説明

照明器具

【課題】簡単な構造であってコスト面で有利にでき、汎用性に優れる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具10は、器具本体11と、ピン保持部31を有する一対のソケット12と、一対のソケット12のピン保持部31に取り付けられる直管ランプ14とを備え、直管ランプ14が、筒部であるガラス管20の長手方向に沿って配列されたLEDユニット27と、一対の口金と、複数の給電側ピン23と、を有するとともに、給電側ピン23の配列方向とLEDユニット27の光軸方向とが直交し、ソケット12が、ピン保持部31の軸線を中心として器具本体11に対して回動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDを有する直管型LEDランプを光源として天井面に設置される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、回転シートと、二つのピンと、カバーと、ケースとを備え、回転シートが第1位置決調整構造を備え、カバーが第2位置決調整構造を備えるLEDランプコネクタを装備した照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、第1位置決調整構造が第2位置決調整構造に対応して組み合わされることにより、LEDランプを任意方向に配光できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3153401号公報(図4、段落0009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、回転シートを回転させることによりLEDランプの二つのピンの角度を変えられるようにし、それによりLEDランプの照射方向を正確にできる。
しかし、特許文献1は、回転シートに備えた第1位置決調整構造と、カバーに備えた第2位置決調整構造とを組み合わせる構造である。
従って、特許文献1は、第1位置決調整構造と第2位置決調整構造とより複雑な構造になる。
そして、特許文献1は、あらかじめ決められたピンの数にのみ対応する構造である。
従って、特許文献1は、汎用性に乏しい。
【0005】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡単な構造であってコスト面で有利にでき、汎用性に優れる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、器具本体と、前記器具本体の両端に取り付けられ、ピン保持部を有する一対のソケットと、前記一対のソケットの前記ピン保持部に取り付けられる直管ランプとを備え、前記直管ランプが、透光性を有する筒部に収容され、かつ、前記筒部の長手方向に沿って配列された複数のLEDユニットと、前記筒部の長手方向両端部にそれぞれ設けられた一対の口金と、前記各口金のうちの少なくとも一方における端面に設けられた複数のピンと、を有するとともに、前記各ピンの配列方向と前記各LEDユニットの光軸方向とが直交し、前記ソケットが、前記ピン保持部の軸線を中心として前記器具本体に対して回動可能である。
【0007】
本発明に係る照明器具は、前記ソケットが、所定間隔でクリック感が生じる係合部を備える。
【0008】
本発明に係る照明器具は、前記ソケットを支持するソケット支持台を有し、前記ソケット支持台が前記器具本体に対して回動可能である。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る照明器具によれば、簡単な構造であってコスト面で有利にでき、汎用性に優れるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る一実施形態の照明器具の分解斜視図
【図2】本発明に係る一実施形態の照明器具の一部破断側面図
【図3】本発明に係る一実施形態の照明器具のソケット周りの外観斜視図
【図4】本発明に係る一実施形態の照明器具の回動前のソケット周りの正面図
【図5】本発明に係る一実施形態の照明器具の回動後のソケット周りの正面図
【図6】本発明に係る一実施形態の照明器具の変形例のソケット周りの外観斜視図
【図7】本発明に係る一実施形態の照明器具の他の変形例のソケット周りの外観斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る一実施形態の照明器具について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明に係る一実施形態の照明器具10は、器具本体11と、器具本体11の一端部に取り付けられた給電側ソケット12と、器具本体11の他端部に取り付けられた接地側ソケット13とを備える。
