説明

熱交換器及びその使用

【課題】 高温処理に適した熱交換器及びその使用の提供。
【解決手段】 熱交換器は、複数のプレート(7、9、11、13)を有し、それぞれは互いの反対側に第1(15、19)及び第2(17、21)伝熱面を有している。プレートは、隣り合うプレートの互いに面する伝熱面間に間隙をあけて積み重ねられて配置されている。積み重ねの間隙に交互にそれぞれ第1流体の第1流路(51、52)及び第2流体の第2流路(57、59)を形成している。プレートは、複数のグループに配置され、それぞれは少なくとも2つのプレートを有している。ピン手段は、複数のピン(23)グループの形状で形成されている。各ピングループのピンは、それぞれのプレートグループのプレートを橋渡しするように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器及び様々な産業利用におけるその使用に関する。さまざま上記の利用について以下に詳細に説明するが、ガスタービン配置への使用が好ましい種類の実施形態となる。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンは、電力生成の供給及び輸送利用にも度々用いられる。これ及び他への利用において、十分良く作動し、かつ適切な大きさ、価格及び性能でもある、適切な熱交換器(復熱装置)を供給するのには問題があった。
【0003】
ガス−ガス熱交換器において、プレートフィン又はプレートチューブ配列が、通常望ましい。従来のプレートチューブ熱交換器は、平行に積み重ねられたプレートを通り抜けて延びるチューブの全長を1つの流体が流れるような構成を備えている。第2流体はプレート間の間隙の間を流れている。
【0004】
US−A−5845399では、炭素繊維複合材熱交換器が開示されており、そこでは炭素繊維フィラメントは、平行な薄板状の炭素繊維プレートの平面を通って走っており、プレート間に第1及び第2流体の流路が交互に規定されている。
【0005】
GB−A−2122738の記述によれば、腐食耐性熱交換器は、プラスチックのような腐食耐性物質でできた分割壁プレートによって分離された流路を備えており、流れはセラミックスでできた伝熱フィンを通りぬける。
【0006】
別個の流路を分離するぎざぎざのあるプレートを有する他の熱交換器は、US−A−4 771826に記載されている。
【0007】
EP−A−714500は、熱伝導ワイヤーに直交して延びる平面上に配置されたナイロンスペーサワイヤーにより拘束された充填材領域によって規定される路分割層を通り抜ける熱伝導ワイヤーを有する熱交換器に関する。
【0008】
DE−A−10025486は、平たく押しつぶされた細長いチューブが皿状の構造を示し、「プレート」間の間隙に交互にそれぞれの流体の流路が規定され、全ての構造がそれらを通り抜けるピンまたは棒を有している熱交換器を開示している。
【0009】
US−A−6305079には、セル状の構造を伴った熱交換器が記述されている。それぞれの「セル」は一対のプレートを有し、プレートの上には熱伝導領域を増やすためにフィンのような構造物が接着されている。各セルのプレート間の間隙は、フィンのような構造物によって橋渡しされている。比較的暖かい流れと比較的冷たい流れは、プレート間に交互に導かれる。セルは、その端部がふいご又はコンサーティーナ状の外形の中に形作られ接着されていることによって、どちらかの端部で支えられている。セルは、その端部が蛇腹又はコンサーティーナのような外形の中に作られ接着されることによって、どちらかの端部で支えられている。
【0010】
US−A−2812618では、プレートとピンの配置が開示されており、断面が円形でないピンは、プレートからプレートへの断面方向に1つおきに配置され、熱交換器を通りぬけている。ピンはお互いに全て同軸とならないよう異なる方向となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
プレートとピンのデザイン及びセル状のデザインは、今のところ、ちょうどガスタービン性能の回復の恩恵が大きい高温(通常650℃より高く)下での長引く操作に良く耐えることができないため、ひどく限られている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
広い態様では、本発明の熱交換器は、2つの流体が、プレートと1つ又はそれ以上のプレートを通って延びるピン手段との間の間隙に交互に流れるように、配置されている。この構造形状は、構造上の支えを可能にし、明らかに熱伝導の一助となる。プレートは、ピンによって結合された複数のプレートを有するセルそれぞれの中に、できることなら配置される。様々な実施形態に係る熱交換器の構造は、高温及び高圧下での処理の可能性もまた高め、そして/又は、他の利益を与える。
【0013】
本発明の第1態様によれば、熱交換器は複数のプレートを有し、各プレートは互いに反対の側にある第1及び第2の伝熱面を有し、前記プレートは隣りあうプレートの互いに面する伝熱面間に間隙を持って積み重ねられて配置され、積み重ねの間隙に交互にそれぞれ第1流体の第1流路と第2流体の第2流路を形成し、プレートは複数のグループで配置され、それぞれのグループは少なくとも2つのプレートを有し、ピン手段は複数のピングループを備えてもよく、各ピングループのピンは各プレートグループのプレートの橋渡しをするように配置されている。
【0014】
本発明の第2態様によれば、熱交換器は、複数の積み重ねられた、一定の間隙をおいて配置されたプレート対を有し、各対のプレートはそれらの間に第1流体の第1流路を規定するそれぞれ互いに向き合う内側の面を有し、各対のプレートはそれぞれ前記各内側の表面と反対の外側に向かう表面を有し、1つの対のプレートの外側に向かう表面は、隣り合う対のプレートの外側に向かう表面と、それらの間に第2流体の第2流路を規定するために、間隙をあけて面しており、対のプレートは複数のピンによって第1流路を横切って橋渡しされている。
【0015】
本発明の第3態様によれば、熱交換器は、それぞれ互いに反対の側にある第1及び第2の伝熱面を有する複数のプレートを有し、前記プレートは隣りあうプレートの互いに面する伝熱面間に間隙を持って積み重ねられて配置され、積み重ねの間隙に交互にそれぞれ第1流体の第1流路と第2流体の第2流路を形成し、前記プレートの積み重ねは複数グループ配列され、このピングループは各プレートグループを接合し、各プレートグループを通って延びる複数のピングループを有している。
【0016】
本発明の第4態様によれば、熱交換器は複数の積み重ねられた一定の間隙をおいて配置された対のプレートを有し、各対のプレートはそれらの間に第1流体の第1流路を規定するそれぞれ互いに向き合う内側の面を有し、各対のプレートはそれぞれ前記各内側の面と反対の外側に向かう表面を有し、1つの対のプレートの外側に向かう表面は、隣り合う対のプレートの外側に向かう表面と、それらの間に第2流体のための第2流路を規定するように間隙をあけて面し、対のプレートは第2流路の中へ外側表面を貫き通り越して延びる複数のピンによって第1流路を横切って橋渡しされている。
【0017】
第5態様では、本発明の熱交換器は、それぞれ逆の側にある第1及び第2の伝熱面を有する複数のプレートを有し、前記プレートは隣り合うプレートの互いに向き合う伝熱面間に、間隙を持って積み重ねて配置され、積み重ねの間隙に交互にそれぞれ第1流体の第1流路と第2流体の第2流路を形成し、ピン手段は積み重ねにおける少なくとも1つのプレートを貫いて延びている。
【0018】
第6態様では、本発明の熱交換器は、複数の積み重ねられた一定の間隙をおいて配置された対のプレートを有し、各対のプレートはそれらの間に第1流体の第1流路を規定するそれぞれ互いに向き合う内側の面を有し、各対のプレートはそれぞれ前記各内側の面と逆の各外側に向かう表面を有し、1つの対のプレートの外側に向かう表面は、隣り合う対のプレートの外側に向かう表面と、それらの間に第2流路のための第2流路を規定するように、間隙をあけて面し、対のプレートは第2流路の中へ外側表面を貫き通り越して延びる複数のピンによって第1流路を横切って橋渡しされている。
【0019】
積み重ねの交互のプレートセットの間それぞれで、第1及び第2流体の流れ方向は、互いに同じ方向になることもあるし、又は好ましくは反対の流れ、又はちょうど直交又は他の相互の(mutual)角度になることもある。ここで使われている「流体」という言葉は、液体と気体の両方を包含し、第1及び第2流体は互いに無関係で、どちらであってもよい。
