説明

熱転写受像シート

【課題】 熱転写受像シートにおける裏面層として、プリンターでの搬送性、耐ブロッキング性等の機能をもち、裏面層に設けられたマーク部分が、受容層面と重ね合わせた後に、マークが受容層へ転移したり、受容層の転写感度の低下等の悪影響をもらすことがない熱転写受像シートを提供することを目的とする。
【解決手段】 基材シートの一方の面に染料受容層を設け、該基材シートの他方の面にフィラーを含有する裏面層を設けた熱転写受像シートにおいて、該裏面層の上に、エポキシアクリレートオリゴマーからなる電離放射線硬化型インキにより印刷されて形成されたマークを有することを特徴とするものであり、電離放射線硬化型インキが硬化することにより、上記課題を解決できた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱転写受像シートに関し、特に熱転写受像シートにおける裏面層として、プリンターでの搬送性、耐ブロッキング性等の機能をもち、裏面層に設けられたマーク部分が、受容層面と重ね合わせた後に、マークが受容層へ転移したり、受容層の転写感度の低下等の悪影響をもらすことがない熱転写受像シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の熱転写記録方式の中で、感熱昇華型転写方式と感熱溶融型転写方式が広く用いられている。このうち、感熱昇華型転写方式は、昇華性染料を色材とし、それを画像情報に応じて発熱制御されるサーマルヘッドなどの加熱デバイスを用いて、熱転写シート上に形成された昇華性染料層中の染料を熱転写受像シートに移行させて画像を形成するものである。
【0003】
この感熱昇華型転写方式によれば、極めて短時間の加熱によってドット単位で染料の移行量を制御することができる。また、色材が染料であることから透明性にも優れており、形成された画像は、非常に鮮明であると同時に、中間調の再現性や階調性に優れているため、極めて高精細な画像が得られ、フルカラーの銀塩写真にも匹敵する高品質の画像を得ることができる。
【0004】
このような感熱昇華型転写方式に用いられる昇華転写用の熱転写受像シート(以下、受像シートと言う)としては、一般的に基材シート上に色材受容層を形成したものが用いられている。この受像シートには、濃度ムラやドット抜けがなく、高濃度、高解像度の画像が得られることが要求される。この熱転写受像シートを使用して画像記録を行う場合に、熱転写プリンターにおける紙詰まりや多重送り等のトラブルを防止するために、例えば、特許文献1では、熱転写受像シートの裏面層を、反応性官能基を有する熱可塑性樹脂と、イソシアネート化合物またはキレート化合物と、充填剤や離型剤を添加して構成した裏面層を設けた熱転写受像シートが記載されている。また、特許文献2には、固着剤とナイロンフィラーを主成分とした裏面層を設けた熱転写受像シートが提案されている。
【0005】
また上記の熱転写方式において、現在、用いられている熱転写プリンターは、自動給紙により熱転写受像シートをプリンター内部の熱転写部まで搬送し、印画後、自動的に排紙するタイプが主流である。また、3色或いは4色等の多数回の重ね印画を行なうため、各色の転写される位置ずれが生じないように、熱転写受像シートの受像面の反対側の裏面層に、検知マークを設けて、その検知マークを読み取ることで、熱転写受像シートの印画する位置を制御することが、一般的に行なわれている。
【0006】
例えば、特許文献3には、熱転写受像シートに、溶剤を用いて調整されたインキを用いて、グラビア印刷により、マークを形成することが示されている。このように熱転写受像シートの検知マークは、色材を溶剤に溶解ないし分散させたインキを用いて、印刷形成することが一般的に行われている。しかし、裏面側に設けた検知マークを有する熱転写受像シートが、巻取り状、あるいは枚葉状の多数枚で保管中に、検知マークと染料受容層面とが接触し、受容層面に検知マークが転移したり、また検知マークの成分により、受容層の染料に対する転写感度を低下させる問題が生じている。これらの問題は、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を提供する熱転写受像シートにとっては、重大な問題である。
【0007】
【特許文献1】特開平7−89246号公報
【特許文献2】特開平7−101163号公報
