説明

照明装置および電子機器

【課題】一方向に延びた光結合部材の熱膨張による影響を受けることがなく、かつ、製造しやすい照明装置を提供する。
【解決手段】バックライト10は、導光板13と、導光板13を保持する平板状のシャーシ11と、導光板13に光を照射する光源モジュール20とを備えている。そして、光源モジュール20は、LEDチップ25a・25bおよびLEDチップ25a・25bの出射光を導光板13に光結合するための一方向の延びた長尺の光結合部材30を含む光源ユニットと、光結合部材30の長手方向に摺動可能に光源ユニットを支持する光源ホルダー21とを備える。光結合部材30は、導光板13とLEDチップ25a・25bとの間に配されており、導光板13に対して斜めに光を入射させるようにLEDチップ25a・25bの出射光を結合する。また、光源ホルダー21は、シャーシ11に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶表示装置のバックライトとして用いられる照明装置および当該照明装置を備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、外部からの光によって映像を表示するものであり、当該光を発するバックライトを備えるものが一般的である。このようなバックライトしては、複数のLED(発光ダイオード)を2次元マトリクス状に配置させ、これら複数のLEDの上に導光板を配置した導光板直下型のバックライトが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、LED実装基板に2次元マトリクス状の複数の挿入孔が形成されており、各挿入孔にLEDチップが挿入される照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−266624号公報(2009年11月12日公開)
【特許文献2】特開2011−013331号公報(2011年1月20日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような導光板直下型のバックライトでは、LEDチップからの光を導光板に所望の角度で入射させるために様々な形状の光結合部材(レンズ)を配置させることが考えられる。例えば、複数のLEDチップ上に、特許文献2に開示されているような一方向に延びた長尺状のレンズを配置することが考えられる。このような一方向に延びたレンズを配置する場合、LEDチップから発せられる熱によってレンズが当該一方向に膨張してしまう。その結果、当該レンズに応力が加わり、光学性能の悪化や破損などの問題が生じる。そこで、特許文献2に記載のような可動機構を設けることが考えられる。しかしながら、液晶表示装置は比較的大型であり、液晶表示装置のシャーシに可動機構を設けるには加工し難いという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、一方向に延びた光結合部材の熱膨張による影響を受けることがなく、かつ、製造しやすい照明装置および電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の照明装置は、導光板と、上記導光板を保持する平板状のシャーシと、上記導光板に光を照射する光源モジュールとを備えた照明装置であって、上記光源モジュールは、光源および当該光源の出射光を上記導光板に光結合するための一方向の延びた長尺の光結合部材を含む光源ユニットと、上記光結合部材の長手方向に摺動可能に上記光源ユニットを支持する支持部材とを備え、上記光結合部材は、上記導光板と上記光源との間に配されており、上記導光板に対して斜めに光を入射させるように上記光源の出射光を結合し、上記支持部材は、上記シャーシに取り付けられることを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、導光板、光結合部材及び光源がこの順に配設されることとなる。このため、導光板の下方の光源から出射された光は光結合部材を介して導光板に結合して斜めに入射され、導光板の内部を全反射しながら導光板の端部まで移動し、その途中では適宜光路変換素子にて、全反射条件が破られ、導光板から出射し、反射シートで反射し、更に導光板内を通過しつつ、導光板の液晶パネル側表面から出射し、上記拡散シート及びプリズムシートを通して液晶パネルに向かう。
【0009】
また、一方向に延びた長尺の光結合部材が、光源から発せられる熱によってその長手方向に膨張したとしても、光源ユニットは、その膨張量に応じて、支持部材上で光結合部材の長手方向に摺動する。よって、光結合部材に不要な応力が加わることがなく、光結合部材の光学性能を維持するとともに、破損なども防止することができる。
【0010】
さらに、シャーシとは別体の支持部材が光源ユニットを摺動可能に支持するため、比較的大きなシャーシを単純な形状にすることができ、シャーシの加工を簡易化することができる。また、支持部材は、光源ユニットのみを支持すればよく、シャーシよりもサイズを小さくすることができる。そして、サイズの比較的小さい支持部材に対して、光源ユニットを摺動させるための機構を設ければよく、当該機構のための加工が施しやすい、つまり照明装置を製造しやすいという利点がある。
【0011】
以上のように、上記の構成によれば、一方向に延びた光結合部材の熱膨張による影響を受けることがなく、かつ、製造しやすい照明装置を提供することができる。
【0012】
さらに、本発明の照明装置において、上記支持部材は、上記シャーシにおける上記導光板を保持する面の裏面に取り付けられており、上記シャーシは、上記支持部材と対向する部分にスリットまたは開口を有していることが好ましい。
【0013】
