説明

照明装置および発光パネル

【課題】発光パネルを光源に用いた照明装置において、発光パネルの交換作業のさらなる効率化を図ることが可能な構造を備える照明装置および発光パネルを提供する。
【解決手段】発光パネル100Aは、可視光線を発光する発光層110Aと、発光層110Aの上に積層配置され、外部から所定の刺激が加えられることにより、平面状態または湾曲面状態に変形して、発光層100Aを平面状態または湾曲面状態に変形させる変形層120Aとを含み、支持部材200A,200Bは、受電電極に接する供電電極201a,201bと、変形層120Aに刺激を加える刺激印加手段202a,202bとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明装置および発光パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
新たな照明装置として面発光素子を用いた装置が、下記特許文献1から5に開示されている。特許文献1には、発光パネルの交換の作業性を向上させる構造を備える発光パネル式照明器具が開示されている。特許文献2には、ユーザが取り扱いやすく、安全にパネル交換できる照明装置の構造が開示されている。特許文献3には、面発光光源の着脱によって電極薄膜を傷付けることを防止することができる構造を備える照明装置の構造が開示されている。特許文献4には、面発光素子を所定の形状に成形して装飾的効果を高める照明装置の構造が開示されている。特許文献5には、巻き取り式の面発光素子を用いた照明装置の構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−250303号公報
【特許文献2】特開2007−005226号公報
【特許文献3】特開2006−331856号公報
【特許文献4】特開2009−140987号公報
【特許文献5】特開2009−176633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、発光パネルを光源に用いた照明装置において、発光により徐々に明度が低下し所定の期間(たとえば、数千時間)が過ぎると初期の半分以下の明度となる。このような発光パネルの寿命・性能劣化や破損などを原因として、発光パネルの交換作業が必要となる。
【0005】
本発明の目的は、発光パネルを光源に用いた照明装置において、発光パネルの交換作業のさらなる効率化を図ることが可能な構造を備える照明装置および発光パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に基づいた照明装置においては、発光パネルおよび上記発光パネルの縁部を下面側から支持する支持部材を備える照明器具であって、上記発光パネルは、受電電極を有し、可視光線を発光する発光層と、上記発光層の上に積層配置され、外部から所定の刺激が加えられることにより、平面状態または湾曲面状態に変形して、上記発光層を平面状態または湾曲面状態に変形させる変形層とを含んでいる。
【0007】
上記支持部材は、上記受電電極に接する供電電極と、上記変形層に刺激を加える刺激印加装置とを含み、上記刺激印加装置の操作に基づいて、上記変形層が平面状態の場合には、上記発光パネルは平面状態となって、上記支持部材により支持され、上記刺激印加装置の操作に基づいて、上記変形層が湾曲面状態の場合には、上記発光パネルは湾曲面状態となって、上記支持部材による支持が外れる。
【0008】
他の形態では、上記変形層には、不可視光線、熱、またはマイクロ波のいずれかが印加されることにより、平面状態から湾曲面状態に変形する材料が用いられ、上記刺激印加装置は、上記変形層に不可視光線、熱、またはマイクロ波のいずれかの印加が可能であり、上記刺激印加装置から上記変形層に不可視光線、熱、またはマイクロ波のいずれかが印加されていない場合には、上記変形層は平面状態となり、上記刺激印加装置から上記変形層に不可視光線、熱、またはマイクロ波のいずれかが印加されている場合には、上記変形層は湾曲面状態となる。
【0009】
他の形態では、上記発光パネルは、上記変形層の上に、上記変形層に照射された不可視光線、熱、またはマイクロ波のいずれかが外部に放出されることを防ぐ反射層を有し、上記支持部材には、上記反射層を有する上記発光パネルが複数枚積層支持される。
【0010】
他の形態では、上記変形層は、収縮フィルムまたは収縮プラスチックである。
他の形態では、上記変形層には、可視光線が印加されることにより湾曲面状態から平面状態に変形する材料が用いられ、上記刺激印加装置は、上記変形層に可視光線の印加が可能であり、上記刺激印加装置から上記発光層に可視光線が印加されていない場合には、上記変形層は湾曲面状態となり、上記刺激印加装置から上記発光層に可視光線が印加されている場合には、上記変形層は平面状態となる。
【0011】
他の形態では、上記変形層に、平面状態および湾曲面状態に変形する形状記憶合金が用いられ、上記刺激印加装置は、上記変形層に過電流の印加が可能であり、上記刺激印加装置から上記変形層に過電流が印加されていない場合には、上記変形層は平面状態となり、上記刺激印加装置から上記変形層に過電流が印加されている場合には、上記変形層は湾曲面状態となる。
【0012】
この発明に基づいた他の照明装置においては、平面状態または湾曲面状態に変形可能な発光パネルと、上記発光パネルの縁部を下面側から支持する支持部材と、上記発光パネルに外力を加えて、上記発光パネルを平面状態から湾曲面状態に変形させる外力付加装置とを備え、上記外力付加装置から上記発光パネルに外力は加えられていない状態においては、上記発光パネルは平面状態となって、上記支持部材により支持され、上記外力付加装置から上記発光パネルに外力が加えられている状態においては、上記発光パネルは湾曲面状態となって、上記支持部材から外れる。
【0013】
この発明に基づいた発光パネルにおいては、受電電極を有し、可視光線を発光する発光層と、上記発光層に積層配置され、外部から所定の刺激が加えられることにより、平面状態または湾曲面状態に変形して、上記発光層を平面状態または湾曲面状態に変形させる変形層とを備える。
【発明の効果】
【0014】
