説明

燃焼室及び燃焼室の動作方法

【課題】 本発明によるガスタービンの燃焼室(10)は、燃焼器(13)と接続された複数の第一及び第二の予混合燃料供給器(11,12)を有し、この燃焼器が、第一の予混合燃料供給器(11)に連なる第一のゾーン(14)と、第二の予混合燃料供給器(12)に連なる第二のゾーン(15)とを有する。
【解決手段】 第二の予混合燃料供給器(12)が、第一の予混合燃料供給器(11)に対して、燃焼器の縦軸(16)に沿ってずらして配置されている。第一のゾーン(14)が、燃焼器の縦軸に対して、第二の予混合燃料供給器(12)の上流に有る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼室及び燃焼室の動作方法に関する。以下においては、特に、予混合燃焼室、即ち、予め酸化剤と混合した燃料を燃焼させる燃焼室に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術による燃焼室を図示する図1と2を参照すると、予混合燃焼室1は、複数の混合器2a,2bを有し、それらは、全て燃焼器のフロントプレート3と接続されており、そのため、全ての混合器2a,2bは、燃焼室1の縦軸に対して同じ軸方向の位置に有る。
【0003】
典型的には、混合器2a,2bは、燃焼器の周りに一列、二列又はそれ以上の列に配置されるとともに、三つ、四つ又は五つの混合器を一つのグループとして(各グループは複数の混合器2aと通常は一つ又は二つの混合器2bとから成る)、燃料供給回路と接続されている。
【0004】
動作中、混合器2aには、所定の量の燃料が供給され、脈動に対抗するために、混合器2bには、それらが低い温度で動作するように、少ない量の燃料が供給される、言い換えると、混合器2bが生成した混合気によって発生する火炎の温度は、混合器2aが生成した混合気によって発生する火炎の温度よりも低い。
【0005】
そのような構成は、特に、部分負荷時において、制御手法を制限する。
【0006】
この点と関連して、図3は、従来技術によるガスタービンでの出力と火炎温度の間の関係を図示しており、Tp は、臨界的な火炎温度を表し、その温度を下回ると、燃焼室内に大きな脈動が発生する。
【0007】
この図から、全出力で動作した場合、動作点5での火炎温度Tf が、安全な動作を行うことができる臨界的な火炎温度Tp を大きく上回っていることは明らかである。
【0008】
それにも関わらず、所要出力が低下すると、即ち、部分負荷時には、動作点5は、線7に沿って臨界的な火炎温度Tp の方に移動する。
【0009】
火炎温度Tf は、常に臨界的な火炎温度Tp を上回らなければならないので、最低出力Pmin を特定することができ、それより小さい出力では、ガスタービンの損傷が避けられない大きな脈動を引き起こすので、安全な動作が不可能となる。
【0010】
発電所の夜間の動作時など、非常に小さい出力しか必要としない場合、発生した出力の大部分が無駄になるので、最低出力Pmin を出来る限り小さくすべきであることは明らかであり、最低出力Pmin の大きさは、典型的には、全出力の30%とし、場合によっては、全出力の40%とすることもできる。
【0011】
動作範囲の拡大と低出力でのガスタービンの安全な動作のために、燃焼室は、多くの場合パイロットステージを備えている。
【0012】
パイロットステージは、混合器内の燃料噴射器から構成され、パイロットステージは、燃料を噴射するためだけに配備されている、即ち、燃料と酸化剤の混合のためには配備されていないので、一方では部分負荷時に混合器内で生成される過薄混合気の燃焼の安定化に寄与するとともに、他方では大きなNOx 排出量を引き起こす拡散炎を発生させる。
【0013】
それに代わって、特許文献1は、予混合火炎を発生させるために、空気と燃料の混合気を燃焼器に供給する混合器を備えた燃焼室を開示している。この燃焼器の終端には、燃料と空気の噴射器から成る第二ステージが配備されており、燃料と空気は、拡散炎を発生させるように、即ち、予混合火炎を発生させないように、別々に噴射されている。又もや拡散炎は、大きなNOx 排出量を引き起こす。
【0014】
特許文献2は、燃焼器の縦軸に沿ってずらして配置された予混合燃料供給器を備えた燃焼室を開示しているが、全ての混合器が生成する混合気の燃焼によって発生する火炎は、全ての混合器の下流に有る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許公開第2010/0,170,254号明細書
