説明

燃料集合体の組立治具および組立方法

【課題】制御棒案内シンブルにおける残留応力の発生を抑制することができ、ねじれや傾きが小さく真直度が高い燃料集合体を容易に製造できる。
【解決手段】下端側にフランジ部を有する保持ロッドと、制御棒案内シンブルに挿入可能な筒状に形成され、保持ロッドに外嵌されたインナーチューブと、インナーチューブの回転を規制する回転規制手段と、インナーチューブの上端側に形成され、保持ロッドをインナーチューブに対して相対的に上下方向に移動させる昇降手段と、フランジ部よりも上方の保持ロッドに外嵌された保持ゴムと、下端側に雌ねじと係合する係合部を有し、インナーチューブに外嵌されたアウターチューブと、アウターチューブの上端側に形成され、係合部を操作して雌ねじを締め付ける締結手段とを備えている燃料集合体の組立治具。また、燃料集合体の組立治具を使用した燃料集合体の組立方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧水型原子炉に使用される燃料集合体を組み立てるための燃料集合体の組立治具および組立方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
加圧水型原子炉に使用される燃料集合体は、縦横の長さがそれぞれ約200mm、高さが約4000mmの細長い形状となっており、その骨格は、複数本の制御棒案内シンブルの上端部を上部ノズルに、制御棒案内シンブルの下端部を下部ノズルにそれぞれねじ止めにより機械的に結合して形成されている。そして、燃料集合体の燃料棒は、制御棒案内シンブルの軸方向に所定間隔を隔てて配設した複数の支持格子で保持されている。
【0003】
従来、燃料集合体の組立については、種々の提案がされているが(例えば、特許文献1〜3)、概ね以下の手順で行われていた。まず、組立用のドラムに所定数の支持格子を固定し、金属製の薄肉管である計装用案内シンブルを全ての支持格子の中心のセルに挿入する。次に、全ての支持格子の所定のセルに燃料棒を順次挿入する。その後、燃料集合体の骨格となる長さ約4000mmの金属製の薄肉管である制御棒案内シンブルを全ての支持格子の所定のセルに挿入する。
【0004】
そして、制御棒案内シンブルの軸方向位置を調整し、制御棒案内シンブルの下端部を下部ノズルにねじ止めにより結合した後、制御棒案内シンブルの上端部を上部ノズルにねじ止めにより結合する。
【0005】
具体的には、まず、下部ノズルと制御棒案内シンブルの下端部とを結合する。即ち、予め下部ノズルに形成された貫通孔および制御棒案内シンブルの下端部の内周面に形成された下部雌ねじ部を用いて、下部ノズルの上面側に制御棒案内シンブルの下端部を接触させた後、下部ノズルの貫通孔に下部ノズルの下面側から雄ねじ(シンブルスクリュー)を挿入し、この雄ねじを制御棒案内シンブルの下部雌ねじ部に締め付けることにより固定する。
【0006】
次に、上部ノズルと制御棒案内シンブルの上端部とを結合する。即ち、予め上部ノズルに形成された貫通孔および制御棒案内シンブルの上端部の外周面に形成された上部雄ねじ部を用いて、制御棒案内シンブルと、最上部の支持格子のスリーブとを内側から拡管することにより支持格子を制御棒案内シンブルに固定した後、上部ノズルの貫通孔に上部ノズルの下面側から制御棒案内シンブルの上部雄ねじ部を挿入し、上部ノズルの上面側に突出した上部雄ねじ部に雌ねじ(リングナット)を締め付ける。
【0007】
このようにして組み立てられる燃料集合体は、原子炉への装荷作業性、原子炉内における隣接する燃料集合体の干渉を防ぐという観点から、真直ぐであることが要求され、ねじれおよび傾きなどの形状の公差に関して厳しく制限されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平5−126985号公報
【特許文献2】特開平9−292490号公報
【特許文献3】特開2002−350585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記した従来の燃料集合体の組立方法の場合、雌ねじを締め付けて、上部ノズルと制御棒案内シンブルの上端部とを固定するときに、制御棒案内シンブルが雌ねじと共に回転してねじれの残留応力(トルク)が発生する。この結果、燃料集合体を組立用のドラムから取り出して自立させたときには、ねじ止めによるねじり方向の力が解放されて、燃料集合体にねじれや傾きを生じさせるため、必要な真直度をもつ燃料集合体を製造することが困難であった。
