説明

照明装置

【課題】多様な設置スペースに容易に設置可能な照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置は、管状の光源を備えた光源部1に設けられた取り付け部材2が設置面に固定されることによって設置面に設置される照明装置において、取り付け部材2は、光源部1に対して回動可能であるとともに、設置面に固定される固定部2aを有し、固定部2aは、取り付け部材2が回動させられることによって、光源部1と設置面との間の対向領域より外側の外側領域内において移動可能であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井などの設置面に設置される照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷陰極蛍光ランプ(CCFL)などの管状の光源を備えた光源部を有する照明装置には、一般的に、天井などの設置面に背面を対向させて設置するための取り付け金具などの取り付け部材が設けられる。
【0003】
図5および図6は、一般的な取り付け部材が設けられた照明装置の背面図である。
【0004】
図5に示した照明装置は、管状の光源を備えた光源部101と、光源部101の長手方向の両端部にそれぞれ設けられた取り付け部材102と、を有している。各取り付け部材102は保持部102bをそれぞれ有しており、保持部102bが光源部101に固定されている。
【0005】
ここで、光源部101の長手方向に平行な軸をX軸とし、X軸に直交し、この照明装置が設置される際に設置面に平行になる軸をY軸とする。すなわち、この照明装置が設置される際に設置面に対向する光源部101の背面の長辺はX軸に平行になり、短辺はY軸に平行になる。
【0006】
各取り付け部材102には、図5の紙面上方向をY軸の正の方向とし、紙面下方向をY軸の負の方向とすると、各保持部102bからY軸の正の方向および負の方向にそれぞれ延びた突出部102cを有している。突出部102cには固定穴102aが形成されている。突出部102cは、この照明装置が設置面に設置される際に光源部101と設置面との間の領域より外側の位置にある。
【0007】
この照明装置の取り付け部材102は、前面から背面に向けて固定穴102aを通されたネジ等が設置面に差し込まれることによって設置面に固定される。これにより、この照明装置は設置面に設置される。この照明装置では突出部102cに固定穴102aが設けられているため、この照明装置の前面側に配置された光源部101にネジ等を接触させることなく、取り付け部材102を設置面に固定することが可能である。
【0008】
一方、図6に示した照明装置の各取り付け部材112は各保持部112bからX軸方向に互いに離れるように延びた突出部112cを有している。突出部112cには固定穴112aが形成されている。突出部112cは、この照明装置が設置面に設置される際に光源部101と設置面との間の領域より外側の位置にある。
【0009】
照明装置を設置するスペースがY軸方向に狭い場合には、図5に示した照明装置では、取り付け部材102の突出部102cが邪魔になって設置できない場合がある。その場合には、図6に示した照明装置のように、突出部がY軸方向に延ばされておらず、設置する際に突出部が邪魔にならない照明装置を用いることができる。
【0010】
一方、照明装置を設置するスペースがX軸方向に狭い場合には、図6に示した照明装置では、取り付け部材112の突出部112cが邪魔になって設置できない場合がある。その場合には、図5に示した照明装置のように、突出部がX軸方向に延ばされておらず、設置する際に突出部が邪魔にならない照明装置を用いることができる。
【0011】
図7は、照明装置を設置するスペースがX軸方向に狭い場合にもY軸方向に狭い場合にも設置可能な照明装置の背面図である。
【0012】
この照明装置の取り付け部材122には、保持部122aからX軸方向およびY軸方向にそれぞれ延びた突出部122c,122dが形成されている。また、各突出部122c,122dにはそれぞれ固定穴122aが形成されている。
【0013】
この照明装置では、照明装置を設置するスペースがY軸方向に狭い場合には、突出部122dを事前に切り取ることや折り曲げることにより、設置する際に突出部122dが邪魔にならないようにして、突出部122cに形成された固定穴122aを用いて設置可能である。
【0014】
また、この照明装置では、照明装置を設置するスペースがX軸方向に狭い場合には、突出部122cを事前に切り取ることや折り曲げることにより、設置する際に突出部122cが邪魔にならないようにして、突出部122dに形成された固定穴122aを用いて設置可能である。
【0015】
本願発明に関連する技術が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2002−304910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかし、図5および図6に示した照明装置では、設置する際に、設置スペースに合わせていずれかの照明装置を選択する必要があるため面倒である。
【0017】
また、図7に示した照明装置は、多様な設置スペースに設置可能ではあるが、設置スペースに合わせて取り付け部材に加工を施す必要があり設置する際に手間がかかる。
【0018】
そこで、本発明は、多様な設置スペースに容易に設置可能な照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するため、本発明の照明装置は、管状の光源を備えた光源部に設けられた取り付け部材が設置面に固定されることによって前記設置面に設置される照明装置において、前記取り付け部材は、前記光源部に対して回動可能であるとともに、前記設置面に固定される固定部を有し、前記固定部は、前記取り付け部材が回動させられることによって、前記光源部と前記設置面との間の対向領域より外側の外側領域内において移動可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、多様な設置スペースに容易に設置可能な照明装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1〜3は、本発明の一実施形態に係る照明装置の背面図である。
【0023】
図1に示すように、この照明装置は、管状の光源として冷陰極蛍光ランプを備えた光源部1と、光源部1の背面側の、光源部1の長手方向の両端部にそれぞれ設けられた取り付け部材2と、光源部1と各取り付け部材2とをそれぞれ連結させる連結部3と、を有している。取り付け部材2は、光源部1に対して連結部3を中心に回動可能である。
