説明

熱転写シート

【課題】 耐熱滑性層への染料の移行や該移行した染料の再転移が生じにくい熱転写シートを提供する。
【解決手段】 基材の一方の面に色材層を設け、該基材の他方の面に耐熱滑性層を設けてなる熱転写シートにおいて、前記耐熱滑性層は、セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)と、アクリル系樹脂及びポリビニルアセタール樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂(A2)と、滑剤(A3)とを含むものであり、前記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)は、ブチリル基の含有率が50%以上であり、前記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)及び前記樹脂(A2)の合計重量の60〜90重量%であることを特徴とする熱転写シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱転写シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱転写を利用した画像形成方法における熱転写シートとして、基材フィルムの一方の面上に、色材層として昇華性染料とバインダーからなる昇華転写型インク層を設けた昇華型熱転写シートや、該昇華転写型インク層の代わりに顔料とワックスからなる熱溶融転写型インク層を設けた熱溶融型の熱転写シートが知られている。
これらの熱転写シートは、更に、必要に応じ、基材フィルムの色材層と同一面上に、熱転写受像シートに転写する保護層を設けることもできる。
【0003】
熱転写シートには、一般に、基材フィルムの色材層と反対側の面にサーマルヘッドからの熱エネルギーに耐え得るよう耐熱滑性層が設けられているが、印刷後に巻き取り状態で保管した際、色材層と耐熱滑性層が接することにより色材層から耐熱滑性層へ染料が移行する(キック)。この耐熱滑性層へ移行した染料が巻き返されることにより、他の色の色材層、保護層等へ再転移し(バック)、この汚染された層が受像シートへ熱転写されることにより指定された色と異なる色相となり印画精度を著しく損なってしまう。また、耐熱滑性層と色材層の長期接触により、色材層表面に染料がブリードし、印画の際に未印画部(サーマルヘッドからの加熱がない領域)が着色する地汚れが生じることがある。
一方、近年のプリンターの高速化に伴い、サーマルヘッドの熱エネルギー増加、インクリボンの高感度化、色材層における染料含有率の増加等が求められるが、これらの変更は、色材層から耐熱滑性層への染料の移行や、この移行に起因した熱転写時のトラブル発生の可能性を高めるものである。このため、キックバック性能が良好な耐熱滑性層への要求は更に大きくなってきている。
【0004】
キックバック性能を改良した熱転写シートとして、例えば、耐熱滑性層に用いるポリビニルアセタール樹脂のTgを80℃以上に、滑剤として使用するリン酸エステルの融点を35℃以上に限定し、保護膜への再転写(バック)を抑制した熱転写シート(例えば、特許文献1)、耐熱滑性層の粗度(SRz)を3.0μm以上に限定して、ラミネート層への着色(バック)を抑制した熱転写シート(例えば、特許文献2)、耐熱性樹脂と、融点が33℃以上でありIO値が0.23以上である滑剤と、分子中に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物の混合物から形成した耐熱滑性層を備えた熱転写シート(例えば、特許文献3)等が挙げられる。
しかしながら、これらの熱転写シートは、何れも、色材層から耐熱滑性層への染料の移行(キック)と、該耐熱滑性層からラミネート層への着色(バック)とを同時に抑制できない。
【特許文献1】特開平9−300827号公報
【特許文献2】特開2000−225775号公報
【特許文献3】特開2002−11967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記現状に鑑み、耐熱滑性層への染料の移行や該移行した染料の再転移が生じにくい熱転写シートを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、基材の一方の面に色材層を設け、該基材の他方の面に耐熱滑性層を設けてなる熱転写シートにおいて、前記耐熱滑性層は、セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)と、アクリル系樹脂及びポリビニルアセタール樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂(A2)と、滑剤(A3)とを含むものであり、前記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)は、ブチリル基の含有率が50%以上であり、前記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)及び前記樹脂(A2)の合計重量の60〜90重量%であることを特徴とする熱転写シートである。
以下に本発明を詳細に説明する。
【0007】
以下、本発明の熱転写シートを構成する各層毎に詳述する。
(基材フィルム)
本発明における基材フィルムとしては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルム;コンデンサー紙、パラフィン紙、合成紙等の紙類;不織布;紙や不織布と樹脂との複合体;等が挙げられる。
上記基材フィルムは、厚さが一般に約0.5〜50μmであり、好ましくは約1.5〜10μmである。
上記基材フィルムは、隣接する層との接着性を向上させるため、表面処理を施してもよい。上記表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、グラフト化処理等、公知の樹脂表面改質技術を適用することができる。上記表面処理は、1種のみ行ってもよいし、2種以上行ってもよい。
本発明では上記表面処理の中でも、コストが低い点で、コロナ処理又はプラズマ処理が好ましい。また、必要に応じ、その一方の面又は両面に下引き層(プライマー層)を形成するものであってもよい。
【0008】
(耐熱滑性層)
本発明の熱転写シートは、基材フィルムの色材層と反対側の面に耐熱滑性層を設けているものである。
上記耐熱滑性層は、一般に、セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)と、アクリル系樹脂及びポリビニルアセタール樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂(A2)と、滑剤(A3)とを含むものである。
上記熱転写シートは、セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)を耐熱滑性層に特定量含有することにより、所望のキックバック性能を得ることができるものである。
このようなキックバック性能は、上記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)に変え、セルロース・アセテート・プロピオネートやニトロセルロース等のセルロース・アセテート・ブチレート樹脂以外のセルロース系樹脂を耐熱滑性層に含有した場合より優れている。
【0009】
上記耐熱滑性層において、上記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)は、染料の再転移を防止する点で、ブチリル基の含有率が50%以上であるものである。
本明細書において、上記ブチリル基の含有率は、上記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂を構成するトリエステル中にあるブチリル基の含有量を重量%で表したものである。
上記ブチリル基の含有率は、ASTM規格D817に基づいて測定した値である。
【0010】
上記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)は、数平均分子量が約10000〜100000であることが好ましく、15000〜60000であることがより好ましい。
上記分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC、標準物質:ポリスチレン)にて測定した値である。
上記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)は、耐熱性、強度等の点で、ガラス転移温度(Tg)が少なくとも80℃以上であればよい。
【0011】
上記耐熱滑性層における樹脂(A2)は、アクリル系樹脂及びポリビニルアセタール樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である。
上記アクリル系樹脂は、アクリル樹脂であってもよいし、メタクリル樹脂等のアクリル誘導体であってもよい。上記アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、アクリルポリオール樹脂、スチレンアクリル共重合体等が挙げられるが、なかでもポリメチルメタクリレートが好ましい。なお、上記樹脂(A2)としてのアクリル系樹脂は、シリコーン変性アクリル樹脂を含まない。
上記ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール等が挙げられる。
上記樹脂(A2)は、インクリボンの保存温度を鑑みてガラス転移温度(Tg)が60℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましい。
上記樹脂(A2)は、1種又は2種以上を用いることができる。上記樹脂(A2)として2種以上を用いる場合、例えば、アクリル系樹脂又はポリビニルアセタール樹脂を2種以上用いてもよいし、アクリル系樹脂とポリビニルアセタール樹脂とを組合せて用いてもよい。
本発明において、上記樹脂(A2)はアクリル系樹脂であることが好ましい。
【0012】
上記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)は、該セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)及び上記樹脂(A2)の合計重量の60〜90重量%であるものである。
