説明

物品位置決め装置

【課題】異なる2種の物品の大きさの差が小さくても、物品の中心位置を目標搬送箇所の基準位置に一致させた状態で位置決めできる物品位置決め装置を提供すること。
【解決手段】受け止め手段として、正搬送用受け止め手段と逆搬送用受け止め手段とが、搬送方向における大きさが異なる2種の物品の夫々に対応させて設けられ、制御手段(H1)が、正搬送用受け止め手段にて受け止める大きさの物品については、正搬送状態にて物品を搬送して正搬送用受け止め手段にて物品を受け止め、且つ、逆搬送用受け止め手段にて受け止める大きさの物品については、正搬送状態で物品をその搬送方向の中心位置が目標搬送箇所の基準位置を超える状態となるまで搬送し、その後、逆搬送状態にて物品を搬送して逆搬送用受け止め手段にて物品を受け止めるように、搬送手段(6a)の搬送作動及び受け止め手段の切り換え作動を制御するように構成されている物品位置決め装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を目標搬送箇所に向けて載置搬送する搬送手段と、物品の搬送方向での中心位置を前記目標搬送箇所の搬送方向での基準位置に一致させた状態で前記搬送手段にて搬送される物品を受け止め、且つ、受け止め作用状態と受け止めを解除する受け止め解除状態とに切り換え自在な受け止め手段と、前記搬送手段の搬送作動及び前記受け止め手段の切り換え作動を制御する制御手段とが設けられた物品位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記物品位置決め装置は、物品としての物流パレットやコンテナボックス等を、段積みやピッキング等の後処理を行い易くするために、それらの後処理に対応した箇所として設定された目標搬送箇所に適切に位置させるものである。そして、搬送手段にて目標搬送箇所を越えて物品を搬送することができるように、受け止め手段は、受け止め作用状態と受け止めを解除する受け止め解除状態とに切り換え自在に構成されている。
【0003】
上記物品位置決め装置の従来例として、搬送方向における大きさが同一である1種の物品に対応させて単一の受け止め手段が設けられたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
説明を加えると、従来の物品位置決め装置では、搬送手段にて供給元側から目標搬送箇所に向かう搬送方向で搬送される物品を、受け止め作用状態の受け止め手段にて受け止めることで、物品の搬送方向での中心位置を記基準位置に一致させた状態で、物品を目標搬送箇所に位置決めするようになっている。
【0005】
ちなみに、特許文献1のものでは、搬送手段が、目標搬送箇所の搬送方向両側から物品が供給されるように構成されており、目標搬送箇所の夫々の側から搬送される物品を目標搬送箇所に位置させるべく、夫々の側から搬送される物品に対応させて、一対の受け止め手段が設けられている。なお、夫々の側から搬送される物品の搬送方向における大きさが同一であるため、上記一対の受け止め手段は、目標搬送箇所の搬送方向での基準位置に関して搬送方向で対称となる位置に設けられることになる。
【0006】
【特許文献1】特開2004−67304号公報(段落〔0030〕〜段落〔0032〕)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記物品位置決め装置が適用される設備によっては、形状の異なる2種の物品を取り扱うものがある。そして、このような設備においても、これらの2種の物品の夫々についての搬送方向での中心位置を前記目標搬送箇所の搬送方向での基準位置に一致させた状態で各物品を位置決めしたいという要請がある。
【0008】
しかしながら、形状の異なる2種の物品を取り扱うものにおいては、物品の搬送方向における大きさが共通であれば、上記従来の物品位置決め装置にて、これらの形状の異なる2種の物品の夫々についての搬送方向での中心位置を目標搬送箇所の搬送方向での基準位置に一致させた状態で各物品を位置決めすることが可能であるが、物品の搬送方向における大きさが異なる場合には、上記従来の物品位置決め装置の受け止め手段では、一方の大きさの物品について、その搬送方向での中心位置を目標搬送箇所の搬送方向での基準位置に一致させた状態で位置決めするように受け止め手段を設けると、他方の大きさの物品については、当該受け止め手段にて受け止めても、他方の大きさの物品の搬送方向での中心位置は目標搬送箇所の搬送方向での基準位置に一致させた状態で位置決めすることができない。
