説明

熱転写受像シートおよびその製造方法

【課題】熱転写受像シートの各層の密着性、印画時の離型性、印画物の耐湿・耐熱性、および印画物の画像濃度等の各種性能を向上することができる熱転写受像シートおよびその製造方法の提供。
【解決手段】本発明の熱転写受像シートは、基材と、該基材上に断熱層と受容層とをこの順に有してなり、断熱層が、中空粒子を含んでなり、受容層が、バインダー樹脂と、シリコーン離型剤とを含んでなり、かつゼラチンを実質的に含まず、シリコーン離型剤が、粘度が100〜10000mm/sであり、かつエポキシ当量が50〜2000であるエポキシ変性シリコーンを含んでなるものである。このような熱転写受像シートによれば、熱転写受像シートの各層の密着性、印画時の離型性、印画物の耐湿・耐熱性、および印画物の画像濃度等の各種性能を向上することができる。また、そのような熱転写受像シートの製造方法を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材と、該基材上に断熱層と受容層とをこの順に有してなる熱転写受像シートおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の印字方法が知られているが、その中でも熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)は、昇華性染料を色材としているため、濃度階調を自由に調節でき、中間色や階調の再現性にも優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することができる。
【0003】
この熱拡散型転写方式とは、色素(昇華性染料)を含有する熱転写インクシートと熱転写受像シートとを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものである。このような熱拡散型転写方式が普及するなかで、印画速度の高速化が進んでおり、従来の熱転写インクシートと熱転写受像シートを用いて従来の熱エネルギーを印画しても十分な発色濃度を得られない等の問題が生じている。
【0004】
さらに、熱拡散型転写方式では、その他の種々の問題も存在している。例えば、受像シートの離型性不足に起因して、印画の際にインクシートが受像シートの受容層表面に貼り付き、印画後にインクシートを画像受容層から剥離する際に、剥離音の発生、走行不良、および画像上の剥離線の発生等の問題が生じている。
【0005】
上記のような種々の問題を解決するために、熱転写記録シートの受容層に特定の硬膜剤を添加して、ゼラチンを硬膜させる方法も提案されている(例えば、特許文献1を参照)。また、染料受容層に、エポキシ変性シリコーン、メチル変性シリコーン、およびポリエーテル変性シリコーンの3種の変性シリコーンの全てを特定量添加した染料受容層転写シートが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【0006】
しかしながら、今尚、熱転写受像シートの各層の密着性、印画時の離型性、印画物の耐湿・耐熱性、および印画物の画像濃度等の各種性能に優れた熱転写受像シートの開発が切望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−6781号公報
【特許文献2】特許第4163928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱転写受像シートの各層の密着性、印画時の離型性、印画物の耐湿・耐熱性、および印画物の画像濃度等の各種性能を向上することができる熱転写受像シートおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、基材上に少なくとも断熱層および受容層をこの順に有してなる熱転写受像シートにおいて、受容層の形成に特定のシリコーン離型剤を用いることにより、上記課題を解決できることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の一態様によれば、
基材と、前記基材上に、断熱層と、受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートであって、
前記断熱層が、中空粒子を含んでなり、
前記受容層が、バインダー樹脂と、シリコーン離型剤とを含んでなり、かつゼラチンを実質的に含まず、
前記シリコーン離型剤が、粘度が100〜10000mm/sであり、かつエポキシ当量が50〜2000であるエポキシ変性シリコーンを含んでなる、熱転写受像シートが提供される。
【0011】
また、本発明の別の態様によれば、
基材と、前記基材上に、断熱層と、受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートの製造方法であって、
中空粒子を含む水系塗布液を用いて、前記基材上に断熱層を形成する工程と、
バインダー樹脂が分散されてなる水系分散液と、シリコーン離型剤が分散されてなり、かつゼラチンを実質的に含まない水系分散液とを混合して得られた水系分散塗布液を用いて、前記断熱層上に受容層を形成する工程と
を含んでなり、
前記シリコーン離型剤が、粘度が100〜10000mm/sであり、かつエポキシ当量が50〜2000であるエポキシ変性シリコーンを含んでなる、熱転写受像シートの製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の熱転写受像シートによれば、熱転写受像シートの各層の密着性、印画時の離型性、印画物の耐湿・耐熱性、および印画物の画像濃度等の各種性能を向上することができる熱転写受像シートおよびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による熱転写受像シートの一例を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
熱転写受像シート
本発明の熱転写受像シートは、基材と、該基材上に断熱層と受容層とをこの順に有してなるものである。好ましい態様では、熱転写受像シートは、断熱層と受容層の間に、プライマー層や中間層をさらに有してもよい。
【0015】
本発明の一態様によれば、基材上に、2層の断熱層と、プライマー層と、中間層と、受容層とをこの順に有してなる熱転写受像シートが提供される。具体的に、本発明による熱転写受像シートの一例の模式断面図を図1に示す。図1に示される熱転写受像シート10は、基材11と、該基材11上に、断熱層(下層)12と、断熱層(上層)13と、プライマー層14と、中間層15と、受容層16とをこの順に有してなるものである。
【0016】
基材
本発明における基材は、受容層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
【0017】
このような基材の材料としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられ、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルムも使用でき、特に限定されない。また、上記基材の任意の組み合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙或いはセルロース合成紙とプラスチックフィルムとの合成紙が挙げられる。本発明においては、市販の基材を用いることもでき、例えば、RCペーパー(三菱製紙(株)製)等が好ましい。なお、基材の厚みは、熱転写受像シートに要求される強度や耐熱性等や、基材として採用した素材の材質に応じて、適宜変更可能であり、具体的に、基材の厚みは、50μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、100μm〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