この発明に基づいた照明装置および発光パネルによれば、発光パネルを光源に用いた照明装置において、発光パネルの交換作業のさらなる効率化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態1における照明装置の発光パネルを示す平面図である。
【図2】図1中II−II線矢視断面図である。
【図3】図2中のIIIで囲まれた領域の拡大断面図である。
【図4】実施の形態1における照明装置の外観を示す見上げ図である。
【図5】図4中V−V線矢視断面図である。
【図6】実施の形態1における照明装置に用いられる刺激印加装置の概略構成を示す図である。
【図7】実施の形態1における照明装置の発光パネルの取外し状態を示す図であり、図4中V−V線矢視断面に相当する図である。
【図8】実施の形態2における照明装置に用いられる発光パネルを示す平面図である。
【図9】図8中IX−IX線矢視断面図である。
【図10】実施の形態2における照明装置の外観を示す見上げ図である。
【図11】図10中XI−XI線矢視断面図である。
【図12】実施の形態2における照明装置への発光パネルの支持状態を示す第1図である。
【図13】実施の形態2における照明装置への発光パネルの支持状態を示す第2図である。
【図14】実施の形態3における照明装置に用いられる発光パネルの断面図である。
【図15】実施の形態3における照明装置の断面図である。
【図16】実施の形態3における照明装置の発光パネルの取外し状態を示す第1図である。
【図17】実施の形態3における照明装置の発光パネルの取外し状態を示す第2図である。
【図18】実施の形態4における照明装置の発光パネルの外観を示す見上げ図である。
【図19】実施の形態4における照明装置の外観を示す見上げ図である。
【図20】実施の形態4における照明装置の発光パネルの支持状態を示す図であり、図19中XX−XX線矢視断面図である。
【図21】実施の形態4における照明装置の発光パネルの支持状態を示す図であり、図19中XXI−XXI線矢視断面図である。
【図22】実施の形態4における照明装置に用いられる刺激印加装置の概略構成を示す図である。
【図23】実施の形態4における照明装置の発光パネルの取外し状態を示す図であり、図19中XXI−XXI線矢視断面に相当する図である。
【図24】実施の形態5における照明装置の断面図である。
【図25】実施の形態5における照明装置の発光パネルの取外し状態を示す第1図である。
【図26】実施の形態5における照明装置の発光パネルの取外し状態を示す第2図である。
【図27】実施の形態6における照明装置の外観を示す見上げ図である。
【図28】実施の形態6における照明装置の発光パネルの支持状態を示す図であり、図27中XXVIII−XXVIII線矢視断面図である。
【図29】実施の形態6における照明装置の発光パネルの取外し状態を示す図であり、図27中XXVIII−XXVIII線矢視断面に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に基づいた各実施の形態における照明装置および発光パネルについて、以下、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。また、各実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
【0017】
(実施の形態1)
(発光パネル100A)
図1から図3を参照して、本実施の形態における照明装置に用いられる発光パネル100Aについて説明する。なお、図1は、発光パネル100Aを示す平面図、図2は、図1中II−II線矢視断面図、図3は、図2中のIIIで囲まれた領域の拡大断面図である。
【0018】
本実施の形態における発光パネル100Aは、一例として、厚さが約0.2mm〜約0.5mmに対して、縦長さが約50mm〜約200mm、横長さが約50mm〜約200mmである。この寸法関係を維持したまま図示した場合には、発光パネルの構造を明確に示すことはできない。そこで、以下に示す各実施の形態における照明装置および発光パネルの図示においては、構造の理解のために寸法関係は、発光パネルの厚み方向を拡大して図示している。
【0019】
図1および図2を参照して、この発光パネル100Aは、平面視において長方形形状を有し、主面100a側の中央領域に発光面105aを有し、主面100a側の周縁部に受電電極103,104が設けられている。発光パネル100Aの形状は、長方形形状に限定されるものではなく、正方形形状、多角形形状、円形形状等の様々な形状の選択が可能である。
【0020】
図2を参照して、この発光パネル100Aは、発光層110Aと変形層120Aと有している。発光層110Aは、発光体101、受電電極103をその一部とし、発光体101の一方面側に位置する導電体102、受電電極104と電気的に接続され、発光体101の他方面側(発光面側)に位置する透明導電体105、および、ガラスやプラスチックフィルムを用いた透明基板106とを有している。
【0021】
図3を参照して、発光体101を導電体102と透明導電体105とにより挟み込む。一部図示においては記載を省略しているが、導電体102と透明導電体105との対向面には、絶縁分離のために絶縁層107が設けられている。
【0022】
透明導電体105は、傷つき易い導電性樹脂が用いられているため、この透明導電体105を保護する目的で、金属からなる受電電極104が、透明導電体105の表面に接続・被覆されている。
【0023】
この発光層110Aは、受電電極103と受電電極104との間に直流電流(例えば、15V程度)を流すことにより発光面105aが可視光線を発して発光する。受電電極103,104の位置は、主面100a側の周縁部に設けられれば、特に限定されるものではない。
【0024】
本実施の形態の発光層110Aは、有機EL(Electro-Luminescence)を発光体101に用いており、導電体102にマイナス電位を印加し、透明導電体105にプラス電位を印加すると、導電体102で生じた自由電子と透明導電体105で生じた正孔とが発光体101で結合して、この発光体101の有機物が励起状態になり、元の安定状態に戻るときに発光する。
【0025】
さらに、本実施の形態の発光パネル100Aは、発光層110Aの上に、外部から所定の刺激が加えられることにより、平面状態または湾曲面状態に変形して、発光層110Aを平面状態または湾曲面状態に変形させる変形層120Aが設けられている。
