照明器具
【課題】落下防止ワイヤを映り込まないようにできるとともに落下防止ワイヤを外れないようにできる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具10は、LED25を直線状に取り付ける器具本体11と、器具本体11に着脱可能なカバー枠体12と、器具本体11からカバー枠体12を外したときにカバー枠体12が落下するのを防止するための落下防止ワイヤ13とを備え、器具本体11に落下防止ワイヤ13を挿通させる孔40を設けるとともに、孔40における器具本体11の内側に落下防止ワイヤ13の抜止部43を設ける。
【解決手段】照明器具10は、LED25を直線状に取り付ける器具本体11と、器具本体11に着脱可能なカバー枠体12と、器具本体11からカバー枠体12を外したときにカバー枠体12が落下するのを防止するための落下防止ワイヤ13とを備え、器具本体11に落下防止ワイヤ13を挿通させる孔40を設けるとともに、孔40における器具本体11の内側に落下防止ワイヤ13の抜止部43を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDを光源として天井面に設置される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、器具本体に落下防止ワイヤの一端を取り付け、落下防止ワイヤの他端をルーバに取り付けた照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の照明器具は、施工時に落下防止ワイヤが垂れ下がるために、落下防止ワイヤをルーバに装着することを認識させて装着忘れを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−21539号公報(図1、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前述した特許文献1に記載された照明器具は、器具本体に透光性のあるカバー枠が取り付けられる場合に、落下防止ワイヤがカバー枠の内面側に残っていると、光源が点灯された際に、カバー枠の内側に残されている落下防止ワイヤの影がカバー枠の表面上に映り込む。
従って、前述した特許文献1に記載された照明器具は、外観イメージすなわち美的感覚に劣るものとなる。
【0005】
また、前述した特許文献1に記載された照明器具は、器具本体に取り付けられる落下防止ワイヤの一端が例えばS字形状のフックになっており、このフックを器具本体に引掛けることにより落下防止ワイヤが器具本体に取り付けられる。そのため、落下防止ワイヤは器具本体から容易に着脱される。
従って、前述した特許文献1に記載された照明器具は、施工時に落下防止ワイヤが弛んだ場合等にフックが器具本体から外れることがあるとともに、施工後に振動等によりフックが器具本体から外れることがある。さらに、一般のユーザーが施工時に落下防止ワイヤのフックを器具本体に取り付けるのを忘れることがある。
【0006】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、落下防止ワイヤを映り込まないようにできるとともに落下防止ワイヤを外れないようにできる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る照明器具は、LEDを直線状に取り付ける器具本体と、前記器具本体に着脱可能なカバー枠体と、前記器具本体から前記カバー枠体を外したときに前記カバー枠体が落下するのを防止するための落下防止ワイヤとを備え、前記器具本体に前記落下防止ワイヤを挿通させる孔が設けられるとともに、前記孔の前記器具本体の内側に前記落下防止ワイヤの抜止部が設けられる。
【0008】
本発明に係る照明器具は、前記落下防止ワイヤは、屈曲性が低く硬い線状体であり、前記カバー枠体が前記器具本体に装着される方向に移動されたときに、前記孔から前記器具本体の内側方向へ収容される。
【0009】
本発明に係る照明器具は、前記孔は、大孔部と、小孔部とを有しており、前記抜止部は、前記大孔部を裏面から覆う板状のばね部材である。
【0010】
本発明に係る照明器具は、前記孔は、大孔部と、小孔部とを有しており、前記抜止部は、前記大孔部から前記小孔部へ向けて前記落下防止ワイヤの外径よりも狭く形成される溝である。
【0011】
本発明に係る照明器具は、前記孔が、縁部を曲面状に形成されており、前記抜止部は、前記孔の内側に形成される爪である。
【0012】
本発明に係る照明器具は、前記孔が筒状のガイドであり、前記抜止部は、前記ガイドの内側に形成される爪である。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る照明器具によれば、カバー枠体を装着する際に落下防止ワイヤを容易に器具本体内に収納させることでカバー枠表面に映り込まないようにできるとともに、落下防止ワイヤを外れないようにできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る第1実施形態の照明器具の正面図
【図2】本発明に係る第1実施形態の照明器具の側面図
【図3】本発明に係る第1実施形態の照明器具の垂直断面図
【図4】本発明に係る第1実施形態の照明器具における器具本体側落下防止ワイヤ掛止部周りの外観斜視図
【図5】本発明に係る第1実施形態の照明器具における器具本体側落下防止ワイヤ掛止部の側面図
【図6】本発明に係る第1実施形態の照明器具における器具本体側落下防止ワイヤ掛止部の正面図
【図7】本発明に係る第1実施形態の照明器具における落下防止ワイヤの器具本体側落下防止ワイヤ掛止部への掛止手順の第1段階の垂直断面図
【図8】本発明に係る第1実施形態の照明器具における落下防止ワイヤの器具本体側落下防止ワイヤ掛止部への掛止手順の第1段階の水平断面図
【図9】本発明に係る第1実施形態の照明器具における落下防止ワイヤの器具本体側落下防止ワイヤ掛止部への掛止手順の第2段階の水平断面図
【図10】本発明に係る第1実施形態の照明器具における落下防止ワイヤの器具本体側落下防止ワイヤ掛止部への掛止手順の第3段階の水平断面図
【図11】本発明に係る第1実施形態の照明器具における落下防止ワイヤの器具本体側落下防止ワイヤ掛止部への掛止手順の第4段階の垂直断面図
【図12】本発明に係る第1実施形態の照明器具における落下防止ワイヤの器具本体側落下防止ワイヤ掛止部への掛止手順の第4段階の水平断面図
【図13】本発明に係る第2実施形態の照明器具における器具本体側落下防止ワイヤ掛止部周りの外観斜視図
【図14】本発明に係る第2実施形態の照明器具における器具本体側落下防止ワイヤ掛止部の側面図
【図15】本発明に係る第2実施形態の照明器具における器具本体側落下防止ワイヤ掛止部の作用を説明する側面図
【図16】本発明に係る第3実施形態の照明器具における器具本体側落下防止ワイヤ掛止部の水平断面図