【特許文献2】米国特許公開第5,983,643号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
以上のことから、本発明の課題は、前述した従来技術の問題の解決に取り組んだ燃焼室及びその動作方法を提供することである。
【0017】
本課題の範囲内の一つの課題は、パイロットステージを使用する必要がないか、或いはそれを限定的にしか使用せずに、燃焼室の下流部分に拡散炎を発生させることなく、部分負荷時の安全な動作を可能とする燃焼室及びその動作方法を提供することである。
【0018】
本課題の範囲内の別の課題は、非常に低い負荷から高い負荷及び全負荷までの非常に広い動作範囲を可能とする予混合燃焼室とその動作方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本課題は、本課題の範囲内の上記の課題と共に、特許請求の範囲に記載された本発明による燃焼室及びその動作方法によって解決される。
【0020】
本発明の更なる特徴及び利点は、以下における添付図面に図示された燃焼室及びその動作方法の好ましい実施例の記述から明らかとなり、これらの実施例は、全ての実施例を表すものでもなく、本発明を限定するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来技術による燃焼器の前面の模式図
【図2】従来技術による燃焼器の前面の模式図
【図3】従来技術による燃焼室の出力と火炎温度の間の関係を示すグラフ
【図4】図5の線IV−IVに沿った断面図
【図5】本発明の第一の実施例による燃焼室の前面の模式図
【図6】図7の線VI−VIに沿った断面図
【図7】本発明の第二の実施例による燃焼室の前面の模式図
【図8】本発明の第三の実施例による燃焼室の前面の模式図
【図9】本発明の一つの実施例による非常に低い負荷(部分負荷)で動作する燃焼室の出力と火炎温度(Tf )の間の関係を示すグラフ
【図10】本発明の一つの実施例による低い負荷(部分負荷)で動作する燃焼室の火炎温度(Tf )とCO排出量/NOx 排出量/脈動の間の関係を示すグラフ
【図11】本発明の一つの実施例による(全負荷ではない)高い負荷で動作する燃焼室の火炎温度(Tf )と脈動の間の関係を示すグラフ
【図12】本発明の別の実施例による燃焼室の模式図
【図13】本発明の別の実施例による燃焼室の模式図
【図14】本発明の別の実施例による燃焼室の模式図
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面を参照すると、これらの図面は、ガスタービンの燃焼室を図示しており、簡略化のために、燃焼室の上流の圧縮機と燃焼室の下流のタービンを図示していない。
【0023】
燃焼室10は、燃焼器13と接続された第一と第二の予混合燃料供給器11,12を複数備えており、その燃焼器は、第一の燃料供給器11に連なる第一のゾーン14と、第二の燃料供給器12に連なる第二のゾーン15とを有する。
【0024】
これらの第二の燃料供給器12は、燃焼器の縦軸16に沿って、高温ガスGが燃焼室内を流れる方向に対して、第一の燃料供給器11の下流に位置し、第一のゾーン14は、第二のゾーン15の上流に位置する。
【0025】
特に、第一と第二の燃料供給器11,12は、供給される燃料Fと酸化剤A(典型的には、空気)を混合して、燃焼器13内で燃焼させる混合気を生成する混合器である、即ち、燃焼室10は予混合燃焼室である。
【0026】
特に、混合器11,12の形状は、ほぼ円錐形であり、その中に空気を導入するための接線方向のスロットと、それらのスロットの近くに有る燃料(気体燃料)を噴射するためのノズルとを有し、更に、燃料(液体燃料)を噴射するために、通常混合器11,12内を軸方向に延びるランスも配備されている。
【0027】
当然のことながら、予混合器である限り、即ち、供給される燃料と酸化剤を混合し、燃焼器13内で燃焼させて、予混合火炎を発生させるための混合気を生成する混合器である限り、別の混合器11,12も使用することができる。
【0028】
有利には、第一のゾーン14は、燃焼器の軸方向に対して第二の予混合燃料供給器12の上流に有り、第一の燃料供給器11が生成した混合気の燃焼によって発生する火炎が、燃焼器の軸方向に対して第二の燃料供給器12の上流に有るようにする。