【0026】
本実施の形態において、外部から所定の刺激としては、不可視光線(紫外線、赤外線)、熱、マイクロ波等が挙げられる。不可視光線(紫外線、赤外線)、熱、マイクロ波によって、平面状態から湾曲面状態に変形可能な変形層120Aに用いる材料として、収縮フィルムまたは収縮プラスチックが挙げられる。
【0027】
収縮フィルムまたは収縮プラスチックとは、不可視光線(紫外線、赤外線)、熱、マイクロ波などの作用を受けて収縮するフィルム/プラスチックである。収縮フィルムまたは収縮プラスチックの材質としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シクロオレフィン共重合体等のビニル重合樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂、ポリカプロラクトンやポリ乳酸等の生体適合性材料などが含まれる。これらの材質からなるフィルム/プラスチックを、一軸または二軸延伸したフィルム/プラスチックを収縮フィルムまたは収縮プラスチックとして用いればよい。
【0028】
収縮フィルムは、等方的に収縮するフィルムであっても、異方的に収縮するフィルムであってもよい。収縮フィルムの収縮率は、1.05〜30倍であることが好ましく、より好ましくは、1.5倍〜3倍であると良い。
【0029】
なお、発光層110Aの一例として有機ELを用いた発光層について説明したが、同等の性能を有する面発光層であれば、有機ELに限定されず、無機EL、面発光レーザ、面発光LED等を用いた面発光層の採用も可能である。以下に示す各実施の形態における発光層も同様である。
【0030】
(照明装置1000)
次に、図4から図7を参照して、本実施の形態における照明装置1000について説明する。なお、図4は、天井1に取り付けられた照明装置の外観を示す見上げ図、図5は、図4中V−V線矢視断面図、図6は、照明装置に用いられる刺激印加装置の概略構成を示す図、図7は、照明装置の発光パネルの取外し状態を示す図であり、図4中V−V線矢視断面に相当する図である。
【0031】
図4および図5を参照して、本実施の形態における照明装置1000は、天井1に取り付けられており、発光パネル100Aと、この発光パネル100Aの縁部を下面側から支持する一対の支持部材200A,200Bとを備えている。
【0032】
支持部材200A,200Bは、断面視においてL字形状を有している。支持部材200Aは、発光パネル100Aの発光層110Aに設けられた受電電極103に接する供電電極201aと、発光パネル100Aの変形層120Aに所定の刺激を加えるための発生部202aが設けられている。同様に、支持部材200Bは、発光パネル100Aの発光層110Aに設けられた受電電極104に接する供電電極201bと、発光パネル100Aの変形層120Aに所定の刺激を加えるための発生部202bが設けられている。
【0033】
図6を参照して、所定の刺激を加えるための発生部202bについて説明する。なお、図6は、照明装置に用いられる刺激印加装置の概略構成を示す図である。この刺激印加装置は、刺激発生本体13、この刺激発生本体13に電力を供給する電源11、および刺激発生本体13のON/OFFを制御するためのスイッチ12を有している。刺激発生本体13には、誘導管14の一端が連結され、この誘導管14の他端に発生部202aが連結されている。なお、発生部202bも、同様である。
【0034】
ここで、刺激発生本体13から発生される刺激の種類としては、不可視光線(紫外線、赤外線)、熱、マイクロ波が挙げられる。たとえば、不可視光線の紫外線の場合には、300nm〜380nmの波長の紫外線が発生され、熱の場合には、30℃から80℃に加熱され、マイクロ波の場合には、1cm〜10cmのマイクロ波が印加される。
【0035】
(照明装置1000の動作)
図5および図7を参照して、照明装置1000の動作について説明する。発光層110Aを発光させる通常モードにおいては、供電電極201a,201bから受電電極103,104に電力が供給される。電力が供給されている間は、刺激印加装置のスイッチ12はOFF状態が選択され、変形層120Aに刺激は印加されない。なお、供電電極201a,201bからの電力供給のON/OFF制御、および、刺激印加装置のスイッチ12のON/OFF制御は、図示しない制御装置によって行なわれ、使用者による手動操作、遠隔操作、または、自動操作により実行される。
【0036】
次に、図7を参照して、発光パネル100Aの取外し(剥離)モードについて説明する。取外し(剥離)モードにおいては、供電電極201a,201bからの電力供給が遮断される。したがって、発光層110Aは発光しない。この電力供給が遮断された後に、刺激印加装置のスイッチ12がON状態にされ、発生部202a,202bから変形層120Aに所定の刺激が加えられる。なお、発光パネル100Aの交換時期に達していない場合には、発光パネル100Aの取外し(剥離)モードへの切り替えが行なわれない制御を行なうことが好ましい。
【0037】
発生部202a,202bから変形層120Aに所定の刺激が加えられることにより、変形層120Aが平面状態から湾曲面状態に変形して、発光層110Aを平面状態から湾曲面状態に変形させる。その結果、図7に示すように、発光パネル100Aは上方に凸となるように湾曲し、発光パネル100Aの縁部が支持部材200A,200Bによる支持から外れることになる。これにより、発光パネル100Aの支持部材200A,200Bからの取外しが完了する。
【0038】
(作用・効果)
このように本実施の形態における照明装置1000によれば、発光パネル100Aが交換時期に達し、発光パネル100Aの支持部材200A,200Bからの取外しを行なう場合には、変形層120Aに所定の刺激を加えることで発光パネル100Aが平面状態から湾曲面状態に変形して、容易に発光パネル100Aの支持部材200A,200Bからの取外しを行なうことができる。
【0039】
特に、照明装置1000を天井1等の高い位置に取り付けた場合には、発光パネル100Aの取外し作業に脚立等を用いる必要が生じるが、本実施の形態の照明装置1000によれば、脚立等を用いることなく、発光パネル100Aの取外し作業を行なうことが可能となる。その結果、発光パネル100Aの交換作業のさらなる効率化を図ることを可能とする。
