説明

熱転写受像シート、画像形成方法及び印画物

【課題】印画のザラツキを防止し、高い染料の受容能力を発現させて高濃度の画像を得ることができ、更に、耐光性に極めて優れる印画物を得ることができ、印画物に光退色による外観不良が生じない熱転写受像シートを提供する。
【解決手段】基材シートの一方の面に染料受容層を備えた熱転写受像シートであって、前記染料受容層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と、シリカ粒子又はメチル基で表面処理された表面処理シリカ粒子とを含有し、前記シリカ粒子又は前記表面処理シリカ粒子は、体積平均粒径が5〜300μmであり、前記染料受容層における前記シリカ粒子又は前記表面シリカ粒子の含有量が、前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して、1〜15質量部であることを特徴とする熱転写受像シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱転写受像シート及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱転写を利用した画像の形成方法として、記録材としての熱拡散型染料(昇華型染料)をプラスチックフィルム等の基材シート上に担持させた熱転写シートと、紙やプラスチックフィルム等の別の基材シート上に該染料の受容層を設けた熱転写受像シートとを互いに重ね合わせてフルカラー画像を形成する熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)が知られている。
【0003】
昇華型熱転写方式にて用いられる受像シート(熱転写受像シート)は、表面に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等の熱可塑性樹脂と、シリコーンオイル等の離型剤との組成物からなる受容層が設けられたものが一般的である。このような受容層を設けることで、表面の平滑性を上げて印画のザラツキを防止する、高い染料の受容能力を発現させて高濃度の画像を得る、印画時のインクリボンとの剥離を円滑に行うことができる等の物性を付与することができる。
【0004】
近年、昇華型熱転写方式は、デジタル写真の印画技術としての注目度が高まりつつあり、更に高いレベルの基本性能が要求されるようになってきており、特に、より高い耐光性を有する印画物が得られることが求められている。
【0005】
印画物の耐光性を向上させる方法として、例えば、(1)使用する染料自体の耐光性を向上させる方法(特許文献1参照)、(2)画像保護層に紫外線吸収剤や光安定剤を添加する方法(特許文献2参照)、(3)受容層に紫外線吸収剤や光安定剤を添加する方法(特許文献3参照)といった方法が提案されている。
【0006】
これらの方法のうち、(1)の方法は、画像退色の原因である色素自体の脆弱性の補強であり、根本的な耐光性に対する原因の解決と言える。しかしながら、昇華型熱転写方式において、用いられる染料としては熱拡散性を持つことが優先されるため、耐光性の高い染料の選択には限界があった。
【0007】
上述の(2)や(3)の方法は、色素の退色の主要因子が紫外線による色素の劣化であることから、紫外線を遮断することで耐光性を向上させることができる。しかしながら、これらの方法での耐光性の向上には限界があり、また、これらの方法に開示された紫外線吸収剤等の添加量を増加させたとしても、一定以上の耐光性の向上は望めないという問題があった。
【特許文献1】特許第3596922号公報
【特許文献2】特許第3395090号公報
【特許文献3】特開2002−19305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上記現状に鑑み、印画のザラツキを防止し、高い染料の受容能力を発現させて高濃度の画像を得ることができ、更に、耐光性に極めて優れる印画物を得ることができ、印画物に光退色による外観不良が生じない熱転写受像シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、基材シートの一方の面に染料受容層を備えた熱転写受像シートであって、上記染料受容層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と、シリカ粒子又はメチル基で表面処理された表面処理シリカ粒子とを含有し、上記シリカ粒子又は上記表面処理シリカ粒子は、体積平均粒径が5〜300μmであり、上記染料受容層における上記シリカ粒子又は上記表面シリカ粒子の含有量が、上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して、1〜15質量部であることを特徴とする熱転写受像シートである。
【0010】
上記染料受容層は、乾燥時塗布量が1.0〜10.0g/mであることが好ましい。
【0011】
本発明は、また、上述の熱転写受像シートと、熱移行性染料及びバインダーを含有する染料層が設けられた熱転写シートとを重ね、上記熱移行性染料を上記熱転写受像シートの染料受容層に熱移行させることにより、上記熱転写受像シートに画像を形成することを特徴とする画像形成方法である。
本発明は、上記画像形成方法を行うことにより得られることを特徴とする印画物である。
以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明者らは、熱転写受像シートについて鋭意検討した結果、染料受容層が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と、所定の範囲の体積平均粒径を有するシリカ粒子又はメチル基で表面処理されたシリカ粒子とを含有するものであって、該シリカ粒子の含有量が所定の範囲内とすることで、印画物の耐光性が極めて優れたものとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
本発明の熱転写受像シートは、基材シートの一方の面に染料受容層を備えたものである。
以下、本発明の熱転写受像シートを各層ごとに詳述する。
