説明

照明装置

【目的】 本発明の目的は、反りや歪みのある取付面に取り付けた場合であっても、蛍光ランプを直線的に保持することができ且つ蛍光ランプとの安定した電気接続を図ることができる照明装置を提供する。
【構成】 蛍光ランプLの口金20から突出したピン21が接続されるソケット部100と、このソケット部100を支持する支持板200と、ソケット部100を支持板200に揺動可能に取り付けるための取付手段300と、蛍光ランプLの口金20を弾性保持する保持部400と、ソケット部100の接続面を露出させた状態で、ソケット部100、支持板200、取付手段300及び保持部400の基端部を収容する筐体500とを備え、筐体500の両内壁面( 即ち、幅方向の両内壁面) には、一対の第1の溝部511が長さ方向に沿って設けられている。この第1の溝部511には、支持板200が揺動可能に遊嵌する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蛍光ランプを使用した照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の照明装置としては、長さ方向の両端部に当該長さ方向と直交する方向に向けて口金が設けられた蛍光ランプの口金から突出したピンと接続される一対のソケット部と、このソケット部が収容される筐体とを有したものがある( 特許文献1参照) 。
【0003】
【特許文献1】特開平09−115627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記照明装置は、一対のソケット部が同一の支持板に取り付けられ、筐体に収容されるようになっている。このため、前記照明装置の取付面に反りや歪みがある場合、前記取付面の反りや歪みに応じて筐体及び支持板が反る又は歪むため、一対のソケット部が互いに異なる方向に向く場合がある。この場合、一対のソケット部により蛍光ランプを直線的に保持することができないため、当該蛍光ランプをうまく取り付けることができない可能性がある。また、取り付けることができたとしても前記ピンと前記ソケット部との電気的に接続が不十分となる可能性がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、反りや歪みのある取付面に取り付けた場合であっても、蛍光ランプを直線的に保持することができ且つ蛍光ランプとの安定した電気接続を図ることができる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の照明装置は、蛍光ランプの口金から突出したピンと接続されるソケット部と、このソケット部を支持する支持板と、前記ソケット部の接続面を露出させた状態で、当該ソケット部及び支持板を収容する筐体とを備えており、前記筐体の幅方向の両内壁面には、幅寸法が前記支持板の厚み寸法よりも若干大きい一対の溝部が長さ方向に沿って設けられており、前記支持板は前記一対の溝部に遊嵌されるようになっていることを特徴としている。
【0007】
この照明装置は、前記支持板に前記ソケット部を揺動可能に取り付けるための取付手段を更に有する。この取付手段は、前記ソケット部と前記支持板とを取り付ける取付部材と、この取付部材と前記支持板との間に介在するスプリングとを有した構成となっている。
【0008】
また、前記照明装置は、先端部が前記ソケット部の接続面よりも上方に突出し且つ前記蛍光ランプの口金を弾性保持する保持部を更に有した構成とすることができる。この場合、前記ソケット部の接続面には前記保持部に保持されることより前記蛍光ランプの口金に押圧されるパッキン部が設けられている。
【0009】
前記支持板は、前記一対の溝部に前記筐体の長さ方向に沿って移動自在に嵌まり込むようにしても良い。この場合、前記筐体の長さ方向の一方の内壁面と前記ソケット部との間には弾性体を介在させる。
【0010】