【0018】
受容層
本発明における受容層は、熱転写による画像形成時に熱転写インクシートから転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を受容層に保持することで、受容層の面に画像を形成かつ維持することができる。本発明においては、受容層は、バインダー樹脂とシリコーン離型剤とを含むものであり、ゼラチンを実質的に含まないものである。また、受容層は、架橋剤およびその他の添加剤をさらに含んでもよい。受容層に、バインダー樹脂とポリエーテル変性シリコーンとを併用して加えることで、離型性および印画物の画像濃度の各性能を同時に改善することができる。また、水系塗布液を用いて受容層を形成する場合には、ポリエーテル変性シリコーンを加えることで、印画物の画像濃度を向上することができる。
【0019】
本発明においては、受容層に含まれるゼラチンの量は、少なければ少ない程良く、実質的に含まないことが好ましい。「実質的に含まない」とは、受容層の性質を改質するために、意図的にゼラチンを添加していないことを意味するものである。例えば、ゼラチンの含有量は、バインダー樹脂の固形分質量に対して、1質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下である。受容層に含まれるゼラチンの量を上記程度まで低減することで、印画物の画像濃度や離型性を改善することができる。また、受容層の乾燥時の膜厚は0.5〜5.0μmであることが好ましい。乾燥時の膜厚がこの範囲内であれば、塗工適性をさらに向上することができる。
【0020】
バインダー樹脂
受容層の形成に用いるバインダー樹脂としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩ビアクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体系樹脂(塩酢ビ系樹脂)、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等のビニルポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ、好ましくは塩ビ系樹脂であり、例えば、塩化ビニル系樹脂、塩ビアクリル系樹脂、および塩酢ビ系樹脂からなる群から選択される1種以上であり、特に好ましくは、塩酢ビ系樹脂である。本発明においては、市販のバインダー樹脂を用いることもでき、例えば、VB603(塩酢ビ系樹脂)、VB985(塩ビ系樹脂)、VB900(塩ビアクリル系樹脂、以上、日信化学工業(株)製)などの水分散体、ソルバインC(塩酢ビ系樹脂)、およびソルバインCN(塩酢ビ系樹脂、以上、日信化学工業(株)製)などの溶剤系樹脂を公知の方法で水分散した液等が挙げられる。特に、塩酢ビ系樹脂を用いることが、画像保存性(耐湿熱性)や離型性の観点において好ましく、さらに、下記のシリコーン離型剤との組み合わせが好ましい。
【0021】
シリコーン離型剤
本発明における受容層に含まれるシリコーン離型剤は、粘度が100〜10000mm/s、好ましくは300〜9000mm/s、より好ましくは500〜6000mm/s、さらに好ましくは、1000〜3000mm/sであり、かつエポキシ当量が50〜2000、好ましくは80〜1800、より好ましくは100〜1000であるエポキシ変性シリコーンを含むものである。なお、粘度は、JIS Z 8803:液体の粘度−測定方法の各種方法により測定することできる。また、エポキシ当量(g/eq)とは、官能基一個当たりのエポキシ架橋剤の分子量の値のことである。粘度が100〜10000mm/sであり、かつエポキシ当量が50〜2000であるエポキシ変性シリコーンを用いることで、印画時の離型性や印画物の耐熱・耐湿性を向上することができる。本発明においては、市販のエポキシ変性シリコーンを用いることもでき、例えば、X22−3000TおよびKF101(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。このようなエポキシ変性シリコーンを用いることが、上記のバインダー樹脂との組み合わせの観点から好ましい。
【0022】
本発明においては、上記のエポキシ変性シリコーンを1種で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合する場合には、粘度やエポキシ当量等の各性質について、その平均値が上記範囲内であればよい。
【0023】
他の好ましい態様によれば、シリコーン離型剤は、上記のエポキシ変性シリコーン以外のシリコーンオイルをさらに含んでもよい。シリコーンオイルとしては、例えば、アミノ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、およびアミド変性シリコーン等が挙げられる。本発明においては、エポキシ変性シリコーンと、1種以上のその他のシリコーンオイルとを混合して用いてもよい。なお、エポキシ変性シリコーンとその他のシリコーンオイルの混合比を、好ましくは100:0〜40:60、より好ましくは90:10〜50:50、さらに好ましくは85:15〜60:40とするのがよい。このような混合したシリコーン離型剤を用いることで、各種環境下での印画時の離型性や印画物の耐熱・耐湿性を向上することができる。
【0024】
架橋剤
本発明の好ましい態様によれば、架橋剤としては、エポキシ当量が300以下、好ましくは200以下100以上であり、かつ官能基数が2以上、好ましくは4以上10以下であるエポキシ架橋剤を含むものが好ましく用いられる。なお、エポキシ当量(g/eq)とは、官能基一個当たりのエポキシ架橋剤の分子量の値のことである。また、官能基数とは、エポキシ架橋剤1分子中のエポキシ基の数のことである。つまり、エポキシ当量が小さく、官能基数が多いものほど架橋剤としての架橋効果が高いといえる。エポキシ当量が小さく、官能基数が上記範囲内程度のエポキシ架橋剤を含む架橋剤を用いることで、画像濃度等の各種性能を向上することができる。本発明においては、架橋剤のエポキシ基が塗布層中の成分のカルボキシル基と反応して、樹脂の一部または全部を架橋することで、画像濃度等の各種性能を向上できる。
【0025】
本発明の好ましい態様によれば、架橋剤の含有量は、樹脂の総固形分質量(バインダー樹脂、親水性バインダー、および中空粒子等の合計)に対して、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは1〜15質量%であり、さらにより好ましくは1〜10質量%である。架橋剤の含有量が上記範囲程度であれば、画像濃度等の各種性能をより向上できる。本発明においては、市販のエポキシ架橋剤を用いることもでき、例えば、EX512、EX521、EX851、EX832(以上、ナガセケムテックス(株))、およびCR5L(DIC(株))等が挙げられる。なお、上記のエポキシ架橋剤を含む架橋剤を、基材の受容層面側において各層(例えば受容層や断熱層や中間層)のいずれか一層以上もしくは全層に添加してもよい。