【0020】
実質的に熱交換器の全てのプレートが本発明のいくつかの態様に限定されるような形状(例えばピン手段に関して)を有することが好ましいが、任意に、熱交換器は、この限定にぴったりでないプレートを有してもよく、そして/又は他の構造、特に他の熱交換器構造を有していてもよい
【0021】
プレートを橋渡しするピンの使用によって、より厚いものの使用、強健さを加えるような方法で製造された高温材料の使用を可能にし、現時の復熱装置に欠けている信頼性を与える伝熱面の配置が可能となる。必要以上の材料を使用することによる不利は、プレートを横切るだけでなくピンをも通って生じる高められた熱伝達によって軽減される。この形状では、熱交換器は高温維持下での作動が可能となる。
【0022】
本発明に係る熱交換機器は、好ましくは、ピンによって結合された、少なくとも2つ、例えば10またはそれ以上の、プレートグループを有している。プレートの構材の数全体には、応用次第ではあるが、上限がなく、これは100、または1000、例えば10000に増やすこともできる。しかし、ユニットは60から600のプレートを有するのが典型的である。プレートグループの全数にもまた上限がない。
【0023】
どの1つのグループの中にでも、ピン手段は、少なくとも1つのプレート(しかし、好ましくはそのグループの全てのプレート)の一方の伝熱面から延びるピンを有し、そのピンはそのプレートの他方の伝熱面から延びるピンに実質的に直線的に位置している。あるいは、一方の伝熱面から延びるピンは、他方の伝熱面から延びるピンに対して、放射状に千鳥状に(例えば、ずれて)配置されている。後者の配置は、以下により詳細に説明するように熱交換器の製造上、都合がよい場合もある。
【0024】
ピン手段もまた少なくとも1つのプレートグループの最も外側の伝熱面から延びる外側のピンを有することが有利であり、該更に遠いピンは固定されていない端部で終わっている。好ましくは、間隙は、あるグループからのピンの端部と隣りあうグループからのピンの端部との間に設けられている。好ましくは、プレート間の間隙間に交互に流れる各々の流体は、そのようなピン部分の端部が位置するそれらの間隙で、連続して延びるピン構材が通るプレート間の1つおきの間隙ででよりも、流体の圧力が低くなるようになっている。
【0025】
それぞれのプレートグループは、2つのプレートを有していてもよく、2つのプレートよりも多いグループが個々のピン構材によって取り付けられていてもよく、好ましくは4,6、8それ以上というような偶数枚のプレートのセットがよい。更に、結合されたプレートのそのような1つのグループにおけるピンの端部と隣り合うグループを貫いて延びるピンの端部との間に間隙をあけて配置されることが望ましい。ピンが列間で放射状にずれるまたは千鳥状になっているとき、最も好ましくは、間隙によって規定された互いに面する端部を有するピンはそれにも係らず互いに実質的に直線的に並んでいる。しかし、互いに面する端部を伴う少なくともいくつかのピンはずれている(千鳥状になっている)。
【0026】
ピン端部間のそのような間隙の大きさは、プレート間の間隙の大きさの好ましくは1%から50%、更に好ましくは2%から20%であり、プレートを貫いてそれらのピン部分は各端部で終わるように延びている。
【0027】
好ましくはピンは硬いが、空洞またはハチの巣状の構造もまた可能である。また好ましくは断面においてピンは円柱状であるが、楕円形、多角形、または翼形状のような他の断面形状であってもよく、発明は特有の構造に限定されない。更に、全てのピンが同じ断面形状を有し、そして/または同じ断面径である必要は少しもない。例えば、ピンの径は局部的に技術的及び生産的な制約に応じて異ならせてもよく、または、ピン配置が、1つの列中に小さい径のピンと大きい径のピンとが交互となるようにすることもできる。また、ピンが軸にそって完全に円柱状である必要も本当にない。ピン断面はその軸に沿って大きさ及び形状が異なっても良く、例えばテーパ状であったり、また端部は円形であるが中央部が翼状であったりしてもよい。ある可能なテーパ形状は、端部でより広く、中央部に向かって狭くなるようなテーパとなっている。
【0028】
ピンのまわりの空気力学的な流れ及び/又は熱伝達容量を高めるために、ピンのいくつか又は全てが、突起又は肋骨状のもの(例えば円形又はらせん状の肋骨状のもの)のようにふぞろいであってもよいし、またはさもなければ、ざらざらにする、例えばアルミニウム蒸着処理またはブラスティングのようなもので適切なコーティングをすることによって、表面領域を増大させてもよい。
【0029】
上から見たときに、ピンは、好ましくは流体の流れに垂直な列方向に配置されるが、1列おきのピンは好ましくは対応する隣の列のピンに対して互いに千鳥状に配置され、ピンの端部は、一辺が実質的に流れ方向に垂直な三角形(例えば実質的に正三角形)の頂点に位置するように見える。流れに垂直(または限りなく垂直に近い)な辺のピッチの、ピンの軸のピッチに対する割合は、異なっても良く、例えば0.4〜4、更に好ましくは1〜1.2であり、好ましくは流れに実質的に垂直な一辺を伴う好ましくは実質的に等辺の配置で配置されるピンに相当する。しかし、他の形状もまた可能であり、それによってこの名目上の三角形の「辺」は流れの方向に適切な斜角に位置する。
【0030】
円柱状のピンの場合、好ましくは、中央断面の径が0.1mmから10mm、更に好ましくは0.5mmから3mmである。中央プレート厚みは好ましくは0.1mmから3mmである。
【0031】
ある1つのグループにおける隣り合うプレート間の間隙は、プレート領域にわたって、好ましくは1つのプレート間間隙から隣のプレート間間隙もまた、好ましくは実質的に一定である。しかし、これらの間隙は場合によって異なってもよい。好ましくは、グループにおけるプレート間の間隙もまた実質的に、1つ又はそれ以上、好ましくは全ての他のグループと同じである。プレートの異なる対間の間隙は同じである必要はない。ピン端部を含む隣り合うプレート間の間隙は、好ましくは平均断面径の0.1〜100倍であり、好ましくは、1〜10倍である。個々のピン又はピン構材によって完全に橋渡しされたプレート間の間隙は、好ましくは平均断面径の0.1〜100倍、更に好ましくは1〜10倍である。
【0032】
プレートは好ましくは実質的に平らであるが、主要表面の部分又は実質的に全てにわたって湾曲していても良い。プレートは、放射状の形に配置されていてもまた良い。その場合、好ましくは、隣り合うプレート間の間隙が実質的に一定に保たれるように螺旋状の形で湾曲していても良い。流れは、2つの流体としてはそれぞれ放射状及び/又は軸上にあってもよい。
【0033】
好ましくは、交換器の中央領域にある第1流体の路を規定するプレート間の平均間隙の、同じ領域にある第2流体の路を規定するプレート間の平均間隙に対する比は、1:100から100:1、好ましくは1:10から10:1である。
【0034】
一般的にいって、比較的暖かく比較的冷たい流体の流出入は、それぞれの主なダクト手段を通って行われる。各々の伝達構材は、これらが熱交換器のボディ内にある第1又は第2流路の関連がある端部と通じるように設けられている。ある種の形態、すなわち後述する例では、熱交換器の一方または他方または両方における端部、しかし好ましくは少なくとも比較的低圧の流体の流出が生じるところの端部で、熱交換器の主なボディにおける流れの方向に通常平行なプレートのエッジが内部へ次第に細くなっていく(例えばプレートの幅が減少していく。この幅とは、以下の記述に示すz軸に沿った熱交換器の高さに対応する。)。より低圧の流体の流出がヘッダーチューブを囲むマニホルド及びそれに関連した供給装置で捕獲される間に、より高圧の気体はヘッダーチューブを通って供給される。
【0035】
プレートの最も好ましい断面形状は、大体または実質的に長方形である。しかし、他の形状であってもよい。けれども、好ましくは、プレートの全て又はほとんどは実質的に同じ形である。好ましくは、それらは厚みが実質的に均一である。
【0036】
上述したように、1つの好ましい種の実施形態では、少なくとも第1及び第2流体の少なくとも1つの方向に対しておよそ又は実質的に直交方向で横切るプレートの幅が、第1及び/又は第2流体の流入に近い各々の領域で、次第に細くなっていく。
