説明

熱交換器

【課題】曲げ剛性、生産性、熱交換効率を高めながら、外観性を向上し、コンパクト化を図ることができる熱交換器を提供する。
【解決手段】互いに平行を成した状態でそれぞれ配置されたヘッダパイプ(4,6)と、これらのヘッダパイプ間において配置されて該各ヘッダパイプの双方と連通する複数のチューブ(8)と、隣接する前記チューブ間に配置されたフィン(10)とを具備し、積層された前記チューブ及び前記フィンにより熱交換のコア部(12)を構成した熱交換器構成体2を複数備え、前記複数の熱交換器構成体は、前記チューブ及び前記フィンの積層方向に並べて配置され、互いに隣接する前記熱交換器構成体において対向する前記各ヘッダパイプの端部(4a,6a)同士を嵌め合いにより接続する嵌合部(16,18)と、互いに隣接する前記熱交換器構成体において対向する前記各コア部の端縁部(12a、12a)同士を連結により接合するサイドプレート(20,22,40,42,46,48)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、コンデンサ及びエバポレータの双方の機能を有する車両空調ヒートポンプシステムの室外熱交換器として用いられる熱交換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記した熱交換器は、例えば、間隔をおいて互いに平行に配置された一対のヘッダパイプと、これらのヘッダパイプ間において僅かな間隔をおいて互いに平行に配置されて上記ヘッダパイプの双方と連通する複数のチューブと、隣接するチューブ間に配置されたフィンとを備え、積層されたチューブ及びフィンにより熱交換のコア部を構成する。当該熱交換器には、一対のヘッダパイプを上下方向に沿わせると共に、複数のチューブを左右方向に沿わせるようにして設置される、いわゆる冷媒横流れタイプの熱交換器が知られ、この熱交換器は一般にヘッダパイプの長さ寸法(縦寸法)に比してチューブの長さ寸法(横寸法)が大きくなっている。
【0003】
このような冷媒横流れタイプの熱交換器は、冷媒の蒸発時には、左右方向に沿う複数のチューブの各表面に凝縮水が生じてチューブの表面上に保水され、着霜現象が発生することが多く、この霜の層が成長することによって熱交換効率が低下する可能性がある。
そこで、上記着霜現象の発生を抑える、すなわち、複数のチューブの各表面に生じる凝縮水の排除を促し得る熱交換器として、複数のチューブを上下方向に沿わせるようにして配置する、いわゆる冷媒縦流れタイプの熱交換器が開発されている。
【0004】
この冷媒縦流れタイプの熱交換器では、冷媒横流れタイプの熱交換器と比べて、左右方向に沿って配置されるヘッダパイプの長さ寸法(横寸法)が大きくなると共に上下方向に沿うチューブの長さ寸法(縦寸法)が小さくなり、これに伴ってチューブの本数が大幅に増加することとなる。
上記した冷媒縦流れタイプの熱交換器では、チューブ及びフィンの本数が大幅に増加する都合上、複数のチューブ及びフィン個々に対して高い寸法精度が求められ、加えて、ヘッダパイプに多数のチューブ及びフィンの接続孔を所定のピッチで形成する際には、厳しい加工精度が要求されることから、熱交換器の生産性が低下するおそれがある。
【0005】
そこで、上記した熱交換器を熱交換器構成体として複数備え、これら複数の熱交換器構成体をチューブ及びフィンの積層方向に並べて配置して接続した冷媒横流れタイプの熱交換器が開示されている(例えば特許文献1参照)。この熱交換器は、複数の熱交換器構成体に分割することで、チューブ及びフィンの寸法精度、及びヘッダパイプへのチューブ接続孔の加工精度を厳密に管理する必要が無くなり、結果として熱交換器の生産性が高まるとの利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2898800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、車両空調ヒートポンプシステムの室外熱交換器は、車両の前面部に搭載され、車両運転時の車体の振動や曲げモーメントの影響を大きく受けることから、熱交換器全体の曲げ剛性を高める必要がある。上記従来の熱交換器は、互いに上下に隣接する熱交換器構成体において対向する各コア部の端縁部同士を連結により接続するサイドプレートを備えているものの、熱交換器構成体同士は当該サイドプレートのみで接続されるため、熱交換器全体では必ずしも十分な曲げ剛性を備えているとは云えない。
