物体出現トリック手品具
【課題】何もないはずの空間に立体的な物体が出現したように見せる物体出現トリック手品を、当該物体の出現する空間を観者に見せつつ演じることができる手品具を提供する。
【解決手段】複数の水平な縞11aからなる横縞模様の背景11を表示する部材であり且つ手品を開始するに際し観者側から見えないようにその背後に物体40を隠しておくための部材である背景部材10と、物体40の出現する空間を形成するべく背景部材10と観者との間に置かれる箱20とを有する。箱20は、その前板部21が、背景11の像と背景11の前に置かれた物体40の像を水平方向に拡散させるレンチキュラーレンズからなる。このレンチキュラーレンズを通して箱20の中を観者に見せることにより背景11は見えるが背景11の前に存在する物体40は見えない状態とし、この状態にて箱20を取り外すことにより物体40の出現を演出するように構成した。
【解決手段】複数の水平な縞11aからなる横縞模様の背景11を表示する部材であり且つ手品を開始するに際し観者側から見えないようにその背後に物体40を隠しておくための部材である背景部材10と、物体40の出現する空間を形成するべく背景部材10と観者との間に置かれる箱20とを有する。箱20は、その前板部21が、背景11の像と背景11の前に置かれた物体40の像を水平方向に拡散させるレンチキュラーレンズからなる。このレンチキュラーレンズを通して箱20の中を観者に見せることにより背景11は見えるが背景11の前に存在する物体40は見えない状態とし、この状態にて箱20を取り外すことにより物体40の出現を演出するように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、何もないはずの空間に物体が出現したように見せる物体出現トリック手品を演じるための手品具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の手品具として、何も入っていないはずの不透明の箱の中に物体が出現したりあるいはその箱の中に入っているはずの物体が消失したりしたように見せる物体出現消失トリック手品具(特許文献1)、不透明のケースの中に物体を挿通させたときに、その物体の中間部が恰も消失したかのように見せる消失トリック手品具(特許文献2)、横縞模様の背景の中央部に人物などを摸した平面的な物体を配置したプレートを不透明な箱の奥部に配置し、その箱の前面の開口部に設けたレンチキュラーレンズシートのスクリーンを通して箱の中を観察させることにより、存在していたはずの物体が恰も消失したかのように見せる消失トリック手品具(特許文献3)、などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−097347号公報
【特許文献2】特開平09−028940号公報
【特許文献3】米国特許明細書第6,623,366号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2の手品具は、不透明な箱またはケースのカバーが閉じられてその中が見えない状態から、カバーを開けて箱またはケースの中が見える状態になったときに、物体が出現あるいは消失するトリック手品具であるため、箱またはケースの中が見えなくなっている間に何らかの仕掛けが働いたのだろうという印象を観者に与えてしまい、手品の不思議さや面白さを減じてしまう。
【0005】
一方、特許文献3の手品具によれば、スクリーンを通して箱の中が見えている状態のまま、その箱の中に存在していた物体が消失したように見せることができるため、箱の中に仕掛けがないと観者に印象付けて不思議さを与えることができる。
【0006】
しかし、特許文献3の手品具では、手品を演じる過程で、箱の中をスクリーンを通して間接的にしか見せることができないため、何らかの錯視によるトリックであるとの印象を観者に与えてしまい、物体が消失したことによる強い驚きを観者に与えることは難しい。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、何もないはずの空間に物体が出現したように見せる物体出現トリック手品を、当該物体の出現する空間を観者に見せつつ演じることができ、しかも、当該手品を演じる過程で、当該物体の出現する空間を何も通さず直接観者に見せることができる新規な手品具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の物体出現トリック手品具(以下、単に「手品具」と記す。)は、何もないはずの空間に物体が出現したように見せる物体出現トリック手品を演じるための手品具であって、
観者に対面して複数の水平な縞からなる横縞模様の背景を表示する部材であり且つ手品を開始するに際し観者側から見えないようにその背後に前記物体を隠しておくための部材である背景部材と、
前記物体の出現する空間を形成するべく前記背景部材と観者との間に置かれる箱とを有し、
前記箱は、前記背景の像と前記背景の前に置かれた前記物体の像を水平方向に拡散させるレンチキュラーレンズからなる部分を有し、
