説明

熱可塑性樹脂成形品の促進耐候性試験方法

【課題】熱可塑性樹脂成形品の自然環境における劣化と相関性の良い試験結果が、非常に短時間で得られる熱可塑性樹脂成形品の促進耐候性試験方法を提供する。
【解決手段】水銀ランプから発せられる紫外線を熱可塑性樹脂成形品に、常温、常圧下で照射する促進耐候性試験方法。塗装が施されてなる塗膜表面を有する熱可塑性樹脂成形品であって、該塗膜表面に水銀ランプから発せられる紫外線を常温、常圧下で照射する上記の促進耐候性試験方法。水銀ランプから発せられる紫外線の波長が150nm〜300nmであり、該紫外線の強度が15mW/cm2〜49mW/cm2である上記の促進耐候性試験方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂成形品の促進耐候性試験方法に関するものである。さらに詳細には、熱可塑性樹脂成形品の自然環境における劣化と相関性の良い試験結果が、非常に短時間で得られる熱可塑性樹脂成形品の促進耐候性試験方法に関するものである。特に、塗装が施されてなる塗膜表面を有する熱可塑性樹脂成形品の該塗膜表面の自然環境における劣化と相関性の良い試験結果が、非常に短時間で得られる熱可塑性樹脂成形品の促進耐候性試験方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、熱可塑性樹脂成形品の促進耐候性試験方法は、一般にJIS B7753に従って行われており、促進耐候性試験機では、通常、カーボンアークランプやキセノンアークランプ等の光源が使用されている。
【0003】
しかし、カーボンアークランプやキセノンアークランプ等の光源を用いた場合、紫外線照射強度が一般に6mW/cm2程度であることから、太陽光が1年間照射された場合の劣化に相当する紫外線劣化特性を測定し、その結果を判断するためには1000時間以上という長時間の照射時間が必要であり、非常に非効率であった。
【0004】
そのような状況の下、改良された促進耐候性試験方法が知られており、例えば、特開昭60−117128号公報には、高圧金属蒸気放電灯と300〜400nmの波長域の紫外線のみ透過するフィルターとを組み合せた光源により、試料温度が80℃以下となる条件下で被照射面1cm2あたり50mW異常の強度で紫外線を照射する耐候(光)性試験のプレ試験方法が記載されている。
【0005】
また、特開平4−12249号公報には、塗覆材の表面に295〜450nmの波長の紫外線を100±20mW/cm2の強度で照射する紫外線照射工程と、塗覆材の相対湿度を特定の範囲に維持し、表面温度を50±5℃とする結露工程とからなり、紫外線照射工程時間+結露工程時間が10〜60時間で、結露工程時間が5時間以上である促進耐候性試験方法が記載されている。
【0006】
そして、特開2001−59809号公報には、放電式真空蒸着装置、放電式イオンプレーティング装置又はイオンスパッタリング装置を用いて、減圧下で高周波電界によりガスをイオン化させる方法によって、生成したプラズマから発する紫外線を照射する耐光性試験方法が記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開昭60−117128号公報
【特許文献2】特開平4−12249号公報
【特許文献3】特開2001−59809号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記の公報等に記載されている促進耐候性試験方法においても、さらなる改良が望まれており、より簡易な装置で、簡易な方法で、非常に短時間に、熱可塑性樹脂成形品の自然環境における劣化と相関性の良い試験結果が得られる熱可塑性樹脂成形品の促進耐候性試験方法が求められていた。
【0009】
かかる状況の下、本発明の目的は、熱可塑性樹脂成形品の自然環境における劣化と相関性の良い試験結果が、非常に短時間で得られる熱可塑性樹脂成形品の促進耐候性試験方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、かかる実状に鑑み、鋭意検討の結果、本発明が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一は、水銀ランプから発せられる紫外線を熱可塑性樹脂成形品に、常温、常圧下で照射する促進耐候性試験方法に係るものである。
また、本発明の一は、塗装が施されてなる塗膜表面を有する熱可塑性樹脂成形品であって、該塗膜表面に水銀ランプから発せられる紫外線を常温、常圧下で照射する上記の促進耐候性試験方法に係るものである。