【0014】
(基材シート)
上記基材シートとしては特に限定されず、例えば、紙類、プラスチックフィルム等が使用できる。
上記紙類では、各種紙単体であってもよいし、合成紙であってもよく、例えば、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙、樹脂エマルジョンや合成ゴムラテックス等の含浸紙、合成樹脂内添紙等が挙げられる。
上記合成紙としては、ポリスチレン系合成紙やポリオレフィン系合成紙が好ましい。
【0015】
上記プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂フィルム;ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系樹脂フィルム;硬質ポリ塩化ビニルフィルム;ポリスチレンフィルム;ポリアミドフィルム;ポリアクリロニトリルフィルム;ポリメタクリレートフィルム;ポリエーテルエーテルケトンフィルム;ポリエーテルスルフォンフィルム;ポリアリレートフィルム等が挙げられる。
【0016】
上記プラスチックフィルムは、透明なフィルムであってもよいし、白色顔料や、充填剤等を加えて成膜した白色不透明のフィルムであってもよいし、発泡させたフィルムであってもよい。これらの材料は、それぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよい。
【0017】
また、上記基材シートは、透明性を有する基材である場合、延伸ポリプロピレンフィルム又は延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
【0018】
上記基材シートは、表面及び又は裏面に易接着処理がなされていいてもよい。基材シートとその上に設ける層との密着性が乏しい場合には、その表面に易接着処理やコロナ放電処理を施すことが好ましい。
【0019】
上記基材シートの厚みは、通常3〜300μm程度であり、機械的適性等を考慮し、75〜175μmであることが好ましい。
【0020】
(染料受容層)
上記染料受容層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有する。
上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、染料染着性に優れ、熱転写時に熱転写シートと熱転写受像シートとの間において融着等の異常転写が起こらないといった特性を有する樹脂である。
【0021】
上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、ガラス転移温度(Tg)が40〜80℃であることが好ましい。上記範囲のTgを有することで、最高到達濃度が高い印画物を得ることができるとともに、染料が拡散しやすく「染料同士の相互作用で染料が分解していく」という機構の印画物の退色を抑制できる骨格構造を実現できる。上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のTgのより好ましい下限は50℃、より好ましい上限は70℃である。
なお、本明細書において、Tgは、剛体振り子型レオメータ(エー・アンド・デイ社製、RPT−3000)の対数減衰ピーク温度として測定したものである。測定条件は以下の通りである。
振子:FRB−400
エッジ:RBP−020
慣性能率:19100(重りの数と量で調整)
測定温度:25℃→150℃
昇温速度:7.5℃/min
塗布基材:アルミ板
乾燥条件:110℃×5min
乾燥膜厚:10μm
【0022】
また、上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、上記塩化ビニル及び酢酸ビニル以外のその他の単量体成分を含有していてもよい。その他の単量体成分を含有することで、例えば、上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のガラス転移温度(Tg)を好適に上述した範囲に調整することができ、本発明の熱転写受像シートにより得られる印画物の耐光性を極めて優れたものとすることができる。
このようなその他の単量体成分としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、1−ペンテン、ブタジエン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、シアン化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン等が挙げられる。
【0023】
上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の製造方法としては特に限定されず、例えば、単量体成分である塩化ビニル及び酢酸ビニルと、ラジカル重合開始剤や、チーグラー型触媒、メタロセン触媒等の触媒とを用いて、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法又は溶液重合法等の公知の方法で共重合する方法が挙げられる。
上記溶液重合を行う場合の溶媒としては特に限定されず、例えば、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、アセトン、シクロヘキサン等のケトン類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、トルエン、ベンゼン等の芳香族系溶媒等が挙げられる。
【0024】
また、上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、市販されているものを用いることもできる。上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の市販品としては、例えば、ソルバインCL、ソルバインC、ソルバインCN、ソルバインCH、ソルバインAL、ソルバインAC、ソルバインA、(日信化学工業社製)、VYHH(ダウ ケミカル社製)等が挙げられる。
