説明

燃焼機の清掃スケジュール管理方法及び清掃スケジュール管理システム

【課題】燃焼量を把握することができ、燃焼効率の向上を図ることができる燃焼機の清掃スケジュール管理方法及び清掃スケジュール管理システムを提供する。
【解決手段】清掃スケジュール管理システムは、燃焼機1において燃焼した可燃廃棄物の量を累計する累計モジュール3と、累計した可燃廃棄物の量と予め設定された燃焼上限値とを比較する比較モジュール4と、燃焼上限値を累計する可燃廃棄物の量が超えた場合、燃焼機を掃除すべき時期の到来を知らせる動作を実行する清掃モジュール5とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、稲、麦等の穀物の生産過程で排出される殻等の可燃廃棄物を燃焼させて熱エネルギーを生成する燃焼機の清掃スケジュール管理方法及び清掃スケジュール管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
農産物や穀物の生産過程においては籾殻、藁屑など様々な収穫廃棄物が多量に発生して非常に嵩張るため、堆積・保管場所に困るものであり、従来一般ごみと共に焼却処分したり、集めて燃やしたりして、その処理方法及び有効利用方法に関して幾つかの試みがなされている。例えば、籾殻などの収穫廃棄物を燃料として、燃焼により発生する熱を利用可能にした燃焼機がすでに提案されている(例えば特許文献1、2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】台湾登録実用新案第M304628号
【特許文献2】台湾登録実用新案第M304629号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの廃棄物により発生した熱は熱エネルギーとして利用することができる。しかし、燃焼の際何千度という高温ガス、そして多くの燃焼灰が生成されるため、それらが燃焼炉内を塞いでガス爆発事故が発生するのを防止するよう燃焼機内のガス、燃焼灰を有効的に導出する手段も設置されており、更に清掃スケジュールを立て定時的に燃焼機の稼動を止めて掃除作業が行われるようになっているが、所要の熱エネルギーによって燃焼量が異なるので、早めに掃除する必要があったり、まだ掃除しなくてもよかったりという場合もあるため、このような定時的な清掃は燃焼効率の劣化、資源の浪費などをきたす問題点がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、燃焼量を把握することができ、燃焼効率の向上を図ることができる燃焼機の清掃スケジュール管理方法及び清掃スケジュール管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、1の観点によれば、可燃廃棄物を燃料として燃焼して熱エネルギーを生成する燃焼機の清掃スケジュール管理システムを用いた清掃スケジュール管理方法であって、前記燃焼機の清掃スケジュール管理システムが燃焼上限値を設定する第1のステップと、前記燃焼機の清掃スケジュール管理システムが前記燃焼機内の可燃廃棄物の燃焼量を累計する第2のステップと、前記燃焼機の清掃スケジュール管理システムが前記可燃廃棄物の燃焼量と前記燃焼上限値とを比較する第3のステップと、前記燃焼機の清掃スケジュール管理システムが、前記燃焼上限値を前記燃焼量が超えた場合、前記燃焼機の清掃時期の到来を知らせる第4のステップとを有することを特徴とする清掃スケジュール管理方法を提供する。
また、他の観点によれば、本発明は、可燃廃棄物を燃料として燃焼して熱エネルギーを生成する燃焼機の清掃スケジュール管理システムであって、前記燃焼機において燃焼した可燃廃棄物の量を累計する累計モジュールと、累計した可燃廃棄物の量と予め設定された燃焼上限値とを比較する比較モジュールと、前記燃焼上限値よりも前記累計した可燃廃棄物の量が超えた場合、前記燃焼機の清掃時期の到来を知らせる動作を実行する清掃モジュールとを備えていることを特徴とする燃焼機の清掃スケジュール管理システムをも提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る清掃スケジュール管理システム及び清掃スケジュール管理方法によれば、実際の燃焼量により、燃焼機の所要の掃除タイミングを知ることができ、燃焼機の清掃スケジュールを決めることができるので、燃焼機をクリーンに保つことができ、且つ燃焼効率の向上をも図ることができる。