説明

熱交換流体を導くための回転ユニオン

【課題】熱交換流体を回転体に供給するための回転ユニオンを提供する。
【解決手段】本発明に係る回転ユニオンは、回転体に対する所望位置でユニオンハウジングを保持する一対の流体力学的ブッシュ軸受と、回転体に固定されたスラスト軸受アセンブリと、一対のブッシュ軸受の前側に配置されたシールアセンブリとを備える。流体力学的ブッシュ軸受は、ユニオン内に配置されて、ユニオン内の熱交換流体のフローにより潤滑化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に複数のブッシュ軸受(Bushing Bearing)を有し、それらブッシュ軸受が、非回転体から回転部材に向かう熱交換流体のフロー中に配置される構成の回転ユニオン(Rotary Union)に関するものである。
なお、本出願は、2004年9月14日に出願された米国仮出願番号60/610,119に関し、その利益を主張するものである。上記米国仮出願の開示内容は、参照することにより本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
オイル等の熱交換流体を回転体或いは負荷部(Load)に供給するものとして、複数の回転ユニオン構造が存在している。その中で、あるタイプの自立式回転ユニオンは、回転ロータ或いはシャフトに対して回転ユニオンハウジングを位置決め及び支持する一対のカーボングラファイト軸受構造を具備し、ロータ或いはシャフト部材が、回転体或いは負荷部の内部からホットオイルを排出するサイフォン管を取り囲むようになっている。このような回転ユニオンの中には、一対のカーボングラファイト・ブッシュ軸受とシールアセンブリとを備えて、シールアセンブリが、ユニオン内の流体圧力によって生じるスラスト力を吸収するスラスト軸受アセンブリとして機能するものもある。回転ハウジングは、一対のカーボングラファイト・ブッシュ軸受により、回転ロータ或いはシャフトに対して位置決めされた状態で取り付けられ、運転中、ハウジングとロータは整列状態で維持される。しかしながら、前側のグラファイトブッシュ軸受は、送り込まれた流体と接触することはなく、そのため、このような回転ユニオンは、運転温度が最高約450°F、速度が約200RPMsに限られている。
【0003】
熱交換流体を回転ドラムに伝える他の自立式回転ユニオンは、転がり回転軸受(Anti-Friction Rotating Bearing)を備え、この転がり回転軸受が、軸受ハウジング内に配置されて、回転負荷部に対して回転ユニオンハウジングを支持するようになっている。ホットオイルを負荷部に供給するユニオン内で回転ハウジングを支持して整列させるために、このようなローラ軸受構造を利用する場合、当該ローラ軸受構造は、通常、最高運転温度が約300°Fで運転可能であることが分かっている。そのため、このローラ軸受構造においては、軸受アセンブリに潤滑油または高温潤滑グリースを供給するための補助的な潤滑および冷却システムが必要になる。このような複雑な回転ユニオンは、高価な高温潤滑グリースが必要であり、また、ユニオンの温度に応じて物理的性質および性能に変化が生じる。そのため、このようなユニオン構造は、製造に多大なコストを要し、耐用期間も短い。
【発明の開示】
【0004】
本発明の一つの目的は、熱交換流体を回転体或いは負荷部に供給するための回転ユニオンであって、流体力学的ブッシュ軸受を利用して、回転体或いは負荷部に対する所望位置で回転ユニオンハウジングを保持する構成の回転ユニオンを提供することである。
【0005】
本発明の他の目的は、熱交換流体を回転体或いは負荷部に送出するための回転ユニオンであって、回転体或いは負荷部と係合するブッシュ軸受により、回転ユニオンハウジングを回転体に対して位置決めするようにした回転ユニオンを提供することである。
【0006】
本発明の更に他の目的は、回転負荷部に対して回転ユニオンを支持するために一対のブッシュ軸受を利用するとともに、ユニオン内の流体フローによって上記ブッシュ軸受を潤滑化するようにした回転ユニオンを提供することである。
【0007】
