説明

照明装置

【課題】
発光効率が高くかつ使用寿命が長い冷陰極発光体を利用して、恰も従来の蛍光ランプ管と同様な使用形態で利用でき広い領域を照明できる照明装置でありながら、灯具の両端に摺動体が設けられた既存の差し込み方式の蛍光ランプ管用ソケット部にも対応でき、延いては対応する灯具のバリエーションを広げることの出来る照明装置を提供すること。
【解決手段】
管本体4の下部が主として光透過部材9で構成されるとともに、管本体4の内部に管軸方向に冷陰極発光体7が延設され、冷陰極発光体7の上面には下方に位置する光透過部材9に向けて冷陰極発光体7の光を反射する光反射部材30が設けられ、管本体4の両端部に電極が延設された端縁封止体8が配置されるようになっており、灯具のソケット部に前記電極を固定できるようになっている照明装置であって、端縁封止体8の少なくとも一方には端縁封止体8の横断面形状より小さい横断面形状の頭部11が設けられているとともに、頭部11から2本の電極52,52が突出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関し、特に冷陰極発光体を採用した照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の照明器具として、一般的には、主にガス放電により発光する蛍光ランプ管が多く採用されていたが、省電力の発光ダイオード(Light Emitting DiOde、LEDと略す)の普及につれて、多くの照明器具において発光ダイオードが光源として採用されるようになりつつある。
また、近年では外部電極蛍光灯や冷陰極発光体を用いた照明器具が採用されるようになってきた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−49007号公報(段落[0001]、[0002])
【0004】
これら照明装置にあっては、発光ダイオードを光源としたものにしろ、外部電極蛍光灯または冷陰極発光体を光源としたものにしろ、光源からの光を反射する反射鏡を有する灯具を必要としていた。
そこで、本出願人は先に、反射鏡を照明器具の内部に配置して、発光効率が高くかつ使用寿命が長い冷陰極発光体を利用して、恰も従来の蛍光ランプ管と同様な使用形態で利用でき、広い領域を照明できる照明装置を出願した。
【0005】
しかしながら、反射鏡を照明装置内部に配置した場合には、反射鏡は下方に光を最大限に反射させる位置、すなわち照明装置内部の最大径の位置で管軸方向に配置して反射効率を高める必要性があるため、照明装置の両端部の横断面形状が、どうしても従来の蛍光ランプ管の両端部の横断面形状より大きくならざるを得なかった。
一方、既存の灯具の両端に設けられた蛍光ランプ管用ソケット部には、非導通状態の蛍光灯の電極をその軸方向に移動させて導通状態とする差し込み方式と、非導通状態の蛍光灯の電極をその軸方向と交差する方向に回転させて導通状態とする挟み込み方式がある。特に、前記差し込み方式は、通常、ソケット本体、摺動体、端子を備えており、前記ソケット本体の前面には円形開口部が形成され、前記摺動体は電極挿入孔が形成されているとともに前記開口部に摺動可能に配設されている。
しかしながら、本出願人が先に出願した照明装置にあっては、その両端部の横断面形状が従来の蛍光ランプ管の両端部の横断面形状より大きいため、従来の蛍光ランプ管と同様な使用形態で利用しようとしても、既存の灯具の両端に摺動体が設けられた蛍光ランプ管用ソケット部には対応しきれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、発光効率が高くかつ使用寿命が長い冷陰極発光体を利用して、恰も従来の蛍光ランプ管と同様な使用形態で利用でき広い領域を照明できる照明装置でありながら、灯具の両端に摺動体が設けられた既存の差し込み方式の蛍光ランプ管用ソケット部にも対応でき、延いては対応する灯具のバリエーションを広げることの出来る照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の照明装置は、管本体の下部が主として光透過部材で構成されるとともに、前記管本体の内部に管軸方向に冷陰極発光体が延設され、前記冷陰極発光体の上面には下方に位置する前記光透過部材に向けて冷陰極発光体の光を反射する光反射部材が設けられ、前記管本体の両端部に電極が延設された端縁封止体が配置されるようになっており、灯具のソケット部に前記電極を固定できるようになっている照明装置であって、前記端縁封止体の少なくとも一方には前記端縁封止体の横断面形状より小さい横断面形状の頭部が設けられているとともに、該頭部から2本の電極が突出していることを特徴としている。