【0008】
また、上記従来の熱交換器は、あくまでも冷媒横流れタイプの熱交換器であり、冷媒縦流れタイプの熱交換器では、上述したようにチューブの本数が大幅に増加する都合上、高い寸法精度と厳しい加工精度とが要求されるが、この点についても格別な配慮がなされておらず、熱交換器の生産性の向上には依然として課題が残されている。
また、上記従来の熱交換器は、熱交換器構成体同士の接続によって熱交換器を構成することで生じるおそれのある、熱交換効率の低下、熱交換器構成体のユニット化に伴う外観性の低下及びコンパクト化の弊害については格別な配慮がなされていない。
【0009】
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、曲げ剛性、生産性、熱交換効率を高めながら、外観性を向上し、コンパクト化を図ることができる熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明の熱交換器は、互いに平行を成した状態でそれぞれ配置されたヘッダパイプと、これらのヘッダパイプ間において配置されて該各ヘッダパイプの双方と連通する複数のチューブと、隣接するチューブ間に配置されたフィンとを具備し、積層されたチューブ及びフィンにより熱交換のコア部を構成した熱交換器構成体を複数備え、前記複数の熱交換器構成体は、チューブ及びフィンの積層方向に並べて配置され、互いに隣接する前記熱交換器構成体において対向する各ヘッダパイプの端部同士を嵌め合いにより接続する嵌合部と、互いに隣接する前記熱交換器構成体において対向する各コア部の端縁部同士を連結により接合するサイドプレートとを備える(請求項1)。
【0011】
好ましくは、ヘッダパイプは、互いに平行を成した状態で左右方向に沿ってそれぞれ上下に配置され、複数のチューブは、これらのヘッダパイプ間において上下方向に沿って配置されて該上下のヘッダパイプの双方と連通し、前記複数の熱交換器構成体は左右方向に並べて配置され、嵌合部は、互いに左右に隣接する前記熱交換器構成体において対向する上側ヘッダタンクの端部同士が嵌め合わされる上側嵌合部と、互いに左右に隣接する前記熱交換器構成体において対向する下側ヘッダタンクの端部同士が嵌め合わされる下側嵌合部とからなり、サイドプレートは、互いに左右に隣接する前記熱交換器構成体において対向する各コア部のうちの一方のコア部の端縁部に設けられ、コア部に通風される空気の入口側に面する入口側サイドプレートと、互いに左右に隣接する前記熱交換器構成体において対向する各コア部のうちの他方のコア部の端縁部に設けられ、コア部に通風される空気の出口側に面する出口側サイドプレートとからなる(請求項2)。
【0012】
好ましくは、サイドプレートは、チューブ及びフィンの長手方向に沿って形成されると共に、その長手方向の両端がヘッダタンクに接続される接続部と、接続部から折曲されて連なり、隣接するコア部の対向するサイドプレートと連結される連結部とを有する(請求項3)。
好ましくは、サイドプレートは断面L字形状をなす(請求項4)。
【0013】
好ましくは、サイドプレートは、その接続部又は連結部が対向する前記サイドプレートの前記接続部又は前記連結部に向けて折曲された断面U字形状をなす(請求項5)。
好ましくは、サイドプレートは、互いに隣接するコア部間と対向する嵌合部間とで囲まれた間隙を遮蔽するようにして互いに連結される(請求項6)。
好ましくは、サイドプレートは、連結部に、ボルトを挿通することで対向するサイドプレートを互いに連結可能とするボルト挿通孔を有し、ボルト挿通孔は、対向するサイドプレートがコア部への通風方向において互いに非接触で間隙を遮蔽可能とする位置に形成されている(請求項7)。
【0014】
好ましくは、ボルト挿通孔はボルトの直径よりも大きな孔径を有する(請求項8)。
