説明

燃料電池スタック

【課題】燃料電池スタックを傾斜設置した場合にもエンドプレートに取り付けられるシステム部品の性能維持を可能にする。
【解決手段】燃料電池スタック10は、複数の燃料電池単セル30が積層されてなるセル積層体38と、セル積層体38を積層方向両側から挟持する一対のエンドプレート36a,36bと、一方のエンドプレート36aに取り付けられるシステム部品48−54とを備える。一方のエンドプレート36aは、セル積層体38に対向する積層体対向面37aと、その反対側のシステム部品取付面37bとを有し、マニホールド42b,44bが一方のエンドプレートに向かって下り勾配になるよう燃料電池スタック10を設置したときに、システム部品取付面37bが鉛直方向に沿うように、システム部品取付面37bが積層体対向面37aに対して傾斜角θを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池スタックに関し、特に、スタックを傾斜して設置した場合でもエンドプレートに取り付けられるシステム部品の性能を維持することができる燃料電池スタックに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池スタックは、アノード側電極、電解質膜およびカソード側電極を有した基本構造(燃料電池単セル)を、複数積層して直列つなぎにすることで構成される。この基本構造たる燃料電池単セルは、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の一方の面にアノード側電極を、他方の面にカソード側電極を配置して、さらにそれらをセパレータによって狭持することで構成される。そして、このような構成の燃料電池単セルを複数積層して直列接続し、この複数の燃料電池単セルの積層体を、さらにそれぞれ一対の集電板、絶縁板およびエンドプレートで積層方向両側から狭持することで、高電圧を発生する燃料電池スタックとして使用される。
【0003】
このとき、各燃料電池単セルにおいて、電解質膜およびセパレータにはマニホールド孔が形成されており、アノード側電極、電解質膜およびカソード側電極をセパレータで狭持することで、電解質膜および両セパレータのマニホールド孔が連結し、後述のマニホールドの一部を形成した状態の燃料電池単セルが作製される。さらに、このような燃料電池単セルを複数積層して直列接続して燃料電池スタックを作製すると、各燃料電池単セル間でもマニホールド孔が連結した状態となる。すなわち、各燃料電池単セルにおいて形成されている後述のマニホールドの一部同士が連結した状態となる。こうして、燃料電池単セルの積層によって作製された燃料電池スタックには、燃料電池スタック外部と各燃料電池単セルとの間で燃料ガスや酸化剤ガスなどの供給・排出を行うためのマニホールドや、各燃料電池単セルの発熱による温度上昇を抑制することを目的として燃料電池スタックの外部と各燃料電池単セルとの間で冷却媒体(例えば冷却水)の供給・排出を行うためのマニホールドが、燃料電池単セルの積層方向に貫通して形成されることとなる。
【0004】
そして、燃料電池スタックにおいては、以上のような構成により、燃料ガス及び酸化剤ガスが、燃料電池スタックの一方のエンドプレート側からガス供給用のマニホールドを通って各燃料電池単セルに供給され、供給後には各燃料電池単セルからガス排出用のマニホールドに排出され、排出されたガスが、ガス排出用のマニホールドを通って一方のエンドプレート側から外部に排出されるようになる。
【0005】
ところで、上記のような構成の燃料電池単セルにおいて、アノード側に供給される燃料ガスである水素とカソード側に供給される酸化剤ガスである酸素との電解質膜を介しての電気化学反応によって水が生成される。この生成水は、複数の燃料電池単セルからなる積層体を貫通して延びるガス排出用マニホールドを介して排出ガスと一緒に燃料電池スタックから排出される。
【0006】
このような燃料電池スタックからの排水性を良好にするために、例えば特許文献1から3には燃料電池スタックを水平面に対して傾斜配置することで、スタック内部のマニホールドに下り勾配をつけることが開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2004−207106号公報
【特許文献2】特開平5−174862号公報
