照明装置
【課題】 曲管蛍光ランプを多灯使用するバックライトユニットにあって、管軸上の温度差の発生によるピンク放電やランプの短寿命化を解決する。
【解決手段】 曲管ガラス管の内壁に蛍光体皮膜が形成され、1種類以上の希ガスまたは水銀が封入され、ガラス管両端に導入線が気密に封着挿入され、導入線のガラス管内側の端部に電極が接続され、導入線の外側端部に給電用リード線が接続された蛍光ランプの複数灯を並設した照明装置において、曲管ガラス管の湾曲部の管表面温度を、当該曲管ガラス管の直線部の管表面温度に比べ10℃以上下げず、かつ直線部の絶対温度を50℃以上に保ち、曲管ガラス管の湾曲部の表面を遮光してその管面輝度を直線部の管面輝度の70%以下にした。
【解決手段】 曲管ガラス管の内壁に蛍光体皮膜が形成され、1種類以上の希ガスまたは水銀が封入され、ガラス管両端に導入線が気密に封着挿入され、導入線のガラス管内側の端部に電極が接続され、導入線の外側端部に給電用リード線が接続された蛍光ランプの複数灯を並設した照明装置において、曲管ガラス管の湾曲部の管表面温度を、当該曲管ガラス管の直線部の管表面温度に比べ10℃以上下げず、かつ直線部の絶対温度を50℃以上に保ち、曲管ガラス管の湾曲部の表面を遮光してその管面輝度を直線部の管面輝度の70%以下にした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲管蛍光ランプを並設具備した照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
直管蛍光ランプを多灯使用している直下型バックライトにて、液晶の大画面化に伴いバックライトも大型化し、直管蛍光ランプの使用本数が増加することに伴い、大消費電力及びコストUPの問題が浮上している。
【0003】
そこで、近年では長尺寸ランプを作製し、中央部若しくは任意の位置にて曲げることによりC管又はU管を作製し、短ピッチC管、U管を多灯使用したバックライトが主流となってきている。当該C管、U管の蛍光ランプは、ガラス管内壁に蛍光体皮膜が形成され、1種類以上の希ガスまたは水銀が封入され、ガラス管両端には導入線が気密に封着挿入され、導入線のガラス管内側の端部には電極が接続され、導入線の外側端部には給電用リード線が接続されたC管又はU管形状をしたもの、あるいは、C管又はU管のガラス管の両端を閉塞し内面上に蛍光体被膜を形成し、C管又はU管のガラス管の両端部の外面電極を配置した外部電極式のC管及びU管形状をしたものである。
【0004】
図20は、このようなU管形状の蛍光ランプを多灯使用している従来のバックライトの上面図であり、図21は下面図である。このバックライトは、各蛍光ランプ1のガラス管2の端部を電極ゴムホルダー3で固定して構成されている。バックライトにおけるインバータ6は、電極ゴムホルダー3に給電するための給電用電線の問題でランプ電極側の反射ケース5の裏面に配置され、シンプルな構造となっている。しかし、このようなC管、U管を多灯使用したバックライトでは狭額縁化の要求が高い。
【0005】
また、CMO社発案の米国公開公報US2003/0142487号(特許文献1)に記載されているように、U管ランプの湾曲部あるいはC管ランプ短辺部をバックライトの有効発光部内に設置するケースが多いが、曲管ランプの湾曲部あるいは短辺部の光学処理が輝度ムラの関係上複雑となる。図22は、従来のバックライトの図20においてA軸上での輝度分布を示しているが、A軸の端部4で輝度が高くなってしまっていることがわかる。そこで、反射ケース5で上述の湾曲部あるいは短辺部をホールドし、光を遮蔽すれば光学的には問題ないが、熱伝導のためにホールドされた部分の管壁温度が下がり、管軸上の温度差を発生させてしまう。この温度差の発生は、ランプに封入されている水銀の移動及び偏りの原因となり、ピンク放電、終には短寿命となる可能性がある。
【0006】
また、現在の曲管(C管,U管)の製造方法は、まず長尺ランプ直管を作製した後、直管を曲げるため、曲管長辺方向の有効発光長が短くなる。例えば、ランプ直管製造最大寸法が1200mmとすると、曲管長辺方向寸法は、600mm未満の寸法となり、それ以上の長辺方向寸法を持つ曲管は製造できないこととなる。
