説明

燃料電池の電圧測定用出力端子の取付方法

【課題】 加工が簡単で、強度が強く、寿命が長く、取り付けが容易で、作業性の良い燃料電池の電圧測定用出力端子の取付方法を提供する。
【解決手段】 燃料電池スタックの各セルのカーボンプレートに丸穴を明け、丸穴にバナナクリップにて出力端子の一端を接続し、出力端子束の他端をコネクターを介して電圧測定装置と接続することを特徴とする燃料電池の電圧測定用出力端子の取付方法。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池の電圧を測定するための出力端子取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池の評価は、各セルに出力端子を取り付けて電圧測定するものであり、近時、10セルから50セルへと、さらには50セル以上へとスタックが大型化の傾向にあり、しかも複数のスタックで並行評価がされるようになってきている。
【0003】燃料電池を評価するに於いて、各セルに出力端子を取り付けるには、図4に示すように各セルのカーボンプレート11にねじ加工し、このねじ12に圧着端子13をねじ止めしていた。
【0004】かかる出力端子の取付方法は、ねじ加工が面倒で、強度が弱く、寿命が短い。また、圧着端子をねじ止めするのが面倒で、作業性が悪い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、加工が簡単で、強度が強く、寿命が長く、取り付けが容易で、作業性の良い燃料電池の電圧測定用出力端子の取付方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明の燃料電池の電圧測定用出力端子の取付方法は、燃料電池スタックの各セルのカーボンプレートに丸穴を明け、丸穴にバナナクリップにて出力端子の一端を接続し、出力端子束の他端をコネクターを介して電圧測定装置と接続することを特徴とするものである。
【0007】このように本発明の燃料電池の電圧測定用出力端子の取付方法は、燃料電池スタックの各セルのカーボンプレートにねじ加工するのをやめて単なる丸穴を明けるので、加工がし易く、強度が強く、また、バナナクリップにて出力端子の一端を丸穴に接続するので、取り付けが簡単となる。従って、取付部の寿命が長くなる。さらに、出力端子束の他端をコネクターを介して電圧測定装置に接続するので、接続が容易で確実となる。従って、電圧測定をする燃料電池を変換する場合の離脱、接続も簡単にできる。
【0008】かくして、燃料電池の電圧測定用出力端子の取り付けの作業性が著しく向上し、しかも燃料電池の複数のスタックの各セルのカーボンプレートと多数の出力端子を接続すると、並行試験を行うことができ、必要な時にそのまま電圧測定が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の燃料電池の電圧測定用出力端子の取付方法の実施例を図によって説明すると、図1R>1に示す燃料電池スタック1の各セル(セル数50)2における厚さ8mmのガス不透過性カーボンプレート3に図2R>2に示すように穴径4mmの丸穴4を2個ずつ明け、この丸穴4にバナナクリップ5にて出力端子6の一端を接続し、図3に示すように各出力端子6を集束した他端をコネクター7を介して電圧測定装置(図示せず)と接続した。
【0010】こうして電圧測定用出力端子を取り付けた燃料電池は、運転条件60〜90℃、水素、酸素(又は空気)の供給と、運転時間、5時間×10回〜20回とで、セル間の電圧を常時測定して、初期特性の評価を行う。
【0011】前記のように実施例の燃料電池の電圧測定用出力端子の取付方法は、燃料電池スタック1の各セル2のカーボンプレート3にねじ加工するのをやめて単純な丸穴4を明けるので、加工がし易く、加工時間も短くて済み、強度が強く、また、バナナクリップ5にて出力端子6の一端を丸穴4に接続するので、取り付けが簡単となる。従って、取付部の寿命が長くなる。さらに、出力端子6の束の他端をコネクター7を介して電圧測定装置(図示せず)に接続するので、接続が容易で確実となる。従って、電圧測定する燃料電池を変換する場合の離脱、接続も簡単にできる。
【0012】
【発明の効果】以上の説明で判るように本発明の燃料電池の電圧測定用出力端子の取付方法によれば、加工がし易く、加工時間が短くて済み、強度が強く、取り付けが簡単で、取付部の寿命が長く、電圧測定装置との接続も容易で確実であり、電圧測定する燃料電池を変換する場合の離脱、接続も簡単にできる。従って、電圧測定用出力端子の取付作業性が著しく向上し、しかも燃料電池の複数のスタックの各セルのカーボンプレートと多数の出力端子を接続すると、並行試験を行うことができ、必要な時にそのまま電圧測定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池スタックに於ける各セルのカーボンプレートを示す図である。
【図2】図1に示されるカーボンプレートに電圧測定用出力端子を取り付ける状態を示す図である。
【図3】図2に示される出力端子の束と他端のコネクターを示す図である。
【図4】従来の出力端子の取付方法を示す図である。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 セル
3 カーボンプレート
4 丸穴
5 バナナクリップ
6 出力端子
7 コネクター

【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料電池スタックの各セルのカーボンプレートに丸穴を明け、丸穴にバナナクリップにて出力端子の一端を接続し、出力端子束の他端をコネクターを介して電圧測定装置と接続することを特徴とする燃料電池の電圧測定用出力端子の取付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開平9−283166
【公開日】平成9年(1997)10月31日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−86953
【出願日】平成8年(1996)4月10日
【出願人】(000217228)田中貴金属工業株式会社 (146)