【特許文献3】特開2004−146303号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述したようなセル積層体の両端をエンドプレートで挟持した燃料電池スタックを傾斜させた場合、エンドプレートに取り付けられる例えばポンプ等のシステム部品も傾斜して設けられることになり、傾斜設置されているがためにシステム部品の性能を十分に発揮できない可能性がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、燃料電池スタックを傾斜設置した場合にもエンドプレートに取り付けられるシステム部品の性能維持を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、複数の燃料電池単セルが積層されてなるセル積層体と、セル積層体内部を積層方向に貫通して延在し各燃料電池単セルについて燃料ガスあるいは酸化剤ガスを供給、排出するためのマニホールドと、セル積層体を積層方向両側から挟持する一対のエンドプレートと、一方のエンドプレートに取り付けられるシステム部品とを備える燃料電池スタックであって、前記一方のエンドプレートは、セル積層体に対向する積層体対向面と、積層体対向面とは反対側のシステム部品取付面とを有し、前記マニホールドが前記一方のエンドプレートに向かって下り勾配になるよう燃料電池スタックを設置したときに、前記システム部品取付面が鉛直方向に沿うように、前記システム部品取付面が前記積層体対向面に対して傾斜角を有することを特徴とする。
【0011】
ここで、上記「システム部品」には、ポンプ、配管、燃料ガスインジェクタ、排水弁、圧力センサ等が含まれる。
【0012】
本発明に係る燃料電池スタックにおいて、前記一方のエンドプレートは、台形状の側面または断面を有するように形成されてもよい。
【0013】
また、本発明に係る燃料電池スタックにおいて、前記一方のエンドプレートが、一定厚みの平板の表面にシステム部品を取り付けるシステム部品取付部だけを突設して構成されており、前記システム部品取付部が台形状の側面または断面を有してもよい。
【0014】
また、本発明に係る燃料電池スタックにおいて、前記一対のエンドプレートのうち他方のエンドプレートの下側角部を切除してあってもよい。
【0015】
さらに、本発明に係る燃料電池スタックにおいて、前記一対のエンドプレートのうち他方のエンドプレートの上側角部を切除してあってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る燃料電池スタックによれば、複数の燃料電池単セルの積層体内部を貫通するマニホールドが一方のエンドプレートに向かって下り勾配になるよう燃料電池スタックを設置したときに前記一方のエンドプレートに関してシステム部品取付面が鉛直方向に沿うようにシステム部品取付面が積層体対向面に対して傾斜角を有していることで、燃料電池スタックの傾斜設置にかかわらず前記一方のエンドプレートに取り付けられるシステム部品を通常姿勢で使用することができ、システム部品の性能を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明に係る燃料電池スタックの実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様当のあわせて適宜変更することができる。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態である燃料電池スタック10を含む燃料電池システム1の概略構成を示すブロック図である。燃料電池システム1は、燃料電池スタック10、電圧変換器12、インバータ14、モータ16、平滑コンデンサ18、加湿器20、希釈器22、燃料ガス供給部24、酸化剤ガス供給部26、および冷媒循環部28を含んで構成される。
【0019】
燃料電池スタック10は、燃料ガスである例えば水素と酸化剤ガスである例えば酸素との電解質膜を介しての電気化学反応によって発電し、直流電圧を電圧変換器12へ出力する。電圧変換器12は、燃料電池スタック10から供給される直流電圧を必要に応じて昇圧し、昇圧後の高圧直流電圧を平滑コンデンサ18を介してインバータ14へ供給する。インバータ14は、電圧変換器12から供給される高圧直流電圧を三相交流電圧に変換して、例えば三相同期型交流モータ16に印加する。インバータ14からの電圧印加によって回転するモータ16の駆動力は、例えば自動車等の車両の車輪を駆動するために用いられる。
【0020】
燃料電池スタック10には、燃料ガス供給部24から燃料ガスとして水素が供給される。燃料ガス供給部24は、例えば高圧水素タンクで構成されることができる。一方、酸化ガスとしての酸素を含む空気は、大気中から酸化剤ガス供給部26によって取り込まれ、加湿器20を介して燃料電池スタック10へ供給される。燃料電池スタック10内での電気化学反応の促進のため、空気は加湿器20を通過する際に十分に加湿される。
【0021】