【0029】
有利には、第一の燃料供給器11は(従って、第一のゾーン14も)、それぞれ少なくとも一つの第二の燃料供給器12に(従って、第二のゾーン15にも)隣接している。
【0030】
図4と5は、本発明による燃焼室の第一の実施例を図示しており、この実施例では、燃料供給器11,12は、円周上の異なる位置に有り、例えば、一列に並んで、交互に配置されている、即ち、混合器11、混合器12、混合器11、混合器12云々の順番で配備されている。
【0031】
図6と7は、第一と第二のゾーン14,15の半径方向の位置が異なる燃焼室の別の実施例を図示している。
【0032】
当然のことながら、、別の構成も可能であり、特に、第一と第二のゾーンの半径方向と円周方向の位置が異なる前述した構成の組合せも可能であり、例えば、図8は、そのような実施例の一つを図示している。
【0033】
混合器11,12は、平行な縦軸17,18を有し、それらの軸17,18に沿って混合気を噴射し、そのため、それらの軸17,18は、燃焼器の縦軸16に対しても平行である。
【0034】
燃焼室の動作は、前の記述と図面から明らかであり、ほぼ次の通りである。
【0035】
混合器11,12内に燃料Fと酸化剤Aを供給して、混合し、混合気を生成した後、その混合気を燃焼器13内で燃焼させて、予混合火炎を発生させる、特に、混合器11は、その混合器の第一のゾーン14内に第一の火炎20を発生させ、混合器12は、その混合器の第二のゾーン15内に第二の火炎21を発生させる。
【0036】
有利には、第一の混合器11が第二の混合器12の動作温度よりも高い温度で動作するような動作を実行する、言い換えると、第一の混合器11が第二の混合器12よりも濃厚な混合気で動作して、火炎20の温度が火炎21の温度よりも高くなるようにし、その結果火炎20が発生する高温ガスの温度が火炎21が発生する高温ガスの温度よりも高くなるようにする。
【0037】
そのような動作モードによって、第一のゾーン14から生じる高温ガスによって、(第二の混合器12での非常に希薄な混合気がCO及びUHC(未燃炭化水素)を排出する場合が有るため、問題を引き起こす可能性の有る)燃焼を支援することができるので、第二の混合器12での非常に希薄な混合気による安全な動作が可能となる。
【0038】
それは、特に、燃焼室10に供給される燃料を低減して、低下した負荷に対処しなければならない部分負荷時に有利である。
【0039】
(1)部分負荷時の動作−非常に低い出力
以下においては、火炎温度(Tf )と出力の間の関係を図示する図9を参照し、曲線25は、第一のゾーン14内の火炎温度を表し、曲線26は、第二のゾーン15内の火炎温度を表し、Tp は、臨界的な火炎温度を表し、その臨界的な火炎温度を下回ると、大きな脈動が発生する(従来技術による燃焼室では、そのような火炎温度を下回る動作は不可能である)。
【0040】
全出力(100%)では、全ての混合器11,12を動作させて、設計火炎温度の火炎を発生させる。
【0041】
出力を低減しなければならない場合、即ち、ガスタービンを部分負荷で動作させなければならない場合、第一の混合器11を制御せずに、即ち、それらの動作パラメータを維持するか、或いは僅かしか制御せずに、第二の混合器12だけを制御して、供給する燃料の低減によって、第二のゾーン15内の火炎温度を低下させ、その結果生じる出力も低下させる、即ち、ゾーン27内で動作させるようにする。
【0042】
好ましいが、必ずしも必要ではない実施例では、そのような制御は、脈動の問題を生じさせることなく、非常に広い範囲内で行うことができ、実際には、第二の混合器12に供給する燃料を低減したために、第二のゾーン15内の火炎温度がTp を下回った場合でも、第一のゾーン14から生じる高温ガスが第二のゾーン15に入って、燃焼を支援し、CO及びUHCの完全燃焼に寄与するので、燃焼が依然として安定するとともに、大きなCO又はUHC排出量を発生させない。
【0043】
次に、第二の混合器12内で生成される混合気が非常に薄い場合、第二の混合器12が停止するまで、第一と第二の混合器11,12を同時に制御することが可能である(如何なる場合でも、このようなゾーン28での制御は任意に選択できる)。
【0044】
次に、出力を更に低下させなければならない場合、第一の混合器に供給する燃料の量を低減する、従って、出力を更に低下させる(ゾーン29)ことによって、第一の混合器11の制御を実施することができる。
【0045】