この特徴によれば、発光効率が高くかつ使用寿命が長い冷陰極発光体の光源を光反射部材を利用して反射する構造により、蛍光ランプ管と同様な広い領域を照明できる機能を確保しつつ、頭部から延びる2本の電極を用いて挟み込み方式の灯具のソケット部に前記電極を固定できることは勿論、前記端縁封止体に設けられた小さい横断面形状の頭部を差し込み方式の押入部として利用できるため、簡単な構成で対応する灯具のバリエーションを広げることが出来る。
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の照明装置は、前記管本体の側面視において、前記2本の電極を通る線分の該電極間の中心をOとし、該中心Oを通る垂線と前記管本体の上端との交点をA、その下端との交点をBとした場合、OB長>OA長の関係になっているとともに、前記光反射部材は前記中心Oよりも下方に位置していることを特徴としている。
この特徴によれば、灯具反射板と管本体の両者が結果的に近接することになる灯具に管本体を固定する場合でも、設置に支障がなく、かつ前記光反射部材の大きさや、光透過部材の形状を自由に選択でき、照明装置によって広い光透過部や反射面を確保することができることになる。
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の照明装置は、前記管本体の側面視において、前記2本の電極を通る線分の該電極間の中心をOとし、該線分の前記管本体の側端との交点をCとした場合、OB長>OC長の関係になっていることを特徴としている。
この特徴によれば、特に回転を伴う挟み込み方式の灯具に管本体を固定する場合、灯具反射板と管本体の両者が管本体の回転時に近接することになるが、管本体が灯具反射板に当たることなく設置でき、かつ前記光反射部材の大きさや、光透過部材の形状を自由に選択でき、照明装置によって広い光透過部や反射面を確保することができることになる。
【0010】
前記課題を解決するために、本発明の照明装置は、前記頭部が円筒状凸部であり、この円筒状凸部の円中心が、前記中心Oと一致していることを特徴としている。
この特徴によれば、差し込み方式の灯具に管本体を固定する場合、前記円筒状凸部がソケット本体の前面の円形開口部に対する押入部となり、両者の形状がほぼ一致しているため、取り付けが容易であるばかりか、取り付け時の安定性も向上する。
【0011】
前記課題を解決するために、本発明の照明装置は、前記頭部が前記端縁封止体の一部となるように一体形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、前記頭部が前記端縁封止体と一体形成であるため、管本体の灯具取り付け時や使用時において、前記頭部にかかる負荷に対する強度を向上できることになる。
【0012】
前記課題を解決するために、本発明の照明装置は、前記端縁封止体の両方に、同寸法の頭部が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、差し込み方式の灯具に管本体を固定する場合、両端部に突出する頭部はソケット本体の開口部内の摺動体で均等に内側に押圧され、灯具の中央に管本体を位置させることが出来る。
【0013】
前記課題を解決するために、本発明の照明装置は、前記端縁封止体の下方部に、前記光透過部材の端部下方部分を外側から覆うカバー部が延設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、照明装置の端部に衝撃があっても、このカバー部により、光透過部材の端部への直接的な衝撃が回避され、光透過部材の端部の破損を防止できる。
【0014】
前記課題を解決するために、本発明の照明装置は、前記管本体は中空状であって、主として光透過部材で構成される断面略U字状の前記下部と、筒状に形成された上部と、から構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、前記上部が筒状体となっているため、照明装置取り付け時などに生じる管本体に働く捻り力に対して、前記上部が変形を抑制し、効果的に管本体のねじり変形を防止するように働く。
【0015】
