説明

照明器具

【課題】発光特性を損なうことなく、より簡単な構成でランプを保持することが可能な照明器具を提供する。
【解決手段】発光管2の両端部にそれぞれ設けられた口金3,3および両口金3,3の間を連結し発光管2における主発光面側と反対の一平面側に沿って設けられる連結部5を具備した平面らせん形ランプ(ランプ)1の両口金3,3がそれぞれ装着される一対のランプソケット7,7と、該各ランプソケット7,7が配設された器具本体11とを備えた照明器具10であって、連結部5を保持する保持部6,6が器具本体11に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、発光管を環状にした環形ランプを光源とし、該環形ランプを発光管の管の外形より若干小さい湾曲した金属片の弾性力で挟み込んで保持するランプホルダを器具本体に備えた照明器具が知られている(たとえば、特許文献1を参照。)。
【0003】
この種の照明器具として、図6の概略断面図には、たとえば、天井材などの造営材(図示せず)に取り付けられた状態での照明器具10’を示している。照明器具10’は、複数個のランプホルダ18,18が照明器具10’の器具本体11の一表面11b側から突出して設けられている。ランプホルダ18,18は、先端部が環形ランプ19の発光管2’に沿って湾曲できるように構成されており、環形ランプ19を保持し吊り下げている。ランプホルダ18,18は、環状の発光管2’における環状の内側および主発光面側(図6中の下側)を保持することになる。
【0004】
光源となる環形ランプ19は、主として、環状のガラス管からなる発光管2’と、発光管2’の環状の一部を覆う円筒状の口金17とから構成されている。なお、上述の環形ランプ19は、発光管2’の内部に蛍光体膜(図示しない)が塗布された環形蛍光ランプである。
【0005】
また、照明器具10’は、器具本体11の一表面11b側であって環形ランプ19の環状の内側に点灯回路部12を配置し、該点灯回路部12から給電コード12aを介して環形ランプ19に高周波電力を給電している。照明器具10’の主発光面側には、環形ランプ19を覆うようにランプカバー14が設けられている。なお、照明器具10’は、環形ランプ19の発光効率の向上を図るために、環形ランプ19における環形ランプ19の口金17や口金17近傍の発光管2’の最冷点部の温度を一定温度(約40℃)に保持するための放熱体21を設けている。
【0006】
なお、図6の照明器具10’は、たとえば、3個のランプホルダ18,18,18を環形ランプ19の環状の発光管2’に沿って等間隔(環状の周方向により形成される仮想円の中心と、各ランプホルダ18,18,18の中心とを結ぶ仮想線分のうち、隣接する仮想線分のなす角がそれぞれ約120°)に配置させることができる。また、上述の照明器具10’は、主発光面側を見た図7の参考例に示すように、たとえば、3個のランプホルダ18,18,18’を環形ランプ19の環状の発光管2’に沿って配置させ、1つのランプホルダ18’が、環形ランプ19の口金17と接続されるランプソケットと兼用した構造にすることも考えられる。照明器具10’は、点灯回路部12から給電コード12aを介して環形ランプ19に高周波電力を給電することで、環形ランプ19を点灯することができる。
【0007】
ところで、近年、照明器具の光源たるランプとして上述の環形ランプ19に代え、たとえば、図8に示す略同一平面において発光管2の長さ方向の中間部2aを中心に、該中間部2aから同一方向の渦巻状に旋回する二重渦巻き形状に形成された発光管2を用いた平面らせん形ランプ1が開発されている。平面らせん形ランプ1は、渦巻状に旋回する発光管2の長さ方向の両端部の先端側に、ランプピン4,4が突設された一対の口金3,3がそれぞれ設けられている。なお、ランプピン4,4は、それぞれ1本づつしか図示していないが、主発光面(図8の紙面と平行な面)と垂直方向に2本設けられている。
【0008】
一対の口金3,3は、渦巻状に旋回する発光管2の中間部2aを中心に点対称に配置されている。平面らせん形ランプ1は、照明器具への装着時や輸送時に平面らせん形ランプ1の発光管2に破損などが生ずることを抑制するため、樹脂等により構成された連結部5により当該平面らせん形ランプ1の一対の口金3,3を一体的に連結されている。
【0009】