【0040】
(実施の形態2)
(発光パネル100B)
図8および図9を参照して、本実施の形態における照明装置2000に用いられる発光パネル100Bについて説明する。なお、図8は、照明装置2000に用いられる発光パネル100を示す平面図、図9は、図8中IX−IX線矢視断面図である。
【0041】
本実施の形態における発光パネル100Bは、一例として、厚さが約0.2mm〜約0.5mmに対して、縦長さ約50mm〜約200mm、横長さ約50mm〜約200mmである。また、当初は湾曲面状態に成形されている。この寸法関係を維持したまま図示した場合には、発光パネルの構造を明確に示すことはできない。そこで、以下に示す各実施の形態における照明装置および発光パネルの図示においては、構造の理解のために寸法関係は、発光パネルの厚み方向を拡大して図示している。
【0042】
図8および図9を参照して、この発光パネル100Bは、平面視において長方形形状を有し、主面側の中央領域に発光面105aを有し、主面側の発光面105aの中央領域に受電電極103a,104aが設けられるとともに、周縁端部にも受電電極103b,104bが設けられている。発光パネル100Aの形状は、長方形形状に限定されるものではなく、正方形形状、多角形形状、円形形状等の様々な形状の選択が可能である。
【0043】
図9を参照して、この発光パネル100Bは、発光層110Bと変形層120Bと有している。発光層110Bは、発光体101、受電電極103a,103bと電気的に接続し、発光体101の一方面側に位置する導電体102、受電電極104と電気的に接続され、発光体101の他方面側(発光面側)に位置する透明導電体105、および、ガラスやプラスチックフィルムを用いた透明基板106とを有している。
【0044】
発光体101は、導電体102と透明導電体105とにより挟み込まれている。図示においては記載を省略しているが、導電体102と透明導電体105との対向面には、絶縁分離のために絶縁層が設けられている。
【0045】
この発光層110Bは、受電電極103と受電電極104との間に直流電流(例えば、15V程度)を流すことにより発光面105aが可視光線を発して発光する。
【0046】
本実施の形態の発光層110Bは、有機EL(Electro-Luminescence)を発光体101に用いており、導電体102にマイナス電位を印加し、透明導電体105にプラス電位を印加すると、導電体102で生じた自由電子と透明導電体105で生じた正孔とが発光体101で結合して、この発光体101の有機物が励起状態になり、元の安定状態に戻るときに発光する。
【0047】
さらに、本実施の形態の発光パネル100Bは、発光層110Aの上に、外部から所定の刺激が加えられることにより、湾曲面状態から平面常態に変形して、発光層110Aを平面状態または湾曲面状態に変形させる変形層120Bが設けられている。
【0048】
本実施の形態において、外部から所定の刺激としては、可視光線が挙げられる。具体的には、発光層110Bから発光する可視光線を受けて、変形層120Bが湾曲面状態から平面常態に変形する。可視光線によって、湾曲面状態から平面状態に変形可能な変形層120Bに用いる材料として、フォトクロミック化合物(光照射によりその分子量を変えずに結合様式を変える化合物)を混入、被覆、または付着した合成繊維を用いることで、変形層120Bを光伸縮層として用いることができる。波長450nm〜780nmの可視光を照射することで、変形層120Bを湾曲面状態から平面常態に変形させることができる。
【0049】
(照明装置2000)
次に、図10から図13を参照して、本実施の形態における照明装置2000について説明する。なお、図10は、照明装置2000の外観を示す見上げ図、図11は、図10中XI−XI線矢視断面図、図12および図13は、照明装置2000への発光パネル100Bの支持状態を示す第1図および第2図である。
【0050】
図10を参照して、本実施の形態における照明装置2000は、天井1に取り付けられており、発光パネル100Bと、この発光パネル100Bの縁部を下面側から支持する箱型の支持部材210とを備えている。
【0051】
支持部材210は、断面視において側壁部はL字形状を有し、下面部には、発光パネル100Aの縁部を下方側から支持する支持片212が設けられている。支持片212により、発光面を露出させるための矩形の開口部212hが規定されている。
【0052】
支持部材210は、発光パネル100Bの発光層110Bに設けられた受電電極103b、104bに接する供電電極221a、221bが設けられている。また、支持部材210の天井部分には、発光パネル100Bの変形層120Bに所定の刺激としての可視光を照射するため、発光層110Bに設けられた受電電極103a、104aに接する供電電極221a、221bが設けられている。
【0053】
(照明装置2000の動作)
図11から図13を参照して、照明装置2000の動作について説明する。まず、図11を参照して、湾曲面状態にある発光パネル100Bを開口部212hから支持部材210の内部に収容して、発光層110Bに設けられた受電電極103a、104aに供電電極221a、221bを接触させて発光層110Bに電流を流す。これにより、図12に示すように、発光層110Bは発光し、この刺激により、変形層120Bは湾曲面状態から平面常態に変化する。
【0054】
その後、図13に示すように、直ぐに発光パネル100Bを降下させて、支持部材210を用いて発光パネル100Bを保持する。下降時に、受電電極103a、104aと供電電極221a、221bとは一瞬の間離れるが、直ぐに、発光パネル100Bの受電電極103b、104bに支持部材210の供電電極221a、221bが接触する。これにより、発光パネル100Bの発光層110Bは発光し、この可視光の刺激により、発光パネル100Bは、平面状態を保つことになる。
【0055】
発光層110Bを発光させる通常モードにおいては、供電電極221a,221bから受電電極103,104に電力が供給される。電力が供給されている間は、発光パネル100Bの発光層110Bは発光し、この可視光の刺激により、発光パネル100Bは、平面状態を維持する。
【0056】
