説明

物品の仕分け方法

【課題】 ミスの発生する確率が低く、作業効率の高い、ピッキング台車を使用した物品の仕分け法を提供する。
【解決手段】 複数の載置秤41a〜41dと、表示部42,43a〜43dと、無線送受信機3と、位置確認装置4と、スキャナ5と、制御部6とを備えたピッキング台車を使用し、商品積込み場所で各載置秤41a〜41dに商品を積み込むと、商品を出荷先毎に分配する分配場所の所定位置を表示部42,43a〜43dに表示して指定し、指定位置にピッキング台車を移動すると位置確認装置4で移動位置を確認したうえ、分配商品と分配数を表示部42,43a〜43dに表示し、分配商品の単品重量に基づいて分配商品の分配数を検出して表示内容と合致するか確認し、各載置秤41a〜41dに積み込んだ商品を出荷先毎にしわけする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種商品を出荷先別に収集して仕分けする物品の仕分け方法に関し、特に、物流倉庫で多品種の商品を大量に取り扱う場合に適した物品の仕分け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、仕分け作業は、帳票類に記載された出荷先別の商品を、保管場所から必要数ずつ集めて仕分けする。例えば、物流倉庫内での仕分け作業は、商品を品種別に倉庫内の保管場所から必要総数ピッキングして集め、集めた商品を出荷先別に分類する仕分けを行い、別の作業者が品種と数量とを確認する検品を行って、箱詰めし出荷する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来は、ピッキング、仕分け、検品、という複数の作業を順次行って箱詰めに至るが、すべて人手により行われるので作業ミスを避けられず、また、作業工数が多いので、各作業段階でミスを発生する確率が高いという不都合がある。
【0004】本発明は、このような不都合を解消して、ミスの発生する確率が低く、しかも、作業効率の高い物品の仕分け方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、複数の載置秤と、作業内容を表示する表示部と、制御データ及び商品仕分けデータをあらかじめ入力したホストコンピュータとデータの送受信を行う無線送受信機と、商品分配位置を確認するための位置確認装置と、商品情報を読み込むためのスキャナと、前記ホストコンピュータからのデータあるいはあらかじめ入力した制御データに基づいて各種動作制御を行う制御部とを備えたピッキング台車を使用して行う仕分け方法であって、商品積み込み場所で前記各載置秤上に商品を積み込むと、商品を出荷先毎に分配する分配場所の所定位置を前記表示部に表示して指定し、指定した所定位置に前記ピッキング台車を移動すると前記位置確認装置で移動位置を確認したうえ、分配商品と分配数を前記表示部に表示し、分配商品の単品重量に基づいて、分配商品の分配数を検出して表示内容と合致するか確認し、前記各載置秤に積み込んだ商品を出荷先毎に仕分けすることを特徴とする。
【0006】また、請求項2に記載した発明は、複数の載置秤と、作業内容を表示する表示部と、制御データ及び商品仕分けデータをあらかじめ入力したホストコンピュータとデータの送受信を行う無線送受信機と、商品を投入するコンテナ容器の設置場所を確認するための位置確認装置と、商品情報を読み込むためのスキャナと、前記ホストコンピュータからのデータあるいはあらかじめ入力した制御データに基づいて各種動作制御を行う制御部とを備えたピッキング台車を使用して行う仕分け方法であって、商品積み込み場所で前記各載置秤上に商品を積み込み、商品情報を読み込んでホストコンピュータに送信して、ホストコンピュータからの指示で商品を投入するコンテナ容器の設置場所を前記表示部に表示し、表示したコンテナ容器の設置場所に前記ピッキング台車を移動すると前記位置確認装置で移動位置を確認したうえ、投入商品と投入数を前記表示部に表示し、ホストコンピュータにあらかじめ入力された投入商品の単品重量に基づいて、投入商品の投入数を検出して指定内容と合致するか確認し、前記各載置秤に積み込んだ商品を指定のコンテナ容器に投入することによって出荷先毎に商品を仕分けすることを特徴とする。
【0007】さらに、請求項3に記載した発明は、請求項2記載の物品の仕分け方法において、投入商品の投入数を検出して指定内容と合致するか確認し、各載置秤に積み込んだ商品を指定のコンテナ容器に投入する一方、商品が満杯になったコンテナ容器、あるいは投入予定の商品がすべて投入されたコンテナ容器には、出荷先店舗名、売場名、投入商品明細等をプリントしたラベルを貼着して、出荷先毎に商品を仕分けすることを特徴とする。