【0037】
好ましくはその上、第1及び第2流体のうちの1つの流入及び/又は流出は、積み重ねられたプレートを通り抜け、各第1流路及び/又は第2流路への開口が少なくとも1つ設けられている各々のチューブ手段を通って導かれる。この種の配置において、好ましくはその上、前記他の第1及び第2流体の流入及び/又は流出は、各々のチューブ手段を少なくとも部分的に取り囲む各々のマニホルド壁の中に導かれる。
【0038】
任意にヘッダーチューブの径が異なって、実質的に同じ配置は、熱交換器の両端部で好ましい。装置の両端部での供給装置の配置が、ヘッダーチューブ1つより多く有することもまた可能であり、実に、一端部が他端部とそのようなチューブの数が異なることもまた可能である。
【0039】
モジュール方式の配置の熱交換器を製造することは都合が良く、熱交換器はモジュール又はユニットの形状で製造され、それぞれがプレートの総数の一部を有し、2つの流体の流れを各モジュールの中及び外へ導くための適当なダクト装置を伴っている。これによって、特有の利用要求に応じて熱交換器全体のサイズ設計に対応できる。メンテナンスの観点からもまた有利である。そのようなモジュール配置は単純にモジュールが積み重ねられたケーシングを有していても良い。ガスタービンの場合、そのようなモジュールは、タービン軸に対して円周上に配置されてもよい。
【0040】
本明細書では、相反するものを特に指し示さない限り、以下の記述を用いる。正方形又は長方形のブロックの場合、流れ方向におけるプレート間の間隙に沿った次元は、全長又はx軸と称す。伝熱面に垂直なプレートの断面の端から端までの次元は、幅又はy軸と称す。プレート間の間隙の端から端までの次元(そして最も好ましい形態における流体の流れ方向に通常垂直)は、高さ又はz軸と称する。便宜上、where appropriate、長さ、幅及び高さの概念は、総熱交換器マトリックスだけでなく、個々の路構材にも適用される。
【0041】
円柱状の配置の場合、もし路構材の水平方向の広がりが円柱の対称軸に平行に走っている場合、次元はz軸、半径方向、r軸及び角度位置θである。
【0042】
最も広い見解では、プレート及び/又はピンはそれぞれ金属、セラミックス又は混合材料から形成されていてもよい。更に具体的に言えば、プレート及び/又はピンは、高温合金、例えば一般にタービンブレードの製造に用いられるタイプから製造されても良い。その代わりに、高温セラミックスが使われてもよい。加える圧力及び温度をより小さくするために、プレートとピンは高温スチールから製造されてもよい。ピンは、プレートと同じ材料から製造されてもよい。しかし、個々のピンは、他のピン材料と異なるピン材料で形成されてもよく、流体の流れ方向に沿って段々に、例えば一端がニッケル合金、他端がステンレススチールというように形成されていてもよい。これは、比較的高価な材料が動作中に最もストレスの多い状態にさらされるピンにだけ使われる必要がある場合に、価格面で有利である。ピンの材料は、段々に次第に変化した合成物であってもよいし、又は異なる合成物の別々のグループを有してもよい。
【0043】
課題において材料によって製造方法は、金属の薄板製造又は押し出し成形、溶接(例えばレーザ溶接)フォトケミエッチング、鋳造又は拡散接合によるスーパープラスチックであってもよい。後者は、中間の又は高い温度での意図された使用に適切である。あるいは、ピン及びプレートの配置は、セラミックス構造を作るため適切なやり方で作られた基板の上へ、焼結を用いて製造される。カーボンファイバ合成物のような合成物からなる構造もまた可能である。溶接のような技術によって、ピン手段は、プレートを、そこに形成された穴を貫いて物理的に突き出ることによって、貫いて延びていてもよい。フォトケミエッチングのような技術によって、ピンは1つのプレート又は複数のプレートと一体化して作られてもよい。1つまたは他のそのような構造に向上を与える技術は、当業者によく知られている。本発明によれば、熱交換器がそれぞれ両方の形態でピン手段を有することもまた可能である。
【0044】
ピン手段のピンはまた、ピンがプレートの一表面から延びるだけで、しかしプレートの伝熱面に少なくとも一端が溶接又は蝋付けされているという意味でプレートと"一体化"して、作られていても良い。その技術の変形では、各ピンの一端は十分に表面の鉱滓が取り除かれた各プレートの各穴に挿入され、それからプレートに溶接又は蝋付けされてもよい。これらの技術では、溶接又は蝋付けを一方又は両方の表面に適用することができる。
【0045】
それだから、例えば、プレートへのピンの接合及び1つの流体の他の流体からの密閉は、レーザ溶接手段によって成し遂げられる。あるいは、上述したようなコーティング(例えばアルミ蒸着)もまた、ピンとプレートとの結合及び2つの流体の互いの密閉に用いられても良い。
【0046】
本発明の第7態様によれば、本発明による熱交換器の製造方法は、1つ又はそれ以上の半製品を用意する工程と、前記1つの半製品又は複数の半製品からプレートとピン手段を一体化形成する工程とを有する。
【0047】
プレートの反対表面から延びる放射状に千鳥状に配置されたそれぞれのピンの場合、これは特に溶接又は蝋付けによる"一体化"したピン構造に適する。蝋付けは、通常、隣り合うプレートによって近づきにくくされていない、さらされたプレート表面にだけ可能である。ピンは、第1プレートの一方又は両方の表面に溶接されることができ、そしてそのようなプレートに隣り合う第2プレートは、第1プレートのピンの固定されていない端部に対して配置され、そして、例えば逆の側から溶接されることができる。ピンは、他方の側と比較して、プレートの一方の側と直線的に配置されていないため、逆の側は溶接されることができる。遠い側で鉱滓が取り除かれるようにピンの一端がプレートの穴の中に挿入されている場合、蝋付けの代わりの技術が可能である。この技術の変形では、プレートが一緒に持ってこられるとき、ピンのいくつか(例えば半分)は1つのプレート及び他のプレートのいくつかに予め結合されていてもよい。溶接又は蝋付けは、プレートの橋渡しされた側とは逆の側に行われる。
【0048】
本発明の第8態様によれば、本発明による熱交換器製造方法は、複数のプレートを用意する工程と、前記プレートに穴を形成する工程と、各ピン手段を穴の中へ又は穴を通ってピン手段を挿入する工程と、穴の中への又は穴を通る入口の少なくとも1箇所にピン手段を接合する工程とを有する。
【0049】
本発明の第8態様について、好ましい接着技術は溶接、特にレーザ溶接である。これは、溶接は当時の高い基準だからであり、2つの流体をもう1つから密閉する能力があるからである。製法によって、また、溶接の周辺におけるピンの周囲の周りは、一定の又は不規則な間隔の凹凸構造となる。これらの凹凸は熱伝達に有益である。
【0050】
また、本発明の一態様に係る、しかし発明の他の態様の記述にはない熱交換器にとって好ましいまたは任意のものとして挙げられる他の特色が、発明のその他の態様に係る熱交換器に含まれていてもよいということは言うまでもない。
【0051】
本発明の態様の熱交換器は特に動力製造装置に用いられるのに適する。動力製造装置は、ガスタービンを含んでいてもよい。事実、本発明の特に好ましい形態はガスタービンの復熱装置である。
【0052】
復熱装置では、燃焼器の中へ入る前の圧縮機から放出された空気を前もって熱するために暖かいタービンの排出ガスが使われる。したがって、効果的な仕事をする能力のために必要なタービンに入る高い熱を得るために必要とされる燃料量が減る。添付図面の図1に、電力製造のための発電機を運転するために用いられる復熱ガスタービンを示す。
【0053】
圧縮機1A、タービン3A及び発電機5Aは普通、軸7A上に配置されている。従来の方法では、タービン3Aは、圧縮機1Aと発電機5Aを動かしている。圧縮機1Aは冷たい圧縮空気を有しており、この圧縮空気は復熱装置9Aを通り抜け、それから燃焼機11Aを通る。燃焼機11Aの生産物はタービン3Aを動かす。これは、復熱装置を通り抜ける冷路13Aを規定する。タービン3Aからの排気は、冷路13Aにおける圧縮空気を暖めるために、復熱装置の熱路17Aを通って導かれ、それから最後の排気19Aを通って出る。圧縮機1Aを動かすのに加えて、軸7Aの回転は更に電力を生成するために発電機5Aを回転させる。
【0054】