このような平面らせん形ランプ1は、上述の環形ランプ19と比較して、面状に均一な光を放出することができる。すなわち、環形ランプ19は、環形ランプ19の発光管2’に沿って環状に明るくなるが、環状の内側は、光の中落ち、と呼ばれる暗がりができてしまう。これに対し、平面らせん形ランプ1は、発光管2の形状が、二重渦巻き形状のため、上述の光の中落ちがない均一な面状発光を得ることが可能な平面発光体となる。
【0010】
また、発光管2は、通常、発光管2の長さが長いほど、ランプ効率(消費電力1Wあたりで得られる全光束)が高くなる傾向にある。平面らせん形ランプ1は、たとえば、日本工業規格におけるランプの大きさ区分が同じになる20形の環形ランプ19と比較して、発光管2の長さを長くすることができるため、発光効率を向上させることができる。同様に、20形の平面らせん形ランプ1は、20形の環形ランプ19と比較して、外形を小型に、厚みも薄型化にすることができる。
【0011】
この種の平面らせん形ランプ1を光源として用いる照明器具の例を、図9に示す。図9の参考例に示す照明器具10は、照明器具10の器具本体11と、平面らせん形ランプ1の口金3,3が接続される一対のランプソケット7,7とを備えている。ここで、照明器具10に光源となる平面らせん形ランプ1を保持させるには、上述の環形ランプ19が保持される照明器具10’と同様のランプホルダ18,18,18を器具本体11に配置させることが考えられる。
【0012】
より具体的には、照明器具10は、主発光面側を見て、平面らせん形ランプ1の最も外周の発光管2を3個のランプホルダ18,18,18で保持させている(図9(a)を参照)。平面らせん形ランプ1は、平面らせん形ランプ1の発光管2の外周側および主発光面側(図9(b)の下側)がランプホルダ18,18,18で保持される。なお、図8と同様の構成要素については同一の符号を用いている。
【0013】
しかしながら、環形ランプ19の発光管2’を保持するランプホルダ18を単に、平面らせん形ランプ1を備えた照明器具10に適用すると、照明器具10に用いられる平面らせん形ランプ1では、同一平面に沿って渦巻き状に旋回された発光管2に過大な力がかかりやすい傾向にある。
【0014】
特に、平面らせん形ランプ1は、上述のように同じ20形の環形ランプ19と比較して、薄型化などできるものの平面らせん形ランプ1の発光管2の管径も小さく、且つ発光管2の長さも長い。また、平面らせん形ランプ1は、環形ランプ19のごとく、環状に閉じたループ形状でもなく発光管2の連結部5の近傍など一部分に力がかかりやすいため、平面らせん形ランプ1の発光管2に過大な力が作用するのは好ましくない。
【0015】
さらに、平面らせん形ランプ1は、光の中落ちがない均一な平面発光体であるだけに、ランプホルダ18,18,18自身が平面らせん形ランプ1からの光の一部を遮ると、一部の光の欠落が特に目立ってしまい均一な発光特性を損なう恐れもある。
【0016】
また、平面らせん形ランプ1を光源として用いた別の照明器具10の一例を図10に示す。図10に示す照明器具10は、器具本体11に、平面らせん形ランプ1の口金3,3と接続される一対のランプソケット7,7と、平面らせん形ランプ1の各口金3,3における外周部が保持されるランプホルダ22,22とを有するものが知られている(たとえば、特許文献2を参照。)。なお、図9と同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0017】
また、図10に示した照明器具10には、主発光面側から見て、平面らせん形ランプ1の連結部5を介して、ランプソケット7,7と対向する位置に、平面らせん形ランプ1の連結部5と当接して、平面らせん形ランプ1のランプピン4,4の突出方向においてランプソケット7,7から離れる方向に平面らせん形ランプ1の移動を規制する略矩形板状の規制立片23,23が設けられている(図10(a)を参照)。
【0018】
図10の照明器具10は、ランプホルダ22,22が、平面らせん形ランプ1の発光管2を覆うことなく口金3,3を保持することで、平面らせん形ランプ1からの光がランプホルダ22,22により遮られることを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2002−25331号公報
【特許文献2】特開2008−243626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、図10に示す照明器具10では、器具本体11に平面らせん形ランプ1の一対の口金3,3を保持するためのランプホルダ22,22を取り付けるため、平面らせん形ランプ1の外周部にある一対の口金3,3それぞれの更に外側にランプホルダ22,22を取り付けなければならず、照明器具10の大型化を引き起こす恐れがある。