好ましくは、サイドプレートは、互いに隣接するコア部において対向するコア部の端縁部への取り付け方向をコア部への空気の通風方向でみて前後対称に異ならしめた同一品である(請求項9)。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、互いに隣接する熱交換器構成体を各ヘッダパイプの端部同士を嵌め合いにより接続する嵌合部と、熱交換器構成体において対向する各コア部の端縁部同士を連結により接合するサイドプレートとにより強固に連結することができるため、熱交換器全体の曲げ剛性を高めることができる(請求項1〜5)。
また、本発明によれば、サイドプレートが互いに隣接するコア部間と対向する嵌合部間とで囲まれた間隙を遮蔽するようにして互いに連結されることにより、熱交換器においてコア部間の空気の逃げ通路を閉塞することができることができ、熱交換器に通風される空気の全量をコア部に通風させることができる。従って、空気と冷媒との熱交換が促進され、熱交換器の熱交換効率を高めることができる(請求項6)。
【0016】
また、本発明によれば、ボルト挿通孔は、対向するサイドプレートがコア部への通風方向において互いに非接触で間隙を遮蔽可能とする位置に形成されていることにより、サイドプレートの寸法誤差及び組立誤差を吸収しながら、互いに隣接するコア部をコア部への空気の通風方向にずれることなく連結することができるため、熱交換器のユニット化を円滑に実現することができ、熱交換器の外観性向上及びコンパクト化促進を図ることができる(請求項7)。
【0017】
また、本発明によれば、ボルト挿通孔はボルトの直径よりも大きな孔径を有することにより、ボルト挿通孔において熱交換器の寸法誤差及び組立誤差を吸収することができるため、寸法誤差及び組立誤差の管理が容易となり、熱交換器の生産性を高めることができる(請求項8)。
また、本発明によれば、サイドプレートは、互いに隣接するコア部において対向するコア部の端縁部への取り付け方向をコア部への空気の通風方向でみて前後対称に異ならしめた同一品であることにより、熱交換器の構成部品の製造及び管理が容易となるため、熱交換器の生産性を更に高めることができる(請求項9)。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る熱交換器の正面図である。
【図2】図1の熱交換器の熱交換器構成体同士の連結部分における拡大斜視図である。
【図3】図2の右側の熱交換器構成体を異なる角度からみた斜視図である。
【図4】図1のサイドプレートの正面図である。
【図5】図1のサイドプレートの連結部分を下側からみた断面図である。
【図6】変形例となるサイドプレートの連結部分を下側からみた断面図である。
【図7】別の変形例となるサイドプレートの連結部分を下側からみた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る熱交換器1の正面図である。熱交換器1は冷媒縦流れタイプの熱交換器であって、2個の熱交換器構成体2,2を左右方向に並列配置して構成されている。
【0020】
熱交換器構成体2は、互いに平行を成した状態で左右方向に沿ってそれぞれ配置された上下のヘッダパイプ4,6と、これらのヘッダパイプ4,6間において上下方向に沿い且つ僅かな間隔をおいて互いに平行に配置されて該上下のヘッダパイプ4,6の双方と連通する複数のチューブ8と、隣接するチューブ8,8間に配置されたフィン10を具備し、積層されたチューブ8及びフィン10により熱交換のコア部12を構成している。複数のチューブ8は、ヘッダパイプ4,6にそれぞれ等ピッチで形成されたチューブ接続孔14にろう付けにより接合されている。
【0021】
図2は熱交換器構成体2,2同士の連結部分における拡大斜視図である。本実施形態においては、熱交換器構成体2のヘッダパイプ4,6の長さ寸法は、チューブ8の長さ寸法とほぼ同等に設定されており、左右方向に並ぶ2個の熱交換器構成体2,2は、互いに隣接する熱交換器構成体2,2において対向する上側ヘッダパイプ4,4の各端部4a,4a同士を嵌め合いにより接続して上側嵌合部16を形成すると共に、互いに隣接する熱交換器構成体2,2において対向する下側ヘッダパイプ6,6の各端部6a,6a同士を嵌め合いにより接続して下側嵌合部18を形成することで連結されている。
