説明

熱交換器

【課題】エンドプレートにブラケットをろう付けする場合に、ブラケットがろう付け前に位置ずれしないようにする。
【解決手段】熱交換器1は、交互に積層されたチューブ10及びフィン11と、チューブ10及びフィン11の積層方向外端部に設けられたエンドプレート12と、エンドプレート12に固定されたブラケット5とを備えている。エンドプレート12及びブラケット5がろう付けされている。熱交換器1は、ブラケット5をエンドプレート12にろう付けする前にエンドプレート5に仮固定しておくための溶接ビード40を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両等に取り付けられて使用される熱交換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の熱交換器として、コアとヘッダタンクとを備え、コアにブラケットを固定するように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
特許文献1では、エンドプレートの一対の側壁部の間にブラケットのろう付け板部を挿入し、このろう付け板部をエンドプレートにろう付けするようにしている。
【0004】
また、特許文献2では、エンドプレートの一対の側壁部の間にブラケットを挿入し、該ブラケットをエンドプレートにかしめ固定した状態でろう付けするようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−132568号公報
【特許文献2】特開平11−347666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のブラケットは、ろう付け板部をエンドプレートの側壁部の間に挿入しただけなので、例えばろう付け時に炉内で加熱されて熱変形した場合や、搬送中の振動等によってブラケットが位置ずれを起こしてしまう恐れがある。
【0007】
そこで、特許文献2のようにブラケットをエンドプレートにかしめ固定した後、ろう付けすることが考えられる。ところが、ブラケットとエンドプレートをろう付けするためには、両者の間にろう材を予め配置しておかなければならない。このろう材は炉内で溶融することになるが、ろう材が溶融するとブラケットとエンドプレートとの間から流れ出てかしめが緩み、ブラケットがエンドプレートに対しがたつくようになり、その結果、ブラケットが位置ずれを起こしてしまう。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンドプレートにブラケットをろう付けする場合に、ブラケットがろう付け前に位置ずれしないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では、ブラケットをろう付け前にエンドプレートに溶接するようにした。
【0010】
第1の発明は、交互に積層されたチューブ及びフィンと、上記チューブ及びフィンの積層方向外端部に設けられたエンドプレートと、上記エンドプレートに固定されたブラケットとを備え、上記エンドプレート及び上記ブラケットがろう付けされた熱交換器において、上記ブラケットを上記エンドプレートにろう付けする前に該エンドプレートに仮固定しておくための溶接ビードを有していることを特徴とするものである。
【0011】
この構成によれば、ブラケットをエンドプレートにろう付けする前に、ブラケットがエンドプレートに溶接されることになる。これにより、搬送時や炉内での加熱時にブラケットがエンドプレートに対し位置ずれするのを抑制することが可能になる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、ブラケットには、溶接ビードが流れ込む凹部が形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
すなわち、一般に溶接ビードは溶接対象物の表面から盛り上がるように形成されるが、本発明によれば、溶接ビードがブラケットの凹部に流れ込むので、ブラケット及びエンドプレートの表面からの盛り上がり量を減少させることが可能になる。
【0014】
第3の発明は、第2の発明において、ブラケットの凹部内面は、溶接ビードを該凹部の深い側へ案内するための案内面を有していることを特徴とするものである。
【0015】
この構成によれば、溶接中に溶接ビードが形成される際、溶接ビードが凹部の案内面によって凹部の深い側へ案内されることになる。これにより、溶接ビードの盛り上がり量をより一層減少させることが可能になる。
【0016】
第4の発明は、第2または3の発明において、凹部はブラケットを補強するための補強部であることを特徴とするものである。
【0017】