次に、発光パネル100Bの取外し(剥離)モードにおいては、供電電極221a,221bから受電電極103,104への電力の供給を停止する。変形層120Bは、発光層110Bからの可視光の刺激がなくなり、平面状態から湾曲面状態に変化する(図11に示す状態)。これにより、発光パネル100Bの支持部材210からの取外しが完了する。
【0057】
このように本実施の形態における照明装置2000によれば、発光パネル100Bが交換時期に達し、発光パネル100Bの支持部材210からの取外しを行なう場合には、変形層120Bへの可視光照射を停止することで発光パネル100Bが平面状態から湾曲面状態に変形して、容易に発光パネル100Bの支持部材210からの取外しを行なうことができる。
【0058】
特に、照明装置2000を天井1等の高い位置に取り付けた場合には、発光パネル100Bの取外し作業に脚立等を用いる必要が生じるが、本実施の形態の照明装置2000によれば、脚立等を用いることなく、発光パネル100Bの取外し作業を行なうことが可能となる。その結果、発光パネル100Bの交換作業のさらなる効率化を図ることを可能とする。
【0059】
(実施の形態3)
図14を参照して、本実施の形態における照明装置3000に用いられる発光パネル100Cについて説明する。なお、図14は、本実施の形態における照明装置に用いられる発光パネル100Cの断面図である。
【0060】
本実施の形態における照明装置3000は、実施の形態1の照明装置に対して、複数枚の発光パネル100Cの収容可能とするものである。実施の形態1の照明装置1000の支持部材200A,200Bの寸法を単純に拡大し、発光パネル100Aをそのまま複数枚積層した場合には、以下の課題が生じる。
【0061】
まず、交換時期に到達した発光パネル100Aに対して、たとえば、紫外線を印加した場合、上方に積み重ねられた発光パネル100Aに対しても紫外線が印加され、上方に積み重ねられた発光パネル100Aが、平面状態から湾曲面状態に変形してしまうおそれがある。
【0062】
また、積み重ねられた発光パネル100Aの端面と支持部材200A,200Bとの摩擦係数が大きい場合には、交換時期に達した発光パネル100Aを取り外しても積み重ねられた発光パネル100Aが落下しない場合が考えられる。そこで、本実施の形態においては、このような課題を解決する構成を有している。
【0063】
(発光パネル100C)
図14を参照して、本実施の形態における発光パネル100Cは、実施の形態1における発光パネル100Aと同様に、発光層110Aと変形層120Aと有し、さらに、変形層120Aの上に、変形層120Aに照射された不可視光線、熱、またはマイクロ波のいずれかが外部に放出されることを防ぐ反射層130を有している。発光層110Aおよび変形層120Aには、実施の形態1の発光パネル100Aと同じものを用い、反射層130には、厚さが0.1mm〜0.5mm程度のアルミを用いると良い。
【0064】
(照明装置3000)
次に、図15を参照して、本実施の形態における照明装置3000について説明する。なお、図15は、照明装置3000の断面図である。基本的構造は、実施の形態1と同じであり、本実施の形態における照明装置3000も、天井1に取り付けられており、発光パネル100Cと、この発光パネル100Cの縁部を下面側から支持する一対の支持部材230A,230Bとを備えている。
【0065】
支持部材230A,230Bは、断面視においてL字形状を有している。支持部材230Aは、発光パネル100Cの発光層110Aに設けられた受電電極103に接する供電電極201aと、発光パネル100Aの変形層120Aに所定の刺激を加えるための発生部202aが設けられている。同様に、支持部材230Bは、発光パネル100Aの発光層110Aに設けられた受電電極104に接する供電電極201bと、発光パネル100Aの変形層120Aに所定の刺激を加えるための発生部202bが設けられている。
【0066】
また、本実施の形態では、複数枚の発光パネル100Cを支持可能なように、支持部材230A,230Bの長さが設定されている。さらに、支持部材230A,230Bの内周面側には、テフロン(登録商標)等の低摩擦係数部材230t,231tが取り付けられている。なお、発生部202a,202bについは、図6を用いた説明と同じであるため、重複する説明は繰り返さない。
【0067】
(照明装置3000の動作)
図16および図17を参照して、照明装置3000の動作について説明する。基本的動作は、実施の形態1における照明装置1000と同じであり、発光層110Aを発光させる通常モードにおいては、供電電極201a,201bから受電電極103,104に電力が供給される。
【0068】
図16を参照して、発光パネル100Cの取外し(剥離)モードにおいては、供電電極201a,201bからの電力供給が遮断され、発生部202a,202bから変形層120Aに所定の刺激が加えられることにより、変形層120Aが平面状態から湾曲面状態に変形して、発光層110Aを平面状態から湾曲面状態に変形させる。その結果、図16に示すように、発光パネル100Cは上方に凸となるように湾曲し、発光パネル100Cの縁部が支持部材230A,230Bによる支持から外れることになる。これにより、発光パネル100Aの支持部材230A,230Bからの取外しが完了する。
【0069】
このとき、発光パネル100Cにはそれぞれ反射層130が設けられていることから、交換時期に達した発光パネル100Cに照射された不可視光線、熱、またはマイクロ波が、上に積層された発光パネル100C側への放出を防ぐことができる。これにより、次に装着される発光パネル100Cの変形を防止することができる。
【0070】
また、支持部材230A,230Bの内周面側には、テフロン(登録商標)等の低摩擦係数部材230t,231tが取り付けられていることから、発光パネル100Cの端面と支持部材230A,230Bの内周面側との滑り状態は良好となる。その結果、図17に示すように、交換時期に達した発光パネル100Cの取外しが完了した後には、上に積層された複数の発光パネル100Cを安定的に落下させることが可能となる。
【0071】
(作用・効果)
このように本実施の形態における照明装置3000によっても、実施の形態1における照明装置1000と同様の作用・効果を得ることができる。さらに、支持部材230A,230Bに複数の発光パネル100Cを収納させておくことができるため、脚立等を用いることなく、発光パネル100Aの交換作業のさらなる効率化を図ることを可能とする。