第一の混合器11は、温度Tp を大きく上回って動作するので、CO及びUHC排出量が限界値を下回るとともに、燃焼が安定している。
【0046】
有利には、そのような制御によって、(20%又はそれ以下とすることができる)非常に低い出力において、ガスタービンを安全に動作させることが可能となる。
【0047】
本動作モードの利点は、特に、(全ての混合器を一緒に制御する従来技術によるガスタービンの火炎温度を表す)曲線30と曲線25,26とを比較すると明らかとなり、従来技術によるガスタービンを安全に動作させることができる最低出力が(曲線30と温度Tp の交点に対応する)Pmin,1 であるのに対して、本発明の実施例によるガスタービンが、Pmin,1 よりも著しく低いPmin,2 まで安全に動作できることは明らかである。
【0048】
(2)部分負荷時の動作−CO制御
部分負荷で動作している間、特に、LBO(リーンブローオフ又はリーンブローアウト)に近い、即ち、消炎に近い非常に薄い混合気による動作中は、CO排出量が増加するとともに、NOX 排出量が低下し、典型的には、脈動が問題となり始める前に、CO排出量が大幅に増加する。
【0049】
本発明の実施例による燃焼室は、低い負荷時に、大きなCO排出量を防止しつつ(脈動を引き起こさず、非常に低いNOX 排出量で)非常に薄い混合気で安全に動作することができる。
【0050】
図10を参照すると、脈動、NOX 排出量、CO排出量及び火炎温度Tf の間の関係を示すグラフが図示されている。
【0051】
周知の通り、火炎温度Tf の低下に応じて、脈動が増大し、火炎温度Tf の上昇に応じて、NOX 排出量が増大し、火炎温度Tf の低下及び上昇に応じて、CO排出量が増大する、即ち、燃焼室が低いCO排出量で動作することが可能な動作範囲W1 が存在する。
【0052】
従来技術による燃焼室は、そのような範囲W1 内で動作し、その範囲W1 は、火炎温度の下方限界(Tw1)を規定するので、火炎温度がTw1を下回るように出力を低下できないことは明らかである。
【0053】
本発明の実施例による燃焼室は、温度Tw1に対応する出力よりも低い出力を発生しながら、安全に動作することができる。
【0054】
特に、第一の混合器11は、前記の範囲W1 内で動作することができる、即ち、第一のゾーン14内において、範囲W1 内の火炎温度の火炎を発生させる。
【0055】
それに対して、第二の混合器12は、Tw1を下回る温度で、即ち、前記の範囲W1 外で動作する。
【0056】
特に、範囲W2 、即ち、上方限界としてTw1を有し(しかし、この上方限界を上げて、範囲W1 とW2 が重なり合うようにすることもできる)、脈動に関する下方限界を有する動作範囲内において、第二の混合器12の安全な動作が可能である。
【0057】
動作中、第一のゾーン14から生じる高温ガスが、第二のゾーン15での燃焼を支援して、そこで発生するCOの燃焼を促進し、全ての混合器11,12の動作が脈動に対処できるとともに、(特に、範囲W2 内で動作する第二の混合器12に関する)火炎温度が一般的に低いので、脈動とNOX 排出量が一般的に非常に少なく、そのような限界及び出力内において、非常に低いレベルに制御することができる。
【0058】
(3)部分負荷時の動作−高負荷
部分負荷(典型的には、高負荷)での動作中に、従来技術による燃焼室は、場合によっては、所要の出力を達成するのに必要な火炎温度では大きな脈動が発生させるので、そのような温度で動作することができない。
【0059】
図11は、燃焼室が所要の出力を達成するための火炎温度Tpulsで動作するが、その温度で大きな脈動が発生する例を図示している(曲線32が所与の火炎温度での脈動の分布を表す)。そのような場合、典型的には、所要の出力で燃焼室を動作させることはできない。
【0060】
それに対して、本発明の実施例による燃焼室は、第一の温度T1 の火炎を発生させる第一の混合器と、第二の温度T2 の火炎を発生させる第二の混合器とにより動作することができ、これら二つの温度T1 とT2 は、温度Tpulsの上側と下側に位置し、それらの平均値がTpulsであり、T1 はT2 よりも高い。
【0061】
この動作では、第一の混合器11が発生させる火炎20も、第二の混合器12が発生させる火炎21も、温度Tpulsとならないので、動作は安全であり、しかし、それと同時に、それらの算術平均値がTpulsであるので、所要の出力が達成される。
【0062】