【0026】
断熱層
本発明における断熱層は、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性やクッション性を有するものである。本発明における断熱層は、中空粒子を含むものであり、上記の架橋剤、上記の親水性バインダー、およびその他の添加剤をさらに含んでもよい。断熱層は、中空粒子を含むことにより、クッション性を備えることができる。また、好ましい態様によれば、断熱層は2層以上からなるものであってもよい。このように断熱層を2層以上設けることで、印画品質に影響する断熱性およびクッション性と、基材への密着性とを改善することができる。ここで、断熱層のクッション性の程度は、熱転写受像シートの用途等に応じて適宜調整することができるものである。なお、断熱層のクッション性の程度についても、例えば、断熱層の厚みを変更することにより任意の範囲に調整することができる。断熱層の厚みは、断熱性、クッション性等を所望の程度に調整できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。また、断熱層の密度は、例えば0.1g/cm〜0.8g/cmの範囲内、なかでも0.2g/cm〜0.7g/cmの範囲内であることが好ましい。
【0027】
中空粒子
本発明で用いる中空粒子の体積平均粒径は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜5μmである。中空粒子の体積平均粒径が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を断熱層に与えることができる。また、中空粒子の平均中空率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30〜80%である。中空粒子の平均中空率が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を断熱層に与えることができる。さらに、樹脂等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよい。また、上記中空粒子は、架橋中空粒子であってもよい。本発明においては、市販の中空粒子を用いることもでき、例えば、HP−1055、HP−91、およびローペイクSE(ロームアンドハース(株)製)、ならびにMH−5055(日本ゼオン)等が好ましい。
【0028】
親水性バインダー
本発明の好ましい態様によれば、断熱層および下記のプライマー層や中間層等に含まれる親水性バインダーとしては、ゼラチンおよびその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、ならびにアラビアゴムを挙げることができ、特にゼラチンが好ましい。このような親水性バインダーを用いることで、断熱層および中間層等の各層の層間接着性を向上させることができる。特に、水系塗布および同時重層塗布方式により各層を形成する場合には、ゼラチンを用いることで、塗布適性の向上ができる。また、各塗布液の粘度を所望の範囲に調整し、所望の膜厚を得ることができる。本発明においては、市販のゼラチンを用いることもでき、例えば、RR、R、およびCLV(新田ゼラチン(株)製)等が好ましい。
【0029】
プライマー層
本発明におけるプライマー層は、断熱層と受容層との間に設けられるものであり、断熱層と受容層とを良好に接着する役割を有するとともに、高温高湿度環境下における、染料の断熱層側への移行を防止して画像保存性を向上させる機能を有するものである。好ましい態様では、プライマー層は、上記の中空粒子、上記の親水性バインダー、およびバインダー樹脂を含むものであり、バインダー樹脂としては、アクリル系樹脂を含むものが好ましい。プライマー層の厚みとしては特に限定されるものではないが、例えば1μm〜40μmであることが好ましく、1μm〜20μmがより好ましく、1μm〜10μmがさらに好ましい。
【0030】
本発明において、アクリル系樹脂とは、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体、およびアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を含むものである。
【0031】
本発明の好ましい態様によれば、アクリル系樹脂は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体であるのが好ましい。アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーとしては、例えば、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレート等、好ましくは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、およびラウリルメタクリレート等を挙げることができる。他のモノマーとしては、例えば、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、アミド基含有化合物、および塩化ビニル等、好ましくは、スチレン、ベンジルスチレン、フェノキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、およびメタクリルアミド等を挙げることができる。本発明においては、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートと、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、およびアミド基含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種の他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を用いることが特に好ましい。上記のようなモノマーを共重合させることで、濃度および離型性を向上させることができる。なお、2種以上のアクリル系樹脂を混合して用いてもよい。
【0032】
中間層
本発明における中間層は、プライマー層と受容層との間に設けられるものであり、プライマー層と受容層とを良好に接着する役割を有するとともに、高温高湿度環境下における、染料の下層側(断熱層側)への移行を防止して画像保存性を向上させる機能を有するものである。中間層は、受容層との接着を良好にするために、受容層と同様の上記のバインダー樹脂を用いて形成することができる。また、中間層は、親水性バインダーを含むものであってもよい。
【0033】
他の層
本発明においては、上記の断熱層、プライマー層、中間層、および受容層以外に、他の層を設けてもよい。他の層を設けることで、耐溶剤、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材のギラつき感/ムラの隠蔽、および帯電防止等の機能を付加するこができる。他の層の形成手段としては公知の手段を用いることができ、例えば、他の層に、蛍光増白剤、無機微粒子、中空微粒子、および導電性フィラーやポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等を添加する方法が挙げられる。
【0034】
熱転写受像シートの製造方法