【図17】本発明に係る第4実施形態の照明器具における器具本体側落下防止ワイヤ掛止部の水平断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る複数の実施形態の照明器具について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1および図2に示すように、本発明に係る第1実施形態の照明器具10は、器具本体11と、カバー枠体12と、落下防止ワイヤ(図3参照)13とを備え、天井面(図3参照)1の内側に器具本体11の一部を挿入させて天井面1に設置される。
器具本体11は、長手方向の端部に半円形状に形成された一対の側部カバー14を備える。
【0016】
図3に示すように、器具本体11は、不図示の点灯回路等を収容する主器具本体部15の下方に主器具本体部15の幅寸法よりも大きい幅寸法のカバー枠体取付部16を有し、カバー枠体取付部16の内側に副器具本体部17を有する。
カバー枠体取付部16は、器具本体11の幅方向である短手方向の一端部にカバー枠体12を回動自在に支持するための円柱形状に形成された回動支持部18を器具本体11の長手方向に有し、器具本体11の短手方向の他端部にカバー枠体12を係止するためのフック形状に形成された係止部19を有する。
【0017】
副器具本体部17は、一対のフランジ付の側板20と、側板20の下端縁に接続された底板21とを有する。副器具本体部17は、カバー枠体取付部16の回動支持部18側の一方の側板20に器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22を有する。
【0018】
副器具本体部17は、その底板21の下面に、器具本体11の長手方向にユニット台23が取り付けられており、このユニット台23に、複数のLED25を器具本体11の長手方向に直線状に配置したLEDユニット24が取り付けられている。LEDユニット24は、LED25が実装されたLED基板26に有する不図示のプリント回路が点灯回路に電気的に接続されている。ユニット台23には、LEDユニット24を覆って半円筒形状に形成されたレンズ27が器具本体11の長手方向に取り付けられている。レンズ27は、その内面にLED25からの光成分を拡散するための光拡散部28が設けられる。
【0019】
カバー枠体12は、例えば透明や乳白色の樹脂材料により半円筒形状に形成されたカバー29と、カバー29の短手方向の一端部に取り付けられた第1枠部30と、カバー29の短手方向の他端部に取り付けられた第2枠部31とを有する。
第1枠部30は、その上端部にカバー枠体取付部16の回動支持部18に係合される回動受部32を有し、その下端部にカバー取付部33を有し、カバー取付部33の内側にカバー枠体側落下防止ワイヤ取付部34を有する。
第2枠部31は、その上端部に、カバー枠体取付部16の係止部19に係止される係止受部35を有し、その下端部にカバー取付部36を有する。
【0020】
カバー枠体12は、第1枠部30の回動受部32がカバー枠体取付部16の回動支持部18に係合された状態において、第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19に係止されることによりカバー枠体取付部16に組み付けられる。
【0021】
カバー枠体12は、第1枠部30の回動受部32がカバー枠体取付部16の回動支持部18に係合された状態において、第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19から係止を解除されると、回動支持部18を中心として回動されて、LEDユニット24を露出させ、LEDユニット24の点検や交換が行われる。
【0022】
カバー枠体12は、第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19から係止を解除されている状態において、第1枠部30の回動受部32がカバー枠体取付部16の回動支持部18から係合を解除されると、カバー枠体取付部16から分離されて取り外される。
【0023】
落下防止ワイヤ13は、屈曲性が低く硬い線状体であるワイヤ本体部37を有する。落下防止ワイヤ13は、ワイヤ本体部37のカバー枠体12側の一端部にワイヤ本体部37の外径寸法よりも大きい外径寸法を有して結束された球形の一端側結束部38を有し、ワイヤ本体部37の副器具本体部17側の他端部にワイヤ本体部37の外径寸法よりも大きい外径寸法を有して結束された球形の他端側結束部39を有する。
【0024】
落下防止ワイヤ13は、一端側結束部38がカバー枠体側落下防止ワイヤ取付部34に係止される。このとき、カバー枠体側落下防止ワイヤ取付部34がC字形状に形成されているために、カバー枠体側落下防止ワイヤ取付部34の内側にワイヤ本体部37が挿通された状態で一端側結束部38がカバー枠体側落下防止ワイヤ取付部34に引っ掛って係止される。そのため、落下防止ワイヤ13は、一端側結束部38がカバー枠体側落下防止ワイヤ取付部34から位置ずれすることなく強固に取り付けられる。
落下防止ワイヤ13は、他端側結束部39が器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22に掛止される。
【0025】
次に、器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22について詳細に説明する。
図4に示すように、落下防止ワイヤ13は、ワイヤ本体部37が外径寸法L1を有し、他端側結束部39が外径寸法L2を有する。
器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22は、副器具本体部17の一方の側板20において、大孔部41と小孔部42とを有して形成された孔40と、抜止部43を構成し、大孔部41を一方の側板20の裏面から覆うばね部材44とを有する。
従って、器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22が、大孔部41と小孔部42とを有する孔40と、抜止部43を構成するばね部材44とから形成されるために、単純な構造によりコスト面で有利に製造できる。
【0026】
図5および図6に示すように、孔40は、大孔部41における副器具本体部17の長手方向の一部に小孔部42が連通して接続されている。大孔部41は、落下防止ワイヤ13のワイヤ本体部37が有する外径寸法L1よりも十分に大きく、かつ、落下防止ワイヤ13の他端側結束部39が有する外径寸法L2よりも十分に大きい内径寸法L3を有する。
【0027】
ばね部材44は、若干の弾性反発力を有する板部材であって、大孔部41において、副器具本体部17の一方の側板20の裏面に、表面からねじ込まれたねじ45によりねじ止めされている。
ばね部材44は、大孔部41から小孔部42へ向けて長さを有して取り付けられているために、小孔部42において、落下防止ワイヤ13のワイヤ本体部37が有する外径寸法L1よりもわずかに大きい内径寸法L4のワイヤ本体挿通部46が形成される。
【0028】
次に、落下防止ワイヤ13の器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22への掛止手順について説明する。