前記課題を解決するために、本発明の照明装置は、前記端縁封止体を貫通する2本の電極が、インバータを含む制御装置が内装された筒状の前記管本体の内部に臨むように延設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、前記2本の電極とインバータを含む制御装置との接続が容易に行えるばかりか、管本体の灯具への取り付け時において、前記頭部には負荷が掛かるが、変形を抑制する機能を有する前記筒状体が効果的に前記負荷を受け止め、頭部の破損を防止できることになる。
【0016】
前記課題を解決するために、本発明の照明装置は、前記上部に長手方向に溝が形成されており、断面略U字状の前記下部の上端部が、前記上部の長手方向の溝に溝嵌合されて前記管本体が形成されるようになっていることを特徴としている。
この特徴によれば、照明装置のメンテナンス時など、溝方向の両者の相対移動が許容されるため、前記下部と前記上部とも分解が容易となる。特に前記下部に侵入した虫などの掃除が容易となる。
【0017】
前記課題を解決するために、本発明の照明装置は、前記上部の溝に前記下部が溝嵌合されている前記管本体の両端が、前記上部と下部との相対移動が阻止される態様で、前記端縁封止体で固定されるようになっていることを特徴としている。
この特徴によれば、前記上部の溝に前記下部が溝嵌合されているため、長手方向の相対移動を端縁封止体で固定するのみで強固な密封状の管本体を構成できるばかりか、端縁封止体には2本の電極が設けられているため、組み付けと同時に2本の電極を備えた管本体が得られることになる。
【0018】
前記課題を解決するために、本発明の照明装置は、前記管本体に形成された長手方向の溝に嵌合状態で保持される保持部と、前記冷陰極発光体を長手方向に向けて把持する把持部とからなる合成樹脂製の発光体保持片を備えていることを特徴としている。
この特徴によれば、合成樹脂製の発光体保持片は、管本体内を延びる冷陰極発光体を支持し、移動時や大きな揺れに対して管本体内の冷陰極発光体を保護する働きをする。特に長手方向の溝で発光体保持片が支持されているため、長手方向にこの発光体保持片を移動設置できることから、管本体や冷陰極発光体の長さ条件等に応じて、冷陰極発光体の一番振れの激しくなるような位置を特定して揺れに対する対処が可能となる。
【0019】
前記課題を解決するために、本発明の照明装置は、前記発光体保持片が、前記保持部と把持部とを連結する吊架部を有し、該吊架部が屈伸可能になっていることを特徴としている。
この特徴によれば、吊架部の屈曲により長手方向の溝から保持部を外し、さらに吊架部の伸長により長手方向の溝に保持部を嵌合できるようになるため、ワンタッチで発光体保持片を長手方向に容易に移動できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明にかかる照明装置の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の照明装置の分解図である。
【図3】図1の筒状体の拡大斜視図である。
【図4】図1の端縁封止体を外面から見た斜視図である。
【図5】図1の端縁封止体を内面から見た斜視図である。
【図6】本発明にかかる照明装置に用いられる発光体保持片の斜視図である。
【図7】図6の発光体保持片の正面図である。
【図8】図1のX―X断面斜視図である。
【図9】図1のX−X断面図である。
【図10】本発明にかかる照明装置内部に装備されるランプ設備の電気回路図であ る。
【図11】本発明にかかる照明装置を既存の蛍光ランプ管用差し込み方式のソケット部を備えた灯具に取り付ける際の、管本体の側面視における2本の電極の配置を示した図である。
【図12】本発明にかかる照明装置を既存の蛍光ランプ管用差し込み方式のソケット部を備えた灯具に取り付けるための説明図である。
【図13】本発明にかかる照明装置を既存の蛍光ランプ管用挟み込み方式のソケット部を備えた灯具に取り付ける際の、管本体の側面視における2本の電極の配置を示した図である。
【図14】本発明にかかる照明装置を既存の蛍光ランプ管用挟み込み方式のソケット部を備えた灯具に取り付けるための説明図であって、(a)は照明装置をソケット部に挟み込む前の状態を示す図であり、(b)は照明装置をソケット部に挟み込み回転した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の上述の、及びその他の技術内容、特徴と効果は、添付図面に基づく好適な実施形態に関する以下の詳細な説明により、明らかになるであろう。
【0022】
