説明

熱転写記録媒体の製造方法及び熱転写記録媒体

【課題】グラビア印刷に適用可能な低粘度のインキから高粘度のインキまで、様々な粘度のインキを塗布しても、熱転写層のスジ状のムラや膜厚ムラを生じることなく、基材フィルム上に熱転写層を設けること。
【解決手段】連続して走行する基材フィルム(5)の一方の面に、グラビア印刷により熱転写層用塗液を塗布、乾燥して、熱転写層を1又は2以上設けてなる熱転写記録媒体の製造方法において、少なくとも1の熱転写層(2)は、走行方向から順に、2つの領域a(4)及び領域b(3)からなり、前記領域a(4)の走行方向の長さが、1〜7mmであり、前記領域a(4)と前記領域b(3)との間に、走行方向に0.5〜2mmの間隔を設けて熱転写層用塗液を塗布、乾燥することを特徴とする、熱転写記録媒体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱転写記録媒体の製造方法及び熱転写記録媒体に関し、特に、グラビア印刷により広い粘度範囲のインキを基材フィルム上に塗布する場合に、ムラの少ない良好な塗布が可能な熱転写記録媒体の製造方法と、それにより製造される熱転写記録媒体とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、熱転写記録媒体の製造過程において、グラビア印刷により基材上に塗膜を形成する方法が広く用いられてきた。具体的には、基材フィルム上にイエロー層、マゼンタ層、シアン層等の熱転写層を形成する場合、グラビア版を用いて、基材上に各色のインキを面順次に転移させ、イエロー、マゼンタ、シアンのベタパターンを形成する。一般的に、グラビア版による転移方法は、グラビア版の表面にインキを接触させ、グラビア版の表面に凹部(セル)にインキを充填させた後、ドクターブレードにより余分なインキを除去し、搬送される基材フィルムをインプレッションロールにより裏側からグラビア版に押し付け、セルに保持されたインキを基材に転移させる。
【0003】
インキの転移率については、印刷条件、版の表面形状などによって異なるが、35〜65%といわれており、セルに充填されたインキが全て基材上に転移することはほとんどない。これにより、インキが基材に付着した直後、基材上に転移したインキとセル内に残留したインキとが完全に分離しないまま基材フィルムが搬送された場合、ベタパターンの流れ方向にスジ状のムラが生じる。このムラが生じた熱転写層を用いて画像を印画した場合、印画後の画像面に上記ムラが転写されてしまい、鮮明な画像を得ることができない。また、塗布の始端部と塗布の中央部との間に膜厚差が生じ、得られた熱転写記録媒体をロール状に加工した場合、均一に巻き取ることができず、プリンター内の走行性に問題が生じる。
【0004】
このような問題を解決するために、いくつかの方法が提案されている。例えば、特許文献1では、色別にべた印刷されたパターンの印刷開始部及び両側端部の0.5〜5mm巾のインキ転移量が正規の部分の量と比べて、90〜5%の範囲で減少するように印刷することで、該端部を起点として発生する印刷ムラを発生することがなく、これを熱転写シートとして用いたときにみられる印画濃度ムラを防止することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−142527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に提案されている方法で長時間の塗工を行うと、正規の転写層の印刷部分の容積と比べて小さい容積のセルに、インキの半乾燥物に起因すると思われるいわゆる版詰まりの現象が発生し、ベタパターンの流れ方向にスジ状のムラが顕著になった。また、セルのインキ詰まりやそれによって生じるスジ状のムラは、高粘度のインキを用いるとひどくなる傾向があり、高粘度インキを塗布する場合、上記方法は不向きであることがわかった。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑み、グラビア印刷に適用可能な低粘度のインキから高粘度のインキまで、様々な粘度のインキを塗布しても、熱転写層のスジ状のムラや膜厚ムラを生
じることなく、基材フィルム上に熱転写層を設けることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、熱転写層のベタパターンの形状を特定することで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、請求項1に記載の発明は、連続して走行する基材フィルムの一方の面に、グラビア印刷により熱転写層用塗液を塗布、乾燥して、熱転写層を1又は2以上設けてなる熱転写記録媒体の製造方法において、
少なくとも1の熱転写層は、走行方向から順に、2つの領域a及び領域bからなり、
前記領域aの走行方向の長さが、1〜7mmであり、
前記領域aと前記領域bとの間に、走行方向に0.5〜2mmの間隔を設けて熱転写層用塗液を塗布、乾燥することを特徴とする、熱転写記録媒体の製造方法である。
【0010】
また請求項2に記載の発明は、前記領域aの単位面積あたりの塗布量が、前記領域bの単位面積あたりの塗布量に対して、5〜150%であることを特徴とする、請求項1に記載の熱転写記録媒体の製造方法である。