【特許文献1】米国公開公報US2003/0142487号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、C管、U管形状の蛍光ランプを多灯使用するバックライトユニットのような照明装置にあって、管軸上の温度差の発生によるピンク放電やランプの短寿命化を解決した、長期にわたり安定した照明が可能な照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明の照明装置は、C管又はU管形状のガラス管の内壁に蛍光体皮膜が形成され、1種類以上の希ガスまたは水銀が封入され、前記ガラス管両端に導入線が気密に封着挿入され、前記導入線の前記ガラス管内側の端部に電極が接続され、前記導入線の外側端部に給電用リード線が接続された蛍光ランプの複数灯を並設した照明装置において、前記C管形状のガラス管の短辺部又はU管形状のガラス管の湾曲部の管表面温度を、当該C管形状のガラス管の長辺部又はU管形状のガラス管の直線部の管表面温度に比べ10℃以上下げず、かつ当該長辺部又は直線部の絶対温度を50℃以上に保ち、前記短辺部又は湾曲部の表面を遮光してその管面輝度を前記長辺部又は直線部の管面輝度の70%以下にしたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明の照明装置は、C管又はU管形状のガラス管の両端を閉塞し、内面上に蛍光体被膜を形成し、前記ガラス管の両端部に外面電極を配置した蛍光ランプの複数灯を並設した照明装置において、前記C管形状のガラス管の短辺部又はU管形状のガラス管の湾曲部の管表面温度を、当該C管形状のガラス管の長辺部又はU管形状のガラス管の直線部の管表面温度に比べ10℃以上下げず、かつ当該長辺部又は直線部の絶対温度を50℃以上に保ち、前記短辺部又は湾曲部の表面を遮光してその管面輝度を前記長辺部又は直線部の管面輝度の70%以下にしたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の照明装置において、前記遮光部分は、フロスト加工もしくはレーザー加工によってガラス管の表面状態を変化させたものであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、各蛍光ランプ及び装置全体での管軸方向温度差、輝度差を低減することができ、さらにピンク放電の発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
【0013】
(第1の実施の形態)図1、図2は本発明の第1の実施の形態のバックライトユニットに使用するU管形状の蛍光ランプ1の上面図であり、図3は図2の湾曲部での断面図である。図1に示した蛍光ランプでは、ガラス管2の両端部を電極ゴムホルダー3で固定し、ガラス管2の湾曲部4にフロスト加工、レーザー加工、あるいはTiO2によるコーティング6を施すことにより輝度低減を行っている。図2、図3に示した蛍光ランプ1では、ガラス管2の両端部を電極ゴムホルダー3で固定し、ガラス管2の湾曲部4にシリコン等のゴムホルダー7、又は収縮チューブを取り付けることにより輝度低減を行っており、当該ゴムホルダー7はバックライトのケースなどに接触させず、余分な放熱は行わないように設置する。
【0014】
図4は本発明の第1の実施の形態のバックライトの上面図である。図4のバックライトでは、図1に示したようなU管形状のガラス管2各々の湾曲部4を上述のようなフロスト加工、レーザー加工、又はTiO2のコーティングをし、あるいは図2、図3に示したような当該湾曲部4にシリコン等のゴムホルダー又は収縮チューブを被せたU管形状の蛍光ランプ1を使用しており、U管の湾曲部4各々はバックライトの反射ケース5に接触させないように設置し、この湾曲部4各々からの発光も照明光として利用するようにしている。
【0015】
図5は、図4におけるB軸での輝度分布を表す図である。U管の蛍光ランプ1の湾曲部4にフロスト加工、レーザー加工、又はTiO2等のコーティングをし、あるいはシリコン等のゴムホルダー、収縮チューブを被せたことで、当該湾曲部4の輝度を蛍光ランプ1の直線部の輝度の70%以下に下げること可能となり、図5のようにバックライトの拡散板面での輝度ムラをなくし、発光面全体で安定した輝度を保つことができる。また、U管の湾曲部の温度低減も最低限にできることで、水銀の偏りによるピンク放電の発生のない、高信頼性のバックライトが実現できる。
【0016】
図6は、蛍光ランプの管壁温度とピンク放電距離の関係を示す図である。水銀が偏っていても、蛍光ランプの管壁の最冷部温度が50℃以上であればピンク放電しないことがわかる。
【0017】
本実施の形態によれば、U管蛍光ランプ各々の湾曲部4の輝度を抑えることができ、バックライトの拡散板上の輝度ムラを回避し、狭額縁化を達成し、高効率のバックライトを供給することができる。
【0018】
尚、上記実施の形態では、U管形状の蛍光ランプを採用しているが、これに代えてC管形状の蛍光ランプを採用することも可能である。