【0009】
すなわち、上記従来の物品位置決め装置であると、受け止め手段は、物品の搬送方向における一つの大きさに対応させて設けられることから、物品の搬送方向における大きさが異なる2種の物品の一方について、その搬送方向での中心位置を目標搬送箇所の搬送方向での基準位置に一致させた状態で当該一方の物品を位置決めするように受け止め手段を設けることになる。したがって、形状の異なる2種の物品のうちの他方の物品を当該受け止め手段にて受け止めても、この物品の搬送方向における大きさは、当該受け止め手段に対応した大きさではないため、受け止められた当該他方の物品の搬送方向での中心位置は、目標搬送箇所の搬送方向での基準位置に一致せず、当該他方の物品を目標搬送箇所に適切に位置決めすることができないのである。
【0010】
このように、上記従来の物品位置決め装置であると、物品の搬送方向における大きさが異なる2種の物品の夫々を目標搬送箇所に適切に位置決めすることができない、という不都合がある。
【0011】
もっとも、上記従来のものであっても、物品の搬送方向の大きさの差に応じて搬送方向に間隔を隔てて複数の受け止め手段を並設することで、搬送方向における大きさが異なる2種の物品の夫々を目標搬送箇所に適切に位置決めすることが考えられるが、受け止め手段は、制御手段にて受け止め作用状態と受け止め解除状態とに切り換えられるものであるので、切り換え作動を行うための動力を発生する駆動部やこの駆動部の動力を適切な形態で伝達する伝動機構等を備えねばならず、それらの構造上ある程度の設置空間が必要である。そのため、物品の搬送方向の大きさの差が僅かである場合には、その僅かな大きさの差に対応した設置間隔で受け止め手段を複数並設しようとしても、必要な設置空間が確保できないために受け止め手段を設けることができない虞がある。
【0012】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、異なる2種の物品の搬送方向における大きさの差が小さくても、物品の搬送方向での中心位置を目標搬送箇所の搬送方向での基準位置に一致させた状態で物品を位置決めすることができる物品位置決め装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的を達成するために、本発明にかかる物品位置決め装置は、物品を目標搬送箇所に向けて載置搬送する搬送手段と、物品の搬送方向での中心位置を前記目標搬送箇所の搬送方向での基準位置に一致させた状態で前記搬送手段にて搬送される物品を受け止め、且つ、受け止め作用状態と受け止めを解除する受け止め解除状態とに切り換え自在な受け止め手段と、前記搬送手段の搬送作動及び前記受け止め手段の切り換え作動を制御する制御手段とが設けられたものであって、その第1特徴構成は、前記搬送手段が、物品を供給元側から前記目標搬送箇所に向けて搬送する正搬送状態とそれとは逆方向に搬送する逆搬送状態とに切り換え自在に構成され、前記受け止め手段として、前記搬送手段の前記正搬送状態で物品を受け止める正搬送用受け止め手段と前記逆搬送状態で物品を受け止める逆搬送用受け止め手段とが、搬送方向における大きさが異なる2種の物品の夫々に対応させて設けられ、前記制御手段が、前記正搬送用受け止め手段にて受け止める大きさの物品については、前記正搬送状態にて物品を搬送して前記正搬送用受け止め手段にて物品を受け止め、且つ、前記逆搬送用受け止め手段にて受け止める大きさの物品については、前記正搬送状態で物品をその搬送方向の中心位置が前記目標搬送箇所の基準位置を超える状態となるまで搬送し、その後、前記逆搬送状態にて物品を搬送して前記逆搬送用受け止め手段にて物品を受け止めるように、前記搬送手段の搬送作動及び前記受け止め手段の切り換え作動を制御するように構成されている点にある。
【0014】