【0022】
更に、本実施形態の熱交換器構成体2は、互いに隣接する熱交換器構成体2,2において対向する各コア部12,12の端縁部12a,12a同士を連結により接続する入口側及び出口側サイドプレート20,22により連結されている。コア部12には図1でみて手前方向から奥方向に空気が通風されるとすると、入口側サイドプレート20は、右側のコア部12の端縁部12aに設けられ、互いに隣接するコア部12間と対向する上側及び下側嵌合部16,18間とで囲まれた間隙24のほぼ全域をコア部12に通風される空気の入口側で遮蔽し、一方、出口側サイドプレート22は、左側のコア部12の端縁部12aに設けられ、間隙24をコア部12に通風される空気の出口側で遮蔽している。
【0023】
図3は、右側の熱交換器構成体2を異なる角度からみた斜視図であり、左右方向に並ぶ熱交換器構成体2,2のうちの右側の熱交換器構成体2における上下のヘッダパイプ4,6の各端部4a,6aは、拡管端部4A,6Aとしてそれぞれ形成されており、これら右側のヘッダパイプ4,6の各拡管端部4A,6Aと、左側の熱交換器構成体2における上下のヘッダパイプ4,6の各端部4a,6aとが互いに嵌合して上記した上側嵌合部16及び下側嵌合部18が形成される。
【0024】
この際、上記右側のヘッダパイプ4,6における拡管端部4A,6Aの各内側嵌合面及びこの拡管端部4A,6Bと嵌合する左側のヘッダパイプ4,6における端部4a,6aの外側嵌合面は、ろう付けで接合されるようになっている。
また、入口側及び出口側サイドプレート20,22は、ヘッダパイプ4,6にそれぞれチューブ接続孔14と等ピッチで形成されたプレート接続孔26にろう付けにより接合され、入口側及び出口側サイドプレート20,22とこれらに隣接するチューブ8との間にはフィン10が設けられている。なお、図中における符号28は、熱交換器構成体2の左右端部に位置するフィン10を押さえるカバーである。
【0025】
図4は入口側サイドプレート20の正面図であり、図5は入口側及び出口側サイドプレート20,22の連結部分を図1の下側からみた断面図である。本実施形態の入口側及び出口側サイドプレート20,22は、断面L字形状をなし、接続部32と、接続部32から屈曲されて連なる連結部30とから構成された同一品であり、互いに隣接するコア部12において対向するコア部12の端縁部12aへの取り付け方向をコア部12への空気の通風方向でみて前後対称に異ならしめることで、間隙24のほぼ全域を遮蔽するようにして互いに連結されている。
【0026】
接続部32は、チューブ8及びフィン10の長手方向に沿って形成されると共に、その長手方向の両端部32aが上側及び下側ヘッダタンク4,6に形成されたプレート接続孔26に挿入されてろう付けで接合される。
一方、図5に示すように、連結部30は隣接するコア部12の対向するサイドプレート20(又は22)の連結部30と連結される。連結部30には、ボルト34を挿通することで対向する入口側及び出口側サイドプレート20,22を互いに連結可能とするボルト挿通孔36が形成されている。ボルト挿通孔36は、対向する入口側及び出口側サイドプレート20,22がコア部12への通風方向において互いに非接触で間隙24を遮蔽可能とする位置に形成され、ボルト34のねじ部の直径よりも大きい直径を有する丸孔である。このボルト挿通孔36にボルト34を挿通してナット38を締結することで、対向する入口側及び出口側サイドプレート20,22の寸法誤差及び組立誤差を吸収しながら互いの連結方向に段差を生じること無く連結することができる。
【0027】
以上のように本実施形態の熱交換器1は、互いに隣接する熱交換器構成体2,2を上側及び下側嵌合部16,18と入口側及び出口側サイドプレート20,22とにより強固に連結することができるため、熱交換器1全体の曲げ剛性を高めることができる。
また、入口側及び出口側サイドプレート20,22は、互いに隣接するコア部12間と対向する上側及び下側嵌合部16,18間とで囲まれた間隙24を遮蔽するようにして互いに連結されることにより、熱交換器1においてコア部12間の空気の逃げ通路を閉塞することができることができ、熱交換器1に通風される空気の全量をコア部12に通風させることができる。従って、空気と冷媒との熱交換が促進され、熱交換器1の熱交換効率を高めることができる。