【0021】
また、照明器具10は、単に一対のランプホルダ22,22を備えるだけでは、振動などにより平面らせん形ランプ1のランプピン4,4がランプソケット7,7から外れる方向に移動し、ランプピン4,4が露出する恐れがある。
【0022】
そのため、図10の照明器具10は、平面らせん形ランプ1が振動などによりランプソケット7,7から外れることを防止するために、ランプホルダ22,22とは別途にランプピン4,4の突出方向においてランプソケット7,7から離れる方向に平面らせん形ランプ1が移動するのを規制する規制立片23,23を一対設けており、照明器具10の構成が複雑化する傾向にある。
【0023】
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、発光特性を損なうことなく、より簡単な構成でランプを保持することが可能な照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
請求項1の発明は、発光管の両端部にそれぞれ設けられた口金および両口金の間を連結し前記発光管における主発光面側と反対の一平面側に沿って設けられる連結部を具備したランプの前記両口金がそれぞれ装着される一対のランプソケットと、該各ランプソケットが配設された器具本体とを備えた照明器具であって、前記連結部を保持する保持部が前記器具本体に設けられたことを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、発光管の両端部にそれぞれ設けられた口金および両口金の間を連結し前記発光管における主発光面側と反対の一平面側に沿って設けられる連結部を具備したランプの連結部を利用して、照明器具が前記ランプを保持する保持部を設けることにより、前記ランプの発光特性を損なうことなく、より簡単な構成で前記ランプを保持することが可能な照明器具とすることができる。
【0026】
すなわち、前記発光管の両端部に設けられた両口金の間同士を結び照明器具への装着時や輸送時にランプの破損を防止などする前記ランプの連結部は、通常、樹脂等により構成された非発光体であり、照明器具に組み込まれた場合には、前記発光管に対して主発光面側と反対の一平面側(器具本体側)に位置する。照明器具の前記保持部が前記ランプの前記連結部を保持固定することで、前記発光管の主発光面側などを覆うこともない。そのため、前記保持部が光源となる前記ランプの影となることもなく、しかも、前記ランプが振動などに起因して前記ランプソケットから外れるような移動を規制することもできる。
【0027】
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ランプソケットは、同一平面において前記発光管の長さ方向の中間部を中心に該中間部から同一方向の渦巻状に旋回する二重渦巻き形状の前記発光管を具備した前記ランプにおける前記口金が装着されることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、照明器具の光源として、環形ランプと比較して、前記発光管の外径が小さく前記発光管の厚みも薄型化することが可能な二重渦巻き形状の前記発光管を具備した前記ランプを用いた場合においても、前記発光管に余分な力をかけることなく前記ランプを装着が可能な照明器具とすることができる。
【0029】
また、照明器具の前記保持部が二重渦巻き形状の前記発光管のより中間部側にある前記連結部を利用して、前記ランプを保持することができるため照明器具の前記保持部の取り付け領域を前記ランプの前記発光管のより外周部に設ける必要もない。そのため、照明器具の大型化を抑制し、たとえば、円盤形状の器具本体を用いた場合における器具本体の最小径を前記ランプの外形と略同一程度とすることができる。また、照明器具の前記保持部が前記ランプからの光を遮ることなく、面状発光を得ることもできる。
【0030】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記保持部は、前記発光管の前記一平面側と、前記発光管における前記一平面側に沿って設けられる前記連結部の板状部との隙間で前記連結部の前記板状部を保持することを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、前記保持部が前記連結部の前記板状部の全体を利用して前記ランプを保持することが可能となるので、前記器具本体における前記保持部の設置自由度を高めることができる。また、前記保持部は、たとえば、前記ランプにおける長尺状の前記板状部を前記器具本体の一表面側に対して平行な面内で回転させて、前記発光管の前記一平面側と、前記発光管における前記一平面側に沿って設けられる前記連結部の板状部との隙間に保持する回転取付構造とすることが可能となる。これにより、前記保持部は、照明器具に、照明器具から前記ランプの落下防止および前記ランプが前記ランプソケットから外れる方向に回転する逆回転を防止する機能などを付与することができる。