図7に示すように、器具本体11からカバー枠体12が取り外されている。落下防止ワイヤ13は、一端側結束部38がカバー枠体側落下防止ワイヤ取付部34に係止されているために、屈曲性が低く硬い線状体であるワイヤ本体部37が、その他端側結束部39を上方に向けて配置する。
図8に示すように、このとき、器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22は、ばね部材44が副器具本体部17の一方の側板20に密着するように副器具本体部17の一方の側板20に平行に配置されている。
【0029】
図9に示すように、カバー枠体12が器具本体11に向けて進行されることにより、落下防止ワイヤ13は、他端側結束部39が器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22において大孔部41を通じて副器具本体部17の内側へ押圧されるために、ばね部材44を副器具本体部17の内側へ向けて弾性変形させる。
【0030】
図10に示すように、副器具本体部17の内側へ向けて弾性変形されたばね部材44は、自らに蓄積された弾性復元力により大孔部41を覆う方向に向けて弾性復元されるために、落下防止ワイヤ13は、その他端側結束部39が小孔部42に向けて強制的に押圧される。他端側結束部39が小孔部42に向けて強制的に押圧された落下防止ワイヤ13は、大孔部41から押し出されて小孔部42に移動され、ワイヤ本体部37が小孔部42においてワイヤ本体挿通部46に配置される。
【0031】
図11および図12に示すように、ワイヤ本体部37が小孔部42においてワイヤ本体挿通部46に配置された落下防止ワイヤ13は、ワイヤ本体部37に有する特性により、ワイヤ本体部37がワイヤ本体挿通部46内を挿通されて、他端側結束部39が副器具本体部17の一方の側板20の内側へ向けて移動される。
従って、単純な構造のばね部材44により、落下防止ワイヤ13の他端側結束部39を器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22に挿通できるとともに落下防止ワイヤ13のワイヤ本体部37を器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22のワイヤ本体挿通部46へ強制的に移動できる。
【0032】
図3に戻り、他端側結束部39が副器具本体部17の一方の側板20の内側へ向けて移動された落下防止ワイヤ13は、そのワイヤ本体部37が、LEDユニット24からの光成分が照射されない位置において副器具本体部17の周囲に残らずに副器具本体部17内に収容される。そして、第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19に係止される。
従って、落下防止ワイヤ13がカバー枠体12のカバー29に映り込まないようにできる。
【0033】
第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19から係止を解除され、第1枠部30の回動受部32がカバー枠体取付部16の回動支持部18から係合を解除されることにより、カバー枠体12がカバー枠体取付部16から分離されると、カバー枠体12に自重により下方へ向く力がかかる。
このとき、落下防止ワイヤ13は、ワイヤ本体部37がワイヤ本体挿通部46内を下方に向けて挿通されていき、他端側結束部39が副器具本体部17の一方の側板20の内側においてワイヤ本体挿通部46の周囲に掛止される。
【0034】
これにより、落下防止ワイヤ13は、他端側結束部39が副器具本体部17の一方の側板20において器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22から外れることなく掛止されて、カバー枠体12を器具本体11の下方に吊り下げる。
従って、落下防止ワイヤ13が器具本体11から外れないようにできる。
【0035】
以上、説明した第1実施形態の照明器具10によれば、器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22の孔40に落下防止ワイヤ13が挿通された後に、器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22の抜止部43により落下防止ワイヤ13が抜け止められるために、落下防止ワイヤ13を器具本体11から外れないようにできる。
【0036】
また、第1実施形態の照明器具10によれば、屈曲性が低く硬い線状体のワイヤ本体部37を有する落下防止ワイヤ13が、カバー枠体12が副器具本体部17に装着される方向に移動されたときに、孔40から副器具本体部17の一方の側板20の内側方向へ収容されるために、落下防止ワイヤ13をカバー枠体12のカバー29に映り込まないようにできる。
【0037】
そして、第1実施形態の照明器具10によれば、器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22が、大孔部41と小孔部42とを有する孔40と、抜止部43を構成するばね部材44とから形成されるために、単純な構造によりコスト面で有利に製造できる。
【0038】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の照明器具について説明する。
なお、以下の各実施形態において、前述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0039】
図13に示すように、本発明に係る第2実施形態の照明器具50に有する器具本体側落下防止ワイヤ掛止部51は、大孔部53と小孔部54とを有する孔52を有し、抜止部55が、大孔部53と小孔部54との間を連通して接続された溝56である。大孔部53は、副器具本体部17の一方の側板20において上方に配置され、小孔部54は、大孔部53の下方に配置される。
【0040】
図14に示すように、溝56は、大孔部53側から小孔部54に向けて、落下防止ワイヤ13に有するワイヤ本体部37の外径寸法L1よりもわずかに小さい内径寸法L5を有するようにテーパ状に形成されている。
【0041】
図15に示すように、カバー枠体12が器具本体11に向けて進行されることにより、落下防止ワイヤ13は、他端側結束部39が大孔部53から副器具本体部17の内側へ押圧されながら進行されていく。そのため、ワイヤ本体部37が、LEDユニット24からの光成分が照射されない位置において副器具本体部17の周囲に残らずに副器具本体部17内に収容される。そして、第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19に係止される。
【0042】
第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19から係止を解除され、第1枠部30の回動受部32がカバー枠体取付部16の回動支持部18から係合を解除されることにより、カバー枠体12がカバー枠体取付部16から分離されると、カバー枠体12に自重により下方へ向く力がかかる。
このとき、他端側結束部39が副器具本体部17の内側に配置されている落下防止ワイヤ13は、ワイヤ本体部37が大孔部53内において下方に向けて引っ張られるために、ワイヤ本体部37が溝56に誘導されながら小孔部54へ落とし込まれる。