【0072】
(実施の形態4)
(発光パネル100D)
図18を参照して、本実施の形態における照明装置に用いられる発光パネル100Dについて説明する。なお、図18は、発光パネル100Dの外観を示す見上げ図である。
【0073】
この発光パネル100Dは、実施の形態1における発光層110Aと同一の発光層110Dを有し、この発光層110Aの上の両側部に、外部から所定の刺激が加えられることにより、平面状態または湾曲面状態に変形して、発光層110Dを平面状態または湾曲面状態に変形させる変形層120Dが設けられている。
【0074】
本実施の形態において、変形層120Dには、形状記憶合金が用いられ、外部から所定の刺激としては、過課電を用いている。形状記憶合金は、変態点以上の温度では、変形を受けてもすぐさま元の形状を回復する性質を持ち、この変形範囲は鋼などを使う通常のばね等に比べてはるかに広い。形状記憶合金として、チタンとニッケルの合金、鉄−マンガン−ケイ素合金などが用いられる。
【0075】
(照明装置4000)
次に、図19から図21を参照して、本実施の形態における照明装置4000について説明する。なお、図19は、照明装置4000の外観を示す見上げ図、図20は、照明装置4000の発光パネル100Dの支持状態を示す図であり、図19中XX−XX線矢視断面図、図21は、照明装置4000の発光パネル100Dの支持状態を示す図であり、図19中XXI−XXI線矢視断面図である。
【0076】
図19から図21を参照して、本実施の形態における照明装置4000は、天井1に取り付けられており、発光パネル100Dと、この発光パネル100Dの縁部を下面側から支持する一対の支持部材240A,240Bとを備えている。
【0077】
支持部材240A,240Bは、断面視においてL字形状を有している。支持部材240Aは、発光パネル100Dの発光層110Dに設けられた受電電極103に接する供電電極241aと、発光パネル100Dの変形層120Dに所定の刺激を加えるための発生部242aが設けられている。同様に、支持部材240Bは、発光パネル100Dの発光層110Dに設けられた受電電極104に接する供電電極241bと、発光パネル100Dの変形層120Dに所定の刺激を加えるための発生部242bが設けられている。
【0078】
図22を参照して、所定の刺激を加えるための発生部242a,242bについて説明する。なお、図22は、照明装置4000に用いられる刺激印加装置の概略構成を示す図である。この刺激印加装置は、形状記憶合金に対して瞬時に電流を流すための過電流が流れる回路構成を有し、過電流の発生部242a,242bと、電源11、および回路のON/OFFを制御するためのスイッチ12を有している。
【0079】
(照明装置4000の動作)
図20、図21および図22を参照して、照明装置4000の動作について説明する。発光層110Dを発光させる通常モードにおいては、供電電極241a,241bから受電電極103,104に電力が供給される。電力が供給されている間は、刺激印加装置のスイッチ12はOFF状態が選択され、変形層120Dに刺激は印加されない。なお、供電電極241a,241bからの電力供給のON/OFF制御、および、刺激印加装置のスイッチ12のON/OFF制御は、図示しない制御装置によって行なわれ、使用者による手動操作、遠隔操作、または、自動操作により実行される。
【0080】
次に、図23を参照して、発光パネル100Aの取外し(剥離)モードについて説明する。取外し(剥離)モードにおいては、供電電極241a,241bからの電力供給が遮断される。したがって、発光層110Dは発光しない。この電力供給が遮断された後に、刺激印加装置のスイッチ12がON状態にされ、発生部242a,242bから変形層120Dに所定の刺激が加えられる。なお、発光パネル100Dの交換時期に達していない場合には、発光パネル100Dの取外し(剥離)モードへの切り替えが行なわれない制御を行なうことが好ましい。
【0081】
発生部242a,242bから変形層120Dに所定の刺激が加えられることにより、変形層120Dが平面状態から湾曲面状態に変形して、発光層110Aを平面状態から湾曲面状態に変形させる。その結果、図23に示すように、発光パネル100Dは上方に凸となるように湾曲し、発光パネル100Dの縁部が支持部材240A,240Bによる支持から外れることになる。これにより、発光パネル100Aの支持部材200A,200Bからの取外しが完了する。
【0082】
(作用・効果)
このように本実施の形態における照明装置4000によっても、実施の形態1における照明装置1000と同様の作用効果が得られる。
【0083】
(実施の形態5)
図24から図26を参照して、本実施の形態における照明装置5000について説明する。照明装置5000に用いる発光パネルは、実施の形態4における発光パネル100Dであるため、重複する説明は行なわない。
【0084】
本実施の形態における照明装置5000は、実施の形態4の照明装置に対して、複数枚の発光パネル100Dの収容可能とするものである。実施の形態4の照明装置4000の支持部材240A,240Bの寸法を単純に拡大し、発光パネル100Dをそのまま複数枚積層した場合には、以下の課題が生じる。
【0085】
積み重ねられた発光パネル100Dの端面と支持部材240A,240Bとの摩擦係数が大きい場合には、交換時期に達した発光パネル100Dを取り外しても積み重ねられた発光パネル100Dが落下しない場合が考えられる。そこで、本実施の形態においては、このような課題を解決する構成を有している。
【0086】
(照明装置5000)
図24を参照して、本実施の形態における照明装置5000について説明する。なお、図24は、照明装置5000の断面図である。基本的構造は、実施の形態4と同じであり、本実施の形態における照明装置5000も、天井1に取り付けられており、発光パネル100Dと、この発光パネル100Dの縁部を下面側から支持する一対の支持部材250A,250Bとを備えている。
【0087】
