説明

照明装置およびこれを備えた表示装置

【課題】光取り出し効率の向上と正面輝度の改善が可能な照明装置、およびこれを備えた表示装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、照明装置は、出射面32a、この出射面に対向しているとともに反射膜38が形成された背面32b、および出射面に交差する入射面32cを有する導光板32と、入射面から導光板に光を入射する光源34と、を備えている。導光板の背面32bは、出射面に対して傾斜し光源から離れるほど出射面との距離が長い複数の第1傾斜面42aと、出射面に対して傾斜し第1傾斜面の光源から遠い側に連続する複数の第2傾斜面42bと、を有し、第2傾斜面が出射面と成す角は、第1傾斜面が出射面と成す角よりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、表示装置に用いる照明装置およびこれを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置として、例えば、TFT型液晶パネルは家庭用大型テレビの他、ノートPCやPDAなどの携帯機器のディスプレイとして普及している。このような液晶表示装置においては、従来から液晶パネルの背面側に光源を配置し、この光源からの光で液晶パネルを照明する、バックライト方式が採用されている。バックライト方式に採用されているバックライトユニットとしては、冷陰極管(CCFL)や発光ダイオード(LED)等の光源ランプからの光を、透過性に優れたアクリル樹脂等からなる平板状の導光板内で多重反射させて前面側に照射するエッジライト方式と、導光板を用いない直下型方式と、とがある。
【0003】
エッジライト型方式のバックライトユニットは、液晶パネルの背面側にこの液晶パネルと平行に配置された導光板と、導光板の側縁に対向して設けられた光源とを備えている。光源から出射された光は、導光板に入射した後、全反射により導光板内を横方向に伝播し、導光板の下面に形成された溝により斜め上方に出射する。この出射光を、導光板の前面に設けられたプリズムシートのような光学シートで垂直方向に向きを変えて効率よく液晶パネルに照射する。光源からの光を効率よく照明光として利用するために、導光板の背面にはリフレクタが配置されている。
一方、直下型のバックライトユニットでは、出射面側に非吸収型カラーフィルタを配置して、各サブ画素で不要な光を再利用する光リサイクル方式が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許公開公報2009−0190072号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Journal of Optics A, 7 (2005), P111-117
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
液晶表示装置では、軽量・低消費電力・薄型であることが市場ニーズとして強く要請されている。それに伴い、液晶表示装置に搭載されるバックライトユニットも軽量・低消費電力であることが要求されている。しかしながら、上述したエッジライト式のバックライトユニットでは、光利用効率(液晶パネルの有効表示エリアを通過する光量の、光源から放射される全光量に対する割合)は僅か5〜7%程度であり、低消費電力の要請に応えられているとは言いがたい。エッジライト式のバックライトユニットにおいて、導光板の出射面側に非吸収型カラーフィルタを配置しただけでは、表示面から取り出される光量(取り出し光量)は増大するが、出射角の指向角分布が広がる結果、最も必要とされる正面輝度の増加は1〜2割程度に留まってしまう。
【0007】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、その課題は、光取り出し効率の向上と正面輝度の改善が可能な照明装置、およびこれを備えた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、照明装置は、出射面、前記出射面に対向しているとともに反射膜が形成された背面、および前記出射面に交差する入射面を有する導光板と、前記入射面から前記導光板に光を入射する光源と、を備え、前記導光板の背面は、前記出射面に対して傾斜し前記光源から離れるほど前記出射面との距離が長い複数の第1傾斜面と、前記出射面に対して傾斜し前記第1傾斜面の前記光源から遠い側に連続する複数の第2傾斜面と、を有し、前記第2傾斜面が前記出射面と成す角は前記第1傾斜面が前記出射面と成す角よりも大きいことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る液晶表示装置の断面図。