【0011】
また請求項3に記載の発明は、基材フィルムの一方の面に、熱転写層を1又は2以上設けてなる、熱転写記録媒体において、
少なくとも1の熱転写層は、走行方向から順に、2つの領域a及び領域bからなり、
前記領域aの走行方向の長さが、1〜7mmであり、前記領域aと前記領域bとの間に、走行方向に0.5〜2mmの間隔を設けることを特徴とする、熱転写記録媒体である。
【0012】
また請求項4に記載の発明は、前記領域aの単位面積あたりの塗布量が、前記領域bの単位面積あたりの塗布量に対して、5〜150%であることを特徴とする、請求項3に記載の熱転写記録媒体である。
【発明の効果】
【0013】
まず請求項1に記載の発明は、グラビア印刷に適用可能な低粘度のインキから高粘度のインキまで、様々な粘度のインキを塗布しても、熱転写層にスジ状のムラや膜厚ムラを生じさせない効果を奏した。
【0014】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の領域aおよび領域bの単位面積あたりの塗布量を特定範囲に限定することで、より熱転写層にスジ状のムラや膜厚ムラを生じさせない効果を奏した。
【0015】
また請求項3に記載の発明は、印画後の画面上にムラのない鮮明な画像を得ることができると同時に、ロール状に加工して印画した場合、均一に巻き取ることができ、プリンター内の走行性を安定化できるという効果を奏した。
【0016】
また請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の領域aおよび領域bの単位面積あたりの塗布量を特定範囲に限定することで、よりムラのない鮮明な画像を得ることができると同時に、よりプリンター内の走行性を安定化できるという効果を奏した。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の熱転写記録媒体の製造装置の側面模式図である。
【図2】本発明の熱転写記録媒体の一実施形態の上面模式図である。
【図3】本発明の熱転写記録媒体の一実施形態の上面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。図1は、本発明の熱転写記録媒体の製造装置の一例である。インキパン(8)に満たした熱転写層用塗液をグラビア版(7)に接触させ、グラビア版表面のセルに熱転写層用塗液を充填させる。その後、搬送される基材フィルム(5)をインプレッションロール(6)により裏側からグラビア版(7)に押し付け、セルに保持された塗液を基材に転移させることで、熱転写層のベタパターンを形成する。本発明では、図1のように、熱転写層用塗液を塗布し、領域a(4)と領域b(3)とからなる熱転写層(2)を形成する。
【0019】
図2は本発明の熱転写記録媒体の一例である。本発明の熱転写記録媒体は、少なくとも、基材フィルム(5)と熱転写層(2)で構成されている。さらに、熱転写層(2)は領域a(4)及び領域b(3)で構成されている。
【0020】
この領域a及び領域bは、領域aの走行方向の長さが、1〜7mmであり、領域aと領域bとの間に、走行方向に0.5〜2mmの間隔を設けることが好ましい。上記長さの範囲で熱転写層のベタパターンを形成することで、パターン面内に生じるスジ状のムラや膜厚ムラを抑制することができる。
【0021】
また、図2では、幅方向が同一のベタパターンを示したが、必ずしも幅方向が同一である必要はなく、上記範囲でベタパターンを形成すれば、幅方向で同一でなくてもよい。
【0022】
図3は、基材フィルム上に熱転写層を複数設けた場合の熱転写記録媒体の一例である。図3の熱転写層は、イエロー層、マゼンタ層、シアン層の3つであり、各層が本発明のベタパターンを形成している。本発明のベタパターンは、基材フィルム上に設けた熱転写層の1又は2以上について形成される。また、図3の熱転写記録媒体は、各層が同じベタパターンを形成しているが、基材フィルム上に設けた熱転写層全てが同じ形状を有する必要はなく、異なるベタパターンを形成してもよい。
【0023】
領域aの単位面積あたりの塗布量は、領域bの単位面積あたりの塗布量に対して、25〜150%であることが好ましい。上記塗布量の範囲で熱転写層のベタパターンを形成することで、パターン面内に生じるスジ状のムラや膜厚ムラをさらに抑制することができる。
【0024】
基材フィルムとしては、従来公知の熱転写シートの基材フィルムとして使用されているものと同等なものを使用することができ、機械的強度、耐熱性などを有することが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等の合成樹脂フィルムが挙げられる。特に、物性や加工性で適しているポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。これらの基材フィルムは単独で使用することも、又は組み合わされた複合体として使用することも可能である。基材フィルムの厚さは、操作性、加工性を考慮し、2〜50μmの範囲のものが使用できるが、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2〜10μm程度のものが好ましい。
【0025】