【0019】
(第2の実施の形態)図7は、本発明の第2の実施の形態のバックライトの上面図である。図のように電極部と反対側の端部付近で連結した連結ランプ1を多灯使用している。
【0020】
図8〜図10は、本実施の形態で使用する連結ランプ1の製造工程を示す図であり、図11は上面から見た図である。図8及び図11(a)、(b)のように、ガラス管2を回転させバーナー11により加熱溶融しガラス管2を所要長に分離し、管端部を閉塞する。次に、図9のようにガラス管2の連結予定部分をバーナー11で加熱し、エアー13などの気体を吹き込むことによりガラス管外部方向に突出部12をつくり出す。そしてガラス管2の開口端に発光部の電極を具備したマウント14を挿入し、ガラス管端部に加熱溶着させる。
【0021】
次に図10及び図11(c)〜(e)のように、ガラス管2、2を連結予定部分の突出部12、12が向かい合うように保持した状態で突出部12、12をバーナー11で溶融加熱し、突出部12、12同士を連結させて連結部15を形成する。その後、通常の蛍光ランプ製造工程により、排気−不活性ガス封入−水銀導入の工程を経て連結蛍光ランプ1を作製する。
【0022】
図12は、本実施の形態の連結ランプ1を多灯使用してランプ間隔を狭めたバックライトの上面図である。本実施の形態では、蛍光ランプの作製において、従来の直管を曲げて作製した曲管に対してより短いピッチ構造が可能であるため、同インチサイズのバックライトでも2灯連結蛍光ランプを4灯並べることが可能となる。
【0023】
また、連結蛍光ランプ1にて複数本のバルブを連結する事も可能である。図13は、本実施の形態の連結ランプを改良して、バックライト内のランプガラス管2すべてを連結部15それぞれで連結したバックライトの上面図である。従来のバックライトでは、複数本の蛍光ランプを使用しているため、製造バラツキ(封入ガス圧のバラツキ等)によりランプ個々のインピーダンスにもバラツキが存在し輝度ムラの原因になり得るが、このようにバックライト内のランプガラス管2を全て連結させると、インピーダンスのバラツキをなくすことが可能である。
【0024】
また、図14のように多灯連結蛍光ランプでの連結部15を短くすることでガラス管2、2間の間隔を短くした短ピッチ化も可能である。さらに、図15に示すように、連結したランプ発光部バルブ2を偏平にした蛍光ランプ1を使用することで、偏平蛍光ランプ1の盤面に対する発光面積の増加とバックライトの厚み低減も可能である。
【0025】
図16、図17は、図13、図14のバックライトへの点灯駆動方法を示す図である。図のように正負の高周波高電圧を印加することで、正極・負極の隣接する2本ずつのガラス管2、2内において放電させる。
【0026】
図18は、本実施の形態の2灯連結ランプを3灯並設したバックライトと、従来の曲げ管、直管ランプを使用したバックライトの輝度を示す図である。消費電力に対する盤面上輝度も従来のものと大差はない。
【0027】
図19は、本実施の形態の2灯連結ランプを3灯並設したバックライトと、短ピッチ化した2灯連結ランプを4灯並設したバックライトと、従来の曲げ管ランプを使用したバックライトとの輝度を示す図である。バックライト内にてランプピッチ間距離を少なくすることで、配置できるランプ数を増加させ、盤面上輝度と盤面上輝度ムラを改善することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施の形態のバックライトユニットに使用する蛍光ランプの上面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態のバックライトユニットに使用する他の蛍光ランプの上面図。
【図3】図2の蛍光ランプの断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態のバックライトの上面図。
【図5】図4のB軸での輝度を表すグラフ。
【図6】蛍光ランプの管壁温度とピンク放電距離の関係を示すグラフ。
【図7】本発明の第2の実施の形態のバックライトの上面図。
【図8】本発明の第2の実施の形態で使用する連結ランプの製造工程(1)を示す側面図。
【図9】本発明の第2の実施の形態で使用する連結ランプの製造工程(2)を示す側面図。
【図10】本発明の第2の実施の形態で使用する連結ランプの製造工程(3)を示す側面図。
【図11】本発明の第2の実施の形態で使用する連結ランプの製造工程(1)、(2)を示す上面図。
【図12】本発明の第3の実施の形態のバックライトの上面図。
【図13】本発明の第4の実施の形態のバックライトの上面図。