【0032】
請求項4の発明は、請求項2に記載の発明において、前記保持部は、前記渦巻状に旋回する二重渦巻き形状の隣接する前記発光管の管壁同士の間に設けられ、且つ前記発光管における前記一平面側に沿って設けられる前記連結部の板状部を保持することを特徴とする。
【0033】
この発明によれば、前記保持部が前記発光管の管壁同士の間に設けられることで、前記発光管と前記器具本体との間隙の寸法を小さくし、照明器具全体の厚みを薄くすることが可能となる。また、前記保持部は、前記ランプを照明器具への移動で固定することも可能となる。
【0034】
請求項5の発明は、請求項3または請求項4に記載の発明において、前記保持部は、前記連結部の前記板状部を係止する爪部を備えてなることを特徴とする。
【0035】
この発明によれば、前記保持部に備えられた爪部により、前記板状部を係止することで、たとえば、前記ランプを照明器具にワンタッチで取り付けできる。また、前記保持部の前記爪部は、振動などで前記ランプが前記ランプソケットから外れる方向に力がかかっても、前記ランプのランプピンが前記ランプソケットから露出することを防止することもできる。
【発明の効果】
【0036】
請求項1の発明は、発光管の両端部にそれぞれ設けられた口金および両口金の間を連結し前記発光管における主発光面側と反対の一平面側に沿って設けられる連結部を具備したランプの前記両口金がそれぞれ装着される一対のランプソケットが器具本体に配設された照明器具に、前記連結部を保持する保持部を設けたことで、発光特性を損なうことなく、より簡単な構成で前記ランプを保持することが可能な照明器具とすることができるという顕著な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施形態1の照明器具を示し、(a)は概略正面図、(b)は(a)のB−B’概略断面図、(c)は他の概略断面図である。
【図2】同上の照明器具における保持部の構成を説明する説明図である。
【図3】同上の照明器具における他の保持部の構成を説明する説明図である。
【図4】実施形態2の照明器具を示し、(a)は概略正面図、(b)は(a)のB−B’概略断面図、(c)は他の概略断面図である。
【図5】同上の照明器具における保持部の構成を説明する説明図である。
【図6】従来の環形ランプを備えた照明器具の概略断面図である。
【図7】環形ランプを備えた参考となる照明器具の概略正面図である。
【図8】同一平面に沿って渦巻き状に旋回された発光管を有する平面らせん形ランプの概略正面図である。
【図9】平面らせん形ランプを備えた参考のための照明器具を示し、(a)は概略正面図、(b)は概略断面図である。
【図10】平面らせん形ランプを備えた従来の照明器具を示し、(a)は概略正面図、(b)は概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本願の発明を各実施形態に基づいて説明するが、いずれも例示的に説明するものであって、本願の発明は、各実施形態に特有な事項に基づいて限定解釈されるものだけに限らない。
【0039】
(実施形態1)
以下、本実施形態の照明器具について、図1を用いて説明し、照明器具の保持部の例を図2および図3に基づいて詳述する。
【0040】
本実施形態の図1に示す照明器具10は、たとえば、造営材たる天井材15に取り付けられ室内を照明するために用いられる。照明器具10は、主発光面側が略円形の器具本体11に一対のランプソケット7,7を対向配置して備えている(図1(a)を参照)。なお、ランプソケット7,7は、平面らせん形ランプ1の口金3,3におけるランプピン4,4を差し込んで固定するプランジャ式の構造としている。
【0041】
ここで、本実施形態の照明器具10の光源として用いられる平面らせん形ランプ1は、図8と同様、略一平面において、管の長さ方向の中間部2aから渦巻状に旋回する二重渦巻き形状の発光管2と、発光管2の両端部の先端側に2本の平行なランプピン4,4が突設される一対の口金3,3がそれぞれ設けられている。一対の口金3,3は、発光管2の中間部2aを中心として点対称となる位置に配置している。