【0043】
そして、落下防止ワイヤ13は、ワイヤ本体部37が下方へ向けて引っ張られ続けるために、他端側結束部39が副器具本体部17の内側において器具本体側落下防止ワイヤ掛止部51に掛止され、他端側結束部39が器具本体側落下防止ワイヤ掛止部51から外れることなく掛止されたままとなって、カバー枠体12を器具本体11の下方に吊り下げる。
【0044】
第2実施形態の照明器具50によれば、ばね部材等を用いることなく、より簡素な構造で、落下防止ワイヤ13を映り込まないようにできるとともに落下防止ワイヤ13を外れないようにできる。
【0045】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態の照明器具について説明する。
図16に示すように、本発明に係る第3実施形態の照明器具60に有する器具本体側落下防止ワイヤ掛止部61は、縁部が曲面状に形成された孔62を有し、抜止部63が、孔62の内側に形成された爪64である。
【0046】
器具本体11から分離されているカバー枠体12が器具本体11に向けて進行されることにより、落下防止ワイヤ13は、他端側結束部39が孔62を貫通して副器具本体部17の内側へ押圧されながら進行されていく。そのため、ワイヤ本体部37が、LEDユニット24からの光成分が照射されない位置において副器具本体部17の周囲に残らずに副器具本体部17内に収容される。そして、第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19に係止される。
【0047】
第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19から係止を解除され、第1枠部30の回動受部32がカバー枠体取付部16の回動支持部18から係合を解除されることにより、カバー枠体12がカバー枠体取付部16から分離されると、カバー枠体12に自重により下方へ向く力がかかる。
【0048】
このとき、他端側結束部39が副器具本体部17の内側に配置されている落下防止ワイヤ13は、ワイヤ本体部37が孔62内を下方に向けて引っ張られるために、他端側結束部39が副器具本体部17の内側において抜止部63の爪64に掛止される。
そのため、他端側結束部39が副器具本体部17の一方の側板20において器具本体側落下防止ワイヤ掛止部61から外れることなく掛止されたままとなって、カバー枠体12を器具本体11の下方に吊り下げる。
【0049】
第3実施形態の照明器具60によれば、縁部が曲面状に形成された孔62を成形するだけで器具本体側落下防止ワイヤ掛止部61が形成されるために、極めて簡単に製造できるとともに、落下防止ワイヤ13の収納性を向上でき、ばね部材等を用いることなく、より簡素な構造で、落下防止ワイヤ13を映り込まないようにできるとともに落下防止ワイヤ13を外れないようにできる。
【0050】
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態の照明器具について説明する。
図17に示すように、本発明に係る第4実施形態の照明器具70に有する器具本体側落下防止ワイヤ掛止部71は、孔72が副器具本体部17の一方の側板20に取り付けられた筒状のガイド73の内周部に形成されており、抜止部74がガイド73の内周部の端部に形成された爪75である。
【0051】
器具本体11から分離されているカバー枠体12が器具本体11に向けて進行されることにより、落下防止ワイヤ13は、他端側結束部39がガイド73を貫通して副器具本体部17の内側へ押圧されながら進行されていく。そのため、ワイヤ本体部37が、LEDユニット24からの光成分が照射されない位置において副器具本体部17の周囲に残らずに副器具本体部17内に収容される。そして、第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19に係止される。
【0052】
第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19から係止を解除され、第1枠部30の回動受部32がカバー枠体取付部16の回動支持部18から係合を解除されることにより、カバー枠体12がカバー枠体取付部16から分離されると、カバー枠体12に自重により下方へ向く力がかかる。
【0053】
このとき、他端側結束部39が副器具本体部17の内側に配置されている落下防止ワイヤ13は、ワイヤ本体部37がガイド73内を下方に向けて引っ張られるために、他端側結束部39が副器具本体部17の内側において抜止部74の爪75に掛止される。
そのため、他端側結束部39が副器具本体部17の一方の側板20において器具本体側落下防止ワイヤ掛止部71から外れることなく掛止されたままとなって、カバー枠体12を器具本体11の下方に吊り下げる。
【0054】
第4実施形態の照明器具70によれば、落下防止ワイヤ13の収納性を向上できるとともに、ばね部材等を用いることなく、より簡素な構造で、落下防止ワイヤ13を映り込まないようにできるとともに落下防止ワイヤ13を外れないようにできる。
【0055】
なお、本発明の照明器具において器具本体,カバー,LEDユニット,レンズ等は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0056】
10,50,60,70 照明器具
11 器具本体
12 カバー枠体
13 落下防止ワイヤ
25 LED
40,52,62,72 孔
41,53 大孔部
42,54 小孔部
43,55,63,74 抜止部
44 ばね部材
56 溝
64,75 爪
73 ガイド
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDを光源として天井面に設置される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、器具本体に落下防止ワイヤの一端を取り付け、落下防止ワイヤの他端をルーバに取り付けた照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の照明器具は、施工時に落下防止ワイヤが垂れ下がるために、落下防止ワイヤをルーバに装着することを認識させて装着忘れを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−21539号公報(図1、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前述した特許文献1に記載された照明器具は、器具本体に透光性のあるカバー枠が取り付けられる場合に、落下防止ワイヤがカバー枠の内面側に残っていると、光源が点灯された際に、カバー枠の内側に残されている落下防止ワイヤの影がカバー枠の表面上に映り込む。
従って、前述した特許文献1に記載された照明器具は、外観イメージすなわち美的感覚に劣るものとなる。
【0005】