【特許文献3】特開平6−210969号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、熱転写受像シートにおける裏面層として、プリンターでの搬送性、耐ブロッキング性等の機能をもち、裏面層に設けられたマーク部分が、受容層面と重ね合わせた後に、マークが受容層へ転移したり、受容層の転写感度の低下等の悪影響をもらすことがない熱転写受像シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の熱転写受像シートは、請求項1として、基材シートの一方の面に染料受容層を設け、該基材シートの他方の面にフィラーを含有する裏面層を設けた熱転写受像シートにおいて、該裏面層の上に、エポキシアクリレートオリゴマーからなる電離放射線硬化型インキにより印刷されて形成されたマークを有することを特徴とするものであり、裏面層のプリンターでの搬送性、耐ブロッキング性等の機能をもち、上記の電離放射線硬化型インキが硬化することにより、マーク部分が、受容層面と重ね合わせた後に、マークが受容層へ転移したり、受容層の転写感度の低下等の悪影響を防止できる。
【0010】
また、請求項2として、前記の電離放射線硬化型インキに、更に単官能アクリルモノマー及び/又は多官能アクリルモノマーを含有していることを特徴とするものである。請求項3として、前記の単官能アクリルモノマーがアクリロイルモルホリンであることを特徴とするものである。このように、エポキシアクリレートオリゴマーからなる電離放射線硬化型インキに、上記の特定したアクリルモノマーを加えることにより、表面が凹凸の形状である裏面層に対し、マークの接着性が高く、また硬化後に接触面の受容層に対し、転写感度の低下等が生じにくい。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明の熱転写受像シートは、裏面層として、プリンターでの搬送性、耐ブロッキング性等の機能をもち、かつ裏面層に設けられたマーク部分が、受容層面と重ね合わせた後に、マークが受容層へ転移したり、受容層の転写感度の低下等の悪影響を防止することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明の熱転写受像シート1の一つの実施形態を示す概略断面図であり、基材シート2の一方の面に、染料受容層3を設け、基材シート2の他方の面にフィラーを含有する裏面層4が設けられ、その裏面層4の上に、マーク5が、一定のパターンで形成されている。
【0013】
以下、本発明の熱転写受像シートを構成する各層について、詳細に説明する。
(基材シート)
本発明で使用する基材シート2としては、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打ち用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等のセルロース繊維紙、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリレート等の各種のプラスチックフィルムまたはシート等が使用でき、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルム、あるいは基材内部に微細空隙(ミクロボイド)を有するフィルム等も使用でき、特に限定されない。また、上記基材シートの任意の組合せによる積層体も使用できる。
【0014】
代表的な積層体の例としては、セルロース繊維紙と合成紙、あるいはセルロース繊維紙とプラスチックフィルム又はシートとの積層体が挙げられる。これらの基材シートの厚みは任意でよく、例えば、10〜300μm程度の厚みが一般的である。上記の如き基材シートは、その表面に形成する染料受容層との密着力が乏しい場合には、その表面にプライマー処理、コロナ放電処理あるいはプラズマ処理等の易接着処理を施すのが好ましい。
【0015】
(染料受容層)
本発明における熱転写受像シートにおける染料受容層3は、熱転写シートから移行してくる昇華染料を受容し、形成された画像を維持する為のものである。受容層を形成する為の樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0016】
本発明の熱転写受像シートは、熱転写シートとの離型性を向上させるために受容層中に離型剤を含有することができる。離型剤としてはポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素系またはリン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル、反応性シリコーンオイル、硬化型シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイル、各種シリコーン樹脂などが挙げられるが、シリコーンオイルが好ましい。上記シリコーンオイルとしては油状のものも用いることができるが、硬化型のものが好ましい。硬化型シリコーンオイルとしては反応硬化型、光硬化型、触媒硬化型等が挙げられるが、反応硬化型、触媒硬化型のシリコーンオイルが特に好ましい。
【0017】