本発明は、ホットオイルを回転ロータ或いは負荷部に供給するための新規な回転ユニオンであって、回転負荷部に対してユニオンハウジングを支持するための後側ブッシュ軸受アセンブリおよび前側ブッシュ軸受アセンブリが設けられた回転ユニオンを提供する。後側或いは第1ブッシュ軸受アセンブリは、ロータと一体に回転可能に取り付けられた軸受スリーブと、回転ユニオンの円筒状ハウジングの孔部(Bore)内に設けられた外側ラジアル曲面(Outer Radial Curved Surface)を有する軸受ハウジング部材とを備える。軸受ハウジング部材は、軸受スリーブ部材と係合して回転負荷部に対する所望位置でハウジングを保持するグラファイト摩耗部を備える。一方、前側或いは第2ブッシュ軸受アセンブリは、ロータと一体に回転可能に取り付けられたブッシュ・スリーブを備え、さらに、外側ラジアル曲面を有する軸受ハウジング部材と、ロータに取り付けられた軸受スリーブを構造的に受け入れて係合するグラファイト摩耗部とを備える。後側および前側ブッシュ軸受アセンブリの各々において、軸受ハウジング部材は外側ラジアル曲面を備え、この外側ラジアル曲面は、円筒状ハウジング部材の内面或いは孔部と係合して、ロータに取り付けられた軸受スリーブに対して、両ブッシュ軸受アセンブリのグラファイト摩耗部を整列させるように構造的に配置される。
【0008】
自立式回転ユニオンはさらにスラスト軸受アセンブリを備え、このスラスト軸受アセンブリは、ロータに取り付けられてロータと一体に回転可能な金属製のスラスト板部材と、カーボングラファイト球面リング部材(球面を有するカーボングラファイト製のリング部材)と、球面状の接触面を有する金属製リングとにより構成される。金属製リングの球面状接触面は、カーボングラファイトリングの球面状の対向面との合わせ面を持ち、金属製スラスト板部材からの機械的負荷を吸収するようになっている。
【0009】
さらに、回転ユニオンは前側シールアセンブリを備え、この前側シールアセンブリは、回転シャフトに固定された回転シール面部材と、スプリングにより付勢された状態でユニオンハウジングに取り付けられたフローティングシール面部材とからなる。この前側シールアセンブリは、回転ユニオン内において、前側ブッシュアセンブリの外側に配置されている。ホットオイルが、ユニオンを通過して、ユニオン内に流体フローを保持する前側シールアセンブリと接触するときに、フローティングシール面と回転シール面の両シール面が係合する。
【0010】
前側ブッシュ軸受アセンブリの外側に前側フローティング・シールアセンブリを設けることによって、後側ブッシュ軸受アセンブリと前側ブッシュ軸受アセンブリの双方が回転ユニオンの流体フロー内に配置される。この構成によれば、スリーブ軸受とスラスト軸受を有する流体力学的軸受システムを組み合わせたときに、高価な高温グリースまたは潤滑剤によるブッシュ軸受アセンブリの外部からの潤滑化を不要なものとすることができる。また、ユニオン内に送り込まれる流体に必要とされる温度が変わっても、ブッシュ軸受アセンブリの物理的特性に実質的な変化が生じることはない。これにより、本発明に係る回転ユニオンは、最高600°Fの範囲内で、且つ最大1000RPMsの速度で運転できるように構成されている。
【0011】
本発明は、添付図面と、特に特許請求の範囲に示すように、後述する特定の新規な特徴と細部構造からなり、本発明の趣旨を逸脱しな範囲で、或いは幾つかの利点を犠牲にして、種々の変更を加えることが可能であると理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の理解を目的として、望ましい実施形態を添付図面に示す。以下の説明に関連させて当該図面を検討することにより、本発明の構成および作用、並びに多くの利点が容易に理解され、評価されることであろう。
【0013】
[従来の回転ユニオン]