復熱装置の性能は、第1に熱交換器有効性期間及び関連した圧力損失として量化される。復熱装置の有効性は、熱排気ガスから取り出され圧縮機からのより冷たい空気の中へ伝達される熱の割合の大きさである。良い復熱装置の有効性は、75%より多く、好ましくはおおよそ90%である。タービンを通る膨張比率が減少する傾向となるように、復熱装置の圧力損失は低く保たれなければならず、回転における圧力損失は動力生産に不利である。圧力損失は10%より低く、理想的には5%より低くすべきである。
【0055】
復熱装置の存在は、動力産出を配給するのに用いられる小さいガスタービン型の能率を大いに高める。一般的に、現時の非復熱マイクロタービンは、回復周期がおよそ30%またはそれ以上であるのに対して、20%未満の効率で作動する。復熱装置からの排気における消耗熱は、最終消費者における能率を更に効果的に高める家庭用暖房装置(熱・電気複合利用)に供給されるのに用いられる。しかし、総合的な能率における重要な改良点は、現時の復熱装置よりもより高いタービン動作温度とこのようにより高いタービン排気温度を扱えることができることを必要としている。
【0056】
あるいは、熱交換器は、レシプロエンジン動力製造機のターボチャージャ又はスーパーチャージャに適用してもよい。熱交換器には冷えた空気を用いてもよく、望ましくはターボチャージャ又はスーパーチャージャでの空気圧縮後で、空気がレシプロ動力製造機に入る前に用いられる。
【0057】
代わりの形態では、発明によって熱伝達メカニズムを伴うボイラーに本発明による熱交換装置の形態に適用できる。
【0058】
本発明による熱交換器が応用される他の動力源は、燃料電池である。例えば、温度が上昇した状態で動く電池からの熱は、空気の予熱及び燃料が電池に入るのに用いることができる。これによって、燃料電池の作動温度が上昇するように他の手段によって供給されなければならない熱が最小限になる。
【0059】
本発明の更なる形態において、発明に係る熱交換装置は、ガスエキスパンダによるガスの膨張より先にガス予熱に用いることができる。高圧ガスは、時々、発電機を動かすタービンを動かすのに用いられる。膨張に先立ったガスの予熱によって、動力出力は増大し、タービンエキスパンダでの氷微粒子の形成が可能となる。
【0060】
本発明は、第1及び第2の流体それぞれの供給に関する本発明に係る熱交換器の見地から述べられてもよく、第1及び第2の流体は、どちらも液体であってもよいし気体であってもよいし、一方がもう一方よりも暖かくても良い。しかし、第1流体が暖かい気体で、第2流体が冷たい気体であるときが特に好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
本発明は、添付図面を参照して、下記の好ましい実施形態の記述にいっそう良く記載されている。
【0062】
以下に記述した実施形態では、便宜上2つのプレートグループのみを示す。しかし、実際にはいくつかのそのようなグループからなることは普通に理解されるだろう。
【0063】
添付図面の図2は、本発明の第1実施形態に係る熱交換器のコア1の部分斜視図である。コアは、複数の積み重ねられたプレート対からなり、プレートはそれらを貫いて突き出すピンによってそれぞれ結合している。図2に示すように、積み重ねの一部は、2つのプレート対3、5を有している。図面の一番上に図示されている第1の対3は、上部プレート7と下部プレート9を有している。下のプレート対5もまた、上部プレート11と下部プレート13を有している。
【0064】
コアの全てのプレートは、実質的には平らであり、主な平らな表面が互いに平行となるように互いに離間して配置されている。
【0065】
したがって、上部の対3のプレート7は、平らな上部表面15と平らな下部表面17を有している。上部の対3の下部プレート9は、上部表面19と下部表面21を有している。上部プレート7の下部表面17は、下部プレート9の上部表面19に、内側で面している。これに対して、上部プレート7の上部表面15は、下部プレート9の下部表面21と同様に、対の外側で対向している。
【0066】
プレート7、9の上部の対3は、実質的に円柱形の硬質の複数のピン23等によって結合されており、このピンは、プレート7、9を、それらの上部及び下部表面15、17、19、21にそれぞれ垂直に貫いて通っている。ピン23等は、上部の対3の上部プレート7の上部表面15の上方で、上端部25等で終わっている。同様に、ピン23等は、上部の対3の下部プレート9の下部表面21の下方で、下端部27で終わっている。ピンの上端部25等は、全て実質的に平らで全て実質的に互いに平行である。同様に、ピンの下端部27等もまた、全て実質的に平らで実質的に互いに平行である。上端部25と下端部27それぞれの普通の面もまた、プレートの主な平らな表面15、17、19、21に実質的に平行である。
【0067】
ピンは、プレートの穴を貫いて延び、それに溶接され、このようにしてプレートは互いに距離を隔てられている。この方法で、各々の間隙29、31は、対のプレート7、9の間、対のプレート11、13の間で規定される。間隙32もまた、上部の対の下部プレート9と下部の対の上部プレートとの間で規定される。
【0068】
プレート11、13の下部の対5は、同様にそれぞれ上端部35と下端部37で終わる複数のピン33等によって結合されている。上部の対3と下部の対5におけるプレート及びピンの配置は、実質的に同一である。
【0069】
プレート対3、5は、その間に間隙32があるように配置され、下部の対5のピンの上端部35等と上部の対3の下端部27等とは狭い間隙39をあけて離間されている。第1の上部の対のプレート7、9と下部の対5のプレート11、13は、それぞれのエッジ341、43、45、47が側壁に溶接されシールされて固定されることによって、この位置が保持されている。例えば、側壁は、それぞれ同じプレート(図示せず)の対で形作られ、気体の流出入のための供給装置が取り付けられる、サイドエッジ41、43、45、47と直角をなすプレートのエンドエッジ(図示せず)によって形成される。プレートの上部の対3に結合するピン23等とプレートの下部の対5に結合するピン33等は、実質的に同軸上となるように配置されている。しかし、ピン23等をピン33等に対して、それぞれの軸が千鳥状となるように、配置しても良い。
【0070】
図2の図面では、2つのプレート対3、5のみが図示されている。しかし、実際には、実質的に同様に、対3の上方及び対5の下方に、ピンによって結合された更なるプレート対が積み重ねられている。
【0071】
コアは、サイドエッジ41、43、45、47に取り付けられている側壁の中に支えられ、サイドエッジに垂直なエンドエッジで各供給装置に取り付けられることによって支えられている。特に、各対の上部及び下部のプレートのエッジは各側壁にシールされており、全てのユニットは、それぞれのプレート対のエッジ間の間隙をふさぐケーシングにゆるく保持されている。従って、供給装置を伴うコアは、事実上、密閉されたユニットである。各対のプレート間の間隙29、31等は、積み重ねのおかげで、サイドエッジ41、43、45、47に実質的に平行なそれぞれ矢印51、53等によって示される第1流体の流れ路を積み重ねの中に形成する。同様に、第2流体又は気体の流れは、隣り合う対3、5等の外側に面する表面15、21等の間を限定する1つおきの間隙32を通って逆の方向なる。この流れは、矢印55、57、59等で示される。
【0072】
図3Aから図3Cは、それぞれ代わりの各ピン結合構造を示す。図2に示す実施形態では、ピンは、実質的に一様に円柱形である。図3Aでは、お互いに離間して配置されるプレート61、63は、これらを貫いて突き出し、上部プレート61と下部プレート63の上で終わっているピン65、67、69等によって結合されている。これらのピンは実質的に同一である。
【0073】
ピンのうちちょうど一つ(69)を参照すると、それは硬質であり、断面は概略円形であるが、径は、上部プレート69の上で終わる上部位置71と下部プレート63の下の最下部の範囲73で、最も大きくなる。これら2つの最も広い端部71、73は、段々にそして直線的に、プレート61と63の間の実質的に中ほどのより狭くなっている中央のウエストの形をした部分75に向かって、次第に細くなっている。
【0074】