上記の構成によれば、シャーシにおける導光板を保持する面の裏面側において、光源モジュールのみが突出していることになる。したがって、光源モジュール以外の部分を薄型化することが可能となる。また、光源モジュールで発生した熱をより効率的に逃がすことができる。
【0014】
さらに、本発明の照明装置において、上記光源は、上記光結合部材の長手方向に沿って複数設けられていることが好ましい。
【0015】
上記の構成によれば、光結合部材の長手方向に沿って均一な光を導光板に入射させることができる。その結果、導光板から照射される光も、光結合部材の長手方向に沿って均一にすることができる。
【0016】
また、本発明の照明装置において、上記光源ユニットは、さらに、上記光源および上記光結合部材が搭載される板状部材を備えており、上記板状部材は、上記光結合部材の長手方向と同じ方向を長手方向とする長穴を有しており、上記支持部材は、上記長穴に挿入される固定部材により上記板状部材を支持し、上記固定部材と上記長穴の長手方向における両端部の少なくとも一方との間に隙間が形成されることが好ましい。
【0017】
上記の構成によれば、固定部材と上記長穴の長手方向における両端部の少なくとも一方との間に隙間が形成されているため、その隙間の長さだけ、板状部材は、長穴の長手方向つまり光結合部材の長手方向に可動となる。
【0018】
さらに、本発明の照明装置において、上記板状部材が放熱板であることが好ましい。これにより、光源で発せられた熱を効率的に逃がすことができる。
【0019】
また、本発明の電子機器は、上記の照明装置を備えることを特徴とする。この構成によっても、一方向に延びた光結合部材の熱膨張による影響を受けることがなく、かつ、製造しやすい電子機器を提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の照明装置は、導光板と、上記導光板を保持する平板状のシャーシと、上記導光板に光を照射する光源モジュールとを備えた照明装置であって、上記光源モジュールは、光源および当該光源の出射光を上記導光板に光結合するための一方向の延びた長尺の光結合部材を含む光源ユニットと、上記光結合部材の長手方向に摺動可能に上記光源ユニットを支持する支持部材とを備え、上記光結合部材は、上記導光板と上記光源との間に配されており、上記導光板に対して斜めに光を入射させるように上記光源の出射光を結合し、上記支持部材は、上記シャーシに取り付けられる。
【0021】
それゆえ、一方向に延びた光結合部材の熱膨張による影響を受けることがなく、かつ、製造しやすい照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明における液晶表示装置の実施の一形態を示すものであって、液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。
【図2】上記液晶表示装置が備える光源モジュールの全体構成を示す斜視図である。
【図3】光源モジュールの付近を示す液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図4】上記光源モジュールが備える光源ホルダーの示す斜視図である。
【図5】上記光源モジュールが備える光源ユニットの示す斜視図である。
【図6】光源ユニットの一部を示す分解斜視図である。
【図7】LED基板をヒートシンクに取り付ける方法を示す分解斜視図である。
【図8】(a)はLEDチップから出射した光が放物面を有する光結合部材を介して導光板に入射するときの光路を示す断面図であり、(b)はLEDチップ近傍を示す要部断面図である。
【図9】2つのLEDチップから出射した光が放物面・楕円面を有する光結合部材を介して導光板に入射するときの光路を示す断面図である。
【図10】(a)は液晶表示装置の構成を示す正面図であり、(b)はその側面図である。
【図11】(a)は液晶表示装置の構成を示す断面図であり、(b)は導光板の高さ方向の輝度分布を示すグラフである。
【図12】上記液晶表示装置の端部の構成を示す要部断面図である。
【図13】光源モジュールの組み立て方法を示す分解斜視図である。
【図14】光源モジュールの詳細な構成を示す斜視図である。
【図15】光源モジュールの変形例の構成を示すものであって、一個のLEDチップから出射した光が放物面を有する光結合部材を介して導光板に入射するときの光路を示す断面図である。
【図16】光源モジュールの変形例の構成を示すものであって、一列のLEDチップを有する複列の光結合部材から導光板に光を入射させるときの入射方向を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<液晶表示装置の全体構成>
本発明の一実施形態について図1〜図16に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0024】
本実施の形態の液晶表示装置(電子機器)1は、図1に示すように、バックライト(照明装置)10、拡散シート2、プリズムシート3、液晶パネル4及びベゼル5がこの順に重ねられて構成されている。そのため、バックライト10から出射された光が、拡散シート2及びプリズムシート3を通して液晶パネル4に入射する。そして液晶パネル4において光透過率を部分的に変化させることにより、所望の画像が表示されることとなる。なお、液晶パネル4は、矩形の平板状であり、拡散シート2及びプリズムシート3も液晶パネル4と略同じ形状を有している。
【0025】
<バックライトの構成>
バックライト10は、下から順に(つまり、液晶パネル4に対して遠い順に)、光源モジュール20、シャーシ11、反射シート12及び導光板13にて構成されている。
【0026】