本発明の熱転写受像シートの製造方法は、基材と、該基材上に、断熱層と、受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートの製造方法であって、
中空粒子を含む水系塗布液を用いて、該基材上に断熱層を形成する工程と、
バインダー樹脂が分散されてなる水系分散液と、シリコーン離型剤が分散されてなり、かつゼラチンを実質的に含まない水系分散液とを混合して得られた水系分散塗布液を用いて、該断熱層上に受容層を形成する工程と
を含んでなるものである。さらに、該シリコーン離型剤は、粘度が100〜10000mm/sであり、かつエポキシ当量が50〜2000であるエポキシ変性シリコーンを含んでなる。なお、エポキシ変性シリコーンについては、上記で説明したとおりである。本発明においては、上記の特定のエポキシ変性シリコーンを用いることで、ゼラチンを用いなくとも、水系溶液に十分に分散させることができる。上記のように、バインダー樹脂と、シリコーン離型剤とが別々に分散された水系溶液を混合して得られた水系分散塗布液を用いて、断熱層上に受容層を形成することで、シリコーン離型剤が、乾燥時に相分離して最表面にブリードアウトし、表面のシリコーン密度を高めることができる。また、同時重層塗布により受容層を形成した場合、シリコーン離型剤の下層への移行を抑制し、表面のシリコーン密度を高めることができる。さらに、本発明においては、ゼラチンを用いずに、エポキシ変性シリコーンが十分に分散した水系分散塗布液を用いて受容層を形成することができるため、印画物の画像濃度を向上することができる。
【0035】
本発明において、上記のシリコーン離型剤が分散されてなり、かつゼラチンを実質的に含まない水系分散液は、以下のような方法により調製することができる。まず、水系溶液と溶剤系溶液を別々に調製した。水系溶液は、公知の分散剤と水とを混合して得られる。一方、溶剤系溶液は、上記のシリコーン離型剤と公知の有機溶媒(溶剤)とを混合して得られる。この水系溶液と溶剤系溶液とを、混合・撹拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、分散体を調製する。その後、分散体を30〜60℃に加温しながら減圧下で脱溶剤し、脱溶剤分の体積変化を純水の追添加により補正し、固形分を調製することで、水系分散液が得られる。
【0036】
他の好ましい態様によれば、受容層を形成する水系分散塗布液に含まれるバインダー樹脂が、塩酢ビ系樹脂であることが好ましい。また、断熱層を形成する水系塗布液および/または受容層を形成する水系分散塗布液が、エポキシ架橋剤をさらに含んでなることが好ましい。なお、バインダー樹脂やエポキシ架橋剤については、上記で説明したとおりである。
【0037】
他の態様によれば、断熱層を形成する工程と、前記受容層を形成する工程との間に、プライマー層を形成する工程をさらに含んでなることが好ましい。プライマー層は、上記の中空粒子、上記の親水性バインダー、およびバインダー樹脂、好ましくは上記のアクリル系樹脂を含んでなる水系塗布液を用いて形成することができる。
【0038】
好ましい態様によれば、断熱層を形成する工程と、受容層を形成する工程とは、同時に行ってもよい。さらに、断熱層から受容層間を構成する全ての層を、水系塗布および同時重層塗布方式により形成することが特に好ましい。このような製造方法により、熱転写受像シートの各層の層間接着性の向上やコスト改善等の効果が得られる。このように同時重層塗布を行う場合には、各層を形成する塗布液に界面活性剤を添加して、表面張力を調整することもできる。界面活性剤としては、例えば、サーフィノール440(日信化学工業(株)製)が挙げられる。
【0039】
熱転写受像シートの各層の塗布には、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ダイコート、スライドコート、およびカーテンコート等の公知の方法を用いることができ、スライドコートやカーテンコート等の複数の層を同時重層塗布できる方法が好ましい。
【0040】
本発明の好ましい態様によれば、本発明の熱転写受像シートの製造方法は、基材上に受容層や他の層を塗布により形成した後に、セット工程や乾燥工程をさらに経るものであってもよい。本発明でいうセット工程とは、例えば、冷風等を支持体上の塗膜面に吹き付けて温度を下げるなどの手段により、塗膜組成物の粘度を高め、各層間及び各層内の物質流動性を鈍化させるゲル化促進の工程をいう。冷風を用いる場合の温度条件としては、25℃以下が好ましく、10℃以下であることがより好ましい。また、塗膜が冷風に晒される時間は、塗布搬送速度にもよるが、10秒以上120秒以下であることが好ましい。
【0041】
熱転写インクシート
本発明の熱転写受像シートと共に用いる熱転写インクシートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられており、基材シートの他方の面に耐熱滑性層が設けられている層構成を有するものがよい。以下、熱転写インクシートを構成する各層について説明する。
【0042】
基材シート
本発明に用いられる熱転写インクシートを構成する基材シートの材料は、従来公知のものを使用することができ、また、それ以外のものであっても、ある程度の耐熱性と強度とを有していれば使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ナイロン、酢酸セルロース、アイオノマー等の樹脂フィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等が挙げられる。これらを単独で使用してもよいし、これらを任意に組み合わせた積層体を使用してもよい。これらの中でも、薄膜化可能で安価な汎用性プラスチックであるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0043】
基材シートの厚さは、強度、耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は0.5〜50μm程度が好ましく、より好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは1〜10μmである。
【0044】
基材シートは、隣接する層との接着性を向上させるため、表面処理が施されていてもよい。上記表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、およびグラフト化処理等の、公知の樹脂表面改質技術を適用することができる。上記表面処理は、1種のみ施されてもよいし、2種以上施されてもよい。
【0045】
さらに、上記基材シートの接着処理として、基材シート上に接着層を塗工して形成することも可能である。接着層は、例えば、以下の有機材料および無機材料から形成することができる。上記有機材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドンおよびその変性体等のビニル系樹脂、ならびにポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。上記無機材料としては、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナあるいはアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物またはその水和物、疑ベークマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、および酸化チタン等のコロイド状無機顔料超微粒子等が挙げられる。