すなわち、搬送手段が、物品を供給元側から目標搬送箇所に向けて搬送する正搬送状態とそれとは逆方向に搬送する逆搬送状態とに切り換え自在に構成され、搬送手段の正搬送状態で物品を受け止め、且つ、受け止め作用状態と受け止めを解除する受け止め解除状態とに切り換え自在な正搬送用受け止め手段が、搬送方向における大きさが異なる2種の物品のうち一方の大きさのものに対応させて設けられているので、制御手段にて、搬送手段を正搬送状態で搬送作動させ、正搬送用受け止め手段を受け止め作用状態にすることで、搬送手段にて供給元側から目標搬送箇所に向けて搬送される当該一方の大きさの物品を、正搬送用受け止め手段にて受け止める大きさの物品として、その搬送方向の中心位置が目標搬送箇所の基準位置に一致する状態で位置決めさせることができる。
【0015】
なお、正搬送用受け止め手段にて受け止める大きさの物品の搬送方向の中心位置が目標搬送箇所の基準位置に一致する状態となるまで搬送手段を正搬送状態で搬送作動させる際に、供給元側から目標搬送箇所に向かう向きに搬送される物品と逆搬送用受け止め手段とが干渉する場合は、必要に応じて逆搬送用受け止め手段を受け止め解除状態にすればよい。
【0016】
また、搬送手段の逆搬送状態で物品を受け止め、且つ、受け止め作用状態と受け止めを解除する受け止め解除状態とに切り換え自在な逆搬送用受け止め手段が、搬送方向における大きさが異なる2種の物品のうち他方の大きさのものに対応させて設けられているので、制御手段にて、物品の搬送方向の中心位置が目標搬送箇所の基準位置を超える状態となるまで搬送手段を正搬送状態で搬送作動させ、その後、搬送手段を逆搬送状態で搬送作動させ、受け止め手段を受け止め作用状態にすることで、搬送手段にて供給元側から目標搬送箇所に向かう向きとは逆方向に搬送される当該他方の大きさの物品を、逆搬送用受け止め手段にて受け止める大きさの物品として、その搬送方向の中心位置が目標搬送箇所の基準位置に一致する状態で位置決めさせることができる。
【0017】
なお、逆搬送用受け止め手段にて受け止める大きさの物品の搬送方向の中心位置が目標搬送箇所の基準位置を越える状態となるまで搬送手段を正搬送状態で搬送作動させる際に、供給元側から目標搬送箇所に向かう向きに搬送される物品と正搬送用受け止め手段や逆搬送用受け止め手段とが干渉する場合は、必要に応じて正搬送用受け止め手段及び逆搬送用受け止め手段の双方又は一方を受け止め解除状態にすればよい。同様に、逆搬送用受け止め手段にて受け止める大きさの物品の搬送方向の中心位置が目標搬送箇所の基準位置に一致する状態となるまで搬送手段を逆搬送状態で搬送作動させる際に、供給元側から目標搬送箇所に向かう向きとは逆方向に搬送される物品と正搬送用受け止め手段とが干渉する場合は、必要に応じて正搬送用受け止め手段を受け止め解除状態にすればよい。
【0018】
このように、正搬送用受け止め手段にて受け止める大きさの物品を正搬送用受け止め手段にて正搬送状態で受け止め、逆搬送用受け止め手段にて受け止める大きさの物品を逆搬送用受け止め手段にて逆搬送状態で受け止めることで、搬送方向における大きさが異なる2種の物品の夫々について、物品の搬送方向での中心位置を前記目標搬送箇所の搬送方向での基準位置に一致させた状態で位置決めすることができる。
【0019】
しかも、正搬送用受け止め手段は、正搬送状態で搬送される物品を受け止めて当該物品の中心位置を目標搬送箇所の搬送方向での基準位置に一致させるので、搬送方向でこの基準位置に関して供給元側と反対側に位置し、逆搬送用受け止め手段は、逆搬送状態で搬送される物品を受け止めて当該物品の中心位置を目標搬送箇所の搬送方向での基準位置に一致させるので、搬送方向でこの基準位置に関して供給元側に位置することになる。
【0020】
このように、正搬送用受け止め手段と逆搬送用受け止め手段とは、目標搬送箇所の搬送方向での基準位置に関して互いに反対側に位置する状態で、少なくとも小さい方の物品の搬送方向における大きさ以上の間隔を隔てて設けられるので、2種の物品の搬送方向における大きさの差が僅かであっても、正搬送用受け止め手段と逆搬送用受け止め手段の夫々について十分な設置空間を確保でき、必要な設置空間が確保できないために受け止め手段を設けることができないといった虞もない。
