照明装置
【課題】目に優しく且つ照射面の照度を高くすることができる照明装置を提供する。
【解決手段】光源としての発光ダイオード8が設けられた灯具本体5と、前記発光ダイオード8の照射側を覆う透光体6とを有する照明装置としての電気スタンド1において、前記灯具本体5に対して前記透光体6を可動に設けると共に、この透光体6に、前記発光ダイオード8に対応して、透明部15と散光部16を前記透光体6の移動方向に並べて設けたことで、前記発光ダイオード8が照射した光が前記散光部16を通過すると、光が散乱して柔らかくなり、目に優しくすることができると共に、前記発光ダイオード8の照射した光に色斑があっても、散乱により混色されるので、色斑が目立たなくなる。また、前記透光体6を移動させることで、前記発光ダイオード8が照射した光が前記透明部15を通過すると、光を殆ど散乱させずに強い光を得ることができる。
【解決手段】光源としての発光ダイオード8が設けられた灯具本体5と、前記発光ダイオード8の照射側を覆う透光体6とを有する照明装置としての電気スタンド1において、前記灯具本体5に対して前記透光体6を可動に設けると共に、この透光体6に、前記発光ダイオード8に対応して、透明部15と散光部16を前記透光体6の移動方向に並べて設けたことで、前記発光ダイオード8が照射した光が前記散光部16を通過すると、光が散乱して柔らかくなり、目に優しくすることができると共に、前記発光ダイオード8の照射した光に色斑があっても、散乱により混色されるので、色斑が目立たなくなる。また、前記透光体6を移動させることで、前記発光ダイオード8が照射した光が前記透明部15を通過すると、光を殆ど散乱させずに強い光を得ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源として発光ダイオードを用いた照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の照明装置としては、器具本体(本願発明の灯具本体に相当する)に、光源としての発光ダイオードを設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、このような照明装置では、一般的に、白色又は電球色の発光ダイオードが用いられるのが一般的である。
【特許文献1】特開2007−200719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような照明装置においては、発光ダイオードから照射された光が、中心部と周辺部とで異なった色調になってしまうという問題が生ずることがあった。これは、発光ダイオードの半導体チップから放出された光と、この光によって励起されて発する補色の蛍光とを混色することで、白色光を作り出している発光ダイオード自体の構造に起因するものである。即ち、半導体チップから放出された光と蛍光とが一様に混ざらなかった場合、上述の問題が生ずる。この問題は、発光ダイオード自体に、或いは発光ダイオードの照射側を覆うように、散光部を設けることで解決することができる。しかしながら、前者の構造の場合、部品の選択の幅が狭まってしまうという問題がある。また、上述したように散光部を設けると、光が柔らかくなって強い影ができず、目に優しくなるという利点があるものの、照射光が分散することによって、照射面の照度が低下するという欠点があった。
【0004】
本発明は以上の問題点を解決し、目に優しく、且つ照射面の照度を高くすることができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載の照明装置は、光源としての発光ダイオードが設けられた灯具本体と、前記発光ダイオードの照射側を覆う透光体とを有する照明装置において、前記透光体を前記灯具本体に対して可動に設けると共に、前記発光ダイオードに対応して、前記透光体に透明部と散光部を前記透光体の移動方向に並べて設けたものである。
【0006】
また、本発明の請求項2に記載の照明装置は、請求項1において、前記透光体を透明な材質にて構成すると共に、前記透光体の一部の表面を粗くすることで前記散光部を形成したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の請求項1に記載の照明装置は、以上のように構成することにより、通常の使用においては、前記発光ダイオードから照射された光が前記散光部を通過するようにすることで、光を適度に散乱させて柔らかくし、目に優しくすることができると共に、前記発光ダイオードから照射された光の中心と周辺とで色斑があったとしても、散乱によって混色されるので、色斑を目立たせなくすることができる。また、明るさが必要な場合に、前記透光体を移動させて、前記発光ダイオードから照射された光が前記透明部を通過するようにすることで、光を殆ど散乱させずに強い光を得ることができる。
【0008】
また、前記透光体の一部の表面を粗くして前記散光部を形成することで、前記透光体を一体成形することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の第一の実施形態について、図1乃至図3に基づいて説明する。1は照明装置としての電気スタンドである。この電気スタンド1は、基部2と、この基部2から上方に伸びて設けられた腕部3と、この腕部3の先端に設けられた灯具4とを有して構成されている。なお、前記基部2には、図示しない点灯回路とスイッチとが設けられている。
【0010】
前記灯具4は、灯具本体5と、透光体6とを有して構成されている。前記灯具本体5の外殻体7内には、光源としての複数の発光ダイオード8が設けられている。なお、本例では前記発光ダイオード8を複数設けているが、出力が十分高ければ、前記発光ダイオード8を一つだけ設けても良い。また、これらの発光ダイオード8は、放熱板9に伝熱的に取り付けられている。また、前記灯具本体5の外殻体7における前記発光ダイオード8の照射側には、凹部10が設けられていると共に、この凹部10に、前記発光ダイオード8から照射される光を通過させるための開口部11及び前記透光体6を案内するための案内溝12が形成されている。また、前記発光ダイオード8と開口部11との間には、前記発光ダイオード8に対応して反射体13が設けられている。更に、前記外殻体7には、前記放熱板9に対応して、多数の放熱孔14が形成されている。
【0011】
前記透光体6は、透明な合成樹脂によって一体に成形されている。そして、前記透光体6には、前記案内溝12に対応して図示しない摺動突起が設けられている。即ち、前記透光体6は、図示しない前記摺動突起が前記案内溝12を摺動するように、前記灯具本体5に対して移動可能に取り付けられている。なお、本例では、複数の前記発光ダイオード8の並び方向と、前記透光体6の移動方向とが一致する。そして、前記透光体6には、表面が平滑に形成された透明部15と、表面が粗く形成された散光部16とが、それぞれ前記発光ダイオード8と同数ずつ、前記透光体6の移動方向に並んで交互に設けられている。なお、前記透光体6の一部の表面を平滑にすることで前記透明部15を形成し、前記透光体6の一部の表面を粗くすることで前記散光部16を形成することができるので、部品点数を少なくして組み立て工数を減少させることができる。また、前記各透明部15の中心間距離Dt及び前記各散光部16の中心間距離Ddは、それぞれ前記各発光ダイオード8の中心間距離Dlと一致する。また、前記透光体6には、この透光体6を前記案内溝12に沿って移動させるための指掛部17が形成されている。
【0012】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず使用者は、使用目的に応じて、予め前記透光体6を灯具本体5に対して移動させておく。なお、通常の使用においては、図3に示すように、前記散光部16によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。そして、使用者は、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作する。このスイッチが操作されると、図示しない前記点灯回路によって、前記灯具4の発光ダイオード8に電力が供給され、これらの発光ダイオード8が点灯する。
【0013】
前記発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体13によって反射された後、前記散光部16を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、適度に散乱することになる。従って、前記散光部16を通過した光は、通過前の光に比べて弱くなるものの、強い影ができない柔らかく目に優しいものとなる。また、前述したように、前記発光ダイオード8からの照射光の中心と周辺とで色斑が生じたとしても、照射光が前記散光部16を通過する際に適度に散乱することで混色されるので、色斑を目立たせなくすることができる。
【0014】
そして、明るさが必要な作業を行う場合、図2に示すように、前記透光体6を移動させ、前記透明部15によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。そして、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作して、前記発光ダイオード8を点灯させる。これらの発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体13によって反射された後、前記透明部15を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、殆ど散乱することなく、前記透明部15を通過する。従って、前記透明部15を通過した光は、色斑及び強くはっきりした影が生じてしまうという欠点はあるものの、通過前の光に比べて殆ど弱くなることなく、被照射面を明るく照らすことができる。
【0015】
以上のように本発明は、光源としての発光ダイオード8が設けられた灯具本体5と、前記発光ダイオード8の照射側を覆う透光体6とを有する照明装置としての電気スタンド1において、前記灯具本体5に対して前記透光体6を可動に設けると共に、この透光体6に、前記発光ダイオード8に対応して、透明部15と散光部16を前記透光体6の移動方向に並べて設けたことで、通常の使用においては、前記発光ダイオード8から照射された光が前記散光部16を通過するようにすることで、光を適度に散乱させて柔らかくし、目に優しくすることができると共に、前記発光ダイオード8から照射された光の中心と周辺とで色斑があっても、散乱によって混色されるので、色斑を目立たせなくすることができるものである。また、明るさが必要な場合に、前記透光体6を移動させて、前記発光ダイオード8から照射された光が前記透明部15を通過するようにすることで、光を殆ど散乱させずに強い光を得ることができるものである。更に、前記透光体6の一部の表面を平滑にして前記透明部15を形成すると共に、一部の表面を粗くして前記散光部16を形成することで、前記透光体6を一体成形することができるものである。
【0016】
次に、本発明の第二の実施形態について、図4乃至図6に基づいて説明する。20は照明装置としての電気スタンドである。この電気スタンド20は、基部2と、この基部2から上方に伸びて設けられた腕部3と、この腕部3の先端に設けられた灯具21とを有して構成されている。なお、前記基部2には、図示しない点灯回路とスイッチとが設けられている。
【0017】
前記灯具21は、灯具本体5と、透光体22とを有して構成されている。前記灯具本体5の外殻体7内には、光源としての複数の発光ダイオード8が設けられている。なお、本例では前記発光ダイオード8を複数設けているが、出力が十分高ければ、前記発光ダイオード8を一つだけ設けても良い。また、これらの発光ダイオード8は、放熱板9に伝熱的に取り付けられている。また、前記灯具本体5の外殻体7における前記発光ダイオード8の照射側には、凹部10が設けられていると共に、この凹部10に、前記発光ダイオード8から照射される光を通過させるための開口部11及び前記透光体22を案内するための案内溝12が形成されている。また、前記発光ダイオード8と開口部11との間には、前記発光ダイオード8に対応して反射体13が設けられている。更に、前記外殻体7には、前記放熱板9に対応して、多数の放熱孔14が形成されている。
【0018】