反応型シリコーンオイルとしては、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコーンオイルとを反応硬化させたものが好ましく、アミノ変性シリコーンオイルとしては、KF−393、KF−857、KF−858、X−22−3680、X−22−3801C(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられ、エポキシ変性シリコーンオイルとしてはKF−100T、KF−101、KF−60−164、KF−103(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。触媒硬化型シリコーンオイルとしてはKS−705、FKS−770、X−22−1212(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
【0018】
これら硬化型シリコーンオイルの添加量は受容層を構成する樹脂の0.5〜30質量%が好ましい。また、受容層の表面の一部に上記離型剤を適当な溶媒に溶解あるいは分散させて塗布した後、乾燥させることにより離型剤層を設けることもできる。離型剤層を構成する離型剤としては前記したアミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコーンオイルとの反応硬化物が特に好ましく、離型剤層の厚さは、0.01〜5.0μm、特に0.05〜2.0μmが好ましい。なお、受容層を形成する際にシリコーンオイルを添加して形成すると、塗布後に表面にブリードアウトしたシリコーンオイルを硬化させても離型剤層を形成することができる。なお、上記受容層の形成に際しては、受容層の白色度を向上させて転写画像の鮮明度を更に高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等の顔料や充填剤を添加することができる。また、フタル酸エステル化合物、セバシン酸エステル化合物、リン酸エステル化合物等の可塑剤を添加するのもよい。
【0019】
本発明の熱転写受像シートは、前記の基材シートの少なくとも一方の面に上記の如き熱可塑性樹脂及び他の必要な添加剤、例えば、離型剤、可塑剤、充填剤、架橋剤、硬化剤、触媒、熱離型剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等を加えたものを、適当な有機溶剤に溶解したり或いは有機溶剤や水に分散した分散体を、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗布及び乾燥して染料受容層を形成することによって得られる。このように形成される染料受容層の塗布量は、通常、乾燥状態で0.5〜50g/m2程度、好ましくは2〜10g/m2である。また、このような染料受容層は連続被覆であることが好ましいが、不連続の被覆として形成してもよい。
【0020】
(中間層)
染料受容層と基材シートの間には、染料受容層と基材シートとの接着性、白色度、クッション性、隠蔽性、帯電防止性、カール防止性等の付与を目的とし、従来公知のあらゆる中間層を設けることができる。中間層に用いるバインダー樹脂としてはポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられ、これらの樹脂のうちの活性水酸基を有するものについてはさらにそれらのイソシアネート硬化物をバインダーとすることもできる。
【0021】
また、白色性、隠蔽性を付与する為に酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のフィラーを添加することが好ましい。さらに、白色性を高める為にスチルベン系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物等を蛍光増白剤として添加したり、印画物の耐光性を高める為にヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等を紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤として添加したり、あるいは帯電防止性を付与する為にカチオン系アクリル樹脂、ポリアニリン樹脂、各種導電性フィラー等を添加することができる。中間層の塗工量は、乾燥状態で0.5〜30g/m2程度が好ましい。
【0022】
(裏面層)
本発明の熱転写受像シートは、基材シートの一方の面に染料受容層を設け、該基材シートの他方の面に、裏面層4を形成している。この裏面層は、熱転写の際のサーマルヘッドの熱による受像シートのカールを防止し、重ねた場合の耐ブロッキング性及びプリンターでの搬送性等の滑り性を向上させること、更に、印画面と裏面を重ねて保存した時に、印画面の染料の移行による裏面の汚染を防止し、また印画前の受容層面と、裏面とを重ねて保存した後に、受容層の転写感度の低下を防止する等のために設ける。裏面層は、染料染着性の低い樹脂を固着剤とし、これに有機フィラーや無機フィラーを含有させて、形成される。