この構成によれば、溶接ビードが流れ込む凹部を利用してブラケットを補強することが可能になる。
【0018】
第5の発明は、第2から4のいずれか1つの発明において、ブラケットはプレス成形品であることを特徴とするものである。
【0019】
この構成によれば、凹部を有するブラケットの成形が容易に行えるようになる。
【0020】
第6の発明は、第1から5のいずれか1つの発明において、ブラケットにおけるエンドプレートとのろう付け面にはろう材がクラッドされていることを特徴とするものである。
【0021】
第7の発明は、第1から5のいずれか1つの発明において、エンドプレートにおけるブラケットとのろう付け面にはろう材がクラッドされていることを特徴とするものである。
【0022】
すなわち、ろう付け面にろう材をクラッドすると、上記特許文献2のようにかしめ固定した場合にはろう材の溶融によってかしめが緩み、ブラケットが位置ずれすることがあるが、本発明では、ブラケットをエンドプレートに溶接しているので、ろう材が溶融してもブラケットの位置ずれを抑制することが可能になる。
【発明の効果】
【0023】
第1の発明によれば、ろう付け前のブラケットをエンドプレートに溶接するようにしたので、ブラケットのろう付けが完了するまでに位置ずれするのを抑制することができ、熱交換器の品質を安定させることができる。
【0024】
第2の発明によれば、ブラケットに溶接ビードが流れ込む凹部を形成したので、溶接ビードがブラケット及びエンドプレートの表面から盛り上がる量を減少させることができ、例えば車両に熱交換器を取り付ける際に溶接ビードが車両側の部材と干渉するのを回避できる。
【0025】
第3の発明によれば、溶接中に形成される溶接ビードが凹部の深い側へ案内されるので、溶接ビードの盛り上がり量をより一層減少させることができる。
【0026】
第4の発明によれば、凹部がブラケットを補強するための補強部であるので、溶接ビードが流れ込む凹部と補強部とを共通にしてブラケットの製造を容易にすることができる。
【0027】
第5の発明によれば、凹部を有するブラケットをプレス成形品としたので、成形を容易に行うことができ、コスト低減を図ることができる。
【0028】
第6、7の発明によれば、ろう付け面にろう材がクラッドされている場合であっても、ブラケットの位置ずれを抑制することができ、強固なろう付けと品質の安定化とを両立できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態にかかる熱交換器の正面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】ブラケットの正面図である。
【図4】ブラケットの側面図である。
【図5】ブラケットの背面図である。
【図6】ブラケットの溶接途中を示す図2相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0031】
図1は、本発明の実施形態にかかる熱交換器1の正面図である。熱交換器1は、自動車に搭載される車両用空調装置(図示せず)の冷凍サイクルの一要素である凝縮器を構成するものである。熱交換器1は、自動車の前部に設けられたエンジンルーム前端部の車体側部材に取り付けられて使用される。
【0032】
熱交換器1は、コア2と、左側及び右側ヘッダタンク3,4と、上側及び下側ブラケット5,5,6,6と、レシーバタンク7とを備えている。コア2は、上下方向に積層されたチューブ10及びフィン11と、チューブ10及びフィン11の積層方向の両外端部(上下両端部)にそれぞれ設けられた上側及び下側エンドプレート12,13とを備えている。上側エンドプレート12の下面にはフィン11が隣接しており、また、下側エンドプレート13の上面にはフィン11が隣接している。
【0033】
チューブ10は、アルミニウム合金製であり、外部空気の通過方向(車両取り付け状態で前後方向)に長い断面形状を有し、左右方向に延びる偏平チューブである。フィン11は、アルミニウム合金製の薄板材からなり、外部空気の通過方向から見て左右方向に連続する波型をなすコルゲートフィンである。チューブ10とフィン11との一方の表面には、ろう材がクラッドされており、このろう材によってチューブ10とフィン11とがろう付けされている。
【0034】
上側エンドプレート12は、アルミニウム合金製の板材をプレス成形してなるものであり、図2に示すように上方に開放する略コ字状断面を有し、左右方向に延びている。すなわち、上側エンドプレート12は、コア2の上部のフィン11に沿って延び、該フィン11にろう付けされる接合板部12aと、接合板部12aの両側縁部から上方へ延びる一対の側板部12c,12cとを備えている。図1に示すように、側板部12c,12cの左右両端部は、ヘッダタンク3,4の外面にろう付けされている。