【0046】
また、上記の表面処理として、プラスチックフィルムを延伸処理して製造する場合、未延伸フィルムにプライマー液を塗布し、その後に延伸処理して行うこともできる(プライマー処理)。
【0047】
熱転写性色材層
本発明に用いられる熱転写インクシートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられている。熱転写インクシートが昇華型熱転写インクシートの場合には、熱転写性色材層として昇華性染料を含有する層を形成し、熱溶融型熱転写インクシートの場合には、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層を形成する。なお、昇華性染料を含有する層領域と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層領域と、を連続した1枚の基材シート上に面順次に設けてもよい。
【0048】
熱転写性色材層の材料は、従来公知の染料を使用することができるが、印画材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変褪色しないものが好ましい。例えば、赤色染料としては、MS Red G(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等が、黄色染料としては、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等が、青色染料としては、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)等が挙げられる。
【0049】
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、およびポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、セルロース系、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の樹脂が耐熱性、染料の移行性等の点から好ましい。
【0050】
熱転写性色材層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。上記染料およびバインダー樹脂に、必要に応じて離型剤等の添加剤を加え、トルエン、メチルエチルケトン等の適当な有機溶剤に溶解させ、あるいは、水に分散させ、得られた熱転写性色材層用塗工液(溶解液または分散液)を、例えば、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の形成手段により、基材シートの一方の面に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。熱転写性色材層は、厚みが0.2〜5.0μm程度であり、また、熱転写性色材層中の昇華性染料の含有量は、5〜90重量%、好ましくは5〜70重量%であることが好ましい。
【0051】
保護層
本発明に用いられる熱転写インクシートは、熱転写性色材層と同一面側に面順次で保護層を設けてもよい。熱転写受像シートに色材を転写した後、この保護層を転写して画像を被覆することにより、画像を光、ガス、液体、擦過等から保護することができる。保護層として接着層、剥離層、離型層、または、下引き層等のその他の層を設けてなるものであってもよい。
【0052】
耐熱滑性層
耐熱滑性層は、主に耐熱性樹脂からなるものである。耐熱性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンまたはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテート−ヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、および塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
【0053】
耐熱滑性層は、上記耐熱性樹脂に加え、滑り性付与剤、架橋剤、離型剤、有機粉末、無機粉末等の添加剤を配合してなるものであってもよい。
【0054】
耐熱滑性層は、一般に、上述の耐熱性樹脂、並びに、所望により添加する上記滑り性付与剤および添加剤を溶剤中に加えて、各成分を溶解または分散させて耐熱滑性層塗工液を調製した後、該耐熱滑性層塗工液を基材の上に塗工し、乾燥させて形成することができる。
上記耐熱滑性層塗工液における溶剤としては、上述の染料インキにおける溶剤と同様のものを使用することができる。
【0055】
耐熱滑性層塗工液の塗工法としては、例えば、ワイヤーバーコーティング、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等が挙げられるが、なかでもグラビアコーティングが好ましい。耐熱滑性層塗工液は、乾燥塗布量が好ましくは0.1〜3g/m、より好ましくは1.5g/m以下となるよう塗布すればよい。
【0056】
画像形成方法
本発明の熱転写受像シートを用いる画像形成方法においては、熱転写受像シートと、熱拡散性色素を含有する熱転写インクシートとを重ね合わせて、記録信号に応じて加熱することにより、該熱転写インクシートが含有する熱拡散性色素を、該熱転写受像シートに転写することにより画像形成することできる。
【0057】
このような画像形成方法で用いることのできる熱転写記録装置としては、公知のものを用いることができ、特に限定されない。本発明においては、市販の熱転写記録装置を用いることができ、例えば、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)が挙げられる。
【実施例】
【0058】
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の内容に限定して解釈されるものではない。なお、表記の重量部は固形分で記載し、純水を用いて希釈して、各塗布液の全固形分が15〜30%となるように調整した。
【0059】
実施例1
熱転写受像シート1の作製
基材シートとしてRCペーパー(三菱製紙(株)製)を用い、下記組成の、断熱層用塗布液1−2(下層用)、断熱層用塗布液1−1(上層用)、プライマー層用塗布液1、中間層用塗布液1、および受容層用塗布液1(水系分散塗布液)を40℃にそれぞれ加熱し、スライドコーティングを用いて、乾燥時の厚みがそれぞれ2μm、12μm、3.5μm、1.5μm、3μmとなるように塗布し、5℃にて30秒間冷却した後、50℃にて2分間乾燥し、熱転写受像シート1(層構成:基材/断熱層(下層)/断熱層(上層)/プライマー層/中間層/受容層)を得た。この熱転写受像シートは、図1に示されるような層構成を有していた。
断熱層用塗布液1−2(下層用)の組成
・MH5055(中空粒子、日本ゼオン(株)製、体積平均粒径0.5μm)60重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 20重量部
・DM820(MBR、DIC(株)製) 20重量部
断熱層用塗布液1−1(上層用)の組成
・MH5055(中空粒子、日本ゼオン(株)製、体積平均粒径0.5μm)70重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 25重量部