上記耐熱滑性層において、上記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)の含有量が上記範囲より高い場合、色材層から耐熱滑性層への染料の移行(キック)が多くなり、サーマルヘッドの汚染や低エネルギー印画部分の発色性が変化することがある。また上記範囲より低い場合、キックを効果的に防止することができるものの、耐熱滑性層へキックした染料の大部分が色材層や保護層に再転移(バック)してしまい、印画物が指定された色と異なる色相になり得る。
上記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)の含有量は、該セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)及び上記樹脂(A2)の固形重量和における該セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)の固形重量の割合から算出した値である。
【0013】
上記耐熱滑性層は、滑剤(A3)として金属石鹸、シリコーンオイル、シリコーン変性樹脂及びリン酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましい。
上記滑剤(A3)は、耐熱滑性層の滑り性を向上させるために添加するものである。
本発明の熱転写シートは、滑剤(A3)として1種の滑剤を含むものであっても、添加量の最適化によって充分な滑性を発現させることが可能であるが、滑剤(A3)として複数の滑剤を併用することにより、低印画エネルギーから高印画エネルギー領域に至るまで、より安定な滑性を得ることができる。
【0014】
上記金属石鹸としては、例えば、アルキルリン酸エステルの多価金属塩、アルキルカルボン酸の金属塩等が挙げられる。
上記アルキルリン酸エステルの多価金属塩としては、プラスチック用添加剤として公知のものを使用することができる。
上記アルキルリン酸エステルの多価金属塩は、一般に、アルキルリン酸エステルのアルカリ金属塩を多価金属で置換することによって得られ、種々のグレードのものが入手可能である。
【0015】
本発明におけるアルキルリン酸エステルの多価金属塩は、例えば、下記構造式1
【0016】
【化1】

【0017】
下記構造式2
【0018】
【化2】

【0019】
(各式中、Rは、炭素数12以上のアルキル基であり、Mはアルカリ土類金属、亜鉛又はアルミニウムを表し、nは、Mの原子価を表す)で表されるものが好ましい。
上記Rは、炭素数12〜18のアルキル基であることが好ましい。上記Rとしては、例えば、セチル基、ラウリル基、ステアリル基等が挙げられるが、コスト面及びブリードアウト等の汚染性の問題を避ける点で、なかでもステアリル基が好ましい。
上記Mとして表されるアルカリ土類金属としては、例えば、バリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。
【0020】
上記アルキルカルボン酸の金属塩としては、例えば、下記構造式3
【0021】
【化3】

【0022】
(式中、Rは炭素数11以上のアルキル基を表し、Mはアルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム又はリチウムを表し、nはMの原子価を表す。)で表されるものが挙げられる。
上記Rは、炭素数11〜18のアルキル基であることが好ましい。上記Rとしては、例えば、ドデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等が挙げられるが、入手容易性、コスト面及びブリードアウト等の汚染性の問題を避ける点で、ドデシル基、ヘプタデシル基、ステアリル基が好ましく、ステアリル基がより好ましい。
上記Mで表されるアルカリ土類金属としては、例えばバリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。
【0023】
上記金属石鹸は、特に高印画エネルギー領域において滑性を発現することができ、耐熱性の点で、マグネシウム系、亜鉛系又はアルミニウム系の化合物であることが好ましく、亜鉛系の化合物であることがより好ましい。
上記金属石鹸は、平均粒径が3〜20μmであることが好ましく、3〜15μmであることがより好ましい。
上記平均粒径が大き過ぎると、印画汚れが生じ易くなり、また小さ過ぎると耐熱滑性層に充分な滑性を得ることができず、印画シワ等の問題が生じることがある。
上記平均粒径は、レーザー回折法により測定した値である。
【0024】
上記金属石鹸を含有させる場合、その含有量は、上記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)及び上記樹脂(A2)の合計重量100重量部あたり1〜50重量部の割合であることが好ましく、2〜30重量部であることがより好ましい。
上記金属石鹸の含有量が、上記範囲未満であると熱印加時におけるサーマルヘッドとの滑性不足、離型性不足により融着を引き起こす傾向がある。一方、その含有が上記範囲を越えると、耐熱滑性層の物理的強度の低下や塗膜の耐熱性不足を引き起こすことがある。
【0025】
本発明の熱転写シートにおいて、上記シリコーンオイルを滑剤(A3)として使用した場合、低印画エネルギーから高印画エネルギー領域に至るまで優れた滑性を発現させることができる。
上記シリコーンオイルとしては、従来公知の何れのものを使用してもよい。
上記シリコーンオイルを含有させる場合、その含有量は、上記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)及び上記樹脂(A2)の合計重量100重量部あたり1〜30重量部の割合であることが好ましく、1〜10重量部であることがより好ましい。上記シリコーンオイルの含有量が、上記範囲未満であるとサーマルヘッドとの離型性を得ることができず、サーマルヘッドと融着しやすくなる。一方、上記範囲を超えると染料移行性が増大したり、印画時にサーマルヘッドを汚染してしまう。
【0026】
本発明の熱転写シートにおいて、上記リン酸エステルを滑剤(A3)として使用した場合、低印画エネルギーから高印画エネルギー領域に至るまで優れた滑性を発現させることができる。
上記リン酸エステルとしては、例えば、(1)炭素数6〜20の飽和又は不飽和高級アルコールのリン酸モノエステル又はジエステル、(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテルのリン酸モノエステル又はジエステル、(3)上記飽和又は不飽和高級アルコールのアルキレンオキシド付加物(平均付加モル数1〜8)のリン酸モノエステル又はジエステル、(4)炭素数8〜12のアルキル基を有するアルキルフェノール又はアルキルナフトールのリン酸モノエステル又はジエステル等が挙げられる。
上記(1)及び(3)における飽和又は不飽和高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。
上記(3)におけるアルキルフェノールとしては、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、ジフェニルフェノール等が挙げられる。
上記リン酸エステルを含有させる場合、その含有量は、配合比率が上記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)及び上記樹脂(A2)の合計重量100重量部に対し0.5〜10重量部であることが好ましい。上記配合比率が該範囲より低いと充分な滑り性が得られないことがあり、該範囲より多いと染料汚染性が増大することがある。
【0027】
上記リン酸エステルを使用する場合、印画時にリン酸エステルの分解に起因してサーマルヘッドが腐食しないようアルカリ性物質を併存させてもよい。
上記アルカリ性物質としては、例えば、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物、有機アミン等が挙げられる。
上記アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物としては、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、水酸化アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミナ、マグネシウムアルミニウムグリシネート等が好ましく、水酸化マグネシウムがより好ましい。
上記有機アミンとしては、常温で不揮発性であり、沸点が200℃以上であるものが好ましく、例えば、モノ−、ジ−又はトリ−メチルアミン、モノ−、ジ−又はトリ−エチルアミン、モノ−、ジ−又はトリ−プロピルアミン等が挙げられる。
上記アルカリ性物質は、上記リン酸エステル1モルに対して0.1〜10モルの範囲で使用することが好ましい。
【0028】
本発明の熱転写シートにおいて、上記シリコーン変性樹脂を滑剤(A3)として使用した場合、低印画エネルギー領域で優れた滑性を発現させることができる。
上記シリコーン変性樹脂とは、その分子の一部にポリシロキサン基を有する樹脂を意味する。
上記シリコーン変性樹脂は、従来公知の方法、例えば、ポリシロキサン基含有ビニルモノマーと別の種類のビニルモノマーとの共重合、熱可塑性樹脂と反応性シリコーンとの反応等により調製することができる。
上記シリコーン変性樹脂としては、熱可塑性樹脂とポリシロキサン基含有ビニルモノマーをブロック共重合させる方法、熱可塑性樹脂とポリシロキサン基含有ビニルモノマーをグラフト共重合させる方法、又は、熱可塑性樹脂に反応性シリコーンを反応させる方法により調製したものが挙げられる。
上記シリコーン変性樹脂を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等を挙げることができ、なかでも、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が好ましく、色材層から耐熱滑性層への染料移行を低減させる点で、アクリル樹脂がより好ましい。
上記反応性シリコーンとは、主鎖にポリシロキサン構造を有し、片末端又は両末端に熱可塑性樹脂の官能基と反応する反応性官能基を有する化合物である。
上記反応性官能基としては、アミノ基、水酸基、エポキシ基、ビニル基、カルボキシル基等が挙げられる。
【0029】
上記シリコーン変性樹脂は、上記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)及び上記樹脂(A2)の合計重量100重量部あたり0.5〜30重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましい。