前述した実施例に加えて、その修正及び変化形態が可能である。
【0063】
例えば、図12は、燃焼器13の第一のゾーン14に混合気を供給する第一の混合器11と、燃焼器13の第二のゾーン15に混合気を供給する第二の混合器12とを備えた燃焼室を図示している。
【0064】
特に、第二の混合器12は、ボルテックスジェネレーター36と燃料噴射器37を備えたダクト35によって規定され、そのダクト35は、燃料と酸化剤が燃焼器13に入る前に、それらの混合を可能とするのに十分な長さを有する。
【0065】
図13は、第一と第二の混合器がボルテックスジェネレーター36と燃料噴射器37を備えたダクト35によって規定される別の実施例を図示している。
【0066】
図14は、第一の混合器11が燃料Fと空気Aを綿密に混合する半径方向の渦流発生器を備え、第二の混合器12がダクト35、ボルテックスジェネレーター36及び燃料噴射器37を備えた燃焼室を図示している。
【0067】
これらの図面では、符号Aは酸化剤(典型的には、空気)を表し、符号Fは燃料を表す。
【0068】
本発明は、ガスタービンの燃焼室の動作方法にも関係する。
【0069】
本発明による方法では、第一の燃料供給器11と第二の燃料供給器12は、燃焼して火炎20,21を発生させる混合気を生成し、第一の燃料供給器11で生成された混合気の燃焼によって発生する火炎20が、燃焼器の軸方向に対して第二の予混合燃料供給器12の上流に有る第一のゾーン14で生じる。
【0070】
更に、火炎20,21は、有利には、異なる温度を有する。
【0071】
特に、第一の燃料供給器11は、第二の燃料供給器12の上流に位置し、第二の燃料供給器12が発生させる火炎21よりも高い温度を有する火炎を発生させる。
【0072】
本発明による方法の第一の実施例において、部分負荷では、第二の燃料供給器12に供給する燃料を低減するが、第一の燃料供給器11に供給する燃料を一定に維持する。そして、低負荷(例えば、50%を下回る負荷)では、第二の燃料供給器12を停止して、第一の燃料供給器11だけを動作させる。
【0073】
本発明による方法の第二の実施例において、部分負荷では、脈動に関する限界値を上回るが、CO排出量に関する限界値を下回る温度の火炎を発生させるように、第二の燃料供給器12を動作させる。
【0074】
本発明による方法の第三の実施例において、高い部分負荷では、所要の火炎温度の上側と下側に位置する温度の火炎を発生させるように、第一と第二の燃料供給器11,12を動作させる。
【0075】
当然のことながら、前述した特徴は、互いに独立して規定することができる。
【0076】
実際には、使用する材料とサイズは、要件と技術水準に応じて、任意に選定することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 従来技術による燃焼室
2a,2b 従来技術による混合器
3 従来技術によるフロントプレート
5 従来技術での動作点
7 従来技術での動作線
10 本発明による燃焼室
11 本発明による第一の燃料供給器
12 本発明による第二の燃料供給器
13 本発明による燃焼器
14 本発明による燃焼器13の第一のゾーン
15 本発明による燃焼器13の第二のゾーン
16 本発明による燃焼器の縦軸
17 本発明による第一の燃料供給器11の縦軸
18 本発明による第二の燃料供給器12の縦軸
20 本発明の第一の火炎
21 本発明の第二の火炎
25 第一のゾーン14での火炎温度
26 第二のゾーン15での火炎温度
27,28,29 本発明の動作ゾーン
30 従来技術によるガスタービンでの火炎温度
32 本発明での脈動分布
35 本発明によるダクト
36 本発明によるボルテックスジェネレーター
37 本発明による燃料噴射器
A 酸化剤
F 燃料
G 高温ガス
1 動作範囲
2 動作範囲
min 最低出力
min,1 従来技術によるガスタービンの最低出力
min,2 本発明の実施例によるガスタービンの最低出力
f 火炎温度
p この温度を下回ると、脈動が発生する温度
puls この温度において、大きな脈動が発生する温度
w1 火炎温度の下限温度