前記透光体22は、透明な合成樹脂によって成形されている。そして、前記透光体22には、前記案内溝12に対応して図示しない摺動突起が設けられている。即ち、前記透光体22は、図示しない前記摺動突起が前記案内溝12を摺動するように、前記灯具本体5に対して移動可能に取り付けられている。なお、本例では、複数の前記発光ダイオード8の並び方向と、前記透光体22の移動方向とが一致する。そして、前記透光体22には、表面が平滑に形成された凹部23が、前記発光ダイオード8の2倍、前記透光体22の移動方向に並んで設けられている。そして、前記凹部23の半数、即ち前記発光ダイオード8と同数に、散光フィルタ24が取り付けられている。なお、前記散光フィルタ24は、前記凹部23に一つおきに取り付けられる。これによって、前記散光フィルタ24が取り付けられない前記凹部23が透明部25となり、前記散光フィルタ24が取り付けられた前記凹部23が散光部26となる。そして、前記透光体22には、前記透明部25と散光部26とが交互に設けられる。また、前記各透明部25の中心間距離Dt及び前記各散光部26の中心間距離Ddは、それぞれ前記各発光ダイオード8の中心間距離Dlと一致する。更に、前記透光体22には、この透光体22を前記案内溝12に沿って移動させるための指掛部27が形成されている。
【0019】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず使用者は、使用目的に応じて、予め前記透光体22を灯具本体5に対して移動させておく。なお、通常の使用においては、図6に示すように、前記散光部26によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。そして、使用者は、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作する。このスイッチが操作されると、図示しない前記点灯回路によって、前記灯具20の発光ダイオード8に電力が供給され、これらの発光ダイオード8が点灯する。
【0020】
前記発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体13によって反射された後、前記散光部26を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、前記散光フィルタ24によって適度に散乱することになる。従って、前記散光部26を通過した光は、通過前の光に比べて弱くなるものの、強い影ができない柔らかく目に優しいものとなる。また、前述したように、前記発光ダイオード8からの照射光の中心と周辺とで色斑が生じたとしても、照射光が前記散光フィルタ24を通過する際に適度に散乱することで混色されるので、色斑を目立たせなくすることができる。
【0021】
そして、明るさが必要な作業を行う場合、図5に示すように、前記透光体22を移動させ、前記透明部25によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。そして、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作して、前記発光ダイオード8を点灯させる。これらの発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体13によって反射された後、前記透明部25を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、殆ど散乱することなく、前記透明部25を通過する。従って、前記透明部25を通過した光は、色斑及び強くはっきりした影が生じてしまうという欠点はあるものの、通過前の光に比べて殆ど弱くなることなく、被照射面を明るく照らすことができる。
【0022】
以上のように本発明は、光源としての発光ダイオード8が設けられた灯具本体5と、前記発光ダイオード8の照射側を覆う透光体22とを有する照明装置としての電気スタンド20において、前記灯具本体5に対して前記透光体22を可動に設けると共に、この透光体22に、前記発光ダイオード8に対応して、透明部25と散光部26を前記透光体22の移動方向に並べて設けたことで、通常の使用においては、前記発光ダイオード8から照射された光が前記散光部26を通過するようにすることで、光を適度に散乱させて柔らかくし、目に優しくすることができると共に、前記発光ダイオード8から照射された光の中心と周辺とで色斑があっても、散乱によって混色されるので、色斑を目立たせなくすることができるものである。また、明るさが必要な場合に、前記透光体22を移動させて、前記発光ダイオード8から照射された光が前記透明部25を通過するようにすることで、光を殆ど散乱させずに強い光を得ることができるものである。
【0023】
次に、本発明の第三の実施形態について、図7乃至図9に基づいて説明する。30は照明装置としての電気スタンドである。この電気スタンド30は、基部2と、この基部2から上方に伸びて設けられた腕部3と、この腕部3の先端に設けられた灯具31とを有して構成されている。なお、前記基部2には、図示しない点灯回路とスイッチとが設けられている。
【0024】
前記灯具31は、灯具本体5と、透光体32とを有して構成されている。前記灯具本体5の外殻体7内には、光源としての複数の発光ダイオード8が設けられている。なお、本例では前記発光ダイオード8を複数設けているが、出力が十分高ければ、前記発光ダイオード8を一つだけ設けても良い。また、これらの発光ダイオード8は、放熱板9に伝熱的に取り付けられている。また、前記灯具本体5の外殻体7における前記発光ダイオード8の照射側には、凹部10が設けられていると共に、この凹部10に、前記発光ダイオード8から照射される光を通過させるための開口部11及び前記透光体32を案内するための案内溝12が形成されている。更に、前記外殻体7には、前記放熱板9に対応して、多数の放熱孔14が形成されている。
【0025】
前記透光体32は、透明な合成樹脂によって成形されている。そして、前記透光体32には、前記案内溝12に対応して図示しない摺動突起が設けられている。即ち、前記透光体32は、図示しない前記摺動突起が前記案内溝12を摺動するように、前記灯具本体5に対して移動可能に取り付けられている。なお、本例では、複数の前記発光ダイオード8の並び方向と、前記透光体32の移動方向とが一致する。そして、前記透光体32には、貫通孔33と、表面が粗く形成された散光部34とが、それぞれ前記発光ダイオード8と同数ずつ、前記透光体6の移動方向に並んで交互に設けられている。そして、前記貫通孔33には、光学樹脂によって形成された透明部としてのレンズ35が取り付けられている。これによって、前記透光体32には、前記透明部としてのレンズ35と散光部34とが交互に設けられる。また、前記各レンズ35の中心間距離Dt及び前記各散光部34の中心間距離Ddは、それぞれ前記各発光ダイオード8の中心間距離Dlと一致する。更に、前記透光体32には、この透光体32を前記案内溝12に沿って移動させるための指掛部36が形成されている。
【0026】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず使用者は、使用目的に応じて、予め前記透光体32を灯具本体5に対して移動させておく。なお、通常の使用においては、図9に示すように、前記散光部34によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。そして、使用者は、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作する。このスイッチが操作されると、図示しない前記点灯回路によって、前記灯具30の発光ダイオード8に電力が供給され、これらの発光ダイオード8が点灯する。
【0027】
前記発光ダイオード8から照射された光は、前記散光部26を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、前記散光部34によって適度に散乱することになる。従って、前記散光部34を通過した光は、通過前の光に比べて弱くなるものの、強い影ができない柔らかく目に優しいものとなる。また、前述したように、前記発光ダイオード8からの照射光の中心と周辺とで色斑が生じたとしても、照射光が前記散光部34を通過する際に適度に散乱することで混色されるので、色斑を目立たせなくすることができる。
【0028】
そして、明るさが必要な作業を行う場合、図8示すように、前記透光体32を移動させ、前記レンズ35によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。そして、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作して、前記発光ダイオード8を点灯させる。これらの発光ダイオード8から照射された光は、前記レンズ35を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、殆ど散乱することなく、光学樹脂製の前記レンズ35を通過する。また、前記レンズ35を通過した光は、前記レンズ35を通過する前の光に比べて、やや集光される。従って、前記レンズ35を通過した光は、色斑及び強くはっきりした影が生じてしまうという欠点はあるものの、通過前の光に比べて殆ど弱くなることなく、被照射面を明るく照らすことができる。
【0029】
以上のように本発明は、光源としての発光ダイオード8が設けられた灯具本体5と、前記発光ダイオード8の照射側を覆う透光体32とを有する照明装置としての電気スタンド30において、前記灯具本体5に対して前記透光体32を可動に設けると共に、この透光体32に、前記発光ダイオード8に対応して、透明部としてのレンズ35と散光部34を前記透光体32の移動方向に並べて設けたことで、通常の使用においては、前記発光ダイオード8から照射された光が前記散光部34を通過するようにすることで、光を適度に散乱させて柔らかくし、目に優しくすることができると共に、前記発光ダイオード8から照射された光の中心と周辺とで色斑があっても、散乱によって混色されるので、色斑を目立たせなくすることができるものである。また、明るさが必要な場合に、前記透光体32を移動させて、前記発光ダイオード8から照射された光が透明部としての前記レンズ35を通過するようにすることで、光を殆ど散乱させずに強い光を得ることができるものである。
【0030】
次に、本発明の第四の実施形態について、図10乃至図12に基づいて説明する。40は照明装置としての電気スタンドである。この電気スタンド40は、基部2と、この基部2から上方に伸びて設けられた腕部3と、この腕部3の先端に設けられた灯具41とを有して構成されている。なお、前記基部2には、図示しない点灯回路とスイッチとが設けられている。
【0031】
前記灯具41は、略円筒状の灯具本体42と、略半円筒状の透光体43とを有して構成されている。そして、この透光体43は、前記灯具本体42に対し、その中心軸回りに回動可能となるよう取り付けられている。また、前記外殻体44の軸方向先端側には、前記透光体43の回動範囲を規制するための当接部45が設けられている。また、前記灯具本体42の外殻体44内には、光源としての複数の発光ダイオード8が設けられている。なお、本例では前記発光ダイオード8を複数設けているが、出力が十分高ければ、前記発光ダイオード8を一つだけ設けても良い。また、これらの発光ダイオード8は、放熱板46に伝熱的に取り付けられている。また、前記灯具本体42の外殻体44における前記発光ダイオード8の照射側には、この発光ダイオード8から照射される光を通過させるための開口部47が形成されている。また、前記発光ダイオード8と開口部47との間には、前記発光ダイオード8に対応して反射体48が設けられている。更に、前記外殻体44には、前記放熱板46に対応して、多数の放熱孔49が形成されている。
【0032】
前記透光体43は、透明な合成樹脂によって成形されている。そして、前記透光体43には、前記当接部45に当接可能な縁部50,51が設けられている。即ち、前記透光体43は、前記灯具本体5に対して、前記縁部50が前記当接部45に当接した状態と、前記縁部51が前記当接部45に当接した状態との間で、回動可能に取り付けられている。なお、本例では、複数の前記発光ダイオード8の並び方向と、前記透光体43の移動方向とが直交する。そして、前記透光体43には、表面が平滑に形成された透明部52と、表面が粗く形成された散光部53とが、それぞれ前記発光ダイオード8と同数ずつ、前記透光体43の回動方向に並んで設けられている。なお、前記透光体43の一部の表面を平滑にすることで前記透明部52を形成し、前記透光体43の一部の表面を粗くすることで前記散光部53を形成することができるので、部品点数を少なくして組み立て工数を減少させることができる。更に、前記透光体43には、この透光体43を回動させるための指掛部54が形成されている。