支持部材250A,250Bは、断面視においてL字形状を有している。支持部材250Aは、発光パネル100Dの発光層110Dに設けられた受電電極103に接する供電電極241aと、発光パネル100Dの変形層120Dに所定の刺激を加えるための発生部242aが設けられている。同様に、支持部材250Bは、発光パネル100Dの発光層110Dに設けられた受電電極104に接する供電電極241bと、発光パネル100Dの変形層120Dに所定の刺激を加えるための発生部242bが設けられている。
【0088】
また、本実施の形態では、複数枚の発光パネル100Dを支持可能なように、支持部材250A,250Bの長さが設定されている。さらに、支持部材250A,250Bの内周面側には、テフロン(登録商標)等の低摩擦係数部材250t,251tが取り付けられている。なお、発生部242a,242bについは、図22を用いた説明と同じであるため、重複する説明は繰り返さない。
【0089】
(照明装置5000の動作)
図25および図26を参照して、照明装置5000の動作について説明する。基本的動作は、実施の形態4における照明装置4000と同じであり、発光層110Dを発光させる通常モードにおいては、供電電極241a,241bから受電電極103,104に電力が供給される。
【0090】
図25を参照して、発光パネル100Dの取外し(剥離)モードにおいては、供電電極241a,241bからの電力供給が遮断され、発生部242a,242bから変形層120Dに所定の刺激が加えられることにより、変形層120Dが平面状態から湾曲面状態に変形して、発光層110Dを平面状態から湾曲面状態に変形させる。その結果、図25に示すように、発光パネル100Dは上方に凸となるように湾曲し、発光パネル100Dの縁部が支持部材250A,250Bによる支持から外れることになる。これにより、発光パネル100Dの支持部材250A,250Bからの取外しが完了する。
【0091】
このとき、支持部材250A,250Bの内周面側には、テフロン(登録商標)等の低摩擦係数部材250t,251tが取り付けられていることから、発光パネル100Dの端面と支持部材250A,250Bの内周面側との滑り状態は良好となる。その結果、図26に示すように、交換時期に達した発光パネル100Dの取外しが完了した後には、上に積層された複数の発光パネル100Dを安定的に落下させることが可能となる。
【0092】
(作用・効果)
このように本実施の形態における照明装置5000によっても、実施の形態4における照明装置4000と同様の作用・効果を得ることができる。さらに、支持部材250A,250Bに複数の発光パネル100Dを収納させておくことができるため、脚立等を用いることなく、発光パネル100Dの交換作業のさらなる効率化を図ることを可能とする。
【0093】
(実施の形態6)
(発光パネル100E)
図27を参照して、本実施の形態における照明装置に用いられる発光パネル100Eについて説明する。なお、図27は、発光パネル100Eを含む照明装置6000の外観を示す見上げ図である。
【0094】
この発光パネル100Eは、実施の形態1における発光層110Aと同一の発光層を有している。本実施の形態では、上記実施の形態1から5の発光パネル100A〜100Dで説明したような変形層120A〜120Dは有していない。発光パネル100Eの両端部には、発光層110Aと同様に、受電電極103,104が設けられている。
【0095】
(照明装置6000)
次に、図28および図29を参照して、本実施の形態における照明装置6000について説明する。なお、図28は、照明装置6000の発光パネル100Eの支持状態を示す図であり、図27中XXVIII−XXVIII線矢視断面図、図29は、照明装置6000の発光パネル100Eの取外し状態を示す図であり、図27中XXVIII−XXVIII線矢視断面に相当する図である。
【0096】
図28および図29を参照して、本実施の形態における照明装置6000は、天井1に取り付けられており、発光パネル100Eと、この発光パネル100Eの縁部を下面側から支持する一対の支持部材260A,260Bとを備えている。
【0097】
支持部材260A,260Bは、断面視においてL字形状を有している。支持部材260Aは、発光パネル100Eに設けられた受電電極103に接する供電電極261aを有している。同様に、支持部材260Bは、発光パネル100Eに設けられた受電電極104に接する供電電極261bを有している。
【0098】
図28を参照して、天井1側には、発光パネル100Eに外力を加えて、発光パネル100Eを平面状態から湾曲面状態に変形させる外力付加装置400が取り付けられている。この外力付加装置400は、弾性変形可能な押圧プレート401と、押圧プレート401を移動させるための駆動装置402とを有している。
【0099】
(照明装置6000の動作)
図28および図29を参照して、照明装置6000の動作について説明する。発光パネル100Eを発光させる通常モードにおいては、供電電極261a,261bから受電電極103,104に電力が供給される。電力が供給されている間は、外力付加装置400のOFF状態が選択される。なお、供電電極261a,261bからの電力供給のON/OFF制御、および、外力付加装置400のON/OFF制御は、図示しない制御装置によって行なわれ、使用者による手動操作、遠隔操作、または、自動操作により実行される。
【0100】
次に、図29を参照して、発光パネル100Eの取外し(剥離)モードについて説明する。取外し(剥離)モードにおいては、供電電極261a,261bからの電力供給が遮断される。したがって、発光パネル100Eは発光しない。この電力供給が遮断された後に、外力付加装置400がON状態にされ、駆動装置402により押圧プレート401が下降する。なお、発光パネル100Eの交換時期に達していない場合には、発光パネル100Dの取外し(剥離)モードへの切り替えが行なわれない制御を行なうことが好ましい。
【0101】
押圧プレート401が下降することにより、外力付加装置400から発光パネル100Eに外力が加えられている状態においては、発光パネル100Eは下方に凸となる湾曲面状態となって、支持部材260A,260Bから外れることになる。これにより、発光パネル100Eの支持部材260A,260Bからの取外しが完了する。
【0102】
(作用・効果)