基材フィルムと耐熱滑性層又は熱転写層との間の密着性を向上させるために、基材フィルムの一方又は両方の面に易接着層を設けてもよい。易接着層に用いられる材料としては、基材フィルムと耐熱滑性層又は熱転写層の両方と親和性があるものが適当であり、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。易接着層の厚みはサーマルヘッドからの熱転写層への熱の移動を妨げない程度の厚みがよく、0.01〜1μm、より好ましくは0.05〜0.5μmである。易接着層は支持体上に公知の塗布方法で塗液を塗布することで形成することができる。また、プラスチックフィルムの場合、プラスチックフィルムを成膜する過程で同時に形成してもよい。また、易接着層を設けないで、基材の一方又は両方の面の表面粗さを調整することで密着性を向上させてもよい。さらに、熱転写層が熱昇華性染料層の場合、基材側への染料の拡散を抑える染料拡散防止層を染料層の下に設けてもよい。
【0026】
サーマルヘッドの熱による基材の熱収縮やサーマルヘッドとの摩擦による基材の破断を防止するために、基材の熱転写層を設けた面の反対側の面に、耐熱滑性層を設けてもよい。耐熱滑性層に用いられるバインダーとしては、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アセタール系樹脂等が挙げられる。耐熱滑性層の厚みは0.1〜2.5μmが好ましく、さらに0.5〜1.5μmがより好ましい。耐熱滑性層の厚みが0.1μmより小さい場合、サーマルヘッドからの耐熱性が劣り、印画時に支持体の熱収縮が生じやすくなる。一方、2.5μmより大きい場合、サーマルヘッドからの熱が熱転写層に十分伝わらず、所望の濃度の印画物を得ることができない。なおバインダーのガラス転移点は40℃以上が好ましい。ガラス転移点が40℃以上の場合、印画時のリボン強度がさらに強くなり、耳切れ(リボンの両サイドの非印画部が熱収縮に負けて切れる現象)、ちぎれ、裂け(印画部終点が切れる現象)のような印画不良が起こりにくくなる。
【0027】
また、耐熱滑性層は滑り性を向上させる目的で滑剤を含有してもよい。例えば、動物系ワックス、植物系ワックス等の天然ワックス、合成炭化水素系ワックス、脂肪族アルコールと酸系ワックス、脂肪酸エステルとグリセライト系ワックス、合成ケトン系ワックス、アミン及びアマイド系ワックス、塩素化炭化水素系ワックス、アルファーオレフィン系ワックス等の合成ワックス、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステル、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸金属塩、長鎖アルキルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル又は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル等の界面活性剤などが挙げられる。滑剤を含有させることで、耐熱滑性層とサーマルヘッドとの間の動摩擦係数を小さくすることができるので、サーマルヘッドからの力による基材の変形を防止できる。
【0028】
また、耐熱性を向上させる目的で架橋剤を併用してもよい。架橋剤を含有させることで耐熱滑性層の耐熱性が向上し、印画時のサーマルヘッドからの熱に起因する基材の変形を防止できる。架橋剤としてはポリイソシアネートが挙げられ、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系のポリオール樹脂やセルロース系樹脂、アセタール樹脂等の組合せで用いられる。
【0029】
さらに、耐熱滑性層は粒子を含有してもよい。粒子を含有させることで耐熱滑性層の表面に凹凸が形成されサーマルヘッドとの接触面積が小さくなるので、印画時のサーマルヘッドに対する離型性が向上する。該粒子は有機系粒子又は無機系粒子どちらでもよいが、サーマルヘッドからの熱により変形しないものが好ましい。具体的には、シリカ粒子、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、クレー、シリコーン粒子、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、ポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子などを挙げることができる。また、該粒子は1種又は2種以上を混ぜ合わせて使用してもよい。
【0030】
熱転写層2は、被熱転写体上に熱転写層に含まれる成分、あるいは熱転写層そのものが熱転写記録媒体の熱転写層を設けていない反対側の面からサーマルヘッドによる加熱により被熱転写体上に転写され、文字や画像、あるいは保護層を形成する。
【0031】
例えば、熱転写層が熱昇華性染料を含む染料層の場合、サーマルヘッドによる加熱により、染料が昇華し被熱転写体上に転写される。また、熱転写層が着色顔料を含んだ熱溶融性を有する溶融転写層の場合、熱転写層そのものが被熱転写体上に転写され、文字や画像を形成する。また、熱転写層が紫外線吸収剤や酸化防止剤等の機能性添加剤とバインダーからなる溶融転写層の場合、被熱転写体上に形成した文字や画像の保護層として転写される。