【図2】図2は、前記液晶表示装置のバックライトユニットの導光板を示す平面図。
【図3】図3は、前記液晶表示装置の液晶表示パネルを拡大して示す断面図。
【図4】図4は、前記導光板を拡大して示す断面図。
【図5】図5は、前記導光板の傾斜面の傾斜角度に応じた出射光の指向角(計算値)を示す図。
【図6】図6は、前記導光板の傾斜面の異なる傾斜角度に応じた出射光の指向角(計算値)を示す図。
【図7】図7は、第2の実施形態に係る液晶表示装置の断面図。
【図8】図8は、前記液晶表示装置における導光板を拡大して示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施形態に係る液晶表示装置について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、表示装置として、第1の実施形態に係る液晶表示装置を示し、図2は、照明装置として機能するバックライトユニットを示している。
図1に示すように、液晶表示装置10は、矩形状の液晶表示パネル12と、液晶表示パネル12の裏面側(背面側)に重ねて配置されたほぼ矩形状のバックライトユニット14と、を備え、これら液晶表示パネル12およびバックライトユニット14は、ほぼ矩形状の樹脂製あるいは金属製の支持フレーム30上に載置されている。液晶表示パネル12の周縁部には、矩形枠状の金属製のベゼル33が被せられ、このベゼルは支持フレーム30に接合されている。これにより、液晶表示パネル12およびバックライトユニット14は、支持フレーム30とベゼル33との間に挟持された状態で保持されている。
【0011】
図3は、液晶表示パネル12の断面を示している。図1および図3に示すように、液晶表示パネル12は、隙間を置いて対向配置された矩形状のアレイ基板16および対向基板18、これらの基板間に封入され液晶層20等を備えている。アレイ基板16は、例えば、透明な矩形状のガラス基板と、このガラス基板の上面(内面)上に形成された干渉カラーフィルタ(CF)層22と、干渉CF層上に形成されたバッファ層24と、さらにその上に形成されたTFTアレイ層26と、を有している。バッファ層24は干渉CF層22の凹凸を平坦化させるためのものである。TFTアレイ層26の有効表示領域には、図示しない多数の表示画素、スイッチング素子(TFT)、および配線が形成され、また、有効表示領域の外側には駆動回路が形成されている。
【0012】
対向基板18は、例えば、透明な矩形状のガラス基板で構成され、その周縁部は、シール材28によりアレイ基板16の周縁部に貼付されている。液晶層20は、TFTアレイ層26と対向基板18との間に挟持されている。
【0013】
色選択層として機能する干渉CF層22は、R、G、Bの3つのサブ画素領域である3つの透過領域を有する波長選択透過フィルタを所定のパターンで並べて配置した構造を備え、非吸収型フィルタを構成している。干渉CF層22の3つの透過領域は、TFTアレイ層26のR、G、Bのサブ画素に対応にそれぞれ対応する。干渉CF層22の各サブ画素領域は、特定の波長域の波長を持った光を高い透過率で透過させ、それ以外の波長を持った光は高い反射率でバックライトユニット14側に反射する特性を有する。反射された光は再利用(光リサイクル)される。例えば、干渉CF層22のRサブ画素領域は、620nmより長波長の光(赤い光)のみを選択的に透過させ、それ以外の波長の光はバックライトユニット14側に反射する。
【0014】
このような波長選択透過フィルタとしては、有機薄膜の積層膜からなる干渉カラーフィルタの他、例えば、誘電体多層膜や、1次元、2次元、または3次元のフォトニック結晶を用いることができる。なお、本実施形態では、波長選択透過フィルタである干渉CF層22を液晶表示パネル12内に内蔵する構成としたが、これに限らず、波長選択透過フィルタをバックライトユニット14側に設ける構成としてもよい。
【0015】
図1、図2、図4に示すように、バックライトユニット14は、エッジライト型の面状照明装置として構成され、例えば、アクリル製の矩形状の導光板32と、光源としての複数のLED34と、導光板32の背面に成膜された反射膜38と、を備えている。