【0024】
ここで、光源部1の長手方向に平行な軸をX軸とし、X軸に直交し、この照明装置が設置される際に設置面に平行になる軸をY軸とする。すなわち、この照明装置が設置される際に設置面に対向する光源部1の背面の長辺はX軸に平行になり、短辺はY軸に平行になる。
【0025】
また、光源部1の背面と、この照明装置が設置面に設置される際に光源部1の背面に対向する設置面との間の領域を対向領域とし、対向領域より外側の領域を外側領域とする。
【0026】
各取り付け部材2には、取り付け部材2を回動させることによって外側領域に配置可能な部分である固定部にそれぞれ固定穴2aが形成されている。固定穴2aは取り付け部材2が回動させられることによって、外側領域を移動可能である。この照明装置では、設置面に設置する際に、固定穴2aを外側領域に配置させる。
【0027】
この照明装置の取り付け部材2は、前面から背面に向けて固定穴2aを通されたネジ等が設置面に差し込まれることによって設置面に固定される。これにより、この照明装置は設置面に設置される。
【0028】
この照明装置では、設置する際に固定穴2aを外側領域に配置させることによって、この照明装置の前面側に配置された光源部1にネジ等を接触させることなく取り付け部材2を設置面に固定することが可能である。
【0029】
この照明装置では、設置スペースがY軸方向に狭い場合には、図2に示すように、固定穴2aを対向領域よりもX軸方向外側にある第1の位置に配置させる。これにより、取り付け部材2が対向領域からY軸方向外側に突出しないため、設置する際に取り付け部材2が邪魔になることを防止できる。なお、固定穴2aを配置させる位置は図2に示した第1の位置に限らず、対向領域よりもX軸方向外側であればよい。
【0030】
また、この照明装置では、設置スペースがX軸方向に狭い場合には、図3に示すように、固定穴2aを対向領域よりもY軸方向外側にある第2の位置に配置させる。これにより、取り付け部材2が対向領域からX軸方向外側に突出しないため、設置する際に取り付け部材2が邪魔になることを防止できる。なお、固定穴2aを配置させる位置は図3に示した第2の位置に限らず、対向領域よりもY軸方向外側であればよい。
【0031】
このように、この照明装置は、取り付け部材2を回動させることによって、設置スペースがX軸方向に狭い場合にもY軸方向に狭い場合にも容易に設置可能である。
【0032】
なお、この照明装置は、設置スペースがX軸方向またはY軸方向に狭い場合に限らず、設置スペースに合わせて各固定穴2aを外側領域の任意の位置にそれぞれ配置させて設置されることができる。そのため、この照明装置は多様な設置スペースに容易に設置可能である。
【0033】
また、本実施形態に係る照明装置は取り付け部材2を2つ備えているが、照明装置は取り付け部材を少なくとも1つ備えていれば設置面に設置されることができ、取り付け部材を3つ以上備えていてもよい。また、照明装置を設置する際には、必要に応じて、照明装置を固定する他の手法を併用することができる。
【0034】
また、本実施形態に係る照明装置は各取り付け部材2にそれぞれ1つの固定穴2aが形成されているが、照明装置は各取り付け部材にそれぞれ複数の固定穴が形成されていてもよい。また、照明装置の取り付け部材にあらかじめ固定穴が形成されていなくてもよい。この場合には、照明装置を設置する際に、外側領域に配置させた取り付け部材の固定部に穴をあけることによって、取り付け部材を設置面に固定することができる。
【0035】
図4は、図1〜3に示した照明装置の変形例に係る照明装置の背面図である。
【0036】
この照明装置では、連結部13が光源部11の長手方向に移動可能なように設けられている。これにより、取り付け部材12を光源部11の長手方向に移動させることができる。
【0037】
連結部13は、たとえば、光源部11に周方向に巻き付けられた金具13aを備え、金具13aによって光源部11に保持されるように構成することができる。この場合、金具13aを光源部11に対して摺動させることによって取り付け部材12を光源部11の長手方向に移動させることができる。
【0038】
この照明装置は、設置する際に、設置スペースに合わせて取り付け部材12を邪魔にならない位置に移動させることができるため、多様な設置スペースに設置することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係る照明装置の背面図である。
【図2】図1に示した照明装置の背面図である。
【図3】図1に示した照明装置の背面図である。
【図4】図1に示した照明装置の変形例に係る照明装置の背面図である。
【図5】本願発明に関連する照明装置の背面図である。
【図6】本願発明に関連する照明装置の背面図である。
【図7】本願発明に関連する照明装置の背面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 光源部
2 取り付け部材
2a 固定穴
3 連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状の光源を備えた光源部に設けられた取り付け部材が設置面に固定されることによって前記設置面に設置される照明装置において、
前記取り付け部材は、前記光源部に対して回動可能であるとともに、前記設置面に固定される固定部を有し、
前記固定部は、前記取り付け部材が回動させられることによって、前記光源部と前記設置面との間の対向領域より外側の外側領域内において移動可能であることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記固定部は、前記外側領域内の少なくとも第1の位置と第2の位置とに移動可能であって、
前記第1の位置は、前記対向領域よりも前記光源部の前記設置面に対向する背面の長辺方向外側にあり、前記第2の位置は、前記対向領域よりも前記光源部の前記背面の短辺方向外側にある、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記取り付け部材は前記光源部の長手方向の両端部にそれぞれ設けられている、請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記取り付け部材は前記光源部の長手方向に移動可能である、請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記光源は冷陰極蛍光ランプである、請求項1から4のいずれか1項に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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