説明

熱転写受像シートおよびその製造方法

【課題】熱転写受像シートの離型性および耐こげ性等の各種性能に優れた熱転写受像シートならびにその製造方法の提供。
【解決手段】基材21と、該基材上に、多孔質層22と、受容層23とをこの順に有してなる熱転写受像シート20であって、該受容層に含まれる架橋ポリ塩化ビニル系樹脂は、架橋ゲル分率が20%以上、JISK7367−2により測定されるK値が40以上、及び、平均重合度が750以上である。受容層塗布液が、エポキシ変性シリコーンを含む離型剤をさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材と、該基材上に多孔質層と、受容層とをこの順に有してなる熱転写受像シートおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の印字方法が知られているが、その中でも熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)は、昇華性染料を色材としているため、濃度階調を自由に調節でき、中間色や階調の再現性にも優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することができる。
【0003】
この熱拡散型転写方式とは、色素(昇華性染料)を含有する熱転写インクシートと熱転写受像シートとを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものである。このような熱拡散型転写方式が普及するなかで、印画速度の高速化が進んでおり、従来の熱転写インクシートと熱転写受像シートを用いて従来の熱エネルギーを印画しても十分な発色濃度を得られない等の問題が生じている。
【0004】
さらに、熱拡散型転写方式では、その他の種々の問題も存在している。例えば、受像シートの離型性不足に起因して、印画の際にインクシートが受像シートの受容層表面に貼り付き、印画後にインクシートを画像受容層から剥離する際に、剥離音の発生、走行不良、および画像上の剥離線の発生等の問題が生じている。
【0005】
上記のような種々の問題を解決するために、様々な検討がなされてきた。例えば、印画物表面のかすれを防止するために、熱転写受像シートの受容層を、特定の貯蔵弾性率および損失弾性率を有する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(塩酢ビ系樹脂)を用いて形成することが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、熱転写受像シートの離型性および耐こげ性等の各種性能については、十分な検討がなされていない。
【0006】
したがって、今尚、熱転写受像シートの離型性および耐こげ性等の各種性能に優れた熱転写受像シートの開発が切望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−132771
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱転写受像シートの離型性および耐こげ性等の各種性能に優れた熱転写受像シートを提供することにある。さらに、本発明の目的は、そのような熱転写受像シートの製造方法を提供することにもある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、基材上に少なくとも多孔質層および受容層をこの順に有してなる熱転写受像シートにおいて、架橋ポリ塩化ビニル系樹脂を用いて受容層を形成することにより、上記課題を解決できることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の一態様によれば、
基材と、該基材上に、多孔質層と、受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートであって、
該受容層が、架橋ゲル分率が20%以上である架橋ポリ塩化ビニル系樹脂を含んでなる、熱転写受像シートが提供される。
【0011】
また、本発明の別の態様によれば、
基材と、該基材上に、多孔質層と、受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートの製造方法であって、
架橋ゲル分率が20%以上である架橋ポリ塩化ビニル系樹脂を含んでなる塗布液を用いて、該受容層を形成する工程
を含んでなる、熱転写受像シートの製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、熱転写受像シートの離型性および耐こげ性等の各種性能に優れた熱転写受像シートを提供することができる。また、そのような熱転写受像シートの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による熱転写受像シートの一例を示す模式断面図である。
【図2】本発明による熱転写受像シートの一例を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
熱転写受像シート
本発明の熱転写受像シートは、基材と、該基材上に多孔質層と受容層とをこの順に有してなるものである。好ましい態様では、熱転写受像シートは、多孔質層と受容層の間に、プライマー層や中間層をさらに有してもよい。
【0015】
本発明の一態様によれば、基材上に、多孔質層として2層の断熱層と、プライマー層と、受容層とをこの順に有してなる熱転写受像シートが提供される。具体的に、本発明による熱転写受像シートの一例の模式断面図を図1に示す。図1に示される熱転写受像シート10は、基材11と、該基材11上に、断熱層(下層)12と、断熱層(上層)13と、プライマー層14と、受容層15とをこの順に有してなるものである。
【0016】
本発明の他の態様によれば、基材上に、多孔質層として多孔質フィルム層と、受容層とをこの順に有してなる熱転写受像シートが提供される。具体的に、本発明による熱転写受像シートの一例の模式断面図を図2に示す。図2に示される熱転写受像シート20は、基材21と、該基材21上に、多孔質フィルム層22と、受容層23とをこの順に有してなるものである。
【0017】
基材
本発明における基材は、受容層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
【0018】
このような基材の材料としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられ、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルムも使用でき、特に限定されない。また、上記基材の任意の組み合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙或いはセルロース合成紙とプラスチックフィルムとの合成紙が挙げられる。本発明においては、市販の基材を用いることもでき、例えば、RCペーパー(三菱製紙(株)製)等が好ましい。なお、基材の厚みは、熱転写受像シートに要求される強度や耐熱性等や、基材として採用した素材の材質に応じて、適宜変更可能であり、具体的に、基材の厚みは、50μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、100μm〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