光源モジュール20は、液晶パネル4の長辺に平行な方向に延びた長尺状(帯状)であり、液晶パネル4における短辺方向の中央部分に対向するように配置されている。すなわち、光源モジュール20は、液晶パネル4の横方向(長手方向)に沿っており、かつ、液晶パネル4の縦方向(短手方向)における中心線に対向するように配置されている。
【0027】
シャーシ11は、例えば鉄などの材質により形成されており、バックライト10の強度を高めている。シャーシ11には、光源モジュール20内の図示せぬ光結合部材30が導光板13に当接する部分で2つに区切られ11a、11bで構成される。また、反射シート12も、シャーシ11と同様に光源モジュール20内の図示せぬ光結合部材が導光板13に当接する部分で2つに区切られ、反射シート12a、12bで構成される。シャーシ11a、11bと反射シート12a、12bとの間にスリット14が形成される。そのため、光源モジュール20からの光は、スリット14を通り、導光板13に到達することとなる。
【0028】
導光板13は、光源モジュール20から出射した光を液晶パネル4側に導くためのものであり、平板状である。
【0029】
<光源モジュールの構成>
次に、光源モジュール20の構成について説明する。図2は、光源モジュール20の全体構成を示す斜視図である、図2に示されるように、光源モジュール20は、複数の光源ユニット29と、当該複数の光源ユニット29を一方向に並べた状態で支持する光源ホルダー21とを備えている。なお、図3は、光源モジュール20の付近を示す液晶表示装置1の断面図である。図3に示されるように、光源モジュール20は、液晶表示装置1の裏面側に配置される。
【0030】
図4は、光源ホルダー21の全体を示す斜視図である。光源ホルダー21は、一方向に延びた長尺状(帯状)であり、ホルダー本体部21aと鍔部21bとを備える。ホルダー本体部21aは、断面が凹状(コの字状)である溝を有している。そして、ホルダー本体部21aは、溝の底面において、複数の光源ユニット29を摺動(スライド)可動に支持するものである。なお、光源ユニット29を摺動可能に支持する機構の詳細については後述する。また、鍔部21bは、ホルダー本体部21aにおける長手方向に沿った両端部から、ホルダー本体部21aの底面に平行に延設されている。鍔部21bは、シャーシ11に取り付けられるための複数のネジ穴21eを有している。
【0031】
図5は、光源ユニット29を示す斜視図である。図5および図3に示されるように、光源ユニット29は、光源としてのLEDチップ(Light Emitting Diode:発光ダイオード)25a・25bを搭載したLED基板24a・24bと、LEDチップ25a・25bから発せられた光を結合させ、導光板13に対して所定の角度で入射させるための光学素子としての長尺状の光結合部材30と、LED基板24a・24bおよび光結合部材30が搭載される板状部材としてのヒートシンク22とを備える。なお、光結合部材30、LED基板24a・24bおよびヒートシンク22は、この順に重ねて配設される。なお、半導体のLEDチップは非常に微細なサイズであるため、図5では、図面の煩雑さを防ぐための記載を割愛する。本実施の形態では、光源としてLEDチップを用いているが、これは、半導体チップ状のLEDは形状がさらに小さくかつ狭い領域に配置できるので、安価な低出力のLEDチップを用いた場合にも、間隔を詰めて多くのLEDを配置することで照度も向上し、高機能の、バックライトの光源として利用できる点で好ましいためである。ただし、これに限るものではなく、例えば、パッケージに収納されたLEDでもよく、有機EL発光素子又は無機EL発光素子を用いることも可能である。
【0032】
LEDチップ25a・25bは、2列に並んで互いに平行に複数個設けられている・そして、図6に示されるように、それら複数のLEDチップ25a・25bが搭載されたLED基板24a・24bの上側に、光結合部材30が設けられている。また、図7に示されるように、LED基板24a・24bは、ヒートシンク22の上にネジにより取り付けられている。ヒートシンク22は、例えばアルミニウムのような熱伝導率の高い材質で板状に構成されている。そのため、放熱性を向上させることができる。また、長尺状の光結合部材30の長手方向の長さ(例えば111mm)は、ヒートシンク22の幅(例えば110mm)よりもわずかに長く設定されている。これにより、図2に示されるように、複数の光源ユニット29を並べて配置したときに、隣接する光源ユニットにおいて、光結合部材30の間に隙間が形成されることを確実に防止することができる。
【0033】
上記LEDチップ25a・25bの上部には、上記光結合部材30が設けられている。すなわち、LED基板24a・24b上にLEDチップ25a・25bが配列され、その上部に光結合部材30が配置される。しかしそのまま光結合部材30を載せたのでは、LEDチップ25a・25bが破損するので、光結合部材30はLEDチップ25a・25bとの間に高さ方向に僅かに隙間をもって配置される。
【0034】
光結合部材30は、図8(a)(b)に示すように、導光板13とLEDチップ25a・25bとの間に設けられた断面略U字形状(トンネル状)の帯状体つまり棒状体からなっていると共に、光結合部材30の材質は導光板13の材質と同じ樹脂(例えばアクリル樹脂)からなっている。同じ材質であれば、屈折率を同じにすることができるので、光結合部材30から導光板13への光の入射が円滑に行われる。導光板13の屈折率が光結合部材30の屈折率より僅かに高い構成でも構わない。また樹脂に限るものではなく硝子等の材質でも構わない。詳細には、図8(a)に示すように、光結合部材30における導光板13側の表面は、平板状の導光板13に当接する頂部平坦面31と、この頂部平坦面31から両端側にそれぞれ導光板13から遠ざかるように伸びる反射面32a・32bとからなっている。上記反射面32a・32bは、例えば、図8(a)に示す断面放物線とすることができる。ただし、必ずしもこれに限らず、断面楕円の一部、弓型等の湾曲形状、又は頂部平坦面31から斜めに傾斜する平面であっても、導光板に光を有効に結合できる形状であれば構わない。これにより、光結合部材30が、光源から出射された光を、光結合部材内部で曲げながら伝搬し、平板状の導光板に対して斜めに入射させるように機能する。このため、光源からの光の殆どを導光板に結合させることができる。