また、前述した特許文献1に記載された照明器具は、器具本体に取り付けられる落下防止ワイヤの一端が例えばS字形状のフックになっており、このフックを器具本体に引掛けることにより落下防止ワイヤが器具本体に取り付けられる。そのため、落下防止ワイヤは器具本体から容易に着脱される。
従って、前述した特許文献1に記載された照明器具は、施工時に落下防止ワイヤが弛んだ場合等にフックが器具本体から外れることがあるとともに、施工後に振動等によりフックが器具本体から外れることがある。さらに、一般のユーザーが施工時に落下防止ワイヤのフックを器具本体に取り付けるのを忘れることがある。
【0006】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、落下防止ワイヤを映り込まないようにできるとともに落下防止ワイヤを外れないようにできる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る照明器具は、LEDを直線状に取り付ける器具本体と、前記器具本体に着脱可能なカバー枠体と、前記器具本体から前記カバー枠体を外したときに前記カバー枠体が落下するのを防止するための落下防止ワイヤとを備え、前記器具本体に前記落下防止ワイヤを挿通させる孔が設けられるとともに、前記孔の前記器具本体の内側に前記落下防止ワイヤの抜止部が設けられる。
【0008】
本発明に係る照明器具は、前記落下防止ワイヤは、屈曲性が低く硬い線状体であり、前記カバー枠体が前記器具本体に装着される方向に移動されたときに、前記孔から前記器具本体の内側方向へ収容される。
【0009】
本発明に係る照明器具は、前記孔は、大孔部と、小孔部とを有しており、前記抜止部は、前記大孔部を裏面から覆う板状のばね部材である。
【0010】
本発明に係る照明器具は、前記孔は、大孔部と、小孔部とを有しており、前記抜止部は、前記大孔部から前記小孔部へ向けて前記落下防止ワイヤの外径よりも狭く形成される溝である。
【0011】
本発明に係る照明器具は、前記孔が、縁部を曲面状に形成されており、前記抜止部は、前記孔の内側に形成される爪である。
【0012】
本発明に係る照明器具は、前記孔が筒状のガイドであり、前記抜止部は、前記ガイドの内側に形成される爪である。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る照明器具によれば、カバー枠体を装着する際に落下防止ワイヤを容易に器具本体内に収納させることでカバー枠表面に映り込まないようにできるとともに、落下防止ワイヤを外れないようにできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る第1実施形態の照明器具の正面図
【図2】本発明に係る第1実施形態の照明器具の側面図
【図3】本発明に係る第1実施形態の照明器具の垂直断面図
【図4】本発明に係る第1実施形態の照明器具における器具本体側落下防止ワイヤ掛止部周りの外観斜視図
【図5】本発明に係る第1実施形態の照明器具における器具本体側落下防止ワイヤ掛止部の側面図
【図6】本発明に係る第1実施形態の照明器具における器具本体側落下防止ワイヤ掛止部の正面図
【図7】本発明に係る第1実施形態の照明器具における落下防止ワイヤの器具本体側落下防止ワイヤ掛止部への掛止手順の第1段階の垂直断面図
【図8】本発明に係る第1実施形態の照明器具における落下防止ワイヤの器具本体側落下防止ワイヤ掛止部への掛止手順の第1段階の水平断面図
【図9】本発明に係る第1実施形態の照明器具における落下防止ワイヤの器具本体側落下防止ワイヤ掛止部への掛止手順の第2段階の水平断面図
【図10】本発明に係る第1実施形態の照明器具における落下防止ワイヤの器具本体側落下防止ワイヤ掛止部への掛止手順の第3段階の水平断面図
【図11】本発明に係る第1実施形態の照明器具における落下防止ワイヤの器具本体側落下防止ワイヤ掛止部への掛止手順の第4段階の垂直断面図
【図12】本発明に係る第1実施形態の照明器具における落下防止ワイヤの器具本体側落下防止ワイヤ掛止部への掛止手順の第4段階の水平断面図
【図13】本発明に係る第2実施形態の照明器具における器具本体側落下防止ワイヤ掛止部周りの外観斜視図
【図14】本発明に係る第2実施形態の照明器具における器具本体側落下防止ワイヤ掛止部の側面図
【図15】本発明に係る第2実施形態の照明器具における器具本体側落下防止ワイヤ掛止部の作用を説明する側面図
【図16】本発明に係る第3実施形態の照明器具における器具本体側落下防止ワイヤ掛止部の水平断面図
【図17】本発明に係る第4実施形態の照明器具における器具本体側落下防止ワイヤ掛止部の水平断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る複数の実施形態の照明器具について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1および図2に示すように、本発明に係る第1実施形態の照明器具10は、器具本体11と、カバー枠体12と、落下防止ワイヤ(図3参照)13とを備え、天井面(図3参照)1の内側に器具本体11の一部を挿入させて天井面1に設置される。
器具本体11は、長手方向の端部に半円形状に形成された一対の側部カバー14を備える。
【0016】
図3に示すように、器具本体11は、不図示の点灯回路等を収容する主器具本体部15の下方に主器具本体部15の幅寸法よりも大きい幅寸法のカバー枠体取付部16を有し、カバー枠体取付部16の内側に副器具本体部17を有する。
カバー枠体取付部16は、器具本体11の幅方向である短手方向の一端部にカバー枠体12を回動自在に支持するための円柱形状に形成された回動支持部18を器具本体11の長手方向に有し、器具本体11の短手方向の他端部にカバー枠体12を係止するためのフック形状に形成された係止部19を有する。
【0017】
副器具本体部17は、一対のフランジ付の側板20と、側板20の下端縁に接続された底板21とを有する。副器具本体部17は、カバー枠体取付部16の回動支持部18側の一方の側板20に器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22を有する。
【0018】
副器具本体部17は、その底板21の下面に、器具本体11の長手方向にユニット台23が取り付けられており、このユニット台23に、複数のLED25を器具本体11の長手方向に直線状に配置したLEDユニット24が取り付けられている。LEDユニット24は、LED25が実装されたLED基板26に有する不図示のプリント回路が点灯回路に電気的に接続されている。ユニット台23には、LEDユニット24を覆って半円筒形状に形成されたレンズ27が器具本体11の長手方向に取り付けられている。レンズ27は、その内面にLED25からの光成分を拡散するための光拡散部28が設けられる。
【0019】
カバー枠体12は、例えば透明や乳白色の樹脂材料により半円筒形状に形成されたカバー29と、カバー29の短手方向の一端部に取り付けられた第1枠部30と、カバー29の短手方向の他端部に取り付けられた第2枠部31とを有する。
第1枠部30は、その上端部にカバー枠体取付部16の回動支持部18に係合される回動受部32を有し、その下端部にカバー取付部33を有し、カバー取付部33の内側にカバー枠体側落下防止ワイヤ取付部34を有する。