【0019】
受容層
本発明における受容層は、熱転写による画像形成時に熱転写インクシートから転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を受容層に保持することで、受容層の面に画像を形成かつ維持することができる。本発明においては、受容層は、バインダー樹脂として下記の架橋ポリ塩化ビニル系樹脂を含んでなるものであり、下記の離型剤をさらに含んでもよく、ゼラチンを実質的に含まないのがよい。また、受容層は、分散剤やその他の添加剤をさらに含んでもよい。本発明においては、受容層を下記の架橋ポリ塩化ビニル系樹脂を用いて形成することで、離型性および耐こげ性を向上させることができる。
【0020】
本発明においては、受容層に含まれるゼラチンの量は、少なければ少ない程良く、実質的に含まないことが好ましい。「実質的に含まない」とは、受容層の性質を改質するために、意図的にゼラチンを添加していないことを意味するものである。例えば、ゼラチンの含有量は、バインダー樹脂の固形分質量に対して、1質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下である。受容層に含まれるゼラチンの量を上記程度まで低減することで、印画物の画像濃度や離型性を改善することができる。また、受容層の乾燥時の膜厚は0.5〜5.0μmであることが好ましい。乾燥時の膜厚がこの範囲内であれば、塗工適性をさらに向上することができる。
【0021】
バインダー樹脂
本発明において、受容層の形成に用いるバインダー樹脂としては、架橋ポリ塩化ビニル系樹脂が用いられる。架橋ポリ塩化ビニル系樹脂は、架橋ゲル分率が、20%以上、好ましくは20〜60%、より好ましくは25〜55%以上である。架橋ゲル分率が20%以上あれば、受容層を形成する樹脂膜が強化されるため、熱転写インクシートの熱融着を防ぎ、離型性を向上することができる。
【0022】
本発明において、架橋ゲル分率とは、架橋ポリ塩化ビニル系樹脂が3質量%となるようにテトラヒドロフランに添加し、50℃で攪拌溶解後、同温度で30分間静置し、不溶解物を沈殿させ、上澄みを取り除いたものに、再度樹脂溶解時に使用した量のテトラヒドロフランを投入し、再溶解を行う。同操作を2回繰り返した後、残ったテトラヒドロフラン不溶解物に大過剰のメタノールを投入し、No.2(アドバンテック製)のろ紙を用いて吸引濾過を行い、ろ紙上に残った樹脂を架橋ゲル分と定義する。これを60℃で7時間乾燥後、乾燥質量を計測することで、テトラヒドロフラン溶解前の樹脂質量中の質量分率を計算した値を架橋ゲル分率と定義する。
【0023】
本発明で用いられる架橋ポリ塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルモノマーと、共重合可能なアリル基を2つ以上有する架橋モノマーとが共重合することにより得られる。架橋モノマーとしては、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、およびジアリルテレフタレート等のフタル酸ジアリルエステル類、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、およびジアリルイタコネート等のエチレン性不飽和2塩基酸のジアリルエステル類、ジアリルアジペート、ジアリルアセテート、およびジアリルセバケート等の飽和2塩基酸のジアリルエステル類、ジアリルエーテル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ならびにペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0024】
本発明で用いられる架橋ポリ塩化ビニル系樹脂は、JIS K 7367−2(プラスチック−毛細管形粘度計を用いたポリマー希釈溶液の粘度の求め方)により測定されるK値が、好ましくは50以上、より好ましくは50〜80、さらに好ましくは55〜75である。である。K値を50以上にすることで、樹脂の膜強度が高くなるため、耐こげ性および離型性を向上させることができる。
【0025】
本発明で用いられる架橋ポリ塩化ビニル系樹脂は、JIS K 6720−2(プラスチック−塩化ビニルホモポリマー及びコポリマー)により測定される平均重合度が、好ましくは800以上、より好ましくは800〜1500、さらに好ましくは900〜1400である。平均重合度を800以上にすることで、耐こげ性および離型性を向上させることができる。
【0026】
本発明で用いられる架橋ポリ塩化ビニル系樹脂の重合方法は、特に限定されず、従来公知の方法を行うことができる。例えば、水懸濁重合、塊状重合、溶液重合、および乳化重合等が挙げられ、水懸濁重合が好ましい。水懸濁重合では、上記の架橋モノマーは、塩化ビニルモノマーとともに水性媒体中で懸濁重合される。架橋モノマーの量は、特に限定されないが、架橋ポリ塩化ビニル系樹脂の架橋ゲル分率を上記の範囲とするため、塩化ビニルモノマー100質量部に対して、0.05〜2.0質量部の添加量が好ましい。なお、塩化ビニルモノマーは、予め架橋モノマーを分散した水に仕込んでも、架橋モノマーと塩化ビニルモノマーを混合溶解した後、水中に分散させてもよい。また、塩化ビニルモノマーの仕込量の一部を重合開始後に添加してもよい。
【0027】
本発明においては、市販の架橋ポリ塩化ビニル系樹脂を用いることもでき、例えば、
K9S、K10S、K13S、およびXPS300L(以上、カネカ(株)製)等が挙げられる。
【0028】
離型剤
本発明の好ましい態様によれば、受容層は離型剤をさらに含んでもよい。離型剤としては、シリコーンオイル(反応硬化型シリコーンを含む)、リン酸エステル系可塑剤、およびフッ素系化合物を挙げることができ、特にシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーン等の各種の変性シリコーンを用いることができる。具体的には、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーンオイル、アクリル変性シリコーン、アミド変性シリコーン等を用い、各種の反応を用いて重合させて用いることもできる。また、2種以上の離型剤を混合して用いてもよい。本発明においては、エポキシ変性シリコーンを用いることが特に好ましい。このような離型剤を用いることで、印画時に熱転写インクシートと熱転写受像シートの受容層との融着および印画感度低下などの問題を改善することができる。これらの離型剤を2種以上用いてもよく、その他の離型剤と併用しても良い。本発明においては、市販の離型剤を用いることもでき、例えば、KF615AおよびKF352A(信越化学工業(株)製)、ならびにFZ2101およびSF8410(東レダウコーニング(株)製)等が挙げられる。
【0029】