【0016】
導光板32は、液晶表示パネル12に対応する大きさの矩形状に形成されている。導光板32は、平坦な出射面32aを形成した上面、これに対向する背面32b、および出射面32aと直交して延びる4つの側面を有し、一辺の側面は入射面32cを形成している。導光板32の背面32b全体に反射膜38が成膜されている。前述した液晶表示パネル12は、導光板32に重ねて配設され、導光板32の出射面32aと対向している。
【0017】
例えば、4つのLED34は、導光板32の入射面34cに取り付けられ、導光板32の幅方向Yに沿って所定の間隔を置いて配置されている。LED34は、導光板32の薄型化を考慮し、面実装タイプの側面発光で、厚みが薄いものを用いる。
【0018】
導光板32の背面32bは、全反射により導光板32内を横方向に伝播してきた光を垂直方向に出射させるために加工された複数の凹所と、これらの凹所加工面全体に成膜された金属反射膜38とを有している。各凹所は、傾斜角度の異なる第1傾斜面42aと第2傾斜面42bとからなるV溝40により形成されている。複数のV溝40は、それぞれY方向、ここでは、導光板32の幅方向、つまり、入射面32cと平行な方向、に沿って導光板の一側から他側に亘って延びているとともに、導光板32の長手方向Xに沿って、導光板32の長さ方向一端から他端まで並んで形成されている。
【0019】
V溝40は、導光板32内を横方向に伝播する光(以下、伝播光と呼ぶ)が多重反射する第1傾斜面42aと、導光板32内の光を垂直方向に出射させるための第2傾斜面42bとを楔状に突き合わせて形成されている。導光板32の上面32aと平行な基準面Aに対して、第1傾斜面42aの傾斜角度α1は、2〜20度、例えば、2度に設定され、第2傾斜面42bの傾斜角度α2は例えば、40〜45度に形成されている。V溝40の深さは、例えば、4〜5μmに形成されている。
【0020】
複数の第1傾斜面42aは、それぞれLED34から離れるほど出射面32aとの距離が長くなるように出射面32aに対して傾斜している。複数の第2傾斜面42bは、出射面32aに対して傾斜し、第1傾斜面42aのLED34から遠い側に連続している。
【0021】
長手方向Xに沿ったV溝40のピッチPあるいは幅は、導光板32の面内で出射光の照度分布が均一となるように光源からの距離に応じて調整されている。例えば、V溝40のピッチPは、LED3から離れるに従って、徐々に広くなるように形成されている。言い換えると、導光板32の長手方向Xに沿ったV溝40のピッチPは、表示面内での明るさが均一となるように光源からの距離に応じて変調され、50μm〜150μmの範囲内で、光源から離れるにつれて次第に大きくなっている。
【0022】
金属反射膜38が成膜された導光板32の背面32bは、第1傾斜面42aと第2傾斜面42bの繰り返しとなるが、第1傾斜面42aの傾斜角度α1が第2傾斜面42bの傾斜角度α2と比較して極めて小さい。そのため、第2傾斜面42bの総面積は、第1傾斜面42aの総面積と比較して十分に小さくなる。
【0023】
導光板32は透明であれば良く、具体的には、ガラス、アクリル樹脂などの透明基板の他、ポリカーボネート(PC)、(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)など金属薄膜を蒸着可能な耐熱性透明フィルムを用いることができる。
【0024】
上記のように構成された導光板32は、各V溝40の第1傾斜面42aが、干渉CF層22と平行となるように配設されている。すなわち、導光板32は、その上面32aが干渉CF層22および液晶表示パネル12のアレイ基板16に対して、角度α1、例えば2度、だけ傾斜した状態で配置され、導光板32の光源側の端部が低くなるように傾斜している。
【0025】
図1、図2、および図4に示すように、導光板32の傾斜角度α1は、液晶表示パネル12と導光板32の入射側端部との間に挿入されたスペーサ44の厚みにより規定される。スペーサ44による光吸収を防止するため、導光板32上において、スペーサ44が配置される領域には反射層46が形成されている。各反射層46は、反射性の金属薄膜あるいは反射シートで形成されている。光の有効利用を考慮すると、反射性エリア46に入射する光は可能な限り減らした方が良い。
【0026】
