説明

熱音響装置用スタックおよび熱音響装置用スタックの製造方法

【課題】小型化に伴ってより高い周波数でも自励振動できる熱音響装置用スタックおよび熱音響装置用スタックの製造方法を提供する。
【解決手段】貫通孔を構成する第1の孔311aが金属板31に形成されるので、多数の小さな貫通孔を高密度に設けることができる。また、金属板31が、中央部311の外周部312の厚さが中央部311より薄く形成されるので、その外周部312が隣接する金属板31の外周部312に接触するのを防ぐことが可能となるため、スタックの積層方向の両端を高温または低温に保持したときに高温側から低温側に流れる熱流が中央部311を主に流れることとなり、熱から音響への熱音響変換における熱損失を低減できるとともに、スタックの長さを短くしても温度勾配をスケーリング(比例縮小)できる。結果として、小型化に伴って必要となる高い周波数での自励振動を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱音響効果を用いて管内の流体に温度勾配を与えて振動させたり、流体に与えた振動から温度勾配を得る熱音響装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
細い流路の中にある作業流体に対して、ある臨界値以上の温度勾配を与えると、流路の壁と作業流体との熱交換によって「熱音響自励振動」と呼ばれる振動現象が現れることが知られている。このような熱音響現象は、作業流体に温度勾配を与えて熱から流体振動(音波)を行う熱音響原動機(熱音響エンジン)や、流体振動(音波)から温度勾配を生じさせる熱音響ヒートポンプといった熱音響装置に利用されている。また、この熱音響装置を基本要素として、熱音響原動機により生ずる音波を、すなわち機械的振動から電力へとエネルギー変換を行う熱音響発電機や、流体振動(音波)によって生じた温度勾配を介して加熱または冷却するというエネルギー変換を行う熱音響冷却装置について、現在盛んに研究開発がされている(例えば、非特許文献1,2参照。)。
【0003】
例えば、非特許文献1には、熱音響自励振動を利用した装置として、熱音響エンジンが開示されている。図8に示す熱音響エンジン100は、作業流体110を封入した管101と、この管101内部に設けられ小さな流路を有するスタック(蓄熱器)102と、管101内部においてスタック102をその管101の軸線方向の両側から挟むように設けられ、スタック102に温度勾配を与える高温側熱交換器103および低温側熱交換器104とを備えている。また、管101外部において、高温側熱交換機103の側には高温熱源105、低温側熱交換機104の側には低温熱源106が設けられている。このように、図8に示す熱音響エンジン100は、ガソリンエンジンなどに用いられるピストンやバルブなどの可動部品を有しておらず、管101内部に封入された作業流体110のみが動くものである。
【0004】
ここで、スタック102は、上述した流路となる管101の軸線方向に沿った多数の貫通孔102aを備えており、この貫通孔102a内部に流入した作業流体110と、その壁面102bと間で熱交換を行うことにより、蓄熱器、蓄冷器、再生器などとして機能する。このように、スタック102の役割は、作業流体110と熱的相互作用を行う壁面102bを提供することにあって、熱と振動のエネルギー変換はそのスタック102内部で行われる。そのエネルギー変換の効率を向上させるには、壁面102bを多く形成すればよいので、貫通孔102aの直径は後述するように1[mm]以下という小さな値に設定されている。このため、熱音響現象を用いた装置のスタックには、金網や金属製不織布などの金属製メッシュを積層させたものや貫通孔がハニカム状に形成されたセラミックスなどがよく用いられている。
【0005】
このような構造を有する熱音響エンジンは、管101の形状が異なる3種類の方式が提案されている。すなわち、図9Aに示すように、直線状の管の中に熱自励振動によって発生する定在波音波を利用する直管方式と、図9Bに示すように、ループ状の管の中に熱自励振動によって発生する進行波音波を利用するループ管方式と、図9Cに示すように、直線状とループ状の管を組み合わせた枝管付きループ管方式とが提案されている。これらのうち、図9Bに示すループ管方式は、熱から流体振動への変換効率が熱力学的な上限値(理想的なカルノー効率)に近いことが理論的に示されている。一方、図9Aに示す直管方式では、音圧と粒子速度とが位相差π/2だけずれた定在波が生じるため、不可逆的な熱交換による時間遅れが生じて波動によるエネルギー輸送量が非常に小さいので、熱から音波への変換効率が熱力学的な上限値と比べて低いとされている。
【0006】