【0042】
ランプピン4,4は、一方の口金3に設けたランプピン4,4の突出方向と、他方の口金3に設けたランプピン4,4の突出方向が逆方向となっている。発光管2の中間部2aは、他の部位よりも太く形成してあり、発光管2の中間部2aの一部が主発光面側(図1(b),(c)の下側)に突出している。なお、上述の平面らせん形ランプ1は、発光管2の内部に蛍光体膜(図示しない)が塗布された平面らせん形蛍光ランプである。
【0043】
また、平面らせん形ランプ1は、平面らせん形ランプ1の発光管2の一対の口金3,3の配置を固定して発光管2の強度を高める連結部5を備えている。連結部5は、一対の口金3,3に近接して発光管2の管の外形をそれぞれ覆う筒状部5a,5aと、筒状部5a,5a間を平面らせん形ランプ1の主発光面と反対の前記一平面側に沿って設けられ筒状部5a,5aと一体に連結された樹脂からなる板状部5bとを有する。連結部5は、平面らせん形ランプ1の発光管2の製造状態によらず両口金3,3間のピッチを定めることもできる。
【0044】
平面らせん形ランプ1は、連結部5の板状部5bが器具本体11側に配置され、全体として平面状に発光する平面発光体として機能する。なお、平面らせん形ランプ1は、各口金3,3と、その内側の発光管2との間に発光管2の強度を高める充填材(図示せず)を充填していてもよい。
【0045】
次に、照明器具10について説明する。照明器具10は、器具本体11が金属製であって、略平板状の円盤に形成されている。図1(b)は、図1(a)のB−B’概略断面図を示す。図1(b)の概略断面図に示す照明器具10は、器具本体11の略中央部に貫通穴11aが貫設されており、貫通孔11aを避けて平面らせん形ランプ1を点灯させる点灯回路部12が内蔵されている。また、照明器具10の器具本体11の貫通孔11aには、照明器具10の点灯回路部12へ給電を行うとともに器具本体11を機械的に結合するアダプタ13が天井材15側から挿入されて取り付け固定されることになる。照明器具10における器具本体11の一表面11b側には、平面らせん形ランプ1の光を効率よく反射させる反射板16を備えている。また、照明器具10の主発光面側には、光源たる平面らせん形ランプ1を覆うように透光性材料からなるランプカバー14が設けられている。
【0046】
ここで、本実施形態の照明器具10は、照明器具10の器具本体11における一表面11bにおいて、平面らせん形ランプ1を保持する複数個(ここでは、2個)の保持部6,6を備えている。照明器具10の保持部6,6は、主発光面側から見て平面らせん形ランプ1の中間部2aと、二重渦巻き形状の最外周部との間に、中間部2aに対して点対称で2個配置させおり、保持部6,6が矢印A(図1(a)を参照)の方向に平面らせん形ランプ1の回転力を受けることができる。
【0047】
保持部6,6は、たとえば、弾性を有するステンレスなどの金属材料からなる板材を折曲加工により形成させたものであり、一端部が器具本体11の一表面11b側にビス(図示せず)を用いて固定され、一表面11bから立設した立設部6b,6bを備えている。各保持部6,6は、保持部6,6の固定されていない他端部側が、立設部6b,6bと略垂直方向に突出した突出部6a,6aを備えている。保持部6,6の突出部6a,6aは、平面らせん形ランプ1の発光管2の前記一平面側と、該発光管2の前記一平面側に沿って設けられる連結部5の板状部5bとの隙間2bに通され、平面らせん形ランプ1を照明器具10に保持している。
【0048】
各保持部6,6の突出部6a,6aには、それぞれ複数個(ここでは、2個)の爪部6c,6dを設けている。突出部6aの爪部6cは、突出部6aの先端部に設けられ、平面らせん形ランプ1が振動などで突出部6a,6aから外れないように係止する機能を備えている(図1(c)を参照)。また、突出部6aの爪部6dは、爪部6cよりも立設部6b側に設けられ、平面らせん形ランプ1のランプピン4,4がランプソケット7,7から抜けないように連結部5を係止する。
【0049】
光源となる平面らせん形ランプ1を照明器具10に取り付けるためには、保持部6,6の突出部6a,6aを、平面らせん形ランプ1の発光管2の前記一平面側と、該発光管2の前記一平面側に沿って設けられる連結部5の板状部5bとの隙間2bに通す。次に、平面らせん形ランプ1の板状部5bが一対の保持部6,6の突出部6a,6aで吊り下げ保持できるように、照明器具10に対して矢印A方向(図1(a)を参照)に回転させる。連結部5の板状部5bは、保持部6の爪部6cおよび爪部6dを越えて、平面らせん形ランプ1の口金3,3から突出したランプピン4,4がランプソケット7,7に挿入されるまで回転させる。これにより、光源となる平面らせん形ランプ1が、一対の保持部6,6によって、照明器具10に保持固定されることになる。