本発明の好ましい態様によれば、離型剤は、粘度が100〜10000mm/s、好ましくは300〜9000mm/s、より好ましくは500〜6000mm/s、さらに好ましくは、1000〜3000mm/sであり、かつエポキシ当量が50〜2000、好ましくは80〜1800、より好ましくは100〜1000であるエポキシ変性シリコーンを含むことが好ましい。なお、粘度は、JIS Z 8803:液体の粘度−測定方法の各種方法により測定することできる。また、エポキシ当量(g/eq)とは、官能基一個当たりのエポキシ架橋剤の分子量の値のことである。粘度が100〜10000mm/sであり、かつエポキシ当量が50〜2000であるエポキシ変性シリコーンを用いることで、印画時の離型性や印画物の耐熱・耐湿性を向上することができる。本発明においては、市販のエポキシ変性シリコーンを用いることもでき、例えば、X22−3000TおよびKF101(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。このようなエポキシ変性シリコーンを用いることが、上記のバインダー樹脂との組み合わせの観点からも好ましい。
【0030】
受容層用塗布液
本発明においては、受容層用塗布液は、受容層用塗布液は、水系分散塗布液であってもよいし、溶剤系塗布液であってもよい。受容層の下層である多孔質層等の形成方法に応じて、適宜選択することができる。
【0031】
水系分散塗布液
本発明において、水系分散塗布液とは、水を媒体としたものである。水系分散塗布液は、上記の架橋ポリ塩化ビニル系樹脂を従来公知の分散方法により水中に分散させることにより調製することができる。例えば、分散剤を含む水系溶液と、架橋ポリ塩化ビニル系樹脂および離型剤を含む溶剤系溶液とをホモジナイザーなどの方法によって分散し調製することが好ましい。水系溶液と、溶剤系溶液とを別個に調製した後に混合し、ホモジナイザーなどを用いて分散することで、架橋ポリ塩化ビニル系樹脂および離型剤を含む分散体を形成することができる。
【0032】
水系溶液の調製に用いる分散剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、 およびそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。印画物の耐湿・耐熱性を向上させる観点からは、スルホン酸型アニオン界面活性剤であることがさらに好ましい。低分子の界面活性剤は分散性が良好であり、その中でも低分子のアニオン性界面活性剤が特に良好である。また、高分子の界面活性剤やHLBの高いノニオン性界面活性剤は分散液の安定性が良好である。低分子と高分子の界面活性剤と併用することでさらに安定性を上げることができる。例えば、ドデシルベンゼンスルフォン酸Na塩、テトラデシルベンゼンスルフォン酸Na塩、ジ−t−ブチルナフタレンスルフォン酸Na塩、トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸Na塩、モノナフタレンスルフォン酸Na塩、p−ノニルフェノキシプロピルスルフォン酸Na塩、ドデシルスルフォン酸Na塩、パーフルオロオクタンスルフォン酸Na塩、ビス−2−エチルヘキシルスルホコハク酸Na塩、ジイソオクチルスルホコハク酸Na塩、ジ(1,1,7−トリヒドロ−パーフルオロヘプチル)スルホコハク酸Na塩、ステアリン酸Na塩、2−メチル−ヘキサノールスルフォン酸Na塩、ヘプタデセニルベンズイミダゾールスルフォン酸Na塩、N−メチルオレイルタウライドNa塩、N−パーフルオロオクチルスルフォニル−N−プロピルグリシンK塩、ソルビタンラウリルモノエステル、アルキルナフタレンスルホン酸Na、コハク酸ジオクチルスルホン酸Na、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合体、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸Na等が上げられる。このような分散剤を用いることで、上記の架橋ポリ塩化ビニル系樹脂および離型剤を含む水系分散塗布液が安定な状態をとることができる。本発明においては、市販の分散剤を用いることもでき、例えば、第一工業製薬(株)製のハイテノール、ネオゲンLA−10、ネオゲンLA−12、PSA−C、エオコールSW、ハイテノールLA−10、プライサーフDB−01、エパン485、エパン785、ADEKA(株)のアデカトールLA−50、アデカプルロニックF−68、アデカプルロニックF−88、アデカプルロニックF−108、アデカホープYES−25等が好ましい。
【0033】
溶剤系溶液の調製に用いる有機溶媒としては、溶剤系樹脂とシリコーンを溶解させるものであれば良く、酢酸エチル、トルエンやベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン系溶媒、およびそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。このような有機溶媒を用いることで、分散性を上げ、また水との適度な分散状態を維持する事ができる。これによって受容層用の水系分散塗布液を得ることができる。本発明においては、分散後、または分散と同時に、加熱および/または減圧などの手段によって有機溶剤を除去する工程を入れても良い。
【0034】
溶剤系塗布液
本発明において、溶剤系塗布液は、有機溶媒を媒体としたものである。溶剤系塗布液は、上記の架橋ポリ塩化ビニル系樹脂を有機溶媒中に溶解させることにより調製することができる。溶剤系塗布液の調製に用いる有機溶媒としては、架橋ポリ塩化ビニル系樹脂を溶解させるものであれば良く、酢酸エチル、トルエン、およびベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトンおよびメチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ならびにそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0035】
多孔質層
本発明における断熱層は、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性やクッション性を有するものである。本発明における多孔質層は、受容層用塗布液の状態に応じて、様々な態様をとることができる。多孔質層としては、例えば、下記の断熱層や多孔質フィルム層が挙げられる。
【0036】
断熱層
本発明における多孔質層の一態様は、中空粒子を含む断熱層である。受容層用塗布液として水系分散塗布液を用いる場合には、多孔質層として断熱層が好ましい。断熱層は、下記の親水性バインダー、およびその他の添加剤をさらに含んでもよい。断熱層は、中空粒子を含むことにより、クッション性を備えることができる。また、好ましい態様によれば、断熱層は2層以上からなるものであってもよい。このように断熱層を2層以上設けることで、印画品質に影響する断熱性およびクッション性と、基材への密着性とを改善することができる。ここで、断熱層のクッション性の程度は、熱転写受像シートの用途等に応じて適宜調整することができるものである。なお、断熱層のクッション性の程度についても、例えば、断熱層の厚みを変更することにより任意の範囲に調整することができる。断熱層の厚みは、断熱性、クッション性等を所望の程度に調整できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。また、断熱層の密度は、例えば0.1g/cm〜0.8g/cmの範囲内、なかでも0.2g/cm〜0.7g/cmの範囲内であることが好ましい。
