説明

照明装置

【課題】半田付けならびにゴムホルダへのランプ取り付けが不要であり、それにより工程時間を短縮することができる照明装置を提供する。
【解決手段】電気ソケット200に冷陰極蛍光ランプ100が接続され、電気ソケット200がバックフレーム300に組み込まれる。これにより、半田付けやゴムホルダへのランプ取り付けが不要となり、よって工程を簡素化して工程時間を短縮し、ひいては工程費を低減させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックフレームに組み込まれた冷陰極蛍光ランプにインバータから給電する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置の背面光源や小型光源(例えば、原稿読み取り装置用の光源)などとして、バックフレームに組み込まれた冷陰極蛍光ランプにインバータから給電する照明装置が用いられる。
【0003】
図8は、この種の照明装置1Aの分解図である。図9は、図8のII矢視図である。 照明装置1Aでは、そのバックフレーム250の前面側に設けられた反射板251の上に直管型の冷陰極蛍光ランプ150が並べられ、それらはランプ保持フック252により中央部を、ゴムホルダ253により両端部を保持されている。冷陰極蛍光ランプ150のリード線151に半田152で固定されたハーネス153は、ゴムホルダ253とバックフレーム250に設けられた孔を通り、バックフレーム250の背面に設けられたインバータ400に接続されている。このバックフレーム250に対して、シート類3を挟んで、フロントフレーム4が取り付けられる。そして、インバータ400からの給電により冷陰極蛍光ランプ150が点灯する。
【特許文献1】特開2001−237035号公報
【特許文献2】特公平7−894795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の如く、照明装置1Aでは半田付けやゴムホルダへのランプ取り付けが必要である。自動化の難しいこれらの工程は人手で行うので工程時間が長くなり、そのため、工程費が高くなるという問題がある。
【0005】
図10(a)は、半田付け等を不要とした照明装置の図9に相当する部分の側面図である。図10(b)は、図10(a)のJJ線断面図である。その他については、照明装置1Aと同様である。
【0006】
圧接端子500を不図示のインバータにハーネスなどで接続し、その圧接端子500でリード線151を挟み込むことで、半田付け等を不要にする。しかし、ストレート状のままのリード線151を挟み込んでいるため、圧接端子500とリード線151とが小さい接触面積で接触する。そのため、振動や衝撃で接触や給電が不安定になる虞がある。また、接触抵抗が大きいので、その部分や電極の温度上昇が大きくなってしまう。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、半田付けならびにゴムホルダへのランプ取り付けが不要であり、それにより工程時間を短縮することができる照明装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明が、他に目的とするところは、圧接端子とリード線の接触とそれによる給電の安定化を図った照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1記載の照明装置は、バックフレームに組み込まれた冷陰極蛍光ランプにインバータから給電する照明装置において、前記インバータから給電される電気ソケットを備え、該電気ソケットに前記冷陰極蛍光ランプが接続され、当該電気ソケットが前記バックフレームに組み込まれることを特徴とする。
【0010】
請求項1記載の照明装置によれば、インバータから給電される電気ソケットに冷陰極蛍光ランプが接続され、電気ソケットがバックフレームに組み込まれる構成としたことで、半田付けならびにゴムホルダへのランプ取り付けが不要となり、よって工程を簡素化して工程時間を短縮し、ひいては、工程費を低減させることができる。
【0011】
請求項2記載の照明装置は、請求項1記載の照明装置において、前記電気ソケットは、前記インバータから給電される給電部を備え、前記冷陰極蛍光ランプは、前記給電部に接触するリード線を備え、前記給電部に接触する部分の横断面が楕円形状または扁平形状を有することを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の照明装置によれば、給電部に接触するリード線部分の横断面が楕円形状または扁平形状を有することで、接触面積が広くなるので、給電部とリード線の接触ならびにそれによる給電を安定させることができる。つまり、振動や衝撃に起因して接触や給電が不安定になる可能性を低くできる。また、接触抵抗が小さくなるので、その部分ひいては冷陰極蛍光ランプの温度上昇を小さくすることができる。
【0013】