前記ソケット部の前記長さ方向の一端部には、蛍光ランプの口金が当接する突起部を設けることができる。この突起部は蛍光ランプの口金をガイドし、当該蛍光ランプのピンを前記ソケット部の接続面の接続穴に挿入させるようになっていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に係る照明装置による場合、筐体の幅方向の両内壁面に、幅寸法が前記支持板の厚み寸法よりも若干大きい一対の溝部が長さ方向に沿って設けられている。ソケット部を支持する支持板は前記一対の溝部に遊嵌されるようになっている。このため、取付面の反りや歪みに応じて、前記支持板の両端部が一対の溝部内で揺動し、当該取付面の反りや歪みを吸収する。従って、反りや歪みのある取付面に取り付けた場合であっても、蛍光ランプを直線的に保持することができ且つ蛍光ランプとの安定した電気接続を図ることができる。
【0012】
本発明の請求項2に係る照明装置による場合、前記ソケット部を前記支持板に揺動可能に取り付けるための取付手段が、前記ソケット部と前記支持板とを取り付ける取付部材と、この取付部材と前記支持板との間に介在するスプリングとを有した構成となっている。このため、取付面の反りや歪みに応じて、スプリングが取付部材と支持板との間で各々圧縮され、その反りや歪みを吸収することができるので、請求項1の照明装置よりも更に大きな反りや歪みのある取付面に取り付けた場合であっても、蛍光ランプを直線的に保持することができ且つ蛍光ランプとの安定した電気接続を図ることができる。
【0013】
本発明の請求項3に係る照明装置による場合、保持部が蛍光ランプの口金を弾性保持することにより、当該蛍光ランプの口金が前記ソケット部の接続面のパッキン部に押圧するようになっている。このため、蛍光ランプの口金とソケット部の接続面との密閉性を保つことができるので、風雨に晒される屋外への設置に適した照明装置とすることができる。
【0014】
本発明の請求項4に係る照明装置による場合、支持板が筐体の一対の溝部に当該筐体の長さ方向に沿って移動自在に嵌まり込んでおり、前記筐体の長さ方向の一方の内壁面と前記ソケット部との間には弾性体が介在している。このため、蛍光ランプをソケット部に取り付けると、当該ソケット部が、前記支持板と共に、前記長さ方向に沿って移動し、前記弾性体が弾性変形する。これにより、前記蛍光ランプの長さの寸法公差を吸収することができるので、蛍光ランプを取り付け易くすることができる。
【0015】
本発明の請求項5に係る照明装置による場合、前記ソケット部の前記長さ方向の一端部には、蛍光ランプの口金が当接する突起部が設けられているので、蛍光ランプを取り付ける際に、蛍光ランプの口金を前記突起部に当接させることにより、ソケット部及び支持板を前記長さ方向に移動させることができるので、蛍光ランプを更に取り付け易くすることができる。
【0016】
本発明の請求項6に係る照明装置による場合、前記突起部は蛍光ランプの口金をガイドし、当該蛍光ランプのピンを前記ソケット部の接続面の接続穴に挿入させるようになっているので、蛍光ランプを更に取り付け易くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係る照明装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態に係る照明装置の概略的正面図、図2は同装置に使用される蛍光ランプを示す図であって、( a) が正面図、( b)が長さ方向の一端部の側面図、図3は同装置の側面図、図4は同装置の長さ方向の一端部の一部の内部構造を示した概略的平面図、図5は同装置のAーA断面図であって、( a) が蛍光ランプを取り付けた状態を示す図、( b) が蛍光ランプを取り外し状態を示す図、図6は同装置の長さ方向の一端部のBーB断面図、図7は同装置のCーC断面図、図8は同装置の模式的AーA断面図であって、( a) が支持板が第1の溝部内をα方向に揺動した状態を示す図、( b)はソケット部が支持板上でα方向に揺動した状態を示す図、図9は同装置の長さ方向の一端部の模式的BーB断面図であって、( a) が支持板が第1の溝部内をβ方向に揺動した状態を示す図、( b)はソケット部が支持板上でβ方向に揺動した状態を示す図、図10は同装置のソケット部の設計変更例を示す図であって、( a) が側面図、( b)が平面図、図11は同装置のソケット部の別の設計変更例を示す図であって、( a) が正面図、( b)が長さ方向の一端部の側面図である。
【0018】