図3Bでは、互いに離間して配置されているプレート79、81の対は、実質的に同一のピン83、85、87等によって結合されている。具体的にピン87を参照すると、これは上端部89を有し、プレートを貫いて下端部91で終わっている。これらのピンは、実質的に硬質であり、軸断面が円形である。上部の円錐形の断片部分93を限定するように、ピン87は、上端部89からプレート79までの距離の3分の1で、上端部89から直線的に径が次第に細くなっている。部分95を限定する3分割されたこの長さの中央は、湾曲し、球根状になっており、軸断面(径)で拡大し縮小している。最後に、上部プレート79にすぐ近くで隣り合う下方部分97は、再び円錐形の断片となっており、外見上、直線的な形で先細っている。プレート81の下方に延びる同じピンの下方部分99は、実質的に、長さに沿って上部プレート79の上の上方部分89と同じ輪郭を有している。
【0075】
プレート79、81の間にあるピン87の中央部分101は、円形の断面を有し、上部プレート79の底面から離れて中心へ直線的に次第に細くなっており、上部プレート79と下部プレート81との間のおよそ中ほどに位置する第1領域103と中央ゾーン105において実質的に軸断面、すなわち径が一定となっている。それから、中央領域105から下部プレート81に向かっておりた最後の領域107においては、軸断面(径)は外見上、実質的に直線的に先細っている。
【0076】
ところで図3に話を変えると、互いに離間して配置されたプレート109、111の間及びプレートを貫いて、実質的に円柱形のピン113、115、117が延びている。これらは、硬質で一定の断面径を有している点で、実質的に同じである。ピン117のようにこれらのピンのそれぞれは、螺旋状のうね119及び121が、それぞれ上部プレート109の上の上部領域123と下部プレート111の下の下部領域125の湾曲した表面上に形成されている。
【0077】
図4において、ここでは図2に示すような復熱装置部分の一端部の概略図が示されている。図4〜6は、単純にするためにピンは図示していないが、これらの図面では元の場所にピンがあるように解釈されるものであることに注意されたい。これは、復熱装置のこの部分の構造の正確な図示ではないが、動作原理を説明するために単純にしている。
【0078】
この端部での流体の流入は、向流に対応する流体よりも高い圧力の流体の流入である。比較的低い圧力の流体はこの端部で出て行く。図2の形態では、矢印51、53によって示される流れは、矢印55、57、59によって示される流れよりも圧力が高い(後者は、互いに面するピン端部が配置されるプレート間の間隙1つおきに流れる)。
【0079】
さらに、図4に示すように、プレートの積み重ねのエッジ161、163等もまた、流出する低圧力流体の矢印165によって示される流体の方向に集まる。流出する低圧力流体は、マニホルド壁169と流入ヘッダーチューブ壁171を囲むプレートの端部との間の間隙の中に捕獲されるために、矢印167等に示すようにプレート間の間隙からでていく。流入ヘッダーチューブ171は、プレート間の間隙に交互に向流で導かれるために、チューブの壁の穴(図示せず)を介して矢印173で示される高圧流体を、矢印165で示される流出低圧流体に関連したプレートの積み重ねの中へ導く。従って、この配置では、復熱装置自身のコアの中に導かれる前で、流入する高圧流体もまたプレート主表面に垂直に導かれる間、流出する低圧力流体は、壁169とプレート端部とによって閉じ込められたマニホルド領域におけるプレートの主表面に垂直に上の方へ導かれる。
【0080】
図5は、図4に示す構造に類似する構造を示す。ここでは、プレートには数字191、193、195及び197が付されている。マニホルド領域は、199と付した壁によって閉じ込められている。シングル流入ヘッダーチューブ171の代わりに、装置は、プレート191等の端部が形成されているところの間に、カッタウェイ領域205に、ヘッダーチューブ201、203の対が設けられている。プレートは、そのエッジが端部領域207において内部へ先細り、マニホルド壁199の領域に入るように、幅が縮小している。ヘッダーチューブの壁の穴(図示せず)によって、チューブからプレート間の関連する間隙の中への流体の通過を可能にする。
【0081】
更に、図6に、図4及び図5と類似したもうひとつの配置を示す。ここでは、プレートには、符号209、211、213及び215を付している。高圧流入端部217はヘッダーチューブ219、221の対を有しており、それらの間にカッタウェイ領域223が位置している。この端部領域223におけるプレートのエッジの端部は、図5に示す形態のように、内部に向かって先細っている。
【0082】
低圧流入端部225では、プレートのエッジもまた領域227において内部に向かって先細っているが、3つのヘッダーチューブ229、231及び233によってチューブの壁(図示せず)に設けられた穴を介して高圧流体の流出が可能となる。これらは、プレートにおけるカッタウェイ領域235及び237によって、それぞれ部分的に分離されている。この形態では、図面を簡単にするために、どちらの端部のマニホルド壁も図示していない。
【0083】
図2において、ピンは、流体の流れの方向に実質的に垂直に千鳥状の列に配置されている。しかし、図7に図示されるように、ピン281等は、列283、285、287に配置され、これらの列は矢印289、291によって示される高圧及び低圧の流れの方向に対して斜めの角度に位置する。
【0084】
図8は、プレートが実質的に平らであるかわりに、湾曲している他の配置を示す。この配置では、エッジから見たときに、プレート301、303、305、307が湾曲し、この形で斜めに見たときに螺旋形状を示すように配置されている。4つのプレートだけ図示している。実際には、湾曲したプレートの完全な円柱の配置となってもよい。このような形態では、各々の流体の流れは、紙の平面上の中へ及び中からである。この形態の変形では、各流れは、円周上309にある軸状のヘッダーチューブ(図示せず)から中央にある軸状のヘッダーチューブ310へであってもよいし、円周上にあるマニホルドから中央のマニホルドへであってもよい。更にこの形態の他の変形では、各々の流れが、円周上の軸状のヘッダーから中央のマニホルドへであってもよいし、逆でもよい。
【0085】
図9Aに示すように、ここでは、本質的に図3に示す復熱装置のプレート7、9のように、符号311、313が付されるプレートの対の一部を貫いた断面が示される。図9Aでは、これらのプレート311、313は、穴319、321等(上部プレート311)及び穴323、325(下部プレート)を貫いて通るピン315、317等を有している。ピンは、ピンとプレートの穴の周囲との間を連続的溶接又はスポット溶接(図示せず)によって固定されている。
【0086】
他方、図9Bでは、プレート331、333の対は、それらを通り抜けて延びるが、それらと一体化して形成された複数のピン335、337を有している。このような配置の形は鋳造することによって成し遂げられる。
【0087】
図10では、互いに間隙をおいて配置される複数のプレート343、345、347、349を有する復熱装置のコア341の他の配置が示されている。
【0088】
351、353等のような複数のピンは、これらのピン351、353の端部355、357等がプレート343等の間の間隙359、361、363の中ほどを横切って終わるように、プレートを貫いて通っている。図2の形態のように、各プレートの上方及び下方に延びる互いに面するピン端部は、符号365のような空間の間隙によってわずかに間隙をおいて離間している。しかし、この配置と図2に示す配置との違いは、その一端部が1つのそれぞれのプレートを貫き通るだけの各ピンが、すぐ近くの隣り合うプレートを貫いて延びるピンの対応する端部に面しているところである。このような配置は固形の半製品からフォトケミカルエッチングによって形成することができ、それから結果として生じるいずれか一方の側にピンの半分を有するプレートは、コーナーボルト369、371等の手段によってかすがい367でそれらを一緒に保持することによって、単純に積み重ねて組み立てられる。わずかな高圧動作のような装置に適合させるために、間隔をおいて積み重ねられた穴を貫いて連続的なピンを挿入することが可能であり、例えば、10行10列毎に1つのピンが連続的に、残りは非連続的で単一のプレートだけを貫いているというようにすることができる。あるいは、非連続的なピンが間隔をおいて一緒に溶接されていてもよく、例えば10個のピン毎に1つがプレート間を連続的に結合するというようにしてもよい。