【0010】
図4は、燃料集合体の曲がり、ねじれを模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。100は燃料集合体、102は燃料集合体の胴部、151は最上部支持格子、152は最下部支持格子、153は中間部支持格子であり、最上部支持格子151は上部ノズル120の近くに取り付けられ、最下部支持格子152は下部ノズル140の近くに取り付けられている。そして、上部ノズル120、下部ノズル140のいずれも拘束されている。このとき発生する上部ノズル120および下部ノズル140に対する中間支持格子13の水平方向の位置ずれの程度がねじれの変位である。
【0011】
また、図5は、燃料集合体の傾きを模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。図5においては、下部ノズル140は拘束され、上部ノズル120は拘束されていない。このとき発生する上部ノズル120の下部ノズル140に対するズレの程度が傾きの変位である。
【0012】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、雌ねじを締め付けて、上部ノズルと制御棒案内シンブルの上端部とを結合するときに、制御棒案内シンブルが雌ねじと共に回転することを回避して、制御棒案内シンブルにおける残留応力の発生を抑制することができ、ねじれや傾きが小さく真直度が高い燃料集合体を容易に製造できる燃料集合体の組立治具および燃料集合体の組立方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、以下の各請求項に示す発明により、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。以下、各請求項毎に説明する。
【0014】
請求項1に記載の発明は、
下端部が下部ノズルに結合された制御棒案内シンブルの上端部外周面に形成された上部雄ねじ部に雌ねじを締め付けて、制御棒案内シンブルの上端部に上部ノズルを結合するために使用される燃料集合体の組立治具であって、
下端側にフランジ部を有する保持ロッドと、
前記制御棒案内シンブルに挿入可能な筒状に形成され、前記保持ロッドに外嵌されたインナーチューブと、
前記インナーチューブの回転を規制する回転規制手段と、
前記インナーチューブの上端側に形成され、前記保持ロッドを前記インナーチューブに対して相対的に上下方向に移動させる昇降手段と、
前記フランジ部よりも上方の前記保持ロッドに外嵌された保持ゴムと、
下端側に前記雌ねじと係合する係合部を有し、前記インナーチューブに外嵌されたアウターチューブと、
前記アウターチューブの上端側に形成され、前記係合部を操作して前記雌ねじを締め付ける締結手段と
を備えていることを特徴とする燃料集合体の組立治具である。
【0015】
本請求項の発明によれば、昇降手段の操作により保持ロッドを上方に移動させた際、フランジ部およびインナーチューブの下端部で保持ゴムを圧縮変形させて外径を大きくし、保持ゴムを制御棒案内シンブルの上端部の内周面に押圧させて摩擦係合させることにより、インナーチューブと制御棒案内シンブルとを保持ゴムにより固定させることができる。
【0016】
このため、本発明に係る燃料集合体の組立治具のアウターチューブを用いて雌ねじを締め付ける際に、回転規制手段を用いてインナーチューブの回転を規制することにより、制御棒案内シンブルはねじられることがなくなり、燃料集合体にねじれや傾きが発生することを抑制することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の燃料集合体の組立治具を使用し、下端部が下部ノズルに結合された制御棒案内シンブルの上端部外周面に形成された上部雄ねじ部に雌ねじを締め付けて前記制御棒案内シンブルの上端部に上部ノズルを結合する燃料集合体の組立方法であって、
前記組立治具の保持ゴムを前記制御棒案内シンブルに挿入する第1の工程と、