ここに掲げる照明装置は、蛍光ランプLの口金20から突出したピン21が接続されるソケット部100と、このソケット部100を支持する支持板200と、ソケット部100を支持板200に揺動可能に取り付けるための取付手段300と、蛍光ランプLの口金20を弾性保持する保持部400と、ソケット部100の接続面を露出させた状態で、ソケット部100、支持板200、取付手段300及び保持部400の基端部を収容する筐体500と、この筐体500の板部530とソケット部100との間に介在する弾性体600とを具備している。
【0019】
一方、前記照明装置にセットされる蛍光ランプLは、図1及び図2に示すように、ランプ本体10と、このランプ本体10の長さ方向の両端部に、当該長さ方向と直交する方向に向けて設けられた一対の口金20とを有する。この口金20の下面には、一対のピン21が設けられている。また、口金20の幅方向の両側面には、長さ方向に向けた一対の凸脈22が設けられている。
【0020】
以下、前記照明装置の各部について詳しく説明する。
【0021】
筐体500は、図3、図4、図5及び図6に示すように、矩形状の箱であって、断面視凹字状の筐体本体510と、この筐体本体510の上端に置かれる反射板520と、筐体本体510の長さ方向の両端に取り付けられる板部530とを有する。
【0022】
筐体本体510の幅方向の両端部の内壁面の中央部には、図5に示すように、一対の第1の溝部511が長さ方向に沿って設けられている。この筐体本体510の前記内壁面の下端部には、一対の第2の溝部512が長さ方向に沿って設けられている。また、筐体本体510の幅方向の両端部の先端には、反射板520の係止片522を係止するための係止凸部513が設けられている。
【0023】
第1の溝部511は、支持板200が揺動可能に遊嵌する溝であって、幅寸法が支持板200の厚み寸法よりも若干大きくなっている。この第1の溝部511の幅方向の一対のリブ部は、支持板200の揺動可能範囲を規制する機能を果たす。また、第1の溝部511は、その長さ寸法が支持板200の長さ寸法よりも長くなっており、支持板200を長さ方向に移動自在に保持する。第2の溝部512は、後述する反射板固定金具700が取り付けられる溝である。
【0024】
板部530は、図3に示すように、下方の一対の角部が切り欠かれており、当該切欠き部が筐体本体510に取り付けられた状態で、気温の寒暖等により筐体本体510に溜まった水を抜くための水抜孔531となる。また、板部530には、後述する点灯装置に接続された図示しない電源ケーブルを外部に導出するための導出孔532が設けられている。
【0025】
反射板520は、少なくとも蛍光ランプLのランプ本体10と対向する面が反射加工された板状体である。この反射板520の長さ方向の両端部には、図4に示すように、ソケット部100を外部に露出させるための一対の切欠き部521が設けられている。この反射板520の幅方向の両端部には、筐体本体510の幅方向の両端部の係止凸部513に係止される係止片522が設けられている。この係止片522が筐体本体510の係止凸部513に係止されることにより、反射板520が筐体510の上面開口を塞ぐ蓋として機能する。
【0026】
反射板固定金具700は、図7に示すように、断面視Ω状に折り曲げた板状体であって、幅方向の両端部が筐体本体510の一対の第2の溝部512に嵌まり込むことにより、当該筐体本体510に取り付けられる。この反射板固定金具700の頂部が反射板520とネジ止めされることにより、反射板520を筐体本体510に固定する。
【0027】
ソケット部100は、図5及び図6に示すように、ソケット本体110と、このソケット本体110が嵌まり込むボディ120とを有する。
【0028】
ソケット本体110は、図4に示すように、上面( 即ち、接続面) に蛍光ランプLの一対のピン21が挿入される一対の接続穴111が設けられている。また、ソケット本体110の上面の一対の接続穴111の回りには、略円形のゴム製のパッキン部112が設けられている。ソケット本体110の内部には、一対の接続穴111に挿入された一対のピン21と電気的に接続される図示しない一対の端子部と、この一対の端子部と電気的に接続された一対の電線113とが設けられている。この電線113は一端部がソケット本体110の外部に引き出されており、蛍光ランプLを点灯させるための図示しない点灯装置に接続される。
【0029】
ボディ120は、図5及び図6に示すように、ソケット本体110が嵌まり込む嵌合部121と、蛍光ランプLの口金20が当接する突起部122と、弾性体600をガイドし且つ保持するためのガイド突起123とを有している。嵌合部121はボディ120の長さ方向の一端側の上面に設けられた凹部である。