上記シリコーン変性樹脂の含有量が、上記範囲未満であると、熱印加時におけるサーマルヘッドとの滑性不足、離型性不足により融着を引き起こす傾向がある。一方、その含有が上記範囲を越えると、染料汚染性が増大することがある。
【0030】
本発明における耐熱滑性層は、上記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)及び樹脂(A2)等と滑剤(A3)とに加え、サーマルヘッドに付着するカスのクリーニング性、滑性やブロッキング防止の調整等を目的として、フィラーを含有するものであってもよい。
上記フィラーとしては、例えば、タルク、カオリン、マイカ、グラファイト、炭酸カルシウム、二硫化モリブデン、シリコーンゴムフィラー、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物等が挙げられ、なかでも、タルク、シリコーンゴムフィラー、炭酸カルシウム等が好ましい。
【0031】
上記フィラーの添加量は、クリーニング性、滑性及び耐熱性の点で、上記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)及び上記樹脂(A2)の合計重量100重量部あたり1〜30重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましい。
上記フィラーの添加量は、本範囲未満であるとクリーニング性等の性能が発現しないことがあり、本範囲を越えると耐熱滑性層の可撓性や皮膜強度が低下することがある。
【0032】
上記耐熱滑性層は、上記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)、上記樹脂(A2)及び滑剤(A3)と、所望に応じてフィラー、後述のイソシアネート等とを溶媒に溶解又は分散させて塗工液を調製し、得られた塗工液をグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバー等の慣用の塗工方法で塗工し乾燥することで形成される。
【0033】
上記耐熱滑性層は、上述のセルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)と樹脂(A2)と滑剤(A3)とを含有するものであれば、架橋剤を添加しなくても、染料転移性を低減させることができるが、塗膜の耐熱強度向上や染料転移性を低減させる点で、イソシアネートの作用によって架橋したものであってもよい。
本発明におけるイソシアネートは、特に限定されず、例えば、特開平7−149062号公報記載の芳香族系ポリイソシアネートのアダクト体、シリコーン変性イソシアネート化合物等が挙げられる。
上記イソシアネートの使用量は、架橋強度、染料移行の防止等の点で、上記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)、上記樹脂(A2)の合計重量100重量部に対し1〜20重量部であることが好ましい。
【0034】
上記耐熱滑性層は、一般に乾燥固形基準で2.0g/m以下の塗工量であれば、充分な性能を有する耐熱滑性層を形成することができる。
上記塗工量は、好ましくは乾燥固形基準で0.1〜1.5g/mであり、より好ましくは0.2〜1.0g/mである。
上記耐熱滑性層は、厚みが薄すぎると耐熱滑性層の有する機能が充分に発揮できなくなることがあり、厚すぎると印画時の感度が低下することがある。
【0035】
(色材層)
本発明の熱転写シートは、所望の画像がモノカラーである場合には、色材層として適宜選択した1色の層のみ形成してもよいし、所望の画像がフルカラー画像である場合には、色材層として、シアン、マゼンタ及びイエロー(更に、必要に応じてブラック)を選択して、イエロー、マゼンタ及びイエロー(更に、必要に応じてブラック)の色材層を形成することができる。
本発明の熱転写シートは、昇華型熱転写シートである場合には、色材層として昇華性の染料を含む層を形成し、熱溶融型の熱転写シートである場合には、色材層として顔料等で着色した熱溶融性インキ層を形成する。
以下、昇華型熱転写シートの場合を説明するが、本発明は昇華型熱転写シートのみに限定されるものではない。
【0036】
昇華型の色材層に用いられる昇華型の染料としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。
上記昇華性の染料としては、例えば、ジアリールメタン系染料;トリアリールメタン系染料;チアゾール系染料;メロシアニン染料;ピラゾロン染料;メチン系染料;インドアニリン系染料;アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料;キサンテン系染料;オキサジン系染料;ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料;チアジン系染料;アジン系染料;アクリジン系染料;ベンゼンアゾ系染料;ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料;スピロピラン系染料;インドリノスピロピラン系染料;フルオラン系染料;ローダミンラクタム系染料;ナフトキノン系染料;アントラキノン系染料;キノフタロン系染料;等が挙げられ、更に具体的には、特開平7−149062号公報に例示の化合物等が挙げられる。
上記色材層において、昇華性染料は色材層の全固形分に対し5〜90重量%、好ましくは10〜70重量%の量である。
上記昇華性の染料の使用量が、上記範囲未満であると印字濃度が低くなることがあり、上記範囲を越えると保存性等が低下することがある。
【0037】
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、一般に、耐熱性を有し、染料と適度の親和性があるものを使用することができる。
上記バインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂;ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;等が挙げられる。
上記バインダー樹脂としては、なかでも、耐熱性、染料の移行性等の点、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が好ましく、ビニル系樹脂がより好ましく、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール等が更に好ましい。
【0038】
上記色材層は、所望により、離型剤、無機微粒子、有機微粒子等の添加剤を使用してもよい。
上記離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル等が挙げられる。
上記無機微粒子としては、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等が挙げられる。
上記有機微粒子としては、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
【0039】
上記色材層は、上述の染料とバインダー樹脂とを、必要に応じて添加する添加剤とともに、適当な有機溶剤や水に溶解又は分散して塗工液を調製し、更に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、上述の基材フィルムの一方の面に上記塗工液を塗布し、乾燥することにより形成することができる。
上記有機溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド〔DMF〕等が挙げられる。
上記色材層の塗工量は、乾燥固形基準で0.2〜6.0g/m、好ましくは0.2〜3.0g/m程度である。
【0040】
(その他)
本発明の熱転写シートは、基材の一方の面に色材層を設け、該基材の他方の面に耐熱滑性層を設けてなるものであれば、転写保護層や下引き層やその他の層を設けてなるものであってもよい。
上記転写保護層を上述の色材層と面順次に形成した場合、画像形成後に画像面を保護する保護層を転写することができる。
上記転写保護層の層構成及び組成は特に限定されず、使用する基材シート、色材層等の特徴に応じて、従来公知の技術より選択することができる。
上記下引き層は、基材と染料層または基材と耐熱滑性層の接着性を考慮し、特に染料層と基材の間に設ける場合は染料の転写効率を向上させる組成などを従来公知の技術より適宜選択して設けることができる。
【0041】
本発明の熱転写シートは、染料の再移行に起因する保護層等への色移り(バック)が非常に少ないだけでなく、耐熱滑性層への染料移行(キック)が少なく、色再現性に優れ、保存後に使用しても低濃度領域も好適に色相を再現することができる。
耐熱滑性層のバインダー樹脂として、セルロース樹脂のうち、セルロース・アセテート・ブチレート〔CAB〕樹脂(A1)を選択すると、例えば、印画物へ転写保護層を転写した際、転写保護層へ再移行されにくいので色移り(バック)が非常に少ない。しかしながら、耐熱滑性層のバインダー樹脂としてCAB樹脂(A1)のみ用いた熱転写シートでは、上述のように色移り(バック)が非常に少ないものの、色材層から耐熱滑性層への染料の移行(キック)が激しいので、サーマルヘッドを汚染したり、保存したインクリボンから得られる印画物において低濃度領域の濃度が下がる傾向がある。
一方、耐熱滑性層のバインダー樹脂として上述の樹脂(A2)のみ用いた熱転写シートでは、バックが激しくなり、画像を印画した際にバックした染料が印画物に転写されてしまい、想定していない色相となることがある。
この点、本発明の熱転写シートは、ブチリル基の含有率が50%以上であるCAB樹脂(A1)と上述の樹脂(A2)とを上述の範囲内の量で耐熱滑性層に含有させることにより、耐熱滑性層からの染料のバックを抑制するだけでなく、色材層から耐熱滑性層への染料の移行(キック)を抑制しつつ、保存後における色再現性を維持することができる。
【0042】
本発明の熱転写シートは、上述の基材フィルムの耐熱滑性層側にサーマルヘッド等により所定箇所を加熱・加圧し、転写インク層のうち印字部に相当する箇所の染料を被転写材に転写させて印字することができる。
本発明の熱転写シートが熱昇華型の熱転写シートである場合、上記被転写材として熱転写受像シート等を使用することができる。
上記熱転写受像シートとしては、記録面が染料受容性を有するものであれば特に限定されず、例えば、紙、金属、ガラス、合成樹脂等の基材の少なくとも一方の面に染料受容層を形成したものを挙げることができる。
上記熱転写シートは、熱溶融型の熱転写シートである場合、通常の紙、プラスチックフィルム等を被転写材として使用することもできる。