1 ,T2 第一と第二の混合器が生成した混合気によって発生する火炎の温度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第一及び第二の予混合燃料供給器(11,12)が燃焼器(13)と接続された、ガスタービンの燃焼室(10)であって、この燃焼器が、第一の予混合燃料供給器(11)に連なる第一のゾーン(14)と、第二の予混合燃料供給器(12)に連なる第二のゾーン(15)とを有し、第二の予混合燃料供給器(12)が、第一の予混合燃料供給器(11)に対して、燃焼器の縦軸(16)に沿ってずらして配置されている燃焼室において、
第一のゾーン(14)が、燃焼器の縦軸に対して、第二の予混合燃料供給器(12)の上流に有ることを特徴とする燃焼室。
【請求項2】
第一と第二の予混合燃料供給器(11,12)の半径方向の位置が異なることを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
【請求項3】
第一と第二の予混合燃料供給器(11,12)の円周方向の位置が異なることを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
【請求項4】
第一の予混合燃料供給器(11)が、それぞれ少なくとも一つの第二の予混合燃料供給器(12)と隣接していることを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
【請求項5】
第一と第二の予混合燃料供給器(11,12)の縦軸(17,18)が平行であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼室。
【請求項6】
第一と第二の予混合燃料供給器(11,12)の縦軸(17,18)が、燃焼器の縦軸(16)とも平行であることを特徴とする請求項5に記載の燃焼室。
【請求項7】
第一と第二の予混合燃料供給器(11,12)が、それらの平行な軸(17,18)に沿って混合気を噴射することを特徴とする請求項5に記載の燃焼室。
【請求項8】
複数の第一及び第二の予混合燃料供給器(11,12)が燃焼器(13)と接続された、ガスタービンの燃焼室(10)の動作方法であって、この燃焼器が、第一の予混合燃料供給器(11)に連なる第一のゾーン(14)と、第二の予混合燃料供給器(12)に連なる第二のゾーン(15)とを有し、第二の予混合燃料供給器(12)が、第一の予混合燃料供給器(11)に対して、燃焼器の縦軸(16)に沿ってずらして配置されている燃焼室の動作方法において、
第一のゾーン(14)が、燃焼器の縦軸に対して、第二の予混合燃料供給器(12)の上流に有ることを特徴とする方法。
【請求項9】
第一と第二の予混合燃料供給器(11,12)が、異なる温度の火炎(20,21)を発生させることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第一の予混合燃料供給器(11)が、第二の予混合燃料供給器(12)が発生させる火炎(21)よりも高い温度の火炎(20)を発生させることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
部分負荷において、第二の予混合燃料供給器(12)に供給する燃料を低減するが、第一の予混合燃料供給器(11)に供給する燃料を一定に維持することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
低い負荷において、第二の予混合燃料供給器(12)を停止して、第一の予混合燃料供給器(11)だけを動作させることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
部分負荷において、脈動に関する限界値を上回るが、CO排出量に関する限界値を下回る温度の火炎を発生させるように、第二の予混合燃料供給器(12)を動作させることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
高い部分負荷において、所要の火炎温度の上側と下側に位置する火炎温度の火炎(20,21)を発生させるように、第一と第二の予混合燃料供給器(11,12)を動作させることを特徴とする請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−68015(P2012−68015A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201943(P2011−201943)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5401 Baden, Switzerland