【0030】
突起部122はボディ120の長さ方向の他端部( 即ち、一端部) に上方に向けて設けられた断面視L字状の部材であって、上端部が蛍光ランプLの口金20の後端部の形状に沿う円弧状となっている。この突起部122が蛍光ランプLの口金20に押されることにより、ボディ120、ソケット本体110及び支持板200が筐体500の長さ方向に移動する。また、突起部122は、蛍光ランプLの口金20の後端部をガイドし、当該蛍光ランプLの一対のピン21をソケット本体110の一対の接続穴111に導くようになっている。
【0031】
ガイド突起123は、図6に示すように、ボディ120の長さ方向の他端部の突起部122の下方位置に設けられた円柱体である。
【0032】
保持部400は、図4、図5及び図6に示すように、ソケット部100のボディ120の下面に取り付けられる凹字状の弾性部材であって、先端部がソケット部100の上面よりも上方に突出している。この保持部400の先端部は、4つに分割され、内側に向けて略く字状に折り曲げた爪部410が各々設けられている。この爪部410が蛍光ランプLの口金20の凸脈22を係止することにより、蛍光ランプLを保持する。なお、保持部400の先端部を4つに分割したことにより、蛍光ランプLの口金20が着脱し易い保持力としている。
【0033】
支持板200は、図5に示すように、断面視逆Ω状に折り曲げた板状体である。この支持板200は、その幅方向の両端部が筐体500の一対の第1の溝部511に揺動可能に遊嵌すると共に、一対の第1の溝部511に長さ方向に移動自在に保持される。
【0034】
取付手段300は、図5及び図6に示すように、ソケット部100のボディ120の下面に支持板200及び保持部400を取り付ける一対の取付部材310と、この一対の取付部材310のヘッド部と支持板200との間に介在する一対のスプリング320とを有する。一対の取付部材310は、支持板200及び保持部400の図示しない孔部に通され、ボディ120の図示しないネジ穴に螺合するネジ部材である。この一対の取付部材310は、ボディ120の幅方向に並べて取り付けられる。
【0035】
一対のスプリング320は、コイルスプリングであって、詳しくは後述するが、支持板200の揺動可能範囲を超えた場合に、当該支持板200と取付部材310のヘッド部との間で各々圧縮される。これにより、ソケット部100が支持板200上で揺動し、取付面の反りや歪みを吸収する。
【0036】
弾性体600は、図4及び図6に示すように、中央部が凸となるように湾曲させた板バネである。この弾性体600の中央部には、ガイド突起123が挿入される円形の開口610が設けられている。即ち、弾性体600は、中央部の開口610にボディ120のガイド突起123が挿入される一方、長さ方向の両端部が筐体500の板部530の内面( 即ち、長さ方向の内壁面) に当接することにより、筐体500の板部530とボディ120との間に介在する。
【0037】
以下、このような構成の照明装置の組み立て方法について説明する。まず、筐体500の筐体本体510に板部530を取り付けると共に、反射板固定金具700の両端部を筐体本体510の一対の第2の溝部512に嵌め込む。
【0038】
その一方で、ソケット部100を組み立てる。まず、ソケット部100のソケット本体110をボディ120の嵌合部121に嵌合させる。そして、ボディ120に保持部400及び支持板200を取付手段300の取付部材310により取り付ける。このとき、取付部材310のヘッド部と支持板200との間には、スプリング320を介在させる。その後、弾性体600の開口610にボディ120のガイド突起123を挿入する。
【0039】
このように組み立てられたソケット部100のボディ120に取り付けられた支持板200の両端部を、筐体本体510の一対の第1の溝部511に嵌め込む。これにより、弾性体600が筐体500の板部530の内面とボディ120との間に介在する。
【0040】
その後、筐体本体510上に反射板520を置き、当該反射板520と反射板固定金具700とをネジ止めする。
【0041】