本発明にかかる照明装置の好適な実施形態が図1以降に示されており、この照明装置3は一般の蛍光ランプ管の使用方法と同様に、二つのソケット部の間に取り付けて適用されるものであり、前記ソケット部は、既存の蛍光ランプ管の灯具に設けられているソケット部であり、照明装置3は蛍光ランプ管の代わりに利用されるランプである。照明装置3の既存のソケット部への取り付け方法については後述する。照明装置3は、特に図1、図2に示されるように中空状の管本体4であり、管本体4の一端部の内部には制御装置である導電ユニット5が固定され、この導電ユニット5は主にインバータとPFC(図示せず)からなる。
【0023】
具体的には、管本体4は、断面略U字状の光透過部材9(下部)と、放熱性の高い材料で構成される筒状体10(上部)との接合構造により構成され、前記上部の筒状体10の底面板が内部を少なくとも長手方向に上下に分離する仕切体18としての機能を有している。この仕切体18の上方位置にはインバータを含む制御装置である導電ユニット5がケース体55に収納された状態で内装固定されている。このケース体55は、利用者等が容易に導電ユニット5に触れられないように遮蔽機能を有している。このように、管本体4の仕切体18の下方位置に管軸方向に延設された複数の冷陰極発光体7(COld CathOde FluOrescent Lamp、略称CCFL)が設置され、前記仕切体18の下面には前記した光反射部材30が位置していることにより、光透過部材9に向けて冷陰極発光体7の光が反射されるようになっている。
【0024】
このような構造の照明装置は、発光効率が高くかつ使用寿命が長い冷陰極発光体7の光源を光反射部材30を利用して反射する構造であるため、蛍光ランプ管と同様な広い領域を照明できることになる。また管本体4の仕切体18の下方面が光反射部材30であり、かつ前記仕切体18の上方位置にインバータを含む制御装置である導電ユニット5が内装されているため、この導電ユニット5が照明部を占有することがない。すなわち光透過部材の長さと合わせて冷陰極発光体7を管軸方向に十分延設できることになり、従来の蛍光ランプ管と同様に管本体の端部付近まで照明部として利用できることになる。
【0025】
前記管本体4の下部は、断面U字状であり、主として合成樹脂からなる半透明の光透過部材9から構成されているとともに、前記管本体4内部に管軸方向に複数の冷陰極発光体7が延設され、前記複数の冷陰極発光体7の上面には、下方に位置する前記光透過部材9に向けて冷陰極発光体7の光を反射する光反射部材30が設けられている。電気的に接続される複数の冷陰極発光体7は2本用いられているが、本数に関しては要求される明るさに応じて、適宜本数は選択できる。ここで2本の冷陰極発光体7、7は接続線17で接続されているが、これは後述するように冷陰極発光体が直列接続される構造を採るために必要な構成である。また光透過部材9は、抜き出し成型により製造される断面一定の長尺材であり、断面が略U字状であり、そのU字状の両上端部に内向きの爪部16を有する。光透過部材9はこの長尺材を所定の長さで切断して利用される。また、この光透過部材9は透明もしくは乳白色の透光性の合成樹脂が主に用いられるが、種々のカラーが適用されることもある。光透過部材9は冷陰極発光体7からの光を散乱させるために内側面は凹凸上の光散乱面に加工されている。
【0026】
筒状体10を図3に基づいて更に詳しく説明すると、筒状体10は放熱性の高い材料例えばアルミ素材等で構成され、抜き出し成型により製造される断面非円形の一定の長尺材であり、筒状体10の底面板が仕切体18としての機能を有している。また6は後述する端縁封止体8の係止爪13を係止する係止溝である。このように上部が筒状体10となっているために強度が高く、照明装置取り付け時などに生じる管本体4に働く捻り力に対して、前記上部が変形を抑制し、効果的に管本体4のねじり変形を防止するように働く。また導電ユニット5が発生する熱は、放熱性の高い材料で構成された導電ユニット5を取り囲む前記上部により効果的に放出されることになる。また筒状体10の下方長手方向に走る溝14が設けられ、この溝14は光透過部材9の断面略U字状の両上端部に内向きに延びている爪部16と係合可能となっている。筒状体10の下方長手方向に走る溝14に対して、光透過部材9の爪部16を長手方向から嵌合することにより、筒状体10と光透過部材9との連結が完了する。このように溝方向においてのみ両者の相対移動が許容されるため、筒状体10と光透過部材9は上下方向に分離し辛い構造でありながら、照明装置のメンテナンス時など、両者の長手方向の相対移動で光透過部材9内にアクセスが可能となり、特に光透過部材9内に侵入した虫などの掃除が容易となる。