上述した熱音響装置の応用分野として、工場からの排熱や自動車のエンジンからの排熱などの回収利用が挙げられているが、大規模設備を集約できる工場や発電所などからの排熱を回収するプラントでの応用を除けば、装置自体ができる限り小型であることが望ましい。また、排熱を熱源とするので、その排熱温度が比較的高温ではないことが多いので、できる限り低い温度の熱源で熱音響自励振動が起こることが望ましい。なお、低温熱源(ヒートシンク)の温度は、環境温度、すなわち室温を想定している。
【0007】
図9Bに示すようなループ管方式の場合、熱から音響への変換効率が高いものの、ループ状の管内を最低一波長分の長さの音波が進行しなければならないので、装置が大型になりやすい。例えば、ループ状の管の音響回路長をLとすると、1気圧、25[℃]前後での音速cが約340[m/sec]であるので、振動周波数νが100[Hz]程度の音波の場合、その進行波の波長λtは3.4[m]程度となる(例えば、非特許文献3参照。)。ループ状の管は最低一波長分の長さを必要とするので、必然的に管長が3.4[m]程度の大きな装置とならざるを得ない。そこで、振動周波数νを5倍の500[Hz]とすると、長さ68[cm]程度のループ管(L=λt=c/ν=34000[cm/sec]÷500[Hz]=68[cm])となり、30[cm]の直線状の管2本と4[cm]の半円状の管2本から構成されたやや小型の装置とすることができる。このように、管路長Lは熱音響装置の占有体積に影響を及ぼすので、管路長Lを短縮することにより熱音響装置の小型化の実現が可能となる。
【0008】
一方、図9Aに示すような直管方式の場合には、熱から音響への変換効率がループ管の理想効率には至らないものの、直管であるがゆえに小型化を容易に実現できる。これは、片側が閉ざされた直管内に励起される気柱共鳴定在波の波長λsが、管路長の4倍となるからである(λs=4L)。したがって、直管方式の場合には、大きさと占有面積のいずれも小さくすることが可能である。
【0009】
ところが、ループ管方式および直管方式のいずれの場合も、小型化しようとすればするほど、管路長Lを短縮しなければならないので、必然的に直管内またはループ管内に自励する音波(音響振動)の波長が短くなるため、高周波の定在波または進行波を励起しなければならない。作業流体110によって励起される音響振動が、管路長に応じた周波数からなる定在波または進行波を含むからである。したがって、作業流体110と貫通孔102aの壁面102bとの間のエネルギー交換を担うスタック100において、貫通孔102aの半径rで定まる熱緩和時間τ[sec]と、管路の長さL[m]とから定まる自励振動角周波数ω[rad/sec](=2πν[Hz])との関係が重要となる。すなわち、作業流体110と壁面102bとの間で熱交換が行われるには、作業流体110の熱伝導率κ[W/m・K]、密度ρ[kg/m3]および定圧比熱cp[kJ/kg・K]により定まる熱拡散係数α(=κ/ρcp)[m2/sec]、並びに、貫通孔102aの流路半径rから決まる熱緩和時間τ= r2/(2α)[sec]程度の相互作用時間が必要となる。振動角周波数ωが高く、ωτ≫1となる場合、壁面102bと作業流体110との熱交換はほとんど行われず、断熱過程となるので、貫通孔102a内を断熱音波が伝搬することとなる。一方、振動角周波数ωが低く、ωτ≪1となる場合、壁面102bと作業流体110との間で熱交換が十分に行われ、等温過程となる。非特許文献1によれば、熱音響自励振動が効率よく起こるのは、そのωτの値がほぼ1〜10の間にあるときである。非特許文献2に開示された熱音響理論によれば、図10A、図10Bに示すように、自励開始温度とωτとの関係は、最小値を有することが示されている。図10Aでは、自励開始温度を、高温熱源の絶対温度THと低温熱源の絶対温度TCとの温度比(TH/TC)により、またωτの代わりにその平方根を取ったr/δαによって示している。これは、下式(1)に基づくものである。なお、下式(1)において、δαは音波を担う作業流体110の熱境界層厚さを表している。
【0010】
ωτ=ω・(r2/2α)={r/(2α/ω)1/22=(r/δα2 ・・・(1)
【0011】
この式(1)からすると、熱音響自励振動により共鳴する管101の管路長(L=ループ管内の進行波の波長λt、または、4L=直管内の定在波の波長λs)から定まるω(=2πν=2πc/λ)に対して、自励開始温度比(TH/TC)が最小となる最適のωτの値があることがわかる。上述したように、管路長Lが短くなれば、ωが大きくなり、これに伴ってτが小さくなるので、スタック102の貫通孔102aの半径rも小さくなければならない。非特許文献2によれば、図10A,図10Bは管の長さLが30[mm]、管の径が10[mm]、スタックの長さが3[mm]であり、貫通孔102aの半径rを計算で求める設計パラメータとしたときの値を示している。