前記レンチキュラーレンズを通して前記箱の中を観者に見せることにより前記背景は見えるが前記背景の前に存在する前記物体は見えない状態とし、この状態にて前記箱を取り外すことにより前記物体の出現を演出するように構成したことを特徴とする。
【0009】
本発明の手品具によれば、手品を開始するに際し、前記物体を観者側から見えないように前記背景部材の背後に隠しておくことにより、前記物体の出現する空間となる前記箱の中を何も通さずに直接観者に見せることができる。そして、前記箱の中を直接観者に見せた後、前記背景部材の前に前記箱を置き、前記レンチキュラーレンズを通して前記箱の中を観者に見せつつ、前記背景部材で押し込むなどして前記箱の中に前記物体を配置し、前記箱を取り外すことにより、何もないはずの空間である前記箱の中に前記物体が出現したように見せる物体出現トリック手品を演じることができる。
【0010】
本発明の手品具において、
前記箱は、
観者に対面する前板部と、当該前板部の左右両側縁から屈曲して前記背景部材側に延びる左右一対の側板部と、当該前板部の上縁から屈曲して前記背景部材側に延びる天板部とを有し、少なくとも前記背景部材側の端部が開口した矩形状の箱であり、
前記前板部と前記側板部と前記天板部のうち、少なくとも前記前板部は前記レンチキュラーレンズからなり、前記側板部と前記天板部は前記レンチキュラーレンズまたは不透明の部材からなることが望ましい。
【0011】
前記縞の色は、前記物体の色と同系色であることが望ましい。
【0012】
更に、ステージ部材を有し、
当該ステージ部材は、その平坦な上面に、前記背景部材の下端部と嵌合して前記背景部材を略直立した姿勢に保持する溝を有することが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の手品具によれば、何もないはずの空間である箱の中に物体が出現したように見せる物体出現トリック手品を、当該箱の中を観者に見せつつ演じることができる。しかも、手品を演じる過程で、当該箱の中を何も通さずに直接観者に見せることができるので、何も仕掛けがないと観者に印象付けて、物体が出現したことによる強い驚きと不思議さを観者に与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の手品具の各構成要素の形態例を示す斜視図
【図2】図1に示す手品具を用いて演じられる手品の現象を例示する斜視図
【図3】図1に示す手品具の一態様を示す斜視図
【図4】図1示す手品具の一つの構成要素である背景部材の構造を例示する斜視図
【図5】図1に示す手品具の一態様を示す斜視図
【図6】図1示す手品具の一つの構成要素である箱の構造を例示する分解斜視図
【図7】図1に示す手品具を用いて演じられる手品の準備手順の説明図
【図8】図7に続く準備手順の説明図
【図9】図1に示す手品具を用いて演じられる手品の実演手順の説明図
【図10】図9に続く実演手順の説明図
【図11】図10に続く実演手順の説明図
【図12】図11に続く実演手順の説明図
【図13】図12に続く実演手順の説明図
【図14】図13に続く実演手順の説明図
【図15】図14に続く実演手順の説明図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態につき添付図面を参照して説明する。
この実施形態の手品具は、図1に示すように、(a)背景部材10と、(b)箱20と、(c)ステージ部材30と、(d)物体40とで構成される。そして、これらを使用することにより、図2に示すように、(a)何もないはずの空間である箱20の中に、(b)物体40が出現したように見せる、物体出現トリック手品を演じるものである。
【0016】
背景部材10は、観者に対面して複数の水平な縞11aからなる横縞模様の背景11を表示する構成要素であり、図3に示すようにステージ部材30上に直立させて設けられる。背景部材10は、図4に示すように、上下に等間隔に設けられた複数の水平なスリット12aを有する前板12と、スリットのない後板13とを重ね合わせ、両板12、13の間に色紙14を差し込んで構成されている。前板12及び後板13は、プラスチック製の白色の部材である。スリット12aを通して見える色紙14の部分によって縞11aが表現される。また、背景部材10は、手品を開始するに際し、図7のように、観者側から見えないようにその背後に物体40を隠しておくための部材でもある。
【0017】
箱20は、物体40の出現する空間を形成するべく、背景部材10と観者との間に置かれる構成要素であり、図5に示すように、背景部材10による背景11の一部と重なるようにしてステージ部材30上に置かれる。
【0018】
箱20は、観者に対面する前板部21と、前板部21の左右両側縁から略直角に屈曲して背景部材10側に延びる左右一対の側板部22L、22Rと、前板部21の上縁から略直角に屈曲して背景部材10側に延びる天板部23とを有する矩形状の箱である。箱20の底部と背景部材10側の端部は開口している。箱20の下端には、前板部21及び側板部22L、22Rの下縁を縁取るようにしてコ字形の下枠24が設けられている。箱20の後端には、天板部23及び側板部22L、22Rの後縁を縁取るようにしてコ字形の後枠25が設けられている。