【0027】
筒状体10の両端に取り付けられる端縁封止体8について図4,5に基づいて説明すると、両側の端縁封止体8には、該端縁封止体8の横断面形状より小さい横断面形状の頭部11が設けられている。両頭部11は同一形状の円筒状凸部であって、端縁封止体8の一部となるように一体に形成されている。このように頭部11が端縁封止体に一体に形成されているため、管本体4の灯具取り付け時や使用時において、頭部11にかかる負荷に対する強度を向上できることになる。また、図12に示すように、既存の蛍光ランプ管用差し込み方式のソケット部を備えた灯具100は、通常、ソケット本体60、摺動体61、摺動体61を付勢するバネ62を備えており、前記ソケット本体60の前面には円形開口部63が形成され、摺動体61は2個の電極挿入孔64,64を備えているとともに前記開口部63に摺動可能に配設されている。頭部11はこの差し込み方式のソケット部の押入部として利用するものであるから、頭部11はこの開口部63に嵌入できる程度の大きさである。
図4,5に戻ると、端縁封止体8はこれを貫通するように2本の電極52,52が設けられ、2本の電極52,52の頭部11により外側に突出する部分は、図12,14に示す既存の蛍光ランプ管用ソケットに挿入される。また、2本の電極52,52の内側に延びる部分は、集中端子19に接続され、導電ユニット5に接続されることになる。端縁封止体8の裏面側には、裏面側に延びる係止爪13が設けられており、筒状体10の側面に形成されている係止溝6に係止爪13が圧入係止されることにより、端縁封止体8がワンタッチで筒状体10の両端に取り付けられることになる。すなわち長手方向両端を端縁封止体8で固定するのみで、筒状体10と光透過部材9との溝方向の両者の相対移動を阻止し、図1に示される強固な照明装置を構成できる。また端縁封止体8には前記した2本の電極52,52が設けられているため、組み付けと同時に電極を備えた管本体が得られることになる。
また、端縁封止体8の下方部には、端縁封止体8を管本体4に取り付けた際に、光透過部材9の端部下方部分を外側から覆うカバー部12が延設されている。
したがって、照明装置3の端部に衝撃があっても、このカバー部12により、光透過部材9の端部への直接的な衝撃が回避され、光透過部材9の破損を防止できる。
【0028】
図6には、発光体保持片23が示されており、これは筒状体10に形成された長手方向の溝15に嵌合可能な保持部231と、冷陰極発光体7を長手方向に向けて把持する把持部232とから構成されている。また発光体保持片23は、前記保持部231と把持部232とを連結する吊架部234を有し、該吊架部234が図7に示されるように屈伸可能になっている。発光体保持片23は透明な合成樹脂製である。
【0029】
この発光体保持片23は、筒状体10内を延びる冷陰極発光体7を図8に示されるように支持し、移動時や大きな揺れに対しても筒状体10内の冷陰極発光体7を保護する働きをする。特に長手方向の溝15で発光体保持片23が支持されているため、長手方向にこの発光体保持片23を移動設置できることから、筒状体10や冷陰極発光体7の長さ条件等に応じて、冷陰極発光体7の一番振れの激しくなるような位置を特定して揺れに対する対処が可能となる。発光体保持片23の取り付けに際しては、吊架部234の屈曲と伸長とによりワンタッチで長手方向の溝15に保持部231を嵌合できるばかりか、発光体保持片23を長手方向に容易に移動できることになる。また、吊架部234の屈曲により長手方向の溝15から保持部231を容易に外すこともできる。
また、管本体4の一端部にはインバータを含む導電ユニット5が固定されているため、そのインバータが発生する熱により冷陰極発光体7の両端では温度差、すなわち温度傾斜を生じることとなる。
しかしながら、発光保持片23は合成樹脂製であるため、金属製に比べて熱伝導性が低く、しかも、冷陰極発光体7は発光保持片23で吊架して空間に浮かした状態で保持されているため、その温度傾斜により生じる熱が直接冷陰極発光体7に伝わらず、冷陰極発光体7の耐久性が向上する。
【0030】