【図14】本発明の第5の実施の形態のバックライトの上面図。
【図15】本発明の第6の実施の形態のバックライトの長手方向正面の断面図。
【図16】本発明の第4の実施の形態のバックライトへの点灯駆動方法を示す図。
【図17】本発明の第5の実施の形態のバックライトへの点灯駆動方法を示す図。
【図18】本発明の第2の実施の形態の2灯連結ランプを3灯並設したバックライトと、従来の曲げ管、直管ランプを使用したバックライトの輝度を示すグラフ。
【図19】本発明の第2の実施の形態の2灯連結ランプを3灯並説したバックライトと、第3の実施の形態の短ピッチ化した2灯連結ランプを4灯並説したバックライトと、従来の曲げ管ランプを使用したバックライトとの輝度を示すグラフ。
【図20】従来のバックライトの上面図。
【図21】従来のバックライトの下面図。
【図22】図20のA軸での輝度分布を示す図。
【符号の説明】
【0029】
1 蛍光ランプ
2 ガラス管
3 電極ゴムホルダー
4 ランプ湾曲部
6 インバータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲管蛍光ランプを並設具備した照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
直管蛍光ランプを多灯使用している直下型バックライトにて、液晶の大画面化に伴いバックライトも大型化し、直管蛍光ランプの使用本数が増加することに伴い、大消費電力及びコストUPの問題が浮上している。
【0003】
そこで、近年では長尺寸ランプを作製し、中央部若しくは任意の位置にて曲げることによりC管又はU管を作製し、短ピッチC管、U管を多灯使用したバックライトが主流となってきている。当該C管、U管の蛍光ランプは、ガラス管内壁に蛍光体皮膜が形成され、1種類以上の希ガスまたは水銀が封入され、ガラス管両端には導入線が気密に封着挿入され、導入線のガラス管内側の端部には電極が接続され、導入線の外側端部には給電用リード線が接続されたC管又はU管形状をしたもの、あるいは、C管又はU管のガラス管の両端を閉塞し内面上に蛍光体被膜を形成し、C管又はU管のガラス管の両端部の外面電極を配置した外部電極式のC管及びU管形状をしたものである。
【0004】
図20は、このようなU管形状の蛍光ランプを多灯使用している従来のバックライトの上面図であり、図21は下面図である。このバックライトは、各蛍光ランプ1のガラス管2の端部を電極ゴムホルダー3で固定して構成されている。バックライトにおけるインバータ6は、電極ゴムホルダー3に給電するための給電用電線の問題でランプ電極側の反射ケース5の裏面に配置され、シンプルな構造となっている。しかし、このようなC管、U管を多灯使用したバックライトでは狭額縁化の要求が高い。
【0005】
また、CMO社発案の米国公開公報US2003/0142487号(特許文献1)に記載されているように、U管ランプの湾曲部あるいはC管ランプ短辺部をバックライトの有効発光部内に設置するケースが多いが、曲管ランプの湾曲部あるいは短辺部の光学処理が輝度ムラの関係上複雑となる。図22は、従来のバックライトの図20においてA軸上での輝度分布を示しているが、A軸の端部4で輝度が高くなってしまっていることがわかる。そこで、反射ケース5で上述の湾曲部あるいは短辺部をホールドし、光を遮蔽すれば光学的には問題ないが、熱伝導のためにホールドされた部分の管壁温度が下がり、管軸上の温度差を発生させてしまう。この温度差の発生は、ランプに封入されている水銀の移動及び偏りの原因となり、ピンク放電、終には短寿命となる可能性がある。
【0006】
また、現在の曲管(C管,U管)の製造方法は、まず長尺ランプ直管を作製した後、直管を曲げるため、曲管長辺方向の有効発光長が短くなる。例えば、ランプ直管製造最大寸法が1200mmとすると、曲管長辺方向寸法は、600mm未満の寸法となり、それ以上の長辺方向寸法を持つ曲管は製造できないこととなる。