・AP40(水性ポリウレタン樹脂、DIC(株)製) 5重量部
プライマー層用塗布液1の組成
・SX866(架橋中空粒子、JSR(株)、体積平均粒径0.1μm、空隙率30%)
70重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 15重量部
・NKJ300(メタクリル酸エステル・アクリル共重合体、新中村化学(株))
15重量部
中間層用塗布液1の組成
・VB603(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製) 100重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 10重量部
受容層用塗布液1の組成
・VB603(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製、市販時に既に水系分散液の状態)
100重量部
・X22−3000T(エポキシ変性シリコーン、信越化学工業(株)製)水系分散液
14重量部
・EX512(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス(株)製、エポキシ当量:168、官能基数:4) 5重量部
【0060】
なお、上記のX22−3000T(シリコーン)水系分散液は、以下のように分散させて、水系分散液を調製した。まず、下記の組成となるように、水系溶液1および溶剤系溶液1を調製した。この水系溶液1と溶剤系溶液1とを、混合・撹拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、分散体を調製した。その後、分散体を30〜60℃に加温しながら減圧下で脱溶剤し、脱溶剤分の体積変化を純水の追添加により補正し、固形分が18%になるように調製して、水系分散液を得た。
水系溶液1の組成
・トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸Na塩(分散剤、固形分10%)10重量部
・純水 56重量部
溶剤系溶液1の組成
・X−22−3000T(溶剤系シリコーン離型剤(エポキシ変性シリコーン)、信越化学工業(株)製、固形分100%) 17重量部
・酢酸エチル(シリコーン離型剤溶解用溶剤) 17重量部
【0061】
実施例2
熱転写受像シート2の作製
断熱層用塗布液(上層用)および受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート3を作製した。
断熱層用塗布液2−1(上層用)の組成
・MH5055(中空粒子、日本ゼオン(株)製、体積平均粒径0.5μm)70重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 25重量部
・AP40(水性ポリウレタン樹脂、DIC(株)製) 5重量部
・EX512(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス(株)製) 5重量部
受容層用塗布液2の組成
・VB603(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製) 100重量部
・X22−3000T(エポキシ変性シリコーン、信越化学工業(株)製)水系分散液
14重量部
【0062】
実施例3
熱転写受像シート3の作製
中間層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート3を作製した。
【0063】
実施例4
熱転写受像シート4の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例3と同様にして熱転写受像シート4を作製した。
受容層用塗布液4の組成
・VB603(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製) 100重量部
・KF101(エポキシ変性シリコーン、信越化学工業(株)製)水系分散液14重量部
・EX512(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス(株)製) 5重量部
なお、KF101水系分散液の調製方法は、実施例1のX22−3000T水系分散液の調製方法と同様である。
【0064】
実施例5
熱転写受像シート5の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例3と同様にして熱転写受像シート5を作製した。
受容層用塗布液5の組成
・VB603(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製) 100重量部
・X22−3000T(エポキシ変性シリコーン、信越化学工業(株)製)とKF410(アラルキル変性シリコーン、信越化学工業(株)製)の混合物(混合比65:35)の水系分散液 14重量部
・EX512(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス(株)製) 5重量部
なお、X22−3000TとKF410の混合物の水系分散液の調製方法は、実施例1のX22−3000T水系分散液の調製方法と同様である。
【0065】
実施例6
熱転写受像シート6の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例3と同様にして熱転写受像シート6を作製した。
受容層用塗布液6の組成
・VB603(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製) 100重量部
・X22−3000T(エポキシ変性シリコーン、信越化学工業(株)製)とKF410(アラルキル変性シリコーン、信越化学工業(株)製)の混合物(混合比75:25)の水系分散液 14重量部
・EX512(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス(株)製) 5重量部
なお、X22−3000TとKF410の混合物の水系分散液の調製方法は、実施例5と同様である。
【0066】
実施例7
熱転写受像シート7の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例3と同様にして熱転写受像シート7を作製した。
受容層用塗布液7の組成
・VB603(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製) 100重量部
・X22−3000T(エポキシ変性シリコーン、信越化学工業(株)製)とKF410(アラルキル変性シリコーン、信越化学工業(株)製)の混合物(混合比85:15)の水系分散液 14重量部
・EX512(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス(株)製) 5重量部
なお、X22−3000TとKF410の混合物の水系分散液の調製方法は、実施例5と同様である。
【0067】
実施例8
熱転写受像シート8の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例3と同様にして熱転写受像シート8を作製した。
受容層用塗布液8の組成
・VB985(塩ビ系樹脂、日信化学工業(株)製、市販時に既に水系分散液の状態)
100重量部