また、作業流体110は大気圧(101[kPa])の窒素(ほぼ空気と同じ)とされ、低温熱源の温度TCが300[K](ほぼ室温の27℃)の場合を想定したものである。図10Aによれば、上記条件で計算された熱音響装置において自励開始温度がもっとも低くなるのは、r/δαが3程度のときである。このとき、この直管方式の熱音響装置内に定在波音波が励起され、定在波音波によるエネルギー変換がωτ=(r/δα2=1〜10で行われていることを意味している。この場合の最低自励開始温度比は1.4、高温熱源の温度THはおおよそ150℃=420[K]となり、自励振動の周波数は図10Bより3[kHz]となる。この周波数での熱境界層厚δαは0.048[mm]となり、r/δαの値が3の場合の条件を用いると、最適な貫通孔102aの直径が約0.144[mm]となる。これは極めて小さな値である。
【0012】
これらを踏まえた上で熱音響装置の小型化について検討すると、小型化することにより自励振動周波数が高周波になるので、ωτの値を1〜10程度保つには、対応する熱緩和時間τを短くする必要がある。ところが、作業流体110の比熱、熱伝導率、密度といった熱物性値がさほど大きく変動しないので、τを短くするにはスタックの貫通孔102aの半径rを小さくしなければならない。そこで、想定しうる作業流体110と、この作業流体110に対応する熱境界層の厚さの概算値の関係を図11に示す。この図11は、1気圧の大気(空気)を作業流体とする構成であって、例えば自励振動周波数ωを400[Hz]と仮定した場合、波長λsが約85[cm]、管101の片側を閉じた直管の場合にはλs=4Lなので、管101の長さLは約21.3[cm]となるので、貫通孔102aの直径は0.789[mm]程度となる。このように、小型の熱音響装置を実現するには、直径1[mm]以下の貫通孔102aを多数備えたスタック102を設けなければならない。
【0013】
また、熱音響自励振動は、高温(温度TH)側熱交換器103と低温(温度TC)側熱交換器104との間に挟まれた長さLsのスタック102における温度勾配ΔT{=(TH−TC)/Ls}がある臨界値(ΔT)critを越えた際に起こることが知られている。したがって、ΔT > (ΔT)critを満足するように温度スケーリングを行うことによって、すなわち、スタックの長さLsを短くすることで、高温側熱交換器102の温度THをより低い温度へとスケールできると考えられる。
【0014】
実際、図12はスタックの長さと自励開始温度比の関係を示すものであるが、この図12に示すように、スタック102の長さLsを短くすることによって、自励開始温度比(TH/TC)を低下させることがある程度まで可能である。しかし、スタック長Lsをあまりにも短くすると、スタック102を構成する貫通孔102aとその支持部材(外周部)のうち、支持部材による直接熱伝導が高温側から低温側への熱流の大半を占有するようになり、熱から音響振動へのエネルギー変換が行われなくなる。すなわち、スタック102は作業流体110の流通方向には無限の熱伝導を有して一様温度になることが望まれるが、その流通方向に直交する軸方向に対しては、定常的に線形な温度勾配が形成可能な程度に高い熱抵抗、すなわち熱絶縁性を備えている必要がある。
【0015】
上述した事項を踏まえると、小型かつ低温度で自励振動可能とする熱音響装置に必要とされるスタックが備えるべき諸性質が明らかとなる。すなわち、(1)直径が1[mm]以下の小さな貫通孔102aを多数備えていること、(2)作業流体110が振動する振動方向(貫通孔の軸方向)には温度勾配が生じるように程度熱伝導性が低いこと、(3)振動方向に直交する作業流体の半径方向には熱交換がスムーズに行われるように、ある程度熱伝導性がよいことが挙げられる。このような性質を備えるべきスタック102として、従来では、上述したように、アルミニウム、アルミニウム合金、セラミックス等の伝熱体で形成された複数のプレートを軸方向に積層させたスタックや、セラミックス、焼結金属、金網、金属製不織布などのように熱容量の大きい素材からなり、軸方向に貫通する複数の貫通孔を備えたスタック、あるいは、微小の球状セラミックスなどを敷き詰めて貫通孔として作用する蛇行した導通路を形成するスタック、ハニカム形状のセラミックス、脱脂綿などの繊維材料を圧縮させ、これによって蛇行した導通路を形成したスタックなどが提案されている。一般に、高温側熱交換器の温度が700から800℃まで到達する場合には、スタックを構成する材料には耐熱性が要求される。このような温度範囲では、SUS304などの金属材料やコージライトなどのセラミックス材料が用いられている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】上田 祐樹、「熱音響発電機」、電気学会誌、Vol. 128、No. 12、pp. 812-815、 (2008).