【特許文献1】米国公開公報US2003/0142487号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、C管、U管形状の蛍光ランプを多灯使用するバックライトユニットのような照明装置にあって、管軸上の温度差の発生によるピンク放電やランプの短寿命化を解決した、長期にわたり安定した照明が可能な照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明の照明装置は、C管又はU管形状のガラス管の内壁に蛍光体皮膜が形成され、1種類以上の希ガスまたは水銀が封入され、前記ガラス管両端に導入線が気密に封着挿入され、前記導入線の前記ガラス管内側の端部に電極が接続され、前記導入線の外側端部に給電用リード線が接続された蛍光ランプの複数灯を並設した照明装置において、前記C管形状のガラス管の短辺部又はU管形状のガラス管の湾曲部の管表面温度を、当該C管形状のガラス管の長辺部又はU管形状のガラス管の直線部の管表面温度に比べ10℃以上下げず、かつ当該長辺部又は直線部の絶対温度を50℃以上に保ち、前記短辺部又は湾曲部の表面を遮光してその管面輝度を前記長辺部又は直線部の管面輝度の70%以下にしたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明の照明装置は、C管又はU管形状のガラス管の両端を閉塞し、内面上に蛍光体被膜を形成し、前記ガラス管の両端部に外面電極を配置した蛍光ランプの複数灯を並設した照明装置において、前記C管形状のガラス管の短辺部又はU管形状のガラス管の湾曲部の管表面温度を、当該C管形状のガラス管の長辺部又はU管形状のガラス管の直線部の管表面温度に比べ10℃以上下げず、かつ当該長辺部又は直線部の絶対温度を50℃以上に保ち、前記短辺部又は湾曲部の表面を遮光してその管面輝度を前記長辺部又は直線部の管面輝度の70%以下にしたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の照明装置において、前記遮光部分は、フロスト加工もしくはレーザー加工によってガラス管の表面状態を変化させたものであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、各蛍光ランプ及び装置全体での管軸方向温度差、輝度差を低減することができ、さらにピンク放電の発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
【0013】
(第1の実施の形態)図1、図2は本発明の第1の実施の形態のバックライトユニットに使用するU管形状の蛍光ランプ1の上面図であり、図3は図2の湾曲部での断面図である。図1に示した蛍光ランプでは、ガラス管2の両端部を電極ゴムホルダー3で固定し、ガラス管2の湾曲部4にフロスト加工、レーザー加工、あるいはTiO2によるコーティング6を施すことにより輝度低減を行っている。図2、図3に示した蛍光ランプ1では、ガラス管2の両端部を電極ゴムホルダー3で固定し、ガラス管2の湾曲部4にシリコン等のゴムホルダー7、又は収縮チューブを取り付けることにより輝度低減を行っており、当該ゴムホルダー7はバックライトのケースなどに接触させず、余分な放熱は行わないように設置する。
【0014】
図4は本発明の第1の実施の形態のバックライトの上面図である。図4のバックライトでは、図1に示したようなU管形状のガラス管2各々の湾曲部4を上述のようなフロスト加工、レーザー加工、又はTiO2のコーティングをし、あるいは図2、図3に示したような当該湾曲部4にシリコン等のゴムホルダー又は収縮チューブを被せたU管形状の蛍光ランプ1を使用しており、U管の湾曲部4各々はバックライトの反射ケース5に接触させないように設置し、この湾曲部4各々からの発光も照明光として利用するようにしている。
【0015】
図5は、図4におけるB軸での輝度分布を表す図である。U管の蛍光ランプ1の湾曲部4にフロスト加工、レーザー加工、又はTiO2等のコーティングをし、あるいはシリコン等のゴムホルダー、収縮チューブを被せたことで、当該湾曲部4の輝度を蛍光ランプ1の直線部の輝度の70%以下に下げること可能となり、図5のようにバックライトの拡散板面での輝度ムラをなくし、発光面全体で安定した輝度を保つことができる。また、U管の湾曲部の温度低減も最低限にできることで、水銀の偏りによるピンク放電の発生のない、高信頼性のバックライトが実現できる。
【0016】
図6は、蛍光ランプの管壁温度とピンク放電距離の関係を示す図である。水銀が偏っていても、蛍光ランプの管壁の最冷部温度が50℃以上であればピンク放電しないことがわかる。
【0017】
本実施の形態によれば、U管蛍光ランプ各々の湾曲部4の輝度を抑えることができ、バックライトの拡散板上の輝度ムラを回避し、狭額縁化を達成し、高効率のバックライトを供給することができる。
【0018】
尚、上記実施の形態では、U管形状の蛍光ランプを採用しているが、これに代えてC管形状の蛍光ランプを採用することも可能である。
【0019】
(第2の実施の形態)図7は、本発明の第2の実施の形態のバックライトの上面図である。図のように電極部と反対側の端部付近で連結した連結ランプ1を多灯使用している。
【0020】