そして、本発明の一は、水銀ランプから発せられる紫外線の波長が150nm〜300nmであり、該紫外線の強度が15mW/cm2〜49mW/cm2である上記の促進耐候性試験方法に係るものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の熱可塑性樹脂成形品の促進耐候性試験方法によれば、熱可塑性樹脂成形品の自然環境における劣化と相関性の良い試験結果が、非常に短時間で得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の熱可塑性樹脂成形品の促進耐候性試験方法で用いられる光源は水銀ランプであり、水銀ランプとして、好ましくは合成石英製低圧水銀ランプである。
水銀ランプから発せられる紫外線の波長は300nm以下であり、好ましくは150nm〜300nmであり、特に好ましくは主な作用波長として254nmおよび185nmの波長光を有する紫外線である。
【0013】
水銀ランプから発せられる紫外線の強度として、好ましくは15mW/cm2〜49mW/cm2であり、より好ましくは20mW/cm2〜24mW/cm2である。
【0014】
本発明の促進耐候性試験方法において、水銀ランプから発せられる紫外線は、熱可塑性樹脂成形品に、常温、常圧下で照射される。常温とは20±5℃である。

【0015】
本発明の促進耐候性試験方法において、紫外線は熱可塑性樹脂成形品の表面に照射されることが好ましく、また、紫外線は熱可塑性樹脂成形品に直接、照射されることが好ましい。また、紫外線が照射される熱可塑性樹脂成形品と水銀ランプとの距離は、通常50〜200mmであり、好ましくは50〜60mmである。そして、紫外線の照射時間として、好ましくは30〜120分であり、より好ましくは80〜90分である。
【0016】
本発明の促進耐候性試験方法において、紫外線に照射される熱可塑性樹脂成形品の劣化の程度(ΔE)は、ASTMD1365-55Tに従って、算出する。
【0017】
本発明は、熱可塑性樹脂からなる成形品の促進耐候性試験方法であり、熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1などのα−オレフィンの単独重合体や、前記のα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種類のα−オレフィンの共重合体が挙げられる。また、前記のα−オレフィンと他の不飽和単量体との共重合体が挙げられる。また、熱可塑性樹脂として、前記の単独重合体や共重合体から選ばれる少なくとも2種類の重合体の組成物を用いても良い。
【0018】
前記の熱可塑性樹脂として、好ましくはオレフィン系樹脂であり、より好ましくはエチレン系樹脂またはプロピレン系樹脂であり、さらに好ましくはプロピレン系樹脂である。
エチレン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等が挙げられ、プロピレン系樹脂としては、例えば、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体等が挙げられる。
【0019】
また、前記の熱可塑性樹脂としては、前記の単独重合体や共重合体から選ばれる少なくとも1種類の重合体に、少なくとも1種の熱可塑性エラストマーや少なくとも1種の無機フィラーを含有させた熱可塑性樹脂組成物を用いても良い。
【0020】
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマーが挙げられる。オレフィン系エラストマーとしては、オレフィンを主成分とする無定型でランダムな共重合弾性体が挙げられ、例えば、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン系共重合体ゴム、エチレン−ブテン−1共重合体ゴム、エチレン−ブテン−1−非共役ジエン系共重合体ゴム、プロピレン−ブタジエン系共重合体ゴム、エチレン−オクテン系共重合体ゴム等が挙げられる。
【0021】
非共役ジエンとしては、例えば、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチルノルボルネン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。
【0022】
スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレングラフトエチレン−プロピレン共重合体ゴム、スチレン−アクリロニトリルグラフトエチレン−プロピレン共重合体ゴム、スチレングラフトエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体ゴム等が挙げられる。
【0023】