上記熱転写を行う際に使用するプリンターとしては、特に限定されず、公知の熱転写プリンターを使用することができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明の熱転写シートは、上述の構成よりなるものであるので、インクリボン保存時における耐熱滑性層への染料移行が抑制されるため、サーマルヘッド汚染が防止でき、色再現性(印画精度)が高く、地汚れ等の問題が生じにくい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例及び比較例のみに限定されるものではない。
なお、文中、部又は%とあるのは、特に断りのない限り重量基準である。
本願実施例及び比較例に使用したセルロース・アセテート・ブチレート樹脂のブチリル基の含有率を以下に示す。
・CAB551−0.01(イーストマンケミカルカンパニー製):53%
・CAB500−5(イーストマンケミカルカンパニー製):51%
・CAB531−1(イーストマンケミカルカンパニー製):50%
・CAB321−0.1(イーストマンケミカルカンパニー製):32.5%
・CAB381−0.1(イーストマンケミカルカンパニー製):38%
【0045】
(実施例1)
基材シートとして、厚さ6μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルム〔PET〕(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、ダイヤホイルK203E)を用い、その一方の面に下記組成の耐熱滑性層塗工液Aをグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.5g/mになるように塗布し、110℃、2分間乾燥して、耐熱滑性層を形成し、実施例1の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
【0046】
<耐熱滑性層塗工液A>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 469.0部
トルエン 469.0部
【0047】
(実施例2)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Bに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液B>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 463.0部
トルエン 463.0部
【0048】
(実施例3)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Cに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液C>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0049】
(実施例4)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Dに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液D>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(モディパーFS−720、固形分15wt%;
日本油脂(株)製) 33.3部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 476.0部
トルエン 476.0部
【0050】
(実施例5)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Eに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液E>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性ウレタン樹脂(ダイアロマーSP−2105、固形分20wt%;
大日精化(株)製) 25.0部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 480.0部
トルエン 480.0部
【0051】
(実施例6)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Fに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液F>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性エステル樹脂(X−24−8300、固形分25wt%;
信越化学工業(株)製) 20.0部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 482.5部
トルエン 482.5部
【0052】
(実施例7)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Gに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液G>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーンオイル(KF−965−100、固形分100wt%;
信越化学工業(株)製) 3.0部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 481.5部
トルエン 481.5部
【0053】
(実施例8)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Hに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例8の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液H>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーンオイル(X−22−173DX、固形分100wt%;
信越化学工業(株)製) 3.0部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 481.5部
トルエン 481.5部
【0054】
(実施例9)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Iに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例9の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液I>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
リン酸エステル(プライサーフA−208N、固形分100wt%;
第一工業製薬(株)製) 3.0部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 481.5部
トルエン 481.5部
【0055】
(実施例10)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Jに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例10の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液J>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
リン酸エステル(プライサーフA−208N、固形分100wt%;
第一工業製薬(株)製) 3.0部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 476.0部
トルエン 476.0部
【0056】
(実施例11)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Kに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例11の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液K>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 4.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 13.3部
シリコーンオイル(X−22−173DX、固形分100wt%;
信越化学工業(株)製) 2.0部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 485.5部
トルエン 485.4部
【0057】
(実施例12)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Lに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例12の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液L>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 4.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 13.3部
リン酸エステル(プライサーフA−208N、固形分100wt%;
第一工業製薬(株)製) 2.0部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 485.5部
トルエン 485.4部
【0058】
(実施例13)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Mに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例13の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液M>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
マイカ(MK−100、固形分100wt%;コープケミカル(株)製) 5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0059】