前記昇降手段の操作により、前記フランジ部および前記インナーチューブの下端部で前記保持ゴムを圧縮変形させて外径を大きくして、前記保持ゴムの摩擦係合力により前記インナーチューブと前記制御棒案内シンブルとを固定する第2の工程と、
前記回転規制手段を用いて前記インナーチューブの回転を規制した状態において、前記締結手段の操作により前記アウターチューブの係合部を介して前記雌ねじを締め付けて、前記上部ノズルと前記制御棒案内シンブルとを結合する第3の工程と
を備えていることを特徴とする燃料集合体の組立方法である。
【0018】
本請求項の発明によれば、第1〜第3の工程を経て、上部ノズルと前記制御棒案内シンブルとを結合するため、アウターチューブにより雌ねじを締め付ける際に、制御棒案内シンブルがねじられることを防ぐことができ、燃料集合体にねじれや傾きが発生することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ねじれや傾きが小さく真直度が高い燃料集合体を容易に組立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る燃料集合体の組立治具の一実施の形態を模式的に示す図である。
【図2】本発明に係る燃料集合体の組立治具の一実施の形態によるリングナットの締め付け動作を説明する図である。
【図3】本発明に係る燃料集合体の組立方法の一実施の形態を模式的に説明する図である。
【図4】燃料集合体の曲がり、ねじれを模式的に示す図である。
【図5】燃料集合体の傾きを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施の形態に基づいて、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0022】
1.燃料集合体の組立治具
図1は、本実施の形態に係る燃料集合体の組立治具を模式的に示す図である。図2は、本実施の形態に係る燃料集合体の組立治具によるリングナットの締め付け動作を説明する図である。図3は、本実施の形態に係る燃料集合体の組立方法を模式的に説明する図である。図中の符号1は組立治具、110は制御棒案内シンブル、120は上部ノズル、130はリングナット(雌ねじの一例)である。なお、説明の便宜上、図面の一部を断面図で示している。
【0023】
(1)制御棒案内シンブル
制御棒案内シンブル110の上端部外周には、カラー111と称呼される部材が溶接等により固着されている。カラー111の上部外面には、リングナット130を螺着するための雄ねじ部112が設けられている。カラー111の下部には、フランジ部113が設けられている。
【0024】
(2)上部ノズル
上部ノズル120は、底部に上部ノズル120の下方に通じる複数の貫通孔124が設けられ、側面部が囲まれた矩形のキャビティ構造を有する部材である。貫通孔124はカラー111の外径と略同径の孔であり、その上下部にそれぞれ環状凹部125、126が設けられている。上側の環状凹部125はリングナット130を係止させる部位である。下側の環状凹部126はカラー111のフランジ部113を係止させる部位である。
【0025】
(3)リングナット
リングナット130は、制御棒案内シンブル110の雄ねじ部112に螺合する雌ねじであり、その外径寸法は上部ノズル120の上側の環状凹部125よりも小さくかつ貫通孔124の中間部よりも大きくなるように設定されている。また、リングナット130の上側外縁部には、図2のように、複数の嵌合溝131が設けられている。
【0026】
(4)制御棒案内シンブルの結合構造
上部ノズル120と制御棒案内シンブル110の結合構造は、雄ねじ部112に螺着したリングナット130を上側の環状凹部125に係止させると共に、カラー111に設けたフランジ部113を下側の環状凹部126に係止させて、上部ノズル120の貫通孔124の中間部の上下端縁をリングナット130とフランジ部113で挟み込んだ構造になっている。
【0027】
(5)燃料集合体の組立治具
燃料集合体の組立治具1は、保持ロッド10と、保持ロッド10に外嵌したインナーチューブ20と、インナーチューブ20から突き出た保持ロッド10の先端に外嵌されたリング状の保持ゴム30と、インナーチューブ20に外嵌されたアウターチューブ40とを備えている。保持ゴム30と筒状のスペーサ13は、インナーチューブ20に内挿された軸棒11の先端から外嵌されており、フランジ部15を有するキャップ12を軸棒11と締結することにより軸棒11に保持されている。