【0019】
箱20は、図6に示すように、前板部21、側板部22L、22R及び天板部23からなる凸字形状の一枚のレンチキュラーレンズシートWSを、図中の一点鎖線に沿って同方向に略直角に折り曲げて、二点鎖線で示すように箱状に成形したものに、下枠24と後枠25を取り付けることにより製造される。下枠24及び後枠25は、プラスチック製の白色の部材である。
【0020】
ステージ部材30は、矩形平板状のプラスチック製の白色の部材であり、その平坦な上面30Sに、背景部材10の下端部と嵌合して背景部材10を略直立した姿勢に保持する溝31と、箱20を溝31に掛からないように且つ溝31の縁に沿わせて設置するための位置決め用の第1〜第3の突起部32a、32b、32cとを有する。
これらの突起部32a、32b、32cのうち、第1の突起部32aはステージ部材30の上面30Sの前縁部中央に設けられており、第2及び第3の突起部32b、32cは第1の突起部32aよりも若干溝31寄りの位置に設けられている。そして、第1の突起部32aと第2及び第3の突起部32b、32cとの間に下枠24を嵌合させることにより、箱20の前後方向の位置が定まるとともに、箱20の水平方向への移動及び回動が一定の範囲に制限されるようになっている。
【0021】
物体40は、台座41と、台座41の上面に固定されたフィギュア(女神像)41とからなる。台座41は、四角錐台形状のプラスチック製の白色の部材であり、ステージ部材30上を溝31を超えて前後に摺動可能である。台座41の底部には、図示しない鉄製の円板が埋設されている。背景部材10の縞11aの色は、フィギュア42の色と同系色である。
【0022】
ステージ部材30の内部には、溝31を挟んで前後に位置する第1位置P1及び第2位置P2に、円形の永久磁石(台座保持手段)32-1、32-2が設けられている。永久磁石32-1、32-2は、台座41の底部に埋設されている鉄製の円板との間に発生する磁気的引力により台座41を引き付ける。これにより、台座41は第1位置P1または第2位置P2に引き付けられて保持される。第1位置P1の永久磁石32-1の径寸法は、第2位置P2の永久磁石32-2の径寸法の略2倍の寸法に選定されている。これは、第1位置P1に物体40を2個並べて保持できるようにするためである。
【0023】
以下、この手品具を用いて手品を実演する手順について、図7乃至図15を用いて説明する。
【0024】
手品を実演する前の準備として演者は、まず図7のように、物体40の上端部分すなわちこの例では女神像42の右手部分を右手の親指で押さえて背景部材10の裏側に隠し持つ。次に、図8のようにステージ部材30を左手に持つ。箱20は、演者と観者との間のテーブルの上に置いておく。
【0025】
そして、実演において、演者は先ず、物体40が観者に見えないようにして、図9のように背景部材10とステージ部材30を観者に見せる。
次に演者は、図10のように、背景部材10を横にしてステージ部材30の溝31に嵌め込む。同時に右手の親指で物体40を押して台座41を第1位置P1に付ける。そして、背景部材10及び物体40から右手を放す。
物体40は第1位置P1の永久磁石32-1の磁力で台座41が保持されているため、手を放しても落下しない。このことにより、背景部材10の裏に物体40が隠されていることを観者に想像させないようにすることができる。
【0026】
次に演者は、図11のように、ステージ部材30を左手の上に置くように持ち方を変える。そして、右手で箱20を取り上げ、図12のように背景部材10の前に置く。その際、一旦箱20の裏側を観者側へ向けて、箱20の中を観者に直接見せることにより、箱20に仕掛けがないという印象を観者に与えることができる。ここから先の実演は、観者の目の高さ程度の位置にステージ部材30を持ち、箱20の中を正面から観者に見せながら行う。
【0027】
次に演者は、右手で背景部材10の下側の部分を持ち、図13のようにステージ部材30から背景部材10を取り外して、背景部材10の裏側を観者に見せる。
この状態においても、観者側からは物体40は見えない。箱20の前板部21を構成するレンチキュラーレンズと物体40との距離がレンチキュラーレンズの焦点距離よりも十分に大きいため、物体40の像が水平方向に完全に拡散されるためである。
【0028】
次に演者は、背景部材10をステージ部材30上に戻す。その際、図14のように、背景部材10の下部で物体40の台座41を押すことにより、ステージ部材30上を滑らせながら物体40を箱20の中に押し込む。物体40は、溝31を超えて第2位置P2に移動し永久磁石32-2の磁力でステージ部材30上に保持される。