【0033】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず使用者は、使用目的に応じて、予め前記透光体43を灯具本体42に対して移動させておく。なお、通常の使用においては、図12に示すように、前記散光部53によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。この際、前記透光体43の縁部51を前記当接部45に当接させることで、前記散光部53が前記開口部47と完全に重なる。そして、使用者は、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作する。このスイッチが操作されると、図示しない前記点灯回路によって、前記灯具41の発光ダイオード8に電力が供給され、これらの発光ダイオード8が点灯する。
【0034】
前記発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体48によって反射された後、前記散光部53を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、適度に散乱することになる。従って、前記散光部53を通過した光は、通過前の光に比べて弱くなるものの、強い影ができない柔らかく目に優しいものとなる。また、前述したように、前記発光ダイオード8からの照射光の中心と周辺とで色斑が生じたとしても、照射光が前記散光部53を通過する際に適度に散乱することで混色されるので、色斑を目立たせなくすることができる。
【0035】
そして、明るさが必要な作業を行う場合、図11に示すように、前記透光体43を回動させ、前記透明部52によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。なお、前記透光体43の縁部50が前記当接部45に当接するまで前記透光体43を回動させることで、前記透明部52が前記開口部47と完全に重なる。そして、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作して、前記発光ダイオード8を点灯させる。これらの発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体48によって反射された後、前記透明部52を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、殆ど散乱することなく、前記透明部52を通過する。従って、前記透明部52を通過した光は、色斑及び強くはっきりした影が生じてしまうという欠点はあるものの、通過前の光に比べて殆ど弱くなることなく、被照射面を明るく照らすことができる。
【0036】
以上のように本発明は、光源としての発光ダイオード8が設けられた灯具本体42と、前記発光ダイオード8の照射側を覆う透光体43とを有する照明装置としての電気スタンド40において、前記灯具本体42に対して前記透光体43を回動可能に設けると共に、この透光体43に、前記発光ダイオード8に対応して、透明部52と散光部53を前記透光体43の回動方向に並べて設けたことで、通常の使用においては、前記発光ダイオード8から照射された光が前記散光部53を通過するようにすることで、光を適度に散乱させて柔らかくし、目に優しくすることができると共に、前記発光ダイオード8から照射された光の中心と周辺とで色斑があっても、散乱によって混色されるので、色斑を目立たせなくすることができるものである。また、明るさが必要な場合に、前記透光体43を回動させて、前記発光ダイオード8から照射された光が前記透明部52を通過するようにすることで、光を殆ど散乱させずに強い光を得ることができるものである。更に、前記透光体43の一部の表面を平滑にして前記透明部52を形成すると共に、一部の表面を粗くして前記散光部53を形成することで、前記透光体43を一体成形することができるものである。
【0037】
次に、本発明の第五の実施形態について、図13乃至図15に基づいて説明する。60は照明装置としての電気スタンドである。この電気スタンド60は、基部2と、この基部2から上方に伸びて設けられた腕部3と、この腕部3の先端に設けられた灯具61とを有して構成されている。なお、前記基部2には、図示しない点灯回路とスイッチとが設けられている。
【0038】
前記灯具61は、環状の灯具本体62と、同じく環状の透光体63とを有して構成されている。なお、本例では前記灯具本体62及び透光体63を環状に形成したが、円盤状に形成しても良い。そして、前記灯具本体62の外殻体64内には、光源としての複数の発光ダイオード8が環状に並べて設けられている。また、これらの発光ダイオード8は、放熱板65に伝熱的に取り付けられている。また、前記灯具本体62の外殻体64における前記発光ダイオード8の照射側には、前記発光ダイオード8から照射される光を通過させるための開口部66及び前記透光体6を案内するための案内溝67が形成されている。また、前記発光ダイオード8と開口部66との間には、前記発光ダイオード8に対応して反射体68が設けられている。更に、前記外殻体64には、前記放熱板65に対応して、多数の放熱孔69が形成されている。
【0039】
前記透光体63は、透明な合成樹脂によって一体に成形されている。そして、前記透光体63には、前記案内溝67に対応して摺動突起70が設けられている。即ち、前記透光体63は、前記摺動突起70が前記案内溝67を摺動するように、前記灯具本体62に対して回動可能に取り付けられている。なお、本例では、複数の前記発光ダイオード8の並び方向と、前記透光体63の回動方向とが一致する。そして、前記透光体63には、表面が平滑に形成された透明部71と、表面が粗く形成された散光部72とが、それぞれ前記発光ダイオード8と同数ずつ、前記透光体63の回動方向に並んで交互に設けられている。なお、前記透光体63の一部の表面を平滑にすることで前記透明部71を形成し、前記透光体63の一部の表面を粗くすることで前記散光部72を形成することができるので、部品点数を少なくして組み立て工数を減少させることができる。また、前記各透明部71の中心間距離Dt及び前記各散光部72の中心間距離Ddは、それぞれ前記各発光ダイオード8の中心間距離Dlと一致する。また、前記透光体63には、この透光体63を前記案内溝67に沿って回動させるための指掛部73が形成されている。
【0040】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず使用者は、使用目的に応じて、予め前記透光体63を灯具本体62に対して回動させておく。なお、通常の使用においては、図15に示すように、前記散光部72によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。そして、使用者は、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作する。このスイッチが操作されると、図示しない前記点灯回路によって、前記灯具61の発光ダイオード8に電力が供給され、これらの発光ダイオード8が点灯する。
【0041】
前記発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体68によって反射された後、前記散光部72を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、適度に散乱することになる。従って、前記散光部72を通過した光は、通過前の光に比べて弱くなるものの、強い影ができない柔らかく目に優しいものとなる。また、前述したように、前記発光ダイオード8からの照射光の中心と周辺とで色斑が生じたとしても、照射光が前記散光部72を通過する際に適度に散乱することで混色されるので、色斑を目立たせなくすることができる。
【0042】
そして、明るさが必要な作業を行う場合、図14に示すように、前記透光体63を回動させ、前記透明部71によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。そして、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作して、前記発光ダイオード8を点灯させる。これらの発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体68によって反射された後、前記透明部71を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、殆ど散乱することなく、前記透明部71を通過する。従って、前記透明部71を通過した光は、色斑及び強くはっきりした影が生じてしまうという欠点はあるものの、通過前の光に比べて殆ど弱くなることなく、被照射面を明るく照らすことができる。
【0043】
以上のように本発明は、光源としての発光ダイオード8が設けられた灯具本体62と、前記発光ダイオード8の照射側を覆う透光体63とを有する照明装置としての電気スタンド60において、前記灯具本体62に対して前記透光体63を回動可能に設けると共に、この透光体63に、前記発光ダイオード8に対応して、透明部71と散光部72を前記透光体63の回動方向に並べて設けたことで、通常の使用においては、前記発光ダイオード8から照射された光が前記散光部72を通過するようにすることで、光を適度に散乱させて柔らかくし、目に優しくすることができると共に、前記発光ダイオード8から照射された光の中心と周辺とで色斑があっても、散乱によって混色されるので、色斑を目立たせなくすることができるものである。また、明るさが必要な場合に、前記透光体63を移動させて、前記発光ダイオード8から照射された光が前記透明部71を通過するようにすることで、光を殆ど散乱させずに強い光を得ることができるものである。更に、前記透光体63の一部の表面を平滑にして前記透明部71を形成すると共に、一部の表面を粗くして前記散光部72を形成することで、前記透光体63を一体成形することができるものである。
【0044】
次に、本発明の第六の実施形態について、図16乃至図20に基づいて説明する。80は照明装置としての電気スタンドである。この電気スタンド80は、基部2と、この基部2から上方に伸びて設けられた腕部3と、この腕部3の先端に設けられた灯具81とを有して構成されている。なお、前記基部2には、図示しない点灯回路とスイッチとが設けられている。
【0045】
前記灯具81は、灯具本体82と、第一の透光体83と、第二の透光体84とを有して構成されている。前記灯具本体82の外殻体85内には、光源としての複数の発光ダイオード8が設けられている。なお、本例では前記発光ダイオード8を複数設けているが、出力が十分高ければ、前記発光ダイオード8を一つだけ設けても良い。また、これらの発光ダイオード8は、放熱板86に伝熱的に取り付けられている。また、前記灯具本体82の外殻体85における前記発光ダイオード8の照射側には、凹部87が設けられていると共に、この凹部87に、前記発光ダイオード8から照射される光を通過させるための開口部88と、前記第一の透光体83を案内するための第一の案内溝89と、前記第二の透光体84を案内するための第二の案内溝90が形成されている。なお、前記前記第一の案内溝89は、前記凹部87と前記外殻体85の外面との間を貫通して形成されている。また、前記発光ダイオード8と開口部88との間には、前記発光ダイオード8に対応して反射体91が設けられている。更に、前記外殻体85には、前記放熱板86に対応して、多数の放熱孔92が形成されている。
【0046】