【0028】
保持ロッド10は、ねじ棒で形成された軸棒11と、軸棒11の下端に取り付けたキャップ12と、軸棒11の下端であってインナーチューブ20の下端から下方に突き出た部分に外嵌された筒状のスペーサ13と、軸棒11の上端であってインナーチューブ20の上端から上方に突き出た部分に取り付けた昇降手段14とを有する。この実施形態では、昇降手段14として軸棒11に螺合するナットを使用している。
【0029】
インナーチューブ20は、軸棒11に外嵌した筒部21と、筒部21の上端側に設けたハンドル部(回転規制手段の一例)22とを有する。筒部21の外径は、制御棒案内シンブル110の内径よりも小さく、インナーチューブ20を制御棒案内シンブル110に対してほとんど干渉することなく挿入可能になっている。
【0030】
保持ロッド10の軸棒11に外嵌された保持ゴム30は、保持ロッド10のフランジ部15の上方に位置するスペーサ13とインナーチューブ20の先端との間に介在している。保持ゴム30に圧縮力が作用する前の外径は、制御棒案内シンブル110の内径よりも小さく、保持ゴム30が制御棒案内シンブル110に挿入される際に制御棒案内シンブル110の内面に干渉しないようになっている。なお、この実施形態では、保持ゴム30の外径を保持ロッド10のフランジ部15やインナーチューブ20の筒部21の外径と略同径にしている。
【0031】
アウターチューブ40は、インナーチューブ20に外嵌した筒部41と、筒部41の先端に設けられて、リングナット130を締め付ける係合部42と、筒部41の上端近傍に設けられて、リングナット130の締め付け操作を行うための締結手段43とを有する。筒部41の長さは、係合部42をリングナット130の締結部位となる上部ノズル120の中空部122の底部に接触させた状態で締結手段43が上部ノズル120の凹部121の外部に位置するように、上部ノズル120の上端から中空部122の底部までの深さよりも十分に長くなっている。係合部42は、図2に示すように、リングナット130の上部の外縁に形成した複数の嵌合溝131にそれぞれ噛み合う複数の突部44で構成されている。締結手段43は、レンチ等の工具で操作できるように外周部を六角形状に形成されている。
【0032】
2.燃料集合体の組立方法
以下、上記の燃料集合体の組立治具1を使用して燃料集合体を組み立てる工程について説明する。
【0033】
(1)リングナットの仮止め工程
まず、制御棒案内シンブル110のカラー111に上部ノズル120の貫通孔124を嵌合し、下側の環状凹部126をカラー111のフランジ部113で係止させる。この状態で、リングナット130を制御棒案内シンブル110の雄ねじ部112に仮止めしておく。この後、以下の第1〜第3の工程を経て燃料集合体が組み立てられる、
【0034】
(2)第1の工程
第1の工程において、図1に示すように、アウターチューブ40の下端からインナーチューブ20の下端を突出させた状態で、インナーチューブ20の少なくとも先端までを制御棒案内シンブル110内に挿入する。
【0035】
(3)第2の工程
次に、図3の矢印aに示すように、保持ロッド10の昇降手段14を締め付け方向に回転させて、保持ロッド10を上昇させることにより、保持ロッド10のフランジ部15とインナーチューブ20の下端部を接近させる。これにより、これらの間に位置する保持ゴム30は圧縮により拡径されて、制御棒案内シンブル110の内面に接触する。
【0036】
(4)第3の工程
次に、保持ゴム30を制御棒案内シンブル110の内面に接触させた状態でアウターチューブ40の係合部42をリングナット130の嵌合溝131(図2参照)に係合させてリングナット130を締め付ける。リングナット130の締め付けは、図3の矢印bのようにレンチ等の工具で締結手段43を回転させて行う。このとき、ハンドル22を保持してインナーチューブ20の回転を規制することにより、制御棒案内シンブル110の回転も規制されて、制御棒案内シンブル110にねじりトルクが伝わることを防ぐことができる。
【0037】
3.本実施の形態の効果