【0032】
熱転写層2としての該染料層は、熱昇華性染料、バインダーを含有する。該染料としては、従来公知の染料層に使用されている染料を用いることができる。例えば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメタン系、キサンテン系、アキサジン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、アゾ系、スピロジピラン系、イソドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンダクタム系、アントラキノン系等が挙げられる。具体的には、イエロー成分では、C.I.ソルベントイエロー14、16、29、30、33、56、93等、C.I.ディスパースイエロー7、33、60、141、201、231等、マゼンタ成分としては、C.I.ソルベントレッド18、19、27、143、182、C.I.ディスパースレッド60、73、135、167、C.I.ディスパースバイオレット13、26、31、56等、シアン成分としては、C.I.ソルベントブルー11、36、63、105、C.I.ディスパースブルー24、72、154、354等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、該染料を1種又は2種以上を混ぜ合わせて使用してもよい。
【0033】
染料層に用いるバインダーとしては、従来公知のものが使用でき、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等の耐熱性、染料移行性等に優れた樹脂が使用できる。
【0034】
また、染料層のバインダーのガラス転位点は、好ましくは60℃以上、より好ましくは90℃以上であることがよい。ガラス転位点が低い場合、印画不良を起こす可能性が高くなる。また、染料とバインダーとの重量比(染料/バインダー)は、0.1〜3.0が好ましく、0.5〜1.5がより好ましい。0.1より小さい場合、染料の濃度が小さくなるため、発色濃度が不十分となり良好な熱転写画像が得られない。一方、3.0より大きい場合、バインダーに対する染料の溶解性が極端に低下するため、染料層の保存安定性が低下し染料が析出し易くなるため好ましくない。
【0035】
また、染料層は粒子を含有してもよい。粒子を含有させることで染料層の表面に凹凸が形成され受容層との接触面積が小さくなるので、保存時の貼り付きを防止し、印画時の離型性を向上させることができる。粒子は有機系粒子又は無機系粒子どちらでもよいが、サーマルヘッドからの熱により変形しないものが好ましい。具体的には、シリカ粒子、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、クレー、シリコーン粒子、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、ポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子などを挙げることができる。また、該粒子は1種又は2種以上を混ぜ合わせて使用してもよい。
【0036】
また、染料層は滑剤を含有してもよい。滑剤を含有させることで、印画時の染料層と受容層との間の貼り付きが防止できる。滑剤としては、例えば、シリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系、といった各種オイルや界面活性剤が挙げられるが、特に、シリコーン系又はフッ素系のオイルや界面活性剤が好ましい。具体的には、シリコーン系として、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等のストレートシリコーンオイル、アミノ変性、エポキシ変性、カルビノール変性、メルカプト変性、カルボキシル変性、メタクリル変性、ポリエーテル変性、フェノール変性、片末端反応性・異種官能基変性等の反応性変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性、アラルキル変性、フロロアルキル変性、長鎖アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、フェニル変性等の非反応性変性シリコーンオイル等が挙げられる。また、フッ素系としては、フルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル基を含有する界面活性剤が挙げられる。
【0037】
さらに、染料層は耐熱性を向上させる目的で架橋剤を併用してもよい。架橋剤を含有させることで耐熱性が向上し、サーマルヘッドからの加熱に起因する熱転写記録媒体の変形を防止できる。架橋剤としてはポリイソシアネートが挙げられ、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系のポリオール樹脂やセルロース系樹脂、アセタール樹脂等の組合せで用いられる。
【0038】