【0035】
下側エンドプレート13は、アルミニウム合金製の板材をプレス成形してなるものであり、下方に開放する略コ字状断面を有し、左右方向に延びている。下側エンドプレート13も、図示しないが上側エンドプレート12と同様に接合板部と一対の側板部とを有している。
【0036】
上側及び下側エンドプレート12,13はろう材がクラッドされたクラッド材で構成されている。ろう材は、上側及び下側エンドプレート12,13の側板部12c,12cにおける互いに対向する面と、接合板部12aにおけるフィン11と反対側の面とにクラッドされている。これらろう材がクラッドされた面は、上側ブラケット5とのろう付け面である。
【0037】
左側ヘッダタンク3は、アルミニウム合金製の板材からなり、上下方向に延びる円筒状に形成されてコア2の左側に配置されている。チューブ10の左端部が左側ヘッダタンク3に挿入されて連通している。チューブ10の左端部と左側ヘッダタンク3とはろう付けされている。
【0038】
左側ヘッダタンク3には、熱交換器1に外部から冷媒を流入させるための冷媒流入管Aと、熱交換器1内の冷媒を外部に排出させるための冷媒排出管Bとが接続されている。また、左側ヘッダタンク3の外面には、冷媒流入管A及び冷媒排出管Bを支持するサポートCがろう付けされている。
【0039】
右側ヘッダタンク4は、左側ヘッダタンク3と同様にアルミニウム合金を成形してなるものである。チューブ10の右端部が右側ヘッダタンク4に挿入されて連通している。右側ヘッダタンク4には、上記レシーバタンク7が取り付けられている。
【0040】
上側ブラケット5,5は、アルミニウム合金製の1枚の板材をプレス成形してなるプレス成形品であり、上側エンドプレート12の左右両側にそれぞれろう付けされている。各上側ブラケット5は、熱交換器1の完成状態では上記のように上側エンドプレート12にろう付けされているが、完成状態となる前、即ち、ろう付けの前には、詳細は後述するが溶接によって仮固定されている。
【0041】
上側ブラケット5,5は、同じものなので、左側のブラケット5について詳しく説明する。図3〜図5に示すように、上側ブラケット5は、水平板部30と、縦板部31と、右板部32と、左板部33とを有している。水平板部30は、上側エンドプレート12の接合板部12aに沿って左右方向に長く延びる矩形状に形成されており、該接合板部12aにろう付けされる。水平板部30の前後方向(外部空気の通過方向)の寸法は、上側エンドプレート12の側板部12c,12cの離間寸法と略同じに設定されている。
【0042】
縦板部31は、水平板部30の後縁部から上方へ向かい、かつ、左右方向に延びており、縦板部31と水平板部30とのなす角度は略直角である。縦板部31の左右方向の寸法は、水平板部30の左右方向の寸法と略同じに設定されている。縦板部31の上側は、上側エンドプレート12の側板部12cよりも上方へ突出している。縦板部31における上側エンドプレート12よりも上方へ突出した部分が車体側部材に取り付けられる一方、縦板部31における側板部12cの上端部よりも下側は、該側板部12cに沿って延び、該側板部12cにろう付けされるようになっている。
【0043】
右板部32は、水平板部30の右縁部と、縦板部31の右縁部とを繋ぐように上下方向に延びており、縦板部31とのなす角度は略直角となっている。図2に示すように、右板部32の下部は、上部に比べて幅広に形成された幅広部32aとされており、幅広部32aは上側エンドプレート12の側板部12cにろう付けされるようになっている。
【0044】
左板部33は、水平板部30の左縁部と、縦板部31の左縁部とを繋ぐように上下方向に延びており、右板部32と同様に、縦板部31とのなす角度は略直角で、図4に示すように、下部には幅広部33aが形成され、上側エンドプレート12の側板部12cにろう付けされている。
【0045】
上記縦板部31、右板部32及び左板部33により、正面に開放する略コ字状断面が形成されている。また、水平板部30、右板部32及び左板部33により、上方に開放する略コ字状断面が形成されている。
【0046】
図3及び図5に示すように、縦板部31の上側には、取付孔34が厚み方向に貫通するように形成されている。この取付孔34には、上側ブラケット5を車体側部材に締結するための締結部材(例えばボルト等)が挿通するようになっている。
【0047】
また、縦板部31の後面における取付孔34よりも下方には、前側へ窪む凹部35が形成されている。凹部35は、上側ブラケット5を上側エンドプレート12に溶接する際に形成される溶接ビード40を流れ込ませるためのものである。
【0048】
