説明

照明用フレーム

【課題】透光性シートを容易に取り付け及び取り外しができる照明用フレームを提供する。
【解決手段】本発明の照明用フレームは、下側に光拡散シート2を張り、照明カバーを形成する矩形状枠の照明用フレーム1であって、上面11に、細長状の弾性体4を嵌め入れ可能な溝部13を全周に渡り設けたことを特徴とする。
このようにすることにより、透光性シート3の端部を溝部13上に載せ、その上から細長状の弾性体4を、透光性シート3の縁部とともに嵌め込むことにより、透光性シート3を照明用フレーム1の上方に隙間なく取付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス繊維シートなどの光拡散シートを張り、平面状の照明を形成する照明装置の照明用フレームに関する。
【背景技術】
【0002】
天井面に蛍光管などの光源を設置し、その下方にガラス繊維シートなどの光拡散シートを貼った枠体を配し、柔らかい光の面照明にする照明装置が開発されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
このような照明装置は、光源に引き寄せられて隙間から虫が侵入し、その死骸が、光拡散シート上に溜まることがある。この場合、下方から見ると、光拡散シート上に溜まった虫の死骸が黒ずんで見え、美観を損ねることがあった。
そこで、枠体の光拡散シートを張った側とは反対側に透光性シートを設け、光拡散シートと透光性シートと枠体とで密閉空間を形成し、虫が内部に侵入できないようにした照明装置が開発されている(下記特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−39441号公報
【特許文献2】特開2006−209978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献2には、透光性シートを、枠体に接着、螺子留めなどにより固定することが記載されているが、このような方法では、接着剤を塗布したり、透光性シートの端部に螺子留め用の部材を取り付けたりしなければならないなど、手間がかかり、作業性がよくなかった。
また、特に接着した場合などは、接着剤の接着力が弱まり、時間とともに透光性シートが撓んでしまうおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、透光性シートを容易に取り付けることができる照明用フレームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の照明用フレームは、下側に光拡散シートを張り、照明カバーを形成する矩形状枠の照明用フレームであって、上面に、細長状の弾性体を嵌め入れ可能な溝部を全周に渡り設けたことを特徴とする。
【0008】
このようにすることにより、透光性シートの端部を溝部上に載せ、その上から細長状の弾性体を、透光性シートの端部とともに嵌め込むことにより、透光性シートを照明用フレームの上方に隙間なく取付けることができ、また、溝部に嵌め込んだ弾性体を外すことにより透光性シートを取り外すことができ、透光性シートの取り付け及び取り外しを容易に行なうことができる。
【0009】
上記照明用フレームを用いて照明装置を形成することができ、例えば、上記照明用フレームの前記溝部に、透光性シートの端部を挟み込みつつ前記弾性体を嵌め入れて照明カバーとし、この照明カバーの一端部側を回転軸として天井側に設けた矩形状の固定枠に開閉可能に取り付け、照明カバーが閉じた状態で先端が弾性体に当接するようにした押さえ部材を固定枠に設けた構成とすることができる。
【0010】
このようにすることにより、照明カバーが閉じた状態では、押さえ部材の先端が弾性体に当接して押さえているため透光性シートが撓みにくくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態の照明用フレームの上面図、図2は図1に示した照明用フレームのA−A断面図、図3は図1に示した照明用フレームに透光性シートを取り付ける手順を示した断面図であり、(A)は取り付け前、(B)は取り付け後を示し、図4は図1に示した照明用フレームを用いて形成した照明装置の側断面図である。
【0012】
本発明の一実施形態の照明用フレーム1は、図4に示すように、下側に光拡散シート2を張り、フレーム1の上面11に透光性シート3を張り、照明用フレーム1、光拡散シート2及び透光性シート3で虫などが侵入しないように密閉空間を作りだして照明カバー8を形成し、この照明カバー8の一端部側を回転軸として天井側に設けた矩形状の固定枠6に開閉可能に取り付けて照明装置9と成すものである。