前記第一の透光体83と第二の透光体84は、前記発光ダイオード8の照射方向に重ねて設けられている。そして、前記第一の透光体83は、透明な合成樹脂によって成形されている。また、前記第一の透光体83には、前記第一の案内溝89に対応して指掛部93が設けられている。なお、この指掛部93は、前記第一の案内溝89を貫通して、前記外殻体85よりも外側に露出している。即ち、前記第一の透光体83は、前記指掛部93が前記第一の案内溝89を摺動するように、前記灯具本体82に対して移動可能に取り付けられている。なお、本例では、複数の前記発光ダイオード8の並び方向と、前記第一の透光体83の移動方向とが一致する。そして、前記第一の透光体83には、表面が平滑に形成された凹部94が、前記発光ダイオード8の2倍、前記透光体83の移動方向に並んで設けられている。そして、前記凹部94の半数、即ち前記発光ダイオード8と同数に、色フィルタ95が取り付けられている。なお、前記色フィルタ95は、前記凹部94に一つおきに取り付けられる。これによって、前記第一の透光体83には、前記色フィルタ95が取り付けられない凹部94と、前記色フィルタ95が取り付けられた凹部95とが交互に設けられる。また、前記色フィルタ95が取り付けられていない凹部94の中心間距離Dhと、前記色フィルタ95が取り付けられた凹部94の中心間距離Dfは、それぞれ前記各発光ダイオード8の中心間距離Dlと一致する。更に、前記色フィルタ95は、淡い橙色透明になっている。
【0047】
前記第二の透光体84は、透明な合成樹脂によって一体に成形されている。そして、前記第二の透光体84には、前記第二の案内溝90に対応して図示しない摺動突起が設けられている。即ち、前記第二の透光体84は、図示しない前記摺動突起が前記案内溝90を摺動するように、前記灯具本体82に対して移動可能に取り付けられている。なお、本例では、複数の前記発光ダイオード8の並び方向と、前記第二の透光体84の移動方向とが一致する。即ち、本例では、前記第一の透光体83の移動方向と第二の透光体84の移動方向も一致する。そして、前記第二の透光体84には、表面が平滑に形成された透明部96と、表面が粗く形成された散光部97とが、それぞれ前記発光ダイオード8と同数ずつ、前記第二の透光体84の移動方向に並んで交互に設けられている。なお、前記第二の透光体84の一部の表面を平滑にすることで前記透明部96を形成し、前記第二の透光体84の一部の表面を粗くすることで前記散光部97を形成することができるので、部品点数を少なくして組み立て工数を減少させることができる。また、前記各透明部96の中心間距離Dt及び前記各散光部97の中心間距離Ddは、それぞれ前記各発光ダイオード8の中心間距離Dlと一致する。即ち、Dl=Dt=Dd=Dh=Dfである。また、前記第二の透光体84には、この第二の透光体84を前記案内溝90に沿って移動させるための指掛部98が形成されている。
【0048】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず使用者は、使用目的に応じて、予め前記第一の透光体83及び第二の透光体84を灯具本体82に対して移動させておく。なお、通常の使用においては、図18又は図20に示すように、前記散光部97によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。ここではまず、前記発光ダイオード8からの光で被照射面をそのまま照射する場合について説明する。この場合、図18に示すように、前記第一の透光体83を移動させて前記色フィルタ95が取り付けられていない凹部94で前記発光ダイオード8を覆うようにする。そして、使用者は、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作する。このスイッチが操作されると、図示しない前記点灯回路によって、前記灯具81の発光ダイオード8に電力が供給され、これらの発光ダイオード8が点灯する。
【0049】
前記発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体91によって反射された後、前記第一の透光体83の凹部94及び第二の透光体84の散光部97を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、前記散光部97によって適度に散乱することになる。従って、前記散光部97を通過した光は、通過前の光に比べて弱くなるものの、強い影ができない柔らかく目に優しいものとなる。また、前述したように、前記発光ダイオード8からの照射光の中心と周辺とで色斑が生じたとしても、照射光が前記散光部97を通過する際に適度に散乱することで混色されるので、色斑を目立たせなくすることができる。
【0050】
一方、前記発光ダイオード8からの光の色を変換して被照射面を照射する場合、図20に示すように、前記第一の透光体83を移動させて前記色フィルタ95が取り付けられた凹部94で前記発光ダイオード8を覆うようにする。そして、使用者は、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作する。このスイッチが操作されると、図示しない前記点灯回路によって、前記灯具81の発光ダイオード8に電力が供給され、これらの発光ダイオード8が点灯する。
【0051】
前記発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体91によって反射された後、前記第一の透光体83の色フィルタ95及び第二の透光体84の散光部97を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、淡い橙色透明の前記色フィルタ95によって淡青色成分の光が吸収されて、やや橙色を帯びた色となった後、前記散光部97によって適度に散乱することになる。従って、前記色フィルタ95及び散光部97を通過した光は、擬似的に、電球のような色合いの光となる。また、前記色フィルタ95及び散光部97を通過した光は、通過前の光に比べて弱くなるものの、強い影ができない柔らかく目に優しいものとなる。また、前述したように、前記発光ダイオード8からの照射光の中心と周辺とで色斑が生じたとしても、照射光が前記散光部97を通過する際に適度に散乱することで混色されるので、色斑を目立たせなくすることができる。
【0052】
そして、明るさが必要な作業を行う場合、図17又は図19に示すように、前記第二の透光体84を移動させ、前記透明部96によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。なお、前記発光ダイオード8からの光で被照射面をそのまま照射する場合と、前記発光ダイオード8からの光の色を変換して照射する場合とで、前記第一の透光体83を移動させるという点は前述した通りなので、説明を省略する。そして、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作して、前記発光ダイオード8を点灯させる。これらの発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体91によって反射された後、前記第一の透光体83の凹部94又は色フィルタ95と、前記第二の透光体84の透明部96を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、そのまま、或いは前記色フィルタ95によってやや橙色を帯びた色となった後、殆ど散乱することなく前記透明部96を通過する。従って、前記透明部96を通過した光は、色斑及び強くはっきりした影が生じてしまうという欠点はあるものの、通過前の光に比べて殆ど弱くなることなく、被照射面を明るく照らすことができる。
【0053】
以上のように本発明は、光源としての発光ダイオード8が設けられた灯具本体82と、前記発光ダイオード8の照射側を覆う第一及び第二の透光体83,84とを有する照明装置としての電気スタンド80において、前記灯具本体82に対して前記第二の透光体84を可動に設けると共に、この第二の透光体84に、前記発光ダイオード8に対応して、透明部96と散光部97を前記第二の透光体84の移動方向に並べて設けたことで、通常の使用においては、前記発光ダイオード8から照射された光が前記散光部97を通過するようにすることで、光を適度に散乱させて柔らかくし、目に優しくすることができると共に、前記発光ダイオード8から照射された光の中心と周辺とで色斑があっても、散乱によって混色されるので、色斑を目立たせなくすることができるものである。また、明るさが必要な場合に、前記第二の透光体84を移動させて、前記発光ダイオード8から照射された光が前記透明部96を通過するようにすることで、光を殆ど散乱させずに強い光を得ることができるものである。更に、前記第二の透光体84の一部の表面を平滑にして前記透明部96を形成すると共に、一部の表面を粗くして前記散光部97を形成することで、前記第二の透光体84を一体成形することができるものである。
【0054】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記各実施形態では、前記透光体に、透明部と一種類の散光部を設けたが、透明部と散乱度の異なる複数種類の散光部を設けるようにしても良い。また、第六の実施形態において、色フィルタの色を淡い橙色透明としたが、電球色の発光ダイオードに対して淡青色透明の色フィルタを用いることで、擬似的に白色光を得るようにしても良い。更に、第六の実施例において、第一の透光体に色フィルタを、第二の透光体に透明部と散光部を設けたが、色フィルタと透明部と散光部を一つの透光体に設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第一の実施形態を示す、照明装置としての電気スタンドの外観図である。
【図2】同、透光体の透明部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図3】同、透光体の散光部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図4】本発明の第二の実施形態を示す、照明装置としての電気スタンドの外観図である。
【図5】同、透光体の透明部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図6】同、透光体の散光部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図7】本発明の第三の実施形態を示す、照明装置としての電気スタンドの外観図である。
【図8】同、透光体の透明部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図9】同、透光体の散光部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図10】本発明の第四の実施形態を示す、照明装置としての電気スタンドの外観図である。
【図11】同、透光体の透明部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)はA−A断面図である。
【図12】同、透光体の散光部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)はA−A断面図である。
【図13】本発明の第五の実施形態を示す、照明装置としての電気スタンドの外観図である。
【図14】同、透光体の透明部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)はB−B断面図である。
【図15】同、透光体の散光部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)はB−B断面図である。
【図16】本発明の第六の実施形態を示す、照明装置としての電気スタンドの外観図である。
【図17】同、第一の透光体の凹部と第二の透光体の透明部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図18】同、第一の透光体の凹部と第二の透光体の散光部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図19】同、第一の透光体の色フィルタと第二の透光体の透明部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図20】同、第一の透光体の色フィルタと第二の透光体の散光部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1,20,30,40,60,80 電気スタンド(照明装置)
5,42,62,82 灯具本体
6,22,32,43,63 透光体
8 発光ダイオード
15,25,52,71,96 透明部
16,26,34,53,72,97 散光部
35 レンズ(透明部)
84 第二の透光体(透光体)