【0037】
中空粒子
本発明で用いる中空粒子の体積平均粒径は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜5μmである。中空粒子の体積平均粒径が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を断熱層に与えることができる。また、中空粒子の平均中空率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30〜80%である。中空粒子の平均中空率が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を断熱層に与えることができる。さらに、樹脂等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよい。また、上記中空粒子は、架橋中空粒子であってもよい。本発明においては、市販の中空粒子を用いることもでき、例えば、HP−1055、HP−91、およびローペイクSE(ロームアンドハース(株)製)、ならびにMH−5055(日本ゼオン)等が好ましい。
【0038】
親水性バインダー
本発明の好ましい態様によれば、断熱層および下記のプライマー層や中間層等に含まれる親水性バインダーとしては、ゼラチンおよびその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、ならびにアラビアゴムを挙げることができ、特にゼラチンが好ましい。このような親水性バインダーを用いることで、断熱層および中間層等の各層の層間接着性を向上させることができる。特に、水系塗布および同時重層塗布方式により各層を形成する場合には、ゼラチンを用いることで、塗布適性の向上ができる。また、各塗布液の粘度を所望の範囲に調整し、所望の膜厚を得ることができる。本発明においては、市販のゼラチンを用いることもでき、例えば、RR、R、およびCLV(新田ゼラチン(株)製)等が好ましい。
【0039】
多孔質フィルム層
本発明における多孔質層の他の態様は、多孔質フィルムからなるものである。受容層用塗布液として溶剤系塗布液を用いる場合には、多孔質層として多孔質フィルム層が好ましい。多孔質フィルムは、好ましくは20μm以上38.5μm以下、より好ましくは35μm以上38.5μm以下の厚さを有するものである。また、多孔質フィルムは、ベースとなる樹脂としてポリプロピレン樹脂を含み、内部に微細空隙を有する多孔質フィルムが好ましい。このような厚さを有し、かつポリプロピレン樹脂を含む多孔質フィルムからなる多孔質層を設けることで、受像紙の印画物の環境変化(特に、湿度変化)によるカールの変化量を低下させることで、各環境下への保存後における品位を向上できる。
【0040】
フィルム中に微細空隙を生じさせる方法としては、フィルムのベースとなる樹脂に対して非相溶な有機微粒子または無機微粒子(一種類でも複数でもよい)を混練したコンパウンドを作成する。このコンパウンドは微視的にみるとベースとなる樹脂とベースとなる樹脂に対して非相溶な微粒子とが微細な海島構造を形成しており、このコンパウンドをフィルム化し、延伸することにより海島界面の剥離、または、島を形成する領域の大きな変形によって上記のような微細空隙を発生させるものである。
【0041】
微細空隙を形成する方法として、例えば、ポリプロピレンを主体とし、それにポリプロピレンより高い融点を有するポリエステルやアクリル樹脂を加えた方法が挙げられる。この場合、ポリエステルやアクリル樹脂が微細空隙を形成する核剤の役割をする。該ポリエステル、アクリル樹脂の含有量は、いずれの場合もポリプロピレン100質量部に対して2〜10質量部であることが好ましい。上記含有量が2質量部以上の場合には、微細空隙を十分に発生させることができ、印字感度をより向上させることができる。また、含有量が10質量部以下の場合には、多孔質フィルムの耐熱性を十分に担保することができる。
【0042】
また、ベースとする樹脂をポリプロピレンとする多孔質フィルムを作成する場合、微細で緻密な空隙をより発生させるためには、さらにポリイソプレンを加えることが好ましい。これにより、より高い印字感度を得ることができる。例えば、ポリプロピレンを主体とし、これにアクリル樹脂またはポリエステル、そしてポリイソプレンを配合したコンパウンドを作成し、フィルム化し、延伸することにより高い印字感度を有する多孔質フィルムを得ることができる。
【0043】
プライマー層
本発明におけるプライマー層は、多孔質層と受容層との間に設けられるものであり、多孔質層と受容層とを良好に接着する役割を有するとともに、高温高湿度環境下における、染料の多孔質層側への移行を防止して画像保存性を向上させる機能を有するものである。好ましい態様では、プライマー層は、上記の中空粒子、上記の親水性バインダー、およびバインダー樹脂を含むものであり、バインダー樹脂としては、アクリル系樹脂を含むものが好ましい。プライマー層の厚みとしては特に限定されるものではないが、例えば1μm〜40μmであることが好ましく、1μm〜20μmがより好ましく、1μm〜10μmがさらに好ましい。
【0044】
本発明において、アクリル系樹脂とは、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体、およびアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を含むものである。
【0045】
本発明の好ましい態様によれば、アクリル系樹脂は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体であるのが好ましい。アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーとしては、例えば、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレート等、好ましくは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、およびラウリルメタクリレート等を挙げることができる。他のモノマーとしては、例えば、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、アミド基含有化合物、および塩化ビニル等、好ましくは、スチレン、ベンジルスチレン、フェノキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、およびメタクリルアミド等を挙げることができる。本発明においては、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートと、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、およびアミド基含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種の他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を用いることが特に好ましい。上記のようなモノマーを共重合させることで、濃度および離型性を向上させることができる。なお、2種以上のアクリル系樹脂を混合して用いてもよい。
