説明

照明装置

【課題】 色ムラが生じる虞を低減できる照明装置を提供する。
【解決手段】 第一の発光素子11は、第一の色を有する第一の光L1を発する。第二の発光素子12は、第二の色を有する第二の光L2を発する。回路基板20は、第一の発光素子11及び第二の発光素子12を搭載する。導光部材30,80は、第一の光L1を反射させる第一の反射面31d,81dと、第二の光L2を反射させる第二の反射面31e,81eと、を有する。第一の反射面31d,81dは、回路基板20に対して第一の角度A1,A4を有し、第二の反射面31e,81eは、回路基板20に対して第二の角度A2、A5を有する。導光部材30,80は、第一の光L1が入射する第一の入光面31a,81aと、第二の光L2が入射する第二の入光面31b,81bと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子が発した光を導光部材によって被照明部材に導く照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、被照明部材(表示板,液晶表示パネル等)に照明光を照射する照明装置が種々提案されており、例えば特許文献1に開示されている。斯かる照明装置は、導光部材を介して、発光ダイオード等の発光素子が発した光にて、被照明部材を透過照明するものである。このような照明装置において、発光色が異なる複数の発光素子を用いれば、複数色の照明光を照射することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−52032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発光色が異なる各発光素子が発した照明光の混合が不充分なために、被照明部材に色ムラが生じる虞があった。例えば、赤色発光素子及び緑色発光素子を用いた場合、赤色発光素子に近い箇所は赤色が濃く、緑色発光素子に近い箇所は緑色が濃くなり、赤色と緑色の混合色で均一に照明することができないという問題を有していた。
本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、色ムラが生じる虞を低減できる照明装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項1に記載のように、第一の色を有する第一の光L1を発する第一の発光素子11と、第二の色を有する第二の光L2を発する第二の発光素子12と、前記第一の発光素子11及び前記第二の発光素子12を搭載する回路基板20と、前記第一の光L1を反射させる第一の反射面31d,81dと前記第二の光L2を反射させる第二の反射面31e,81eとを有する導光部材30,80と、を備えた照明装置であって、前記第一の反射面31d,81dは、前記回路基板20に対して第一の角度A1,A4を有し、前記第二の反射面31e,81eは、前記回路基板20に対して第二の角度A2、A5を有するものである。
【0006】
また、本発明は、請求項2に記載のように、前記第一の反射面31d,81dは、前記第一の光L1を前記第一の発光素子11と前記第二の発光素子12との配列方向に反射させ、前記第二の反射面31e,81eは、前記第二の光2を前記配列方向に反射させるものである。
【0007】
また、本発明は、請求項3に記載のように、前記導光部材30,80は、前記第一の光L1が入射する第一の入光面31a,81aと、前記第二の光L2が入射する第二の入光面31b,81bと、を有するものである。
【0008】
また、本発明は、請求項4に記載のように、前記第一の入光面31a,81aは、第一の曲率を有する曲面からなり、前記第二の入光面31b,81bは、第二の曲率を有する曲面からなるものである。
【発明の効果】
【0009】
第一の反射面の傾斜角度と、第二の反射面の傾斜角度とを異ならせたことにより、色ムラを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第一実施形態を示す断面図。
【図2】同上実施形態を示す要部拡大図。
【図3】同上実施形態を示す半値角の説明図。
【図4】本発明の第二実施形態を示す断面図。
【図5】同上実施形態を示す要部拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態を説明する。図1及び図2は、第一実施形態を示す図である。照明装置は、発光素子11,12,13,硬質回路基板(回路基板)20,導光体(導光部材)30を備えている。
【0012】
発光素子(第一の発光素子)11は、トップビュー型の赤色発光ダイオードからなるものであり、赤色光(第一の光)L1を発する。発光素子(第二の発光素子)12は、トップビュー型の緑色発光ダイオードからなるものであり、緑色光(第二の光)L2を発する。発光素子(第三の発光素子)13は、トップビュー型の白色発光ダイオードからなるものであり、白色光(第三の光)L3を発する。