【0008】またさらに、請求項4に記載した発明は、請求項2記載の物品の仕分け方法において、投入商品の投入数を検出して指定内容と合致するか確認する一方、商品投入数をホストコンピュータに送信し、各コンテナ容器毎に複数ピッキング台車による投入商品の内容を管理することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。最初に、図1及び図2に基づいて本発明の仕分け作業を行う設備(以下本設備という)の実施の形態について説明する。本設備は、仕分けの対象となる商品を供給する商品積込部10と、商品を投入する折り畳み可能なコンテナ容器1を出荷先別に並べて載置した商品の分配場所である容器載置部20と、商品が満杯となったり、投入する商品がなくなったコンテナ容器1を出荷先に向けて配送するためのラベル(図示せず)を貼る場所である容器ラベル貼着部30とを備えている。
【0010】商品積込部10は、4つの商品積込ライン10a,10b,10c,10dからなり、前記各商品積込ライン10a,10b,10c,10dに、出荷すべき全商品が、品種毎にケースに収容された状態で供給される。
【0011】容器載置部20は、平行に配置した容器載置台20a,20b,20c,20d,20e,20f,20g,20h,20iからなる。そして、両端の2つの容器載置台20a,20iは、片側に設けた商品を投入するコンテナ容器1を載置する商品投入容器載置台21a,21iと、容器ラベル貼着部30を構成するラベル貼着台30a,30iへ移動するコンテナ容器1を載置する移動待機容器載置台23a,23iとからなる。
【0012】また、他の容器載置台20b,20c,20d,20e,20f,20g,20hは、両側に位置する各2つの商品投入容器載置台21b,21c,21d,21e,21f,21g,21h及び22b,22c,22d,22e,22f,22g,22hと、容器ラベル貼着部30を構成するラベル貼着台30b,30c,30d,30e,30f,30g,30hへ移動するコンテナ容器1を載置する移動待機容器載置台23b,23c,23d,23e,23f,23g,23hとからなる。
【0013】これら容器載置台は、商品投入容器載置台が片側に設けられているか両側に設けられているかの相違だけで、他の構成は同一であるから、次に、容器載置台20aの構成についてのみ詳細に説明する。
【0014】図2に示すように、容器載置台20aの商品投入容器載置台21aは、水平な移動待機容器載置台23aに対して、手前側が低くなるように傾斜し、コンテナ容器1内に商品を投入し易いように構成している。また、前記商品投入容器載置台21aと前記移動待機容器載置台23aとは間隔をおいて配置し、この間隔空間に遊転ロール24aを、支持フレーム25aの垂直脚26aに設けたブラケット27aに回転自在に取り付けている。前記遊転ロール24aによって、前記商品投入容器載置台21a上のコンテナ容器1を、前記移動待機容器載置台23a上に円滑に移動させることができる。
【0015】商品投入容器載置台21aは、出荷先毎に区画され、これら各出荷先区画(以下間口という)に対応して、3桁の数字からなる間口コードを割当られた周波数の赤外線で発信する発信機7を設置している。
【0016】商品投入容器載置台21aと移動待機容器載置台23aの下方には、空のコンテナ容器1を載置しておく、前記商品投入容器載置台21aと同様に傾斜する投入待機容器載置台28aが設けられている。なお、これら商品投入容器載置台21a、移動待機容器載置台23a、投入待機容器載置台28aは、それぞれ支持フレーム25aに固定されている。
【0017】容器ラベル貼着部30は、図示してはいないが、出荷先店舗名、売場名、コンテナ容器番号、投入商品明細等の必要事項をプリントしてラベルを発行するラベルプリンタを備えている。
【0018】続いて、図3〜図6に基づいて、ピッキング台車40の構成を説明する。図3及び図4に示すように、ピッキング台車40は、上下2段に2つずつ、手前側が低くなるように傾斜する載置板を有し、商品を積み込むための、合計4つの載置秤41a,41b,41c,41dを備えている。各載置秤41a,41b,41c,41dは、最大積載重量が30kgで、単品重量が10g以上30g未満の商品は、一度の載置個数を12個まで識別可能であり、単品重量が30g以上の商品は、一度の載置個数を36個まで識別可能である。