【0035】
また、光結合部材30における導光板13側とは反対側の表面、つまり光結合部材30の下端は、2つの下端平坦面33となっており、下端平坦面33の一部に高さ0.5mm程度のスペーサ23a・23bが形成され、LEDチップ25a・25bと光結合部材30との衝突によるLEDチップ25a・25bの破損を防いでいる。すなわち、このスペーサ23a・23bのおかげで、LED基板24a・24bと、光結合部材30の上記2つの下端平坦面33間にLEDチップ25a・25bを配置しかつLEDチップ25a・25bを破損させない隙間を設けることができる。LEDチップ25aは、LED基板24aにボンディングされている。スペーサ23a近傍に接着剤等を塗布し、LED基板24aと接着固定される。
【0036】
さらに、光結合部材30の下端側の中央部には凹部34が形成されている。ただし、必ずしもこれに限らず、凹部34が存在しない断面かまぼこ状や断面半円状でもよい。すなわち、本実施の形態では、反射面32a・32bにて反射する光の導光板13への光路が確保できればよいので、光路とならない部分は凹部34としてくり抜くことができる。これにより、コスト削減を図ることができる。尚、凹部34に図示せぬ反射シート等の反射手段を設けることも可能である。これにより、頂部平坦面31近傍で発生した迷光が発生する場合があっても迷光の一部を導光板13側に反射させ液晶パネル4への照射を向上させることができる。
【0037】
上記光結合部材30の下端平坦面33の下側には、LEDチップ25a・25bがそれぞれ近接して設けられている。これらLEDチップ25a・25bは、図8(b)に示すように、断面放物線又は断面楕円からなる反射面32a・32bの焦点位置Fよりも端部側に存在することが好ましい。これにより、図8(a)に示すように、例えばLEDチップ25aから出射された光が光結合部材30の断面放物線の反射面32aにて反射され、その反射光が光結合部材30の頂部平坦面31に到達し、到達方向を維持して導光板13に斜めに入射する。そして、導光板13に入射された光は、図8(a)に示す導光板13の右側の内部を全反射して進み、導光板13の下面もしくは上面に形成された図示しない光路変換部である光散乱体と衝突することにより導光板13中を進む角度が変わり、全反射条件が破られ、導光板13から出射し、反射シート12で反射し、更に導光板13内を通過し、導光板13の液晶パネル4側表面から出射し、前記拡散シート2及びプリズムシート3を通して液晶パネル4に向かう。尚、LEDチップ25bから出射された光も図8(a)(b)では示していないが、LEDチップ25aからの光とは対称に進む。左右のLEDチップ25a・25bからの光が光結合素子30を通過し、導光板13に入射し、その内部を全反射伝搬する様子を模式的にしめしたものが図9である。
【0038】
すなわち、図9に示すように、LEDチップ25a・25bから出射された光は光結合部材30の断面楕円の反射面32a・32bにて反射され、その反射光が光結合部材30の頂部平坦面31に到達し、到達方向を維持して導光板13に斜めに入射する。そして、導光板13に入射された光は、導光板13の内部を全反射して進みつつ、図示しない光路変換部である光散乱体と衝突することにより導光板13中を進む角度が変わり、全反射条件が破られ、導光板13の液晶パネル4側表面から出射し、上記拡散シート2及びプリズムシート3を通して液晶パネル4に向かう。LEDチップ25aから出射された光とLEDチップ25bから出射された光は、導光板13内を対称に進む。
【0039】
このように、光結合部材30における反射面32a・32bの形状を断面放物線又は断面楕円とすることによって、LEDチップ25a・25bからの出射光を、断面放物線又は断面楕円の反射面32a・32bにて反射させて効率よく結合して頂部平坦面31から導光板13に入射させることができる。なお、断面放物線と断面楕円との対比においては、断面楕円の方が光を絞って導光板13に入射するよう結合できるので、結合効率を高くすることができる。
【0040】
この結果、本実施の形態の液晶表示装置1におけるバックライト10では、図10(a)(b)に示すように、液晶表示装置1の画面の中央部に横切って長尺状(帯状)の光源モジュール20を設けることにより、図11(a)(b)に示す輝度分布を有する導光板13からの出射光を得ることができる。そして、この画面の中央が明るいという輝度分布は、液晶表示装置1を適切に表示するための輝度分布に適合している。このため、本実施の形態では均一で滑らかな輝度分布を得ることが可能となる。この結果、従来のサイドエッジ型のバックライトよりも、優れているといえる。
【0041】
また、本実施の形態のバックライト10では、導光板13の下方からLEDチップ25a・25bの光を導入させる。したがって、従来のサイドエッジ型のバックライトよりも光利用効率においても優れている。
【0042】
また、本実施の形態のバックライト10では、従来のサイドエッジ型のバックライトとは異なり、図12に示すように、導光板13の端部側(サイドエッジ部)すなわち、液晶パネル4の端部に光源が存在しないので、液晶パネル4の端部に、直接、フレーム6を設けることが可能である。この結果、狭額縁化を図ることができる。
【0043】