以下、このようにして組み立てられた前記照明装置の使用方法を説明すると共に、各部の動作について説明する。まず、筐体500を反り又は歪みがある取付面に取り付ける。すると、筐体500が取付面の反り又は歪みに応じて反る又は歪む。
【0042】
その後、ソケット部100のソケット本体110に蛍光ランプLの口金20を近づける。すると、蛍光ランプLの口金20がソケット部100のボディ120の突起部122にガイドされ、当該蛍光ランプLの一対のピン21がソケット本体110の一対の接続穴111に挿入される。
【0043】
このとき、保持部400の先端部の爪部410が蛍光ランプLの口金20の凸脈22を乗り越えて係止し、蛍光ランプLを保持する。このように蛍光ランプLが保持部400に保持されると、当該保持部400の付勢力により蛍光ランプLの口金20をソケット本体110のパッキン部112に押圧させる。これにより、蛍光ランプLとソケット本体110との間の密閉性が保たれる。
【0044】
この蛍光ランプLの取付過程において、支持板200の両端部が、ソケット部100と共に、筐体500の筐体本体510の一対の第1の溝部511内を、図8及び図9に示すように、α方向又はβ方向に揺動する。
【0045】
前記取付面の反りや歪みが大きい場合には、α方向に揺動した支持板200は、図8( b)に示すように、幅方向の一端部が一方の第1の溝部511の幅方向の一端部に当接し、幅方向の他端部が他方の第1の溝部511の幅方向の他端部に当接する( 即ち、支持板200の揺動が許容範囲を超える) 。すると、取付手段300の一方のスプリング320が、他方のスプリング320よりも、当該支持板200と取付部材310のヘッド部との間で圧縮される。これにより、ソケット部100が支持板200上でα方向に揺動する( 支持板200から浮き上がる) 。
【0046】
β方向に揺動した支持板200は、図9( b)に示すように、幅方向の両端部の一端部が一対の第1の溝部511の幅方向の一端部に当接し、幅方向の両端部の他端部が一対の第1の溝部511の幅方向の他端部に当接する( 即ち、支持板200の揺動が許容範囲を超える) 。すると、取付手段300の一対のスプリング320の第2方向の一方側の部位が、他方側の部位よりも、当該支持板200と取付部材310のヘッド部との間で圧縮される。これにより、ソケット部100が支持板200上でβ方向に揺動する( 支持板200から浮き上がる) 。
【0047】
なお、前記取付面の反りや歪みによっては、支持板200がα方向及びβ方向を複合した方向に揺動する場合がある。当該取付面の反りや歪みが大きい場合には、取付手段300の一対のスプリング320が、上述した圧縮を複合した形で圧縮される。これにより、ソケット部100が支持板200上で第1及びβ方向を複合した方向に揺動する( 支持板200から浮き上がる) 。このようにして筐体500を通じて作用する取付面の各種の反り又は歪みが吸収され、蛍光ランプLを直線的に保持することが可能になる。
【0048】
また、蛍光ランプLの取付過程において、蛍光ランプLの口金20にソケット部100のボディ120の突起部122が押されると、当該ボディ120、ソケット本体110及び支持板200が筐体本体510の一対の第1の溝部511内を長さ方向に沿って移動する。これにより、弾性体600が筐体500の板部530とボディ120との間で圧縮され、蛍光ランプLの長さの寸法公差を吸収する。
【0049】
このような照明装置による場合、取付面の反りや歪みに応じて、支持板200の両端部が筐体500の一対の第1の溝部511内で揺動し、当該取付面の反りや歪みを吸収する。しかも、前記取付面の反りや歪みが大きく、当該反りや歪みを支持板200の揺動で吸収できない場合には、取付手段300の一対のスプリング320が一対の取付部材310のヘッド部と支持板200との間で各々圧縮され、その反りや歪みを吸収することができる。従って、各種の反りや歪みのある取付面に取り付けた場合であっても、蛍光ランプLを直線的に保持することができ且つ蛍光ランプLとの安定した電気接続を図ることができる。
【0050】
更に、蛍光ランプLの取付過程において、蛍光ランプLの口金20にソケット部100のソケット部100のボディ120の突起部122が押されることにより、ソケット部100及び支持板200が筐体本体510の一対の第1の溝部511内を長さ方向に沿って移動し、弾性体600が筐体500の板部530とボディ120との間で圧縮されることにより、蛍光ランプLの長さの寸法公差を吸収するようになっている。よって、蛍光ランプLの寸法公差により、当該蛍光ランプLのソケット部100への取り付け又は電気接続が困難になるのを防止することができる。