【0019】ピッキング台車40の上段中央には、作業指示器42が設置されている。図5に示すように、この作業指示器42の上面には、商品を積み込むべき商品積込ライン10a,10b,10c,10dや各種作業指示をホストコンピュータ2からの指示に基づいて表示する作業表示部421、商品投入間口を表示する投入間口表示部422、次の商品投入間口を表示する次投入間口表示部423、各種入力を行うテンキーとファンクションキーを有するキーボード部424、コンテナ容器1が満杯になって新たなコンテナ容器1をセットした時に押す容器交換ボタン425、作業完了時や応答確認時に押す完了ボタン426、LEDからなる間口確認ランプ427、投入間口のコンテナ容器1への投入が不可能な場合に投入指示を保留して次の商品投入間口に移動する際に押すスキップボタン428を設けている。
【0020】また、各載置秤41a,41b,41c,41dに対応して、それぞれピッキング指示器43a,43b,43c,43dが設置されている。これらピッキング指示器は枠の形状が異なるだけで他の構成は同一であるから、図6に基づいて、ピッキング指示器43cについてのみ説明する。ピッキング指示器43cの上面には、ピッキング数を表示する数量表示部431、ピッキングを指示するピッキング指示ランプ432、ケースごとの積み込みを指示するケース積み指示ランプ433、複数のケースを同一載置秤41a,41b,41c,41dに載置したり、商品の単品重量が軽い場合のように、商品重量ではピッキング数の正確な算出が不可能な場合に、バーコードリーダ5で商品コードをスキャンするよう指示するスキャン指示ランプ434を設けている。
【0021】なお、上述の作業指示器42における作業表示部421、投入間口表示部422、次投入間口表示部423とピッキング指示器43a,43b,43c,43dにおける数量表示部431によって、表示部を構成する。
【0022】図7に示すように、ピッキング台車40には、送受信機の親機8を介してホストコンピュータ2との間でデータの送受信を無線で行う送受信機の子機3と、商品投入容器載置台21aの発信機7との間で情報の送受信を赤外線で行う位置確認装置たる赤外線送受信機4と、商品に付した商品コードであるバーコードを読み取るスキャナたるバーコードリーダ5と、前記ホストコンピュータ2からの指示あるいはあらかじめ入力した制御データに基づいて作業指示器42や各ピッキング指示器43a,43b,43c,43dの動作を制御するCPUからなる制御部6とを搭載している。前記バーコードリーダ5の給電コードは、読み取り作業が円滑になされるように、変位可能な筒状の収納体に収納され、引出し後には収納体に自動的に巻き込まれるよう構成している。
【0023】また、図示してはいないが、ピッキング台車40のハンドル44にはブレーキレバーを設け、4つの車輪のうち2つの後輪46bにブレーキをかけてロックできるよう構成する一方、2つの前輪46aは常にフリー状態で回転可能に構成している。なお、このブレーキは、ピッキング台車40が指定の投入間口に移動したことが赤外線送受信機4で確認されると、手動操作をしなくても自動的に作動するよう構成すると好適である。
【0024】次に、仕分け作業について、図8のフローチャートを参照しながら説明する。なお、この仕分け作業における各種制御は、すべてホストコンピュータ2と制御部6によって、公知の方法により行われる。そして、仕分け作業に先立ち、前記制御部6の初期化と無線送受信機の子機3の初期化を行った後、ホストコンピュータ2との通信確認、載置秤41a,41b,41c,41dのチェックを行う。
【0025】まず、作業員が自分のコードをキーボード424から入力したり、IDカードのバーコードをバーコードリーダ5でスキャンする。これによって、作業員毎の作業実績を管理することができる。そして、作業表示部421に商品積み込み指示を表示する(ステップ101)。
【0026】商品の積み込みに際しては、商品を収納したケースごと積み込む場合と、商品だけを積み込む場合があるが、ケースごと積み込む場合には、ケースに表示された商品コードをスキャンするとともに、積み込んだ載置秤41a,41b,41c,41dのコードをスキャンする。一方、商品だけを積み込む場合には、商品の包装材に表示された商品コードをスキャンするとともに、積み込んだ載置秤のコードをスキャンする。一つの載置秤41a,41b,41c,41dには、同一の商品を積み込むもので、本実施形態では最多で4種類の商品を積み込むことができる。ここで、積み込んだ商品と載置した載置秤41a,41b,41c,41dを対応ずける、いわゆる紐付けが行われる(ステップ102)。なお、商品の選択は作業員が任意に行うものである。
【0027】商品の積み込み及び各スキャンを終了して作業員が完了ボタン426を押すと、読み込んだデータがホストコンピュータ2に送られて商品検索処理が行われ、積み込んだ商品に関する重量データをホストコンピュータ2から受けて、載置秤41a,41b,41c,41dの計測データと比較し、重量チェックを行う(ステップ103)。重量チェックで異常がないと、ホストコンピュータ2に確認信号を送り、ホストコンピュータ2から商品仕分先情報を受信する(ステップ104)。なお、このホストコンピュータ2と制御部6とのデータの送受信は、送受信機3,8を介して無線で行われる。
