説明

照明装置

【課題】ソケットを交換することなく既存の蛍光灯とは異なる光源を容易に且つ安全に使用することができる照明装置を提供する。
【解決手段】基板11に複数の発光ダイオードを実装した発光部と、発光部を収納する直管形状の管体10と、管体10の長手方向の両端部に設けられた保持用口金12と、保持用口金12を介した経路とは異なる経路で発光部に点灯電力を給電するための給電部13とを備え、給電部13が点灯装置と電気的に接続された接続部22に装着されるLEDランプ1と、保持用口金12が装着されるソケット20と、器具本体2とを備え、保持用口金12は基板11とは互いに電気的に絶縁され、発光部は、保持用口金12をソケット20に装着した際に下方に光を照射するように管体10に収納され、点灯装置からLEDランプ1への給電経路を給電部13を介して確立する接続部22を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光灯とは異なる光源を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、既存の蛍光灯用照明器具に取り付け可能な蛍光灯型の発光ダイオードランプ(以下、「LEDランプ」と呼ぶ)が、蛍光灯の代替光源として市場に出てきており、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に記載のLEDランプ(LED装置)は、管状に形成された透光性部材の内部に複数個のLEDを配設して成る。そして、透光性部材の両端に設けられた口金を照明器具のランプソケットに装着し、ランプソケットを介して点灯装置から点灯に必要な電力を給電することで、LEDが発光するようになっている。
【0003】
このような蛍光灯型のLEDランプの装着方法は、各メーカで統一されていない。例えば、LEDランプを既存の蛍光灯用照明器具で使用する場合には、蛍光灯用の点灯装置を取り外してLEDランプ用の点灯装置を照明器具に備え付ける等、照明器具を改造する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−30929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、蛍光灯及び蛍光灯型のLEDランプは一見して同じ形状であるため、改造を施した照明器具を既存の蛍光灯用照明器具と勘違いし、誤って蛍光灯を装着してしまう虞があった。この場合、蛍光灯とLEDランプとでは点灯装置の設計が異なるため、誤って蛍光灯を接続すると点灯させることができず、ランプにも悪影響を与える虞があった。また、同じ蛍光灯型のLEDランプであっても、他のメーカが製造した規格の異なるLEDランプを改造を施した照明器具に誤って装着した場合、蛍光灯を装着した場合と同様に、点灯させることができず、ランプに悪影響を与える虞があった。
【0006】
一方、上記特許文献1に記載のLEDランプでは、LEDランプを点灯するために専用の口金を設けた構成であるため、既存の蛍光灯用照明器具において当該口金に対応するソケットに交換すれば、上記の問題は生じない。しかしながら、既存の蛍光灯用照明器具のソケットをLEDランプの口金に対応するソケットに交換する必要があることから、手間がかかるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、ソケットを交換することなく既存の蛍光灯とは異なる光源を容易に且つ安全に使用することができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の照明装置は、蛍光灯とは異なる光源であって、長尺板状の基板に複数の発光ダイオードを実装した発光部と、前記発光部を収納する直管形状の管体と、前記管体の長手方向の両端部に設けられた保持用口金と、前記保持用口金を介した経路とは異なる経路で前記発光部に点灯電力を給電するための給電部とを備え、前記各保持用口金は、直管型の蛍光灯の口金と同じ形状であり、前記給電部が、点灯装置と電気的に接続された接続部に装着される光源と、前記保持用口金が装着されるソケットと、長手方向の両端部で前記ソケットを支持するとともに前記光源に点灯電力を給電する点灯装置を収納した器具本体とを備え、前記保持用口金は、前記基板とは互いに電気的に絶縁され、前記発光部は、前記保持用口金を前記ソケットに装着した際に下方に光を照射するように前記管体に収納され、前記点灯装置から前記光源への給電経路を前記給電部を介して確立する接続部が設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、蛍光灯とは異なる光源を既存の蛍光灯用の照明器具のソケットに装着することができ、また、ソケットに装着した際にソケットを介した経路で蛍光灯とは異なる光源に給電されることがないため、ソケットを交換することなく既存の蛍光灯とは異なる光源を容易に且つ安全に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る照明装置の実施形態を示す図で、(a)はLEDランプの概略図で、(b)は器具本体の概略図である。
【図2】同上のソケットにLEDランプを装着した場合の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る照明装置の実施形態について図面を用いて説明する。尚、以下の説明では、図1(a)における上下を上下方向と定めるものとする。本実施形態は、図1(a),(b)に示すように、LEDランプ1(光源)と、LEDランプの長手方向の両端に設けられた1対の保持用口金12が装着される1対のソケット20を支持する器具本体2とを備える。
【0012】