燃料電池スタック10内で酸素との電気化学反応に供された後の廃水素ガスは、燃料電池スタック10から希釈器22へと送られる。一方、燃料電池スタック10内で水素との電気化学反応に供された後の廃空気は、前記電気化学反応によって生成された水と一緒に燃料電池スタック10から排出され、加湿器20を介して希釈器22へ送られる。加湿器20では、内蔵する多孔質体によって廃空気中に含まれる生成水を回収して供給用空気の加湿に再利用される。希釈器22では、廃水素ガスが廃空気によって十分に混合希釈され、その後システム外へ排気される。
【0022】
冷媒循環部28は、電気化学反応によって昇温する燃料電池スタック10を冷却するために、冷却媒体としての冷却水を燃料電池スタック10内で循環させるものである。
【0023】
図2は、燃料電池スタック10の概略構成を示す斜視図である。燃料電池スタック10は、図示しない板金製のスタックケース内に収容されて、自動車等に搭載または設置されることができる。
【0024】
燃料電池スタック10は、アノード側電極、電解質膜およびカソード側電極をセパレータによって狭持してなる燃料電池単セル30を複数積層して直列接続することによって構成されるセル積層体38を含む。セル積層体38は、矢印Bで示す積層方向の両端において、それぞれ一対の集電板32a,32b、絶縁板34a,34b(図2では一方のみ図示、図3参照)およびエンドプレート36a,36bで狭持されている。セル積層体38を構成する複数の燃料電池単セル30で発電された電力は、上記一対の集電板32a,32bから出力される。
【0025】
例えばステンレス板で形成される各エンドプレート36a,36bは、上部および下部において、それぞれ2本の帯状部材40によって連結されており、これらの帯状部材40によってエンドプレート36a,36bに対してセル積層体38を挟持するための引っ張り力が付与されている。各帯状部材の端部は、エンドプレート36a,36bにねじ止め等の適当な固定手段によって固定される。
【0026】
燃料電池スタック10には、燃料電池スタック10の外部から配管介して燃料ガスおよび酸化剤ガスを各燃料電池単セル30のアノード側電極およびカソード側電極に供給するために、燃料電池スタック10を積層方向に貫通して形成される燃料ガス供給マニホールド42a(図中の右側上段)および酸化剤ガス供給マニホールド44a(図中の左側上段)が設けられている。また、供給した燃料ガスおよび酸化剤ガスを各燃料電池単セル30のアノード側電極およびカソード側電極から燃料電池スタック10の外へ排出するために、燃料電池スタック10を積層方向に貫通して形成される燃料ガス排出マニホールド42b(図中の左側下段)および酸化剤ガス排出マニホールド44b(図中の右側下段)が設けられている。さらに、燃料電池単セル30の電気化学反応に伴う発熱による温度上昇を抑制するため、燃料電池スタック10の外部から冷却媒体(例えば冷却水)を各燃料電池単セル30内に流しているが、この冷却媒体の供給および排出を行うための冷却媒体供給マニホールド46a(図中の左側中段)および冷却媒体排出マニホールド46b(図中の右側中段)も、燃料電池スタック10を積層方向に貫通して形成されている。
【0027】
エンドプレート36a,36bのうち一方のエンドプレート36aは、セル積層体38に対向する積層体対向面37aとその反対側のシステム部品取付面37bとを有し、上述した各マニホールド42a,42b,44a,44b,46a,46bの端部は前記一方のエンドプレート36aのシステム部品取付面37bに開口している。図2における黒い太矢印は燃料ガスの流れ方向、白い太矢印は酸化剤ガスの流れ方向、斜線の太矢印は冷却媒体の流れ方向をそれぞれ示している。また、エンドプレート36aのシステム部品取付面の略中央部には、ポンプ48や配管50−54(図3参照)等のシステム部品が取り付けられる。
【0028】
なお、図2に示すように、本実施形態では、エンドプレート36aの左右両側に各マニホールド42a,42b,44a,44b,46a,46bの開口部を3つずつ縦に並べて形成してあるが、各マニホールド開口部の配列はこれに限定されるものではなく、燃料電池スタック10内部での燃料ガス、酸化剤ガスおよび冷却媒体の各マニホールドの設計に応じて適宜変更可能であり、例えば冷却媒体用マニホールド46a,46bをエンドプレート36aの上下に1つずつ形成してもよい。また、各マニホールドは、燃料電池単セル30の積層方向に関してセル積層体38を貫通していればよく、必ずしも直線状に形成されていなくてもよいし、あるいは、積層方向(矢印B方向)に対して傾斜して設けられてもよい。
【0029】
図2において、エンドプレート36a側から燃料ガス供給マニホールド42aに供給された燃料ガスである水素は、積層された各燃料電池単セル30内で、アノード側電極の表面(発電面)に沿って側方(図2における右側から左側)へ流れる。アノード側電極は触媒を含んで構成され、アノード側電極の表面に沿って流れる間に、水素の一部は触媒により活性化されることで電子を放出して水素イオンとなり、電解質膜を透過してカソード側電極へ移動する。この水素のイオン化によって放出される電子が、燃料電池単セルで発電される電力となる。燃料電池単セル30で発電に供されなかった(すなわちイオン化されなかった)水素は、燃料ガス排出マニホールド42bを経由して、エンドプレート36aから燃料電池スタック10外に排出される。