凹部35は、上側ブラケット5の水平板部30を上側エンドプレート12の接合板部12aに接触させた状態(図2に示す正規の取付位置とした状態)で、側板部12cの上端部よりも上方に位置し、かつ、該凹部35の内面が側板部12cの上端部近傍に位置するように、その形成位置が設定されている。
【0049】
図5に示すように、凹部35は、縦板部31の左右方向に長く形成されており、これにより、縦板部31の広い範囲を補強することが可能となっている。すなわち、凹部35は上側ブラケット5の補強部としても機能する。
【0050】
図2に示すように、凹部35の底面35aは略上下方向に平坦に延びており、略矩形状である。また、凹部35の内面のうち、下側に位置する面35bは、溶接ビード40を凹部35の深い側(底面35a側)へ案内するための案内面である。この案内面35bは、底面35aから離れるほど下に位置するように傾斜して延びており、案内面35bの下端部は、上側エンドプレート12の側板部12cの上端部に近接している。案内面35bを傾斜させることで、凹部35が下に向かって次第に浅くなる形状となる。
【0051】
尚、下側ブラケット6,6における下側エンドプレート13へのろう付け部分については、上側ブラケット5,5と略同様に構成されているので説明を省略する。下側ブラケット6,6の車体側部材への固定部分は、車体側部材の形状に合わせて成形すればよく、上側ブラケット5,5と異なる形状であってもよいし、図1に示すように同じ形状であってもよい。
【0052】
次に、熱交換器1の製造要領について説明する。
【0053】
まず、チューブ10及びフィン11を交互に積層し、積層方向の外端部に上側及び下側エンドプレート12,13を配置した後、チューブ10、フィン11及びエンドプレート12,13を結束具(図示せず)を用いて積層方向に結束する。また、左側及び右側ヘッダタンク3,4をコア2に組み付けるとともに、冷媒流入管A、冷媒排出管B、サポートC及びレシーバタンク7を左側及び右側ヘッダタンク3,4に組み付ける。
【0054】
さらに、上側ブラケット5,5及び下側ブラケット6,6を上側及び下側エンドプレート12,13に組み付ける。詳しく説明すると、上側ブラケット5の水平板部30側を上側エンドプレート12の側板部12c,12c間に挿入し、水平板部30を上側エンドプレートの接合板部12aに接触させる(図6参照)。
【0055】
この状態で上側ブラケット5を上側エンドプレート12に溶接する。溶接時には、同図に示すように、上側ブラケット5の凹部35が上に開放するように各部品を配置する。そして、溶接ワイヤー60を上側エンドプレート12の側板部12cの上部近傍から上側ブラケット6側に向けて移動させていく。溶接工程中に形成される溶接ビード40の近傍には上側ブラケット5の凹部35が上に開放した状態で位置しているので、溶接ビード40は重力によって凹部35に流れ込むように形成される。このとき、凹部35の内面には案内面35bが設けられているので、溶接ビード40は案内面35b上を流れて凹部35の深い側へ案内される。加えて、溶接ワイヤー60の進む方向が凹部35の深い側へ向かう方向となっているので、溶接ビード40はこのことによっても凹部35の深い側へ流れていく。その結果、溶接ビード40の大部分は凹部35内に形成されることになる。このようにして上側ブラケット5を上側エンドプレート12に仮固定しておく。
【0056】
下側ブラケット6も同様にして下側エンドプレート13に仮固定する。
【0057】
溶接は自動溶接機を用いて行ってもよいし、作業者が直接行ってもよい。
【0058】
その後、ろう付け用の炉内に搬送してろう材の溶融温度まで加熱する。搬送時には上側及び下側ブラケット5,6が振動することがあるが、上述のように上側及び下側エンドプレート12,13に仮固定されているので、位置ずれが抑制される。また、熱変形等による上側及び下側ブラケット5,6の位置ずれも抑制される。
【0059】
また、上側エンドプレート12にクラッドされているろう材が溶融することになるが、このとき、上側ブラケット5、5は上側エンドプレート12に溶接されているので、特許文献2のかしめ固定の場合のように固定が緩くなることはなく、上側ブラケット5,5の位置ずれが抑制される。下側ブラケット6,6も同様である。
【0060】
そして、炉内から搬出してろう材が固化すると各部がろう付けされた熱交換器1が得られる。
【0061】
以上説明したように、この実施形態にかかる熱交換器1は、ろう付け前の上側及び下側ブラケット5,6を上側及び下側エンドプレート12,13に溶接するようにしたので、上側及び下側ブラケット5,6のろう付けが完了するまでに位置ずれするのを抑制することができ、熱交換器1の品質を安定させることができる。
【0062】