【0025】
上記染料受容層は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体以外のその他の樹脂を含有するものであってもよい。
上記その他の樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、セルロース誘導体系樹脂、ポリエーテル系樹脂等が挙げられる。
【0026】
上記染料受容層は、シリカ粒子又はメチル基で表面処理された表面処理シリカ粒子(以下、単に表面処理シリカ粒子ともいう)を含有する。
上記シリカ粒子又は表面処理シリカ粒子を含有することで、上記染料受容層は、上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体による染料受容性能を維持しつつ耐光性が優れたものとなる。その結果、本発明の熱転写受像シートを用いて得られる印画物の耐光性が極めて優れたものとなり、該印画物に光退色による外観不良が生じることがない。これは、以下に挙げる理由によると考えられる。
例えば、上記シリカ粒子は、表面の反応性に富む微粒子である。このようなシリカ粒子を含有する染料受容層に熱転写により転写された染料が存在する場合、該染料受容層に紫外線が入射すると、紫外線が染料を攻撃する前に上記シリカ粒子が紫外線を極めて効率よく吸収してしまうからであると考えられる。また、例えば、上記表面処理シリカ粒子は、光照射によって発生する一重項酸素等の耐光性阻害物質の発生を抑制する効果があるからであると考えられる。
【0027】
上記シリカ粒子又は表面処理シリカ粒子は、体積平均粒径が5〜300μmである。5μm未満であると、上記染料受容層に充分な耐光性を付与することができなくなる。一方、300μmを超えると、同様に充分な耐光性を付与することができなくなったり、染料受容層からのシリカ粒子又は表面処理シリカ粒子のブリードアウトが生じたりして、本発明の熱転写受像シートを用いて得られる印画物の品質が低下してしまう。上記体積平均粒径の好ましい下限は10μm、好ましい上限は150μmである。
なお、本明細書において、上記体積平均径は、メチルエチルケトン、トルエン=1:1に調整した塗工液について日機装(株)製マイクロトラック粒度分布計MT−3300IIを用いて下記条件にて測定して得られる粒度分布にて算出した値である。上記体積平均径は、粗大粒子の存在状態を理解するための指標とした。
(測定条件)
・測定原理:レーザー光回折・散乱式
・光源:半導体レーザー
・波長:780nm
・出力:3mw
・サンプルセル:SUS316
【0028】
なお、上記シリカ粒子又は表面処理シリカ粒子の体積平均粒径を上述した範囲に調整する方法としては特に限定されず、例えば、分級、篩い分け等従来公知の方法が挙げられる。
【0029】
上記シリカ粒子は、その表面にシロキサン構造やシラノール基が存在する親水性微粒子である。このようなシリカ粒子としては、体積平均粒径が上記範囲を満たす従来公知のものを用いることができる。
【0030】
上記シリカ粒子としては、市販されているものを用いることもできる。
市販されているシリカ粒子としては、例えば、アエロジル50、アエロジル200、アエロジル200CF(以上、いずれも日本アエロジル社製)等が挙げられる。
【0031】
上記表面処理シリカ粒子は、上記シリカ粒子の表面にメチル基で表面処理がされた疎水性微粒子である。
上記シリカ粒子の表面をメチル基で表面処理する方法としては、例えば、メタクリロキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラン等のシラン化合物でシリカ粒子の表面を処理する方法、シリコーンオイルでシリカ粒子の表面を処理(撥水処理)する方法等が挙げられる。なかでも、シリコーンオイルでシリカ粒子の表面を処理する方法が好ましい。
【0032】
上記表面処理シリカ粒子としては市販されているものを用いることもできる。
市販されている表面処理シリカ粒子としては、例えば、R−104、R−805、R−972、R−974、RX−200、RX−300、RY−200、RY−300(以上、いずれも日本エアロジル社製)等が挙げられる。
【0033】
上記染料受容層におけるシリカ粒子又は表面処理シリカ粒子の含有量としては、上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して、1〜15質量部である。1質量部未満であると、本発明の熱転写受像シートに充分な耐光性を付与することができなくなり、15質量部を超えると、得られる印画物の表面にザラツキが生じ、また、最高到達濃度が高い印画物とすることができなくなる。上記シリカ粒子又は表面処理シリカ粒子の含有量の好ましい下限は5質量部、好ましい上限は10質量部である。
【0034】
本発明において、上記染料受容層は、また、画像形成時に熱転写シートとの熱融着を防ぐために離型剤を配合してなるものであってもよい。
上記離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系化合物等、公知のものが挙げられるが、特にシリコーンオイルが好ましい。
上記シリコーンオイルとしては、エポキシ変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル、ハイドロジェン変性シリコーンオイル等、変性シリコーンオイルが好ましい。
上記離型剤は、上述の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して、例えば、0.5〜30質量部となるよう添加することが好ましい。
【0035】
上記染料受容層は、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、フィラー、顔料、帯電防止剤、可塑剤、熱溶融性物質等、公知の添加剤を適宜配合してなるものであってもよい。
【0036】