図1は、従来の回転ユニオン10を示す図である。この回転ユニオン10は、例えばイリノイ州ウオーケガン所在のデューブリン・カンパニーから、Model Hシリーズの回転ユニオンとして、市販されているものである。各図面においては、同一または類似の部分には同様の符号が使用されている。回転ユニオン或いはジョイント10は、紙、プラスチックおよび繊維工業のアプリケーションにホットオイルまたは蒸気を送出するために設計されたものである。回転ユニオン10は、円筒状ハウジング11、ヘッド或いはエンドキャップ12、管状ロータ13を備えている。ユニオンハウジング11は、後側支持カーボングラファイト軸受14と前側支持カーボングラファイト軸受15とによって、ロータ13に取り付けられている。加熱されたオイルは、ポート16を介して回転ジョイント或いはユニオン10内に流入する。サイフォン管17は、ロータ13内に設けられて、ヘッド或いはエンドキャップ12に通じている。ホットオイルが回転ユニオンに流入すると、そのオイルはサイフォン管17に沿って進み、回転ドラム(図示省略)に流入する。ホットオイルの戻りは、サイフォン管を通り、ユニオン10のヘッド12から排出される。
【0014】
回転ユニオンアセンブリ10は、ロータ13に取り付けられたスラスト板18を有するシールアセンブリを備えている。スラスト板は球面状のカーボンリング部材19と当接し、このカーボンリング部材19は、同様に、球面状のシール面部材20と当接する。この球面状のシール面部材は、ハウジング11に固定された支持フランジ22に装着されている。カーボンリング部材19とシール面部材20との接合部は、スラスト板18から軸方向の機械的負荷を吸収して、ユニオンにシール機能を付与する構造となっている。
【0015】
支持フランジ22は、ハウジング11に結合されている。この支持フランジ22は内部に環状凹部23を有し、この環状凹部23は、前側支持カーボングラファイト軸受15を受け入れて、回転ユニオンのハウジングに対する支持を提供可能に構造的に配置されている。後側支持カーボングラファイト軸受14の隣接位置には、スプリング24により付勢された対向面部材25が配置され、この対向面部材25は、ユニオンにスラスト軸受アセンブリ26を提供している。図1に示すホットオイル回転ジョイントは、一般に、90PSI、温度600°F、最大約350RPMsの速度で、運転される。
【0016】
図2は、同様に、従来の回転ユニオン10を示す図である。この回転ユニオン10は、例えばイリノイ州ウオーケガン所在のデューブリン・カンパニーから、Model CKシリーズの回転ユニオンとして、市販されているものである。この回転ユニオン10は、回転負荷部材にホットオイルを送出するためのもので、円筒状ハウジング11と、ヘッド或いはエンドキャップ12と、ロータ或いは負荷部13と、ロータ内に配設されたサイフォン管17とを備えている。ホットオイルは、ポート16を介して回転ユニオン10内に導入される。図2において、回転ユニオン10は、ロータ或いは負荷部13に対して回転ハウジング11を支持するための後側支持ローラ軸受アセンブリ14および前側支持ローラ軸受アセンブリ15を備えている。支持ローラ軸受アセンブリ14,15の外側環状案内溝部材14a,14bは、ヘッド12内のカウンター孔(Counter Bore)とハウジング11内のカウンター孔との間にそれぞれ配置されている。後側および前側ローラ軸受アセンブリの間には回転シール部材27とフローティングシール部材28が配置され、フローティングシール部材28は、回転ユニオンの運転中に、スプリング付勢されて回転シール部材27と係合することにより、シールを付与するようになっている。
【0017】
同様に、後側支持ローラ軸受アセンブリ14は、後側シールアセンブリ56の存在により、ユニオンを通るオイルの流れから分離されている。このアセンブリは、ロータに装着された回転シール面部材57と、回転ユニオンの運転中にシールを付与するフローティングシール面部材58とを備えている。
【0018】
回転ユニオン10内でローラ軸受アセンブリ14,15を使用する場合、グリースニップル29からローラ軸受アセンブリ内に高価な潤滑剤を導入して、ユニットの冷却および潤滑化を行う必要がある。図2に示すように複雑で高価なユニオン構造は、高価な高温グリースと潤滑剤の使用をどうしても必要とし、その結果、ユニットの運転温度に応じて、ユニオン軸受アセンブリの物理的特性にしばしば変化が生じる。かような高価なユニオンは、一般に、圧力90PSI、温度450°F、速度850RPMsの条件で運転される。
【0019】
[本発明に係る回転ユニオン]