【非特許文献2】上田 祐樹、「熱音響発電−熱音響現象の基礎−」、桑野博喜監修、「エネルギーハーベスティング技術の最新動向」(シーエムシー出版、2010年)、pp. 171-183 に所蔵。
【非特許文献3】坂本眞一、渡辺好章、「音と熱のコラボレーション−熱音響冷凍機実現に向けて−」、電子情報通信学会誌、Vol. 90, No. 11, pp. 993-337 (2007年11月)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、いずれの材料を用いた場合であっても、小型かつ低温度で自励振動可能な熱音響装置を実現することが困難であった。
【0018】
例えば、金属やセラミックス等の伝熱体のプレートを管の軸に略平行に複数積層するスタックの場合は、プレートの間に平面状壁の非常に狭い隙間を形成でき、軸方向に垂直な二つの方向のうち一方の方向(積層方向)には熱交換のための壁面を設けることができる。ところが、他方の方向では、熱交換を行うための壁面がないので、熱エネルギーから振動エネルギーへのエネルギー変換を行うことができない。また、金属プレートを用いた場合には、積層方向の熱伝導率が高いので、スタックの長さLsを短くすることができない。
【0019】
また、金網や焼結金属などを積層したスタックの場合は、作業流体と熱交換を行う表面積を大きくすることができ、スタック中で熱交換する流体の経路も長くできる。特に金網の場合、個々の金網に関しては、単位面積当りの網目数を指定することも可能である。ところが、最終的に形成された貫通孔の径を明確に設定することができず、最適な直径の貫通孔を設けることが困難である。
【0020】
また、ハニカム形状のセラミックスを用いたスタックの場合は、例えば正方格子状など所定の断面形状の貫通孔を形成でき、かつ、その直径を1[mm]以下とすることが可能である。さらに、材料として用いられているコージライトは、熱伝導率が4[W/mK]程度の値を有しているために自励開始温度を低温化できるので、金属などの伝熱体をスタック材料にする場合よりもスタックの長さLsを短くすることも可能である。ところが、一般に射出成型により多孔が形成されているので、貫通孔を高密度に形成することが困難である。具体的には、セル密度900[cpsi(cell per square inchi)]のもの(正方格子の一辺が約0.79[mm])が最小孔径であって、例えば1200[cpsi](正方向視の一辺が約0.72[mm])といったさらに高密度に貫通孔を形成することが困難である。また、射出成形により多孔を形成する場合、射出の際に高温で押し出された素材が成型用口金の孔内で密着して、目詰まりする可能性が高いので、製造が困難である。
【0021】
なお、熱音響装置が大型で、励起される自励振動音波の波長が長い場合には、その振動数も50〜100[Hz]の低周波帯域であるので、スタックとして効率的な貫通孔の直径は1[mm]〜5[mm]となる。この程度の直径の貫通孔であれば、金属ブロックに窄孔加工したり、セラミックスを射出成型したり、銅などの金属パイプを束ねるなどして、スタックを容易に形成できる。例えば、波長が3.4[m]、周波数100[Hz]程度の熱音響装置のスタックには、メッシュ間隔1[mm]程度の金属のメッシュやセル間隔が0.79[mm]程度のハニカム形状が用いられている。ところが、高周波の自励振動を起こすには、さらに小さな直径でかつ多数の貫通孔を備えたスタックを用意する必要がある。すなわち、熱音響装置の小型化に伴って、作業流体を1気圧の空気(あるいは窒素)とする場合、励起されるべき自励振動周波数が100[Hz](ループ管なら3.4[m]、直管なら85[cm])、500[Hz](ループ管なら68[cm]、直管なら17[cm])、1[kHzH] (ループ管なら34[cm]、直管なら8.5[cm])と高周波化する。これに伴って、スタックに設けられる貫通孔に要求される孔径(直径)も、1.55[mm]、0.70[mm]、0.49[mm]と小さくなり、しかも同一断面積に孔径の逆2乗に比例した数だけ設ける必要が生じる。
【0022】
そこで、本願発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、小型化に伴ってより高い周波数でも自励振動できる熱音響装置用スタックおよび熱音響装置用スタックの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上述したような課題を解決するために、本発明に係る熱音響装置用スタックは、一方向に沿った複数の貫通孔を備え、管の内部に作業流体とともに配置され、作業流体の熱音響自励振動によって貫通孔に沿って流れる熱エネルギーと管内の作業流体の振動エネルギーとを変換する熱音響装置用スタックであって、積層された複数の金属板からなり、金属板のそれぞれは、互いに積層されて貫通孔を形成する複数の第1の孔が形成された中央部を備え、金属板の少なくとも1つは、中央部の外周部の厚さが当該中央部より薄く形成されることを特徴とするものである。
【0024】