また、燃焼機の所要の掃除タイミングが分かるので、不必要な清掃を省いて燃焼機の稼働を止める回数を減らすことができ、エネルギーの浪費を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態にかかる燃焼機の清掃スケジュール管理システムが適用される燃焼機の要部の構成を模式的に示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる燃焼機の清掃スケジュール管理システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態にかかる燃焼機の清掃スケジュール管理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る実施形態を、添付の図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は本発明の一実施例であり、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。
図1は、本発明の実施形態にかかる燃焼機の清掃スケジュール管理システム100が適用される燃焼機1の構成を模式的に示す。図1に示すように、燃焼機1は、燃料としての可燃廃棄物を燃焼させる燃焼炉10と、燃焼炉10から排出される排気の熱を取り出すための熱交換器11とを有する。そして、燃焼機1の燃焼炉10において、燃料として可燃廃棄物を燃焼することによって、熱交換器11から熱エネルギーを得ることができる。なお、図1に示す燃焼機1の構成は一例であり、燃焼機1の構成はこの構成に限定されるものではない。
図2は、本発明の実施形態にかかる燃焼機の清掃スケジュール管理システム100の構成を模式的に示すブロック図である。
本発明の実施形態にかかる燃焼機の清掃スケジュール管理システム100は、計量モジュール2と、累計モジュール3と、比較モジュール4と、清掃モジュール5と、報知器6とを備えている。
計量モジュール2は、所要の熱エネルギー量(=燃焼機1から取り出す熱エネルギーの量)の計算・燃焼する工程において、燃焼機1に入れて燃焼させる可燃廃棄物の量を算出する。
累計モジュール3は、燃焼機1内において燃焼させた可燃廃棄物の量(燃焼量)を累計して累計値を算出する。一例として、累計モジュール3は、可燃廃棄物の重さ及び供給した時間に基づいて、燃焼機1へ供給した可燃廃棄物の量(燃焼量)を累計して累計値を算出すると共に記録する。
比較モジュール4は、計量モジュール2及び累計モジュール3と電気的に接続されている。そして比較モジュール4は、累計モジュール3により算出された可燃廃棄物の累計値と、予め設定された燃焼上限値とを比較する。燃焼上限値は、燃焼機1を清掃後、燃焼機1を次に清掃するまでに燃焼させることができる可燃廃棄物の量の上限値である。たとえば、燃焼上限値の値が本発明の実施形態にかかる清掃スケジュール管理システム100に入力されると、比較モジュール4は、入力された値を、燃焼機1の燃焼上限値に設定する。
清掃モジュール5は、比較モジュール4と電気的に接続され、可燃廃棄物の累計値が燃焼上限値を超えた場合には、燃焼機1の清掃すべき時期(以下、清掃時期と記す)が到来したことを知らせる動作を実行する。たとえば、清掃モジュール5は、燃焼機1の稼働を停止する。又は、清掃モジュール5は、報知信号を生成して発するように、報知器6を制御する。
報知器6は、清掃モジュール5によって制御され、燃焼機1の清掃時期が到来したことを知らせる動作において、報知信号を生成して発するように制御される。なお、報知器6は、音、文字、光のいずれかを報知信号として生成して発することができる。
なお、一例として、計量モジュール2と比較モジュール4と清掃モジュール5とはユニット化されたコンピュータが用いられる。
【0009】
次に、図1〜3を参照して本発明の実施形態にかかる燃焼機の清掃スケジュール管理方法を説明する。図3は、本発明の実施形態にかかる燃焼機の清掃スケジュール管理方法を示すフローチャートである。
ステップS01では、燃焼機1を起動する。
ステップS02では、燃焼機1に自動燃焼工程を始動させる。
ステップS03では、計量モジュール2は、所要の熱エネルギー量に応じて、燃焼過程において燃焼炉10へ供給される可燃廃棄物の必要量を算出する。
ステップS04では、比較モジュール4は、燃焼機1の燃焼上限値を予め設定する。燃焼上限値は、例えば使用者等がキーボード、マウス、或いはタッチパネルを用いて入力した値に設定される。
ステップS05では、累計モジュール3は、燃焼機1における可燃廃棄物の燃焼量を累計して累計値を算出する。