【0021】
以上のことをまとめると、本発明の第1特徴構成によると、異なる2種の物品の搬送方向における大きさの差が小さくても、物品の搬送方向での中心位置を目標搬送箇所の搬送方向での基準位置に一致させた状態で物品を位置決めすることができる物品位置決め装置を得るに至った。
【0022】
本発明にかかる物品処理システムの第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記正搬送用受け止め手段と前記逆搬送用受け止め手段とが、前記正搬送用受止手段にて搬送方向の大きさが大きい物品を受け止めるように配設されている点にある。
【0023】
すなわち、制御手段は、正搬送用受止手段にて受け止める大きさの物品として、搬送方向の大きさが大きい物品を正搬送状態にて搬送して正搬送用受け止め手段にて受け止めるように、且つ、逆搬送用受け止め手段にて受け止める大きさの物品として、搬送方向の大きさが小さい物品を正搬送状態でその搬送方向の中心位置が目標搬送箇所の基準位置を超える状態となるまで搬送し、その後、逆搬送状態にて搬送して逆搬送用受け止め手段にて受け止めるように、搬送手段の搬送作動及び受け止め手段の切り換え作動を制御する。
【0024】
したがって、搬送方向の大きさが大きい物品は、供給元側から目標搬送箇所に向けて正搬送状態で搬送され、物品の中心位置が目標搬送箇所の基準位置に一致した状態となった後は搬送されない。これに対し、搬送方向の大きさが小さい物品は、供給元側から目標搬送箇所に向けて、物品の搬送方向の中心位置が目標搬送箇所の基準位置を超える状態となるまで正搬送状態で搬送された後、物品の搬送方向の中心位置が目標搬送箇所の基準位置に一致した状態となるまで逆搬送状態で搬送される。
【0025】
つまり、搬送方向の大きさが大きい物品は、物品の搬送方向の中心位置が目標搬送箇所の基準位置に一致した状態となった後には、正搬送状態及び逆搬送状態のいずれによっても搬送されない分だけ、搬送方向の大きさが小さい物品よりも物品の移動経路長が短くなる。
【0026】
このように、本発明の第2特徴構成によると、搬送方向における大きさが異なる2種の物品の夫々を目標搬送箇所に位置決めできるものにおいて、搬送方向の大きさが大きい物品についての移動経路長を、搬送方向の大きさが小さい物品についての移動経路長よりも短くすることで、重量が重たくなる可能性が高い搬送方向の大きさが大きい物品についての移動経路長の短縮化を図って、もって、搬送手段の搬送作動により消費されるエネルギーを抑制することができる。
【0027】
本発明にかかる物品処理システムの第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成において、前記搬送手段が、前記目標搬送箇所の搬送方向両側から物品が供給されるように構成されている点にある。
【0028】
すなわち、目標搬送箇所の搬送方向の一方側の供給元に物品が供給されると、その物品は、一方側の供給元から目標搬送箇所に向かって正搬送状態で搬送され、その搬送方向の大きさに応じて、正搬送用受け止め手段又は逆搬送用受け止め手段にて受け止められる。また、目標搬送箇所の搬送方向の他方側の供給元に物品が供給されると、その物品は、他方側の供給元から目標搬送箇所に向かって正搬送状態で搬送され、その搬送方向の大きさに応じて、正搬送用受け止め手段又は逆搬送用受け止め手段にて受け止められる。
【0029】
説明を加えると、一方側の供給元に供給される物品についての正搬送用受け止め手段を、他方側の供給元に供給される物品についての逆搬送用受け止め手段とし、かつ、他方側の供給元に供給される物品についての正搬送用受け止め手段を、一方側の供給元に供給される物品についての逆搬送用受け止め手段とすることで、一方側の供給元に供給される搬送方向における大きさが異なる2種の物品の夫々と同じものが他方側の供給元に供給されると、その搬送方向の大きさに応じて、正搬送用受け止め手段又は逆搬送用受け止め手段にて受け止められる。
【0030】