上記熱音響装置用スタックにおいて、外周部は、中央部の厚さよりも20〜40%薄く形成されるようにしてもよい。
【0025】
また、上記熱音響装置用スタックにおいて、外周部は、隣接する金属板との位置合わせに用いられる第2の孔を備えるようにしてもよい。
【0026】
また、上記熱音響装置用スタックにおいて、貫通孔は、周期的かつ稠密に形成されるようにしてもよい。
【0027】
また、上記熱音響装置用スタックにおいて、貫通孔は、正六角形、正三角形、正方形、および、長方形孔のうちいずれか1つの平面形状を有するようにしてもよい。
【0028】
また、本発明に係る熱音響装置用スタックの製造方法は、一方向に沿った複数の貫通孔を備え、管の内部に作業流体とともに配置され、作業流体の熱音響自励振動によって貫通孔に沿って流れる熱エネルギーと管内の作業流体の振動エネルギーとを変換する熱音響装置用スタックの製造方法であって、同一の平面形状を有する複数の金属板の外周部分に、位置合わせ用の第1の孔を形成する第1のステップと、各金属板の中央部分に、複数の第2の孔を形成する第2のステップと、第1の孔にピンを挿入しながら複数の金属板を積層し、この金属板の積層体を貫通する、第2の孔により構成される各貫通孔にワイヤを通し、ワイヤ放電加工により第2の孔の形状を整える第3のステップと、少なくとも1つの金属板の外周部分の厚さを、当該金属板の中央部よりも薄くする第5のステップとを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、貫通孔を構成する第1の孔が金属板に形成されるので、多数の小さな貫通孔を高密度に設けることができる。また、金属板の少なくとも1つが、中央部の外周部の厚さが中央部より薄く形成されるので、その外周部が隣接する金属板の外周部に接触するのを防ぐことが可能となるため、スタックの積層方向の両端を高温または低温に保持したときに高温側から低温側に流れる熱流が中央部を主に流れることとなり、熱から音響への熱音響変換における熱損失を低減できるとともに、スタックの長さを短くしても温度勾配をスケーリング(比例縮小)できる。結果として、小型化に伴って必要となるより高い周波数での自励振動を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明に係る熱音響エンジンの構成を模式的に示す断面図である。
【図2】図2は、熱音響エンジンにおけるスタックの構成を模式的に示す斜視図である。
【図3】図3は、スタックにおける金属板の構成を模式的に示す図である。
【図4A】図4Aは、スタックを流れる熱流を説明する図である。
【図4B】図4Bは、スタックを流れる熱流を説明する図である。
【図4C】図4Cは、スタックを流れる熱流を説明する図である。
【図5A】図5Aは、スタックの製造方法を説明する図である。
【図5B】図5Bは、スタックの製造方法を説明する図である。
【図5C】図5Cは、スタックの製造方法を説明する図である。
【図5D】図5Dは、スタックの製造方法を説明する図である。
【図5E】図5Eは、スタックの製造方法を説明する図である。
【図6】図6は、金属板の材料の特性を示す図である。
【図7】図7は、スタックの変形例を示す図である。
【図8】図8は、従来の熱音響エンジンの構成を模式的に示す断面図である。
【図9A】図9Aは、直管方式の熱音響エンジンを模式的に示す図である。
【図9B】図9Bは、ループ方式の熱音響エンジンを模式的に示す図である。
【図9C】図9Cは、枝管付きループ方式の熱音響エンジンを模式的に示す図である。
【図10A】図10Aは、自励開始温度比とωτとの関係を示す図である。
【図10B】図10Bは、自励開始周波数とωτとの関係を示す図である。
【図11】図11は、作業流体と熱境界層厚との関係を示す図である。
【図12】図12は、自励開始温度比とスタックの長さとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0032】
<熱音響エンジンの構成>
図1に示すように、本実施の形態に係る熱音響装置用スタックを備えた熱音響エンジン1は、作業流体10を封入した管2と、この管2内部に設けられたスタック3と、管2内部においてスタック3をその管2の軸線方向の両側から挟むように設けられスタック3に温度勾配を与える高温側熱交換器4および低温側熱交換器5とを備えている。また、管2外部において、高温側熱交換機4の側には高温熱源6、低温側熱交換機5の側には低温熱源7が設けられている。このような熱音響エンジン1は、管1内に封入された作業流体10と、高温側熱交換器4から低温側熱交換器5へと流れる熱エネルギーの間で、エネルギー交換を行うものである。
【0033】
図2に示すように、スタック3は、数10[W/m・K]以上の熱伝導率を有する金属からなり、それぞれ同一の厚さからなる平面視略円形の金属板31を複数積層したものである。また、スタック3には、金属板31の積層方向、すなわち管1の軸方向に沿って複数の貫通孔32が形成されている。したがって、貫通孔32の延在方向が管2の軸線方向に沿った状態で、管2内部に配設されている。