本発明に係る新規の回転ユニオンは、熱交換流体を回転負荷部或いはロータ13に供給するもので、図3に示されている。この回転ユニオン10は、後側ブッシュ軸受アセンブリ30と、前側ブッシュ軸受アセンブリ35とを有し、それらアセンブリが、ロータ或いはシャフト13に対するユニオンハウジングの支持を提供するようになっている。後側ブッシュ軸受アセンブリ30は、図4に示すように、ロータ13と一体に回転可能に取り付けられた軸受スリーブ部材31と、円筒状ハウジング11の孔部11a内に設けられた外側ラジアル曲面(Outer Curved Radial Surface)33を有する軸受ハウジング部材32とを備えている。軸受ハウジング部材32は、軸受スリーブ部材31と係合するように構造的に配置されたグラファイト摩耗部34を有している。軸受スリーブ部材31は、ロータに取り付けられて、ハウジング11を回転負荷部或いはロータ13に対して位置決めした状態で、当該ハウジング11の保持を補助するようになっている。一方、前側ブッシュ軸受アセンブリ35は軸受ハウジング部材37を有し、この軸受ハウジング部材37は、ハウジング11の孔部と協働して、ロータ13に対するハウジング11の支持および位置決めを容易にする外側ラジアル曲面38を備えている。軸受アセンブリは、ロータ13に取り付けられた軸受スリーブ部材36を受け入れて係合するためのグラファイト摩耗部39を備えている。また、前側ブッシュ軸受アセンブリは、ロータに対してハウジングを所望の運転位置内で保持すべく構造的に配置されている。
【0020】
後側及び前側ブッシュ軸受アセンブリの各々において、軸受ハウジング部材は、それぞれ外側ラジアル曲面33,38を備え、それらは、円筒状ハウジング部材11の内面或いは孔部11aと係合して、ロータに取り付けられた軸受スリーブとともに、ブッシュ軸受アセンブリのグラファイト摩耗部を適切に位置決めするように構造的に配置されている。軸受ハウジング部材32の外側ラジアル曲面33は、その特徴部が図4に示されている。
【0021】
図3および図4に示すように、回転ユニオン10は、スラスト軸受アセンブリを含む。このスラスト軸受アセンブリは、ロータ13に装着されてロータ13と一体に回転可能な金属製のスラスト板部材41と、球面状の接触面を有する金属製リング部材42と、スラスト板部材と金属製リング部材の間に配置されたカーボングラファイト球面リング部材43とにより構成されている。カーボングラファイト球面リング部材は、金属製リング部材42の対向面との間の接合部に合わせ面を有し、金属製スラスト板部材41からの機械的負荷を吸収し得る構造を提供している。
【0022】
また、回転ユニオン10は、前側シールアセンブリ47を含み、この前側シールアセンブリ47は、ロータ13に固定されてロータ13と共に回転する回転シール面部材44と、スプリング46に付勢された状態でユニオンハウジング11に取り付けられたフローティングシール面部材45とにより構成されている。ホットオイルがユニオンを通過するときに、フローティングシール面および回転シール面の両シール面が係合する。この前側シールアセンブリは、流体フローをユニオン10内に保持するためのシールを提供する。
【0023】
スラストリング部材48は、円筒状ハウジング11のヘッド或いはエンドキャップ12に取り付けられるとともに、軸受スリーブ部材31と係合して、回転ユニオン10内で軸方向のスラスト力に抵抗するようになっている。さらに、バイパスライン50は、ヘッド12と給入口52とを繋ぎ、加熱された流体の一部を前側ブッシュ軸受アセンブリ35に導いて、前側ブッシュ軸受アセンブリ35を潤滑化および洗い流すようになっている。
【0024】
後側および前側ブッシュ軸受アセンブリ30,35を、それぞれ前側シールアセンブリ47内に設ける(つまり、前側シールアセンブリ47によって形成されるシールの内側(流体フロー側)に設ける)ことによって、後側および前側ブッシュ軸受はともに、回転ユニオン内のホットオイルの流体フロー内に配置される。この構成は、高価な高温グリース或いは潤滑剤によるブッシュ軸受アセンブリへの外部注油を不要にすることができる。また、ユニオン内に送り込まれる流体の温度が変化しても、流体力学的軸受システムの物理的特性に実質的な変化が生じることはない。これは、スラスト軸受アセンブリが、回転ユニオンを通る潤滑剤またはオイルのフローから後側ブッシュ軸受アセンブリをシールしないためである。