熱転写層2としての熱溶融転写層は、一般的に、着色剤、バインダー、ワックスを含有する。該着色剤は、公知の有機顔料あるいは無機顔料を用いることができる。有機顔料の例としては、フタルイミド系イエロー、べンズイミダゾロンオレンジ、スルホアミドイエロー、べンズイミダゾロンイエロー等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ジケトピロロピロール、キノフタロン、イソインドリノン、ジアミノジアントラキノン等が挙げられる。
【0039】
熱溶融転写層に含有するバインダーとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ロジン系誘導体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0040】
また、ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、エステルワックス、酸化ワックス等が用いられる。
【0041】
また、熱転写層2における保護層は、染料層等により被熱転写体上に形成された画像を保護するための層である。保護層は、熱転写法により熱転写体から剥離して被熱転写体上に転写される一方、性能として紫外線等からの耐性が要求される。このため、保護層が耐性のある剥離層の一層で構成される場合のほか、被熱転写体表面との密着性を向上させるために剥離層の上に接着層を設けてもよい。また、剥離層が基材から容易に転写できるように、剥離層と基材との間に離型層を設けてもよい。
【0042】
離型層は、基材からの保護層の剥離の程度を適当な範囲内に調整し、基材からの安定的な剥離性を確保するために設けられるものであり、剥離の程度が適当な範囲であれば必ずしも必要ではない。離型層の材質としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ゴム、環化ゴム等の天然ゴム誘導体、天然ワックス、合成ワックス等のワックス類、ニトロセルロース、セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、アクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリアセタール系、塩素化ポリオレフィン系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系等の熱可塑性樹脂、メラミン系、エポキシ系、ポリウレタン系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
【0043】
剥離層は、例えば、バインダー、紫外線吸収剤や離型性や滑り性等を付与する機能性添
加剤によって構成され、剥離層の厚みは、0.3〜3μm程度が好ましい。剥離層を構成するバインダーとしては、熱溶融性以外特に限定されるものではないが、例として、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類が挙げられる。特に、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース誘導体、エポキシ樹脂が好ましい。
【0044】
剥離層に含有する紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、トリアジン系等が挙げられる。具体的には、例としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また、複数を混合して使用してもよい。また、例としてトリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソ−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また、複数を混合して使用してもよい。上記紫外線吸収剤は、バインダー100重量部に対し、1〜20重量部添加されることが好ましい。添加量が1重量部未満の場合、十分な紫外線吸収能を発揮することができない場合がある。一方、20重量部以上添加すると、印画物表面へのブリードアウトが生じ、得られる被転写体自体の問題を伴う可能性が高くなる。
【0045】
また、剥離層に含有する機能性添加剤としては、ストレートシリコーン、変性シリコーン等のシリコーンオイル、フルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル基を持つ界面活性剤、リン酸エステル系に代表される離型剤、カルナバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ライスワックス等のワックス類、有機又は無機フィラーに代表される滑り剤等が挙げられる。その他必要に応じて、ヒンダードアミン系、Niキレート系等の光安定剤、ヒンダードフェノール系、硫黄系、肥土レジン系等の熱安定剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシシウム等の難燃剤、フェノール系、イオウ系、リン系等の酸化防止剤、ブロッキング防止剤、触媒促進剤、透明性を維持する範囲での着色剤、半透明化のための光散乱剤、艶調整剤、蛍光増白剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
【0046】