本実施の形態における燃料集合体の組立治具1およびこれを使用した燃料集合体の組立方法によれば、上記のように、リングナット130を締め付ける際に保持ゴム30の摩擦力を制御棒案内シンブル110に作用させることができるため、リングナット130を締め付けても制御棒案内シンブル110にねじりトルクが伝わらない。
【0038】
このため、組立後の制御棒案内シンブル110にねじりの残留応力が生じず、ねじれや傾きが少なく真直度の高い燃料集合体を容易に組み立てることができる。
【0039】
なお、本実施の形態の燃料集合体の組立治具1を使用して燃料集合体を組み立てたところ、従来の方法に比べてねじれや傾きの発生を約25%減少することが確認され、要求仕様を満足する燃料集合体を安定して製造できることが確認された。
【0040】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 組立治具
10 保持ロッド
11 軸棒
12 キャップ
13 スペーサ
14 昇降手段
15 保持ロッドのフランジ部
20 インナーチューブ
21 インナーチューブの筒部
22 ハンドル部
30 保持ゴム
40 アウターチューブ
41 アウターチューブの筒部
42 係合部
43 締結手段
44 突部
100 燃料集合体
102 燃料集合体の胴部
110 制御棒案内シンブル
111 カラー
112 雄ねじ部
113 カラーのフランジ部
120 上部ノズル
121 凹部
122 中空部
124 貫通孔
125 上側の環状凹部
126 下側の環状凹部
130 リングナット
131 嵌合溝
140 下部ノズル
151 最上部支持格子
152 最下部支持格子
153 中間部支持格子
a 昇降手段の締め付け方向を示す矢印
b 締結手段の回転方向を示す矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端部が下部ノズルに結合された制御棒案内シンブルの上端部外周面に形成された上部雄ねじ部に雌ねじを締め付けて、制御棒案内シンブルの上端部に上部ノズルを結合するために使用される燃料集合体の組立治具であって、
下端側にフランジ部を有する保持ロッドと、
前記制御棒案内シンブルに挿入可能な筒状に形成され、前記保持ロッドに外嵌されたインナーチューブと、
前記インナーチューブの回転を規制する回転規制手段と、
前記インナーチューブの上端側に形成され、前記保持ロッドを前記インナーチューブに対して相対的に上下方向に移動させる昇降手段と、
前記フランジ部よりも上方の前記保持ロッドに外嵌された保持ゴムと、
下端側に前記雌ねじと係合する係合部を有し、前記インナーチューブに外嵌されたアウターチューブと、
前記アウターチューブの上端側に形成され、前記係合部を操作して前記雌ねじを締め付ける締結手段と
を備えていることを特徴とする燃料集合体の組立治具。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料集合体の組立治具を使用し、下端部が下部ノズルに結合された制御棒案内シンブルの上端部外周面に形成された上部雄ねじ部に雌ねじを締め付けて前記制御棒案内シンブルの上端部に上部ノズルを結合する燃料集合体の組立方法であって、
前記組立治具の保持ゴムを前記制御棒案内シンブルに挿入する第1の工程と、
前記昇降手段の操作により、前記フランジ部および前記インナーチューブの下端部で前記保持ゴムを圧縮変形させて外径を大きくして、前記保持ゴムの摩擦係合力により前記インナーチューブと前記制御棒案内シンブルとを固定する第2の工程と、
前記回転規制手段を用いて前記インナーチューブの回転を規制した状態において、前記締結手段の操作により前記アウターチューブの係合部を介して前記雌ねじを締め付けて、前記上部ノズルと前記制御棒案内シンブルとを結合する第3の工程と
を備えていることを特徴とする燃料集合体の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−242144(P2012−242144A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109975(P2011−109975)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000165697)原子燃料工業株式会社 (278)