【0050】
以下、本実施形態の照明器具10に用いられる保持部6の詳細について、図2および図3を用いて説明する。
【0051】
照明器具10の器具本体11の一表面11b側に設けられた図2(a)に示す一対の保持部6,6は、器具本体11の一表面11bから立設した立設部6b,6bと、立設部6b,6bの先端から突出した突出部6a,6aとを備えている。保持部6,6は、平面らせん形ランプ1を照明器具10に対して矢印Aの方向(図1(a)を参照)に回転させることにより、平面らせん形ランプ1の板状部5bが一対の保持部6,6に保持され取り付けることができるように、保持部6,6の突出部6a,6aを互いに対向するように配置させている。
【0052】
照明器具10の保持部6,6は、振動などで平面らせん形ランプ1の板状部5bが保持部6,6の突出部6a,6aの先端から外れないように、照明器具10の器具本体11に設けられた保持部6,6の突出部6a,6aの先端と、器具本体11の一表面11bとの距離dを、平面らせん形ランプ1の板状部5bの厚みtよりも小さくさせて、板状部5bを挟み込んでいる。
【0053】
各保持部6の突出部6aおよび立設部6bは、たとえば、ステンレスなどの金属で形成されて弾性を備えており、突出部6aと照明器具10の器具本体11の一表面11bとの間(距離d)を広げて、突出部6aと照明器具10の器具本体11の一表面11bとの間に連結部5の板状部5bを挿入する。連結部5の板状部5bが挿入された後は、突出部6aと照明器具10の器具本体11の一表面11bとの間(距離d)が再び狭まり、板状部5bが保持部6に保持される。
【0054】
また、本実施形態の照明器具10に用いられる他の保持部6,6として、保持部6,6は、図2(b)に示すように複数個(ここでは、2個)の保持部6,6の突出部6a,6aを同一方向に配置させてもよい。この場合、平面らせん形ランプ1を照明器具10の器具本体11の一表面11bと略平行に一方向にスライドさせることにより、保持部6,6は、平面らせん形ランプ1の連結部5における板状部5bを一対の保持部6,6の突出部6a,6aで保持することができる。
【0055】
次に、図3に示す本実施形態の他の保持部6,6は、たとえば、絶縁性の樹脂材料からなる合成樹脂成形品で形成させている。保持部6,6は、一端部を照明器具10の器具本体11の一表面11b側に埋め込み固定している。保持部6,6は、固定されていない他端部側の突出部6a,6aを平面らせん形ランプ1の発光管2の前記一平面側と、発光管2における前記一平面に沿って設けられる連結部5の板状部5bとの隙間2b(図1(b)を参照)に通して、平面らせん形ランプ1を保持している。各保持部6,6の突出部6a,6aには、平面らせん形ランプ1の連結部5を引っ掛ける爪部6c,6c,6d,6dを設けている。すなわち、保持部6,6の爪部6c,6c,6d,6dは、平面らせん形ランプ1の連結部5が前記ランプの前記ランプソケットへの取り付け方向には進みやすく、前記ランプが前記ランプソケットから外れる取り外し方向には進み難く逆回転を防止する構造としている。
【0056】
保持部6の突出部6aの先端において、器具本体11の一表面11b側に向けられた突起となる一段目の爪部6c,6cは、たとえば、平面らせん形ランプ1を照明器具10の設置する際に、照明器具10からの落下防止用などとして機能する。また、保持部6の突出部6aの先端よりも立設部6b側であって、器具本体11の一表面11b側に向けられた二段目の爪部6d,6dは、平面らせん形ランプ1の口金3,3とランプソケット7,7との位置合わせ用として機能し、平面らせん形ランプ1を照明器具10に係止することができる。
【0057】
ここでは、照明器具10の器具本体11の一表面11b側に設けられた一対の保持部6,6は、平面らせん形ランプ1を照明器具10の一表面11b側に対して平行な面内で回転させ、平面らせん形ランプ1の連結部5が一対の保持部6,6に保持して取り付けることができるように、図3(a)に示す保持部6,6の突出部6a,6aが互いに対向するように配置させてもよい。また、一対の保持部6,6は、平面らせん形ランプ1を照明器具10の一表面11bと平行に一方向にスライドさせることにより、平面らせん形ランプ1の連結部5を保持して取り付けることができるように、複数個(ここでは、2個)の保持部6,6の突出部6a,6aを互いに同一方向に配置させてもよい(図3(b)を参照)。