【0030】
また、エンドプレート36a側から酸化剤ガス供給マニホールド44aに供給された酸化剤ガスである酸素を含む空気は、積層された各燃料電池単セル30内で、カソード側電極の表面に沿って側方(図2における左側から右側)へ流れる。カソード側電極は触媒を含んで構成され、カソード側電極の表面に沿って流れる間に、空気中の酸素の一部は触媒により活性化されて酸素イオンとなり、電解質膜を透過してカソード側電極から移動してきた水素イオンと化学反応して、水が生成される。燃料電池単セル30内のカソード側電極に沿って流れた空気は、反応生成水と共に、酸化剤ガス排出マニホールド44bを経由して、エンドプレート36aから燃料電池スタック10外に排出される。
【0031】
さらに、エンドプレート36bから冷却媒体供給マニホールド46aに供給された冷却水は、積層された各燃料電池単セル間に形成されている流路を側方(図2における左側から右側)へ流れ、内部の電気化学反応により生じる発熱で昇温する燃料電池単セル30を冷却する。その後、冷却水は、冷却媒体排出マニホールド46bを経由してエンドプレート36aから燃料電池スタック10外へ排出される。
【0032】
図3は燃料電池スタック10における一方のエンドプレート36aの側面形状を示す図である。図3(図4および図5についても同様)において、帯状部材40の図示は省略されている。エンドプレート36aは、上述したように積層体対向面37aとシステム部品取付面37bとを有する。ここで、エンドプレート36aは、システム部品取付面37bには積層体対向面37aに対して傾斜角θをつけて形成されており、その側面または縦方向断面が台形状をなしている。これにより、特に酸化剤ガス排出マニホールド44bおよび燃料ガス排出マニホールド42bの排水性を良好にするためにセル積層体38内の各マニホールド42a−46bが一方のエンドプレート36aに向かって下り勾配になるよう燃料電池スタック10を設置したときに、エンドプレート36aのシステム部品取付面37bが鉛直方向(矢印Y方向)に沿うようになっている。
【0033】
このようにエンドプレート36bが形成されていることで、燃料電池スタック10の傾斜設置にかかわらず一方のエンドプレート36bに取り付けられるポンプ48や配管50,52,54等のシステム部品を通常姿勢で使用することができ、システム部品のポンプ性能および排水性を維持することができる。ここで、「通常姿勢」とは、ポンプ48については鉛直面に取り付けられている状態を指し、配管50,52,54については水平方向(矢印X方向)に延伸する状態を指す。
【0034】
また、一定厚みの平板でエンドプレートが構成されている燃料電池スタックを傾斜設置した場合には、エンドプレートに取り付けられるポンプ、配管、燃料ガスインジェクタ、排水弁、圧力センサ等のシステム部品の取付姿勢も傾斜することになるため、その周辺の関連部品(例えばスタックケース等)も含めての設計変更や性能再評価を改めて行う必要が生じるが、本実施形態の燃料電池スタック10によれば、そのような設計変更や性能再評価を省くことができる。
【0035】
なお、エンドプレート36aの上面と下面は、水平方向に沿うように形成されているが、一点鎖線で示すように燃料電池単セル30の積層方向(矢印B方向)に沿うよう形成されてもよい。また、図3に示す例では、板状をなすエンドプレート36aの全体について台形状断面を有するように形成してあるが、図4に示すように、各配管50,52,54の先端フランジ部の取付部56,58,60およびポンプ取付部62だけを、一定厚みの平板部36c上に側面または断面が台形状になるような略円柱状(あるいは略角柱状)に突設し、それら取付部56−62の先端面に傾斜角θをつけてシステム部品取付面としてもよい。これらの取付部56,58,60,62がシステム部品取付部を構成し、その先端面にはシステム部品取付用の雌ねじが穿設形成されている。このようにすれば、エンドプレート36aひいては燃料電池スタック10の軽量化を図れる。
【0036】
図5は、他方のエンドプレート36bの側面形状を示す図である。エンドプレート36bは、例えば一定厚みのステンレス板の下側角部39aおよび上側角部39bを切削により面取りするように除去して形成してある。また、エンドプレート36bの中央部には、積層された各燃料電池スタックの圧接荷重を調節するためのねじ64が組み込まれており、ねじ64の先端が絶縁板34bに当接している。
【0037】