・X22−3000T(エポキシ変性シリコーン、信越化学工業(株)製)水系分散液
14重量部
・EX512(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス(株)製) 5重量部
【0068】
実施例9
熱転写受像シート9の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例3と同様にして熱転写受像シート9を作製した。
受容層用塗布液9の組成
・VB900(塩ビアクリル系樹脂、日信化学工業(株)製、市販時に既に水系分散液の状態) 100重量部
・X22−3000T(エポキシ変性シリコーン、信越化学工業(株)製)水系分散液
14重量部
・EX512(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス(株)製) 5重量部
【0069】
実施例10
熱転写受像シート10の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例3と同様にして熱転写受像シート10を作製した。
受容層用塗布液10の組成
・ソルバインC(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製)の水系分散液 100重量部
・X22−3000T(エポキシ変性シリコーン、信越化学工業(株)製)水系分散液
14重量部
・EX512(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス(株)製) 5重量部
なお、ソルバインCの水系分散液は公知の方法により、水中に分散し、分散液の状態で用いた。
【0070】
実施例11
熱転写受像シート11の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例3と同様にして熱転写受像シート11を作製した。
受容層用塗布液11の組成
・ソルバインCN(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製)の水系分散液 100重量部
・X22−3000T(エポキシ変性シリコーン、信越化学工業(株)製)水系分散液
14重量部
・EX512(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス(株)製) 5重量部
なお、ソルバインCNの水系分散液は公知の方法により、水中に分散し、分散液の状態で用いた。
【0071】
比較例1
熱転写受像シート12の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例3と同様にして熱転写受像シート12を作製した。
受容層用塗布液12の組成
・VB603(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製) 100重量部
・KF615A(ポリエーテル変性シリコーン、信越化学工業(株)製) 14重量部
・EX512(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス(株)製) 5重量部
【0072】
比較例2
熱転写受像シート13の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例3と同様にして熱転写受像シート13を作製した。
受容層用塗布液13の組成
・VB603(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製) 100重量部
・X22−173DX(エポキシ変性シリコーン、信越化学工業(株)製)水系分散液
14重量部
・EX512(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス(株)製) 5重量部 なお、X22−173DX水系分散液の調製方法は、実施例1のX22−3000T水系分散液の調製方法と同様である。
【0073】
比較例3
熱転写受像シート14の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例3と同様にして熱転写受像シート14を作製した。
受容層用塗布液14の組成
・VB603(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製) 100重量部
・TSF4730*(エポキシ変性シリコーン、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)水系分散液 14重量部
・EX512(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス(株)製) 5重量部
なお、X22−173DX水系分散液の調製方法は、実施例1のX22−3000T水系分散液の調製方法と同様である。
【0074】
比較例4
熱転写受像シート15の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例3と同様にして熱転写受像シート15を作製した。しかし、基材への塗布時に、塗布液がはじかれたため、熱転写受像シートを作製することができなかった。
受容層用塗布液15の組成
・VB603(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製) 100重量部
・KF100T(=KF1001、エポキシ変性シリコーン、信越化学工業(株)製)水系分散液 14重量部
・EX512(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス(株)製) 5重量部
なお、KF100T水系分散液の調製方法は、実施例1のX22−3000T水系分散液の調製方法と同様である。
【0075】
比較例5
熱転写受像シート16の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例3と同様にして熱転写受像シート16を作製した。
受容層用塗布液16の組成
・VB603(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製) 100重量部
・FZ4602(エポキシ変性シリコーン、東レダウコーニング(株)製、市販時に既に水系分散液の状態) 14重量部
・EX512(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス(株)製) 5重量部
【0076】
比較例6
熱転写受像シート17の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例3と同様にして熱転写受像シート17を作製した。
受容層用塗布液17の組成
・VB603(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製) 100重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 10重量部
・X22−3000T(エポキシ変性シリコーン、信越化学工業(株)製)水系分散液
14重量部
・EX512(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス(株)製) 5重量部
【0077】
上記の実施例1〜11および比較例1〜6で用いたシリコーン離型剤の粘度およびエポキシ当量を表1に示す。