また、図3に示されるように、ヒートシンク22は、液晶表示装置1の最も裏面側に配置される。そのため、より放熱効果が高くなる。
【0044】
<光源ユニットの摺動機構>
次に本発明の特徴的な構成である、光源ホルダー21において光源ユニット29を摺動可能とする機構の詳細について説明する。図13は、光源ユニット29を光源ホルダー21に取り付ける仕組みを示す図である。
【0045】
図13に示されるように、ホルダー本体部21aの溝の底面には、複数の光源ユニット29の各々に対応して、当該光源ユニット29を取り付けるためのリベット28が挿入されるリベット用穴21cが形成されているとともに、当該光源ユニット29の位置を決めるための円柱状の突起部21dが形成されている。なお、リベット用穴21cおよび突起部21dの数は、光源ユニット29のサイズなどを考慮して適宜設定すればよい。
【0046】
各光源ユニット29が有するヒートシンク22には、リベット28が貫通するための締結用長穴22aと、光源ホルダー21に形成された突起部21dが挿入される勘合用長穴22bとが形成されている。締結用長穴22aおよび勘合用長穴22bは、一方向に延びた光結合部材30の長手方向に延びている。なお、ヒートシンク22における締結用長穴22aと勘合用長穴22bとの相対位置関係は、ホルダー本体部21aに形成された各光源ユニット29に対応するリベット用穴21cと突起部21dとの相対位置関係と同一である。
【0047】
光源ユニット29は、光結合部材30の長手方向と、光源ホルダー21の長手方向(つまり溝に平行な方向)とが平行になるように、ホルダー本体部21aの底面に設置される。この際、ヒートシンク22の締結用長穴22aとホルダー本体部21aのリベット用穴21cとが重なり、かつ、ホルダー本体部21aの突起部21dがヒートシンク22の勘合用長穴22bに挿入するように、光源ユニット29を設置する。なお、円柱状の突起部21dの外径は、勘合用長穴22bの短手方向の幅と等しいかわずかに小さい。
【0048】
そして、断面円形のリベット(例えばプラスチック製のリベット)28を締結用長穴22aに通してリベット用穴21cに差込む。なお、リベット28の外径は、締結用長穴22aの短手方向の幅と等しいかわずかに小さい。
【0049】
図14は、リベット28により光源ユニット29が光源ホルダー21に取り付けられたときの状態を示す斜視図である。図14に示されるように、リベット28によって、光源ホルダーに対してシート状であるヒートシンク22がその法線方向(図中ではz方向)に移動しないように固定される。
【0050】
また、光源ホルダー21の突起部21dがヒートシンク22の勘合用長穴22bに挿入しており、かつ、突起部21dの外径が勘合用長穴22bの短手方向の幅と等しいかわずかに小さい。ここで、勘合用長穴22bの短手方向は、当該勘合用長穴22bの長手方向に垂直であり、一方向に延びた光結合部材30の長手方向に垂直な方向(光結合部材30の短手方向)である。そのため、光源ユニット29は、光源ホルダー21に対して、光結合部材30の短手方向(図中ではy方向)に移動しないように固定される。
【0051】
一方、突起部21dの外径は、勘合用長穴22bの短手方向の幅と等しいかわずかに小さく、かつ、リベット28の外径は、締結用長穴22aの短手方向の幅と等しいかわずかに小さい。すなわち、突起部21dと勘合用長穴22bの長手方向における両端部の少なくとも一方との間に隙間が形成される。同様に、リベット28と締結用長穴22aの長手方向における両端部の少なくとも一方との間に隙間が形成される。その結果、当該隙間の分だけ、光源ユニット29は、光源ホルダー21に対して、光結合部材30の長手方向(図中ではx方向)に摺動(移動)可能となる。
【0052】
上述したように光結合部材30は、例えばアクリル樹脂のような材質で形成されるレンズ(例えばアクリルガラス)である。このような材質は一般に熱膨張係数が比較的高い。そのため、LEDチップ25a・25bにより発せられた熱によって膨張することが考えられる。その際の膨張量は、一方向の延びた光結合部材30の長手方向において大きくなる。しかしながら、本実施形態の光源モジュール20では、光結合部材30の長手方向に沿って摺動可能なように、光源ホルダー21が光源ユニット29を支持する。そのため、光結合部材30がその長手方向に膨張したとしても、光源ユニット29は、その膨張量に応じて、光源ホルダー21上で光結合部材30の長手方向に摺動する。よって、光結合部材30に不要な応力が加わることがなく、光結合部材30の光学性能を維持するとともに、破損なども防止することができる。
【0053】
そして、このような光源ユニット29を摺動可能に支持するための可動機構を備えた光源ホルダー21がシャーシ11に取り付けられる。つまり、可動機構はシャーシ11ではなく光源ホルダー21に設ければよい。シャーシ11は、液晶パネル4とほぼ同じサイズを有するものであり、比較的大型である。このような大型なシャーシ11に対して可動機構を設ける場合、加工がし難くなる。しかしながら、本実施形態では、光源ユニット29のみを支持する比較的小さな光源ホルダー21に可動機構を設ければよい。そのため、光源ユニットの可動機構を備えたバックライト10を容易に製造することができる。
【0054】
<補足>
以上のように、本実施の形態のバックライト(照明装置)10は、導光板13と、導光板13を保持する平板状のシャーシ11と、導光板13に光を照射する光源モジュール20とを備えている。そして、光源モジュール20は、光源としてのLEDチップ25a・25bおよびLEDチップ25a・25bの出射光を導光板13に光結合するための一方向の延びた長尺の光結合部材30を含む光源ユニット29と、光結合部材30の長手方向に摺動可能に光源ユニット29を支持する支持部材としての光源ホルダー21とを備える。光結合部材30は、導光板13とLEDチップ25a・25bとの間に配されており、導光板13に対して斜めに光を入射させるようにLEDチップ25a・25bの出射光を結合する。また、光源ホルダー21は、シャーシ11に取り付けられる。