【0089】
図11では、プレートにピンをレーザ溶接させることによる有益な効果が示されている。特に、図11は、プレート381及び383からなる単一の対を図示している。これらは、ピン385、387、389によってお互いに間隙をおいて配置され結合されている。実際の装置では、他の特定の実施形態のように、複数のそのようなプレート対及び更に多くのピンがある。ピンは、実質的に同じである。便宜上、これらのピン389の1つだけを参照すると、ピンは、2つのプレート381、383の間に中央円柱部分391を有する上、上端部395で終わるプレート381の上方に延びる上方部分393、底端部399で終わる下部プレート383の下方に延びる下方部分397を有している。
【0090】
上端部393が上部プレート381の上部表面401から出てくるところで、そして下端部397が下部プレート383の底表面403から出てくるところでもまた、ピン389は各プレート381、383にスポット溶接されている。その出てくる部分では、上端部393と下端部397はそれぞれ狭い径の領域405、407を有している。これはレーザ溶接によるものであり、これはより重要なことで、例えば符号411及び413によって示されるように、レーザ溶接は凹凸の表面形状を引き起こす。これらは熱伝達に有益である。
【0091】
発明に係る熱交換器421の形態は、ピンが放射状に中心をはずれて又は千鳥状に配置され、図12〜14に示されている。熱交換器421は、複数のプレート対を有している。便宜上、2つののプレート対423、425のみを示す。
【0092】
第1の対423は上部プレート427と下部プレート429を有し、これらは互いに平行で、それらの間の間隙431によって分離されている。下部の対425は、同様に上部プレート433とこれに実質的に平行な下部プレート435を有している。下部の対425のプレート433、435もまた間隙437によって分離されている。上部の対423は、上部のプレート対423と下部のプレート対425との間の他の間隙439によって下方の対425から分離されている。上部の対423の下部プレート429もまた下方の対425の上部プレート433に実質的に平行である。複数のピン441等は、上部プレートに軸方向に直交して、上部プレート427の上部表面442から上に向かって延びている。これらの上に向かって延びるピン441等は、固定されていない端部444等で終わっている。上部の対423のプレート427、429は、他の複数のピン443等によって間隙431を横切って橋渡しされている。従って、ピン443等は、その一端部が上部プレート427の下部表面445及び下部プレート429の上部表面447と結合している。プレート427、429を橋渡しするピン443は、上部プレート427の上部表面から上に向かって延びるピン441等に対して放射状にずれて又は千鳥状に配置される。これは図13からよりより良くわかり、ここでは、上に向かって延びるピン441等は実線で示されているのに対し、橋渡しするピン443は点線で示される。これらのピンは全て実質的に円柱形であり、橋渡しするピン443は、その対称軸が、3つの最も近い上に向かって延びるピン441等の対象軸から実質的に等距離となるように、実質的に放射状にずれて配置されている。
【0093】
他の複数のピン449等は、上部の対423の下部プレート429の下部表面451から下に向かって軸方向に直角に延びている。これらの下に向かって延びるピン449等もまた、橋渡しするピン443に対して軸方向でずれて配置される。しかし、それらの対称軸は上に向かって延びるピン441の対称軸と直線的となるようになっている。
【0094】
下部プレート対425のピン配置は実質的に上部プレート対423と同じである。他の複数のピン453等は、下部の対425の上部プレート433の上部表面455から上に向かって軸方向に直角に延びている。軸方向でずれた橋渡しするピン457のセットは、下部の対425の上部プレート433の下部459と下部の対425の下部プレート435の上部表面461との間で、軸方向に直角に延びている。
【0095】
ピン463等の他のセットは、下部の対425の底部のプレート435の下部表面465から下に向かって延びている。これら下に向かって延びるピン463、すなわち下部のプレート対425のピン463は、橋渡しするピン457に対して軸方向でずれているが、上部に延びるピン453に軸方向で直線的に位置する。
【0096】
しかし、上部の対423の下部プレート429から下に向かって延びるピンの下端部467と、下部の対425の上部プレート459から上に向かって延びるピン453の上方の固定されていない端部469とは、各間隙471等によって分離されている。その上、上部の対423から下に向かって延びるピン449等と下部の対425から上に向かって延びるピン453は、軸方向で実質的に直線的である。従って、プレートの間隙に交互にあるピンは互いに軸方向に千鳥状であるとみなすことができる。ただし、全ての他の間隙にあるピンは、固定されていない端部間の各間隙を規定するように事実上分割されていることを除く。
【0097】
流体の流れは、図2に図示されるように記述された方法で、連続するプレート間で向流である。
【0098】
上述した様々な形態において、‘セル’又はプレートグループは、各々のプレート対を具備し、プレートは、直線的に並んだ又はそうでなければずれて配置されたどちらか一方のピンによって橋渡しされている。その上、全ての上述の形態では、固定されていない端部を有するピンは、各対における上部及び下部プレートの最も外側の伝熱面を超えて延びている。図15及び図16は、断面からみた方法で、前述とは異なる配置を有する熱交換器を説明している。
【0099】
図15は、各グループに4つのプレートがある熱交換器の部分断面図である。便宜上、2つのグループだけ、つまり、互いの間が間隙507によって分離された上部の対503と下部の対505だけを示す。上部グループ503のプレート509、511、513及び515は、プレート間の間隙523、525及び527それぞれにあるピン517等、519等、521等によって橋渡しされている。1つの層と隣の層との間で、全てのこれらのピンは直線的に配置されている。しかし、上部グループ503の上部プレート509の上部表面529から突き出るピンはなく、下部プレート515の下部表面531から突き出るピンもない。
【0100】
(505)に示される下部グループの構造は、ピン533が、上部グループ503のピンが直線的に並んでいるのと同様に、そのグループの層の間で直線的に並んでいるのと実質的に同じである。
【0101】
図16によると、再びプレートグループの全数のうち2つのグループだけが便宜上示されている。この形態では、再び、上部グループ551及び下部グループ553が示され、それぞれのグループは間隙をおいて4つの平行なプレートを有している。上部グループのプレートは符号555、557、559及び561が付されている。上部グループのプレート間の間隙は、それぞれ563、565及び567と名づけられている。上部グループの隣り合うプレートは、各ピン569等、571等、573等によって橋渡しされている。加えて、上部プレート555の上部表面575からピン577等が延びている。下部プレート561の下部表面579からピン581等が延びている。上部プレート555の上部表面575及び下部プレート561の下部表面579から延びるそれらのピンは、それぞれ固定されていない端部583等、585等で終わっている。
【0102】
下部のプレートグループ553は、実質的に上部グループ551と同一である。ここでは、下部グループの上部プレート589の上部表面587から、それぞれが固定されていない端部593等で終わるピン591等が延びていることがわかる。同様に、ピン595は、下部グループ553の下部プレート601の下部表面599から延びる固定されていない端部597等を有している。
【0103】
上部及び下部プレートグループは間隙603によって分離されており、下方に延びる固定されていないピン581の固定されていない端部585等は、小さい部分605によって、下部グループ553の上部プレート589の上部表面587から上方に延びるピン591等の上方の固定されていない端部593から、互いに距離を隔てて間隔があけられている。
【0104】