【0046】
中間層
本発明における中間層は、プライマー層と受容層との間に設けられるものであり、プライマー層と受容層とを良好に接着する役割を有するとともに、高温高湿度環境下における、染料の下層側(多孔質層側)への移行を防止して画像保存性を向上させる機能を有するものである。中間層は、受容層との接着を良好にするために、受容層と同様の上記のバインダー樹脂を用いて形成することができる。また、中間層は、親水性バインダーを含むものであってもよい。
【0047】
他の層
本発明においては、上記の多孔質層、プライマー層、中間層、および受容層以外に、他の層を設けてもよい。他の層を設けることで、耐溶剤、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材のギラつき感/ムラの隠蔽、および帯電防止等の機能を付加するこができる。他の層の形成手段としては公知の手段を用いることができ、例えば、他の層に、蛍光増白剤、無機微粒子、中空微粒子、および導電性フィラーやポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等を添加する方法が挙げられる。
【0048】
熱転写受像シートの製造方法
本発明の熱転写受像シートの製造方法は、基材と、該基材上に、多孔質層と、受容層とをこの順に有してなる熱転写受像シートの製造方法であって、架橋ゲル分率が20%以上である架橋ポリ塩化ビニル系樹脂を含んでなる塗布液を用いて、受容層を形成する工程を含んでなるものである。塗布液としては、上記の水系分散塗布液を用いてもよいし、上記の溶剤系塗布液を用いてもよい。
【0049】
受容層用塗布液として水系分散塗布液を用いた場合には、汎用の溶剤に溶解する事が困難な樹脂であっても、樹脂エマルジョンとして塗工する事が可能になる。樹脂のハロゲン化度やK値、重合度、および架橋度が高い樹脂は、離型性向上の観点からは好ましいが、この様な樹脂は汎用溶剤溶解性が低く、塗工する事が困難であるという問題があった。受容層を樹脂エマルジョンとした場合には、この様な制限を受け難く、離型性のさらに高い受像紙を得ることができる。
【0050】
受容層用塗布液として溶剤系塗布液を用いた場合には、耐こげ性を向上することができる。本発明はいかなる理論にも拘束されるものではないが、耐こげ性向上のメカニズムとしては、耐こげ性は受容層に含まれる水分が多いほど悪化する傾向があることから、溶剤系塗布液を使用することによって受容層に残留する水分量を低減できた為であると考えられる。もっとも、本発明が上記の説明によって限定されることがあってはならないことは言うまでもない。
【0051】
好ましい態様によれば、本発明の製造方法は、多孔質層を形成する工程をさらに含んでなるものである。多孔質層として断熱層を形成する場合、断熱層を形成する工程と、受容層を形成する工程とは、同時に行ってもよい。さらに、断熱層から受容層間を構成する全ての層を、同時重層塗布方式により形成することが特に好ましい。このような製造方法により、熱転写受像シートの各層の層間接着性の向上やコスト改善等の効果が得られる。このように同時重層塗布を行う場合には、各層を形成する塗布液に界面活性剤を添加して、表面張力を調整することもできる。界面活性剤としては、例えば、サーフィノール440(日信化学工業(株)製)が挙げられる。
【0052】
他の態様によれば、多孔質層を形成する工程と、前記受容層を形成する工程との間に、プライマー層を形成する工程をさらに含んでなることが好ましい。プライマー層は、上記の中空粒子、上記の親水性バインダー、およびバインダー樹脂、好ましくは上記のアクリル系樹脂を含んでなる水系塗布液を用いて形成することができる。
【0053】
熱転写受像シートの各層の塗布には、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ダイコート、スライドコート、およびカーテンコート等の公知の方法を用いることができ、スライドコートやカーテンコート等の複数の層を同時重層塗布できる方法が好ましい。
【0054】
本発明の好ましい態様によれば、本発明の熱転写受像シートの製造方法は、基材上に受容層や他の層を塗布により形成した後に、セット工程や乾燥工程をさらに経るものであってもよい。本発明でいうセット工程とは、例えば、冷風等を支持体上の塗膜面に吹き付けて温度を下げるなどの手段により、塗膜組成物の粘度を高め、各層間および各層内の物質流動性を鈍化させるゲル化促進の工程をいう。冷風を用いる場合の温度条件としては、25℃以下が好ましく、10℃以下であることがより好ましい。また、塗膜が冷風に晒される時間は、塗布搬送速度にもよるが、10秒以上120秒以下であることが好ましい。
【0055】
熱転写インクシート
本発明の熱転写受像シートと共に用いる熱転写インクシートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられており、基材シートの他方の面に耐熱滑性層が設けられている層構成を有するものがよい。以下、熱転写インクシートを構成する各層について説明する。
【0056】
基材シート
本発明に用いられる熱転写インクシートを構成する基材シートの材料は、従来公知のものを使用することができ、また、それ以外のものであっても、ある程度の耐熱性と強度とを有していれば使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ナイロン、酢酸セルロース、アイオノマー等の樹脂フィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等が挙げられる。これらを単独で使用してもよいし、これらを任意に組み合わせた積層体を使用してもよい。これらの中でも、薄膜化可能で安価な汎用性プラスチックであるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0057】
基材シートの厚さは、強度、耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は0.5〜50μm程度が好ましく、より好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは1〜10μmである。
【0058】
基材シートは、隣接する層との接着性を向上させるため、表面処理が施されていてもよい。上記表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、およびグラフト化処理等の、公知の樹脂表面改質技術を適用することができる。上記表面処理は、1種のみ施されてもよいし、2種以上施されてもよい。
【0059】