また、照明器具10は、給電側ソケット12と接地側ソケット13とに電気的に接続されて機械的に取り付けられる直管型LEDランプ14を備える。
そして、照明器具10は、直管型LEDランプ14の上方に配置されて器具本体11に取り付けられる反射板15を備える。
照明器具10は、不図示の天井面に設置されるベースライトである。
【0012】
器具本体11は、厚みの薄い金属製板部材を折曲することにより下方を開口させて成形されており、一端部に下方に向けて突出した給電側ソケット12用の第1背面板16を有し、他端部に下方に向けて突出した接地側ソケット13用の第2背面板17を有する。
給電側ソケット12は、第1背面板16の軸方向の内側に配置され、接地側ソケット13は、第2背面板17の軸方向の内側に配置されている。
【0013】
器具本体11は、内側の下面に電源端子台18と、電源ブロック19とを取り付けている。
電源端子台18には、不図示の外部配線が接続されるとともに、同じく不図示の器具配線が電源ブロック19に接続される。電源ブロック19は、同じく不図示の器具配線を通じて給電側ソケット12および接地側ソケット13に接続される。
【0014】
直管型LEDランプ14は、断面が略円形状であって透光性を有する筒部であるガラス管20の長手方向の一端部に第1口金21を有し、ガラス管20の長手方向の他端部に第2口金22を有する。
そして、直管型LEDランプ14は、第1口金21の端面に複数の給電側ピン23を有し、第2口金22の端面に単一の接地側ピン24を有する。
なお、給電側ピン23および接地側ピン24の数は、図示した2本の給電側ピン23および1本の接地側ピン24に限定されず、内部回路に応じて適宜設定される。
【0015】
直管型LEDランプ14は、ガラス管20内に、複数のLED25がガラス管20の軸方向に封止されたLED基板26を有する複数のLEDユニット27を内蔵している。
複数のLEDユニット27は、コ字形状に形成されてLED基板26に固定されたヒートシンク28を含む。
ここで、LEDユニット27のLED25は、その光軸方向Xが、給電側ピン23の配列方向Yと直交して配置されている。
【0016】
直管型LEDランプ14は、被照射対象に向けた照射範囲がガラス管20の全周に対して1/2ないし2/3である。
直管型LEDランプ14は、給電側ソケット12から給電された直流電流が給電側ピン23から接地側ピン24を通じて接地側ソケット13に流れることにより、LED基板26に有する不図示のプリント回路に直流電流が供給されてLED25が発光される。
【0017】
反射板15は、器具本体11と同様に、厚みの薄い金属製板部材により形成されており、下面が反射機能を有する白色や乳白色に塗装されている。
反射板15は、両端部に、給電側ソケット12および接地側ソケット13を挿入させるための給電側ソケット逃部29および接地側ソケット逃部30を有する。
【0018】
次に、給電側ソケット12および接地側ソケット13について詳細に説明する。
なお、給電側ソケット12および接地側ソケット13は、同一構造を有するために、ここでは、接地側ソケット13の説明は省略する。
図2に示すように、給電側ソケット12は、不図示のピン受端子を内蔵しており、ピン保持部(図4参照)31を有するソケット本体32と、ソケット本体32を支持するソケット支持台33とを備えている。
【0019】
ソケット本体32は、例えば非導電部材である樹脂製であって、器具本体11の中央部側にピン保持部31を配置している。
ソケット本体32は、器具本体11側の天部寄りの対向位置に器具本体11の軸方向に平行な凹溝34を有する。
ソケット支持台33は、器具本体11と同様に、厚みの薄い金属製板部材を折曲することにより略L字形状に形成されており、給電側ソケット12用の第1背面板16に対向して配置される板部35と、器具本体11側に配置されるホルダ部36とを有する。
【0020】
図3に示すように、給電側ソケット12は、縦溝形状のピン保持部31を有する。給電側ソケット12用の第1背面板16は、中央部に形成されたねじ挿通孔37と、このねじ挿通孔37の外周に形成された係合部の一方を構成する複数の係合孔38とを備える。
ソケット支持台33は、ホルダ部36に器具本体11の軸方向に平行なソケット装着部39を有し、このソケット装着部39に給電側ソケット12のソケット本体32に有する凹溝34が係合されることにより、給電側ソケット12を取り付ける。
【0021】
ソケット支持台33は、板部35の中央部に形成されたねじ固定孔40と、このねじ固定孔40の外周に形成された係合部の他方を構成する複数の係合突起41とを備える。