スペーサ44は縦、横が共に2mm以下の矩形の点で、少なくともLED34が配置された辺の両サイドの隅に2箇所配置されている。液晶表示パネル12の寸法に応じて、スペーサ44および反射層46の寸法と配置箇所を増加させても良い。本実施形態では、導光板32の幅方向Yに沿って間隔を置いて、複数、例えば、3つのスペーサ44が配置されている。
【0027】
また、導光板32の傾斜状態を維持するため、導光体32の光源と反対側の端部と支持フレーム30との間に、他のスペーサ48が設けられている。また、液晶表示パネル12とバックライトユニット14との面内方向の位置ずれをなくすため、液晶表示パネル12およびバックライトユニット14は、支持フレームおよびベゼル33により固定されている。
【0028】
上記のように構成されたバックライトユニット14において、LED34から出射した光が液晶表示パネル12の表示面から出射するまでの光の経路について説明する。図4に示すように、LED34から出射した無指向性の光は導光板32に入射し、導光板内を多重反射により伝播していく。導光板32の第1傾斜面42aには伝播光をコリメートする作用がある。具体的には、第1傾斜面42aに入射した伝播光はここで反射されるが、反射1回につき、第1傾斜面42aの傾斜角度α1の2倍、すなわち4度だけコリメートされ、導光板32の上面32aと平行な方向に近づく。従って、伝播光は、伝播距離が長くなるにつれて平行光に近づき、略平行光となる。そして、第2傾斜面42bに入射した略平行光は、ここで上面32a側に反射され、導光板32の上面32aから出射角20度以下で出射する。
【0029】
上記のような導光板32のコリメート作用は、出射光の指向角(光リサイクル無し時と比較して)に及ぼす影響は極めて大きい。例えば、図5および図6に示すように、同じ指向角の光源を導光板32の入射面32cにセットし、第1傾斜面42aの傾斜角度α1が3.25度の場合と、0度の場合について、出射光の指向角を比較(計算値)した。これらの図から、傾斜角度0度の方が指向角分布で20度程度広がることが分かる。
【0030】
導光板32から出射した光は、液晶表示パネル12のアレイ基板16を通り干渉CF層22に入射する。前述したように、干渉CF層22は、R、G、B3つのサブ画素領域から構成されており、各サブ画素領域では特定の波長域の光を透過させ、それ以外の波長域の光は導光板32側に反射され、再利用される(光リサイクル)。例えば、Rサブ画素領域は620nmより長波長の光(赤い光)のみを選択的に透過させ、それ以外の波長の光を導光板32側に反射する。干渉CF層22で反射された光は、導光板32に入射し、第1傾斜面42aで反射して再び干渉CF層22に戻される。このように導光板32から出射した光は、干渉CF層22のサブ画素領域の透過波長域と波長が一致するまで、第1傾斜面42aと干渉CF層22との間で多重反射して横方向に広がっていく。このとき、平行に配置された2平面、すなわち、第1傾斜面42aと干渉CF層22との間で光が多重反射されるため、液晶表示パネル12から出射する光の出射角が広がることはない。これにより、光リサイクル時の指向各分布の広がりが抑えられる。
【0031】
以上のように、導光板32から垂直方向に出射した光のうち、干渉CF層22のサブ画素領域を通過しない光は非吸収型の干渉CF層22と金属反射膜38が成膜された第1傾斜面42aとの間での多重反射を経て、透過波長域が合致したサブ画素領域から液晶表示パネル12に向けて出射する(光リサイクル)。このとき、導光板32の面積に対して溝形状の第2傾斜面42bが占める面積の割合は極僅か5%程度であるため、光リサイクル時に導光板32の厚さ方向にリサイクル光が何度も通過しても、リサイクル光が第2傾斜面42bで反射されることは殆どない。
【0032】
以上のように構成されたバックライトユニット14およびこれを備えた液晶表示装置10によれば、リサイクル光と伝播光、各々の多重反射の経路を分離することができるため、光リサイクル時における出射光の指向角分布の広がり抑制と、導光板からの垂直出射を同時に実現することが可能となる。これにより、光取り出し効率の向上と正面輝度の改善が可能なバックライトユニット、およびこれを備えた表示装置が得られる。
【0033】
次に、他の実施形態に係る液晶表示装置について説明する。以下に述べる、他の実施形態において、第1の実施形態と同一の部分には、第1の実施形態と同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0034】
(第2の実施形態)