第2枠部31は、その上端部に、カバー枠体取付部16の係止部19に係止される係止受部35を有し、その下端部にカバー取付部36を有する。
【0020】
カバー枠体12は、第1枠部30の回動受部32がカバー枠体取付部16の回動支持部18に係合された状態において、第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19に係止されることによりカバー枠体取付部16に組み付けられる。
【0021】
カバー枠体12は、第1枠部30の回動受部32がカバー枠体取付部16の回動支持部18に係合された状態において、第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19から係止を解除されると、回動支持部18を中心として回動されて、LEDユニット24を露出させ、LEDユニット24の点検や交換が行われる。
【0022】
カバー枠体12は、第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19から係止を解除されている状態において、第1枠部30の回動受部32がカバー枠体取付部16の回動支持部18から係合を解除されると、カバー枠体取付部16から分離されて取り外される。
【0023】
落下防止ワイヤ13は、屈曲性が低く硬い線状体であるワイヤ本体部37を有する。落下防止ワイヤ13は、ワイヤ本体部37のカバー枠体12側の一端部にワイヤ本体部37の外径寸法よりも大きい外径寸法を有して結束された球形の一端側結束部38を有し、ワイヤ本体部37の副器具本体部17側の他端部にワイヤ本体部37の外径寸法よりも大きい外径寸法を有して結束された球形の他端側結束部39を有する。
【0024】
落下防止ワイヤ13は、一端側結束部38がカバー枠体側落下防止ワイヤ取付部34に係止される。このとき、カバー枠体側落下防止ワイヤ取付部34がC字形状に形成されているために、カバー枠体側落下防止ワイヤ取付部34の内側にワイヤ本体部37が挿通された状態で一端側結束部38がカバー枠体側落下防止ワイヤ取付部34に引っ掛って係止される。そのため、落下防止ワイヤ13は、一端側結束部38がカバー枠体側落下防止ワイヤ取付部34から位置ずれすることなく強固に取り付けられる。
落下防止ワイヤ13は、他端側結束部39が器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22に掛止される。
【0025】
次に、器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22について詳細に説明する。
図4に示すように、落下防止ワイヤ13は、ワイヤ本体部37が外径寸法L1を有し、他端側結束部39が外径寸法L2を有する。
器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22は、副器具本体部17の一方の側板20において、大孔部41と小孔部42とを有して形成された孔40と、抜止部43を構成し、大孔部41を一方の側板20の裏面から覆うばね部材44とを有する。
従って、器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22が、大孔部41と小孔部42とを有する孔40と、抜止部43を構成するばね部材44とから形成されるために、単純な構造によりコスト面で有利に製造できる。
【0026】
図5および図6に示すように、孔40は、大孔部41における副器具本体部17の長手方向の一部に小孔部42が連通して接続されている。大孔部41は、落下防止ワイヤ13のワイヤ本体部37が有する外径寸法L1よりも十分に大きく、かつ、落下防止ワイヤ13の他端側結束部39が有する外径寸法L2よりも十分に大きい内径寸法L3を有する。
【0027】
ばね部材44は、若干の弾性反発力を有する板部材であって、大孔部41において、副器具本体部17の一方の側板20の裏面に、表面からねじ込まれたねじ45によりねじ止めされている。
ばね部材44は、大孔部41から小孔部42へ向けて長さを有して取り付けられているために、小孔部42において、落下防止ワイヤ13のワイヤ本体部37が有する外径寸法L1よりもわずかに大きい内径寸法L4のワイヤ本体挿通部46が形成される。
【0028】
次に、落下防止ワイヤ13の器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22への掛止手順について説明する。
図7に示すように、器具本体11からカバー枠体12が取り外されている。落下防止ワイヤ13は、一端側結束部38がカバー枠体側落下防止ワイヤ取付部34に係止されているために、屈曲性が低く硬い線状体であるワイヤ本体部37が、その他端側結束部39を上方に向けて配置する。
図8に示すように、このとき、器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22は、ばね部材44が副器具本体部17の一方の側板20に密着するように副器具本体部17の一方の側板20に平行に配置されている。
【0029】
図9に示すように、カバー枠体12が器具本体11に向けて進行されることにより、落下防止ワイヤ13は、他端側結束部39が器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22において大孔部41を通じて副器具本体部17の内側へ押圧されるために、ばね部材44を副器具本体部17の内側へ向けて弾性変形させる。
【0030】
図10に示すように、副器具本体部17の内側へ向けて弾性変形されたばね部材44は、自らに蓄積された弾性復元力により大孔部41を覆う方向に向けて弾性復元されるために、落下防止ワイヤ13は、その他端側結束部39が小孔部42に向けて強制的に押圧される。他端側結束部39が小孔部42に向けて強制的に押圧された落下防止ワイヤ13は、大孔部41から押し出されて小孔部42に移動され、ワイヤ本体部37が小孔部42においてワイヤ本体挿通部46に配置される。
【0031】
図11および図12に示すように、ワイヤ本体部37が小孔部42においてワイヤ本体挿通部46に配置された落下防止ワイヤ13は、ワイヤ本体部37に有する特性により、ワイヤ本体部37がワイヤ本体挿通部46内を挿通されて、他端側結束部39が副器具本体部17の一方の側板20の内側へ向けて移動される。
従って、単純な構造のばね部材44により、落下防止ワイヤ13の他端側結束部39を器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22に挿通できるとともに落下防止ワイヤ13のワイヤ本体部37を器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22のワイヤ本体挿通部46へ強制的に移動できる。
【0032】
図3に戻り、他端側結束部39が副器具本体部17の一方の側板20の内側へ向けて移動された落下防止ワイヤ13は、そのワイヤ本体部37が、LEDユニット24からの光成分が照射されない位置において副器具本体部17の周囲に残らずに副器具本体部17内に収容される。そして、第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19に係止される。