請求項3記載の照明装置は、請求項1記載の照明装置において、前記電気ソケットは、前記インバータから給電される給電部を備え、前記冷陰極蛍光ランプの先端から延出されたリード線が当該冷陰極蛍光ランプの端部に沿うように折り曲げられた状態の当該端部が当該リード線とともに前記給電部に嵌め込まれることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の照明装置によれば、端部がリード線とともに給電部に嵌め込まれる構成としたことで、リード線をその径に合わせた給電部に嵌め込む際にリード線が折れ曲がるようなことがなく、よって、電気ソケットと冷陰極蛍光ランプの接続を容易に行うことができる。
【0015】
請求項4記載の照明装置は、請求項3記載の照明装置は、前記端部が前記バックフレームに向けて曲げられていることを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の照明装置によれば、冷陰極蛍光ランプの端部つまり暗い部分を隠すようにバックフレームに向けて曲げたことで、照明装置の端部ひいては全体を明るくすることができる。
【0017】
請求項5記載の照明装置は、請求項3または4記載の照明装置において、前記端部がプレスシールされていることを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の照明装置によれば、端部をプレスシールすることで、給電部に嵌め込まれた冷陰極蛍光ランプがその外周方向に回転するのを防止する作用が働き、よって、給電部とリード線の接触ならびにそれによる給電を安定させることができる。つまり、振動や衝撃に起因して接触や給電が不安定になる可能性を低くできる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の照明装置によれば、インバータから給電される電気ソケットに冷陰極蛍光ランプが接続され、電気ソケットがバックフレームに組み込まれる構成としたことで、半田付けが不要となり、よって工程を簡素化して工程時間を短縮し、ひいては、工程費を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。この照明装置は、例えば、液晶表示装置の背面光源や原稿読み取り装置用の小型光源として使用されるものである。なお、同一要素に同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0021】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る照明装置1の分解図である。図2(a)は、図1の符号1Aで示す部分の拡大図である。図2(b)は、図2(a)のAA矢視図である。
【0022】
照明装置1では、そのバックフレーム300の前面側に、図8と同様に、直管型の冷陰極蛍光ランプ100が並ぶようになっており、図1および2に示す冷陰極蛍光ランプ100はその内の1つである。なお、反射板251は図示省略した。
【0023】
冷陰極蛍光ランプ100においては、直管形のガラスバルブ101の内壁に紫外線による刺激で発光する蛍光体層と保護被覆膜が形成され、ガラスバルブ101の内部にネオンやアルゴルを用いた希ガスまたはこのような希ガスと水銀が放電媒体として封入される。ガラスバルブ101の両端の内部に、例えば有底筒状の電極102が配置される。電極102の底面部にはリード線103が接続され、その先端に近い方の部分がガラスバルブ101の外部に延出されている。リード線103と電極102の底面部は、封着線104を介して溶接されている。封着線104は、ビードガラス105を介してガラスバルブ101の端部に封着される。
【0024】
図2(a)に示すように、リード線103の先端に近い方の部分は湾曲して湾曲部103aを構成し、その先端はガラスバルブ101の軸を延長した線上にほぼ位置している。図2(b)に示すように、湾曲部103aはプレスにより、その横断面が楕円形状または扁平形状を有する。他方のリード線103も同様の湾曲部103aを備えている。
【0025】
バックフレーム300には、ポリカーボネートなどで作られた電気ソケット200が取り付けられ、上記した各湾曲部103aが、電気ソケット200に接続される。これで、ガラスバルブ101の中央部が、バックフレーム300のランプ保持フック252に保持される。
【0026】
具体的には、電気ソケット200は、各湾曲部103aを接続する位置に給電部201を備える。給電部201は、電気ソケット200が備える側板の内側下部から斜め上方に延出されてから、斜め下方に折り曲げられた導体(金属)である。
【0027】
湾曲部103aは、その先端を上方に向けた状態で、給電部201の曲げヶ所より先の部分に位置合わせされる。そして、円筒状の治具202が矢印Bで示すように湾曲部103aに嵌め込まれ、さらに押し込まれる。
【0028】
これで、給電部201は、さらに曲がり、給電部201と湾曲部103aの間の摩擦力で、冷陰極蛍光ランプ100が位置を固定される。