図8〜図10は、本実施の形態で使用する連結ランプ1の製造工程を示す図であり、図11は上面から見た図である。図8及び図11(a)、(b)のように、ガラス管2を回転させバーナー11により加熱溶融しガラス管2を所要長に分離し、管端部を閉塞する。次に、図9のようにガラス管2の連結予定部分をバーナー11で加熱し、エアー13などの気体を吹き込むことによりガラス管外部方向に突出部12をつくり出す。そしてガラス管2の開口端に発光部の電極を具備したマウント14を挿入し、ガラス管端部に加熱溶着させる。
【0021】
次に図10及び図11(c)〜(e)のように、ガラス管2、2を連結予定部分の突出部12、12が向かい合うように保持した状態で突出部12、12をバーナー11で溶融加熱し、突出部12、12同士を連結させて連結部15を形成する。その後、通常の蛍光ランプ製造工程により、排気−不活性ガス封入−水銀導入の工程を経て連結蛍光ランプ1を作製する。
【0022】
図12は、本実施の形態の連結ランプ1を多灯使用してランプ間隔を狭めたバックライトの上面図である。本実施の形態では、蛍光ランプの作製において、従来の直管を曲げて作製した曲管に対してより短いピッチ構造が可能であるため、同インチサイズのバックライトでも2灯連結蛍光ランプを4灯並べることが可能となる。
【0023】
また、連結蛍光ランプ1にて複数本のバルブを連結する事も可能である。図13は、本実施の形態の連結ランプを改良して、バックライト内のランプガラス管2すべてを連結部15それぞれで連結したバックライトの上面図である。従来のバックライトでは、複数本の蛍光ランプを使用しているため、製造バラツキ(封入ガス圧のバラツキ等)によりランプ個々のインピーダンスにもバラツキが存在し輝度ムラの原因になり得るが、このようにバックライト内のランプガラス管2を全て連結させると、インピーダンスのバラツキをなくすことが可能である。
【0024】
また、図14のように多灯連結蛍光ランプでの連結部15を短くすることでガラス管2、2間の間隔を短くした短ピッチ化も可能である。さらに、図15に示すように、連結したランプ発光部バルブ2を偏平にした蛍光ランプ1を使用することで、偏平蛍光ランプ1の盤面に対する発光面積の増加とバックライトの厚み低減も可能である。
【0025】
図16、図17は、図13、図14のバックライトへの点灯駆動方法を示す図である。図のように正負の高周波高電圧を印加することで、正極・負極の隣接する2本ずつのガラス管2、2内において放電させる。
【0026】
図18は、本実施の形態の2灯連結ランプを3灯並設したバックライトと、従来の曲げ管、直管ランプを使用したバックライトの輝度を示す図である。消費電力に対する盤面上輝度も従来のものと大差はない。
【0027】
図19は、本実施の形態の2灯連結ランプを3灯並設したバックライトと、短ピッチ化した2灯連結ランプを4灯並設したバックライトと、従来の曲げ管ランプを使用したバックライトとの輝度を示す図である。バックライト内にてランプピッチ間距離を少なくすることで、配置できるランプ数を増加させ、盤面上輝度と盤面上輝度ムラを改善することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施の形態のバックライトユニットに使用する蛍光ランプの上面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態のバックライトユニットに使用する他の蛍光ランプの上面図。
【図3】図2の蛍光ランプの断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態のバックライトの上面図。
【図5】図4のB軸での輝度を表すグラフ。
【図6】蛍光ランプの管壁温度とピンク放電距離の関係を示すグラフ。
【図7】本発明の第2の実施の形態のバックライトの上面図。
【図8】本発明の第2の実施の形態で使用する連結ランプの製造工程(1)を示す側面図。
【図9】本発明の第2の実施の形態で使用する連結ランプの製造工程(2)を示す側面図。
【図10】本発明の第2の実施の形態で使用する連結ランプの製造工程(3)を示す側面図。
【図11】本発明の第2の実施の形態で使用する連結ランプの製造工程(1)、(2)を示す上面図。
【図12】本発明の第3の実施の形態のバックライトの上面図。
【図13】本発明の第4の実施の形態のバックライトの上面図。
【図14】本発明の第5の実施の形態のバックライトの上面図。
【図15】本発明の第6の実施の形態のバックライトの長手方向正面の断面図。
【図16】本発明の第4の実施の形態のバックライトへの点灯駆動方法を示す図。
【図17】本発明の第5の実施の形態のバックライトへの点灯駆動方法を示す図。