従って、落下防止ワイヤ13がカバー枠体12のカバー29に映り込まないようにできる。
【0033】
第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19から係止を解除され、第1枠部30の回動受部32がカバー枠体取付部16の回動支持部18から係合を解除されることにより、カバー枠体12がカバー枠体取付部16から分離されると、カバー枠体12に自重により下方へ向く力がかかる。
このとき、落下防止ワイヤ13は、ワイヤ本体部37がワイヤ本体挿通部46内を下方に向けて挿通されていき、他端側結束部39が副器具本体部17の一方の側板20の内側においてワイヤ本体挿通部46の周囲に掛止される。
【0034】
これにより、落下防止ワイヤ13は、他端側結束部39が副器具本体部17の一方の側板20において器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22から外れることなく掛止されて、カバー枠体12を器具本体11の下方に吊り下げる。
従って、落下防止ワイヤ13が器具本体11から外れないようにできる。
【0035】
以上、説明した第1実施形態の照明器具10によれば、器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22の孔40に落下防止ワイヤ13が挿通された後に、器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22の抜止部43により落下防止ワイヤ13が抜け止められるために、落下防止ワイヤ13を器具本体11から外れないようにできる。
【0036】
また、第1実施形態の照明器具10によれば、屈曲性が低く硬い線状体のワイヤ本体部37を有する落下防止ワイヤ13が、カバー枠体12が副器具本体部17に装着される方向に移動されたときに、孔40から副器具本体部17の一方の側板20の内側方向へ収容されるために、落下防止ワイヤ13をカバー枠体12のカバー29に映り込まないようにできる。
【0037】
そして、第1実施形態の照明器具10によれば、器具本体側落下防止ワイヤ掛止部22が、大孔部41と小孔部42とを有する孔40と、抜止部43を構成するばね部材44とから形成されるために、単純な構造によりコスト面で有利に製造できる。
【0038】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の照明器具について説明する。
なお、以下の各実施形態において、前述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0039】
図13に示すように、本発明に係る第2実施形態の照明器具50に有する器具本体側落下防止ワイヤ掛止部51は、大孔部53と小孔部54とを有する孔52を有し、抜止部55が、大孔部53と小孔部54との間を連通して接続された溝56である。大孔部53は、副器具本体部17の一方の側板20において上方に配置され、小孔部54は、大孔部53の下方に配置される。
【0040】
図14に示すように、溝56は、大孔部53側から小孔部54に向けて、落下防止ワイヤ13に有するワイヤ本体部37の外径寸法L1よりもわずかに小さい内径寸法L5を有するようにテーパ状に形成されている。
【0041】
図15に示すように、カバー枠体12が器具本体11に向けて進行されることにより、落下防止ワイヤ13は、他端側結束部39が大孔部53から副器具本体部17の内側へ押圧されながら進行されていく。そのため、ワイヤ本体部37が、LEDユニット24からの光成分が照射されない位置において副器具本体部17の周囲に残らずに副器具本体部17内に収容される。そして、第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19に係止される。
【0042】
第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19から係止を解除され、第1枠部30の回動受部32がカバー枠体取付部16の回動支持部18から係合を解除されることにより、カバー枠体12がカバー枠体取付部16から分離されると、カバー枠体12に自重により下方へ向く力がかかる。
このとき、他端側結束部39が副器具本体部17の内側に配置されている落下防止ワイヤ13は、ワイヤ本体部37が大孔部53内において下方に向けて引っ張られるために、ワイヤ本体部37が溝56に誘導されながら小孔部54へ落とし込まれる。
【0043】
そして、落下防止ワイヤ13は、ワイヤ本体部37が下方へ向けて引っ張られ続けるために、他端側結束部39が副器具本体部17の内側において器具本体側落下防止ワイヤ掛止部51に掛止され、他端側結束部39が器具本体側落下防止ワイヤ掛止部51から外れることなく掛止されたままとなって、カバー枠体12を器具本体11の下方に吊り下げる。
【0044】
第2実施形態の照明器具50によれば、ばね部材等を用いることなく、より簡素な構造で、落下防止ワイヤ13を映り込まないようにできるとともに落下防止ワイヤ13を外れないようにできる。
【0045】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態の照明器具について説明する。
図16に示すように、本発明に係る第3実施形態の照明器具60に有する器具本体側落下防止ワイヤ掛止部61は、縁部が曲面状に形成された孔62を有し、抜止部63が、孔62の内側に形成された爪64である。
【0046】
器具本体11から分離されているカバー枠体12が器具本体11に向けて進行されることにより、落下防止ワイヤ13は、他端側結束部39が孔62を貫通して副器具本体部17の内側へ押圧されながら進行されていく。そのため、ワイヤ本体部37が、LEDユニット24からの光成分が照射されない位置において副器具本体部17の周囲に残らずに副器具本体部17内に収容される。そして、第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19に係止される。
【0047】
第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19から係止を解除され、第1枠部30の回動受部32がカバー枠体取付部16の回動支持部18から係合を解除されることにより、カバー枠体12がカバー枠体取付部16から分離されると、カバー枠体12に自重により下方へ向く力がかかる。
【0048】
このとき、他端側結束部39が副器具本体部17の内側に配置されている落下防止ワイヤ13は、ワイヤ本体部37が孔62内を下方に向けて引っ張られるために、他端側結束部39が副器具本体部17の内側において抜止部63の爪64に掛止される。
そのため、他端側結束部39が副器具本体部17の一方の側板20において器具本体側落下防止ワイヤ掛止部61から外れることなく掛止されたままとなって、カバー枠体12を器具本体11の下方に吊り下げる。