【0028】次に、商品仕分先情報に基づいて、投入間口の検索を行い(ステップ105)、未投入間口があれば、投入間口表示部422に投入間口の間口コードを表示し、次投入間口表示部423に次に投入する間口の間口コードを表示する(ステップ106,107)。なお、ステップ106で未投入間口がないと判断した場合は、各載置秤上の商品をすべて指定の間口に仕分したことを意味するので、後述するようにステップ118に移る。
【0029】ピッキング台車40を指定された投入間口に移動した際に、この投入間口で他の作業員が仕分作業を行っている場合は、作業員はスキップボタン428を押してこの指定投入間口での仕分作業を保留し、次投入間口表示部423に表示されている投入間口に移る(ステップ108)。保留した投入間口は、適宜な時に再度指定する。
【0030】一方、指定された投入間口での仕分作業が可能な場合は、投入間口にピッキング台車40が到着すると、間口コードの自動確認が間口に設けた発信機7と、赤外線送受信機4によってなされ、指定された間口であれば、間口確認ランプ427を点灯する一方、誤った間口の場合には、作業表示部421に移動指示を表示する。そして、指定された間口の場合には、到着確認信号をホストコンピュータ2へ送る(ステップ109)。
【0031】続いて、投入すべき載置秤41a,41b,41c,41dの検索を行い、投入する商品数を数量表示部431に表示するとともに、商品を載置している載置秤41a,41b,41c,41dを作業表示部421に表示し、指示ランプ432を点灯する(ステップ110)。
【0032】ここで、投入間口に到着したばかりで、指定商品を指定数だけ投入間口のコンテナ容器1に投入していない(ステップ111)ので、載置秤41a,41b,41c,41dによる投入数検出か、バーコードスキャンによる投入数検出かを判断する(ステップ112)。この判断は、商品の種類や投入数に応じて行われるもので、例えば商品が軽く、かつ投入数が少なくて正確な計量が行い難い場合に、バーコードスキャンによる投入数検出が選択される。
【0033】載置秤41a,41b,41c,41dによる投入数検出の場合には、その旨を作業表示部421に表示し、作業員は、指定商品を指定数だけ投入間口のコンテナ容器1に投入する(ステップ113)。一方、バーコードスキャンによる投入数検出の場合には、その旨を作業表示部421に表示し、作業員は、指定商品の商品コードをバーコードリーダ5で読み取ったうえ、指定数だけ投入間口のコンテナ容器1に投入する(ステップ114)。
【0034】完了ボタン426を押すと、載置秤41a,41b,41c,41dによる投入数検出の場合には、当該載置秤から商品がなくなった分の重量変化によって、商品と投入数を確認し、また、バーコードスキャンによる投入数検出の場合には、バーコードリーダ5で読み取ったデータに基づいて、商品と投入数を確認し、指定された内容と合致するか判断する。なお、載置秤41a,41b,41c,41dにおける重量変化の検知は、各投入間口毎に独立して行うことにより、他の間口における検知誤差を累積しないようにしている。この商品投入数が指定内容と一致した場合には、一つの間口に対する商品投入作業が完了し(ステップ115)、この間口に対するピッキング台車40の投入実績がホストコンピュータ2に記録される。
【0035】一方、この商品投入数が指定内容と一致しない場合には、「n個多くピッキングされました。」、「n個少なくピッキングされました。」、「ピッキング指示と異なった場所からピッキングされました。」のような表示を作業表示部421にして、作業員に商品投入の修正を指示する(ステップ116)。作業員は表示内容を確認して、誤作業の訂正を行い、完了ボタン426を押す。これによって、間口に対するピッキング台車40の投入実績がホストコンピュータ2に記録される。
【0036】ここで、投入間口に対して仕分する商品がすべてコンテナ容器1に投入された場合には、作業表示部421に容器チェンジ指示を表示する(ステップ117)。作業員はこの指示に従って、コンテナ容器1を商品投入容器載置台21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,21h,21i,21j及び22b,22c,22d,22e,22f,22g,22h,22iから移動待機容器載置台23a,23b,23c,23d,23e,23f,23g,23h,23i,23jに押し出す。また、投入間口のコンテナ容器1が満杯となった場合にも、同様にコンテナ容器1の押し出しを行う。