つまり、一方側の供給元に供給される2種の物品と同じものを他方側の供給元に供給する場合に、一方側の供給元に供給される物品についての受け止め手段としての正搬送用受け止め手段と他方側の供給元に供給される物品についての受け止め手段としての逆搬送用受け止め手段とを兼用し、かつ、一方側の供給元に供給される物品についての受け止め手段としての逆搬送用受け止め手段と他方側の供給元に供給される物品についての受け止め手段としての正搬送用受け止め手段とを兼用することができるので、正搬送用受け止め手段及び逆搬送用受け止め手段を、目標搬送箇所の搬送方向両側の夫々について設ける必要がなく、目標搬送箇所の搬送方向両側から供給される物品の夫々について、目標搬送箇所に位置決めすることができるものを簡素な構成とすることができる。
【0031】
このように、本発明の第3特徴構成によると、一方側の供給元から搬送される物品についての受け止め手段と、他方側の供給元から搬送される物品についての受け止め手段とを兼用することができ、目標搬送箇所の搬送方向両側から供給される2種の物品の夫々を、目標搬送箇所に位置決めすることができる便利なものを簡素な構成にて得るに至った。
【0032】
本発明にかかる物品処理システムの第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれか1つにおいて、前記物品が、物流パレットであり、前記目標搬送箇所が、前記物流パレットを段積み状態で保管する段積み装置の段積み箇所として設定されている点にある。
【0033】
すなわち、段積み装置の段積み箇所に、搬送方向における大きさが異なる2種の物流パレットを、各パレットの搬送方向での中心位置を段積み箇所の搬送方向での基準位置に一致させた状態で位置決めすることができるので、段積み装置にて、2種の物流パレットを安定した段積み状態で保管することができる。
【0034】
このように、本発明の第4特徴構成によると、本発明にかかる物品位置決め装置の好適な実施形態を得るに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の物品位置決め装置を自動倉庫に適用した場合の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0036】
図1に示すように、自動倉庫BUには、パレットPに載置した状態で荷を収納する収納部1が縦横に並設された収納棚2と、収納棚2の前面側の床面に敷設された走行レール3に案内されながら、走行経路Lに沿って走行自在なスタッカークレーン4と、荷が載置されていない状態(以下、空状態ともいう。)のパレットPを段積み状態で保管する段積み装置5と、スタッカークレーン4にて供給される空状態のパレットPを段積み装置5に対する段積み箇所Zdに向けて載置搬送する搬送手段としてのパレット搬送コンベヤ6が夫々複数設置されている。
【0037】
スタッカークレーン4は、走行経路Lの一方側端部に対応した位置に設けられた図外の出庫コンベヤ及び入庫コンベヤと収納棚2の収納部1との間で、荷が載置されたパレットPや空状態のパレットPを搬送し、また、走行経路Lの出庫コンベヤ及び入庫コンベヤとは反対側の他方側端部に対応した位置に設けられたパレット搬送コンベヤ6に対して、空状態のパレットPを供給するようになっている。
【0038】
スタッカークレーン4は、第1走行経路L1から第5走行経路L5までの各走行経路Lに対応させて第1クレーン4a〜第5クレーン4eまでの計5台が設けられている。
【0039】
自動倉庫BUで取り扱われるパレットPは、矩形状の物流パレットであり、前後左右の横側面に、前後中心及び左右中心に関して対称的にフォーク挿入孔が2つずつ設けられた二方差しパレットである。具体的には、パレットPとしては、図4(イ)に示すように、縦横の長さが800[mm]×1100[mm]の平面視長方形状のL判パレットPLと、L判パレットPLと横幅を同じくし長さが長い1100[mm]×1100[mm]の平面視正方形状のT11型パレットPTとのサイズの異なる2種のパレットPが取り扱われる。なお、両パレットPとも厚み(高さ)は144[mm]で同じである。
【0040】