【0013】
3個の発光素子11,12,13は、列状に配置され、硬質回路基板20に搭載されている。発光素子11,12,13は、硬質回路基板20に搭載された駆動回路(図示しない)によって、個別にオン/オフさせることができる。例えば、発光素子11,12,13のうちの任意の1個のみを点灯させ、他の2個を消灯させることもできるし、発光素子11,12,13のうちの任意の2個を点灯させ、他の1個を消灯させることもできる。また、3個の発光素子11,12,13を同時に点灯させることもできる。
【0014】
導光体30は、アクリル,ポリカーボネート等の透光性樹脂からなるものであり、ケース40に保持されている。導光体30は、発光素子11,12,13が発した赤色光L1,緑色光L2,白色光L3を受光する受光部31と、表示板50を透過照明する照明部32とを備えている。
【0015】
導光体30の受光部31は、入光面(第一の入光面)31a,入光面(第二の入光面)31b,入光面(第三の入光面)31c,反射面(第一の反射面)31d,反射面(第二の反射面)31e,反射面(第三の反射面)31f,反射面31k等を有している。
【0016】
受光部31の入光面31aは、所定の曲率半径R1を有する球面になっており、発光素子11が発した赤色光L1が入射する。受光部31の入光面31bは、所定の曲率半径R2を有する球面になっており、発光素子12が発した緑色光L2が入射する。受光部31の入光面31cは、所定の曲率半径R3を有する球面になっており、発光素子13が発した白色光L3が入射する。
【0017】
発光素子11は、半値角が角度B1である指向特性を有しており、発光素子11の光軸は、入光面31aの光軸に一致している。発光素子12は、半値角が角度B2である指向特性を有しており、発光素子12の光軸は、入光面31bの光軸に一致している。発光素子13は、半値角が角度B3である指向特性を有しており、発光素子13の光軸は、入光面31cの光軸に一致している。
【0018】
なお、図3に示すように、「半値角」とは、発光素子11,12,13の指向特性Sが光軸F上の光度の半分になる角度Eである。
【0019】
受光部31の反射面31dは、発光素子11の光軸上に配置されており、入光面31aから入射した赤色光L1を反射面31kに向けて反射させる。受光部31の反射面31dは、硬質回路基板20に対して所定角度A1を有する平面になっている。導光体30の反射面31eは、発光素子12の光軸上に配置されており、入光面31bから入射した緑色光L2を反射面31kに向けて反射させる。導光体30の反射面31eは、硬質回路基板20に対して所定角度A2を有する平面になっている。導光体30の反射面31fは、発光素子13の光軸上に配置されており、入光面31cから入射した白色光L3を反射面31kに向けて反射させる。導光体30の反射面31fは、硬質回路基板20に対して所定角度A3を有する平面になっている。
【0020】
受光部31の反射面31dと反射面31eとは、連結面31gにて連結されている。受光部31の反射面31eと反射面31fとは、連結面31hにて連結されている。
【0021】
導光体30の照明部32は、側面視でL字形状になっており、受光部31の反射面31kで反射された赤色光L1,緑色光L2,白色光L3を、更に、反射面32bで反射させて、表示板50を透過照明する。照明部32の後面には、反射面32bで反射された赤色光L1,緑色光L2,白色光L3を拡散させる微細な溝部32cが形成されている。
【0022】
第一によれば、発光素子11,12,13が発した赤色光L1,緑色光L2,白色光L3を、各々傾斜角度が異なる反射面31d,31e,31fにて、3個の発光素子11,12,13の配列方向に反射させることによって、赤色光L1,緑色光L2,白色光L3を混合させることができる。
【0023】
また、受光部31の入光面31a,31b,31cは、発光素子11,12,13の指向特性に応じた曲率を有するため、受光部31から入射できない光を低減でき、表示板50を高輝度で照明することができる。
【0024】
図4及び図5は、第二実施形態を示す図である。照明装置は、発光素子11,12,13,硬質回路基板20,導光体(導光部材)80を備えている。
【0025】
発光素子11は、トップビュー型の赤色発光ダイオードからなるものであり、赤色光L1を発する。発光素子12は、トップビュー型の緑色発光ダイオードからなるものであり、緑色光L2を発する。発光素子13は、トップビュー型の白色発光ダイオードからなるものであり、白色光L3を発する。3個の発光素子11,12,13は、列状に配置され、硬質回路基板20に搭載されている。
【0026】