また、無機フィラーとしては、例えば、タルク、マイカ、ワラストナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、クレー、アルミナ、シリカ、硫酸カルシウム、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、酸化チタン、カーボンブラック、水酸化マグネシウム、けいそう土等が挙げられる。
【0024】
前記の熱可塑性樹脂には、必要に応じて、添加剤を含ませても良く、添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収材、滑剤、顔料、帯電防止剤、銅害防止剤、中和剤、造核剤等が挙げられる。
【0025】
本発明は、熱可塑性樹脂成形品の促進耐候性試験方法であり、熱可塑性樹脂成形品とは、前記熱可塑性樹脂を、公知の成形法で成形した成形品である。公知の成形法としては、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、射出プレス成形法等が挙げられ、さらに、圧縮成形法、ブロー成形法、射出ブロー成形法、シート成形法、熱成形(真空成形法や圧空成形法)、フィルム押出成形法等が挙げられる。
【0026】
前記の熱可塑性樹脂成形品の表面に塗装を施し塗膜表面を付与する方法としては、公知の塗装方法が挙げられ、例えば、プライマー層と、中塗り層と、上塗りクリヤー層の3層を塗装し、使用した塗料に応じて、規定された温度で焼き付け、該塗装品を12時間以上自然放置する方法が挙げられる。
【0027】
プライマーとしてはメラミン系プライマー、エポキシ系プライマー、アクリル系プライマー、塩素化オレフィン系プライマー等が挙げられ、好ましくは塩素化オレフィン系プライマーである。
【0028】
中塗りおよび上塗りクリヤーに用いられる塗料としては、粉体塗料、水溶性塗料、エマルジョン塗料、ゾル形塗料、多液形塗料(溶剤系塗料)等が挙げられる。好ましくは溶剤系塗料である。
【0029】
前記の塗料の成分としては、アルキド樹脂を主成分とするアルキド樹脂塗料、アクリルアルキド樹脂塗料、フタル酸樹脂塗料、メラミン尿素樹脂を主成分とするアミノアルキド樹脂塗料、メラミン焼き付け樹脂塗料、メラミン尿素樹脂塗料、エポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂塗料、ポリウレタン樹脂を主成分とするウレタン樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料、ポリエステルウレタン樹脂塗料、酢酸ビニル樹脂を主成分とする酢酸ビニルエマルジョン塗料、アクリル樹脂を主成分とするアクリル樹脂塗料、アクリルエマルジョン塗料等が挙げられる。好ましくはアクリル樹脂塗料、アクリルエマルジョン塗料であり、より好ましくはウレタン樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料である。
【0030】
前記の塗料で、塗装が施されてなる塗膜表面を有する熱可塑性樹脂成形品の促進耐候性試験方法として、具体的な方法は、塗装品(試料)の表面と照射ランプの距離を60mmとし、塗装品(試料)をロットごとに常温、常圧下で被照射面に21mW/cm2の照射強度の紫外線を塗装品(試料)の表面に保ち90分間照射させて、その劣化の程度(ΔE)をASTMD1365-55Tに従って、算出する方法である。
【0031】
なお、前記の具体的な促進耐候性試験方法で算出された劣化の程度(ΔE)の値と、前記の具体的な促進耐候性試験方法で使用した試料と同じ塗装品を用いて、JIS-B7753に準じた試験方法で、1200時間の耐候テストを実施した塗装品の劣化の程度(ΔE)の値とは、ほぼ近似値であることを確認した。
【実施例】
【0032】
以下、実施例および比較例によって、本発明を説明する。
実施例1
(1−1)樹脂成形品製造方法
ポリプロピレン(住友化学製、住友ノ−ブレンAW564)を射出成形機(住友重機製 ネオマット515/150)にて、成形温度220℃で、70×150×3mmtの平板を成形した。
【0033】
(1−2)塗装
前述した熱可塑性樹脂を成形加工した後、その成形品表面に下記の通りの方法によって、塗装を施した。
(1)プライマ−(三井化学株製ユニスト−ルP401)を10μmの厚みになるように塗布した。
(2)中塗り(日本ビ−ケミカル社製 フレキセン105)を10μmの厚みになるように塗布した。
(3)トップコ−ト(日本ビ−ケミカル社製 R320)を20μmの厚みになるように塗布した。
(4)焼き付け温度120℃で20分間保持して得た塗装成形品を常温で12時間以上放置した。
【0034】
(1−3)紫外線照射