さらに、上記基材シートの接着処理として、基材シート上に接着層を塗工して形成することも可能である。接着層は、例えば、以下の有機材料および無機材料から形成することができる。上記有機材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドンおよびその変性体等のビニル系樹脂、ならびにポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。上記無機材料としては、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナあるいはアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物またはその水和物、疑ベークマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、および酸化チタン等のコロイド状無機顔料超微粒子等が挙げられる。
【0060】
また、上記の表面処理として、プラスチックフィルムを延伸処理して製造する場合、未延伸フィルムにプライマー液を塗布し、その後に延伸処理して行うこともできる(プライマー処理)。
【0061】
熱転写性色材層
本発明に用いられる熱転写インクシートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられている。熱転写インクシートが昇華型熱転写インクシートの場合には、熱転写性色材層として昇華性染料を含有する層を形成し、熱溶融型熱転写インクシートの場合には、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層を形成する。なお、昇華性染料を含有する層領域と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層領域と、を連続した1枚の基材シート上に面順次に設けてもよい。
【0062】
熱転写性色材層の材料は、従来公知の染料を使用することができるが、印画材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変褪色しないものが好ましい。例えば、赤色染料としては、MS Red G(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等が、黄色染料としては、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等が、青色染料としては、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)等が挙げられる。
【0063】
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、およびポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、セルロース系、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の樹脂が耐熱性、染料の移行性等の点から好ましい。
【0064】
熱転写性色材層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。上記染料およびバインダー樹脂に、必要に応じて離型剤等の添加剤を加え、トルエン、メチルエチルケトン等の適当な有機溶剤に溶解させ、あるいは、水に分散させ、得られた熱転写性色材層用塗工液(溶解液または分散液)を、例えば、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の形成手段により、基材シートの一方の面に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。熱転写性色材層は、厚みが0.2〜5.0μm程度であり、また、熱転写性色材層中の昇華性染料の含有量は、5〜90質量%、好ましくは5〜70質量%であることが好ましい。
【0065】
保護層
本発明に用いられる熱転写インクシートは、熱転写性色材層と同一面側に面順次で保護層を設けてもよい。熱転写受像シートに色材を転写した後、この保護層を転写して画像を被覆することにより、画像を光、ガス、液体、擦過等から保護することができる。保護層として接着層、剥離層、離型層、または、下引き層等のその他の層を設けてなるものであってもよい。
【0066】
耐熱滑性層
耐熱滑性層は、主に耐熱性樹脂からなるものである。耐熱性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンまたはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテート−ヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、および塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
【0067】
耐熱滑性層は、上記耐熱性樹脂に加え、滑り性付与剤、架橋剤、離型剤、有機粉末、無機粉末等の添加剤を配合してなるものであってもよい。
【0068】
耐熱滑性層は、一般に、上述の耐熱性樹脂、並びに、所望により添加する上記滑り性付与剤および添加剤を溶剤中に加えて、各成分を溶解または分散させて耐熱滑性層塗工液を調製した後、該耐熱滑性層塗工液を基材の上に塗工し、乾燥させて形成することができる。上記耐熱滑性層塗工液における溶剤としては、上述の染料インキにおける溶剤と同様のものを使用することができる。
【0069】
耐熱滑性層塗工液の塗工法としては、例えば、ワイヤーバーコーティング、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等が挙げられるが、なかでもグラビアコーティングが好ましい。耐熱滑性層塗工液は、乾燥塗布量が好ましくは0.1〜3g/m、より好ましくは1.5g/m以下となるよう塗布すればよい。
【0070】
画像形成方法
本発明の熱転写受像シートを用いる画像形成方法においては、熱転写受像シートと、熱拡散性色素を含有する熱転写インクシートとを重ね合わせて、記録信号に応じて加熱することにより、該熱転写インクシートが含有する熱拡散性色素を、該熱転写受像シートに転写することにより画像形成することできる。本発明においては、高速印画により画像を形成することが好ましい。本発明の熱転写受像シートを用いることで、高速印画時においても染料の転写感度を十分に維持する事ができる。ここで、高速印画とは、0.5〜3.0msec/line、好ましくは0.5〜2.0msec/lineである。
【0071】
このような画像形成方法で用いることのできる熱転写記録装置としては、公知のものを用いることができ、特に限定されない。本発明においては、市販の熱転写記録装置を用いることができ、例えば、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)が挙げられる。
【実施例】
【0072】
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の内容に限定して解釈されるものではない。なお、表記の質量部は固形分で記載し、純水もしくは有機溶媒を用いて希釈して、各塗布液の全固形分が15〜30%となるように調整した。
【0073】
実施例1
熱転写受像シート1の作製