この状態においても、観者側からは箱20の中に何も入っていないように見える。箱20の前板部21を構成するレンチキュラーレンズによって、横縞模様の背景11の像と背景11の前に置かれた物体40の像が水平方向に拡散されるためである。すなわち、横縞模様の背景11の像は水平方向に拡散されてもそのまま横縞模様の背景11として視認できるのに対し、物体40の像は水平方向に拡散されることによりほとんど見えなくなり、加えて、縞11aの色がフィギュア42の色と同系色であり、台座41と背景部材10の前板12の色が共に白色であるため、物体40の像が横縞模様の背景11の像に完全にとけ込み、横縞模様の背景11だけが見える状態が作り出される。
【0029】
最後に、演者は、図15のように観者に正面から箱20の中を見せながら、箱20を右手でゆっくりと真上に持ち上げていく。すると、観者側からは、何も入っていないはずの箱20の中から物体40が徐々に現れてくるように見える。
【0030】
このように、この実施形態の手品具によれば、手品を開始するに際し、箱20によってカバーされるべき空間をいったん、レンチキュラーレンズを通さず直接観者に見せることにより、その空間に何もないと観者に印象付けることができる。そして、背景部材10の前に箱20を置き、箱20の前板部21を構成するレンチキュラーレンズを通して箱20の中を観者に見せつつ、背景部材10で押し込むようにして箱20の中に物体40を配置することにより、背景11は見えるが背景11の前に存在する物体40は見えない状態とし、この状態で箱20を取り外すことにより物体40の出現を演出することができるので、何もないはずの空間である箱20の中に立体的な物体40が出現したように見せる物体出現トリック手品を、箱20の中を観者に見せつつ演じることができる。箱20の中をレンチキュラーレンズを通さず直接観者に見せた後、箱20の中をレンチキュラーレンズを通して観者に見せながら手品を演じることにより、何も仕掛けがないと観者に印象付けて、物体40が出現したことによる強い驚きと不可思議さを観者に与えることができる。
【0031】
また、この実施形態の手品具によれば、背景部材10の色紙14を取り替えることにより任意の色の縞11aからなる横縞模様の背景11を表現することができる。したがって、色の異なる複数種類のフィギュア42を使用する場合でも、それぞれのフィギュア42の色と同系色の色紙14に取り替えることにより、レンチキュラーレンズによる像の拡散効果を利用した物体出現トリック手品を常に効果的に演じることができる。
【0032】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。
たとえば、上記の例では、箱20の前板部21のみならず、側板部22L、22R及び天板部23もレンチキュラーレンズで構成されているが、側板部22L、22R及び天板部23をレンチキュラーレンズで構成することは必須ではない。側板部22L、22R及び天板部23は不透明でもよいし、これらの一部をレンチキュラーレンズで構成してもよい。
【0033】
また、上記の例では、物体40が台座41とフィギュア42とで構成されているが、フィギュア42それ自体がステージ部材30上に自立可能なものであるならば、台座41は必要ない。
また、上記の例では、ステージ部材30に内蔵した永久磁石32-1、32-2の磁力によって台座41内の鉄製の部材を引き付けることにより、台座41をステージ部材30上の第1位置P1及び第2位置P1に保持するように構成したが、これとは逆に、ステージ部材30の第1位置P1及び第2位置P2に鉄製の部材を設け、台座41に永久磁石を設けてもよい。
【符号の説明】
【0034】
10 背景部材
11 背景
11a 縞
20 箱
21 前板部
22L、22R 側板部
23 天板部
30 ステージ部材
31 溝
40 物体
P1 第1位置
P2 第2位置
WS レンチキュラーレンズシート
【技術分野】
【0001】
本発明は、何もないはずの空間に物体が出現したように見せる物体出現トリック手品を演じるための手品具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の手品具として、何も入っていないはずの不透明の箱の中に物体が出現したりあるいはその箱の中に入っているはずの物体が消失したりしたように見せる物体出現消失トリック手品具(特許文献1)、不透明のケースの中に物体を挿通させたときに、その物体の中間部が恰も消失したかのように見せる消失トリック手品具(特許文献2)、横縞模様の背景の中央部に人物などを摸した平面的な物体を配置したプレートを不透明な箱の奥部に配置し、その箱の前面の開口部に設けたレンチキュラーレンズシートのスクリーンを通して箱の中を観察させることにより、存在していたはずの物体が恰も消失したかのように見せる消失トリック手品具(特許文献3)、などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−097347号公報
【特許文献2】特開平09−028940号公報