【0034】
各金属板31は、図3に示すように、中央部311の周囲に、少なくとも一方の面(上面)からその厚み方向に掘り込まれた外周部312が設けられている。この外周部312は、金属板31の一方の面から、その板厚の20〜40%掘り込まれている。このような外周部312を設けたことにより、これらを積層してスタック3としたとき、金属板31の外周部312は、隣接する金属板31の外周部312と接触しない。中央部311には、貫通孔32を構成する複数の第1の孔311aが形成されている。本実施の形態において、それらの貫通孔32の軸に垂直な断面は、正六角形である。このような正六角形の断面形状の貫通孔32を周期的に多数設けたいわゆるハニカム状とすることより、貫通孔32の密度を高くする、すなわちスタック3の空隙率を高くできるので、エネルギー交換すべき作業流体10をスタック3内に高い充填率で貯留させておくことが可能となり、結果として、エネルギー変換効率を向上させることができる。
外周部312には、位置合わせ用の第2の孔312aが形成されている。
本実施の形態において、スタック3のうち、高温側熱交換器4と対向配置される金属板31は、高温側熱交換器4と対向する面が中央部311と面一に形成されている。
【0035】
ここで、本実施の形態におけるスタック3内を流れる熱流について、図4A〜図4Cを参照して説明する。ここで、図4Bは比較のため外周部312に対応する構成が存在しない複数の金属板401から構成されるスタック400における熱流の様子を示す図である。また、図4Cは本実施の形態の変形例であり、1つの金属板31と、複数の金属板401とから構成されるスタック3’における熱流の様子を示す図である。ここで、金属板401には、複数の第1の孔411aが形成された中央部411が設けられており、金属板31の中央部311に対応する。また、その中央部411の周囲には、この中央部411と同一の厚みを有し、第1の孔411aが形成されていない外縁部412が設けられている。
【0036】
図4Bに示す金属板401のみから構成されるスタック400の場合、高温側から低温側に金属板401中を流れる熱流は、点線矢印b、cで示すように、主に第1の孔411aが形成されていない外縁部412を流れる。これは、空隙率εで第1の孔411aが形成された中央部411には、高い熱伝導率κ1を有するスタック400の材料と極めて低い熱伝導率κ2を有する作業流体10が占有する領域が共存しており、この領域の平均熱伝導率<κ>av、が下式(2)で表されるように、第1の孔411aがない外縁部412の熱伝導率κ1よりも小さくなるからである。すなわち、高温側熱交換器4から低温側熱交換器5へ流れる熱流のうち、大半が外縁部412’を直接流れて貫通熱となるので、作業流体との貫通孔の壁面を介する熱交換が十分に行われず、熱エネルギーから作業流体の振動エネルギーへのエネルギー変換の観点からすると、熱損失が大きくなってしまう。
【0037】
<κ>av=(1−ε)κ1+εκ2 ・・・(2)
【0038】
図4Cに示す1つの金属板31上に複数の金属板401が積層されたスタック3’の場合、高温側に外周部312を有する金属板31が配設されているので、外周部312および外縁部412に漏れ出る熱流が少なくなり、点線矢印d,eで示すように、中央部311,411を集中して流れることとなる。実験によれば、図12において「×」印で示すように、自励開始温度比が2.3から2.0へと低下する。
【0039】
これらに対して、図4Aに示すスタック3の場合、各金属板31において外周部312が中央部311よりも薄く形成されているので、その金属板31を流れる熱流は、点線矢印aで示すように、中央部311を集中して流れるため、外周部312からスタック3外部にほとんど漏れ出さない。このような構成を採ることにより、自励開始温度比を2.0からさらに低下させることができる。
【0040】
図12は、金属板31の中央部311に形成された第1の孔311aの単位面積当りの密度が600[cpsi]と950[cpsi]の場合におけるスタックの長さと自励開始温度比の関係を示すものである。いずれの場合も、金属板31を積層したスタック3の長さを短くすると、ある長さまでは自励開始温度比が低下し、さらに短くすると自励開始温度比が増大していく。これは、スタックの長さの短縮に伴って、金属板31を流れてゆく貫通熱による熱損失が増大するためと考えられる。また、図12からは、熱音響エンジン1において最適の第1の孔311aの径および密度が600[cpsi]の場合であることもわかる。さらに、上述したように、外周部312を中央部311よりも薄く形成して、貫通熱が外周部312を流れないようにすると、自励開始温度比が図12の×印まで低減させることができる。
【0041】
<スタックの製造方法>
次に、本実施の形態に係る熱音響エンジン1におけるスタック3の製造方法について説明する。
【0042】