【0028】
また、ボルト挿通孔36が対向する入口側及び出口側サイドプレート20,22がコア部12への通風方向において互いに非接触で間隙24を遮蔽可能とする位置に形成されることにより、対向する入口側及び出口側サイドプレート20,22の寸法誤差及び組立誤差を吸収しながら、互いに隣接するコア部12をコア部12への空気の通風方向にずれることなく連結することができるため、熱交換器1のユニット化を円滑に実現することができ、熱交換器1の外観性向上及びコンパクト化促進を図ることができる。
【0029】
また、ボルト挿通孔36はボルト34の直径よりも大きな孔径を有することにより、ボルト挿通孔36において熱交換器1の寸法誤差及び組立誤差を吸収することができるため、寸法誤差及び組立誤差の管理が容易となり、熱交換器1の生産性を高めることができる。
また、入口側サイドプレート20と出口側サイドプレート22とは、互いに隣接するコア部12において対向するコア部12の端縁部12aへの取り付け方向をコア部12への空気の通風方向でみて前後対称に異ならしめた同一品であることにより、熱交換器1の構成部品の製造及び管理が容易となるため、熱交換器1の生産性を更に高めることができる。
【0030】
本発明は、上述の実施形態に制約されるものではなく種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、入口側及び出口側サイドプレート20,22は断面L字形状をなして形成されている。しかし、連結部30において対向する入口側及び出口側サイドプレート20,22がコア部12への通風方向において互いに非接触で間隙24を遮蔽可能とする位置にボルト挿通孔36が形成されるのであれば、この形状に限定されない。
【0031】
具体的には、図6に示すように、入口側及び出口側サイドプレート40,42に、これらの連結部30を互いに対向する向きに折曲した屈曲部44を設け、コア部12への空気の通風方向でみて前後対称に異ならしめた同一品となる断面U字形状をなすように形成しても良い。
また、図7に示すように、入口側及び出口側サイドプレート46,48に、これらの接続部32が互いに対向する向きに折曲した屈曲部50を設け、コア部12への空気の通風方向でみて前後対称に異ならしめた同一品となる断面U字形状をなすように形成しても良い。
【0032】
このような図6,7の場合にも、上記実施形態の場合と同様に、対向するサイドプレートの寸法誤差及び組立誤差を吸収しながら、熱交換器1のユニット化、熱交換器1の外観性向上及びコンパクト化促進を図り、熱交換器1の生産性を高めることができる。
しかも、サイドプレートを断面U字形状に形成することで、断面L字形状とする場合に比してサイドプレートの剛性を高め、その耐久性を向上させることができる。
【0033】
また、上記実施形態ではボルト挿通孔36は丸孔であるが、ボルト34の直径よりも大きな孔径を有するのであれば長孔でも良く、この場合にはボルト挿通孔36において熱交換器1の寸法誤差及び組立誤差を更に効果的に吸収することができる。
また、上記実施形態では、熱交換器1が2個の熱交換器構成体2,2を左右方向に並べて配置した場合を説明したが、これに限定されるものではなく、熱交換器構成体2を3個以上並べる構成としても良い。
【符号の説明】
【0034】
1 熱交換器
2 熱交換器構成体
4 ヘッダパイプ(上側ヘッダパイプ)
4a 端部
6 ヘッダパイプ(下側ヘッダパイプ)
6a 端部
8 チューブ
10 フィン
12 コア部
12a 端縁部
16 嵌合部(上側嵌合部)
18 嵌合部(下側嵌合部)
20,40,46 サイドプレート(入口側サイドプレート)
22,42,48 サイドプレート(出口側サイドプレート)
24 間隙
30 連結部
32 接続部
32a 両端部
34 ボルト