また、上側及び下側ブラケット5,6に溶接ビード40が流れ込む凹部35を形成したので、溶接ビード40が上側及び下側ブラケット5,6及び上側及び下側エンドプレート12,13の表面から盛り上がる量を減少させることができる。この実施形態では特に熱交換器1の厚み方向(外部空気の通過方向)への盛り上がり量が減少する。これにより、車両に熱交換器1を取り付ける際に溶接ビード40が車両側部材と干渉するのを回避できる。
【0063】
また、溶接中に形成される溶接ビード40が案内面35bによって凹部35の深い側へ案内されるので、溶接ビード35の盛り上がり量をより一層減少させることができる。
【0064】
また、凹部35が上側ブラケット5を補強するための補強部であるので、溶接ビード40が流れ込む凹部35と補強部とを共通にして上側ブラケット5の構造を簡素化でき、製造を容易にすることができる。
【0065】
また、凹部35を有する上側ブラケット5をプレス成形品としたので、成形を容易に行うことができ、コスト低減を図ることができる。
【0066】
また、上側及び下側エンドプレート12,13のろう付け面にろう材がクラッドされている場合に、上側及び下側ブラケット5,6を予め溶接しておくことでろう材が溶融しても該ブラケット5,6の位置ずれを抑制することができ、強固なろう付けと品質の安定化とを両立できる。
【0067】
尚、上記実施形態では、エンドプレート12,13にろう材をクラッドするようにしているが、これに限らず、ブラケット5,6にろう材をクラッドするようにしてもよい。
【0068】
また、上側ブラケット5,5と下側ブラケット6,6の一方を省略してもよい。
【0069】
また、本発明は、凝縮器以外にもラジエータ等の熱交換器に適用することができる。
【0070】
また、上記実施形態では、熱交換器1を車両に取り付けるようにしているが、車両以外のものに固定するようにしてもよい。つまり、熱交換器1を取り付けることのできる各種取付部材に取り付けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上説明したように、本発明にかかる熱交換器は、例えば自動車に取り付けられる凝縮器等に適用できる。
【符号の説明】
【0072】
1 熱交換器
2 コア
3,4 ヘッダタンク
5,6 ブラケット
10 チューブ
11 フィン
12,13 エンドプレート
35 凹部
35a 底面
35b 案内面
40 溶接ビード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交互に積層されたチューブ及びフィンと、
上記チューブ及びフィンの積層方向外端部に設けられたエンドプレートと、
上記エンドプレートに固定されたブラケットとを備え、
上記エンドプレート及び上記ブラケットがろう付けされた熱交換器において、
上記ブラケットを上記エンドプレートにろう付けする前に該エンドプレートに仮固定しておくための溶接ビードを有していることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
請求項1に記載の熱交換器において、
ブラケットには、溶接ビードが流れ込む凹部が形成されていることを特徴とする熱交換器。
【請求項3】
請求項2に記載の熱交換器において、
ブラケットの凹部内面は、溶接ビードを該凹部の深い側へ案内するための案内面を有していることを特徴とする熱交換器。
【請求項4】
請求項2または3に記載の熱交換器において、
凹部はブラケットを補強するための補強部であることを特徴とする熱交換器。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1つに記載の熱交換器において、
ブラケットはプレス成形品であることを特徴とする熱交換器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の熱交換器において、
ブラケットにおけるエンドプレートとのろう付け面にはろう材がクラッドされていることを特徴とする熱交換器。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1つに記載の熱交換器において、
エンドプレートにおけるブラケットとのろう付け面にはろう材がクラッドされていることを特徴とする熱交換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−44450(P2013−44450A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180716(P2011−180716)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000152826)株式会社日本クライメイトシステムズ (154)
【Fターム(参考)】