【図18】本発明の第2の実施の形態の2灯連結ランプを3灯並設したバックライトと、従来の曲げ管、直管ランプを使用したバックライトの輝度を示すグラフ。
【図19】本発明の第2の実施の形態の2灯連結ランプを3灯並説したバックライトと、第3の実施の形態の短ピッチ化した2灯連結ランプを4灯並説したバックライトと、従来の曲げ管ランプを使用したバックライトとの輝度を示すグラフ。
【図20】従来のバックライトの上面図。
【図21】従来のバックライトの下面図。
【図22】図20のA軸での輝度分布を示す図。
【符号の説明】
【0029】
1 蛍光ランプ
2 ガラス管
3 電極ゴムホルダー
4 ランプ湾曲部
6 インバータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
C管又はU管形状のガラス管の内壁に蛍光体皮膜が形成され、1種類以上の希ガスまたは水銀が封入され、前記ガラス管両端に導入線が気密に封着挿入され、前記導入線の前記ガラス管内側の端部に電極が接続され、前記導入線の外側端部に給電用リード線が接続された蛍光ランプの複数灯を並設した照明装置において、
前記C管形状のガラス管の短辺部又はU管形状のガラス管の湾曲部の管表面温度を、当該C管形状のガラス管の長辺部又はU管形状のガラス管の直線部の管表面温度に比べ10℃以上下げず、かつ当該長辺部又は直線部の絶対温度を50℃以上に保ち、前記短辺部又は湾曲部の表面を遮光してその管面輝度を前記長辺部又は直線部の管面輝度の70%以下にしたことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
C管又はU管形状のガラス管の両端を閉塞し、内面上に蛍光体被膜を形成し、前記ガラス管の両端部に外面電極を配置した蛍光ランプの複数灯を並設した照明装置において、
前記C管形状のガラス管の短辺部又はU管形状のガラス管の湾曲部の管表面温度を、当該C管形状のガラス管の長辺部又はU管形状のガラス管の直線部の管表面温度に比べ10℃以上下げず、かつ当該長辺部又は直線部の絶対温度を50℃以上に保ち、前記短辺部又は湾曲部の表面を遮光してその管面輝度を前記長辺部又は直線部の管面輝度の70%以下にしたことを特徴とする照明装置。
【請求項3】
前記遮光部分は、フロスト加工もしくはレーザー加工によってガラス管の表面状態を変化させたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項1】
C管又はU管形状のガラス管の内壁に蛍光体皮膜が形成され、1種類以上の希ガスまたは水銀が封入され、前記ガラス管両端に導入線が気密に封着挿入され、前記導入線の前記ガラス管内側の端部に電極が接続され、前記導入線の外側端部に給電用リード線が接続された蛍光ランプの複数灯を並設した照明装置において、
前記C管形状のガラス管の短辺部又はU管形状のガラス管の湾曲部の管表面温度を、当該C管形状のガラス管の長辺部又はU管形状のガラス管の直線部の管表面温度に比べ10℃以上下げず、かつ当該長辺部又は直線部の絶対温度を50℃以上に保ち、前記短辺部又は湾曲部の表面を遮光してその管面輝度を前記長辺部又は直線部の管面輝度の70%以下にしたことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
C管又はU管形状のガラス管の両端を閉塞し、内面上に蛍光体被膜を形成し、前記ガラス管の両端部に外面電極を配置した蛍光ランプの複数灯を並設した照明装置において、
前記C管形状のガラス管の短辺部又はU管形状のガラス管の湾曲部の管表面温度を、当該C管形状のガラス管の長辺部又はU管形状のガラス管の直線部の管表面温度に比べ10℃以上下げず、かつ当該長辺部又は直線部の絶対温度を50℃以上に保ち、前記短辺部又は湾曲部の表面を遮光してその管面輝度を前記長辺部又は直線部の管面輝度の70%以下にしたことを特徴とする照明装置。
【請求項3】
前記遮光部分は、フロスト加工もしくはレーザー加工によってガラス管の表面状態を変化させたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2006−202513(P2006−202513A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−10158(P2005−10158)
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】
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