まず、図5Aに示すように、金属板501を複数枚用意する。この金属板501の具体的な材料としては、熱伝導率が高く熱容量の大きいことが望ましく、図6に示すように、SUS304、無酸素銅にNiメッキしたもの、Niなどが挙げられる。なお、金属板501の材料としては、図5に挙げた材料に限定されるものではない。
【0043】
このような金属板501を用いることにより、貫通孔を設けるために、厚さが数[cm]にも及ぶ金属ブロックに、直接、直径1[mm]以下の多数の貫通孔を規則的かつ稠密にドリルやプレス等で穿設する必要はない。本実施の形態では、孔を有する厚さ数[mm]程度の金属板501を多数積層することによりスタックを構成する。その金属板501の厚さとしては、1〜5[mm]程度とされる。
【0044】
金属板501を用意すると、図5Bに示すように、各金属板501の外周部502に位置合わせ用の孔312aを形成する。この孔312aは、ドリルまたはプレス等により形成され、少なくとも1箇所、望ましくは2箇所設けられる。
【0045】
孔312aを設けると、図5Cに示すように、各金属板501の中央部503に、複数の孔504をドリル等により形成する。この孔504は、金属板31の中央部311に形成される第1の孔311aに対応する位置に形成される。この段階では、孔504は、ドリルにより切削されるのみなので、略円形の平面形状を有している。
【0046】
第3の孔504を形成したら、複数の金属板501を積層し、各金属板501に設けられた位置合わせ用の孔312aにピンを貫通させる。これにより、金属板501を整列させる。このとき、孔504は、各金属板501において同じ位置に設けられた孔504とともに、複数の金属板501の積層体を貫く1つの貫通孔を構成している。
【0047】
金属板501を整列させると、図5Dに示すように、孔504により構成される、複数の金属板501の積層体を貫く各貫通孔に、一本ずつワイヤ505を通して、ワイヤ放電加工法によりその孔504の形状を正六角形状に整える。これにより、第1の孔311aが形成されることとなる。このとき、この孔径が小さく、孔数が多数ある場合には、このような金属板501が変形しやすくなるので、外周部502を広くとって強度を保つ。
【0048】
このように形成された多数枚の金属板501を積層してスタックを構成すると、上述したように、第1の孔311aが形成されている中央部503周辺の領域と、補強用に開孔していない外周部502とで、図4Bを参照して説明したように、中央部と外縁部とでは軸方向の熱の伝導特性に大きな違いが生じてしまう。スタックの軸方向の両端を高温側熱源および低温側熱源にそれぞれ熱的接触させて、それぞれの熱源温度に保持した場合、スタックを構成している金属板501の各々に熱が高温側から低温側へと伝導してゆく。この際、本来では、中央部503に流れ込んだ熱流が、第1の孔311aから構成される貫通孔32の内壁と作業流体との熱交換によって流体の振動を励起することが望ましいが、強度保持のために設けた外周部502の金属部分を熱流が直接伝導することにより、高温側熱源から低温側熱源に流体振動を励起することなく熱が貫通してしまう。この貫通する熱は、スタック両端に加えられた温度差を平準化すなわち低減する方向に作用するとともに、金属板501の中央部503を通らないので、熱音響自励振動を励起するという観点からすると、完全な損失熱となってしまう。
【0049】
そこで、本実施の形態では、金属板501の外周部502を通る貫通熱による熱損失を防ぐとともに、各金属板501の第1の孔311aが形成される中央部503の強度を保持できる金属薄板の積層構造を提供するために、図5Eに示すように、金属板501を1枚ずつ、外周部502を放電加工によってその板厚の20〜40%ほど切削する。
【0050】
外周部502を薄くすると、金属板501を位置合わせ用の第2の孔312aにピンを通しながら積層することにより、図2に示したようなスタック3を構成することができる。このとき、金属板501は、隣り合う金属薄板と、外周部502が切削された面が対向しないように積層される。
【0051】
これにより、設計通りの孔径の貫通孔32を金属板31の中央部311に高密度に設けることができる。また、高温熱源から低温熱源へと流れる熱流が、外周部312を貫通熱として直接伝わって、熱エネルギーから作業流体10の振動エネルギーへの変換に対して熱損失となることも防げる。したがって、熱伝導率が高い金属のような伝熱体をスタック3を構成する金属板31に適用しても、スタック3の長さを短くすることができる
【0052】
以上説明したように、本実施の形態によれば、貫通孔32を構成する第1の孔311aが金属板31に形成されるので、多数の小さな貫通孔32を高密度に設けることができる。また、金属板31の少なくとも1つが、中央部311の外周部312の厚さが中央部311より薄く形成されるので、その外周部312が隣接する金属板31の外周部312に接触するのを防ぐことが可能となるため、スタック3の積層方向の両端を高温または低温に保持したときに高温側から低温側に流れる熱流が中央部311を主に流れることとなり、熱から音響への熱音響変換における熱損失を低減できるとともに、スタック3の長さを短くしても温度勾配をスケーリング(比例縮小)できる。結果として、小型化に伴って必要となる高い周波数での自励振動を実現することができる。