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源として発光ダイオードを用いた照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の照明装置としては、器具本体(本願発明の灯具本体に相当する)に、光源としての発光ダイオードを設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、このような照明装置では、一般的に、白色又は電球色の発光ダイオードが用いられるのが一般的である。
【特許文献1】特開2007−200719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような照明装置においては、発光ダイオードから照射された光が、中心部と周辺部とで異なった色調になってしまうという問題が生ずることがあった。これは、発光ダイオードの半導体チップから放出された光と、この光によって励起されて発する補色の蛍光とを混色することで、白色光を作り出している発光ダイオード自体の構造に起因するものである。即ち、半導体チップから放出された光と蛍光とが一様に混ざらなかった場合、上述の問題が生ずる。この問題は、発光ダイオード自体に、或いは発光ダイオードの照射側を覆うように、散光部を設けることで解決することができる。しかしながら、前者の構造の場合、部品の選択の幅が狭まってしまうという問題がある。また、上述したように散光部を設けると、光が柔らかくなって強い影ができず、目に優しくなるという利点があるものの、照射光が分散することによって、照射面の照度が低下するという欠点があった。
【0004】
本発明は以上の問題点を解決し、目に優しく、且つ照射面の照度を高くすることができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載の照明装置は、光源としての発光ダイオードが設けられた灯具本体と、前記発光ダイオードの照射側を覆う透光体とを有する照明装置において、前記透光体を前記灯具本体に対して可動に設けると共に、前記発光ダイオードに対応して、前記透光体に透明部と散光部を前記透光体の移動方向に並べて設けたものである。
【0006】
また、本発明の請求項2に記載の照明装置は、請求項1において、前記透光体を透明な材質にて構成すると共に、前記透光体の一部の表面を粗くすることで前記散光部を形成したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の請求項1に記載の照明装置は、以上のように構成することにより、通常の使用においては、前記発光ダイオードから照射された光が前記散光部を通過するようにすることで、光を適度に散乱させて柔らかくし、目に優しくすることができると共に、前記発光ダイオードから照射された光の中心と周辺とで色斑があったとしても、散乱によって混色されるので、色斑を目立たせなくすることができる。また、明るさが必要な場合に、前記透光体を移動させて、前記発光ダイオードから照射された光が前記透明部を通過するようにすることで、光を殆ど散乱させずに強い光を得ることができる。
【0008】
また、前記透光体の一部の表面を粗くして前記散光部を形成することで、前記透光体を一体成形することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の第一の実施形態について、図1乃至図3に基づいて説明する。1は照明装置としての電気スタンドである。この電気スタンド1は、基部2と、この基部2から上方に伸びて設けられた腕部3と、この腕部3の先端に設けられた灯具4とを有して構成されている。なお、前記基部2には、図示しない点灯回路とスイッチとが設けられている。
【0010】
前記灯具4は、灯具本体5と、透光体6とを有して構成されている。前記灯具本体5の外殻体7内には、光源としての複数の発光ダイオード8が設けられている。なお、本例では前記発光ダイオード8を複数設けているが、出力が十分高ければ、前記発光ダイオード8を一つだけ設けても良い。また、これらの発光ダイオード8は、放熱板9に伝熱的に取り付けられている。また、前記灯具本体5の外殻体7における前記発光ダイオード8の照射側には、凹部10が設けられていると共に、この凹部10に、前記発光ダイオード8から照射される光を通過させるための開口部11及び前記透光体6を案内するための案内溝12が形成されている。また、前記発光ダイオード8と開口部11との間には、前記発光ダイオード8に対応して反射体13が設けられている。更に、前記外殻体7には、前記放熱板9に対応して、多数の放熱孔14が形成されている。
【0011】
前記透光体6は、透明な合成樹脂によって一体に成形されている。そして、前記透光体6には、前記案内溝12に対応して図示しない摺動突起が設けられている。即ち、前記透光体6は、図示しない前記摺動突起が前記案内溝12を摺動するように、前記灯具本体5に対して移動可能に取り付けられている。なお、本例では、複数の前記発光ダイオード8の並び方向と、前記透光体6の移動方向とが一致する。そして、前記透光体6には、表面が平滑に形成された透明部15と、表面が粗く形成された散光部16とが、それぞれ前記発光ダイオード8と同数ずつ、前記透光体6の移動方向に並んで交互に設けられている。なお、前記透光体6の一部の表面を平滑にすることで前記透明部15を形成し、前記透光体6の一部の表面を粗くすることで前記散光部16を形成することができるので、部品点数を少なくして組み立て工数を減少させることができる。また、前記各透明部15の中心間距離Dt及び前記各散光部16の中心間距離Ddは、それぞれ前記各発光ダイオード8の中心間距離Dlと一致する。また、前記透光体6には、この透光体6を前記案内溝12に沿って移動させるための指掛部17が形成されている。
【0012】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず使用者は、使用目的に応じて、予め前記透光体6を灯具本体5に対して移動させておく。なお、通常の使用においては、図3に示すように、前記散光部16によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。そして、使用者は、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作する。このスイッチが操作されると、図示しない前記点灯回路によって、前記灯具4の発光ダイオード8に電力が供給され、これらの発光ダイオード8が点灯する。
【0013】
前記発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体13によって反射された後、前記散光部16を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、適度に散乱することになる。従って、前記散光部16を通過した光は、通過前の光に比べて弱くなるものの、強い影ができない柔らかく目に優しいものとなる。また、前述したように、前記発光ダイオード8からの照射光の中心と周辺とで色斑が生じたとしても、照射光が前記散光部16を通過する際に適度に散乱することで混色されるので、色斑を目立たせなくすることができる。
【0014】
そして、明るさが必要な作業を行う場合、図2に示すように、前記透光体6を移動させ、前記透明部15によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。そして、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作して、前記発光ダイオード8を点灯させる。これらの発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体13によって反射された後、前記透明部15を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、殆ど散乱することなく、前記透明部15を通過する。従って、前記透明部15を通過した光は、色斑及び強くはっきりした影が生じてしまうという欠点はあるものの、通過前の光に比べて殆ど弱くなることなく、被照射面を明るく照らすことができる。
【0015】
以上のように本発明は、光源としての発光ダイオード8が設けられた灯具本体5と、前記発光ダイオード8の照射側を覆う透光体6とを有する照明装置としての電気スタンド1において、前記灯具本体5に対して前記透光体6を可動に設けると共に、この透光体6に、前記発光ダイオード8に対応して、透明部15と散光部16を前記透光体6の移動方向に並べて設けたことで、通常の使用においては、前記発光ダイオード8から照射された光が前記散光部16を通過するようにすることで、光を適度に散乱させて柔らかくし、目に優しくすることができると共に、前記発光ダイオード8から照射された光の中心と周辺とで色斑があっても、散乱によって混色されるので、色斑を目立たせなくすることができるものである。また、明るさが必要な場合に、前記透光体6を移動させて、前記発光ダイオード8から照射された光が前記透明部15を通過するようにすることで、光を殆ど散乱させずに強い光を得ることができるものである。更に、前記透光体6の一部の表面を平滑にして前記透明部15を形成すると共に、一部の表面を粗くして前記散光部16を形成することで、前記透光体6を一体成形することができるものである。
【0016】
次に、本発明の第二の実施形態について、図4乃至図6に基づいて説明する。20は照明装置としての電気スタンドである。この電気スタンド20は、基部2と、この基部2から上方に伸びて設けられた腕部3と、この腕部3の先端に設けられた灯具21とを有して構成されている。なお、前記基部2には、図示しない点灯回路とスイッチとが設けられている。
【0017】
前記灯具21は、灯具本体5と、透光体22とを有して構成されている。前記灯具本体5の外殻体7内には、光源としての複数の発光ダイオード8が設けられている。なお、本例では前記発光ダイオード8を複数設けているが、出力が十分高ければ、前記発光ダイオード8を一つだけ設けても良い。また、これらの発光ダイオード8は、放熱板9に伝熱的に取り付けられている。また、前記灯具本体5の外殻体7における前記発光ダイオード8の照射側には、凹部10が設けられていると共に、この凹部10に、前記発光ダイオード8から照射される光を通過させるための開口部11及び前記透光体22を案内するための案内溝12が形成されている。また、前記発光ダイオード8と開口部11との間には、前記発光ダイオード8に対応して反射体13が設けられている。更に、前記外殻体7には、前記放熱板9に対応して、多数の放熱孔14が形成されている。
【0018】
前記透光体22は、透明な合成樹脂によって成形されている。そして、前記透光体22には、前記案内溝12に対応して図示しない摺動突起が設けられている。即ち、前記透光体22は、図示しない前記摺動突起が前記案内溝12を摺動するように、前記灯具本体5に対して移動可能に取り付けられている。なお、本例では、複数の前記発光ダイオード8の並び方向と、前記透光体22の移動方向とが一致する。そして、前記透光体22には、表面が平滑に形成された凹部23が、前記発光ダイオード8の2倍、前記透光体22の移動方向に並んで設けられている。そして、前記凹部23の半数、即ち前記発光ダイオード8と同数に、散光フィルタ24が取り付けられている。なお、前記散光フィルタ24は、前記凹部23に一つおきに取り付けられる。これによって、前記散光フィルタ24が取り付けられない前記凹部23が透明部25となり、前記散光フィルタ24が取り付けられた前記凹部23が散光部26となる。そして、前記透光体22には、前記透明部25と散光部26とが交互に設けられる。また、前記各透明部25の中心間距離Dt及び前記各散光部26の中心間距離Ddは、それぞれ前記各発光ダイオード8の中心間距離Dlと一致する。更に、前記透光体22には、この透光体22を前記案内溝12に沿って移動させるための指掛部27が形成されている。
【0019】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず使用者は、使用目的に応じて、予め前記透光体22を灯具本体5に対して移動させておく。なお、通常の使用においては、図6に示すように、前記散光部26によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。そして、使用者は、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作する。このスイッチが操作されると、図示しない前記点灯回路によって、前記灯具20の発光ダイオード8に電力が供給され、これらの発光ダイオード8が点灯する。