【表1】

【0078】
熱転写受像シートの評価
上記で作製した熱転写受像シート1〜14、16、および17について、(1)離型性評価、(2)耐湿・耐熱性評価、(3)密着性評価、および(4)画像濃度評価を行った。
【0079】
(1)離型性評価
上記で作製した熱転写受像シートに、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS(株)製、型式:MEGAPIXELIII)、および該プリンターの純正インクリボンを、高温高湿環境下(35度80%RH)に結露なきよう3時間放置後、その環境下において黒ベタ画像を印画して、その際に発生する剥離音を官能評価した。
評価基準
5:剥離音が聞こえなかった。
4:3色目印画時にほんのわずかに剥離音が聞こえたが、実用上問題ない程度であった。
3:3色目印画時に大きな剥離音が聞こえ、実用上やや問題があった。
2:1色目、2色目印画時に剥離音が聞こえた。
1:印画できなかった。
【0080】
(2)耐湿・耐熱性評価
上記で作製した熱転写受像シートに、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)を用いて、0.5mm巾の直線画像(黒色)を印画し、印画物を60℃Freeおよび40℃90%環境に一週間保存したものの、画像にじみを目視にて官能評価した。
評価基準
5:にじんでいなかった。
4:よく見ると少し線がにじんでいた。
3:はっきりと線がにじんでいた。
2:にじみで線がぼやけた。
1:線が完全ににじみ、元が線だと確認できなかった。
【0081】
(3)密着性評価
上記で作製した熱転写受像シートに、メンディングテープ(ニチバン(株)製)工業用メンディングテープ12mm幅を貼着して、90度剥離試験を行った。テープ密着性試験の評価基準は下記の通りである。
評価基準
5:熱転写受像シートに破壊が全く観察されず、メンディングテープに付着も認められなかった。
4:熱転写受像シートに破壊は認められなかったが、メンディングテープの顕微鏡観察では極微量の着色物が付着していた。
3:熱転写受像シートが破壊し、貼着領域全体の20%未満の面積の層がメンディングテープに付着していた。
2:熱転写受像シートが破壊し、貼着領域全体の20%以上50%未満の面積の層がメンディングテープに付着していた。
1:熱転写受像シートが破壊し、貼着領域全体の50%以上の面積の層がメンディングテープに付着していた。
【0082】
(4)画像濃度評価
上記で作製した熱転写受像シートに、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)と、インクリボン(メガピクセルIII用、アルテックエーディーエス(株)純正品)とを使用して、RGB値が15×n(n=0〜17)の18階調グラデーション画像を印画し、光学濃度計(グレタグマクベス社製spectrolino)(Ansi−A、D65))による光学反射濃度が最大となる値を測定し、ブラックのOD値(光学的濃度)を以下の基準で評価した。
評価基準
○:2.0以上
△:1.95以上2.0未満
×:1.95未満
【0083】
上記の各評価の結果を表2に示す。本発明の組成を満たす実施例1〜11の熱転写受像シートは、比較例1〜3および5〜6の熱転写受像シートと比較して、印画物の、離型性、耐湿・耐熱性、密着性、および画像濃度の各性能を改善できたことがわかる。
【表2】

【符号の説明】
【0084】
10 熱転写受像シート
11 基材
12 断熱層(下層)
13 断熱層(上層)
14 プライマー層
15 中間層
16 受容層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材上に、断熱層と、受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートであって、
前記断熱層が、中空粒子を含んでなり、
前記受容層が、バインダー樹脂と、シリコーン離型剤とを含んでなり、かつゼラチンを実質的に含まず、
前記シリコーン離型剤が、粘度が100〜10000mm/sであり、かつエポキシ当量が50〜2000であるエポキシ変性シリコーンを含んでなる、熱転写受像シート。
【請求項2】
前記受容層に含まれるバインダー樹脂が、塩ビ系樹脂である、請求項1に記載の熱転写受像シート。
【請求項3】
前記受容層に含まれるバインダー樹脂が、塩酢ビ系樹脂である、請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
【請求項4】
前記断熱層および/または前記受容層が、エポキシ架橋剤を含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
【請求項5】
前記断熱層と受容層の間に、プライマー層をさらに有してなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
【請求項6】
前記断熱層から前記受容層間を構成する全ての層が、水系塗布かつ同時重層塗布方式によって形成されてなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
【請求項7】
基材と、前記基材上に、断熱層と、受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートの製造方法であって、
中空粒子を含む水系塗布液を用いて、前記基材上に断熱層を形成する工程と、
バインダー樹脂が分散されてなる水系分散液と、シリコーン離型剤が分散されてなり、かつゼラチンを実質的に含まない水系分散液とを混合して得られた水系分散塗布液を用いて、前記断熱層上に受容層を形成する工程と
を含んでなり、
前記シリコーン離型剤が、粘度が100〜10000mm/sであり、かつエポキシ当量が50〜2000であるエポキシ変性シリコーンを含んでなる、熱転写受像シートの製造方法。
【請求項8】
前記受容層を形成する水系分散塗布液に含まれるバインダー樹脂が、塩ビ系樹脂である、請求項7に記載の熱転写受像シートの製造方法。
【請求項9】
前記受容層を形成する水系分散塗布液に含まれるバインダー樹脂が、塩酢ビ系樹脂である、請求項7または8に記載の熱転写受像シートの製造方法。
【請求項10】
前記断熱層を形成する水系塗布液および/または前記受容層を形成する水系分散塗布液が、エポキシ架橋剤をさらに含んでなる、請求項7〜9のいずれか一項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
【請求項11】
前記断熱層を形成する工程と、前記受容層を形成する工程との間に、プライマー層を
形成する工程をさらに含んでなる、請求項7〜10のいずれか一項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
【請求項12】
前記断熱層から前記受容層間を構成する全ての層を、水系塗布かつ同時重層塗布方式によって形成する、請求項7〜11のいずれか一項に記載の熱転写受像シートの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−131164(P2012−131164A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286350(P2010−286350)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】