【0023】
上記の固着剤、即ち、染料染着性の低い樹脂として、具体的には、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール(PVA)、酢酸セルロース樹脂などが挙げられる。この他、ポリビニルブチラール、メラミン、セルロース、アクリル系樹脂等をキレート、イソシアネート、放射線照射等の手段で硬化させた硬化性樹脂なども好ましい。
【0024】
裏面層におけるフィラーは、プリンター内での熱転写受像シートの搬送性が向上し、また、ブロッキング防止等の効果がある。上記有機フィラーとしては、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックス等が挙げられる。なかでも、ポリアミド系フィラーが好ましく、耐水性に優れる点で、ナイロン12フィラーがより好ましい。それは、ナイロン6やナイロン66と比較してナイロン12フィラーが耐水性に優れ、吸水による特性変化もないためである。また、無機フィラーとしては、二酸化ケイ素、金属酸化物等が挙げられる。上記の有機フィラー及び無機フィラーは、いずれのフィラーにおいても、粒径は、平均粒径で0.01〜30μmである。その粒子径が小さすぎると、フィラーが裏面層中に隠れてしまい、充分な滑り性の機能を果たさず、また、粒子径が大きすぎると、裏面層からの突出が大きくなり、結果的に摩擦係数を高めたり、フィラーの欠落を生じてしまうため好ましくない。但し、上記のフィラーは、粒径の異なるものを混合して使用することもできる。
【0025】
上記の裏面層におけるフィラーの配合比率は、0.01〜200質量%であることが好ましい。上記配合比率が0.01質量%未満の場合には、滑り性が不充分となり、プリンターの給紙時等において紙詰まり等の支障をきたす傾向が生じる。また、200質量%を越える場合には、滑りすぎて印画に色ずれなどが生じやすくなることがあるので、好ましくない。 裏面層の形成方法は、通常は、固着剤樹脂にフィラーを前記の適性範囲で加え、更に必要に応じて、必要な添加剤を加えたものを有機溶剤に溶解したり、或いは、有機溶剤や水に分散して塗布液を作成し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ダイコート法等で塗布、乾燥して形成する。形成する裏面層の厚さは、乾燥状態で1〜50g/m2程度が一般的である。
【0026】
(マーク)
本発明の熱転写受像シートでは、基材シートに裏面層を設け、該裏面層の上に、エポキシアクリレートオリゴマーからなる電離放射線硬化型インキにより、マーク5が印刷、形成されている。その電離放射線硬化型インキは、電離放射線硬化型樹脂と、着色剤と、添加剤から構成され、溶媒として溶剤を用いていないもので、無溶剤タイプのインキである。その電離放射線硬化型樹脂としては、電離放射線硬化型樹脂の予備重合物である液状樹脂(プレポリマー、オリゴマー)は、モノマーや、反応性希釈剤、光重合開始剤等が添加され、電離放射線が照射されて、流動性のある柔らかい状態から三次元網目を形成して、硬化し、硬いプラスチック状態になる。
【0027】
その電離放射線硬化型インキとして、オリゴマーには、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレートなどが挙げられるが、特にエポキシアクリレートが反応性が良く、好ましく用いられる。マーク形成用の電離放射線硬化型インキは、そのインキ全体を100質量%として、上記オリゴマーのエポキシアクリレートを15〜25質量%で使用することが、好ましい。また単官能モノマーとして、アクリロイルモルホリンを20〜30質量%、多官能モノマーを2〜8質量%添加しておくことが好ましい。
【0028】
上記のオリゴマーのエポキシアクリレートの含有割合が少なすぎると、マーク形成用インキとして、裏面層との接着性が低下しやすくなる。また、一方で、エポキシアクリレートの含有割合が多すぎると、相対的に着色剤の含有割合が低下し、マークの色濃度が低下してしまう。単官能モノマーのアクリロイルモルホリンの含有割合が少なすぎると、硬化における反応性が低下し、またインキの分散性や均一性が低下しやすい。それに対し、そのアクリロイルモルホリンの含有割合が多すぎると、マーク部分が、受容層面と重ね合わせた後に、マークが受容層へ転移したり、受容層の転写感度の低下等の支障が生じやすい。さらに、多官能モノマーの含有割合が少なすぎると、硬化における反応性が低下しやすい。それに対し、その多官能モノマーの含有割合が多すぎると、マーク部分が、受容層面と重ね合わせた後に、マークが受容層へ転移したり、受容層の転写感度の低下等の支障が生じやすい。