図7および図8は、第2の実施形態に係る液晶表示装置10を示している。液晶表示装置10は、第1の実施形態に係る液晶表示装置と基本構成は同一であり、バックライトユニット14の導光板32の形状が相違している。
図7および図8に示すように、導光板32は、液晶表示パネル12に対応する大きさの矩形状、かつ、楔形状に形成されている。導光板32は、平坦な出射面32aを形成した上面、これに対向する背面32b、および出射面32aと直交して延びる4つの側面を有し、一辺の側面は入射面32cを形成している。導光板32の背面32b全体に反射膜38が成膜されている。液晶表示パネル12は、導光板32に重ねて配設され、導光板32の出射面32aと対向している。
【0035】
例えば、4つのLED34は、導光板32の入射面32cに取り付けられ、導光板32の幅方向Yに沿って所定の間隔を置いて配置されている。LED34は、導光板32の薄型化を考慮し、面実装タイプの側面発光で、厚みが薄いものを用いる。
【0036】
導光板32の背面32bは、上面32aに対して角度α1だけ傾斜している。これにより、導光板32は、入射面42c側の端部が薄く、反対側の端に向かって厚くなる楔状に形成されている。そして、背面32bは、導光板32の上面32aと平行な基準面Aに対して、傾斜角度α1だけ傾斜する第1傾斜面42aを構成している。傾斜角度α1は、2〜20度、例えば、2度に設定されている。
【0037】
導光板32の背面32bには、凹所として複数のV溝40が形成されている。複数のV溝40は、それぞれY方向、ここでは、導光板32の幅方向、つまり、入射面32cと平行な方向、に沿って導光板の一側から他側に亘って延びているとともに、導光板32の長手方向Xに所定の間隔を置いて並んで形成されている。V溝40を構成する2つの傾斜面のうち、LED光源34側の傾斜面は、第2傾斜面42bを構成し、この第2傾斜面43bは、基準面Aに対して、傾斜角度α2だけ傾斜している。傾斜角度α2は、40〜45度、例えば、43度に設定されている。V溝40を規定しているもう一方の傾斜面の傾斜角度は、所望のピッチでV溝40を形成できるのであればどのような角度であっても良い。V溝40の深さは、例えば、4〜5μmに形成されている。
【0038】
導光板32の長手方向Xに沿ったV溝40のピッチは、表示面内での明るさが均一となるようにLED34からの距離に応じて変調され、50μm〜150μmの範囲内で、光源から離れるにつれて次第に大きくなっている。
【0039】
上記のように、導光板32の背面32bにおいて、複数の第1傾斜面42aは、それぞれLED34から離れるほど出射面32aとの距離が長くなるように出射面32aに対して傾斜している。複数の第2傾斜面42bは、出射面32aに対して傾斜し、第1傾斜面42aのLED34から遠い側に連続している。
【0040】
金属反射膜38が成膜された導光板32の背面32bは、第1傾斜面42aと第2傾斜面42bの繰り返しとなるが、第1傾斜面42aの傾斜角度α1が第2傾斜面42bの傾斜角度α2と比較して極めて小さい。そのため、第2傾斜面42bの総面積は、第1傾斜面42aの総面積と比較して十分に小さくなる。
【0041】
導光板32は透明であれば良く、具体的には、ガラス、アクリル樹脂などの透明基板の他、ポリカーボネート(PC)、(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)など金属薄膜を蒸着可能な耐熱性透明フィルムを用いることができる。
【0042】
上記のように構成された導光板32は、背面32b、すなわち、第1傾斜面42aが、干渉CF層22と平行となるように配設されている。すなわち、導光板32は、その上面32aが干渉CF層22および液晶表示パネル12のアレイ基板16に対して、角度α1、例えば2度、だけ傾斜した状態で配置され、導光板32の光源側の端部が低くなるように傾斜している。
【0043】
導光板32の傾斜角度α1は、液晶表示パネル12と導光板32の入射側端部との間に挿入されたスペーサ44の厚みにより規定される。スペーサ44による光吸収を防止するため、導光板32上において、スペーサ44が配置される領域には反射層46が形成されている。
【0044】
第2の実施形態において、他の構成は、前述した第1の実施形態と同一である。