【特許文献3】米国特許明細書第6,623,366号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2の手品具は、不透明な箱またはケースのカバーが閉じられてその中が見えない状態から、カバーを開けて箱またはケースの中が見える状態になったときに、物体が出現あるいは消失するトリック手品具であるため、箱またはケースの中が見えなくなっている間に何らかの仕掛けが働いたのだろうという印象を観者に与えてしまい、手品の不思議さや面白さを減じてしまう。
【0005】
一方、特許文献3の手品具によれば、スクリーンを通して箱の中が見えている状態のまま、その箱の中に存在していた物体が消失したように見せることができるため、箱の中に仕掛けがないと観者に印象付けて不思議さを与えることができる。
【0006】
しかし、特許文献3の手品具では、手品を演じる過程で、箱の中をスクリーンを通して間接的にしか見せることができないため、何らかの錯視によるトリックであるとの印象を観者に与えてしまい、物体が消失したことによる強い驚きを観者に与えることは難しい。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、何もないはずの空間に物体が出現したように見せる物体出現トリック手品を、当該物体の出現する空間を観者に見せつつ演じることができ、しかも、当該手品を演じる過程で、当該物体の出現する空間を何も通さず直接観者に見せることができる新規な手品具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の物体出現トリック手品具(以下、単に「手品具」と記す。)は、何もないはずの空間に物体が出現したように見せる物体出現トリック手品を演じるための手品具であって、
観者に対面して複数の水平な縞からなる横縞模様の背景を表示する部材であり且つ手品を開始するに際し観者側から見えないようにその背後に前記物体を隠しておくための部材である背景部材と、
前記物体の出現する空間を形成するべく前記背景部材と観者との間に置かれる箱とを有し、
前記箱は、前記背景の像と前記背景の前に置かれた前記物体の像を水平方向に拡散させるレンチキュラーレンズからなる部分を有し、
前記レンチキュラーレンズを通して前記箱の中を観者に見せることにより前記背景は見えるが前記背景の前に存在する前記物体は見えない状態とし、この状態にて前記箱を取り外すことにより前記物体の出現を演出するように構成したことを特徴とする。
【0009】
本発明の手品具によれば、手品を開始するに際し、前記物体を観者側から見えないように前記背景部材の背後に隠しておくことにより、前記物体の出現する空間となる前記箱の中を何も通さずに直接観者に見せることができる。そして、前記箱の中を直接観者に見せた後、前記背景部材の前に前記箱を置き、前記レンチキュラーレンズを通して前記箱の中を観者に見せつつ、前記背景部材で押し込むなどして前記箱の中に前記物体を配置し、前記箱を取り外すことにより、何もないはずの空間である前記箱の中に前記物体が出現したように見せる物体出現トリック手品を演じることができる。
【0010】
本発明の手品具において、
前記箱は、
観者に対面する前板部と、当該前板部の左右両側縁から屈曲して前記背景部材側に延びる左右一対の側板部と、当該前板部の上縁から屈曲して前記背景部材側に延びる天板部とを有し、少なくとも前記背景部材側の端部が開口した矩形状の箱であり、
前記前板部と前記側板部と前記天板部のうち、少なくとも前記前板部は前記レンチキュラーレンズからなり、前記側板部と前記天板部は前記レンチキュラーレンズまたは不透明の部材からなることが望ましい。
【0011】
前記縞の色は、前記物体の色と同系色であることが望ましい。
【0012】
更に、ステージ部材を有し、
当該ステージ部材は、その平坦な上面に、前記背景部材の下端部と嵌合して前記背景部材を略直立した姿勢に保持する溝を有することが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の手品具によれば、何もないはずの空間である箱の中に物体が出現したように見せる物体出現トリック手品を、当該箱の中を観者に見せつつ演じることができる。しかも、手品を演じる過程で、当該箱の中を何も通さずに直接観者に見せることができるので、何も仕掛けがないと観者に印象付けて、物体が出現したことによる強い驚きと不思議さを観者に与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の手品具の各構成要素の形態例を示す斜視図
【図2】図1に示す手品具を用いて演じられる手品の現象を例示する斜視図
【図3】図1に示す手品具の一態様を示す斜視図
【図4】図1示す手品具の一つの構成要素である背景部材の構造を例示する斜視図
【図5】図1に示す手品具の一態様を示す斜視図
【図6】図1示す手品具の一つの構成要素である箱の構造を例示する分解斜視図
【図7】図1に示す手品具を用いて演じられる手品の準備手順の説明図
【図8】図7に続く準備手順の説明図
【図9】図1に示す手品具を用いて演じられる手品の実演手順の説明図
【図10】図9に続く実演手順の説明図
【図11】図10に続く実演手順の説明図
【図12】図11に続く実演手順の説明図
【図13】図12に続く実演手順の説明図