【0053】
なお、本実施の形態では、各金属板31が同一の厚さを有する場合を例に説明したが、図7に示すように、金属板31と厚さのみ異なる薄板33を設け、これらから構成されるスタック3”を適用するようにしてもよい。
【0054】
また、本実施の形態では、第1の孔311aが正六角形の平面形状を有する場合を例に説明したが、その平面形状は正六角形に限定されず、適宜自由に設定することができる。例えば、円形、楕円形、正三角形、正方形、長方形、正五角形などにしてもよい。ここで、平面形状を多角形にする場合には、各辺の長さは同一でなくてもよい。また、第1の孔311aの平面形状は、全て同一でなくてもよい。そのように、平面形状を適宜設定して、多数の第1の孔311aを設けることにより、その貫通孔311の内壁面を多数形成できるので、エネルギー変換効率を向上させることができる。
【0055】
また、本実施の形態では、金属板31の平面形状が略円形の場合を例に説明したが、その平面形状は略円形に限定されず、例えば矩形や楕円形など適宜自由に設定することができる。
【0056】
また、本実施の形態では、外周部312を金属板31の上面から下面に向かって切削する場合を例に説明したが、金属板31を積層したときに外周部312が隣接する金属板31の外周部と接触しないのであれば、外周部312を薄くする向きや方向はそれに限定されず、適宜自由に設定することができる。例えば、外周部312を金属板31の両面から切削することにより薄くするようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、熱音響装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
1…熱音響エンジン、2…管、3,3’,3”…スタック、4…高温側熱交換器、5…低温側熱交換器、6…高温熱源、7…低温熱源、31,31’,33…金属板、311…中央部、311a…第1の孔、312…外周部、312a…第2の孔、401…金属板、411…中央部、411a…第1の孔、412…外縁部、501…金属板、502…外周部、503…中央部、504…孔、505…ワイヤ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に沿った複数の貫通孔を備え、管の内部に作業流体とともに配置され、前記作業流体の熱音響自励振動によって前記貫通孔に沿って流れる熱エネルギーと前記管内の作業流体の振動エネルギーとを変換する熱音響装置用スタックであって、
積層された複数の金属板からなり、
前記金属板のそれぞれは、互いに積層されて前記貫通孔を形成する複数の第1の孔が形成された中央部を備え、
前記金属板の少なくとも1つは、前記中央部の外周部の厚さが当該中央部より薄く形成される
ことを特徴とする熱音響装置用スタック。
【請求項2】
前記外周部は、前記中央部の厚さよりも20〜40%薄く形成される
ことを特徴とする請求項1記載の熱音響装置用スタック。
【請求項3】
前記外周部は、隣接する前記金属板との位置合わせに用いられる第2の孔を備える
ことを特徴とする請求項1または2記載の熱音響装置用スタック。
【請求項4】
前記貫通孔は、周期的かつ稠密に形成される
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱音響装置用スタック。
【請求項5】
前記貫通孔は、正六角形、正三角形、正方形、および、長方形のうち何れか1つの断面形状を有する
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の熱音響装置用スタック。
【請求項6】
一方向に沿った複数の貫通孔を備え、管の内部に作業流体とともに配置され、前記作業流体の熱音響自励振動によって前記貫通孔に沿って流れる熱エネルギーと前記管内の作業流体の振動エネルギーとを変換する熱音響装置用スタックの製造方法であって、
同一の平面形状を有する複数の金属板の外周部分に、位置合わせ用の第1の孔を形成する第1のステップと、
各金属板の中央部分に、複数の第2の孔を形成する第2のステップと、
前記第1の孔にピンを挿入しながら複数の前記金属板を積層し、この金属板の積層体を貫通する、前記第2の孔により構成される各貫通孔にワイヤを通し、ワイヤ放電加工により前記第2の孔の形状を整える第3のステップと、
少なくとも1つの前記金属板の前記外周部分の厚さを、当該金属板の中央部よりも薄くする第5のステップと
を有することを特徴とする熱音響装置用スタックの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−202586(P2012−202586A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66427(P2011−66427)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)