図9は、上記のように組み立てられた図1の照明装置のX―X断面図であり、冷陰極発光体7の光を反射する光反射部材30は、溝15内において発光体保持片23の保持部231により共に嵌合し、光反射部材30は筒状体10に確実に取り付けられている。したがって発光体保持片23を筒状体10から取り除くと、光反射部材30の係止が緩くなり筒状体10から光反射部材30が取り外しやすくなる。ただしこの実施例に限らず光反射部材30は筒状体10に接着剤で固定されても良いし、また筒状体10に塗布されて構成されても良い。
また、端縁封止体8を貫通する2本の電極52,52は、インバータを含む制御装置である導電ユニット5が内装された筒状の管本体4の内部に臨むように延設されているため、2本の電極52,52と導電ユニット5との接続が容易に行える。
さらには、端縁封止体8は断面非円形の筒状体10に係合爪13等により回転不可能に固定されており、また筒状体は上述した如く、管本体4のねじり変形を防止するように働くため、管本体4の灯具への取り付け時において、端縁封止体8に設けられた頭部11に掛かる負荷は、筒状体10で受け止められこととなり、頭部11の破損を防止することになる。
【0031】
照明装置3内部に装備されるランプ設備は図10に詳しく開示されており、端縁封止体8はこれを貫通するように2本の電極52,52が設けられ、頭部11により外側に突出する電極52,52は、図12,14に示す既存の蛍光ランプ管のソケットに挿入される。
そして、2本の電極52,52の内側に延びる部分は、集中端子19に接続され、導線24、25を介してそれぞれ導電ユニット5に接続されることになる。電気的に接続される複数の冷陰極発光体7(CCFL)は2本用いられており、2本の冷陰極発光体7、7の一端は接続線17で接続され、これら冷陰極発光体7、7の他端は導電ユニット5を介して導線24、25に接続され、電気的に直列接続を構成している。このため導電ユニット5内のインバータやPFCなどの機器は1個あれば十分であり、この様な簡素なかつ軽量な導電ユニット5を用いて複数本の冷陰極発光体7を並列に配置することにより十分な照度を得ることが出来る。なお、導線24は筒状体10内に延設されることにより、導線が照明の邪魔になることがない。
【0032】
インバータは図示されていないが、2本の電極52,52から得られる電圧を例えば20〜100KHz、200〜3000Vに昇圧し、この高周波出力が電気的に接続された各冷陰極発光体7に印加される。インバータには高周波出力のデューティサイクルを可変する調光制御回路を付加することが好ましい。調光制御はデューティサイクルを可変する方式に限定されない。インバータは、本実施形態においては一般の自励発振型インバータであるが、実用に際してこれに限定されない。
【0033】
次に、照明装置3を既存の蛍光ランプ管用ソケット部を備えた灯具へ取り付けるための方法について、図11〜図14に基づいて説明する。
図11は、図12に示すように、既存の両端に設けられた蛍光ランプ管用差し込み方式のソケット部を備えた灯具100に、照明装置3を取り付ける際の2本の電極52,52の位置を示している。
図11によれば、管本体4の側面視において、2本の電極52,52を通る線分lの電極52,52間の中心をOとし、この中心Oを通る垂線mの管本体4の上端41との交点をA、その下端42との交点をBとした場合、OB長>OA長の関係になっているとともに、光反射部材30は中心Oよりも下方に位置(図9参照)しており、円筒状凸部の頭部11の円中心は前記中心Oと一致している。
上述した如く、灯具100のソケット部は、ソケット本体60、摺動体61、摺動体61を付勢するバネ62を備えており、前記ソケット本体60の前面には円形開口部63が形成され、摺動体61は2個の電極挿入孔64,64を備えているとともに前記開口部63に摺動可能に配設されている。70は灯具反射板である。
したがって、図12に示すように、照明装置3を灯具100に取り付けるには、まず一方の頭部11に設けられた2本の電極52,52を一方の摺動体61の電極挿入孔64,64に差し込み、一方の頭部11を押入部として一方の摺動体61を押圧し、一方の頭部11を一方の円形開口部63に嵌め込みながら、他方の頭部(図示せず)に設けられた2本の電極(図示せず)も同様に、他方の摺動体(図示せず)の電極挿入孔(図示せず)に差し込むことにより、照明装置3を導通状態とさせる。
このように、端縁封止体8に設けられた小さい横断面形状の円筒状凸部である頭部11はソケット本体60の前面の円形開口部63に対する押入部となり、しかも、この頭部11の円中心は前記中心Oと一致し、この頭部11は円形開口部63に嵌入できる程度の大きさであるので、両者の形状はほぼ一致しているため、取り付けが容易であるばかりか、取り付け時の安定性も向上する。