【0058】
なお、爪部6cと、爪部6dは、必ずしも同じ大きさでなくともよく、たとえば、爪部6cを爪部6cより一表面11b側に突出した突起とすることで、突出部6a,6aが撓んでも平面らせん形ランプ1の落下防止などの機能をより高めることができる。同様に、保持部6における突出部6aの板状部5bと接する表面は、平面らせん形ランプ1の落下防止の機能を高めるために、板状部5bとの摩擦が増えるような凹凸形状としてもよい。
【0059】
いずれにしろ、本実施形態の照明器具10は、器具本体11側に上述の保持部6,6を備えることで、平面らせん形ランプ1の発光管2に余分な負荷を加えることなく平面らせん形ランプ1を照明器具10に保持させるとともに、平面らせん形ランプ1の主発光面側を保持部6,6で覆うことがない。
【0060】
このような保持部6,6は、ステンレスなどの金属材料で形成させてもよいし、合成樹脂材料で形成させてもよい。また、各保持部6,6における爪部6c,6dの形状や数は、連結部5の板状部5bの形状に応じて複数個設ければよい。保持部6,6は、平面らせん形ランプ1からの光を反射するものが好ましく、照明器具10の消灯時にランプカバー14を介して保持部6が目立たないように器具本体11、板状部5bや反射板16などと同色に着色することもできるし、透光性とすることもできる。
【0061】
なお、本実施形態の照明器具10の光源として、平面らせん形ランプ1を用いて説明したが、照明器具10は、保持部6が光源たるランプの発光管2における主発光面側と反対の前記一平面側に沿って設けられた連結部5で保持できればよい。したがって、発光管2の形状は、二重渦巻き形状に限られず、発光管2が湾曲していない棒状(図示せず)でもよいし、主発光面側に突出した渦巻となる円錐形状(図示せず)など所望に応じて種々の形状のものを用いることができる。
【0062】
また、ランプの連結部5は、発光管2の一対の口金3,3を単に一体的に連結させるだけでなく、各口金3,3に給電する電源コード(図示せず)を内蔵させたものを用いてもよい。
【0063】
(実施形態2)
本実施形態の照明器具10の基本構成は、実施形態1と共通であるので、特徴となる部分について図4および図5に基づいて説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0064】
本実施形態の照明器具10は、実施形態1の照明器具10に設けられた保持部6,6が、平面らせん形ランプ1を器具本体11の一表面11b側に対して、平行な面内での回転や一方向へのスライドなどにより移動させて固定させるのに対し、本実施形態の照明器具10の保持部6,6は、器具本体11の一表面11bに対して略垂直方向となる器具本体11の一表面11b側に平面らせん形ランプ1を押し込んで固定する点が相違する。
【0065】
本実施形態の照明器具10は、照明器具10の保持部6,6が平面らせん形ランプ1の発光管2の前記一平面側と、発光管2における前記一平面側に沿って設けられる連結部5の板状部5bとの隙間2bを利用して固定するのではなく、発光管2の管壁同士の間に保持部6,6を挟みこむことで平面らせん形ランプ1を保持する。
【0066】
より具体的には、照明器具10の保持部6,6は、平面らせん形ランプ1の渦巻き状に旋回する二重渦巻き形状の隣接する発光管2の管壁同士の間2cに設けられ、平面らせん形ランプ1の長尺状の板状部5bに沿って、複数個(ここでは、2個)配置させている(図4(a),(b)を参照)。
【0067】
図5(a)により詳細に示す各保持部6,6は、器具本体11の一表面11bから立設し収納する長尺状の板状部5bの幅に相当するだけ離して配置された一対の立設部6e,6eと、各立設部6e,6eそれぞれの先端部に、対向する一対の爪部6f,6fが設けられている。平面らせん形ランプ1の照明器具10への取り付け時には、平面らせん形ランプ1の板状部5bが照明器具10の器具本体11の一表面11b側に押し込められる。保持部6,6の爪部6f,6fを先端に備えた一対の対向する立設部6e,6e間が広がった後、板状部5bが爪部6f,6fを通過して一表面11b側に移動することにより、立設部6e,6eが再び狭まる。これにより、平面らせん形ランプ1は、保持部6,6の立設部6e,6eと、爪部6f,6fと、照明器具10の器具本体11の一表面11bとの間に挟まれて係止され、照明器具10に保持される。