接着層について、バインダーとしては熱溶融性以外特に限定されるものではないが、例として、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類が挙げられる。特に、アクリル系樹脂、セルロース誘導体が好ましい。また、必要に応じて、シリコーンオイル、界面活性剤、離型剤、ワックス類、有機又は無機フィラーに代表される滑り剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、難燃剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、触媒促進剤、着色剤、光散乱剤、艶調整剤、蛍光増白剤、帯電防止剤等を添加することができる。
【実施例】
【0047】
以下に、本発明の各実施例および各比較例に用いた材料を示す。なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<基材フィルム>
ポリエステルフィルム:厚さ4.5μm
<耐熱滑性層用塗液>
アクリルポリオール樹脂 15.0部
ステアリン酸亜鉛 1.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル 1.5部
タルク 1.0部
2,6−トリレンジイソシアネート 5.0部
トルエン 50.0部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 6.0部
<熱転写層用イエロー塗液>
C.I.ソルベントイエロー93 3.0部
C.I.ソルベントイエロー16 1.0部
ポリビニルブチラール樹脂 4.2部
シリコーン変性樹脂 0.6部
2,6−トリレンジイソシアネート 0.2部
テトラヒドロフラン 60.0部
メチルエチルケトン 31.0部
<熱転写層用マゼンタ塗液>
C.I.ディスパースレッド60 1.5部
C.I.ディスパースバイオレット26 1.5部
ポリビニルブチラール樹脂 4.0部
シリコーン変性樹脂 0.8部
2,6−トリレンジイソシアネート 0.2部
テトラヒドロフラン 60.0部
メチルエチルケトン 31.0部
<熱転写層用シアン塗液>
C.I.ソルベントブルー63 1.5部
C.I.ソルベントブルー36 1.5部
ポリビニルブチラール樹脂 3.8部
シリコーン変性樹脂 1.0部
2,6−トリレンジイソシアネート 0.2部
テトラヒドロフラン 60.0部
メチルエチルケトン 31.0部
<被転写基材>
発泡ポリエステルフィルム:厚さ188μm
<熱転写用受像層形成塗液>
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 19.5部
アミノ変性シリコーンオイル 0.5部
トルエン 40.0部
メチルエチルケトン 40.0部
【0048】
<熱転写記録媒体の耐熱滑性層付き基材フィルムの作製>
グラビアコート法により、基材シートの一方の面に、耐熱滑性層用塗液を用いて、耐熱滑性層を乾燥厚0.9μmで形成し、その後40℃で5日間エージングすることで、耐熱滑性層付き基材フィルムを作製した。
【0049】
<被転写体の作製>
グラビアコート法により、被転写基材の一方の面に、熱転写用受像層形成塗液を用いて、熱転写用受像層を乾燥厚5.0μmで形成することで、熱転写用の被転写体を作製した。
【0050】
<熱転写層形成用グラビアシリンダー>
イエロー、マゼンタ、シアンからなる3種の熱転写層を形成するために、表1に示すA〜Iのグラビアシリンダーを作製した。
【0051】
【表1】

【0052】
<実施例1>
耐熱滑性層付き基材フィルムの耐熱滑性層非塗工面に、シリンダーAを用いてグラビア印刷法により、熱転写層用イエロー塗液、熱転写層用マゼンタ塗液、熱転写層用シアン塗液を100m/minにて、各層乾燥厚1.0μmとなるよう12000m塗工、乾燥し、3種の熱転写層からなる実施例1の熱転写記録媒体を作製した。
【0053】
<実施例2>
シリンダーAの代わりにシリンダーBを用いること以外は実施例1と同様にして、実施例2の熱転写記録媒体を作製した。
【0054】
<実施例3>
シリンダーAの代わりにシリンダーCを用いること以外は実施例1と同様にして、実施例3の熱転写記録媒体を作製した。
【0055】
<実施例4>
シリンダーAの代わりにシリンダーDを用いること以外は実施例1と同様にして、実施例4の熱転写記録媒体を作製した。
【0056】
<実施例5>
シリンダーAの代わりにシリンダーEを用いること以外は実施例1と同様にして、実施例5の熱転写記録媒体を作製した。
【0057】
<比較例1>
シリンダーAの代わりにシリンダーFを用いること以外は実施例1と同様にして、比較
例1の熱転写記録媒体を作製した。
【0058】
<比較例2>
シリンダーAの代わりにシリンダーGを用いること以外は実施例1と同様にして、比較例2の熱転写記録媒体を作製した。
【0059】
<比較例3>
シリンダーAの代わりにシリンダーHを用いること以外は実施例1と同様にして、比較例3の熱転写記録媒体を作製した。
【0060】
<比較例4>
シリンダーAの代わりにシリンダーIを用いること以外は実施例1と同様にして、比較例4の熱転写記録媒体を作製した。
【0061】
<塗工面評価>
実施例1〜5、比較例1〜4の熱転写記録媒体に関して、塗工開始から1000m、5000m、10000m塗工時点の塗工面を目視により観察した結果を、表2に示す。