【0020】
前記発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体13によって反射された後、前記散光部26を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、前記散光フィルタ24によって適度に散乱することになる。従って、前記散光部26を通過した光は、通過前の光に比べて弱くなるものの、強い影ができない柔らかく目に優しいものとなる。また、前述したように、前記発光ダイオード8からの照射光の中心と周辺とで色斑が生じたとしても、照射光が前記散光フィルタ24を通過する際に適度に散乱することで混色されるので、色斑を目立たせなくすることができる。
【0021】
そして、明るさが必要な作業を行う場合、図5に示すように、前記透光体22を移動させ、前記透明部25によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。そして、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作して、前記発光ダイオード8を点灯させる。これらの発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体13によって反射された後、前記透明部25を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、殆ど散乱することなく、前記透明部25を通過する。従って、前記透明部25を通過した光は、色斑及び強くはっきりした影が生じてしまうという欠点はあるものの、通過前の光に比べて殆ど弱くなることなく、被照射面を明るく照らすことができる。
【0022】
以上のように本発明は、光源としての発光ダイオード8が設けられた灯具本体5と、前記発光ダイオード8の照射側を覆う透光体22とを有する照明装置としての電気スタンド20において、前記灯具本体5に対して前記透光体22を可動に設けると共に、この透光体22に、前記発光ダイオード8に対応して、透明部25と散光部26を前記透光体22の移動方向に並べて設けたことで、通常の使用においては、前記発光ダイオード8から照射された光が前記散光部26を通過するようにすることで、光を適度に散乱させて柔らかくし、目に優しくすることができると共に、前記発光ダイオード8から照射された光の中心と周辺とで色斑があっても、散乱によって混色されるので、色斑を目立たせなくすることができるものである。また、明るさが必要な場合に、前記透光体22を移動させて、前記発光ダイオード8から照射された光が前記透明部25を通過するようにすることで、光を殆ど散乱させずに強い光を得ることができるものである。
【0023】
次に、本発明の第三の実施形態について、図7乃至図9に基づいて説明する。30は照明装置としての電気スタンドである。この電気スタンド30は、基部2と、この基部2から上方に伸びて設けられた腕部3と、この腕部3の先端に設けられた灯具31とを有して構成されている。なお、前記基部2には、図示しない点灯回路とスイッチとが設けられている。
【0024】
前記灯具31は、灯具本体5と、透光体32とを有して構成されている。前記灯具本体5の外殻体7内には、光源としての複数の発光ダイオード8が設けられている。なお、本例では前記発光ダイオード8を複数設けているが、出力が十分高ければ、前記発光ダイオード8を一つだけ設けても良い。また、これらの発光ダイオード8は、放熱板9に伝熱的に取り付けられている。また、前記灯具本体5の外殻体7における前記発光ダイオード8の照射側には、凹部10が設けられていると共に、この凹部10に、前記発光ダイオード8から照射される光を通過させるための開口部11及び前記透光体32を案内するための案内溝12が形成されている。更に、前記外殻体7には、前記放熱板9に対応して、多数の放熱孔14が形成されている。
【0025】
前記透光体32は、透明な合成樹脂によって成形されている。そして、前記透光体32には、前記案内溝12に対応して図示しない摺動突起が設けられている。即ち、前記透光体32は、図示しない前記摺動突起が前記案内溝12を摺動するように、前記灯具本体5に対して移動可能に取り付けられている。なお、本例では、複数の前記発光ダイオード8の並び方向と、前記透光体32の移動方向とが一致する。そして、前記透光体32には、貫通孔33と、表面が粗く形成された散光部34とが、それぞれ前記発光ダイオード8と同数ずつ、前記透光体6の移動方向に並んで交互に設けられている。そして、前記貫通孔33には、光学樹脂によって形成された透明部としてのレンズ35が取り付けられている。これによって、前記透光体32には、前記透明部としてのレンズ35と散光部34とが交互に設けられる。また、前記各レンズ35の中心間距離Dt及び前記各散光部34の中心間距離Ddは、それぞれ前記各発光ダイオード8の中心間距離Dlと一致する。更に、前記透光体32には、この透光体32を前記案内溝12に沿って移動させるための指掛部36が形成されている。
【0026】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず使用者は、使用目的に応じて、予め前記透光体32を灯具本体5に対して移動させておく。なお、通常の使用においては、図9に示すように、前記散光部34によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。そして、使用者は、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作する。このスイッチが操作されると、図示しない前記点灯回路によって、前記灯具30の発光ダイオード8に電力が供給され、これらの発光ダイオード8が点灯する。
【0027】
前記発光ダイオード8から照射された光は、前記散光部26を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、前記散光部34によって適度に散乱することになる。従って、前記散光部34を通過した光は、通過前の光に比べて弱くなるものの、強い影ができない柔らかく目に優しいものとなる。また、前述したように、前記発光ダイオード8からの照射光の中心と周辺とで色斑が生じたとしても、照射光が前記散光部34を通過する際に適度に散乱することで混色されるので、色斑を目立たせなくすることができる。
【0028】
そして、明るさが必要な作業を行う場合、図8示すように、前記透光体32を移動させ、前記レンズ35によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。そして、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作して、前記発光ダイオード8を点灯させる。これらの発光ダイオード8から照射された光は、前記レンズ35を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、殆ど散乱することなく、光学樹脂製の前記レンズ35を通過する。また、前記レンズ35を通過した光は、前記レンズ35を通過する前の光に比べて、やや集光される。従って、前記レンズ35を通過した光は、色斑及び強くはっきりした影が生じてしまうという欠点はあるものの、通過前の光に比べて殆ど弱くなることなく、被照射面を明るく照らすことができる。
【0029】
以上のように本発明は、光源としての発光ダイオード8が設けられた灯具本体5と、前記発光ダイオード8の照射側を覆う透光体32とを有する照明装置としての電気スタンド30において、前記灯具本体5に対して前記透光体32を可動に設けると共に、この透光体32に、前記発光ダイオード8に対応して、透明部としてのレンズ35と散光部34を前記透光体32の移動方向に並べて設けたことで、通常の使用においては、前記発光ダイオード8から照射された光が前記散光部34を通過するようにすることで、光を適度に散乱させて柔らかくし、目に優しくすることができると共に、前記発光ダイオード8から照射された光の中心と周辺とで色斑があっても、散乱によって混色されるので、色斑を目立たせなくすることができるものである。また、明るさが必要な場合に、前記透光体32を移動させて、前記発光ダイオード8から照射された光が透明部としての前記レンズ35を通過するようにすることで、光を殆ど散乱させずに強い光を得ることができるものである。
【0030】
次に、本発明の第四の実施形態について、図10乃至図12に基づいて説明する。40は照明装置としての電気スタンドである。この電気スタンド40は、基部2と、この基部2から上方に伸びて設けられた腕部3と、この腕部3の先端に設けられた灯具41とを有して構成されている。なお、前記基部2には、図示しない点灯回路とスイッチとが設けられている。
【0031】
前記灯具41は、略円筒状の灯具本体42と、略半円筒状の透光体43とを有して構成されている。そして、この透光体43は、前記灯具本体42に対し、その中心軸回りに回動可能となるよう取り付けられている。また、前記外殻体44の軸方向先端側には、前記透光体43の回動範囲を規制するための当接部45が設けられている。また、前記灯具本体42の外殻体44内には、光源としての複数の発光ダイオード8が設けられている。なお、本例では前記発光ダイオード8を複数設けているが、出力が十分高ければ、前記発光ダイオード8を一つだけ設けても良い。また、これらの発光ダイオード8は、放熱板46に伝熱的に取り付けられている。また、前記灯具本体42の外殻体44における前記発光ダイオード8の照射側には、この発光ダイオード8から照射される光を通過させるための開口部47が形成されている。また、前記発光ダイオード8と開口部47との間には、前記発光ダイオード8に対応して反射体48が設けられている。更に、前記外殻体44には、前記放熱板46に対応して、多数の放熱孔49が形成されている。
【0032】
前記透光体43は、透明な合成樹脂によって成形されている。そして、前記透光体43には、前記当接部45に当接可能な縁部50,51が設けられている。即ち、前記透光体43は、前記灯具本体5に対して、前記縁部50が前記当接部45に当接した状態と、前記縁部51が前記当接部45に当接した状態との間で、回動可能に取り付けられている。なお、本例では、複数の前記発光ダイオード8の並び方向と、前記透光体43の移動方向とが直交する。そして、前記透光体43には、表面が平滑に形成された透明部52と、表面が粗く形成された散光部53とが、それぞれ前記発光ダイオード8と同数ずつ、前記透光体43の回動方向に並んで設けられている。なお、前記透光体43の一部の表面を平滑にすることで前記透明部52を形成し、前記透光体43の一部の表面を粗くすることで前記散光部53を形成することができるので、部品点数を少なくして組み立て工数を減少させることができる。更に、前記透光体43には、この透光体43を回動させるための指掛部54が形成されている。
【0033】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず使用者は、使用目的に応じて、予め前記透光体43を灯具本体42に対して移動させておく。なお、通常の使用においては、図12に示すように、前記散光部53によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。この際、前記透光体43の縁部51を前記当接部45に当接させることで、前記散光部53が前記開口部47と完全に重なる。そして、使用者は、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作する。このスイッチが操作されると、図示しない前記点灯回路によって、前記灯具41の発光ダイオード8に電力が供給され、これらの発光ダイオード8が点灯する。
【0034】
前記発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体48によって反射された後、前記散光部53を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、適度に散乱することになる。従って、前記散光部53を通過した光は、通過前の光に比べて弱くなるものの、強い影ができない柔らかく目に優しいものとなる。また、前述したように、前記発光ダイオード8からの照射光の中心と周辺とで色斑が生じたとしても、照射光が前記散光部53を通過する際に適度に散乱することで混色されるので、色斑を目立たせなくすることができる。