そして、詳しい説明は省略するが、収納棚2の各収納部1は、パレットPの左右各辺を載置支持する左右一対のパレット支持体が設けられており、各収納部1の横幅寸法は、2種のパレットに共通の横幅である1100[mm]に対応した寸法に設定され、奥行き寸法(パレットPの出し入れ方向の寸法)は、異なる2種のパレットPのうち大きい方のパレットPであるT11型パレットPTの長さに対応した寸法に設定されており、小さい方のL判パレットPL及び大きい方のT11型パレットPTのいずれのパレットPでも収納できるようになっている。
【0041】
スタッカークレーン4は、走行レール3上を走行移動する走行台車と、この走行台車に端部が接続された昇降マストに沿って上下方向に昇降自在な昇降台と、この昇降台と一体昇降するように設置され、かつ、引退位置と突出位置とに出退操作自在なスライドフォーク機構等を備えている。そして、走行台車の走行作動、昇降台の昇降作動及びスライドフォーク機構の出退作動により、収納部1、パレット搬送コンベヤ6、入庫コンベヤ、出庫コンベヤといった移載対象箇所との間でパレットPの受け渡し及び受け取りを行って、搬送元の移載対象箇所から搬送先の移載対象箇所にパレットPを搬送することができるようになっている。
【0042】
自動倉庫BUには、クレーンコントローラHcが、第1クレーン4a〜第5クレーン4eの夫々について設けられており、複数のクレーンコントローラHcの夫々が、対応するスタッカークレーン4の搬送作動を制御して、上述したようにパレットPを搬送するようになっている。
【0043】
パレット搬送コンベヤ6は、回転方向が正逆転に切り換え自在な搬送駆動用電動モータM(図2(イ)及び図3参照)等を備えることにより搬送方向が双方向に切り換え自在に構成されたチェーンコンベヤである。パレット搬送コンベヤ6は、搬送駆動用電動モータMを正転作動させることで、パレットPを図1及び図2の紙面右側から左側へ向かう方向に搬送することができ、搬送駆動用電動モータMを逆転作動させることで、パレットPを図1及び図2の紙面左側から右側へ向かう方向に搬送することができる。
【0044】
図1に示すように、第1走行経路L1と第2走行経路L2との間においてこれらの走行経路Lの端部箇所に対応させて第1パレット搬送コンベヤ6aが、また、第3走行経路L3と第4走行経路L4との間においてこれらの走行経路Lの端部箇所に対応させて第2パレット搬送コンベヤ6bが、さらに、第4走行経路L4と第5走行経路L5との間において、これらの走行経路Lの端部箇所に対応させて第3パレット搬送コンベヤ6cが設置されている。
【0045】
図2において第1パレット搬送コンベヤ6aについて代表して示すように、これらの複数のパレット搬送コンベヤ6のうち、第1パレット搬送コンベヤ6a及び第2パレット搬送コンベヤ6bの夫々は、その搬送経路における搬送方向で中心部に設定された段積み箇所Zdの、搬送方向両側から右供給箇所ZR及び左供給箇所ZLに対して空状態のパレットPが供給されるように構成されている。また、詳しい図示は省略しているが、第3パレット搬送コンベヤ6cは、その搬送経路における搬送方向で中心部から第4搬送経路L4側に寄った位置に設定された段積み箇所Zdの、搬送方向片側だけから右供給箇所ZRに対して空状態のパレットPが供給されるように構成されている。
【0046】
説明を加えると、図2に示すように、第1パレット搬送コンベヤ6aの搬送経路における第1走行経路L1側の端部に設定された左供給箇所ZLには、第1クレーン4aにて空状態のパレットPが供給され、第1パレット搬送コンベヤ6aの搬送経路における第2走行経路L2側の端部に設定された右供給箇所ZRには、第2クレーン4bにて空状態のパレットPが供給される。
【0047】
同様に、第2パレット搬送コンベヤ6bの搬送経路における第3走行経路L3側の端部に設定された左供給箇所ZLには、第3クレーン4cにて空状態のパレットPが供給され、第2パレット搬送コンベヤ6bの搬送経路における第4走行経路L4側の端部に設定された右供給箇所ZRには、第4クレーン4dにて空状態のパレットPが供給される。
【0048】
また、第3パレット搬送コンベヤ6cの搬送経路における第5走行経路L5側の端部に設定された右供給箇所ZRには、第5クレーン4eにて空状態のパレットPが供給される。なお、第3パレット搬送コンベヤ6cには、段積み箇所Zdの第5走行経路L5側のみから空状態のパレットPが供給されるため、左供給箇所ZLは設定されていない。