図16の実施形態における各グループの中で、図13及び図14に関して記載及び図示された実施形態にならって、ピンは、プレート間の間隙によって規定された1つの層からその隣の層へずれて又は千鳥状に配置されている。お互いに面するピン581等、591は、それでも互いに直線的に並んでいる。
【0105】
他の実施形態だけでなく、付記された特許請求の範囲の全ての範囲内で、記載された実施形態の変形は当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】通常のガスタービンを伴う復熱装置の使用の概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る復熱装置のコアの部分斜視図である。
【図3】図3A〜3Cは、抜粋された可能なピン結合構造の様々な断面図である。
【図4】図2に示す種の復熱装置のコアの一端部の概略図である。
【図5】図4に示すシングルチューブの代わりとしてツーヘッダーチューブの周りに形成された代わりの供給装置の配置の概略図である。
【図6】他の実施形態に係るコアと供給装置の概略図であり、供給装置は一端と他端とが異なっている。
【図7】図2に示すピン形状の代わりを示す。
【図8】螺旋型のプレート形状を示す。
【図9】図9A及び図9Bは、それぞれ、プレートを貫いて通るピン配置及びプレートを貫いて延びるピン配置を示し、ピンはプレートと一体化されて形成されている。
【図10】本発明に係る低圧力復熱装置の概略図である。
【図11】ピンをプレートにレーザ溶接することにより発生する表面特徴を示す
【図12】発明に係る熱交換器の他の形態の斜視図であり、層の間でピンがずれて又は千鳥状に配置されている。
【図13】図12に示す熱交換器の平面図である。
【図14】図12及び図13に示す熱交換器の断面図である。
【図15】発明に係る熱交換器の一形態の断面図であり、グループにつき4つのプレートと直線的に並んだピンを有している。
【図16】発明に係る熱交換器の一形態の断面図であり、グループにつき4つのプレートとずれて配置されたピンを有している。
【符号の説明】
【0107】
3A・・・タービン
9A・・・復熱装置
3、505・・・下部の対
5、503・・・上部の対
7、11、61、79、109、311、381、427、433、509、555、589・・・上部プレート
9、13、63、81、111、385、429、435、515、561、601・・・下部プレート
15、19、401、447、455、461、575、587・・・上部表面
17、21、403、445、451、465、579、599・・・下部表面
23、33、65、67、69、83、85、87、113、115、117、281、335、337、351、353、385、387、389、441、443、449、453、463、517、519、533、569、571、573、577、581、591・・・ピン
25、35、395・・・上端部
27、37、91、399、467・・・下端部
29、31、32、359、361、363、431、437、439、523、525、527、563、565、567、603・・・間隙
39、365、471、507・・・間隙
169、199・・・マニホルド壁
191、193、195、197、209、211、213、215、235、237、301、303、305、307、313、331、333、343、345、347、349、511、513、557、559・・・プレート
171、201、203、229、231、233、310・・・ヘッダーチューブ
283、285、287・・・列
319、321、323、325・・・穴
355、357・・・端部
421・・・熱交換器
423・・・上部プレート対
425・・・下部プレート対
444、469、583、585、593、597・・・固定されていない端部
551・・・上部グループ
553・・・下部グループ
605・・・小さい部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが互いの反対の側に第1伝熱面及び第2伝熱面を有するプレートを複数有し、隣りあうプレートの互いに面する伝熱面間に間隙をあけてプレートは積み重ねて配置され、積み重ねの間隙に交互にそれぞれ第1流体のための第1流路及び第2流体のための第2流路が形成され、前記プレートは複数のプレートグループに配置され、それぞれのグループは少なくとも2つのプレートを有し、ピン手段は複数のピングループを備え、各ピングループのピンは各プレートグループのプレートを橋渡しするように配置されている熱交換器。
【請求項2】
ピン手段は、少なくとも1つのプレートグループの最も外側の伝熱面から延びる外側のピンを更に有し、前記外側のピンはそれぞれ固定されていない端部で終わっていることを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】
1つのグループの最も外側の伝熱面から延びる外側のピンの固定されていない端部と、隣りあうグループの最も外側の伝熱面から延びる外側のピンの固定されていない端部との間に間隙があるように、プレートグループは配置されていることを特徴とする請求項2記載の熱交換器。
【請求項4】
少なくとも1つのグループの少なくとも1つのプレートの第1伝熱面から延びるピンは、該プレートの第2伝熱面から延びるピンと直線的に並んでいることを特徴とする前述の請求項いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項5】
少なくとも1つのグループの少なくとも1つのプレートの第1伝熱面から延びるピンは、該プレートの第2伝熱面から延びるピンとずれて位置することを特徴とする前述の請求項いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項6】
請求項3に従属するとき、互いに面する固定されていない端部を有するピンは、実質的に直線的に並んでいることを特徴とする請求項4または請求項5記載の熱交換器。
【請求項7】
請求項3に従属するとき、互いに面する固定されていない端部を有するピンは、実質的にずれて位置していることを特徴とする請求項4から請求項6いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項8】
少なくともピンのいくつかは各プレートに一体化形成されていることを特徴とする前述の請求項いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項9】
少なくともいくつかのピンは1つまたはそれ以上のプレートに設けられた各穴の中を又は穴を通って延び、それらの穴への入口の一地点(2つ以上の地点)で1つのプレート(2つ以上のプレート)と結合することを特徴とする前述の請求項いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項10】
各プレートグループは偶数枚のプレートからなることを特徴とする前述の請求項いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項11】
各プレートグループは、2つのプレートからなることを特徴とする前述の請求項いずれかに記載の熱交換器。
【請求項12】
第1流路はそこから第1流体を受けるための第1流体源に接続し、第2流路はそこから第2流体を受けるための第2流体源に接続していることを特徴とする前述の請求項いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項13】
第1流体源の圧力は、第2流体源の圧力の100%から200%であることを特徴とする請求項12記載の熱交換器。
【請求項14】
ピン手段は、実質的に一定の間隔をおいた列に一直線に並べられ、第1及び第2の列は、それぞれ第1及び第2の流路で、実質的に同じ向きの流れになる、または実質的に逆の向きの流れになるように導かれることを特徴とする前述の請求項いずれかに一項に記載の熱交換器。
【請求項15】
列は、第1及び第2の流体の流れの方向に実質的に垂直であることを特徴とする請求項14記載の熱交換器。
【請求項16】
列は、第1及び第2の流体の流れの方向に対して45°から85°の角度の関係にあることを特徴とする請求項14記載の熱交換器。
【請求項17】