【図14】図13に続く実演手順の説明図
【図15】図14に続く実演手順の説明図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態につき添付図面を参照して説明する。
この実施形態の手品具は、図1に示すように、(a)背景部材10と、(b)箱20と、(c)ステージ部材30と、(d)物体40とで構成される。そして、これらを使用することにより、図2に示すように、(a)何もないはずの空間である箱20の中に、(b)物体40が出現したように見せる、物体出現トリック手品を演じるものである。
【0016】
背景部材10は、観者に対面して複数の水平な縞11aからなる横縞模様の背景11を表示する構成要素であり、図3に示すようにステージ部材30上に直立させて設けられる。背景部材10は、図4に示すように、上下に等間隔に設けられた複数の水平なスリット12aを有する前板12と、スリットのない後板13とを重ね合わせ、両板12、13の間に色紙14を差し込んで構成されている。前板12及び後板13は、プラスチック製の白色の部材である。スリット12aを通して見える色紙14の部分によって縞11aが表現される。また、背景部材10は、手品を開始するに際し、図7のように、観者側から見えないようにその背後に物体40を隠しておくための部材でもある。
【0017】
箱20は、物体40の出現する空間を形成するべく、背景部材10と観者との間に置かれる構成要素であり、図5に示すように、背景部材10による背景11の一部と重なるようにしてステージ部材30上に置かれる。
【0018】
箱20は、観者に対面する前板部21と、前板部21の左右両側縁から略直角に屈曲して背景部材10側に延びる左右一対の側板部22L、22Rと、前板部21の上縁から略直角に屈曲して背景部材10側に延びる天板部23とを有する矩形状の箱である。箱20の底部と背景部材10側の端部は開口している。箱20の下端には、前板部21及び側板部22L、22Rの下縁を縁取るようにしてコ字形の下枠24が設けられている。箱20の後端には、天板部23及び側板部22L、22Rの後縁を縁取るようにしてコ字形の後枠25が設けられている。
【0019】
箱20は、図6に示すように、前板部21、側板部22L、22R及び天板部23からなる凸字形状の一枚のレンチキュラーレンズシートWSを、図中の一点鎖線に沿って同方向に略直角に折り曲げて、二点鎖線で示すように箱状に成形したものに、下枠24と後枠25を取り付けることにより製造される。下枠24及び後枠25は、プラスチック製の白色の部材である。
【0020】
ステージ部材30は、矩形平板状のプラスチック製の白色の部材であり、その平坦な上面30Sに、背景部材10の下端部と嵌合して背景部材10を略直立した姿勢に保持する溝31と、箱20を溝31に掛からないように且つ溝31の縁に沿わせて設置するための位置決め用の第1〜第3の突起部32a、32b、32cとを有する。
これらの突起部32a、32b、32cのうち、第1の突起部32aはステージ部材30の上面30Sの前縁部中央に設けられており、第2及び第3の突起部32b、32cは第1の突起部32aよりも若干溝31寄りの位置に設けられている。そして、第1の突起部32aと第2及び第3の突起部32b、32cとの間に下枠24を嵌合させることにより、箱20の前後方向の位置が定まるとともに、箱20の水平方向への移動及び回動が一定の範囲に制限されるようになっている。
【0021】
物体40は、台座41と、台座41の上面に固定されたフィギュア(女神像)41とからなる。台座41は、四角錐台形状のプラスチック製の白色の部材であり、ステージ部材30上を溝31を超えて前後に摺動可能である。台座41の底部には、図示しない鉄製の円板が埋設されている。背景部材10の縞11aの色は、フィギュア42の色と同系色である。
【0022】
ステージ部材30の内部には、溝31を挟んで前後に位置する第1位置P1及び第2位置P2に、円形の永久磁石(台座保持手段)32-1、32-2が設けられている。永久磁石32-1、32-2は、台座41の底部に埋設されている鉄製の円板との間に発生する磁気的引力により台座41を引き付ける。これにより、台座41は第1位置P1または第2位置P2に引き付けられて保持される。第1位置P1の永久磁石32-1の径寸法は、第2位置P2の永久磁石32-2の径寸法の略2倍の寸法に選定されている。これは、第1位置P1に物体40を2個並べて保持できるようにするためである。
【0023】
以下、この手品具を用いて手品を実演する手順について、図7乃至図15を用いて説明する。
【0024】
手品を実演する前の準備として演者は、まず図7のように、物体40の上端部分すなわちこの例では女神像42の右手部分を右手の親指で押さえて背景部材10の裏側に隠し持つ。次に、図8のようにステージ部材30を左手に持つ。箱20は、演者と観者との間のテーブルの上に置いておく。
【0025】
そして、実演において、演者は先ず、物体40が観者に見えないようにして、図9のように背景部材10とステージ部材30を観者に見せる。