【0049】
そして、パレット搬送コンベヤ6の右供給箇所ZR又は左供給箇所ZLに、スタッカークレーン4にて空状態のパレットPが供給されると、パレットPが段積み箇所Zdまで搬送され、段積み装置5にて段積み状態で保管される。つまり、パレット搬送コンベヤ6の夫々についての目標搬送箇所が、空状態のパレットPを段積み状態で保管する段積み装置5の段積み箇所Zdとして設定されている。
【0050】
ここで、本発明における正搬送状態とは、物品を供給元側から目標搬送箇所に向けて搬送する搬送状態であり、また、本発明における逆搬送状態とは、物品を供給元側から目標搬送箇所に向けて搬送する方向とは逆方向に搬送する搬送状態あるから、搬送手段としてのパレット搬送コンベヤ6の正搬送状態及び逆搬送状態は、パレットPが右供給箇所ZR又は左供給箇所RLのいずれに供給されるかによって異なる搬送状態として定義される。
【0051】
例えば、第1パレット搬送コンベヤ6aの右供給箇所ZRにパレットPが供給された場合は、図2における紙面右から左に向かって当該パレットPを搬送する状態が正搬送状態であり、当該パレットPを同紙面左から右に向かって搬送する状態が逆搬送状態である。これとは逆に、左供給箇所ZLにパレットPが供給された場合は、図2における紙面左から右に向かって当該パレットPを搬送する状態が正搬送状態であり、当該パレットPを同紙面右から左に向かって搬送する状態が逆搬送状態である。
【0052】
このように、複数のパレット搬送コンベヤ6の夫々は、パレットPを供給元側から目標搬送箇所に向けて搬送する正搬送状態とそれとは逆方向に搬送する逆搬送状態とに切り換え自在に構成されている。
【0053】
以下に、第1パレット搬送コンベヤ6a及び第2パレット搬送コンベヤ6bの構成について、第1パレット搬送コンベヤ6aを例に詳しく説明する。
【0054】
図2に示すように、第1パレット搬送コンベヤ6aには、パレットPの搬送方向での中心位置Pcを段積み箇所Zdの搬送方向での基準位置Scに一致させた状態で、搬送されるパレットPを受け止め、且つ、受け止め作用状態と受け止めを解除する受け止め解除状態とに切り換え自在なL判パレット用可動ストッパー7及びT11型パレット用可動ストッパー8が設けられている。
【0055】
T11型パレット用可動ストッパー8は、垂直面に沿って上下昇降自在なプレート8Pとこれを昇降作動させる昇降駆動手段8Dとで構成されている。昇降駆動手段8Dは、プレート8Pを、プレート8Pの上端部が搬送コンベヤ6の搬送面より下方に位置する下降位置Pdと、プレート8Pの上端部が搬送コンベヤ6の搬送面より上方に位置する上昇位置Puとの間で昇降駆動させる。
【0056】
T11型パレット用可動ストッパー8は、段積み箇所Zdの搬送方向での基準位置Scから第1走行経路L1側に、T11型パレットPTの搬送方向の長さの半分に相当する550[mm]だけ離れた箇所でプレート8Pが上下昇降するように設置されている。
【0057】
また、T11型パレット用可動ストッパー8は、昇降駆動手段8Dによりプレート8Pが上昇位置Puに位置されると、プレート8Pの上端部が搬送コンベヤ6の搬送面より上方に位置して受け止め作用状態となり、昇降駆動手段8Dによりプレート8Pが下降位置Pdに位置されると、プレート8Pの上端部が搬送コンベヤ6の搬送面より下方に位置して受け止め解除状態となる。
【0058】
そして、T11型パレットPTが右搬送箇所ZRに供給され(図5(イ)参照)、右搬送箇所ZRから段積み箇所Zdに向けて搬送コンベヤ6にて当該T11型パレットPTにとっての正搬送状態(図2の紙面右から左に向かう方向に搬送される状態)で搬送されると(図5(イ)〜(ハ)参照)、このT11型パレットPTが受け止め作用状態のT11型パレット用可動ストッパー8にて受け止められ(図5(ハ)参照)、T11型パレットPTの搬送方向での中心位置Pcが段積み箇所Zdの搬送方向での基準位置Scに一致した状態で位置決めされることになる。
【0059】