上記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と、シリカ粒子又は表面処理シリカ粒子とを含有する染料受容層は、乾燥時塗布量が1.0〜10.0g/mであることが好ましい。1.0g/m未満であると、充分な濃度の印画物を得ることができないことがあり、10.0g/mを超えると、乾燥に必要な熱量が非常に大きくなり、印刷工程内での乾燥が不充分になり、これに起因した不具合が発生するので好ましくない。
なお、上記染料受容層の塗布量は、例えば、染料受容層のふき取り前後の重量差分からの計算により算出することができる。
上記染料受容層のふき取り前後の重量差の測定方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
すなわち、(1)PETフィルム等の溶剤不溶性フィルム上に受容層溶液を塗布して10cm×10cmに切り取って重量を測定する。(2)トルエン/MEK=1/1溶液をしみ込ませたペーパータオル(キムタオル(登録商標)等)にて受容層をふき取り、その重量を測定する。(3)(1)と(2)の重量差分を計算し、単位面積(m)あたりの塗布量を求める。
【0037】
上記染料受容層は、上述の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及びシリカ粒子又は表面処理シリカ粒子、更に、必要に応じて離型剤、添加剤等を溶剤に添加し、混練することにより染料受容層塗工液を製造する工程と、該染料受容層塗工液を、上記基材シートの一方の面に塗布し、乾燥する工程とを含む方法により形成することができる。
【0038】
上記染料受容層塗工液は、固形分濃度が5質量%以上であることが好ましい。該固形分濃度の上限は、高濃度になりすぎると粘度が高くなり、レベリングの悪化等が起こるため、通常50質量%以下である。
【0039】
上記溶剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、エタノール、プロパノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類;トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;クロロホルム、トリクロルエチレン等の塩素系溶剤;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶剤;ジメチルスルホキシド、これらの混合物等の有機溶剤が挙げられる。
【0040】
上記染料受容層塗工液は、例えば、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の従来公知の方法で塗布することができる。
【0041】
上記染料受容層塗工液の乾燥は、一般に50〜150℃の温度で行うことができる。
【0042】
(中間層)
本発明の熱転写受像シートは、染料受容層と基材シートの間に、必要に応じて中間層を設けることができる。
上記中間層としては、その目的により如何なる材料を用いてもよい。例えば、樹脂に各種の白色顔料を加えたものを用いることにより、高い白色度を得ることができる。更に、蛍光増白剤や帯電防止剤等を必要に応じて添加することができる。また、基材シートと染料受容層との間の接着性を向上させる目的で、必要に応じて中間層を設けてもよい。また、該接着性を向上させるために、基材シートの染料受容層と形成する側の面に予めコロナ放電処理、オゾン処理等の中間層を設けるための前処理を施してもよい。
【0043】
このような中間層として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、或いは官能基を有する熱可塑性樹脂を、各種の硬化剤その他の手法を用いて硬化させた層を用いることができる。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、塩素化ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、アイオノマー、単官能及び/又は多官能水酸基含有のプレポリマーをイソシアネート等で硬化させた樹脂等を使用することができる。これらの樹脂には、必要に応じて白色性や隠蔽性等の機能を付与するために、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、その他公知の無機顔料や有機フィラー、蛍光増白剤等の添加剤を加えることができる。その塗布厚みは乾燥状態で0.5〜30g/m程度が好ましい。
【0044】
上記中間層は、上述の樹脂や必要に応じて添加する添加剤を溶剤に溶解させた中間層塗工液を製造する工程と、該中間層塗工液を上述の染料受容層塗工液と同様の方法で塗布し、乾燥する工程とを含む方法により形成することができる。
【0045】
(裏面層)
本発明の熱転写受像シートは、基材シートの染料受容層を設けた面と反対の面に、熱転写受像シートの搬送性の向上や、カール防止等のために、裏面層を設けることができる。上記裏面層として、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ハロゲン化ポリマー等の樹脂中に、添加剤として、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックス等の有機系フィラー、及び、二酸化珪素や金属酸化物等の無機フィラーを加えたものが使用できる。
【0046】
上記裏面層として、上述の樹脂を硬化剤により硬化したものを使用することがさらに好ましい。
上記硬化剤としては、一般的に公知のものが使用できるが、中でもイソシアネート化合物が好ましい。裏面層の樹脂はイソシアネート化合物等と反応しウレタン結合を形成して硬化・立体化することにより、耐熱保存性、耐溶剤性が向上し、さらには、基材シートとの密着も良くなる。
【0047】
上記硬化剤の添加量は、裏面層の樹脂1反応基当量に対して1〜2が好ましい。1未満であると、硬化終了するまでの時間が長くかかることがあり、また、耐熱性、耐溶剤性が悪くなることがある。また、2より大きいと、成膜後に経時変化が起こったり、裏面層用塗工液の寿命が短いという不具合が生じることがある。
【0048】
上記裏面層に、添加剤として、有機フィラー又は無機フィラーを添加してもよい。これらのフィラーの働きで、プリンター内での熱転写受像シートの搬送性が向上し、ブロッキングを防ぐ等熱転写受像シートの保存性も向上することができる。