そして、両方の端縁封止体8に設けられた円筒状凸部の頭部11は同寸法となっているので、差し込み方式のソケット部に管本体4を固定する場合、両端部に突出する頭部11はソケット本体60の円形開口部63内の摺動体61で均等に内側に押圧され、灯具100の中央に管本体4を位置させることができる。
また、図11に示すように、OB長>OA長の関係になっているとともに、光反射部材は中心Oよりも下方に位置しているので、灯具反射板70と管本体4の両者が結果的に近接することになる灯具100に管本体4を固定する場合でも、設置に支障がなく、かつ光反射部材30の大きさや、光透過部材9の形状を自由に選択でき、照明装置3によって広い光透過部や反射面を確保することができることになる。
【0034】
図13は、図14に示すように、既存の両端に設けられた蛍光ランプ管用挟み方式のソケット部を備えた灯具200に、電極をその軸方向と交差する方向(矢印方向)に回転させて、照明装置3を取り付ける際の2本の電極52,52の位置を示している。
図13によれば、管本体4の側面視において、2本の電極52,52を通る線分lの電極52,52間の中心をOとし、この中心Oを通る垂線mと管本体4の上端41との交点をA、その下端42との交点をBとした場合、OB長>OA長の関係になっているとともに、さらに、回転前における管本体4の灯具反射板70と対向する側端43と前記線分lとの交点をCとした場合、OB長>OC長の関係が成り立っている。また、当然のこととして、OC長を半径とする円弧(図13の破線)内に、矢印方向に回転する管本体4は位置している。そして、上述した如く、光反射部材30は中心Oよりも下方に位置している。
したがって、図14に示すように、照明装置3を灯具200に取り付けるには、両方の頭部11,11(図14では一方のみを図示)に設けられた2本の電極52,52をソケット部の電極挿入孔91に挟み込み、照明装置3をその軸方向と交差する方向(図14(b)の矢印方向)に回転させることにより、照明装置3を導通状態とさせる。
その際、図13に示すように、OB長>OA長及びOB長>OC長の関係になっており、さらに、光反射部材30は中心Oよりも下方に位置しているので、回転を伴う挟み込み方式のソケット部に管本体4を固定する場合であっても、灯具反射板70と管本体4の両者が管本体4の回転時に近接することになるが、管本体4が灯具反射板70に当たることなく設置でき、かつ光反射部材30の大きさや、光透過部材9の形状を自由に選択でき、照明装置3によって広い光透過部や反射面を確保することができることになる。
【0035】
このように、照明装置3にあっては、発光効率が高くかつ使用寿命が長い冷陰極発光体の光源を光反射部材30を利用して反射する構造により、蛍光ランプ管と同様な広い領域を照明できる機能を確保しつつ、頭部から延びる2本の電極52,52を用いて挟み込み方式の灯具200のソケット部に2本の電極52,52を固定できることは勿論、端縁封止体8に設けられた小さい横断面形状の頭部11を差し込み方式の押入部として利用できるため、簡単な構成で対応する灯具のバリエーションを広げることが出来る。
【0036】
以上、本発明の実施形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0037】
例えば、前記実施形態では、頭部11は両側の端縁封止体8に設けたが、一方の端縁封止体8に設けるものであっても良い。
前記実施形態では、頭部11は円筒状凸部としたが、これに限定されることなく、既存の差し込み式ソケット部の円形開口部に嵌入できるものであれば良く、例えば、先端にテーパ面を備えた円筒状凸部等であっても良い。
前記実施形態では、頭部11が端縁封止体8の一部となるように一体形成されているが、頭部11を別体に形成して端縁封止体8に接合しても良い。
前記実施形態では、冷陰極発光体7を2本設けたが、本数に関しては要求される明るさに応じて、適宜本数選択でき、例えば1本でも3本以上であっても良い。
【符号の説明】
【0038】
3 照明装置
4 管本体
5 導電ユニット
6 係止溝
7 冷陰極発光体
8 端縁封止体
9 光透過部材
10 筒状体
11 頭部
12 カバー
23 合成樹脂製の発光体保持体
30 光反射部材
52 電極
55 ケース体
70 灯具反射板
100 既存の蛍光ランプ管用差し込み式のソケット部を備えた灯具