(実施例14)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Nに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例14の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液N>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
シリコーンゴムフィラー(KM−597、固形分100wt%;
信越化学工業(株)製) 5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0060】
(実施例15)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Oに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例15の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液O>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
イソシアネート化合物(クロスネートD−70、固形分50wt%;
大日精化工業(株)製) 15.0部
メチルエチルケトン 512.5部
トルエン 512.5部
【0061】
(実施例16)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Pに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例16の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液P>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
イソシアネート化合物(ダイアロマーSP−901、固形分15wt%;
大日精化工業(株)製) 50.0部
メチルエチルケトン 495.0部
トルエン 495.0部
【0062】
(実施例17)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Qに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例17の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液Q>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 60.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 40.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0063】
(実施例18)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Rに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例18の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液R>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 60.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 40.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(モディパーFS−720、固形分15wt%;
日本油脂(株)製) 33.3部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 476.0部
トルエン 476.0部
【0064】
(実施例19)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Sに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例19の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液S>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 60.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 40.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
イソシアネート化合物(クロスネートD−70、固形分50wt%;
大日精化工業(株)製) 15.0部
メチルエチルケトン 512.5部
トルエン 512.5部
【0065】
(実施例20)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Tに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例20の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液T>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 90.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 10.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0066】
(実施例21)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Uに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例21の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液U>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 90.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 10.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(モディパーFS−720、固形分15wt%;
日本油脂(株)製) 33.3部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 476.0部
トルエン 476.0部
【0067】
(実施例22)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Vに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例22の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液V>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 90.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 10.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
イソシアネート化合物(クロスネートD−70、固形分50wt%;
大日精化工業(株)製) 15.0部
メチルエチルケトン 512.5部
トルエン 512.5部
【0068】
(実施例23)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Wに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例23の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液W>
CAB樹脂(CAB500−5、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 60.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 40.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0069】
(実施例24)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Xに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例24の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液X>
CAB樹脂(CAB500−5、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 90.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 10.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0070】
(実施例25)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Yに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例25の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液Y>
CAB樹脂(CAB531−1、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 60.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 40.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0071】
(実施例26)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液Zに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例26の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液Z>