【0013】
照明用フレーム1は、図1に示すような略矩形状の枠体であり、図2に示すように、断面において、フレーム内側を傾斜面12とした逆三角形状に形成してある。上面11のフレーム内側の縁部は、傾斜面12より若干フレーム内側に膨出させてあり、その内方に上方に開口した溝部13が、フレーム1の全周に渡り形成してある。
【0014】
この溝部13は、チューブ状のゴムなどの細長状の弾性体4が嵌め入れ可能であり、図3に示すように、弾性体4を、透光性シート3の端部を挟むようにして溝部13に嵌め入れ、透光性シート3の四辺全てをこのように嵌め入れて、透光性シート3をフレーム1に張ることができる。溝部13の内側側面13aには、溝部13内に突出した滑り止め条13bが全周に渡り形成してあり、弾性体4が外れにくくしてある。
【0015】
また、上面11には、略垂直に上方に伸びた突出片14がフレーム1の全周に渡り形成してあり、この高さ方向の中間付近には上面11と略並行するように張り出した張出片15がフレーム1の全周に渡り形成してあり、張出片15と上面11との間の側方に開口した部分を固定部16としてある。
【0016】
この固定部16は、図4に示すように、光拡散シート2の端部に係止した張設部材5を挿入できるようにしてあり、図4に示すように、ボルトなどの締結部材5aを、突出片14に設けた孔(図示せず)にフレーム内側から挿し込み、張設部材5に締結し、光拡散シート2をフレーム1の下側に張ることができる。
【0017】
光拡散シート2及び透光性シート3は、適度な透光性を持ち、フレームに張って使用することができる柔軟性・耐屈曲性を持つものが好適に用いることができ、透光性を持つガラス繊維シートなどを好適に用いることができる。
【0018】
照明用フレーム1は、透光性シート3を、フレーム1の上面11の溝部13に弾性体4を用いて容易に取り付けることができ、これにより、フレーム1、光拡散シート2及び透光性シート3で密閉空間を作り出し、虫などが光拡散シート2上に溜まることがなくなり、虫の死骸などで照明が黒ずんで見えることがなくなる。
また、取り外す際は、弾性体4を溝部13から引き抜けばよく、光拡散シート2の内面の清掃なども容易に行なうことができる。
【0019】
上記のように、透光性シート3を、弾性体4を用いてフレーム1の上側に張り照明カバー8を形成し、この照明カバー8の一端部側を、ヒンジなどを介して矩形状の枠体の固定枠6に開閉可能に取付けて、図4に示すような照明装置9を形成することができる。
この際、固定枠6に押さえ部材7を固定しておき、照明カバー8が閉じた状態でその先端が弾性体4に当接するように設けておけば、弾性体4が押さえ付けられ、透光性シート3が撓みにくく、また、溝部13から外れにくくなる。
【0020】
上記実施形態の構成態様は、本発明を限定するものとして挙げたものではなく、技術目的を共通にするかぎり変更は可能であり、本発明はそのような変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態の照明用フレームの上面図である。
【図2】図1に示した照明用フレームのA−A断面図である。
【図3】図1に示した照明用フレームに透光性シートを取り付ける手順を示した断面図であり、(A)は取り付け前、(B)は取り付け後を示す。
【図4】図1に示した照明用フレームを用いて形成した照明装置の側断面図である。
【符号の説明】
【0022】
1照明用フレーム
11上面
12傾斜面
13溝部
13a内側側面
13b滑り止め条
14突出片
15張出片
16固定部
2光拡散シート
3透光性シート
4弾性体
5張設部材
5a締結部材
6固定枠
7押さえ部材
8照明カバー
9照明装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下側に光拡散シートを張り、照明カバーを形成する矩形状枠の照明用フレームであって、上面に、細長状の弾性体を嵌め入れ可能な溝部を全周に渡り設けた照明用フレーム。
【請求項2】
請求項1に記載の照明用フレームの前記溝部に、透光性シートの端部を挟み込みつつ前記弾性体を嵌め入れて照明カバーとし、この照明カバーの一端部側を回転軸として天井側に設けた矩形状の固定枠に開閉可能に取り付け、照明カバーが閉じた状態で先端が弾性体に当接するようにした押さえ部材を固定枠に設けた照明装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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