交互の列におけるピンはそれぞれお互いに千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項14から請求項16いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項18】
ピン手段は、断面が実質的に円形のピンを少なくともいくつか有していることを特徴とする前述の請求項いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項19】
ピンの中心間の平均距離とピンの直径の平均との比が1.25〜4.0であることを特徴とする請求項18記載の熱交換器。
【請求項20】
ピン手段は、空気力学的な流れ及び/又は熱伝達を高めるための少なくとも1つの外観特徴を備える少なくともいくつかのピンを有することを特徴とする前述の請求項いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項21】
交換器の中央領域における第1流路を規定するプレート間の間隙の平均値と同じ領域における第2流路を規定するプレート間の間隙の平均値との比が1:10から100:1、好ましくは1:10から10:1であることを特徴とする前述の請求項いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項22】
第1及び第2の流体の少なくとも1つの流れの方向におおよそまたは実質的に直交する方向で横切ったプレートの幅が、第1流体及び/又は第2流体の流入に近づく各領域で次第に狭くなっていくことを特徴とする前述の請求項いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項23】
第1及び第2の流体の1つの流入及び/又は流出は、プレートの積み重ねを通って各チューブ手段へ導かれ、各第1流路及び/又は第2流路の中への少なくとも1つの開口部を備えることを特徴とする前述の請求項いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項24】
第1及び第2流体の他の流入及び/又は流出は、各チューブ手段を少なくとも部分的に囲うそれぞれのマニホルド壁の内部に導かれることを特徴とする請求項23記載の熱交換器。
【請求項25】
プレートは実質的に平らであることを特徴とする前述の請求項いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項26】
プレートは少なくとも部分的に曲がっていることを特徴とする請求項1から請求項24いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項27】
積み重ねは実質的に立方体であることを特徴とする前述の請求項いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項28】
プレートは放射状、好ましくは螺旋状の形状に配置されていることを特徴とする前述の請求項いずれか一項に記載の熱交換機器。
【請求項29】
複数の積み重ねられた、互いに距離をおいてあけられたプレートの対を有し、各対のプレートそれぞれは互いに面する内部表面を有し、内部表面はプレート間に第1流体の第1流路を規定し、各対のプレートはそれぞれ前記各内部表面と反対の外側に面する表面を有し、1つの対におけるプレートの外部に面する表面は、隣りあう対のプレートの外側に面する表面と、それらの間に第2流体の第2流路を規定するために、距離をあけて面し、対におけるプレートは複数のピンによって第1流路を横切って橋渡しされている熱交換器。
【請求項30】
第2流路の中へ外部表面を越えて延在する複数のピンを更に有する請求項29記載の熱交換器。
【請求項31】
ピン手段は少なくとも1つのプレート対の最も外側の伝熱面から延在する外側のピンもまた有し、前記更なるピンはそれぞれ固定されていない端部で終わっていることを特徴とする請求項30記載の熱交換器。
【請求項32】
1つの対の最も外側の伝熱面から延びる外側のピンの固定されていない端部と隣りあう対の最も外側の伝熱面から延びる外側のピンの固定されていない端部との間に間隙をおくように、前記プレート対は配置されていることを特徴とする請求項31記載の熱交換器。
【請求項33】
少なくとも1つの対における少なくとも1つのプレートの第1伝熱面から延びるピンは、該プレートの第2伝熱面から延びるピンと直線的に並んでいることを特徴とする請求項29から請求項32いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項34】
少なくとも1つの対における少なくとも1つのプレートの第1伝熱面から延びるピンは、該プレートの第2伝熱面から延びるピンとずれていることを特徴とする請求項29から請求項32いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項35】
請求項32に従属するとき、前記ピンは、互いに面する固定されていない端部が実質的に直線的に並んでいることを特徴とする請求項33または請求項34記載の熱交換器。
【請求項36】
請求項32に従属するとき、ピンは、互いに面する固定されていない端部が実質的にずれていることを特徴とする請求項33から請求項35いずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項37】
動力製造プラントと前述の請求項いずれかに一項に記載の熱交換器を具備する動力製造装置。
【請求項38】
熱交換器は、圧縮後の流体を暖めるために、動力製造プラントからの排気流体から熱を奪回するように配置されていることを特徴とする請求項37記載の動力製造装置。
【請求項39】
動力プラントを出る排気ガスが圧縮後のプラントからの空気を暖めるように配置されている請求項38記載の動力製造装置。
【請求項40】
動力製造プラントはガスタービンを含むことを特徴とする請求項35から請求項39いずれか一項に記載の動力製造装置。
【請求項41】
熱交換器はレシプロエンジン動力製造機のターボチャージャー又はスーパーチャージャーに適用されることを特徴とする請求項37記載の動力製造装置。
【請求項42】
熱交換器は、空気がレシプロ動力製造機に入る前に、空気を冷やすために使われることを特徴とする請求項37記載の動力製造装置。
【請求項43】
熱交換器は、ターボチャージャーまたはスーパーチャージャーでの空気の圧縮後に、空気を冷やすために使われることを特徴とする請求項42記載の動力製造装置。
【請求項44】
熱交換器は分割され、分割部分は動力プラントの軸の周りに配置されていることを特徴とする請求項35から請求項43いずれか一項に記載の動力製造装置。
【請求項45】
熱交換器は円柱形であり、動力プラントの軸は円柱の中心を軸方向に通っていることを特徴とする請求項35から請求項43いずれか一項に記載の動力製造装置。
【請求項46】
動力製造プラントは燃料電池を含むことを特徴とする請求項35記載の動力製造装置。
【請求項47】
1つ又はそれ以上の半製品を用意する工程と、前記1つの半製品又はそれ以上の半製品からプレートとピン手段を一体化形成する工程とを有する請求項1、8、29から36いずれか一項に記載の熱交換器又は請求項8に従属する限りの他の請求項記載の熱交換器の製造方法。
【請求項48】
複数のプレートを用意する工程と、前記プレートに穴を開ける工程と、前記穴の中へ又は穴を通って各々のピン手段を挿入する工程と、穴の中へ又は通る入口の少なくとも一地点でピン手段を接着する工程とを有する請求項1、9、29から36いずれか一項に記載の熱交換器又は請求項9に従属する限りの他の請求項記載の熱交換器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2007−507684(P2007−507684A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530572(P2006−530572)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【国際出願番号】PCT/GB2004/004164
【国際公開番号】WO2005/033607
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(506109982)ハイフラックス リミティッド (1)