CAB樹脂(CAB531−1、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 90.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 10.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0072】
(実施例27)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液aに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例27の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液a>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 60.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−100、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 40.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0073】
(実施例28)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液bに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例28の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液b>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 90.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−100、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 10.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0074】
(実施例29)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液cに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例29の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液c>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 60.0部
アクリルポリオール樹脂(アクリット6AN−213、固形分50wt%;
大成化工(株)製) 80.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 464.5部
トルエン 464.5部
【0075】
(実施例30)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液dに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例30の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液d>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 90.0部
アクリルポリオール樹脂(アクリット6AN−213、固形分50wt%;
大成化工(株)製) 20.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 479.5部
トルエン 479.5部
【0076】
(実施例31)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液eに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例31の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液e>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 60.0部
スチレンアクリル樹脂(エスチレンMS−600、固形分100wt%;
新日鐵化学(株)製) 40.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0077】
(実施例32)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液fに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例32の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液f>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 90.0部
スチレンアクリル樹脂(エスチレンMS−600、固形分100wt%;
新日鐵化学(株)製) 10.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0078】
(実施例33)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液gに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例33の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液g>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 60.0部
ポリビニルアセタール樹脂(エスレックKS−1、固形分100wt%;
積水化学工業(株)製) 40.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0079】
(実施例34)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液hに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例34の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液h>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 90.0部
ポリビニルアセタール樹脂(エスレックKS−1、固形分100wt%;
積水化学工業(株)製) 10.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0080】
(実施例35)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液iに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例35の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液i>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 60.0部
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、固形分100wt%;
積水化学工業(株)製) 40.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0081】
(実施例36)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液jに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例36の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液j>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 90.0部
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、固形分100wt%;
積水化学工業(株)製) 10.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0082】
(実施例37)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液kに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例37の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液k>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 12.5部
アクリルポリオール樹脂(アクリット6AN−213、固形分50wt%;
大成化工(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 454.5部
トルエン 454.5部
【0083】
(実施例38)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液lに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例38の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液l>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 12.5部
ポリビニルアセタール樹脂(エスレックKS−1、固形分100wt%;
積水化学工業(株)製) 12.5部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0084】
(比較例1)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液mに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液m>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 100.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0085】