【0035】
そして、明るさが必要な作業を行う場合、図11に示すように、前記透光体43を回動させ、前記透明部52によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。なお、前記透光体43の縁部50が前記当接部45に当接するまで前記透光体43を回動させることで、前記透明部52が前記開口部47と完全に重なる。そして、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作して、前記発光ダイオード8を点灯させる。これらの発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体48によって反射された後、前記透明部52を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、殆ど散乱することなく、前記透明部52を通過する。従って、前記透明部52を通過した光は、色斑及び強くはっきりした影が生じてしまうという欠点はあるものの、通過前の光に比べて殆ど弱くなることなく、被照射面を明るく照らすことができる。
【0036】
以上のように本発明は、光源としての発光ダイオード8が設けられた灯具本体42と、前記発光ダイオード8の照射側を覆う透光体43とを有する照明装置としての電気スタンド40において、前記灯具本体42に対して前記透光体43を回動可能に設けると共に、この透光体43に、前記発光ダイオード8に対応して、透明部52と散光部53を前記透光体43の回動方向に並べて設けたことで、通常の使用においては、前記発光ダイオード8から照射された光が前記散光部53を通過するようにすることで、光を適度に散乱させて柔らかくし、目に優しくすることができると共に、前記発光ダイオード8から照射された光の中心と周辺とで色斑があっても、散乱によって混色されるので、色斑を目立たせなくすることができるものである。また、明るさが必要な場合に、前記透光体43を回動させて、前記発光ダイオード8から照射された光が前記透明部52を通過するようにすることで、光を殆ど散乱させずに強い光を得ることができるものである。更に、前記透光体43の一部の表面を平滑にして前記透明部52を形成すると共に、一部の表面を粗くして前記散光部53を形成することで、前記透光体43を一体成形することができるものである。
【0037】
次に、本発明の第五の実施形態について、図13乃至図15に基づいて説明する。60は照明装置としての電気スタンドである。この電気スタンド60は、基部2と、この基部2から上方に伸びて設けられた腕部3と、この腕部3の先端に設けられた灯具61とを有して構成されている。なお、前記基部2には、図示しない点灯回路とスイッチとが設けられている。
【0038】
前記灯具61は、環状の灯具本体62と、同じく環状の透光体63とを有して構成されている。なお、本例では前記灯具本体62及び透光体63を環状に形成したが、円盤状に形成しても良い。そして、前記灯具本体62の外殻体64内には、光源としての複数の発光ダイオード8が環状に並べて設けられている。また、これらの発光ダイオード8は、放熱板65に伝熱的に取り付けられている。また、前記灯具本体62の外殻体64における前記発光ダイオード8の照射側には、前記発光ダイオード8から照射される光を通過させるための開口部66及び前記透光体6を案内するための案内溝67が形成されている。また、前記発光ダイオード8と開口部66との間には、前記発光ダイオード8に対応して反射体68が設けられている。更に、前記外殻体64には、前記放熱板65に対応して、多数の放熱孔69が形成されている。
【0039】
前記透光体63は、透明な合成樹脂によって一体に成形されている。そして、前記透光体63には、前記案内溝67に対応して摺動突起70が設けられている。即ち、前記透光体63は、前記摺動突起70が前記案内溝67を摺動するように、前記灯具本体62に対して回動可能に取り付けられている。なお、本例では、複数の前記発光ダイオード8の並び方向と、前記透光体63の回動方向とが一致する。そして、前記透光体63には、表面が平滑に形成された透明部71と、表面が粗く形成された散光部72とが、それぞれ前記発光ダイオード8と同数ずつ、前記透光体63の回動方向に並んで交互に設けられている。なお、前記透光体63の一部の表面を平滑にすることで前記透明部71を形成し、前記透光体63の一部の表面を粗くすることで前記散光部72を形成することができるので、部品点数を少なくして組み立て工数を減少させることができる。また、前記各透明部71の中心間距離Dt及び前記各散光部72の中心間距離Ddは、それぞれ前記各発光ダイオード8の中心間距離Dlと一致する。また、前記透光体63には、この透光体63を前記案内溝67に沿って回動させるための指掛部73が形成されている。
【0040】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず使用者は、使用目的に応じて、予め前記透光体63を灯具本体62に対して回動させておく。なお、通常の使用においては、図15に示すように、前記散光部72によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。そして、使用者は、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作する。このスイッチが操作されると、図示しない前記点灯回路によって、前記灯具61の発光ダイオード8に電力が供給され、これらの発光ダイオード8が点灯する。
【0041】
前記発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体68によって反射された後、前記散光部72を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、適度に散乱することになる。従って、前記散光部72を通過した光は、通過前の光に比べて弱くなるものの、強い影ができない柔らかく目に優しいものとなる。また、前述したように、前記発光ダイオード8からの照射光の中心と周辺とで色斑が生じたとしても、照射光が前記散光部72を通過する際に適度に散乱することで混色されるので、色斑を目立たせなくすることができる。
【0042】
そして、明るさが必要な作業を行う場合、図14に示すように、前記透光体63を回動させ、前記透明部71によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。そして、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作して、前記発光ダイオード8を点灯させる。これらの発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体68によって反射された後、前記透明部71を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、殆ど散乱することなく、前記透明部71を通過する。従って、前記透明部71を通過した光は、色斑及び強くはっきりした影が生じてしまうという欠点はあるものの、通過前の光に比べて殆ど弱くなることなく、被照射面を明るく照らすことができる。
【0043】
以上のように本発明は、光源としての発光ダイオード8が設けられた灯具本体62と、前記発光ダイオード8の照射側を覆う透光体63とを有する照明装置としての電気スタンド60において、前記灯具本体62に対して前記透光体63を回動可能に設けると共に、この透光体63に、前記発光ダイオード8に対応して、透明部71と散光部72を前記透光体63の回動方向に並べて設けたことで、通常の使用においては、前記発光ダイオード8から照射された光が前記散光部72を通過するようにすることで、光を適度に散乱させて柔らかくし、目に優しくすることができると共に、前記発光ダイオード8から照射された光の中心と周辺とで色斑があっても、散乱によって混色されるので、色斑を目立たせなくすることができるものである。また、明るさが必要な場合に、前記透光体63を移動させて、前記発光ダイオード8から照射された光が前記透明部71を通過するようにすることで、光を殆ど散乱させずに強い光を得ることができるものである。更に、前記透光体63の一部の表面を平滑にして前記透明部71を形成すると共に、一部の表面を粗くして前記散光部72を形成することで、前記透光体63を一体成形することができるものである。
【0044】
次に、本発明の第六の実施形態について、図16乃至図20に基づいて説明する。80は照明装置としての電気スタンドである。この電気スタンド80は、基部2と、この基部2から上方に伸びて設けられた腕部3と、この腕部3の先端に設けられた灯具81とを有して構成されている。なお、前記基部2には、図示しない点灯回路とスイッチとが設けられている。
【0045】
前記灯具81は、灯具本体82と、第一の透光体83と、第二の透光体84とを有して構成されている。前記灯具本体82の外殻体85内には、光源としての複数の発光ダイオード8が設けられている。なお、本例では前記発光ダイオード8を複数設けているが、出力が十分高ければ、前記発光ダイオード8を一つだけ設けても良い。また、これらの発光ダイオード8は、放熱板86に伝熱的に取り付けられている。また、前記灯具本体82の外殻体85における前記発光ダイオード8の照射側には、凹部87が設けられていると共に、この凹部87に、前記発光ダイオード8から照射される光を通過させるための開口部88と、前記第一の透光体83を案内するための第一の案内溝89と、前記第二の透光体84を案内するための第二の案内溝90が形成されている。なお、前記前記第一の案内溝89は、前記凹部87と前記外殻体85の外面との間を貫通して形成されている。また、前記発光ダイオード8と開口部88との間には、前記発光ダイオード8に対応して反射体91が設けられている。更に、前記外殻体85には、前記放熱板86に対応して、多数の放熱孔92が形成されている。
【0046】
前記第一の透光体83と第二の透光体84は、前記発光ダイオード8の照射方向に重ねて設けられている。そして、前記第一の透光体83は、透明な合成樹脂によって成形されている。また、前記第一の透光体83には、前記第一の案内溝89に対応して指掛部93が設けられている。なお、この指掛部93は、前記第一の案内溝89を貫通して、前記外殻体85よりも外側に露出している。即ち、前記第一の透光体83は、前記指掛部93が前記第一の案内溝89を摺動するように、前記灯具本体82に対して移動可能に取り付けられている。なお、本例では、複数の前記発光ダイオード8の並び方向と、前記第一の透光体83の移動方向とが一致する。そして、前記第一の透光体83には、表面が平滑に形成された凹部94が、前記発光ダイオード8の2倍、前記透光体83の移動方向に並んで設けられている。そして、前記凹部94の半数、即ち前記発光ダイオード8と同数に、色フィルタ95が取り付けられている。なお、前記色フィルタ95は、前記凹部94に一つおきに取り付けられる。これによって、前記第一の透光体83には、前記色フィルタ95が取り付けられない凹部94と、前記色フィルタ95が取り付けられた凹部95とが交互に設けられる。また、前記色フィルタ95が取り付けられていない凹部94の中心間距離Dhと、前記色フィルタ95が取り付けられた凹部94の中心間距離Dfは、それぞれ前記各発光ダイオード8の中心間距離Dlと一致する。更に、前記色フィルタ95は、淡い橙色透明になっている。
【0047】
前記第二の透光体84は、透明な合成樹脂によって一体に成形されている。そして、前記第二の透光体84には、前記第二の案内溝90に対応して図示しない摺動突起が設けられている。即ち、前記第二の透光体84は、図示しない前記摺動突起が前記案内溝90を摺動するように、前記灯具本体82に対して移動可能に取り付けられている。なお、本例では、複数の前記発光ダイオード8の並び方向と、前記第二の透光体84の移動方向とが一致する。即ち、本例では、前記第一の透光体83の移動方向と第二の透光体84の移動方向も一致する。そして、前記第二の透光体84には、表面が平滑に形成された透明部96と、表面が粗く形成された散光部97とが、それぞれ前記発光ダイオード8と同数ずつ、前記第二の透光体84の移動方向に並んで交互に設けられている。なお、前記第二の透光体84の一部の表面を平滑にすることで前記透明部96を形成し、前記第二の透光体84の一部の表面を粗くすることで前記散光部97を形成することができるので、部品点数を少なくして組み立て工数を減少させることができる。また、前記各透明部96の中心間距離Dt及び前記各散光部97の中心間距離Ddは、それぞれ前記各発光ダイオード8の中心間距離Dlと一致する。即ち、Dl=Dt=Dd=Dh=Dfである。また、前記第二の透光体84には、この第二の透光体84を前記案内溝90に沿って移動させるための指掛部98が形成されている。