【0049】
上記有機フィラーとして、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックス等があげられる。この中では、特にポリアミド系フィラーが好ましい。
【0050】
上記ポリアミド系フィラーとしては、分子量が10万〜90万で、球状であり、平均粒子径は0.01〜30μmが好ましい。上記ポリアミド系フィラーとしては、ナイロン12フィラーが耐水性に優れ、吸水による特性変化がないためより好ましい。
【0051】
上記無機フィラーとして、二酸化珪素や金属酸化物等が挙げられる。
【0052】
(帯電防止層)
本発明の熱転写受像シートは、染料受容層面若しくは裏面、又は、両面の最表面に帯電防止層を設けてもよい。
【0053】
上記帯電防止層は、脂肪酸エステル、硫酸エステル、リン酸エステル、アミド類、4級アンモニウム塩、ベタイン類、アミノ酸類、アクリル系樹脂、エチレンオキサイド付加物等の帯電防止剤を溶剤に溶解又は分散させたものを塗工して、形成することができる。帯電防止層の塗工量は、乾燥時0.001〜0.1g/mが好ましい。
【0054】
本発明の熱転写受像シートにおける中間層、裏面層及び帯電防止層を形成する方法としては特に限定されないが、例えば、上述の構成成分からなる塗工液を調製して塗工する方法等が挙げられる。
【0055】
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、上述の熱転写受像シートと熱移行性染料とバインダーとを含有する熱転写シートとを重ね、上記熱移行性染料を熱移行させることにより上記熱転写受像シートに画像を形成するものである。
【0056】
上記熱転写シートは、上記熱移行性染料と樹脂バインダーとを含有する染料層を基材シート上に設けたものであり、従来公知のものを用いることができる。
上記熱転写シートは、必要に応じ、耐熱滑性層を設けたものであってもよい。
【0057】
上記染料層における熱移行性染料は、従来公知のものであれば特に限定されず、例えば、ジアリールメタン系色素;トリアリールメタン系色素;チアゾール系色素;メロシアニン系色素;ピラゾロンメチン等のメチン系色素;インドアニリン系色素;アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系色素;キサンテン系色素;オキサジン系色素;ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノメチレン系色素;チアジン系色素;アジン系色素;アクリジン系色素;ベンゼンアゾ系色素;ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系色素;スピロピラン系色素;インドリノスピロピラン系色素;フルオラン系色素;ローダミンラクタム系色素;ナフトキノン系色素;アントラキノン系色素;キノフタロン系色素等が挙げられる。
【0058】
上記染料層におけるバインダーとしては特に限定されず、従来公知の樹脂バインダーを使用することができる。
上記樹脂バインダーとしては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂;ポリエステル系樹脂;フェノキシ樹脂;等が好ましい。
【0059】
上記染料層は、イエロー、マゼンタ、シアンの何れか1色又は2色の染料の層のみであってもよいし、各色の層を全て備えたものであってもよいし、必要に応じブラックの層を追加したものであってもよい。
【0060】
上記熱転写シートにおける基材シートとしては特に限定されず、例えば、ポリエステルフィルム等の樹脂フィルムが挙げられる。
【0061】
本発明の画像形成方法において、上記画像形成は、上述の本発明の熱転写受像シートを被転写体とする以外は特に限定されず、公知の熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)にて行うことができる。
このような本発明の画像形成方法を行うことにより得られる印画物もまた、本発明の一つである。
【発明の効果】
【0062】
本発明の熱転写受像シートは、上記構成よりなるので、印画のザラツキを防止し、高い染料の受容能力を発現させて高濃度の画像を得ることができ、更に、耐光性に極めて優れたものとなり、得られた印画物が光退色を引き起こすことを好適に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例及び比較例のみに限定されるものではない。
なお、文中、部又は%とあるのは特に断りのない限り、質量基準である。
【0064】
(実施例1)
基材シートとして、厚さ150μmの合成紙(YUPO FPG#150、王子油化製)上に、下記組成のプライマー層塗工液をワイヤーバーコーティングにより、乾燥塗布量が2.0g/mになるように塗布、乾燥して、プライマー層を形成した。
そのプライマー層の上に、下記組成の染料受容層塗工液1をワイヤーバーコーティングにより、乾燥塗布量が5.0g/mになるように塗布、乾燥(110℃、1分間)して、染料受容層を形成し、実施例1の熱転写受像シートを作製した。
【0065】
<プライマー層塗工液>
ポリエステルポリオール(東洋モートン(株)製、アドコート) 20.0部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
【0066】
<染料受容層塗工液1>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学(株)製、ソルバインC、ガラス転移温度70℃) 20.0部
エポキシ・アラルキル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3000T)
2.0部
親水性シリカ粒子(平均1次粒径12nm、体積平均径102μm、商品名 アエロジル200、日本アエロジル社製) 2.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