【0055】
上記の構成によれば、一方向に延びた長尺状の光結合部材30が、LEDチップ25a・25bから発せられる熱によって、その長手方向に膨張したとしても、光源ユニット29は、その膨張量に応じて、光源ホルダー21上で光結合部材30の長手方向に摺動する。よって、光結合部材30に不要な応力が加わることがなく、光結合部材30の光学性能を維持するとともに、破損なども防止することができる。
【0056】
また、液晶パネル4と略同じサイズを有する比較的大きなシャーシ11を単純な平板状とすることができる。また、ヒートシンク22を含む光源ユニット29をシャーシ11の裏面側に配置できるので、より放熱性を高めることができる。さらに、シャーシ11に比べてサイズの小さい光源ホルダー21に対して、光源ユニット29を摺動させるための機構を設ければよく、当該機構のための加工が施しやすいという利点がある。
【0057】
さらに、導光板13、光結合部材30及びLEDチップ25a・25bがこの順に配設されている。すなわち、本実施の形態の液晶表示装置1では、導光板13の下方にLEDチップ25a・25bを設けると共に、導光板13とLEDチップ25a・25bとの間に、LEDチップ25a・25bから出射された光を平板状の導光板13に対して斜めに入射させるように光を結合する光結合部材30を設けている。このため、導光板13の下方のLEDチップ25a・25bから出射された光は光結合部材30を介して導光板13に結合して斜めに入射され、導光板13の内部を全反射しながら導光板13の端部まで移動しつつ、その途中で図示しない光路変換素子にて全反射条件が破られ、導光板13から出射し、反射シート12で反射し、更に導光板13内を通過し、導光板13の液晶パネル4側表面から出射し、上記拡散シート2及びプリズムシート3を通して液晶パネル4に向かう。
【0058】
この結果、従来のサイドエッジ型導光板とは異なり、導光板直下型のバックライトとなっているので、額縁寸法を小さくすることができ、意匠効果も向上することができる。また、サイドエッジ型導光板においては必要であった熱膨張を回避するためのLEDチップ25a・25bと導光板13との隙間が不要となるので、隙間から光が漏れることがない。すなわち、本実施の形態では、導光板13の下方に光結合部材30及びLEDチップ25a・25bが配設され、導光板13の厚さ方向は長手あるいは短手の平面方向より熱膨張が小さいので、導光板13の伸縮が小さく、光結合部材30とLEDチップ25a・25bとを近接できる。それらの隙間を例えば0.5mm以下にすることができる。尚、光結合部材30は導光板13に当接しているので、隙間はない。このため、LEDチップ25a・25bから導光板13への結合効率を高め、光利用効率を向上することができる。
【0059】
さらに、光源ホルダー21は、シャーシ11における導光板13を保持する面(導光板13と接触する面)の裏面に取り付けられており、シャーシ11は、光源ホルダー21と対向する部分にスリット14を有している。なお、図3では、シャーシ11が複数に区切られ、光源ホルダー21と対向する部分にスリット14が形成される態様としたが、これに限られない。要するに、シャーシ11の光源ホルダー21と対向する部分にスリット14を設けるのは、シャーシ11に遮られることなく、光結合部材30から導光板13に光を出射できる構成とするためである。よって、かかる技術的思想を体現できる構成であればよい。例えば、シャーシ11の光源ホルダー21と対向する部分に開口部を形成することで、光結合部材30から導光板13に光が出射できる構成とすることも可能であり、その他にも当業者であれば種々の構成を採用できる。
【0060】
上記の構成によれば、シャーシ11における導光板13を保持する面の裏面側において、光源モジュールのみが突出していることになる。したがって、光源モジュール20以外の部分を薄型化することが可能となる。また、光源モジュール20で発生した熱をより効率的に逃がすことができる。
【0061】
また、光源ユニット29は、さらに、LEDチップ25a・25bおよび光結合部材30が搭載される板状部材としてのヒートシンク(放熱板)22を備えている。ヒートシンク22は、光結合部材30の長手方向と同じ方向を長手方向とする締結用長穴22aおよび勘合用長穴22bを有している。そして、光源ホルダー21は、締結用長穴22aおよび勘合用長穴22bに挿入される固定部材としてのリベット28および突起部21dによりヒートシンク22を支持する。ここで、リベット28および突起部21dと締結用長穴22aおよび勘合用長穴22bの長手方向における両端部の少なくとも一方との間に隙間が形成される。これにより、ヒートシンク22は、締結用長穴22aおよび勘合用長穴22bの長手方向、つまり、光結合部材30の長手方向に可動となる。
【0062】
また、板状部材としてヒートシンク22を用いているため、放熱性を向上させることができる。
【0063】
また、本実施の形態では、導光板13とは別体の光結合部材30を設けることにより、平板状の導光板13に対して斜めに光を入射させるので、導光板13の内部では入射光が全反射しながら導光される。
【0064】
すなわち、本実施の形態では、光結合部材30は、頂部が導光板13に当接する断面半円状にてなっている。
【0065】
この結果、導光板13を加工しなくてもLEDチップ25a・25bからの光結合部材30を介した入射光を導光板13の内部にて導光させることができる。このため、導光板13自体は、単純な平板で足りるので、大型の導光板13に対する加工が不要となる。また、導光板13を加工するのは困難であるが、光結合部材30の加工はそれに比べて容易であり、製造コストを削減することができる。