【0049】
第3実施形態の照明器具60によれば、縁部が曲面状に形成された孔62を成形するだけで器具本体側落下防止ワイヤ掛止部61が形成されるために、極めて簡単に製造できるとともに、落下防止ワイヤ13の収納性を向上でき、ばね部材等を用いることなく、より簡素な構造で、落下防止ワイヤ13を映り込まないようにできるとともに落下防止ワイヤ13を外れないようにできる。
【0050】
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態の照明器具について説明する。
図17に示すように、本発明に係る第4実施形態の照明器具70に有する器具本体側落下防止ワイヤ掛止部71は、孔72が副器具本体部17の一方の側板20に取り付けられた筒状のガイド73の内周部に形成されており、抜止部74がガイド73の内周部の端部に形成された爪75である。
【0051】
器具本体11から分離されているカバー枠体12が器具本体11に向けて進行されることにより、落下防止ワイヤ13は、他端側結束部39がガイド73を貫通して副器具本体部17の内側へ押圧されながら進行されていく。そのため、ワイヤ本体部37が、LEDユニット24からの光成分が照射されない位置において副器具本体部17の周囲に残らずに副器具本体部17内に収容される。そして、第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19に係止される。
【0052】
第2枠部31の係止受部35がカバー枠体取付部16の係止部19から係止を解除され、第1枠部30の回動受部32がカバー枠体取付部16の回動支持部18から係合を解除されることにより、カバー枠体12がカバー枠体取付部16から分離されると、カバー枠体12に自重により下方へ向く力がかかる。
【0053】
このとき、他端側結束部39が副器具本体部17の内側に配置されている落下防止ワイヤ13は、ワイヤ本体部37がガイド73内を下方に向けて引っ張られるために、他端側結束部39が副器具本体部17の内側において抜止部74の爪75に掛止される。
そのため、他端側結束部39が副器具本体部17の一方の側板20において器具本体側落下防止ワイヤ掛止部71から外れることなく掛止されたままとなって、カバー枠体12を器具本体11の下方に吊り下げる。
【0054】
第4実施形態の照明器具70によれば、落下防止ワイヤ13の収納性を向上できるとともに、ばね部材等を用いることなく、より簡素な構造で、落下防止ワイヤ13を映り込まないようにできるとともに落下防止ワイヤ13を外れないようにできる。
【0055】
なお、本発明の照明器具において器具本体,カバー,LEDユニット,レンズ等は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0056】
10,50,60,70 照明器具
11 器具本体
12 カバー枠体
13 落下防止ワイヤ
25 LED
40,52,62,72 孔
41,53 大孔部
42,54 小孔部
43,55,63,74 抜止部
44 ばね部材
56 溝
64,75 爪
73 ガイド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDを直線状に取り付ける器具本体と、
前記器具本体に着脱可能なカバー枠体と、
前記器具本体から前記カバー枠体を外したときに前記カバー枠体が落下するのを防止するための落下防止ワイヤとを備え、
前記器具本体に前記落下防止ワイヤを挿通させる孔が設けられるとともに、前記孔における前記器具本体の内側に前記落下防止ワイヤの抜止部が設けられる照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記落下防止ワイヤは、屈曲性が低く硬い線状体であり、前記カバー枠体が前記器具本体に装着される方向に移動されたときに、前記孔から前記器具本体の内側方向へ収容される照明器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記孔は、大孔部と、小孔部とを有しており、前記抜止部は、前記大孔部を裏面から覆う板状のばね部材である照明器具。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記孔は、大孔部と、小孔部とを有しており、前記抜止部は、前記大孔部から前記小孔部へ向けて前記落下防止ワイヤの外径よりも狭く形成される溝である照明器具。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記孔が、縁部を曲面状に形成されており、前記抜止部は、前記孔の内側に形成される爪である照明器具。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記孔が筒状のガイドであり、前記抜止部は、前記ガイドの内側に形成される爪である照明器具。
【請求項1】
LEDを直線状に取り付ける器具本体と、
前記器具本体に着脱可能なカバー枠体と、
前記器具本体から前記カバー枠体を外したときに前記カバー枠体が落下するのを防止するための落下防止ワイヤとを備え、
前記器具本体に前記落下防止ワイヤを挿通させる孔が設けられるとともに、前記孔における前記器具本体の内側に前記落下防止ワイヤの抜止部が設けられる照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記落下防止ワイヤは、屈曲性が低く硬い線状体であり、前記カバー枠体が前記器具本体に装着される方向に移動されたときに、前記孔から前記器具本体の内側方向へ収容される照明器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記孔は、大孔部と、小孔部とを有しており、前記抜止部は、前記大孔部を裏面から覆う板状のばね部材である照明器具。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記孔は、大孔部と、小孔部とを有しており、前記抜止部は、前記大孔部から前記小孔部へ向けて前記落下防止ワイヤの外径よりも狭く形成される溝である照明器具。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記孔が、縁部を曲面状に形成されており、前記抜止部は、前記孔の内側に形成される爪である照明器具。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記孔が筒状のガイドであり、前記抜止部は、前記ガイドの内側に形成される爪である照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−74213(P2012−74213A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217548(P2010−217548)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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