【0025】
本発明に係る回転ユニオンは、最高600°Fの範囲内で、且つ最大約1000RPMsの速度で、運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】ロータの回転支持および取付用の一対のカーボングラファイト軸受構造を有する、従来の自立式回転ユニオンを示す図である。
【図2】ロータ或いはシャフトの回転支持および取付用の一対のローラ軸受構造を有する、従来の自立式回転ユニオンを示す図である。
【図3】ユニオンハウジングをロータに取付けおよび支持するための一対のブッシュ軸受を有する流体力学的軸受システムが組み込まれた、本発明に係る自立式回転ユニオンを示す図である。
【図4】本発明における軸受ハウジング部材と、回転ユニオンハウジングの内面または孔部との関係を示す拡大図である。
【符号の説明】
【0027】
10 回転ユニオン
11 ハウジング
12 エンドキャップ
13 ロータ
30 後側ブッシュ軸受アセンブリ
35 前側ブッシュ軸受アセンブリ
41 スラスト板部材
42 金属製リング部材
43 カーボングラファイト球面リング部材
44 回転シール面部材
45 フローティングシール面部材
47 前側シールアセンブリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換流体を回転負荷部に送出する回転ユニオンであって、
内部に孔部を有するユニオンハウジングと、
上記ユニオンハウジングの孔部内に回転可能に設けられ、上記負荷部に通じているロータと、
上記ロータと一体に回転可能に取り付けられ、上記ユニオンハウジングの孔部内に配置される第1ブッシュ軸受アセンブリと、
上記ロータと一体に回転可能に取り付けられ、上記ユニオンハウジングの孔部内に配置される第2ブッシュ軸受アセンブリと、
上記ロータに固定されたスラスト板部材と、球面状の接触面を有する金属製リング部材と、上記球面状の接触面と係合するように構造的に配置されて上記スラスト板部材からの機械的負荷を吸収する合わせ接触面を有するグラファイト球面リング部材と、からなるスラスト軸受アセンブリと、
上記ロータに固定された回転シール部材と、上記ユニオンハウジング内で支持されるとともに、前記第2ブッシュ軸受アセンブリの前方に配置されて、上記熱交換流体を上記負荷部に送出している際に、上記ユニオンハウジング内に熱交換流体を保持するためのシールを与えて、上記第1および第2ブッシュ軸受アセンブリを潤滑化するフローティングシール部材と、からなるシールアセンブリと、
を備えることを特徴とする回転ユニオン。
【請求項2】
上記第1ブッシュ軸受アセンブリと上記第2ブッシュ軸受アセンブリの少なくとも一方は、上記ロータと一体に回転可能に取り付けられた軸受スリーブ部材と、上記ユニオンハウジングの孔部内に取り付けられた軸受ハウジング部材とを備えることを特徴とする請求項1に記載の回転ユニオン。
【請求項3】
上記軸受ハウジング部材は、上記軸受スリーブ部材と係合するグラファイト摩耗部を含み、さらに、
上記軸受ハウジング部材は、上記ユニオンハウジングの上記孔部と係合するように構造的に配置されて、上記グラファイト摩耗部を上記軸受スリーブ部材に対して位置決めする外側ラジアル曲面(Outer Radial Curved Surface)を有することを特徴とする請求項2に記載の回転ユニオン。
【請求項4】
上記フローティングシール部材は、スプリング部材により付勢されて、上記流体の上記負荷部への送出中に、上記ユニオンハウジング内に熱交換流体を保持するためのシールを与えることを特徴とする請求項1に記載の回転ユニオン。
【請求項5】
上記スラスト軸受アセンブリは、上記第1および第2ブッシュ軸受アセンブリ間の上記ロータ上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の回転ユニオン。
【請求項6】