ここで、係合突起41は、ねじ固定孔40の外周において、下方を中心としてほぼ半周の領域において円周方向に例えば20度刻みで形成されており、係合孔38は、ねじ挿通孔37の外周全周において円周方向に例えば20度刻みで形成されている。
【0022】
次に、ソケット支持台33を第1背面板16に取り付ける手順について説明する。
まず、ソケット本体32の凹溝34がソケット装着部39に装着されたソケット支持台33の板部35を、器具本体11の第1背面板16に対向して配置する。
次に、第1背面板16のねじ挿通孔37からソケット支持台33の板部35のねじ固定孔40にねじ42をねじ込む。
ねじ42のねじ込みが進むにつれて、ソケット支持台33の板部35が第1背面板16に引き寄せられ、第1背面板16の係合孔38にソケット支持台33の係合突起41が係合される。
【0023】
ねじ42のねじ込みが終了した際に、第1背面板16の係合孔38にソケット支持台33の係合突起41が係合されることにより、ソケット支持台33が第1背面板16に対して回動可能に支持される。
このように、給電側ソケット12は、ピン保持部31の軸線を中心として器具本体11に対して回動可能である。
このとき、ソケット支持台33の係合突起41が、第1背面板16の係合孔38に20度の間隔でクリック感を伴って係合可能に取り付けられているために、ソケット支持台33が第1背面板16に対して20度間隔で回動されることになる。
【0024】
次に、給電側ソケット12に直管型LEDランプ14を取り付ける手順およびソケット支持台33の回動動作について説明する。
図4に示すように、まず、直管型LEDランプ14を器具本体11の下方に配置させた後に、直管型LEDランプ14の複数の給電側ピン23を給電側ソケット12のピン保持部31の縦溝形状に挿入し、直管型LEDランプ14を略90度回動させる。
【0025】
給電側ソケット12のピン保持部31に複数の給電側ピン23が挿入された直管型LEDランプ14が90度回動されることにより、複数の給電側ピン23が給電側ソケット12に内蔵されているピン受端子に電気的に接続される。
このとき、ソケット支持台33の係合突起41が、第1背面板16の係合孔38に係合されているために、ソケット支持台33が位置A0に保持される。
そのため、直管型LEDランプ14は、複数のLED25が床面に向けた配光特性を有する。
【0026】
図5に示すように、次に、ソケット支持台33が図5中の時計回転方向に押圧される。
そのため、ソケット支持台33は、第1背面板16に対して相対的に回動された後に、係合突起41が係合孔38に係合される。
これにより、給電側ソケット12が、ピン保持部31の軸線を中心として器具本体11に対して回動される。
そのため、ソケット支持台33が位置A0から位置A1まで20度回動されて保持される。
そして、直管型LEDランプ14は、複数のLED25が光軸方向を床面に向けた方向に対して20度傾けた配光特性を有することになる。
【0027】
ソケット支持台33は、図5中の時計回転方向にさらに押圧回動されることにより、位置A2と、位置A3と、位置A4と、位置A5とのそれぞれの位置において保持される。
これとは異なり、ソケット支持台33は、位置A0から図5中の反時計回転方向に押圧回動されることにより、位置−A1と、位置−A2と、位置−A3と、位置−A4と、位置−A5とのそれぞれの位置において保持される。
このように、ソケット支持台33が回動された後に複数の位置において保持されることにより、直管型LEDランプ14を任意の配光に制御できる。
【0028】
次に、照明器具10の変形例について説明する。
図6に示すように、本変形例は、第1背面板51の中央部にねじ挿通孔52が形成されており、このねじ挿通孔52の外周にねじ固定孔53が形成されている。
また、ソケット支持台54において、第1背面板51に対向して配置される板部55の中央部にねじ固定孔56が形成されており、このねじ固定孔56の外周のほぼ180度の範囲に円弧形状で係合部の一方を構成する長孔57が形成されている。
そして、板部55の長孔57を通じて第1背面板51のねじ固定孔56に係合部の他方を構成するねじ58がねじ込まれる。ねじ58は、締め付けることおよび緩めることができる蝶ねじが選ばれる。
【0029】
次に、本変形例のソケット支持台54の回動動作について説明する。
ソケット支持台54が直立している位置においてねじ58がねじ込まれることにより、LED25が床面に向けた配光特性を有する位置で保持される。
次に、ねじ58を緩めて、ソケット支持台54を第1背面板51に対して任意の位置まで回動させた後に、ねじ58がねじ込まれることにより、直管型LEDランプ14は、LED25が床面に対して傾いた任意の配光特性を有する位置で保持されることになる。