【0048】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず使用者は、使用目的に応じて、予め前記第一の透光体83及び第二の透光体84を灯具本体82に対して移動させておく。なお、通常の使用においては、図18又は図20に示すように、前記散光部97によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。ここではまず、前記発光ダイオード8からの光で被照射面をそのまま照射する場合について説明する。この場合、図18に示すように、前記第一の透光体83を移動させて前記色フィルタ95が取り付けられていない凹部94で前記発光ダイオード8を覆うようにする。そして、使用者は、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作する。このスイッチが操作されると、図示しない前記点灯回路によって、前記灯具81の発光ダイオード8に電力が供給され、これらの発光ダイオード8が点灯する。
【0049】
前記発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体91によって反射された後、前記第一の透光体83の凹部94及び第二の透光体84の散光部97を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、前記散光部97によって適度に散乱することになる。従って、前記散光部97を通過した光は、通過前の光に比べて弱くなるものの、強い影ができない柔らかく目に優しいものとなる。また、前述したように、前記発光ダイオード8からの照射光の中心と周辺とで色斑が生じたとしても、照射光が前記散光部97を通過する際に適度に散乱することで混色されるので、色斑を目立たせなくすることができる。
【0050】
一方、前記発光ダイオード8からの光の色を変換して被照射面を照射する場合、図20に示すように、前記第一の透光体83を移動させて前記色フィルタ95が取り付けられた凹部94で前記発光ダイオード8を覆うようにする。そして、使用者は、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作する。このスイッチが操作されると、図示しない前記点灯回路によって、前記灯具81の発光ダイオード8に電力が供給され、これらの発光ダイオード8が点灯する。
【0051】
前記発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体91によって反射された後、前記第一の透光体83の色フィルタ95及び第二の透光体84の散光部97を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、淡い橙色透明の前記色フィルタ95によって淡青色成分の光が吸収されて、やや橙色を帯びた色となった後、前記散光部97によって適度に散乱することになる。従って、前記色フィルタ95及び散光部97を通過した光は、擬似的に、電球のような色合いの光となる。また、前記色フィルタ95及び散光部97を通過した光は、通過前の光に比べて弱くなるものの、強い影ができない柔らかく目に優しいものとなる。また、前述したように、前記発光ダイオード8からの照射光の中心と周辺とで色斑が生じたとしても、照射光が前記散光部97を通過する際に適度に散乱することで混色されるので、色斑を目立たせなくすることができる。
【0052】
そして、明るさが必要な作業を行う場合、図17又は図19に示すように、前記第二の透光体84を移動させ、前記透明部96によって前記発光ダイオード8の照射側を覆う。なお、前記発光ダイオード8からの光で被照射面をそのまま照射する場合と、前記発光ダイオード8からの光の色を変換して照射する場合とで、前記第一の透光体83を移動させるという点は前述した通りなので、説明を省略する。そして、前記基部2に設けられた図示しない前記スイッチを操作して、前記発光ダイオード8を点灯させる。これらの発光ダイオード8から照射された光は、一部が直接、また一部が前記反射体91によって反射された後、前記第一の透光体83の凹部94又は色フィルタ95と、前記第二の透光体84の透明部96を通過する。この際、前記発光ダイオード8からの照射光は、そのまま、或いは前記色フィルタ95によってやや橙色を帯びた色となった後、殆ど散乱することなく前記透明部96を通過する。従って、前記透明部96を通過した光は、色斑及び強くはっきりした影が生じてしまうという欠点はあるものの、通過前の光に比べて殆ど弱くなることなく、被照射面を明るく照らすことができる。
【0053】
以上のように本発明は、光源としての発光ダイオード8が設けられた灯具本体82と、前記発光ダイオード8の照射側を覆う第一及び第二の透光体83,84とを有する照明装置としての電気スタンド80において、前記灯具本体82に対して前記第二の透光体84を可動に設けると共に、この第二の透光体84に、前記発光ダイオード8に対応して、透明部96と散光部97を前記第二の透光体84の移動方向に並べて設けたことで、通常の使用においては、前記発光ダイオード8から照射された光が前記散光部97を通過するようにすることで、光を適度に散乱させて柔らかくし、目に優しくすることができると共に、前記発光ダイオード8から照射された光の中心と周辺とで色斑があっても、散乱によって混色されるので、色斑を目立たせなくすることができるものである。また、明るさが必要な場合に、前記第二の透光体84を移動させて、前記発光ダイオード8から照射された光が前記透明部96を通過するようにすることで、光を殆ど散乱させずに強い光を得ることができるものである。更に、前記第二の透光体84の一部の表面を平滑にして前記透明部96を形成すると共に、一部の表面を粗くして前記散光部97を形成することで、前記第二の透光体84を一体成形することができるものである。
【0054】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記各実施形態では、前記透光体に、透明部と一種類の散光部を設けたが、透明部と散乱度の異なる複数種類の散光部を設けるようにしても良い。また、第六の実施形態において、色フィルタの色を淡い橙色透明としたが、電球色の発光ダイオードに対して淡青色透明の色フィルタを用いることで、擬似的に白色光を得るようにしても良い。更に、第六の実施例において、第一の透光体に色フィルタを、第二の透光体に透明部と散光部を設けたが、色フィルタと透明部と散光部を一つの透光体に設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第一の実施形態を示す、照明装置としての電気スタンドの外観図である。
【図2】同、透光体の透明部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図3】同、透光体の散光部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図4】本発明の第二の実施形態を示す、照明装置としての電気スタンドの外観図である。
【図5】同、透光体の透明部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図6】同、透光体の散光部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図7】本発明の第三の実施形態を示す、照明装置としての電気スタンドの外観図である。
【図8】同、透光体の透明部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図9】同、透光体の散光部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図10】本発明の第四の実施形態を示す、照明装置としての電気スタンドの外観図である。
【図11】同、透光体の透明部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)はA−A断面図である。
【図12】同、透光体の散光部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)はA−A断面図である。
【図13】本発明の第五の実施形態を示す、照明装置としての電気スタンドの外観図である。
【図14】同、透光体の透明部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)はB−B断面図である。
【図15】同、透光体の散光部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)はB−B断面図である。
【図16】本発明の第六の実施形態を示す、照明装置としての電気スタンドの外観図である。
【図17】同、第一の透光体の凹部と第二の透光体の透明部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図18】同、第一の透光体の凹部と第二の透光体の散光部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図19】同、第一の透光体の色フィルタと第二の透光体の透明部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【図20】同、第一の透光体の色フィルタと第二の透光体の散光部が発光ダイオードを覆った状態における灯具の拡大図であり、(a)は底面図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1,20,30,40,60,80 電気スタンド(照明装置)
5,42,62,82 灯具本体
6,22,32,43,63 透光体
8 発光ダイオード
15,25,52,71,96 透明部
16,26,34,53,72,97 散光部
35 レンズ(透明部)
84 第二の透光体(透光体)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源としての発光ダイオードが設けられた灯具本体と、前記発光ダイオードの照射側を覆う透光体とを有する照明装置において、
前記透光体を前記灯具本体に対して可動に設けると共に、前記発光ダイオードに対応して、前記透光体に透明部と散光部を前記透光体の移動方向に並べて設けたことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記透光体を透明な材質にて構成すると共に、前記透光体の一部の表面を粗くすることで前記散光部を形成したことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項1】
光源としての発光ダイオードが設けられた灯具本体と、前記発光ダイオードの照射側を覆う透光体とを有する照明装置において、
前記透光体を前記灯具本体に対して可動に設けると共に、前記発光ダイオードに対応して、前記透光体に透明部と散光部を前記透光体の移動方向に並べて設けたことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記透光体を透明な材質にて構成すると共に、前記透光体の一部の表面を粗くすることで前記散光部を形成したことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−153106(P2010−153106A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327820(P2008−327820)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000109325)ツインバード工業株式会社 (176)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000109325)ツインバード工業株式会社 (176)
【Fターム(参考)】
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