【0067】
(実施例2)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液2を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写受像シートを作製した。
【0068】
<染料受容層塗工液2>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学(株)製、ソルバインC、ガラス転移温度70℃) 20.0部
エポキシ・アラルキル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3000T)
2.0部
疎水性処理シリカ粒子(平均1次粒径7nm、体積平均径38μm、商品名 RY300、日本アエロジル社製) 2.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
【0069】
(実施例3)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液3を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写受像シートを作製した。
【0070】
<染料受容層塗工液3>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学(株)製、ソルバインC、ガラス転移温度70℃) 20.0部
エポキシ・アラルキル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3000T)
2.0部
疎水性処理シリカ粒子(平均1次粒径12nm、体積平均径15μm、商品名 R104、日本アエロジル社製) 2.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
【0071】
(実施例4)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液4を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の熱転写受像シートを作製した。
【0072】
<染料受容層塗工液4>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学(株)製、ソルバインC、ガラス転移温度70℃) 20.0部
エポキシ・アラルキル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3000T)
2.0部
疎水性処理シリカ粒子(平均1次粒径16nm、体積平均径13μm、商品名 R972、日本アエロジル社製) 2.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
【0073】
(実施例5)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液2を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例5の熱転写受像シートを作製した。
【0074】
<染料受容層塗工液5>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学(株)製、ソルバインC、ガラス転移温度70℃) 20.0部
エポキシ・アラルキル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3000T)
2.0部
疎水性処理シリカ粒子(平均1次粒径12nm、体積平均径65μm、商品名 R805、日本アエロジル社製) 2.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
【0075】
(比較例1)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液6を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを作製した。
【0076】
<染料受容層塗工液6>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学(株)製、ソルバインC、ガラス転移温度70℃) 20.0部
エポキシ・アラルキル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3000T)
2.0部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
【0077】
(比較例2)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液7を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱転写受像シートを作製した。
【0078】
<染料受容層塗工液7>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学(株)製、ソルバインC、ガラス転移温度70℃) 20.0部
エポキシ・アラルキル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3000T)
2.0部
疎水性処理シリカ粒子(平均1次粒径7nm、体積平均径38μm、商品名 RY300、日本アエロジル社製) 5.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
【0079】
(比較例3)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液8を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例3の熱転写受像シートを作製した。
【0080】
<染料受容層塗工液8>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学(株)製、ソルバインC、ガラス転移温度70℃) 20.0部