次に演者は、図10のように、背景部材10を横にしてステージ部材30の溝31に嵌め込む。同時に右手の親指で物体40を押して台座41を第1位置P1に付ける。そして、背景部材10及び物体40から右手を放す。
物体40は第1位置P1の永久磁石32-1の磁力で台座41が保持されているため、手を放しても落下しない。このことにより、背景部材10の裏に物体40が隠されていることを観者に想像させないようにすることができる。
【0026】
次に演者は、図11のように、ステージ部材30を左手の上に置くように持ち方を変える。そして、右手で箱20を取り上げ、図12のように背景部材10の前に置く。その際、一旦箱20の裏側を観者側へ向けて、箱20の中を観者に直接見せることにより、箱20に仕掛けがないという印象を観者に与えることができる。ここから先の実演は、観者の目の高さ程度の位置にステージ部材30を持ち、箱20の中を正面から観者に見せながら行う。
【0027】
次に演者は、右手で背景部材10の下側の部分を持ち、図13のようにステージ部材30から背景部材10を取り外して、背景部材10の裏側を観者に見せる。
この状態においても、観者側からは物体40は見えない。箱20の前板部21を構成するレンチキュラーレンズと物体40との距離がレンチキュラーレンズの焦点距離よりも十分に大きいため、物体40の像が水平方向に完全に拡散されるためである。
【0028】
次に演者は、背景部材10をステージ部材30上に戻す。その際、図14のように、背景部材10の下部で物体40の台座41を押すことにより、ステージ部材30上を滑らせながら物体40を箱20の中に押し込む。物体40は、溝31を超えて第2位置P2に移動し永久磁石32-2の磁力でステージ部材30上に保持される。
この状態においても、観者側からは箱20の中に何も入っていないように見える。箱20の前板部21を構成するレンチキュラーレンズによって、横縞模様の背景11の像と背景11の前に置かれた物体40の像が水平方向に拡散されるためである。すなわち、横縞模様の背景11の像は水平方向に拡散されてもそのまま横縞模様の背景11として視認できるのに対し、物体40の像は水平方向に拡散されることによりほとんど見えなくなり、加えて、縞11aの色がフィギュア42の色と同系色であり、台座41と背景部材10の前板12の色が共に白色であるため、物体40の像が横縞模様の背景11の像に完全にとけ込み、横縞模様の背景11だけが見える状態が作り出される。
【0029】
最後に、演者は、図15のように観者に正面から箱20の中を見せながら、箱20を右手でゆっくりと真上に持ち上げていく。すると、観者側からは、何も入っていないはずの箱20の中から物体40が徐々に現れてくるように見える。
【0030】
このように、この実施形態の手品具によれば、手品を開始するに際し、箱20によってカバーされるべき空間をいったん、レンチキュラーレンズを通さず直接観者に見せることにより、その空間に何もないと観者に印象付けることができる。そして、背景部材10の前に箱20を置き、箱20の前板部21を構成するレンチキュラーレンズを通して箱20の中を観者に見せつつ、背景部材10で押し込むようにして箱20の中に物体40を配置することにより、背景11は見えるが背景11の前に存在する物体40は見えない状態とし、この状態で箱20を取り外すことにより物体40の出現を演出することができるので、何もないはずの空間である箱20の中に立体的な物体40が出現したように見せる物体出現トリック手品を、箱20の中を観者に見せつつ演じることができる。箱20の中をレンチキュラーレンズを通さず直接観者に見せた後、箱20の中をレンチキュラーレンズを通して観者に見せながら手品を演じることにより、何も仕掛けがないと観者に印象付けて、物体40が出現したことによる強い驚きと不可思議さを観者に与えることができる。
【0031】
また、この実施形態の手品具によれば、背景部材10の色紙14を取り替えることにより任意の色の縞11aからなる横縞模様の背景11を表現することができる。したがって、色の異なる複数種類のフィギュア42を使用する場合でも、それぞれのフィギュア42の色と同系色の色紙14に取り替えることにより、レンチキュラーレンズによる像の拡散効果を利用した物体出現トリック手品を常に効果的に演じることができる。
【0032】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。
たとえば、上記の例では、箱20の前板部21のみならず、側板部22L、22R及び天板部23もレンチキュラーレンズで構成されているが、側板部22L、22R及び天板部23をレンチキュラーレンズで構成することは必須ではない。側板部22L、22R及び天板部23は不透明でもよいし、これらの一部をレンチキュラーレンズで構成してもよい。
【0033】
また、上記の例では、物体40が台座41とフィギュア42とで構成されているが、フィギュア42それ自体がステージ部材30上に自立可能なものであるならば、台座41は必要ない。