【0051】
なお、この照明装置については、蛍光ランプの口金から突出したピンが接続されるソケット部と、このソケット部を支持する支持板と、前記ソケット部の接続面を露出させた状態で、当該ソケット部及び支持板を収容する筐体とを備えており、前記筐体の幅方向の両内壁面には、幅寸法が前記支持板の厚み寸法よりも若干大きい一対の溝部が長さ方向に沿って設けられており、前記支持板は前記一対の溝部に遊嵌されるようになっている限りどのような設計変更を行ってもかまわない。
【0052】
ソケット部100については、ソケット本体110とボディ120とを有するとしたが、図10に示すように、これらを一体的に設けることも可能である。また、ソケット部100のソケット本体110には、パッキン部112が設けられているとしたが、設けるか否かは任意である。更に、ソケット部100のボディ120には、突起部122が設けられているとしたが、設けるか否かは任意である。即ち、図11に示すように、突起部122を省略することができる。この突起部122については、蛍光ランプLの口金20が当接することにより、ボディ120を筐体500の長さ方向に移動させるものであれば良く、その形状は任意である。
【0053】
支持板200については、ソケット部100を支持でき且つ筐体500の一対の第1の溝部511に遊嵌可能であれば、どのような物であってもかまわない。即ち、支持板200の形状は、断面視略逆Ω字状であるとしたが、これに限定されるものではない。
【0054】
取付手段300については、設けるか否かは任意である。この場合、支持板200とソケット部100とは、接着剤や両面テープ等で接着させるようにしても良いし、図11に示すように、ネジやピン等で取り付けるようにしても良い。勿論、支持板200とソケット部100とを一体的に構成することも可能である。この取付手段は、取付部材310が2つ、スプリング320が2つであるとしたが、これに限定されるものではない。即ち、1又は3以上の取付部材310、スプリング320を有するように設計変更することが可能である。また、一対の取付部材310は、ボディ120の下面に、幅方向に並べて取り付けられるとしたが、ボディ120の下面に、長さ方法に並べて取り付けることも可能である。なお、取付部材310は、ピン等で代用可能であることはいう迄もない。
【0055】
保持部400については、先端部がソケット部100の接続面よりも上方に突出し且つ蛍光ランプLの口金20を弾性保持し得るものであればどのような物であってもかまわない。この保持部400は、ソケット部100のソケット本体110にパッキン部112が設けられている場合には、爪部410を有していることが望ましいが、有していないくても良い。また、保持部400はソケット部100と一体的に設けることが可能である。保持部400の先端部は、図11に示すように、4つに分割しなくても良い。なお、4つ以外に分割することが可能であることはいう迄もない。
【0056】
筐体500については、幅方向の内壁面に一対の第1の溝部511が設けられている箱体であれば、どのようなものを用いてもかまわない。この第1の溝部511は、幅寸法が支持板200の厚み寸法よりも若干大きいものであれば良い。
【0057】
弾性体600については、支持板200が筐体500の第1の溝部511を長さ方向に移動可能となっていない場合には、設ける必要がない。この弾性体600は、板バネであるとしたが、コイルスプリング等のその他のバネ材やゴム等の弾性体で代用可能である。
【0058】
蛍光ランプLについては、口金20がランプ本体10の長さ方向の両端部に、当該長さ方向と直交する方向に設けられているものであるとしたが、これに限定されるものではない。即ち、口金がランプ本体の長さ方向の両端部に長さ方向に沿って設けられている蛍光ランプにおいても、一応適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態に係る照明装置の概略的正面図である。
【図2】同装置に使用される蛍光ランプを示す図であって、( a) が正面図、( b)が長さ方向の一端部の側面図である。