ステップS06では、累計モジュール3は、可燃廃棄物の燃焼履歴を記録する。
ステップS07では、比較モジュール4は、燃焼上限値よりも可燃廃棄物の累計値が大きいか否かを判定する。燃焼機1に供給した可燃廃棄物の累計値が燃焼上限値を超えた場合、ステップS08に進む。一方、可燃廃棄物の累計値が燃焼上限値を超えない場合はステップS03に戻る。
ステップS08では、清掃モジュール5は、可燃廃棄物の量が燃焼上限値より大きくなった場合、燃焼機1の清掃時期が到来したことを知らせる動作を実行する。この動作が実行されると、燃焼機1の稼働を止めるか、報知器6が、音、文字、光のいずれかの報知信号を生成して発する。
ステップS09では、累計モジュール3は、可燃廃棄物の累計値をゼロに戻す。
以上により、実際の燃焼量により、燃焼機1の所要の掃除タイミングを知ることができ、燃焼機1の清掃スケジュールを決めることができるので、燃焼機1をクリーンに保つことができ、且つ燃焼効率の向上をも図ることができる。また、燃焼機1の所要の掃除タイミングが分かるので、不必要な清掃を省くことにより燃焼機1の稼働を止める回数を減らすことができ、エネルギーの浪費を避けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0010】
本発明の燃焼機の清掃スケジュール管理方法及び清掃スケジュール管理システムは、稲、麦等の穀物の生産過程で排出される殻等の可燃廃棄物を燃焼させて熱エネルギーを生成する燃焼機に有用である。
【符号の説明】
【0011】
1 燃焼機
2 計量モジュール
3 累計モジュール
4 比較モジュール
5 清掃モジュール
6 報知器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃廃棄物を燃料として燃焼して熱エネルギーを生成する燃焼機の清掃スケジュール管理システムを用いた清掃スケジュール管理方法であって、
前記燃焼機の清掃スケジュール管理システムが燃焼上限値を設定する第1のステップと、
前記燃焼機の清掃スケジュール管理システムが前記燃焼機内の可燃廃棄物の燃焼量を累計する第2のステップと、
前記燃焼機の清掃スケジュール管理システムが前記可燃廃棄物の燃焼量と前記燃焼上限値とを比較する第3のステップと、
前記燃焼機の清掃スケジュール管理システムが、前記燃焼上限値を前記燃焼量が超えた場合、前記燃焼機の清掃時期の到来を知らせる第4のステップと、
を有することを特徴とする燃焼機の清掃スケジュール管理方法。
【請求項2】
前記第4のステップにおいて、前記燃焼機の稼働の停止又は報知信号の生成を行うことを特徴とする請求項1に記載の燃焼機の清掃スケジュール管理方法。
【請求項3】
前記燃焼機の清掃スケジュール管理システムが、前記累計した値をゼロに戻す第5のステップを更に有することを特徴とする請求項1に記載の燃焼機の清掃スケジュール管理方法。
【請求項4】
可燃廃棄物を燃料として燃焼して熱エネルギーを生成する燃焼機の清掃スケジュール管理システムであって、
前記燃焼機において燃焼した可燃廃棄物の量を累計する累計モジュールと、
累計した可燃廃棄物の量と予め設定された燃焼上限値とを比較する比較モジュールと、
前記燃焼上限値よりも前記累計した可燃廃棄物の量が超えた場合、前記燃焼機の清掃時期の到来を知らせる動作を実行する清掃モジュールと、
を備えていることを特徴とする燃焼機の清掃スケジュール管理システム。
【請求項5】
前記燃焼機の清掃時期の到来を知らせる動作は、前記燃焼機の稼働の停止又は報知信号の生成であることを特徴とする請求項4に記載の燃焼機の清掃スケジュール管理システム。
【請求項6】
前記燃焼機へ供給する可燃廃棄物の量を算出する計量モジュールを更に備えていることを特徴とする請求項4に記載の燃焼機の清掃スケジュール管理システム。
【請求項7】
前記比較モジュールは、前記燃焼機の清掃時期の到来を知らせる動作の後に、前記累計した可燃廃棄物の量をゼロに戻すことを特徴とする請求項4に記載の燃焼機の清掃スケジュール管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−203900(P2012−203900A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260631(P2011−260631)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(507284617)三久股▲分▼有限公司 (4)