 遮光板(カバー部材)
34 押圧片(押圧部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源が取り付けられる器具本体と、器具本体の前方にカバー部材を着脱可能に有する照明器具であって、
前記器具本体に、前記光源に供給する電力をオン・オフ切替えるスイッチを設けるとともに、前記カバー部材に前記スイッチをオンにするための押圧部を設け、
前記カバー部材を前記器具本体に装着した際には前記スイッチはオンとなって前記光源に電力を供給し、前記カバー部材を前記器具本体から取り外した際には前記スイッチがオフとなって電力の供給を停止することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記押圧部が、前記カバー部材の内壁に設けた突出部であることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記突出部は、その弾性力でもって前記スイッチを押圧することを特徴とする請求項2記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−283407(P2009−283407A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136676(P2008−136676)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】