上記の方法で塗装した成形品を水銀ランプ(セン特殊光源株式会社、SUV−110)を装着した紫外線照射装置の前面に載置し、光源と塗装成形品表面との距離を60mmに保ち、常温、常圧雰囲気中で紫外線を90分間照射した。
本実施例および比較例ででは、特開平5-43722号公報に記載の185nmの波長における光の透過率を85%以上である合成石英を用いて作製された水銀ランプを用いた。
【0035】
(1−4)塗装品紫外線照射方法
(1)扉(A)を開けてターンテーブルに塗装面を上に向けてセットした。
(2)扉を開けたまま操作盤(B)内の「パワーボタン」をONにした。
(3)操作盤内「ターンテーブル上下降スイッチ」で水銀ランプと塗装面の距離を60mmに調整した。
(4)操作盤内「照射タイマー」を90分にセットした。
(5)扉を閉止した。自動的にターンテーブルが回転して水銀ランプが点灯した。
(6)90分後に水銀ランプを消灯した。
なお、ターンテーブル上に塗装品(試料)載せることができる面積は150mm×150mmであり、照射必要枚数を1枚ごとにバッチで照射した。
【0036】
(1−5)耐候テスト後の塗膜黄変「ΔE」(劣化の程度)の算出方法
ASTM D1365−55Tに従って、スガ試験機株式会社製測色色差計MSC−45−2Bを使用して、促進耐候テスト前後のL、a、bの変化量から、次式によって、塗膜黄変「ΔE」を求めた。
ΔE=〔(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)21/2
(但し、ΔL、Δa、Δbはそれぞれ、ΔLは耐候テスト前後の明度の変化量、Δaは赤−緑軸に沿った色度の変化量、Δbは黄−青軸に沿った色度の変化量を表す。)
算出された塗膜黄変「ΔE」(劣化の程度)を表1に示した。
【0037】
比較例2
紫外線照射処理の代わりにJIS B−7753に準拠して、サンシャイン・カーボンアーク・ウェザーメーターを用いて耐候試験を行った以外は、実施例1と同様に実施した。その結果を表1に示した。
(耐候試験条件)
JIS B−7753準拠スガ試験機株式会社製のサンシャイン・カ-ボンアーク・ウェザーメーター(WEL−SUN−HCH型)を使用し、以下の条件で測定を行った。
照射・降雨サイクル:120分照射/18分降雨
ブラックパネル温度:63±2℃
槽内温度:40℃±2℃
照射時間:1200時間
照射面:塗装面に照射
【0038】
実施例3
トップコ−ト(塗装)塗膜を30μmとした以外は実施例1と同様に実施した。塗装面の黄変「ΔE」を測定し、その結果を表1に示した。
【0039】
比較例4
紫外線照射処理の代わりにJIS B−7753に準拠して、サンシャイン・カーボンアーク・ウェザーメーターを用いて耐候試験を行った以外は、実施例3と同様に実施した。塗装面の黄変「ΔE」を測定し、その結果を表1に示した。
【0040】
実施例5
トップコ−ト(塗装)塗膜を40μmとした以外は実施例1と同様に実施した。塗装面の黄変「ΔE」を測定し、その結果を表1に示した。
【0041】
比較例6
紫外線照射処理の代わりにJIS B−7753に準拠して、サンシャイン・カーボンアーク・ウェザーメーターを用いて耐候試験を行った以外は、実施例5と同様に実施した、塗装面の黄変「ΔE」を測定し、その結果を表1に示した。
【0042】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】紫外線照射装置図
【符号の説明】
【0044】
1 装置前面部(A:扉、B:操作盤、C:空気排気孔の出口)
2 装置底面部(D:空気通気孔)
3 装置内部構成(E:水銀ランプ、F:ターンテーブル)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水銀ランプから発せられる紫外線を熱可塑性樹脂成形品に、常温、常圧下で照射する促進耐候性試験方法。
【請求項2】
塗装が施されてなる塗膜表面を有する熱可塑性樹脂成形品であって、該塗膜表面に水銀ランプから発せられる紫外線を常温、常圧下で照射する請求項1に記載の促進耐候性試験方法。
【請求項3】
水銀ランプから発せられる紫外線の波長が150nm〜300nmであり、該紫外線の強度が15mW/cm2〜49mW/cm2である請求項1または2に記載の促進耐候性試験方法。

【図1】
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【公開番号】特開2008−209367(P2008−209367A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−48927(P2007−48927)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】