【0029】
なお、電気ソケット200をポリカーボネートなどで作ることにより、ゴムホルダを使用する場合に比べて、冷陰極蛍光ランプ100の位置を強固に固定することができる。
【0030】
そして、バックフレーム300に対して、シート類3を挟んで、図示しないフロントフレーム4が取り付けられる。
【0031】
また、図示しないが、給電部201は、例えば、バックフレーム300の背面側にも延出され、そこでコネクタによりインバータ400と接続される。あるいは、給電部201はハーネス経由でインバータ400に接続される。これにより、インバータ400から給電部201とリード線103を経由して冷陰極蛍光ランプ100への給電がなされる。
【0032】
したがって、第1の実施の形態に係る照明装置1によれば、インバータ400から給電される電気ソケット200に冷陰極蛍光ランプ100が接続され、電気ソケット200がバックフレーム300に組み込まれる構成としたことで、半田付けならびにゴムホルダへのランプ取り付けが不要となり、よって工程を簡素化して工程時間を短縮し、ひいては工程費を低減させることができる。
【0033】
また、照明装置1によれば、湾曲部103aの横断面が楕円形状または扁平形状を有することで、給電部201との接触面積が広くなるので、給電部201とリード線103の接触ならびにそれによる給電を安定させることができる。つまり、振動や衝撃で接触と給電が不安定になる可能性を低くできる。また、接触抵抗が小さくなるので、その部分ひいては電極102の温度上昇を小さくすることができる。
【0034】
[第2の実施の形態]
図3(a)は、第2の実施の形態に係る照明装置10の分解図である。図3(b)は、図3(a)のCC矢視図である。図4は、図3(b)の符号10Aで示す部分の拡大図である。
【0035】
やはり、照明装置10では、そのバックフレーム300の前面側に冷陰極蛍光ランプ110が並ぶようになっており、図3、4に示す冷陰極蛍光ランプ110はその内の1つである。なお、反射板251は図示省略した。
【0036】
図3(a)、図4に示すように、ガラスバルブ101の先端から延出されたリード線103がガラスバルブ101の端部に沿うように折り曲げられている。この状態のガラスバルブ101の端部に対して、矢印Dの方向に電気ソケット210が嵌め込まれ、その電気ソケット210がバックフレーム300に取り付けられる。
【0037】
電気ソケット210は、具体的には、ガラスバルブ101の端部を嵌め込むように作られた導体である給電部211を備え、そこにガラスバルブ101の端部がリード線103とともに嵌め込まれる。その他については、照明装置1と同様である。
【0038】
したがって、第2の実施の形態に係る照明装置10によれば、ガラスバルブ101の端部に沿うようにリード線103が曲げられた状態の当該端部をリード線103とともに給電部211に嵌め込む構成としたことで、やはり、半田付け等が不要となり、よって工程の簡素化と工程時間の短縮が可能となる。
【0039】
なお、このように、リード線103を折り曲げない照明装置を考えた場合、その照明装置の給電部はリード線103の径に合わせて小さく作られる。よって、その給電部にリード線103を差し込もうとすると、リード線103が折れ曲がるなどして、差し込みにくくなる。
【0040】
しかし、照明装置10によれば、リード線103をガラスバルブ101の端部に沿って折り曲げたことで、給電部211をガラスバルブ101の径に合わせて大きく作ることができる。よって、電気ソケット210と冷陰極蛍光ランプ110の接続を容易に行うことができる。
【0041】
図5は、第2の実施の形態の変形例に係る照明装置11の図4に相当する図である。
【0042】
照明装置11では、ガラスバルブ101の端部を、矢印Eの方向に両側からプレスシールし、そのとき形成された2つのプレス面の一方に沿うようにリード線103が曲げられている。その他については、照明装置10と同様である。
【0043】
したがって、照明装置11によれば、ガラスバルブ101の端部をプレスシールすることで、給電部211に嵌め込まれたガラスバルブ101がその外周方向に回転するのを防止する作用が働き、よって、給電部201とリード線103の接触ならびにそれによる給電を安定させることができる。つまり、振動や衝撃で接触と給電が不安定になる可能性を低くできる。
【0044】
[第3の実施の形態]
図6(a)は、第3の実施の形態に係る照明装置20の分解図である。図6(b)は、図6(a)のFF矢視図である。
【0045】
照明装置20では、バックフレーム300からランプ保持フック252を除いたバックフレーム301が用いられ、その前面側に冷陰極蛍光ランプ111が並ぶようになっている。図6に示す冷陰極蛍光ランプ111はその内の1つである。なお、反射板251は図示省略した。
【0046】