基材としてRCペーパー(三菱製紙(株)製)と、多孔質層を形成する多孔質フィルムとして多孔質ポリプロピレンフィルム(厚さ35μm、東洋紡(株)製、商品名:トヨパールSS P4255)を用意した。次に、RCペーパーに、下記組成の接着剤をグラビアコーターにより塗工し、乾燥後塗布量が5g/mになるように接着層を形成し、ドライラミネート方式で多孔質ポリプロピレンフィルムを貼り合わせて、積層させた。
接着層用塗工液の組成
・水酸基含有のオリゴマー(三井化学ポリウレタン(株)製、商品名:タケラックA−969V) 45質量部
・イソシアネート基を有するウレタンオリゴマー(三井化学ポリウレタン(株)製、商品名:タケネートA−51) 15質量部
・酢酸エチル 45質量部
【0074】
続いて、該多孔質ポリプロピレンフィルムの上に、下記組成の受容層用塗布液を乾燥時の厚みが3μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、110℃で1分乾燥させて、受容層を形成して、熱転写受像シート1(層構成:基材/多孔質フィルム層/受容層)を得た。この熱転写受像シートは、図2に示されるような層構成を有していた。
受容層用塗布液1の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系樹脂) 90質量部
・離型剤(変性シリコーンオイル、信越化学工業(株)製、商品名:X−22−3000T) 10質量部
なお、受容層塗布液1は、上記のバインダー樹脂と離型剤をメチルエチルケトンに溶解させた、溶剤系塗布液である。
【0075】
実施例2
基材としてRCペーパー(三菱製紙(株)製)を用い、下記組成の、断熱層用塗布液1−2(下層用)、断熱層用塗布液1−1(上層用)、プライマー層用塗布液1、および受容層用塗布液2を40℃にそれぞれ加熱し、スライドコーティングを用いて、乾燥時の厚みがそれぞれ2μm、12μm、3.5μm、3μmとなるように塗布し、5℃にて30秒間冷却した後、50℃にて2分間乾燥し、熱転写受像シート1(層構成:基材/断熱層(下層)/断熱層(上層)/プライマー層/受容層)を得た。この熱転写受像シートは、図1に示されるような層構成を有していた。
断熱層用塗布液1−2(下層用)の組成
・中空粒子(日本ゼオン(株)製、商品名:MH5055、体積平均粒径0.5μm)
60質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:RR) 20質量部
・バインダー樹脂(MBR樹脂、DIC(株)製、商品名:DM820) 20質量部
断熱層用塗布液1−1(上層用)の組成
・中空粒子(日本ゼオン(株)製、商品名:MH5055、体積平均粒径0.5μm)
70質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:RR) 25質量部
・バインダー樹脂(水性ポリウレタン樹脂、DIC(株)製、商品名:AP40)
5質量部
プライマー層用塗布液1の組成
・中空粒子(架橋中空粒子、JSR(株)製、商品名:SX866、体積平均粒径0.1μm、空隙率30%) 70質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:RR) 15質量部
・バインダー樹脂(メタクリル酸エステル・アクリル共重合体、新中村化学(株)製、商品名:NKJ300) 15質量部
受容層用塗布液2の組成
・バインダー樹脂(塩素化ポリ塩化ビニル系樹脂) 90質量部
・離型剤(変性シリコーンオイル、信越化学工業(株)製、商品名:X−22−3000T) 10質量部
【0076】
なお、受容層用塗布液2は、上記のバインダー樹脂と離型剤を、以下のように分散させて調製した、水系分散塗布液である。まず、下記の組成となるように、水系溶液1および溶剤系溶液1を調製した。この水系溶液1と溶剤系溶液1とを、混合・撹拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、上記のバインダー樹脂と離型剤を水溶液中に乳化させ、その後、有機溶媒を除去して、水系分散塗布液を調製した。調製した水系分散塗布液の固形分量は、16%であった。この水系分散塗布液を受容層用塗布液として用いた。
水系溶液1の組成
・トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸Na塩(分散剤、固形分100%)5質量部
・アデカプルロニックF−108(分散剤、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ADEKA(株)製、固形分100%) 5質量部
・純水 600質量部
溶剤系溶液1の組成
・バインダー樹脂(塩素化ポリ塩化ビニル系樹脂) 90質量部
・離型剤(変性シリコーンオイル、信越化学工業(株)製、商品名:X−22−3000T) 10質量部
・酢酸エチル(シリコーン離型剤溶解用溶剤) 600質量部
【0077】
実施例3
熱転写受像シート3の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様に受容層用塗布液(溶剤系塗布液、溶媒:メチルエチルケトン)を調製して、熱転写受像シート3を作製した。
受容層用塗布液3の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系樹脂) 90質量部
・離型剤(変性シリコーンオイル、信越化学工業(株)製、商品名:X−22−3000T) 10質量部
【0078】
実施例4
熱転写受像シート4の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様に受容層用塗布液(溶剤系塗布液、溶媒:メチルエチルケトン)を調製して、熱転写受像シート4を作製した。
受容層用塗布液4の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系樹脂) 90質量部
・離型剤(変性シリコーンオイル、信越化学工業(株)製、商品名:X−22−3000T) 10質量部
【0079】
実施例5
熱転写受像シート5の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様に受容層用塗布液(溶剤系塗布液、溶媒:メチルエチルケトン)を調製して、熱転写受像シート5を作製した。
受容層用塗布液5の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系樹脂) 90質量部
・離型剤(変性シリコーンオイル、信越化学工業(株)製、商品名:X−22−3000T) 10質量部
【0080】
比較例1
熱転写受像シート6の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様に受容層用塗布液(溶剤系塗布液、溶媒:メチルエチルケトン)を調製して、熱転写受像シート6を作製した。
受容層用塗布液6の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系樹脂) 90質量部
・離型剤(変性シリコーンオイル、信越化学工業(株)製、商品名:X−22−3000T) 10質量部