エポキシ・アラルキル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3000T)
2.0部
親水性シリカ粒子(平均1次粒径30nm、体積平均径3μm、商品名 アエロジル50、日本アエロジル社製) 2.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
【0081】
(比較例4)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液9を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例4の熱転写受像シートを作製した。
【0082】
<染料受容層塗工液9>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学(株)製、ソルバインC、ガラス転移温度70℃) 20.0部
エポキシ・アラルキル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3000T)
2.0部
疎水性処理シリカ粒子(平均1次粒径12nm、体積平均径22μm、商品名 RA200H、日本アエロジル社製) 2.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
【0083】
(比較例5)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の染料受容層塗工液10を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例5の熱転写受像シートを作製した。
【0084】
<染料受容層塗工液10>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学(株)製、ソルバインC、ガラス転移温度70℃) 20.0部
エポキシ・アラルキル変性シリコーン(信越化学工業製、X−22−3000T)
2.0部
疎水性処理シリカ粒子(平均1次粒径12nm、体積平均径495μm、商品名 R711、日本アエロジル社製) 2.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
【0085】
(評価)
以下の方法で、各実施例及び比較例の熱転写受像シートについて、耐光性、印字品質及び最高到達濃度を評価した。各試験結果を表1に示す。
【0086】
<耐光性>
各熱転写受像シートを用いて、メガピクセルIII(アルテックエーディーエス社製)にて階調パターンを印画して印画物を作製した。なお、印画パターンは、18ステップの階調、インクリボンは純正品を使用した。得られた印画物をグレタグスペクトロリノ(Ansi−A D65)にて測色した後、スガ試験機社製の光照射試験機にて2万luxの光照射保存試験を行い、保存後も同様に測色をした。このブラックのO.D.値が1.0付近の保存前後におけるa値とb値の幾何学的距離を計算し、以下の基準にて耐光性の評価を行った。なお、以下の数値は、小さいほど耐光性に優れることを意味する。
◎:10を超え、15以下
○:15を超え、20以下
×:20を超える
【0087】
<印字品質>
上記にて得られた耐光性試験前の印画物表面を目視にて観察し、その表面状態を下記基準に従って評価した。
(評価基準)
◎:平滑でざらつきが確認できない。
○:わずかにざらつきが確認できる。
×:明らかにざらつきが確認できる。
【0088】
<印画濃度>
各熱転写受像シートを用いて、メガピクセルIII(アルテックエーディーエス社製)にて画像形成を行い、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層において同条件の印加エネルギーを加えて、イエロー、マゼンタ、シアンの順に、その3色を重ねてブラックのベタ状の熱転写画像を得た。得られたブラックのベタ画像の反射濃度をブラックフィルター(グレタグマクベス社製)にて測定した。
【0089】
(評価基準)
◎:最高到達濃度 2.16以上
○:最高到達濃度 2.11〜2.15
×:最高到達濃度 2.10以下
【0090】
【表1】

【0091】
各実施例の熱転写受像シートを用いて画像形成すると、耐光性、印字品質及び印画濃度のいずれも好結果であった。一方、各比較例の熱転写受像シートを用いて画像形成すると、耐光性、印画適性及び印画濃度のいずれもが好結果となったものは得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の熱転写受像シートは、耐光性に極めて優れる印画物を得ることができ、印画物に光退色による外観不良が生じない熱転写受像シートを提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材シートの一方の面に染料受容層を備えた熱転写受像シートであって、
前記染料受容層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と、シリカ粒子又はメチル基で表面処理された表面処理シリカ粒子とを含有し、
前記シリカ粒子又は前記表面処理シリカ粒子は、体積平均粒径が5〜300μmであり、前記染料受容層における前記シリカ粒子又は前記表面シリカ粒子の含有量が、前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して、1〜15質量部である
ことを特徴とする熱転写受像シート。
【請求項2】
染料受容層は、乾燥時塗布量が1.0〜10.0g/mである請求項1記載の熱転写受像シート。
【請求項3】
請求項1又は2記載の熱転写受像シートと、熱移行性染料及びバインダーを含有する染料層が設けられた熱転写シートとを重ね、前記熱移行性染料を前記熱転写受像シートの染料受容層に熱移行させることにより、前記熱転写受像シートに画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【請求項4】
請求項3記載の画像形成方法を行うことにより得られることを特徴とする印画物。