36 ボルト挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行を成した状態でそれぞれ配置されたヘッダパイプと、これらのヘッダパイプ間において配置されて該各ヘッダパイプの双方と連通する複数のチューブと、隣接する前記チューブ間に配置されたフィンとを具備し、積層された前記チューブ及び前記フィンにより熱交換のコア部を構成した熱交換器構成体を複数備え、
前記複数の熱交換器構成体は、前記チューブ及び前記フィンの積層方向に並べて配置され、
互いに隣接する前記熱交換器構成体において対向する前記各ヘッダパイプの端部同士を嵌め合いにより接続する嵌合部と、
互いに隣接する前記熱交換器構成体において対向する前記各コア部の端縁部同士を連結により接合するサイドプレートと
を備えることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記ヘッダパイプは、互いに平行を成した状態で左右方向に沿ってそれぞれ上下に配置され、複数のチューブは、これらのヘッダパイプ間において上下方向に沿って配置されて該上下のヘッダパイプの双方と連通し、前記複数の熱交換器構成体は左右方向に並べて配置され、
前記嵌合部は、
互いに左右に隣接する前記熱交換器構成体において対向する前記上側ヘッダタンクの前記端部同士が嵌め合わされる上側嵌合部と、
互いに左右に隣接する前記熱交換器構成体において対向する前記下側ヘッダタンクの前記端部同士が嵌め合わされる下側嵌合部と
からなり、
前記サイドプレートは、
互いに左右に隣接する前記熱交換器構成体において対向する前記各コア部のうちの一方の前記コア部の前記端縁部に設けられ、前記コア部に通風される空気の入口側に面する入口側サイドプレートと、
互いに左右に隣接する前記熱交換器構成体において対向する前記各コア部のうちの他方の前記コア部の前記端縁部に設けられ、前記コア部に通風される空気の出口側に面する出口側サイドプレートと
からなることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記サイドプレートは、
前記チューブ及び前記フィンの長手方向に沿って形成されると共に、その長手方向の両端部が前記ヘッダタンクに接続される接続部と、
前記接続部から折曲されて連なり、隣接する前記コア部の対向する前記サイドプレートと連結される連結部と
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記サイドプレートは断面L字形状をなすことを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記サイドプレートは、その前記接続部又は前記連結部が対向する前記サイドプレートの前記接続部又は前記連結部に向けて折曲された断面U字形状をなすことを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記サイドプレートは、互いに隣接する前記コア部間と対向する前記嵌合部間とで囲まれた間隙を遮蔽するようにして互いに連結されることを特徴とする請求項4又は5に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記サイドプレートは、前記連結部に、ボルトを挿通することで対向する前記サイドプレートを互いに連結可能とするボルト挿通孔を有し、
前記ボルト挿通孔は、対向する前記サイドプレートが前記コア部への通風方向において互いに非接触で前記間隙を遮蔽可能とする位置に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記ボルト挿通孔は前記ボルトの直径よりも大きな孔径を有することを特徴とする請求項7に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記サイドプレートは、互いに隣接する前記コア部において対向する前記コア部の前記端縁部への取り付け方向を前記コア部への空気の通風方向でみて前後対称に異ならしめた同一品であることを特徴とする請求項8に記載の熱交換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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