【0029】
電離放射線硬化型インキにおけるモノマーは、単官能モノマーとして、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等のモノマーが挙げられるが、反応性と希釈効果に優れたアクリロイルモルホリンが好ましく用いられる。また多官能モノマーとして、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、6官能であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが、特に反応性が高く、好ましく用いられる。そして、上記のモノマーは、異なる種類を組み合わせて、配合量を調整して、使用することができる。特に、上記の単官能モノマーのアクリロイルモルホリンと、6官能モノマーのジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを組み合わせて使用することにより、インキの分散性に優れ、またマークの受容層への転移、受容層の転写感度の低下等を防止することが有効にでき、好ましい。
【0030】
また、スチレン−アクリル共重合体のポリマーを電離放射線硬化型インキ100質量%に対し、15〜20質量%で含有させることにより、裏面層との密着性が向上する。但し、スチレン−アクリル共重合体のポリマーは、1,6ヘキサンジオールジアクリレート等のアクリレート系モノマーに溶解させたものを、エポキシアクリレートオリゴマーのインキに加えるものである。上記のポリマーの含有割合が少なすぎると、裏面層との密着性が低下する。また一方で、上記のポリマーの含有割合が多すぎると、マーク部分が、受容層面と重ね合わせた後に、マークが受容層へ転移したり、受容層の転写感度の低下等の支障が生じやすい。
【0031】
また、電離放射線硬化型インキは、インキの全体を100質量%として、着色剤を10〜20質量%、光重合開始剤を10〜15質量%の割合で使用することが好ましい。着色剤の含有割合が少なすぎると、マークのセンサーへの検出がしにくくなったり、視認性が劣ってくる。また一方で、着色剤の含有割合が多すぎると、マークが受容層へ転移しやすくなってくる。光重合開始剤の含有割合が少なすぎると、電離放射線硬化の反応性が低下し、硬化が十分でなくなってくる。また、光重合開始剤の含有割合が多すぎると、他の成分の含有割合が低下し、マークが受容層へ転移したり、受容層の転写感度の低下等の支障が生じやすい。
【0032】
上記の着色剤としては、有機顔料及び/または無機顔料等の種々のものが使用できる。具体的には、酸化チタン、亜鉛華、鉛白、リトボン及び酸化アンチモン等の白色顔料、アニリンブラック、鉄黒及びカーボンブラック等の黒色顔料、黄鉛、黄色酸化鉄、ハンザイエロー、チタンイエロー、ベンジンイエロー及びパーマネントイエロー等の黄色顔料、クロームバーミロオン、パーマネントオレンジ、バルカンファーストオレンジ及びインダンスレンブリリアントオレンジ等の橙色顔料、酸化鉄、パーマネントブラウン及びパラブラウン等の褐色顔料、ベンガラ、カドミウムレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、チオインジゴレッド、PVカーミン、モノライトファーストレッド及びキナクリドン系赤色顔料等の赤色顔料、コバルト紫、マンガン紫、ファーストバイオレット、メチルバイオレットレーキ、インダンスレンブリリアントバイオレット、ジオキサジンバイオレット等の紫色顔料、群青、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、銅フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー及びインジゴ等の青色顔料、クロムグリーン、酸化クロム、エメラルドグリーン、ナフトールグリーン、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン及びポリクロルブロム銅フタロシアニン等の緑色顔料の他、各種螢光顔料、金属粉顔料、体質顔料等が挙げられる。
【0033】