【0030】
次に、照明器具10の他の変形例について説明する。
図7に示すように、本変形例は、第1背面板61の中央部にねじ挿通孔62が形成されており、このねじ挿通孔62の外周のほぼ180度の範囲に円弧形状の係合部の一方を構成する長孔63が形成されている。
また、ソケット支持台64において、第1背面板61に対向して配置される板部65の中央部にねじ固定孔66が形成されており、このねじ固定孔66の外周にねじ固定孔67が形成されている。
そして、第1背面板61の長孔63を通じて板部65のねじ固定孔66に係合部の他方を構成するねじ68がねじ込まれる。この場合も、ねじ68は、締め付けることおよび緩めることができる蝶ねじが選ばれる。
【0031】
次に、本変形例のソケット支持台64の回動動作について説明する。
ソケット支持台64が直立している位置においてねじ68がねじ込まれることにより、LED25が床面に向けた配光特性を有する位置で保持される。
次に、ねじ68を緩めて、ソケット支持台64を第1背面板61に対して任意の位置まで回動させた後に、ねじ68がねじ込まれることにより、直管型LEDランプ14は、LED25が床面に対して傾いた任意の配光特性を有する位置で保持されることになる。
【0032】
以上、説明した本発明に係る一実施形態の照明器具10によれば、給電側ピン23の配列方向YとLEDユニット27のLED25の光軸方向Xとが直交し、給電側ソケット12が、ピン保持部31の軸線を中心として器具本体11に対して回動可能である。
従って、従来のものと比べて、はるかに簡単な構造であってコスト面で有利にでき、汎用性を向上できる。
【0033】
また、照明器具10によれば、ソケット支持台33の係合突起41が、第1背面板16の係合孔38に20度の間隔でクリック感を伴って係合可能に取り付けられているために、使用者が、自ら設定した配光角度を簡単に認識できる。
【0034】
そして、照明器具10によれば、ソケット支持台33,54,64が器具本体11の第1背面板16,51,61に対して回動可能であるために、簡単な構造であってコスト面で有利にでき、汎用性を向上できる。
【0035】
変形例の照明器具10によれば、ソケット支持台54,64を任意の回動位置に保持できるために、使用者の好みに応じた配光特性を、任意に微調整可能にして設定できる。
【0036】
なお、本発明の照明器具において器具本体、反射板、電源端子台、電源ブロック等は、前述した一実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0037】
10 照明器具
11 器具本体
12 給電側ソケット(ソケット)
13 接地側ソケット(ソケット)
14 直管型LEDランプ(直管ランプ)
20 ガラス管(筒部)
21 第1口金(口金)
22 第2口金(口金)
23 給電側ピン(ピン)
27 LEDユニット
31 ピン保持部
33,54,64 ソケット支持台
38 係合孔(係合部)
41 係合突起(係合部)
57,63 長孔(係合部)
58,68 ねじ(係合部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と、
前記器具本体の両端に取り付けられ、ピン保持部を有する一対のソケットと、
前記一対のソケットの前記ピン保持部に取り付けられる直管ランプとを備え、
前記直管ランプが、
透光性を有する筒部に収容され、かつ、前記筒部の長手方向に沿って配列された複数のLEDユニットと、
前記筒部の長手方向両端部にそれぞれ設けられた一対の口金と、
前記各口金のうちの少なくとも一方における端面に設けられた複数のピンと、
を有するとともに、
前記各ピンの配列方向と前記各LEDユニットの光軸方向とが直交し、
前記ソケットが、
前記ピン保持部の軸線を中心として前記器具本体に対して回動可能である照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記ソケットが、所定間隔でクリック感が生じる係合部を備える照明器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記ソケットを支持するソケット支持台を有し、
前記ソケット支持台が前記器具本体に対して回動可能である照明器具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−65457(P2013−65457A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203364(P2011−203364)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】