【0037】そして、容器交換ボタン425を押して、新たなコンテナ容器1をセットし、このコンテナ容器1に表示されたバーコードをバーコードリーダ5で読み込むと、新たなコンテナ容器1をセットした情報がホストコンピュータ2に送られる。このコンテナ容器1のバーコードデータに基づき、ホストコンピュータ2は、間口毎の複数のピッキング台車40の投入実績を管理する。
【0038】この満杯になったコンテナ容器1は、容器ラベル貼着部30に移動され、ラベルプリンタで、出荷先店舗名、売場名、投入商品明細、コンテナ容器番号等の必要事項をプリントしたラベルを、貼着する。この後、貼着したラベルの表示事項に基づいて、指定の出荷先ごとに仕分けする。
【0039】次いで、ステップ111に戻り、当該投入間口への商品投入が完了している場合にはステップ105に戻る一方、商品投入が完了していない場合にはステップ112に進んで、上述した動作を行う。そして、作業員は指示された次間口に順次移動して上述と同様な作業を繰り返す。
【0040】このようにして、ピッキング台車40の全ての商品のピッキング作業が終了した場合は、作業員が完了ボタン426を押すと、ステップ106からステップ118に進んで、全間口への仕分作業が完了した旨を作業表示部421に表示する。そして、全載置秤41a,41b,41c,41dにおけるピッキング品種数、ピッキング総個数、ピッキング総重量を演算し(ステップ119)、投入予定数と投入実績数とを比較して剰余実績を確認し(ステップ120)、これらのデータをホストコンピュータ2に送信する(ステップ121)。
【0041】そして、新たな商品の積み込み指示があるか否かを判断し(ステップ122)、ある場合には、作業表示部421に商品積み込み指示を行い(ステップ101)、ステップ102以下の上述したと同様の動作を繰り返す。一方、新たな商品の積み込み指示がない場合には、作業を終了する。
【0042】作業終了に際しては、ホストコンピュータ2への送信データ、あるいはこれら送信データとともに、作業時間、移動時間、投入時間、間口間移動の平均時間等の作業実績データを作業表示部421に表示して、作業員が自分の作業実績データを確認できるように構成してもよい。また、仕分け作業は、一人の作業員が一台のピッキング台車40を使用した作業として説明してきたが、同様の作業が多数の作業員によって、それぞれピッキング台車40を使用して同時に行われるものである。
【0043】なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、例えば、使用するピッキング台車40の構成も、あくまでも一例であり、載置秤41a,41b,41c,41dは2段4個に限らない。また、位置確認装置は、赤外線を発信する発信機7と組み合わせた赤外線送受信機4のほか、投入間口に間口コードをバーコード表示しておき、この間口コードをバーコードスキャナ5でスキャンして確認するよう構成することもできる。さらに、コンテナ容器1に対する出荷先店舗名、売場名、投入商品明細、コンテナ容器番号等の必要事項をプリントしたラベルの貼着作業を、移動待機容器載置台23a,23b,23c,23d,23e,23f,23g,23h,23i,23j上で行ってもよい。
【0044】また、商品を間口に投入中に、商品の不足や破損により指示数を投入できない場合は、強制終了あるいはテンキーによる修正入力を行い、不足情報を投入実績に反映してホストコンピュータ2に送り、ホストコンピュータ2では、不足情報を記録するとともに、異常リストとしてそれまでに当該ピッキング台車40がその商品を投入した実績リストを発行し、過剰に投入した間口がなかったかを追跡調査して、修復できるよう構成すると好適である。
【0045】さらに、ピッキング台車40に積み込んだ商品の予定の仕分けが終了した時点で、各商品の残予定数を作業表示部421に表示して、過不足が発生している場合は、テンキーによる修正入力を行い、残予定数を余剰実績に反映してホストコンピュータ2に送り、ホストコンピュータ2では、過不足情報を記録するとともに、異常リストとしてそれまでに当該ピッキング台車40がその商品を投入した実績リストを発行し、投入ミスした間口がなかったかを追跡調査して、修復できるよう構成すると好適である。
【0046】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明によれば、仕分け作業をピッキング台車の表示部に表示される指示にしたがって行えば良いので、人的ミスの確率が低く、正確で効率のよい仕分け作業を行うことができる。また、請求項4の発明では、コンテナ容器毎に商品投入数の管理を行うので、あらためて検品する必要がなく、より効率的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるピッキング作業を行う設備の配置状態を示す平面図。