このようにエンドプレート36bの下側角部39aを切除することで、傾斜設置された燃料電池スタック10の水平方向(X方向)寸法の増大を抑えることができ、燃料電池スタックを水平設置状態で収容するよう設計されているスタックケース70をそのまま使用できる。また、上側角部39bも切除することで、エンドプレート36bのバランスが良くなると共に、エンドプレート36bひいては燃料電池スタック10の軽量化を図れる。
【0038】
なお、上述した燃料電池スタック10では、燃料ガス、酸化ガスおよび冷却媒体の出入りを同一エンドプレートから行うようにしているが、本発明は、一方(または上方側)のエンドプレートから燃料ガス等を供給して他方(または下方側)のエンドプレートから排出するタイプの燃料電池スタックにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態である燃料電池スタックを含む燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1の燃料電池スタックの斜視図である。
【図3】図2における一方のエンドプレートの側面形状を示す燃料電池スタックの部分側面図である。
【図4】図3のエンドプレートの変形例を示す燃料電池スタックの部分側面図およびエンドプレートのA−A断面図である。
【図5】図2における他方のエンドプレートの側面形状を示す燃料電池スタックの部分側面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 燃料電池システム、10 燃料電池スタック、12 電圧変換器、14 インバータ、16 モータ、18 平滑コンデンサ、20 加湿器、22 希釈器、24 燃料ガス供給部、26 酸化剤ガス供給部、28 冷媒循環部、30 燃料電池単セル、32a,32b 集電板、34a,34b 絶縁板、36a,36b エンドプレート、36c 平板部、37a 積層体対向面、37b システム部品取付面、38 セル積層体、39a 下側角部、39b 上側角部、40 帯状部材、42a 燃料ガス供給マニホールド、42b 燃料ガス排出マニホールド、44a 酸化剤ガス供給マニホールド、44b 酸化剤ガス排出マニホールド、46a 冷却媒体供給マニホールド、46b 冷却媒体排出マニホールド、48 ポンプ、50,52,54 配管、56,58,60 取付部、62 ポンプ取付部、70 スタックケース、θ 傾斜角。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の燃料電池単セルが積層されてなるセル積層体と、セル積層体内部を積層方向に貫通して延在し各燃料電池単セルについて燃料ガスあるいは酸化剤ガスを供給、排出するためのマニホールドと、セル積層体を積層方向両側から挟持する一対のエンドプレートと、一方のエンドプレートに取り付けられるシステム部品とを備える燃料電池スタックであって、
前記一方のエンドプレートは、セル積層体に対向する積層体対向面と、積層体対向面とは反対側のシステム部品取付面とを有し、前記マニホールドが前記一方のエンドプレートに向かって下り勾配になるよう燃料電池スタックを設置したときに、前記システム部品取付面が鉛直方向に沿うように、前記システム部品取付面が前記積層体対向面に対して傾斜角を有することを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池スタックにおいて、
前記一方のエンドプレートは、台形状の側面または断面を有するように形成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項3】
請求項1または2に記載の燃料電池スタックにおいて、
前記一方のエンドプレートは、一定厚みの平板の表面にシステム部品を取り付けるシステム部品取付部だけを突設して構成されており、前記システム部品取付部が台形状の側面または断面を有することを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料電池スタックにおいて、
前記一対のエンドプレートのうち他方のエンドプレートの下側角部を切除してあることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料電池スタックにおいて、
前記一対のエンドプレートのうち他方のエンドプレートの上側角部を切除してあることを特徴とする燃料電池スタック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−146575(P2009−146575A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−319355(P2007−319355)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】