上記のように構成されたバックライトユニット14において、LED34から導光板32に入射した光は、第1傾斜面42aで反射され、コリメートされながら導光板32内を伝播していき、更に、第2傾斜面42bで反射されて導光板32の上面32aから出射角40度以下の方向に出射される。導光板32から垂直方向に出射した光のうち、干渉CF層22のサブ画素領域を通過しない光は非吸収型の干渉CF層22と金属反射膜38が成膜された第1傾斜面42aとの間での多重反射を経て、透過波長域が合致したサブ画素領域から液晶表示パネル12に向けて出射する(光リサイクル)。
【0045】
以上のように構成されたバックライトユニット14およびこれを備えた液晶表示装置10によれば、リサイクル光と伝播光、各々の多重反射の経路を分離することができるため、光リサイクル時における出射光の指向角分布の広がり抑制と、導光板からの垂直出射を同時に実現することが可能となる。これにより、光取り出し効率の向上と正面輝度の改善が可能なバックライトユニット、およびこれを備えた表示装置が得られる。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。例えば、光源は、LEDに限らず、他の光源としてもよい。
【符号の説明】
【0047】
10…液晶表示装置、14…バックライトユニット、16…アレイ基板、
18…対向板、20…液晶層、22…干渉カラーフィルタ層(色選択層)、
30…支持フレーム、32…導光板、32a…上面、32b…背面、
32c…入射面、34…LED(光源)、38…反射膜、40…V溝(凹所)、
42a…第1傾斜面、42b…第2傾斜面、44…スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出射面、前記出射面に対向しているとともに反射膜が形成された背面、および前記出射面に交差する入射面を有する導光板と、
前記入射面から前記導光板に光を入射する光源と、を備え、
前記導光板の背面は、前記出射面に対して傾斜し前記光源から離れるほど前記出射面との距離が長い複数の第1傾斜面と、前記出射面に対して傾斜し前記第1傾斜面の前記光源から遠い側に連続する複数の第2傾斜面と、を有し、
前記第2傾斜面が前記出射面と成す角は前記第1傾斜面が前記出射面と成す角よりも大きい照明装置。
【請求項2】
前記導光板の背面は、それぞれ前記第1傾斜面および第2傾斜面により規定された複数の楔状の凹所を有し、前記凹所は、前記入射面と平行な前記導光板の幅方向に亘って延びているとともに、前記導光板の長さ方向に並んで配置されている請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記複数の凹所は並んで設けられ、前記凹所のピッチは、前記導光板の入射面から離れるに従って広くなる請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記導光板の背面は、前記出射面に対して傾斜して形成され、前記導光板の背面は、それぞれ前記第2傾斜面により規定された複数の凹所を有している請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1傾斜面の傾斜角度は2〜20度であり、前記第2傾斜面の傾斜角度は40〜45度である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の照明装置と、
前記照明装置の導光板の出射面に対向して設けられ色選択層を有する液晶表示パネルと、を備え、
前記色選択層と前記照明装置の前記第1傾斜面が平行である液晶表示装置。
【請求項7】
前記色選択層は、それぞれ異なる所定波長の光を透過し、前記所定波長以外の光を反射する複数のサブ画素領域を有し、前記複数のサブ画素領域は所定のパターンで並んで設けられている請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記導光板の前記光源側の端部と前記色選択層との間に設けられたスペーサと、前記スペーサと前記導光板との間に設けられた光反射層と、を備える請求項7に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−190554(P2012−190554A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50623(P2011−50623)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(302020207)株式会社ジャパンディスプレイセントラル (2,170)
【Fターム(参考)】