【0068】
この場合、平面らせん形ランプ1の口金3,3のランプピン4,4は、差込型の接触方式であるが、直管ランプの回転式のように発光管2を回転させるのではなく、図4に示す照明器具10のランプソケット7,7のスリット(図示せず)にランプピン4,4を挿入後、ランプソケット7,7を口金3,3の軸中心に沿って回転させ前記スリットを塞ぐことでランプピン4,4を固定するランプ着脱方式で構成している。
【0069】
いいかえれば、平面らせん形ランプ1のランプピン4,4を直管ランプに用いられる回転式ソケットと同様にランプソケット7,7の前記スリットに沿って挿入し、この状態でランプソケット7,7本体に設けられた操作レバー7aを、たとえば、口金3,3の軸中心に沿って90度回転させると、ランプピン4,4とランプソケット7,7の内部の導電板(図示せず)とが接触し導通する。操作レバー7aの回転後は、ランプソケット7,7の前記スリットが塞がれランプピン4,4は、ランプソケット7,7から抜け止めされる。これにより、平面らせん形ランプ1の固定と導通とを同じ動作で行うことができる。
【0070】
本実施形態における保持部6,6は、たとえば、絶縁性を有する樹脂材料から成る合成樹脂成形品で形成してもよいし、器具本体11の一表面11bの一部を主発光面側に切り上げて形成してもよい。
【0071】
また、本実施形態の他の保持部6,6としては、図5(b)に示すように器具本体11の一表面11bに立設し、平面らせん形ランプ1を一表面11bから一定の距離を離すための離間部6i,6iと、離間部6i,6iに平面らせん形ランプ1の連結部5の板状部5bが嵌め込められる底面部6hと、底面部6hの両端部から立設した側部6g,6gとを備え、一対の対向する爪部6f,6fを側部6g,6gの先端に備えた断面が略コの字形状の構成としてもよい。図5(b)に示す保持部6,6は、平面らせん形ランプ1と、照明器具10における器具本体11の一表面11bとの距離を、離間部6i,6iにより比較的自由に設定することができるため、ランプソケット7,7との位置合わせの自由度を確保することが容易にできる。
【符号の説明】
【0072】
1 平面らせん形ランプ(ランプ)
2 発光管
2b 隙間
2c 管壁同士の間
3 口金
5 連結部
5b 板状部
6 保持部
6c,6d,6f 爪部
7 ランプソケット
10 照明器具
11 器具本体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光管の両端部にそれぞれ設けられた口金および両口金の間を連結し前記発光管における主発光面側と反対の一平面側に沿って設けられる連結部を具備したランプの前記両口金がそれぞれ装着される一対のランプソケットと、該各ランプソケットが配設された器具本体とを備えた照明器具であって、
前記連結部を保持する保持部が前記器具本体に設けられたことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記ランプソケットは、同一平面において前記発光管の長さ方向の中間部を中心に該中間部から同一方向の渦巻状に旋回する二重渦巻き形状の前記発光管を具備した前記ランプにおける前記口金が装着されることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記保持部は、前記発光管の前記一平面側と、前記発光管における前記一平面側に沿って設けられる前記連結部の板状部との隙間で前記連結部の前記板状部を保持することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記保持部は、前記渦巻状に旋回する二重渦巻き形状の隣接する前記発光管の管壁同士の間に設けられ、且つ前記発光管における前記一平面側に沿って設けられる前記連結部の板状部を保持することを特徴とする請求項2に記載の照明器具。
【請求項5】
前記保持部は、前記連結部の前記板状部を係止する爪部を備えてなることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の照明器具。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−49006(P2011−49006A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196062(P2009−196062)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】