上記の光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−エチレンフェニル)プロパン−1−オン]、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ビス[4,4’−(1−オキソ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルフェニル)]メタン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロピルフェニル)プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン類、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−1−モルフォリノプロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン等のα−アミノアルキルフェノン類、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類等が挙げられる
【0034】
本発明で使用する電離放射線硬化型インキには、上記の中でも、特に2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノンを変性した、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1[4−(4−モルホルニル)フェニル]−1−ブタノンが、光重合開始剤として性能が優れ、好ましく用いられる。上記のように、本発明で使用するマーク形成用インキである電離放射線硬化型インキは、配合されたインキの全体を100質量%として、オリゴマーのエポキシアクリレートを15〜25質量%、スチレン−アクリル共重合体をアクリレート系モノマーで硬化させたポリマーを15〜20質量%、単官能モノマーのアクリロイルモルホリンを20〜30質量%、多官能モノマーを2〜8質量%で含有することが好ましく、また着色剤を10〜20質量%、光重合開始剤を10〜15質量%の割合で、さらに、その他添加剤を5質量%以内で、配合して用いることが好ましい。上記の添加剤としては、例えば、顔料分散剤、各種ワックス類、シリカ等の微粒子等が挙げられる。
【0035】
上記に説明した電離放射線硬化型インキは、印刷によりマークを形成するためのものであるが、マークとしては、プリンターのセンサーで検出可能な検知マークだけでなく、会社、学校、団体等のマーク、ロゴ、商標等の画像情報や、会社名、学校名、団体名等の文字情報も、本発明では「マーク」として意味するものである。このマークを印刷、形成するためのインキは、無溶剤タイプの電離放射線硬化型インキであるが、インキ溶媒として溶剤を用いていないタイプである。この無溶剤タイプのインキは、溶剤の蒸発、乾燥のための排気装置を設置する必要がなく、また大気汚染等の環境汚染への影響もなく、非常に有用なものである。
【0036】
上記に説明した電離放射線硬化型樹脂の予備重合物である液状樹脂(プレポリマー、オリゴマー)、モノマー、反応性希釈剤、光重合開始剤等からなる電離放射線硬化型樹脂と、着色剤と、添加剤から構成された電離放射線硬化型インキを用いて、例えば、フレキソ印刷、グラビア印刷、凸版印刷等の方式で、熱転写受像シートの裏面層の上に、マークとして印刷され、電離放射線を照射して、マーク印刷部のインキを硬化させる。印刷方式として、上記の中でも、特にフレキソ印刷が、簡便な装置により、比較的、鮮明な印刷品質を確保しやすく、好ましい。上記のようなマークは、塗工量が、固形分で0.5〜5.0g/m2程度で、印刷、形成される。
【0037】
上記のフレキソ印刷方式で、マーク印刷し、そのマーク印刷部を硬化させるフレキソ印刷機の概略図を図2に示す。フレキソ印刷機20は、インキつぼ10と、供給ローラー12と、アニロックスローラー13と、ドクター14と、版胴15と、フレキソ版(刷版、凸版)16と、圧胴17、クーリングローラー18、紫外線照射装置19等とを備える。インキつぼ10内の電離放射線硬化型インキ11は、供給ローラー12によって、微小のセル(網目状の凹部)を表面に有するアニロックスローラー13に供給され、表面の過剰インキをドクター14でかきとった後に、版胴15に巻き付けられたフレキソ版16を介して、版胴15と圧胴17とに挟まれた熱転写受像シート1の裏面側に転移される。
【0038】
その電離放射線硬化型インキ11が転移された熱転写受像シート1が搬送されて、クーリングローラー18と熱転写受像シート1の受容層側とが接触しながら、熱転写受像シート1の裏面側に転移した電離放射線硬化型インキ11に対し、紫外線照射装置19から紫外線を照射して、印刷部のマークを硬化させている。
【0039】
上記の電離放射線としては、電磁波が有する量子エネルギーで区分する場合もあるが、本発明では、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線を包含するものとする。したがって、電離放射線としては、紫外線(UV)、可視光線、ガンマー線、X線、または電子線などが適用できるが、紫外線(UV)が好適である。電離放射線で硬化する電離放射線硬化型樹脂は、紫外線硬化の場合は光重合開始剤を添加し、エネルギーの高い電子線硬化の場合は添加しないで良く、また、適正な触媒が存在すれば、熱エネルギーでも硬化できる。