LEDランプ1は、図1(a)に示すように、複数の発光ダイオード(図示せず)から成る発光部が設けられた長尺板状の基板11を直管形状の管体10に収納して成る。そして、管体10の長手方向の両端部には、それぞれ各ソケット20に装着される保持用口金12が設けられており、各保持用口金12からはそれぞれ丸棒状の1対のダミーピン12aが突設されている。ここで、各保持用口金12及び各ダミーピン12aは単に各ソケット20に装着できるように構成されているものであり、各保持用口金12及び各ダミーピン12aと基板11とは互いに電気的に絶縁されている。而して、LEDランプ1を各ソケット20に装着しても各保持用口金12及び各ダミーピン12aを介して発光部に電力が給電されることがない。
【0013】
発光ダイオードは、LEDランプ1を各ソケット20に装着した際に光が下方に出射されるように基板11の下面に実装される。そして、基板11の上面及び下面には、各発光ダイオードを直列又は並列、若しくは直列と並列とを組み合わせて接続する配線(図示せず)が設けられ、当該配線と電気的に接続された給電部13が設けられている。給電部13は、後述する器具本体2の接続部22に装着されるコネクタから成り、管体10を貫通するケーブル13aを介して基板11の配線と電気的に接続されている。また、給電部13は、図2に示すように、各保持用口金12を各ソケット20に装着した際に上側(器具本体2側)に位置するように設けられている。
【0014】
器具本体2は、図1(b)に示すように、LEDランプ1の長手方向に沿って長尺な箱形に形成されている。器具本体2の内部には、LEDランプ1に点灯電力を給電する点灯装置23が収納される。ここで、本実施形態の器具本体2は、既存の蛍光灯用の照明器具を改造したもので、器具本体2の内部からは予め蛍光灯用の点灯装置(図示せず)が取り外され、LEDランプ1用の点灯装置23が収納されているものとする。そして、器具本体2の下面には、前述の給電部13が装着されるコネクタから成る接続部22が設けられている。当該接続部22に給電部13を装着することで、接続部22及び給電部13を介したLEDランプ1用の点灯装置23からLEDランプ1への給電経路が確立するようになっている。
【0015】
また、器具本体2の下面には、その長手方向に沿った両端に各々ソケット20が設けられている。各ソケット20は、既存の蛍光灯用の照明器具に用いられるものである。
【0016】
以下、本実施形態におけるLEDランプ1の装着について図面を用いて説明する。
【0017】
図2に示すように、LEDランプ1の各保持用口金12を各ソケット20に装着すると、LEDランプ1の各ダミーピン12aが各ソケット20に機械的に保持され、LEDランプ1が各ソケット20に保持される。そして、LEDランプ1の給電部13を器具本体2の接続部22に装着すると、給電部13及び接続部22を介したLEDランプ1用の点灯装置23からLEDランプ1への給電経路が確立する。したがって、LEDランプ1用の点灯装置23からLEDランプ1に点灯電力が給電されて、LEDランプ1が点灯する。
【0018】
上述のように、本実施形態のLEDランプ1は、既存の蛍光灯用の照明器具の各ソケット20に装着される1対の保持用口金12と、各ソケット20を介した経路とは異なる経路で給電するための給電部13とを備えている。このため、本実施形態のLEDランプ1は、既存の蛍光灯用の照明器具の各ソケット20に装着することができ、従来の蛍光灯と同様に安定して器具本体2に保持される。
【0019】
また、本実施形態の給電部13は、各保持用口金12を各ソケット20に装着した際に器具本体2側に位置するように設けられているので、基板11に隠れることで外観を損なうことがなく、発光ダイオード(発光部)による配光を妨げることもない。
【0020】
更に、本実施形態のLEDランプ1は、管体10が従来の直管型の蛍光灯と同じ形状であり、且つ管体10の長手方向の両端にそれぞれ保持用口金12を設けた構成であるため、従来の直管型の蛍光灯と同様の操作で各ソケット20に装着することができる。また、従来の蛍光灯及び本実施形態のLEDランプ1が一見して同じ外観であるため、蛍光灯からLEDランプ1に交換した際に、照明装置全体の外観が変化することがない。
【0021】
尚、上記実施形態では、蛍光灯とは異なる光源として発光ダイオードから成る発光部を備えたLEDランプ1を採用しているが、これに限定される必要はない。例えば、有機エレクトロルミネッセント(EL)素子から成る発光部を備えた光源を採用しても構わない。
【符号の説明】
【0022】
1 LEDランプ(光源)
12 保持用口金
12a ダミーピン
13 給電部
2 器具本体
20 ソケット
22 接続部
23 点灯装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光灯とは異なる光源であって、長尺板状の基板に複数の発光ダイオードを実装した発光部と、前記発光部を収納する直管形状の管体と、前記管体の長手方向の両端部に設けられた保持用口金と、前記保持用口金を介した経路とは異なる経路で前記発光部に点灯電力を給電するための給電部とを備え、前記各保持用口金は、直管型の蛍光灯の口金と同じ形状であり、前記給電部が、点灯装置と電気的に接続された接続部に装着される光源と、
前記保持用口金が装着されるソケットと、長手方向の両端部で前記ソケットを支持するとともに前記光源に点灯電力を給電する点灯装置を収納した器具本体とを備え、
前記保持用口金は、前記基板とは互いに電気的に絶縁され、
前記発光部は、前記保持用口金を前記ソケットに装着した際に下方に光を照射するように前記管体に収納され、
前記点灯装置から前記光源への給電経路を前記給電部を介して確立する接続部が設けられたことを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−55068(P2013−55068A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−275125(P2012−275125)
【出願日】平成24年12月17日(2012.12.17)
【分割の表示】特願2011−183645(P2011−183645)の分割
【原出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】