導光体80は、アクリル,ポリカーボネート等の透光性樹脂からなるものであり、ケース90に保持されている。導光体80は、発光素子11,12,13が発した赤色光L1,緑色光L2,白色光L3を受光する受光部1と、表示板50を透過照明する照明部82とを備えている。
【0027】
導光体80の受光部31は、入光面(第一の入光面)81a,入光面(第二の入光面)81b,入光面(第三の入光面)81c,反射面(第一の反射面)81d,反射面(第二の反射面)81e,反射面(第三の反射面)81fを有している。
【0028】
受光部81の入光面31aは、所定の曲率半径R4を有する球面になっており、発光素子11が発した赤色光L1が入射する。受光部31の入光面31bは、所定の曲率半径R4を有する球面になっており、発光素子12が発した緑色光L2が入射する。受光部31の入光面31cは、所定の曲率半径R4を有する球面になっており、発光素子13が発した白色光L3が入射する。
【0029】
受光部81の反射面81dは、硬質回路基板20に対して所定角度A1を有しており、入光面81aから入射した赤色光L1を照明部82に向けて反射させる。導光体80の反射面81eは、硬質回路基板20に対して所定角度A2を有しており、入光面81bから入射した緑色光L2を照明部82に向けて反射させる。導光体80の反射面81fは、硬質回路基板20に対して所定角度A3を有しており、入光面31cから入射した白色光L3を照明部82に向けて反射させる。
【0030】
受光部81の反射面81dと反射面81eとは、連結面81gにて連結されている。受光部81の反射面81eと反射面81fとは、連結面81hにて連結されている。
【0031】
導光体80の照明部82は、側面視で略楔形状になっており、受光部81の反射面81d,81e,81fで反射された赤色光L1,緑色光L2,白色光L3にて、表示板90を透過照明する。照明部82の後面には、反射面81d,81e,81fで反射された赤色光L1,緑色光L2,白色光L3を拡散させる微細な溝部82cが形成されている。
【0032】
第二実施形態によれば、発光素子11,12,13が発した赤色光L1,緑色光L2,白色光L3を、各々傾斜角度が異なる反射面81d,81e,81fにて、3個の発光素子11,12,13の配列方向に反射させることによって、赤色光L1,緑色光L2,白色光L3を混合させることができる。
【0033】
本発明は、第一,第二実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、第一,第二実施形態は、表示板50を透過照明するものであったが、導光体30,80の照明部32,82を視認するものであっても良い。
【符号の説明】
【0034】
11 発光素子(第一の発光素子)
12 発光素子(第二の発光素子)
20 硬質回路基板(回路基板)
30 導光体(導光部材)
31a 入光面(第一の入光面)
31b 入光面(第二の入光面)
31d 反射面(第一の反射面)
31e 反射面(第二の反射面)
80 導光体(導光部材)
81a 入光面(第一の入光面)
81b 入光面(第二の入光面)
81d 反射面(第一の反射面)
81e 反射面(第二の反射面)
L1 赤色光(第一の光)
L2 緑色光(第二の光)
A1 所定角度(第一の角度)
A2 所定角度(第二の角度)
A4 所定角度(第一の角度)
A5 所定角度(第二の角度)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の色を有する第一の光を発する第一の発光素子と、第二の色を有する第二の光を発する第二の発光素子と、前記第一の発光素子及び前記第二の発光素子を搭載する回路基板と、前記第一の光を反射させる第一の反射面と前記第二の光を反射させる第二の反射面とを有する導光部材と、を備えた照明装置であって、
前記第一の反射面は、前記回路基板に対して第一の角度を有し、前記第二の反射面は、前記回路基板に対して第二の角度を有することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記第一の反射面は、前記第一の光を前記第一の発光素子と前記第二の発光素子との配列方向に反射させ、前記第二の反射面は、前記第二の光を前記配列方向に反射させることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記導光部材は、前記第一の光が入射する第一の入光面と、前記第二の光が入射する第二の入光面と、を有することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第一の入光面は、第一の曲率を有する曲面からなり、前記第二の入光面は、第二の曲率を有する曲面からなることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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