【0066】
さらに、本実施の形態では、LEDチップ25a・25bは、光結合部材30への入射光における光軸方向が平板状の導光板13に対して直交するように配置されている。このため、LEDチップ25a・25bの配置を平板状の導光板13に対して斜めにする必要がないので、LEDチップ25a・25bの配置も容易であり、構造や組立方法が単純である。
【0067】
したがって、導光板13の加工を伴うことなく、LEDチップ25a・25bから導光板13板への結合効率を高め、光利用効率を向上し得る液晶表示装置1を提供することができる。
【0068】
また、本実施の形態では、導光板13を加工せずに済み、かつ下方から(つまり、導光板13の裏面側から)光入射するので、導光板13の液晶表示装置1の薄型化を図ることができる。具体的には、導光板13の加工にはある程度の厚さが必要である。この場合、従来のエッジライト方式は光源の幅よりも導光板を薄くすると光結合率が低下するため薄型化に限界がある。この点、本実施の形態では、導光板13を薄型化すれば、テレビの薄型化と軽量化に繋がる。また、導光板13の材料を節約できるので、加工が不要な点からも低コスト化を図ることができる。また、LEDチップ25a・25bを上向きに実装すればよいので、LEDチップ25a・25bを含め、図1に示す液晶表示装置を構成する各部材群の組立において、組立方向が1方向の組込み方向で済み、組み立ての製造装置構成や、組立作業が簡単になる。すなわち、従来のエッジライトの場合は、側面から光源を取り付ける必要があるので、製造がやや困難となる。
【0069】
また、本実施の形態の液晶表示装置1では、光結合部材30は、帯状に設けられている。さらに、この帯状に設けられた光結合部材30は、方形平板状の導光板13における長手方向に平行に設けられている。
【0070】
これにより、光結合部材30とLEDチップ25a・25bとの関係を1:1にする必要がなくなり、複数のLEDチップ25a・25bを1つの光結合部材30にて覆うので、光学系の構造を単純化することができる。また、LEDチップ25a・25bも光結合部材30に沿って設けることができるので、LEDチップ25a・25bの配線が容易となる。
【0071】
尚、光結合部材30が帯状に設けられている構成においては、光結合部材30が複列であってもよい。この場合、特に、複列の光結合部材30の輝度分布が対称になるように、導光板13の縦又は横の中心線に対称に配置することが好ましい。また、光結合部材30が複列の場合は、液晶パネル4の画面における中央の輝度が画面端の輝度よりも高くなるように配置することが望ましい。
【0072】
また、本実施の形態の液晶表示装置1では、光結合部材30は、平板状の導光板13における縦又は横方向の中心線上に設けられていることが好ましい。
【0073】
すなわち、液晶表示装置1では、液晶パネル4の縦又は横方向の中心線上の輝度を高くする方が見易い画面となる。この点、本実施の形態では、光結合部材30は、平板状の導光板13における縦又は横方向の中心線上に設けられているので、導光板13における縦又は横方向の中心線上の輝度が最も高くなる。したがって、輝度分布において適切な液晶表示装置1を提供することが可能となる。
【0074】
また、本実施の形態の液晶表示装置1では、LEDチップ25a・25bは、光結合部材30の長手方向に沿って複数設けられている。これにより、光結合部材30の長手方向に沿って均一な光を導光板13に入射させることができる。その結果、導光板13から照射される光も、光結合部材30の長手方向に沿って均一にすることができる。
【0075】
さらに、LEDチップ25a・25bは、光結合部材30の長手方向に沿って2列に設けられている。具体的には、LEDチップ25a・25bは、断面半円状の光結合部材30における下端弦の両端部の直下に中心線に沿って平行に2列に設けられている。
【0076】
これにより、導光板13に入射させるときに、2列のLEDチップ25a・25bをそれぞれ反対方向に光出射させることによって、2列間の中点を通る線を軸対称として光結合部材30の両側つまり導光板13の両端側にそれぞれ導光させることができる。尚、上記2列間の中点を通る線が導光板13の中心線に一致する場合には、導光板13の中心線を軸対称として導光板の両端側にそれぞれ導光させて該導光板13の中心線に軸対称となる輝度分布を得ることができる。したがって、単純な構造にて、導光板13において輝度分布の均一化を図ることができる。すなわち、LEDチップ25aが単独の場合は、LEDチップ25aの直上が光透過せずに暗部となる虞がある。それを他のLEDチップ25bからの光にて補うことが可能となる。
【0077】
また、本実施の形態の液晶表示装置1では、光源は、複数のLEDチップ25a・25bからなっている。
【0078】
これにより、LEDチップ25a・25bは形状が小さく微少間隔で密に配列することができ、これにより全体として照度も大きくできるので、バックライト10の光源として適切である。
【0079】
尚、本実施の形態においては光源モジュール20には、2列のLEDチップ25a・25bが設けられていた。しかし、必ずしもこれに限らず、例えば、図15に示すように、断面放物線又は断面楕円の前記反射面32aを有する片側のみの光結合部材40とすることも可能である。この結果、LEDチップ25aは、光結合部材40の長手方向に沿って1列に設けられている構成とすることができる。
【0080】