【実施例】
【0040】
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部又は%は質量基準である。
(実施例1)
基材シートは、紙芯材としてコート紙の坪量129g/m2(厚さ130μm)を用い、該紙芯材の受容層側に、厚さ35μmのミクロボイドを有するポリエチレンテレフタレートフィルムを、また紙芯材の裏面側に、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、下記組成の接着層用塗工液で、両側とも塗工量5g/m2(乾燥後)で、貼合したものを使用した。
(接着層用塗工液組成)
ウレタン系樹脂(タケラックA969V、三井化学ポリウレタン(株)製) 30部
イソシアネート化合物(タケネートA5、三井化学ポリウレタン(株)製) 10部
酢酸エチル 120部
【0041】
上記基材シートのミクロボイドを有するポリエチレンテレフタレートフィルム上に、下記組成の中間層塗工液をワイヤーバーコーティングにより、乾燥塗布量が2.0g/m2になるように塗布、乾燥して、中間層を形成した。その中間層の上に、下記組成の染料受容層塗工液をワイヤーバーコーティングにより、乾燥塗布量が4.0g/m2になるように塗布、乾燥して、染料受容層を形成した。
(中間層用塗工液組成)
ポリエステル樹脂(バイロナールMD−1480、東洋紡績(株)製) 10部
ケイ酸塩(ラポナイトJS、ウィルバー・エリス(株)製) 10部
濡れ性改善剤(サーフィノール104、日信化学工業(株)製) 0.5部
水 79.5部
【0042】
(染料受容層用塗工液組成)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ソルバインC、日信化学工業(株)製) 60部
エポキシ変性シリコーン(X−22−3000T、信越化学工業(株)製) 1.2部
メチルスチル変性シリコーン(24−510、信越化学工業(株)製) 0.6部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 5部
【0043】
上記の中間層、染料受容層の形成された基材シートの他方の面に、下記組成のプライマー層塗工液をワイヤーバーコーティングにより、乾燥塗布量が1.5g/m2になるように塗布、乾燥して、プライマー層を形成し、さらにプライマー層の上に、下記組成の裏面層塗工液をワイヤーバーコーティングにより、乾燥塗布量が2.0g/m2になるように塗布、乾燥して、裏面層を形成した。
【0044】
(プライマー層用塗工液組成)
ポリウレタン(N5199、日本ポリウレタン工業(株)製) 50部
酸化チタン(TCA−888、トーケムプロダクツ(株)製) 50部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 400部
【0045】
(裏面層用塗工液組成)
ポリビニルブチラール(#5000A、電気化学工業(株)製) 30部
マイクロシリカ(サイリシア730、富士シリシア(株)製) 60部
マイクロシリカ(サイリシア310、富士シリシア(株)製) 30部
キレート化剤 5部
(オルガチックスTC−750、マツモトファインケミカル(株)製)
ナイロンフィラー(MW−330、神東塗料(株)製) 5部
イソプロピルアルコール/トルエン(質量比1/1) 500部
【0046】
さらに、その裏面層の上に、表1に示す組成であるマークインキ1を用いて、図1に示すような位置に検知マークを、フレキソ印刷により、固形分2.5g/m2になるように印刷形成した。但し、UVランプ(180W/cm)による照射を、フレキソ印刷スピードに合わせて100m/minで、印刷直後、搬送しながら、積算光量35mj/cm2で行ない、マークを硬化させ、実施例1の熱転写受像シートを作製した。
【0047】
(実施例2)
実施例1で作製した熱転写受像シートのマークインキを、表1に示す組成のマークインキ2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写受像シートを作製した。
【0048】
(実施例3)
実施例1で作製した熱転写受像シートのマークインキを、表1に示す組成のマークインキ3に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写受像シートを作製した。
【0049】
(比較例1)
実施例1で作製した熱転写受像シートのマークインキを、表1に示す組成のマークインキ4に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを作製した。