【0062】
【表2】

【0063】
<印画および巻き取り評価>
実施例1〜5、比較例1〜4の熱転写記録媒体に関して、塗工開始から5000m、10000m塗工時点から200mをスリット加工にて小巻化し、サーマルシミュレーターにて22V、5inch/s条件にて被転写体に全巻40%グレーベタ印画を行い、印画面を観察した。その際同時に印画後の巻き取り状況を目視により観察した。その結果を併せて、表3に示す。
【0064】
【表3】

【0065】
表2、表3に示す結果から、実施例1〜5の熱転写記録媒体は、得られる塗工面およびそれを使用した印画物、およびプリンタ走行性の点からいずれも問題なく良好であることが解る。なお実施例4の熱転写記録媒体以外は、10000m塗工時点で薄いスジが確認されると同時に、印画後の巻き取り状態において僅かにスジ状の巻き取りムラが確認できるが、印画物に全く影響ないことから、スジ状の塗布ムラはほぼ改善されていることが解る。
【0066】
これに対して、比較例1の熱転写記録媒体は、実施例4の熱転写記録媒体と比較して、領域aの長さを変えただけにもかかわらず、表2に示すとおり塗工直後からスジを伴い、経時でさらに悪化していることが解る。さらに表3に示すとおり印画物自体にもスジが確認されると同時に、巻き取りにおいても大きなスジ状のムラが確認されることから、スジ状の塗布ムラという大きな問題があることが解る。
【0067】
また、比較例2の熱転写記録媒体は、実施例4の熱転写記録媒体と比較して、領域aの長さを変えただけにもかかわらず、表3に示すとおり印画後の巻き取りにおいて巻き取りムラを伴い、その結果印画物にシワが確認されることから、熱転写記録媒体としての走行性に大きな問題があることが解る。
【0068】
また、比較例3の熱転写記録媒体は、実施例4の熱転写記録媒体と比較して、領域a〜
bとの間隔を変えただけにもかかわらず、表2に示すとおり経時で塗工面が大きく悪化していることが解る。さらに表3に示すとおり印画物自体にもスジが確認されると同時に、巻き取りにおいても大きなスジ状のムラが確認されることから、スジ状の塗布ムラという大きな問題があることが解る。
【0069】
また、比較例4の熱転写記録媒体は、実施例4の熱転写記録媒体と比較して、領域a〜bとの間隔を変えただけにもかかわらず、表2に示すとおり塗工直後からスジを伴い、経時でさらに悪化していることが解る。さらに表3に示すとおり印画物自体にもスジが確認されると同時に、巻き取りにおいても大きなスジ状のムラが確認されることから、スジ状の塗布ムラという大きな問題があることが解る。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明により得られる熱転写記録媒体は、熱転写方式のプリンタに使用されるインクリボンのことであり、プリンタの高機能化と併せて各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等、広く利用されている。
【符号の説明】
【0071】
1…熱転写記録媒体
2…熱転写層
3…領域b
4…領域a
5…基材フィルム
6…インプレッションロール
7…グラビア版
8…インキパン
9…イエロー層
9a…イエロー層の領域a
9b…イエロー層の領域b
10…マゼンタ層
10a…マゼンタ層の領域a
10b…マゼンタ層の領域b
11…シアン層
11a…シアン層の領域a
11b…シアン層の領域b

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続して走行する基材フィルムの一方の面に、グラビア印刷により熱転写層用塗液を塗布、乾燥して、熱転写層を1又は2以上設けてなる熱転写記録媒体の製造方法において、
少なくとも1の熱転写層は、走行方向から順に、2つの領域a及び領域bからなり、
前記領域aの走行方向の長さが、1〜7mmであり、
前記領域aと前記領域bとの間に、走行方向に0.5〜2mmの間隔を設けて熱転写層用塗液を塗布、乾燥する
ことを特徴とする、熱転写記録媒体の製造方法。
【請求項2】
前記領域aの単位面積あたりの塗布量が、前記領域bの単位面積あたりの塗布量に対して、5〜150%であることを特徴とする、請求項1に記載の熱転写記録媒体の製造方法。
【請求項3】
基材フィルムの一方の面に、熱転写層を1又は2以上設けてなる、熱転写記録媒体において、
少なくとも1の熱転写層は、走行方向から順に、2つの領域a及び領域bからなり、
前記領域aの走行方向の長さが、1〜7mmであり、
前記領域aと前記領域bとの間に、走行方向に0.5〜2mmの間隔を設けることを特徴とする、熱転写記録媒体。
【請求項4】
前記領域aの単位面積当りの塗布量が、前記領域bの単位面積当りの塗布量に対して、5〜150%であることを特徴とする、請求項3に記載の熱転写記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−194793(P2010−194793A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40486(P2009−40486)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】