図6に示すように、冷陰極蛍光ランプ111が備えるガラスバルブ101aの端部は、ほぼ直角に折り曲げられている。そして、この端部が、矢印Gで示すようにして、電気ソケット210の給電部211に嵌め込まれ、電気ソケット210がバックフレーム301に取り付けられる。その他については、照明装置10と同様である。なお、照明装置11のようにプレスシールを施しても良い。
【0047】
ガラスバルブ101aの両端部は光量が少ないので暗く、その間の部分は明るいので、図6に示すように、その端部をバックフレーム301に向けて曲げたことで、その前面側に明るい部分が位置し、暗い端部が背面側に隠れることとなる。これにより、照明装置20の端部ひいては全体を明るくできる。よって、これを液晶表示装置などに用いると、いわゆるその額縁領域を狭くできる。
【0048】
図7(a)は、図10の照明装置の改良を図った照明装置の図10(a)に相当する部分の側面図である。図7(b)は、HH線断面図である。その他については、照明装置1Aと同様である。
【0049】
図7のように1回、または2回以上折り曲げたリード線151において重なり合っている部分を圧接端子500で挟み込むことで、圧接端子500とリード線151とが接触面積が広く(図7の場合は2倍程度に)なり、圧接端子500とリード線151の接触ならびにそれによる給電を安定させることができる。つまり、振動や衝撃に起因して接触や給電が不安定になる可能性を低くできる。また、接触抵抗が小さくなるので、その部分ひいては電極の温度上昇を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、第1の実施の形態に係る照明装置1の分解図である。
【図2】図2(a)は、図1の符号1Aで示す部分の拡大図である。図2(b)は、図2(a)のAA矢視図である。
【図3】図3(a)は、第2の実施の形態に係る照明装置10の分解図である。図3(b)は、図3(a)のCC矢視図である。
【図4】図4は、図3(b)の符号10Aで示す部分の拡大図である。
【図5】図5は、第2の実施の形態の変形例に係る照明装置11の図4に相当する図である。
【図6】図6(a)は、第3の実施の形態に係る照明装置20の分解図である。図6(b)は、図6(a)のFF矢視図である。
【図7】図7(a)は、図10の照明装置の改良を図った照明装置の図10(a)に相当する部分の側面図である。図7(b)は、HH線断面図である。
【図8】図8は、従来の照明装置1Aの分解図である。
【図9】図9は、図8のII矢視図である。
【図10】図10(a)は、半田付け等を不要とした照明装置の図9に相当する部分の側面図である。図10(b)は、図10(a)のJJ線断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1、10、11、20…照明装置
100、110、111…冷陰極蛍光ランプ
101、101a…ガラスバルブ
103…リード線
103a…湾曲部
200、210…電気ソケット
201、211…給電部
202…治具
300、301…バックフレーム
400…インバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックフレームに組み込まれた冷陰極蛍光ランプにインバータから給電する照明装置において、
前記インバータから給電される電気ソケットを備え、該電気ソケットに前記冷陰極蛍光ランプが接続され、当該電気ソケットが前記バックフレームに組み込まれることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記電気ソケットは、前記インバータから給電される給電部を備え、前記冷陰極蛍光ランプは、前記給電部に接触するリード線を備え、前記給電部に接触する部分の横断面が楕円形状または扁平形状を有することを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記電気ソケットは、前記インバータから給電される給電部を備え、前記冷陰極蛍光ランプの先端から延出されたリード線が当該冷陰極蛍光ランプの端部に沿うように折り曲げられた状態の当該端部が当該リード線とともに前記給電部に嵌め込まれることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項4】
前記端部が前記バックフレームに向けて曲げられていることを特徴とする請求項3記載の照明装置。
【請求項5】
前記端部がプレスシールされていることを特徴とする請求項3または4記載の照明装置。








【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−258118(P2007−258118A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−84233(P2006−84233)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】