【0050】
【表1】

【0051】
<耐ブロッキング性>
上記の作製した実施例及び比較例の熱転写受像シートについて、同じ実施例、比較例で作製した熱転写受像シート同士を用いて、熱転写受像シートの裏面側と、もう一方の熱転写受像シートの染料受容層側とを対向させて、重ね合わせたものを、厚さ150μmの合成紙(ユポコーポレーション製、ユポFPG#150)にて挟持した状態で、10kg/105mm×148mmの荷重をかけて、60℃のオーブンに48時間放置後、重ね合わせていた受容層面と裏面を剥がして、まず、受容層面にマークが転移していないかどうかを目視にて観察し、下記の評価基準にて、耐ブロッキング性を調べた。但し、上記の荷重後、印画における転写感度の変化を、キヤノン(株)製熱転写プリンターCP500により、熱転写プリンターCP500専用熱転写シートと組み合わせて、イエロー、マゼンタ、シアンの3色重ねの黒(階調値レッド227、グリーン227、ブルー227)のベタパターンを印画して、合わせて評価した。
【0052】
○;マークが受容層面に転移していなく、ブロッキングが生じていない。また、印画したベタパターン部にムラがなく、転写感度の低下(変化)はない。
×;マークが受容層面に転移して、受容層面が汚染されている。また、印画したベタパターン部にムラが生じていて、転写感度の低下(変化)がある。
【0053】
上記の耐ブロッキング性、転写感度の変化の評価結果を表2に示す。
【表2】

【0054】
尚、上記の評価において、各実施例及び比較例の熱転写受像シートにおいて、裏面層の条件を全て、基材シート/裏面層/離型層/マークの構成から、離型層のみ除いた条件で、同様に評価した結果、表2の結果と変わらなかった。
表2の結果において、実施例1及び2は、電離放射線硬化型インキが、オリゴマーのエポキシアクリレートを15〜25質量%である20質量%含有し、単官能アクリルモノマーのアクリロイルモルホリンを20〜30質量%である25質量%含有し、多官能アクリルモノマーを2〜8質量%である5質量%含有するもので、両方とも裏面層に設けられたマーク部分が、受容層面と重ね合わせた後に、マークが受容層へ転移したり、受容層の転写感度の低下等の悪影響がなく、良好であった。実施例3は、電離放射線硬化型インキが、オリゴマーのエポキシアクリレートを20質量%、ポリエステルアクリレートを10質量%、多官能(3官能)アクリルモノマーを39質量%含有するもので、裏面層に設けられたマーク部分が、受容層面と重ね合わせた後に、マークが受容層へ転移したり、受容層の転写感度の低下等の悪影響がなく、良好であった。
【0055】
それに対し、比較例1では、オリゴマーは全く含有せず、単官能モノマーのアクリロイルモルホリンを12質量%含有し、20〜30質量%より少なく、多官能モノマーは2〜8質量%より多い14質量%含有し、マークが受容層へ転移したり、受容層の転写感度の低下等が生じた。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の熱転写受像シートの一つの実施形態を示す概略断面図である。
【図2】フレキソ印刷方式で、マーク印刷し、そのマーク印刷部を硬化させるフレキソ印刷機の概略図である。
【符号の説明】
【0057】
1 熱転写受像シート
2 基材シート
3 染料受容層
4 裏面層
5 マーク
10 インキつぼ
11 電離放射線硬化型インキ
12 供給ローラー
13 アニロックスローラー
14 ドクター
15 版胴
16 フレキソ版(刷版、凸版)
17 圧胴
18 クーリングローラー
19 紫外線照射装置
20 フレキソ印刷機


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材シートの一方の面に染料受容層を設け、該基材シートの他方の面にフィラーを含有する裏面層を設けた熱転写受像シートにおいて、該裏面層の上に、エポキシアクリレートオリゴマーからなる電離放射線硬化型インキにより印刷されて形成されたマークを有することを特徴とする熱転写受像シート。
【請求項2】
前記の電離放射線硬化型インキに、更に単官能アクリルモノマー及び/又は多官能アクリルモノマーを含有していることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
【請求項3】
前記の単官能アクリルモノマーがアクリロイルモルホリンであることを特徴とする請求項2に記載の熱転写受像シート。

【図1】
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【図2】
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