【0081】
比較例2
熱転写受像シート7の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様に受容層用塗布液(溶剤系塗布液、溶媒:メチルエチルケトン)を調製して、熱転写受像シート7を作製した。
受容層用塗布液7の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系樹脂) 90質量部
・離型剤(変性シリコーンオイル、信越化学工業(株)製、商品名:X−22−3000T) 10質量部
【0082】
比較例3
熱転写受像シート8の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様に受容層用塗布液(溶剤系塗布液、溶媒:メチルエチルケトン)を調製して、熱転写受像シート8を作製した。
受容層用塗布液8の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系樹脂) 90質量部
・離型剤(変性シリコーンオイル、信越化学工業(株)製、商品名:X−22−3000T) 10質量部
【0083】
比較例4
熱転写受像シート9の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様に受容層用塗布液(溶剤系塗布液、溶媒:メチルエチルケトン)を調製して、熱転写受像シート9を作製した。
受容層用塗布液9の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系樹脂) 90質量部
・離型剤(変性シリコーンオイル、信越化学工業(株)製、商品名:X−22−3000T) 10質量部
【0084】
上記の実施例および比較例で用いたバインダー樹脂の詳細を表1に示す。
【表1】

【0085】
熱転写受像シートの評価
上記で作製した熱転写受像シート1〜9について、(1)離型性評価および(2)耐こげ性評価を行った。
【0086】
(1)離型性評価
上記で作製した熱転写受像シートに、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS(株)製、型式:MEGAPIXELIII)、および該プリンターの純正インクリボンを、高温高湿環境下(35度80%RH)に結露なきよう3時間放置後、その環境下において黒ベタ画像を印画して(印画速度:2.0msec/line)、その際に発生する剥離音を官能評価した。
評価基準
5:剥離音が聞こえなかった。
4:3色目印画時にほんのわずかに剥離音が聞こえたが、実用上問題ない程度であった。
3:3色目印画時に大きな剥離音が聞こえ、実用上やや問題があった。
2:1色目、2色目印画時に剥離音が聞こえた。
1:印画できなかった。
【0087】
(2)耐こげ性評価
上記で作製した熱転写受像シート、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS(株)製、型式:MEGAPIXELIII)、および前記プリンターの純正インクリボンを、高温高湿環境下(40度85%など)に結露なきよう3時間放置(なじませ)後、その環境下において黒ベタ画像を印画して(印画速度:2.0msec/line)、こげレベルを目視にて評価した。なお、本発明において、「こげ」とは、受像紙表面の荒れや凹凸により、画像濃度にムラができることをいう。特に、黒ベタ画像においては顕著に確認される。
評価基準
5:黒ベタ印画物に濃度ムラが発生しなかった。
4:黒ベタ印画物の印画領域全体の20%未満の面積で濃度ムラが発生した。
3:黒ベタ印画物の印画領域全体の20%以上50%未満の面積で濃度ムラが発生した。
2:黒ベタ印画物の印画領域全体の50%以上75%未満の面積で濃度ムラが発生した。
1:黒ベタ印画物の印画領域全体の75%以上の面積で濃度ムラが発生した。
【0088】
上記の各評価の結果を表2に示す。本発明の組成を満たす実施例1〜5の熱転写受像シートは、比較例1〜4の熱転写受像シートと比較して、熱転写受像シートの離型性および耐こげ性等の各種性能を改善できたことがわかる。
【表2】

【符号の説明】
【0089】
10 熱転写受像シート
11 基材
12 断熱層(下層)
13 断熱層(上層)
14 プライマー層
15 受容層
20 熱転写受像シート
21 基材
22 多孔質フィルム層
23 受容層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材上に、多孔質層と、受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートであって、
前記受容層が、架橋ゲル分率が20%以上である架橋ポリ塩化ビニル系樹脂を含んでなる、熱転写受像シート。
【請求項2】
前記架橋ポリ塩化ビニル系樹脂は、架橋ゲル分率が20〜60%である、請求項1に記載の熱転写受像シート。
【請求項3】
前記架橋ポリ塩化ビニル系樹脂は、JIS K 7367−2により測定されるK値が40以上である、請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
【請求項4】
前記架橋ポリ塩化ビニル系樹脂は、平均重合度が750以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
【請求項5】
前記受容層が、エポキシ変性シリコーンを含む離型剤をさらに含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
【請求項6】
前記受容層が、ゼラチンを実質的に含まない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
【請求項7】
基材と、前記基材上に、多孔質層と、受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートの製造方法であって、
架橋ゲル分率が20%以上である架橋ポリ塩化ビニル系樹脂を含んでなる塗布液を用いて、前記受容層を形成する工程
を含んでなる、熱転写受像シートの製造方法。
【請求項8】
前記架橋ポリ塩化ビニル系樹脂は、架橋ゲル分率が20〜60%である、請求項7に記載の熱転写受像シートの製造方法。
【請求項9】
前記架橋ポリ塩化ビニル系樹脂は、JIS K 7367−2により測定されるK値が40以上である、請求項7または8に記載の熱転写受像シートの製造方法。
【請求項10】
前記架橋ポリ塩化ビニル系樹脂は、平均重合度が750以上である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
【請求項11】
前記塗布液が、エポキシ変性シリコーンを含む離型剤をさらに含んでなる、請求項7〜10のいずれか一項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
【請求項12】
前記塗布液が、ゼラチンを実質的に含まない、請求項7〜11のいずれか一項に記載の熱転写受像シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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