【図3】同装置の側面図である。
【図4】同装置の長さ方向の一端部の一部の内部構造を示した平面図である。
【図5】同装置のAーA断面図であって、( a) が蛍光ランプを取り付けた状態を示す図、( b) が蛍光ランプを取り外し状態を示す図である。
【図6】同装置の長さ方向の一端部のBーB断面図である。
【図7】同装置のCーC断面図である。
【図8】同装置の模式的AーA断面図であって、( a) が支持板が第1の溝部内をα方向に揺動した状態を示す図、( b)はソケット部が支持板上でα方向に揺動した状態を示す図である。
【図9】同装置の長さ方向の一端部の模式的BーB断面図であって、( a) が支持板が第1の溝部内をβ方向に揺動した状態を示す図、( b)はソケット部が支持板上でβ方向に揺動した状態を示す図である。
【図10】同装置のソケット部の設計変更例を示す図であって、( a) が側面図、( b)が平面図である。
【図11】同装置のソケット部の別の設計変更例を示す図であって、( a) が正面図、( b)が長さ方向の一端部の側面図である。
【符号の説明】
【0060】
L 蛍光ランプ
10 ランプ本体
20 口金
21 ピン
100 ソケット部
110 ソケット本体
111 接続穴
120 ボディ
122 突起部
200 支持板
300 取付手段
310 取付部材
320 スプリング
400 保持部
500 筐体
511 溝部
600 弾性体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光ランプの口金から突出したピンが接続されるソケット部と、このソケット部を支持する支持板と、前記ソケット部の接続面を露出させた状態で、当該ソケット部及び支持板を収容する筐体とを備えており、
前記筐体の幅方向の両内壁面には、幅寸法が前記支持板の厚み寸法よりも若干大きい一対の溝部が長さ方向に沿って設けられており、
前記支持板は前記一対の溝部に遊嵌されるようになっていることを特徴とすることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1記載の照明装置において、前記支持板に前記ソケット部を揺動可能に取り付けるための取付手段を有し、この取付手段は、前記ソケット部に前記支持板を取り付ける取付部材と、この取付部材と前記支持板との間に介在するスプリングとを有した構成となっていることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の照明装置において、先端部が前記ソケット部の接続面よりも上方に突出し且つ前記蛍光ランプの口金を弾性保持する保持部を有し、
前記ソケット部の接続面には前記保持部に保持されることより前記蛍光ランプの口金に押圧されるパッキン部が設けられていることを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項1記載の照明装置において、前記支持板は、前記一対の溝部に前記筐体の長さ方向に沿って移動自在に嵌まり込んでおり、前記筐体の長さ方向の一方の内壁面と前記ソケット部との間には弾性体が介在していることを特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項4記載の照明装置において、前記ソケット部の前記長さ方向の一端部には、蛍光ランプの口金が当接する突起部が設けられていることを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項5記載の照明装置において、前記突起部は蛍光ランプの口金をガイドし、当該蛍光ランプのピンを前記ソケット部の接続面の接続穴に挿入させるようになっていることを特徴とする照明装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2008−218211(P2008−218211A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−54317(P2007−54317)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【出願人】(000111166)ニッポ電機株式会社 (21)
【出願人】(000195029)星和電機株式会社 (143)
【Fターム(参考)】