また、上記の例では、ステージ部材30に内蔵した永久磁石32-1、32-2の磁力によって台座41内の鉄製の部材を引き付けることにより、台座41をステージ部材30上の第1位置P1及び第2位置P1に保持するように構成したが、これとは逆に、ステージ部材30の第1位置P1及び第2位置P2に鉄製の部材を設け、台座41に永久磁石を設けてもよい。
【符号の説明】
【0034】
10 背景部材
11 背景
11a 縞
20 箱
21 前板部
22L、22R 側板部
23 天板部
30 ステージ部材
31 溝
40 物体
P1 第1位置
P2 第2位置
WS レンチキュラーレンズシート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
何もないはずの空間に物体が出現したように見せる物体出現トリック手品を演じるための手品具であって、
観者に対面して複数の水平な縞からなる横縞模様の背景を表示する部材であり且つ手品を開始するに際し観者側から見えないようにその背後に前記物体を隠しておくための部材である背景部材と、
前記物体の出現する空間を形成するべく前記背景部材と観者との間に置かれる箱とを有し、
前記箱は、前記背景の像と前記背景の前に置かれた前記物体の像を水平方向に拡散させるレンチキュラーレンズからなる部分を有し、
前記レンチキュラーレンズを通して前記箱の中を観者に見せることにより前記背景は見えるが前記背景の前に存在する前記物体は見えない状態とし、この状態にて前記箱を取り外すことにより前記物体の出現を演出するように構成したことを特徴とする、物体出現トリック手品具。
【請求項2】
前記箱は、
観者に対面する前板部と、当該前板部の左右両側縁から屈曲して前記背景部材側に延びる左右一対の側板部と、当該前板部の上縁から屈曲して前記背景部材側に延びる天板部とを有し、且つ、少なくとも前記背景部材側の端部が開口した矩形状の箱であり、
前記前板部と前記側板部と前記天板部のうち、少なくとも前記前板部は前記レンチキュラーレンズからなり、前記側板部と前記天板部は前記レンチキュラーレンズまたは不透明の部材からなる、請求項1記載の物体出現トリック手品具。
【請求項3】
前記縞の色は、前記物体の色と同系色である、請求項1又は2記載の物体出現トリック手品具。
【請求項4】
前記物体、前記背景部材、及び前記箱を載置するステージ部材を有し、
当該ステージ部材は、前記背景部材の下端部と嵌合して前記背景部材を略直立した姿勢に保持する溝を有する、請求項1乃至3の何れかに記載の物体出現トリック手品具。
【請求項1】
何もないはずの空間に物体が出現したように見せる物体出現トリック手品を演じるための手品具であって、
観者に対面して複数の水平な縞からなる横縞模様の背景を表示する部材であり且つ手品を開始するに際し観者側から見えないようにその背後に前記物体を隠しておくための部材である背景部材と、
前記物体の出現する空間を形成するべく前記背景部材と観者との間に置かれる箱とを有し、
前記箱は、前記背景の像と前記背景の前に置かれた前記物体の像を水平方向に拡散させるレンチキュラーレンズからなる部分を有し、
前記レンチキュラーレンズを通して前記箱の中を観者に見せることにより前記背景は見えるが前記背景の前に存在する前記物体は見えない状態とし、この状態にて前記箱を取り外すことにより前記物体の出現を演出するように構成したことを特徴とする、物体出現トリック手品具。
【請求項2】
前記箱は、
観者に対面する前板部と、当該前板部の左右両側縁から屈曲して前記背景部材側に延びる左右一対の側板部と、当該前板部の上縁から屈曲して前記背景部材側に延びる天板部とを有し、且つ、少なくとも前記背景部材側の端部が開口した矩形状の箱であり、
前記前板部と前記側板部と前記天板部のうち、少なくとも前記前板部は前記レンチキュラーレンズからなり、前記側板部と前記天板部は前記レンチキュラーレンズまたは不透明の部材からなる、請求項1記載の物体出現トリック手品具。
【請求項3】
前記縞の色は、前記物体の色と同系色である、請求項1又は2記載の物体出現トリック手品具。
【請求項4】
前記物体、前記背景部材、及び前記箱を載置するステージ部材を有し、
当該ステージ部材は、前記背景部材の下端部と嵌合して前記背景部材を略直立した姿勢に保持する溝を有する、請求項1乃至3の何れかに記載の物体出現トリック手品具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−61218(P2012−61218A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209279(P2010−209279)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(391010529)株式会社テンヨー (33)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(391010529)株式会社テンヨー (33)
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