(比較例2)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液nに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液n>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 100.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
イソシアネート化合物(クロスネートD−70、固形分50wt%;
大日精化工業(株)製) 15.0部
メチルエチルケトン 512.5部
トルエン 512.5部
【0086】
(比較例3)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液oに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液o>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 100.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
イソシアネート化合物(クロスネートD−70、固形分50wt%;
大日精化工業(株)製) 30.0部
メチルエチルケトン 540.5部
トルエン 540.5部
【0087】
(比較例4)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液pに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液p>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 100.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
リン酸エステル(プライサーフA−208N、固形分100wt%;
第一工業製薬(株)製) 3.0部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 476.0部
トルエン 476.0部
【0088】
(比較例5)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液qに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例5の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液q>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 100.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
リン酸エステル(プライサーフA−208N、固形分100wt%;
第一工業製薬(株)製) 3.0部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
イソシアネート化合物(クロスネートD−70、固形分50wt%;
大日精化工業(株)製) 30.0部
メチルエチルケトン 532.0部
トルエン 532.0部
【0089】
(比較例6)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液rに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例6の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液r>
CAB樹脂(CAB500−5、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 100.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0090】
(比較例7)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液sに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例7の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液s>
CAB樹脂(CAB531−1、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 100.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0091】
(比較例8)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液tに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例8の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液t>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 95.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 5.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0092】
(比較例9)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液uに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例9の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液u>
CAB樹脂(CAB551−0.01、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 50.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 50.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0093】
(比較例10)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液vに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例10の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液v>
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 100.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0094】
(比較例11)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液wに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例11の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液w>
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 100.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
イソシアネート化合物(クロスネートD−70、固形分50wt%;
大日精化工業(株)製) 30.0部
メチルエチルケトン 540.5部
トルエン 540.5部
【0095】
(比較例12)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液xに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例12の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液x>
ポリビニルアセタール樹脂(エスレックKS−1、固形分100wt%;
積水化学工業(株)製) 100.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0096】
(比較例13)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液yに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例13の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液y>
ポリビニルアセタール樹脂(エスレックKS−1、固形分100wt%;
積水化学工業(株)製) 100.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
イソシアネート化合物(クロスネートD−70、固形分50wt%;
大日精化工業(株)製) 30.0部
メチルエチルケトン 540.5部
トルエン 540.5部
【0097】
(比較例14)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液zに変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例14の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液z>
CAP樹脂(CAP504−0.2、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 100.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0098】
(比較例15)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液A−1に変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例15の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液A−1>
CAP樹脂(CAP504−0.2、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0099】