かかる光結合部材40に関して、第一の実施態様としては、例えば、光結合部材40を導光板13における縦又は横方向の中心線上に設けず、導光板13の端部に設け、LEDチップ25aからの光を導光板13の端部にて入射させる構成とできる。この構成であれば、導光板13において一方向に向けて導光させる導光板13全面から光を取出し、液晶パネル4全面を照射することが可能となる。
【0081】
また、第二の実施態様としては、光結合部材40を導光板13における縦又は横方向の中心線上に設けることも可能である。この場合であっても、例えば、中心線の右側に導光した光の戻り光が中心線の左側にも導光するため、液晶パネル4全面への照射が可能となる。
【0082】
さらに、光結合部材40の長手方向に沿ってLEDチップ25aを1列に設ける他の実施態様として、例えば、図13に示すように、1列のLEDチップ25aを有する光結合部材40aと、1列のLEDチップ25bを有する光結合部材40bとを、複列にして、互いのLEDチップ25a・25bの出射方向を対向させることが可能である。つまり、図13において、紙面右側方向に矢頭が向く矢印で示す光は、光結合部材40aが有するLEDチップ25aから出射された光であり、紙面左側方向に矢頭が向く矢印で示す光は、光結合部材40bが有するLEDチップ25bから出射された光となるように、光結合部材40a・40bを構成する。このような構成とすれば、導光板13の両側に光出射でき、かつ互いの反射部上の輝度むらを消すことが可能である。逆を返せば、前述した1つの光結合部材30に2列のLEDチップ25a・25bを設ける構成は、図13に示す構成を1つの光結合部材40にて満たす構成であるともいえる。
【0083】
また、本実施の形態では、バックライト10を液晶表示装置1に適用していた。しかし、必ずしもこれに限らず、例えば、バックライト10を照明装置に適用することが可能である。すなわち、本実施の形態のバックライト10は、そのまま大型平面光源への適用が可能である。また、導光板13の周辺に部材が不要であることから、シームレスに並べることにより、さらに、大きな平面光源への適用が可能である。
【0084】
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、本実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、テレビ、モニター等の液晶表示装置のバックライトに用いることができ、特に、光源直下型のバックライトに適用可能である。また、そのバックライトは、大型平面光源として照明装置に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 液晶表示装置(電子機器)
4 液晶パネル
10 バックライト(照明装置)
11 シャーシ
13 導光板
14 スリット
20 光源モジュール
21 光源ホルダー
21a ホルダー本体部
21b 鍔部
21c リベット用穴
21d 突起部(固定部材)
22 ヒートシンク(板状部材、放熱板)
22a 締結用長穴(長穴)
22b 勘合用長穴(長穴)
24a・24b LED基板
25a・25b LEDチップ(光源)
28 リベット(固定部材)
29 光源ユニット
30・40 光結合部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光板と、
上記導光板を保持する平板状のシャーシと、
上記導光板に光を照射する光源モジュールとを備えた照明装置であって、
上記光源モジュールは、光源および当該光源の出射光を上記導光板に光結合するための一方向の延びた長尺の光結合部材を含む光源ユニットと、上記光結合部材の長手方向に摺動可能に上記光源ユニットを支持する支持部材とを備え、
上記光結合部材は、上記導光板と上記光源との間に配されており、上記導光板に対して斜めに光を入射させるように上記光源の出射光を結合し、
上記支持部材は、上記シャーシに取り付けられることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
上記支持部材は、上記シャーシにおける上記導光板を保持する面の裏面に取り付けられており、
上記シャーシは、上記支持部材と対向する部分にスリットまたは開口を有していることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
上記光源は、上記光結合部材の長手方向に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
上記光源ユニットは、さらに、上記光源および上記光結合部材が搭載される板状部材を備えており、
上記板状部材は、上記光結合部材の長手方向と同じ方向を長手方向とする長穴を有しており、
上記支持部材は、上記長穴に挿入される固定部材により上記板状部材を支持し、
上記固定部材と上記長穴の長手方向における両端部の少なくとも一方との間に隙間が形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
上記板状部材が放熱板であることを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の照明装置を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図15】
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【図16】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−216434(P2012−216434A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81179(P2011−81179)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】