【図2】同じく、出荷先毎のコンテナの載置台を示す側面図。
【図3】同じく、ピッキング台車の側面図。
【図4】同じく、ピッキング台車の平面図。
【図5】同じく、ピッキング台車の作業指示器の表示面を示す平面図。
【図6】同じく、ピッキング台車のピッキング指示器の表示面を示す平面図。
【図7】同じく、制御系統を示すブロック図。
【図8】同じく、仕分け作業を説明するフローチャート。
【符号の説明】
1 コンテナ容器
2 ホストコンピュータ
3,8 送受信機
4 赤外線送受信機
5 バーコードリーダ
6 制御部
7 発信機
10 商品積込部
20 容器載置部
30 容器ラベル貼着部
40 ピッキング台車
41a,41b,41c,41d 載置秤
42 作業指示器
43a,43b,43c,43d ピッキング指示器
421 作業表示部
422 投入間口表示部
423 次投入間口表示部
431 数量表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の載置秤と、作業内容を表示する表示部と、制御データ及び商品仕分けデータをあらかじめ入力したホストコンピュータとデータの送受信を行う無線送受信機と、商品分配位置を確認するための位置確認装置と、商品情報を読み込むためのスキャナと、前記ホストコンピュータからのデータあるいはあらかじめ入力した制御データに基づいて各種動作制御を行う制御部とを備えたピッキング台車を使用して行う仕分け方法であって、商品積み込み場所で前記各載置秤上に商品を積み込むと、商品を出荷先毎に分配する分配場所の所定位置を前記表示部に表示して指定し、指定した所定位置に前記ピッキング台車を移動すると前記位置確認装置で移動位置を確認したうえ、分配商品と分配数を前記表示部に表示し、分配商品の単品重量に基づいて、分配商品の分配数を検出して表示内容と合致するか確認し、前記各載置秤に積み込んだ商品を出荷先毎に仕分けすることを特徴とする物品の仕分け方法。
【請求項2】 複数の載置秤と、作業内容を表示する表示部と、制御データ及び商品仕分けデータをあらかじめ入力したホストコンピュータとデータの送受信を行う無線送受信機と、商品を投入するコンテナ容器の設置場所を確認するための位置確認装置と、商品情報を読み込むためのスキャナと、前記ホストコンピュータからのデータあるいはあらかじめ入力した制御データに基づいて各種動作制御を行う制御部とを備えたピッキング台車を使用して行う仕分け方法であって、商品積み込み場所で前記各載置秤上に商品を積み込み、商品情報を読み込んでホストコンピュータに送信して、ホストコンピュータからの指示で商品を投入するコンテナ容器の設置場所を前記表示部に表示し、表示したコンテナ容器の設置場所に前記ピッキング台車を移動すると前記位置確認装置で移動位置を確認したうえ、投入商品と投入数を前記表示部に表示し、ホストコンピュータにあらかじめ入力された投入商品の単品重量に基づいて、投入商品の投入数を検出して指定内容と合致するか確認し、前記各載置秤に積み込んだ商品を指定のコンテナ容器に投入することによって出荷先毎に商品を仕分けすることを特徴とする物品の仕分け方法。
【請求項3】 請求項2記載の物品の仕分け方法において、投入商品の投入数を検出して指定内容と合致するか確認し、各載置秤に積み込んだ商品を指定のコンテナ容器に投入する一方、商品が満杯になったコンテナ容器、あるいは投入予定の商品がすべて投入されたコンテナ容器には、出荷先店舗名、売場名、投入商品明細等をプリントしたラベルを貼着して、出荷先毎に商品を仕分けすることを特徴とする物品の仕分け方法。
【請求項4】 請求項2記載の物品の仕分け方法において、投入商品の投入数を検出して指定内容と合致するか確認する一方、商品投入数をホストコンピュータに送信し、各コンテナ容器毎に複数ピッキング台車による投入商品の内容を管理することを特徴とする物品の仕分け方法。

【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開平11−292225
【公開日】平成11年(1999)10月26日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−111563
【出願日】平成10年(1998)4月7日
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【出願人】(591156799)ユニパルス株式会社 (4)