(比較例16)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液A−2に変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例16の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液A−2>
ニトロセルロース(H1/2、固形分70wt%;
太平化学製品(株)製) 142.9部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 463.0部
トルエン 463.0部
【0100】
(比較例17)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液A−3に変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例17の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液A−3>
ニトロセルロース(H1/2、固形分70wt%;
太平化学製品(株)製) 107.1部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 468.0部
トルエン 468.0部
【0101】
(比較例18)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液A−4に変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例18の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液A−4>
CAB樹脂(CAB321−0.1、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 100.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0102】
(比較例19)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液A−5に変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例19の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液A−5>
CAB樹脂(CAB321−0.1、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0103】
(比較例20)
耐熱滑性層塗工液Aを下記組成の耐熱滑性層塗工液A−6に変更して耐熱滑性層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例20の耐熱滑性層塗工シートを作製した。
<耐熱滑性層塗工液A−6>
CAB樹脂(CAB381−0.1、固形分100wt%;
イーストマンケミカルカンパニー製) 75.0部
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−83、固形分100wt%;
三菱レイヨン(株)製) 25.0部
ステアリルリン酸亜鉛(SZ−PF、固形分100wt%;
堺化学工業(株)製) 5.0部
シリコーン変性アクリル樹脂(サイマックUS−380、固形分30wt%;
東亞合成(株)製) 16.7部
タルク(ミクロエースP−3、固形分100wt%;日本タルク(株)製)5.0部
メチルエチルケトン 484.5部
トルエン 484.5部
【0104】
各実施例及び比較例に関し、以下に示す方法で評価を行った。
(耐熱滑性層への染料の移行性(キック)評価)
上述の実施例及び比較例の各耐熱滑性層塗工シートと下記色材層とを、耐熱滑性層と色材層とが接するよう対向させ、20kg/cm荷重をかけて、40℃、湿度20%環境下で96時間保管した後、各耐熱滑性層塗工シートの耐熱滑性層への染料の移行を確認し、下記基準に基づき評価した。色材層は、キャノン(株)製カラーインク/ペーパーセットKP−36IP(商品名)のマゼンタ部分を使用した。
◎:色材層と対向させる前と後の耐熱滑性層の色差ΔE*abが2.0未満
○:色材層と対向させる前と後の耐熱滑性層の色差ΔE*abが2.0以上4.0未満
×:色材層と対向させる前と後の耐熱滑性層の色差ΔE*abが4.0以上
なお、測色はグレタグ社製GRETAG Spectrolino(D65光源、視野角2°)にて測定し、色差は下記式に従い算出した。
ΔE*ab=((対向前後のL値の差)+(対向前後のa値の差)+(対向前後のb値の差)1/2
【0105】
(耐熱滑性層からオーバーコート層への染料の移行性(バック)評価)
上記方法にてキックさせた各耐熱滑性層塗工シートとオーバーコート層(キャノン(株)製カラーインク/ペーパーセットKP−36IP(商品名))とを、耐熱滑性層とオーバーコート層とが接するよう対向させ、20kg/cm荷重をかけて、60℃、湿度20%環境下で24時間保管した。その後、染料が移行した保護層と受像紙の受像面とを重ね合わせ、ラミネート試験機(ラミパッカーLPD2305PRO、フジプラ(株)製)を用いて、105℃、4mm/sec/lineにて転写を行った。更に、受像紙から保護層を剥がし、転写部の色相をグレタグ社製GRETAG Spectrolino(D65光源、視野角2°)を用いて測定し、下記基準に基づき評価した。受像紙はキャノン(株)製カラーインク/ペーパーセットKP−36IP(商品名)を使用した。
◎:バックさせていないオーバーコート層の転写物とバックさせたオーバーコート層の転写物の色差ΔE*abが1.5未満
○:バックさせていないオーバーコート層の転写物とバックさせたオーバーコート層の転写物の色差ΔE*abが1.5以上3.0未満
×:バックさせていないオーバーコート層の転写物とバックさせたオーバーコート層の転写物の色差ΔE*abが3.0以上
【0106】
(インキポットライフ評価)
110mlガラス容器に、調製直後の耐熱滑性層塗工液A〜Z、a〜z及びA−1〜A−6の各50mlと攪拌子を入れ、マグネチックスターラーで攪拌しながら、30℃、湿度50%条件下にて12時間及び24時間放置した後の塗工液の状態(外観・粘度)を観察した。
◎:12時間後と24時間後の塗工液の状態が調製直後と差がみられない。
○:12時間後の塗工液は調製直後と差がないが、24時間後の塗工液は状態変化(増粘等)している。
×:12時間後、24時間後のいずれも調製直後の塗工液と状態が異なる。
【0107】
(印画適正評価)
上述の実施例及び比較例で作成した各耐熱滑性層塗工シートに、耐熱滑性層と反対側の面に下記組成の色材層塗工液を乾燥塗布量が0.8g/mとなるように、塗布、乾燥して色材層と耐熱滑性層とを有する熱転写シートを作成した。
<色材層塗工液>
C.I.ソルベントブルー63 3.0部
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1 積水化学工業(株)製)3.0部
メチルエチルケトン 41.0部
トルエン 41.0部
【0108】
得られた各熱転写シートをキャノン(株)製カラーインク/ペーパーセットKP−36IP(商品名)のシアンパネル部分に切り貼りし、キャノン(株)製カラーインク/ペーパーセットKP−36IP(商品名)受像紙とともに、キャノン(株)製デジタルフォトプリンターCP−200を用いて印画適性評価を行った。印画は10℃、湿度20%と、40℃、湿度90%の両環境下において、ブラック画像(純正メディアのイエロー+純正メディアのマゼンタ+純正メディアのシアンの混合色)の階調値85/255、128/255、192/255、255/255(濃度マックス)4種にて行ったところ、全ての熱転写シート、環境、画像にて印画の不具合はみられなかった。
【0109】
各試験の結果を下記表1にまとめた。
【0110】
【表1】

【0111】
【表2】

【0112】
各実施例の耐熱滑性層塗工シートは、何れも染料移行性がキック及びバックともに低く、インキの安定性も高かった。一方、バインダー樹脂としてCAB樹脂のみを配合した比較例1、2、4、6及び7の耐熱滑性層塗工シート、CAB樹脂の割合が高い比較例8の耐熱滑性層塗工シートはキックが多く生じる傾向にあった。また、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂のみからなる比較例10〜13はキックが良いもののバックが悪く、CAB以外のセルロース系樹脂からなる比較例14〜17はバックが悪い結果となった。なお、バインダー樹脂としてCAB樹脂のみを配合した比較例3及び5の各耐熱滑性層塗工シートは、粒径が高い架橋剤を多く添加したので、実施例と同等のキックバック性を示したと考えられる。以上より、各実施例の耐熱滑性層塗工シートと同じ構成の耐熱滑性層を設けることにより、染料移行を抑制できる熱転写シートが得られることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の熱転写シートは、上述の構成よりなるものであるので、インクリボン保管時において耐熱滑性層への染料の移行が抑制されるためサーマルヘッド汚染が防止でき色再現性が高く、地汚れ等の問題が生じにくい。また、過剰な架橋によりキックバック抑制を達成している構成ではないためにインキの安定性も高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の一方の面に色材層を設け、該基材の他方の面に耐熱滑性層を設けてなる熱転写シートにおいて、
前記耐熱滑性層は、セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)と、アクリル系樹脂及びポリビニルアセタール樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂(A2)と、滑剤(A3)とを含むものであり、
前記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)は、ブチリル基の含有率が50%以上であり、前記セルロース・アセテート・ブチレート樹脂(A1)及び前記樹脂(A2)の合計重量の60〜90重量%である
ことを特徴とする熱転写シート。
【請求項2】
前記耐熱滑性層は、滑剤として、金属石鹸、シリコーンオイル、シリコーン変性樹脂及びリン酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1記載の熱転写シート。