上記ユニオンハウジングにはエンドキャップが取り付けられており、このエンドキャップは、上記熱交換流体を上記回転負荷部に送出している際に、上記回転ユニオン内で軸方向のスラスト力に抵抗するスラストリング部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の回転ユニオン。
【請求項7】
上記ユニオンハウジングは、給入口と、バイパスラインとを含み、上記バイパスラインは、上記エンドキャップと上記給入口との間に延びて、熱交換流体を上記第2ブッシュ軸受アセンブリに導くことを特徴とする請求項6に記載の回転ユニオン。
【請求項8】
固定導管から機械装置に熱伝導性加圧流体を送出する回転ユニオンであって、
内部に孔部を有するユニオンハウジングと、
上記機械装置に接続されるとともに、上記ユニオンハウジングの孔部内で回転可能に設けられて、熱伝導性加圧流体を上記機械装置に送出するように構造的に配置された回転ロータ部材と、
上記ロータ部材に固定された回転シールリング部材と、スプリング付勢された状態で上記ユニオンハウジング内に設けられて、上記熱伝導性加圧流体が上記回転ユニオンを通過する際に、上記シールリング部材と係合するように構造的に配置されたフローティングシール部材と、からなる機械的シールアセンブリと、
上記ユニオンハウジング内に配置されるとともに、上記熱伝導性流体により流体力学的に潤滑化されて、上記ロータ部材上で上記ユニオンハウジングを支持する一対のブッシュ軸受アセンブリと、
上記ユニオンハウジング内に配置されて、上記熱伝導性流体の圧力によって作用する軸方向力を吸収するスラスト軸受アセンブリと、を備え、
上記スラスト軸受アセンブリは、上記熱伝導性流体により流体力学的に潤滑化されるように構成され、さらに上記スラスト軸受アセンブリは、上記ロータに固定された回転スラスト板部材と、上記ユニオンハウジングの孔部内に取り付けられた球面形状を有する固定スラスト板部材と、上記回転スラスト板部材と上記固定スラスト板部材との間に配置されて上記回転スラスト板部材からの軸方向力を吸収するカーボングラファイト摺動リング部材とを備えることを特徴とする回転ユニオン。
【請求項9】
上記ブッシュ軸受アセンブリは、上記ロータ部材と一体に回転可能に取り付けられた軸受スリーブ部材と、上記ユニオンハウジングの孔部内に取り付けられた軸受ハウジング部材とを備えることを特徴とする請求項8に記載の回転ユニオン。
【請求項10】
上記軸受ハウジング部材は、上記軸受スリーブ部材と係合するグラファイト摩耗部を含み、さらに、
上記軸受ハウジング部材は球面状外径面(Spherical External Diameter Surface)を有し、この球面状外径面は、上記ユニオンハウジングの内面の孔部と回転可能に係合するように構造的に配置されて、上記グラファイト摩耗部を上記軸受スリーブ部材に位置決めすることを特徴とする請求項9に記載の回転ユニオン。
【請求項11】
上記スラスト軸受アセンブリは、上記一対のブッシュ軸受アセンブリ間の上記ユニオンハウジング内に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の回転ユニオン。
【請求項12】
上記ユニオンハウジングにはエンドキャップが固定されており、このエンドキャップは、上記伝導性流体を上記機械装置に送出している際に、上記回転ユニオン内で軸方向のスラスト力に抵抗するスラストリング部材を備えることを特徴とする請求項8に記載の回転ユニオン。
【請求項13】
上記ユニオンハウジングは、給入口と、バイパスラインとを含み、上記バイパスラインは、上記エンドキャップと上記給入口との間に延びて、上記一対のブッシュ軸受アセンブリの少なくとも一方に熱交換流体を導くことを特徴とする請求項12に記載の回転ユニオン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−112622(P2006−112622A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−265114(P2005−265114)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(596016627)デューブリン カンパニー (3)
【Fターム(参考)】