このように本実施の形態における照明装置6000によれば、発光パネル100Eが交換時期に達し、発光パネル100Eの支持部材260A,260Bからの取外しを行なう場合には、外力付加装置400から発光パネル100Eに外力を加えることにより、発光パネル100Eが平面状態から湾曲面状態に変形して、容易に発光パネル100Eの支持部材260A,260Bからの取外しを行なうことができる。
【0103】
特に、照明装置6000を天井1等の高い位置に取り付けた場合には、発光パネル100Eの取外し作業に脚立等を用いる必要が生じるが、本実施の形態の照明装置6000によれば、脚立等を用いることなく、発光パネル100Eの取外し作業を行なうことが可能となる。その結果、発光パネル100Eの交換作業のさらなる効率化を図ることを可能とする。
【0104】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0105】
1 天井、11 電源、12 スイッチ、13 刺激発生本体、14 誘導管、100A,100B,100C,100D,100E 発光パネル、100a 主面、101 発光体、102 導電体、103,103a,103b,104,104a,104b 受電電極、105 透明導電体、105a 発光面、106 透明基板、107 絶縁層、110A,110B,110D 発光層、120A,120B,120D 変形層、130 反射層、200A,200B,210,230A,230B,240A,240B,250A,250B,260A,260B 支持部材、201a,201b,221a,221b,241a,241b,261a,261b 供電電極、202a,202b,242a,242b,242a,242b 発生部、212 支持片、212h 開口部、230t,231t,250t,251t 低摩擦係数部材、400 外力付加装置、401 押圧プレート、402 駆動装置、1000,2000,3000,4000,5000,6000 照明装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光パネルおよび前記発光パネルの縁部を下面側から支持する支持部材を備える照明器具であって、
前記発光パネルは、
受電電極を有し、可視光線を発光する発光層と、
前記発光層の上に積層配置され、外部から所定の刺激が加えられることにより、平面状態または湾曲面状態に変形して、前記発光層を平面状態または湾曲面状態に変形させる変形層と、を含み、
前記支持部材は、
前記受電電極に接する供電電極と、
前記変形層に刺激を加える刺激印加装置と、を含み、
前記刺激印加装置の操作に基づいて、前記変形層が平面状態の場合には、前記発光パネルは平面状態となって、前記支持部材により支持され、
前記刺激印加装置の操作に基づいて、前記変形層が湾曲面状態の場合には、前記発光パネルは湾曲面状態となって、前記支持部材による支持が外れる、照明装置。
【請求項2】
前記変形層には、不可視光線、熱、またはマイクロ波のいずれかが印加されることにより、平面状態から湾曲面状態に変形する材料が用いられ、
前記刺激印加装置は、前記変形層に不可視光線、熱、またはマイクロ波のいずれかの印加が可能であり、
前記刺激印加装置から前記変形層に不可視光線、熱、またはマイクロ波のいずれかが印加されていない場合には、前記変形層は平面状態となり、
前記刺激印加装置から前記変形層に不可視光線、熱、またはマイクロ波のいずれかが印加されている場合には、前記変形層は湾曲面状態となる、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記発光パネルは、前記変形層の上に、前記変形層に照射された不可視光線、熱、またはマイクロ波のいずれかが外部に放出されることを防ぐ反射層を有し、
前記支持部材には、前記反射層を有する前記発光パネルが複数枚積層支持される、請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記変形層は、収縮フィルムまたは収縮プラスチックである、請求項1から3のいずれかに記載の照明装置。
【請求項5】
前記変形層には、可視光線が印加されることにより湾曲面状態から平面状態に変形する材料が用いられ、
前記刺激印加装置は、前記変形層に可視光線の印加が可能であり、
前記刺激印加装置から前記発光層に可視光線が印加されていない場合には、前記変形層は湾曲面状態となり、
前記刺激印加装置から前記発光層に可視光線が印加されている場合には、前記変形層は平面状態となる、請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記変形層に、平面状態および湾曲面状態に変形する形状記憶合金が用いられ、
前記刺激印加装置は、前記変形層に過電流の印加が可能であり、
前記刺激印加装置から前記変形層に過電流が印加されていない場合には、前記変形層は平面状態となり、
前記刺激印加装置から前記変形層に過電流が印加されている場合には、前記変形層は湾曲面状態となる、請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
平面状態または湾曲面状態に変形可能な発光パネルと、
前記発光パネルの縁部を下面側から支持する支持部材と、
前記発光パネルに外力を加えて、前記発光パネルを平面状態から湾曲面状態に変形させる外力付加装置と、を備え、
前記外力付加装置から前記発光パネルに外力は加えられていない状態においては、前記発光パネルは平面状態となって、前記支持部材により支持され、
前記外力付加装置から前記発光パネルに外力が加えられている状態においては、前記発光パネルは湾曲面状態となって、前記支持部材から外れる、照明装置。
【請求項8】
受電電極を有し、可視光線を発光する発光層と、
前記発光層に積層配置され、外部から所定の刺激が加えられることにより、平面状態または湾曲面状態に変形して、前記発光層を平面状態または湾曲面状態に変形させる変形層と、
を備える、発光パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−99431(P2012−99431A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248381(P2010−248381)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】