200 既存の蛍光ランプ管用挟み込み式のソケット部を備えた灯具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管本体の下部が主として光透過部材で構成されるとともに、前記管本体の内部に管軸方向に冷陰極発光体が延設され、前記冷陰極発光体の上面には下方に位置する前記光透過部材に向けて冷陰極発光体の光を反射する光反射部材が設けられ、前記管本体の両端部に電極が延設された端縁封止体が配置されるようになっており、灯具のソケット部に前記電極を固定できるようになっている照明装置であって、
前記端縁封止体の少なくとも一方には前記端縁封止体の横断面形状より小さい横断面形状の頭部が設けられているとともに、該頭部から2本の電極が突出していることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記管本体の側面視において、前記2本の電極を通る線分の該電極間の中心をOとし、該中心Oを通る垂線と前記管本体の上端との交点をA、その下端との交点をBとした場合、OB長>OA長の関係になっているとともに、前記光反射部材は前記中心Oよりも下方に位置していることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記管本体の側面視において、前記2本の電極を通る線分の該電極間の中心をOとし、該線分の前記管本体の側端との交点をCとした場合、OB長>OC長の関係になっていることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記頭部が円筒状凸部であり、この円筒状凸部の円中心が、前記中心Oと一致していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記頭部が前記端縁封止体の一部となるように一体形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記端縁封止体の両方に、同寸法の頭部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記端縁封止体の下方部に、前記光透過部材の端部下方部分を外側から覆うカバー部が延設されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記管本体は中空状であって、主として光透過部材で構成される断面略U字状の前記下部と、筒状に形成された上部と、から構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記端縁封止体を貫通する2本の電極が、インバータを含む制御装置が内装された筒状の前記管本体の内部に臨むように延設されていることを特徴とする請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記上部に長手方向に溝が形成されており、断面略U字状の前記下部の上端部が、前記上部の長手方向の溝に溝嵌合されて前記管本体が形成されるようになっていることを特徴とする請求項8または9に記載の照明装置。
【請求項11】
前記上部の溝に前記下部が溝嵌合されている前記管本体の両端が、前記上部と下部との相対移動が阻止される態様で、前記端縁封止体で固定されるようになっていることを特徴とする請求項10に記載の照明装置。
【請求項12】
前記管本体に形成された長手方向の溝に嵌合状態で保持される保持部と、前記冷陰極発光体を長手方向に向けて把持する把持部とからなる合成樹脂製の発光体保持片を備えていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項13】
前記発光体保持片が、前記保持部と把持部とを連結する吊架部を有し、該吊架部が屈伸可能になっていることを特徴とする請求項12に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−251261(P2010−251261A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102439(P2009−102439)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(594044428)株式会社オプトロム (7)
【出願人】(509001087)廣拓科技股▲分▼有限公司 (7)
【出願人】(509000873)愛普拓楽(香港)有限公司 (7)
【Fターム(参考)】