このように、T11型パレット用可動ストッパー8は、本発明の受け止め手段に相当し、また、右搬送箇所ZRに供給されたT11型パレットPTにとっての正搬送状態で、当該T11型パレットPTを受け止めるので、本発明の正搬送用受け止め手段として機能している。
【0060】
次に、L判パレット用可動ストッパー7について説明する。ただし、L判パレット用可動ストッパー7は、T11型パレット用可動ストッパー8と同じ部材で構成されており、その設置箇所及び設置方向が異なるだけであるので、L判パレット用可動ストッパー7の設置箇所等について主に説明する。
【0061】
図2に示すように、L判パレット用可動ストッパー7は、T11型パレット用可動ストッパー8と同様に、昇降駆動手段7Dとこれにより上下昇降されるプレート7Pとを備え、段積み箇所Zdの搬送方向での基準位置Scから第2走行経路L2側にL判パレットPLの搬送方向の長さの半分に相当する400[mm]だけ離れた箇所の垂直面に沿ってプレート7Pが上下昇降するように設置されている。
【0062】
そして、L判パレットPLが右搬送箇所ZRに供給され(図6(イ)参照)、右搬送箇所ZRから段積み箇所Zdに向けて搬送コンベヤ6にて当該L判パレットPLにとっての正搬送状態(図2の紙面右から左に向かう方向に搬送される状態)で、その搬送方向の中心位置Pcが段積み箇所Zdの搬送方向での基準位置Scを超える状態(図6(イ)〜(ロ)参照)となるまで搬送され(このとき、L判パレット用可動ストッパー7及びT11型パレット用可動ストッパー8の双方とも受け止め解除状態となっている。)、その後、右搬送箇所ZRに供給された当該L判パレットPLにとっての逆搬送状態(図2の紙面左から右に向かう方向に搬送される状態)にて搬送される(図6(ロ)〜(ハ)参照)と、このL判パレットPLが、受け止め作用状態のL判パレット用可動ストッパー7にて受け止められ(図6(ハ)参照)、L判パレットPLの搬送方向での中心位置Pcが段積み箇所Zdの搬送方向での基準位置Scに一致した状態で位置決めされることになる。
【0063】
つまり、L判パレット用可動ストッパー7は、本発明の受け止め手段に相当し、また、右搬送箇所ZRに供給されたL判パレットPLにとっての逆搬送状態で、当該L判パレットPLを受け止めるので、本発明の逆搬送用受け止め手段として機能している。
【0064】
このように、T11型パレット用可動ストッパー8は右搬送箇所ZRに供給されるパレットPについての正搬送用受け止め手段として機能し、また、L判パレット用可動ストッパー7は右搬送箇所ZRに供給されるパレットPについての逆搬送用受け止め手段として機能しており、これらが、搬送方向における大きさが異なる2種のパレットPであるL判パレットPL及びT11型パレットPTの夫々に対応させて設けられており、さらに、正搬送用受け止め手段としてのT11型パレット用可動ストッパー8にて、搬送方向の大きさが大きい物品であるT11型パレットPTを受け止めるように配設されている。
【0065】
さらに、パレットPが第1クレーン4aにて第1パレット搬送コンベヤ6aの左供給箇所ZLに供給された場合には、そのパレットPがL判パレットPLであれば、そのパレットPは、当該パレットPにとっての正搬送状態(図2の紙面左から右に向かう方向に搬送される状態)でL判パレット用可動ストッパー7にて受け止められ、そのパレットPがT11型パレットPTであれば、そのパレットPは、当該パレットPにとっての逆搬送状態(図2の紙面右から左に向かう方向に搬送される状態)でT11型パレット用可動ストッパー8にて受け止められる。
【0066】
つまり、L判パレット用可動ストッパー7は左搬送箇所ZLに供給されるパレットPについての正搬送用受け止め手段として機能し、また、T11型パレット用可動ストッパー8は左搬送箇所ZLに供給されるパレットPについての逆搬送用受け止め手段として機能している。
【0067】
第1パレット搬送コンベヤ6aには、予め設定された複数の搬送箇所の夫々についてパレットPが位置することを検出するパレット検出用の複数のリミットスイッチが備えられている。パレット検出用の複数のリミットスイッチとして、第1リミットスイッチRS1〜第4リミットスイッチRS4の4個が設けられており、これらのリミットスイッチは、検出用のアクチュエータの検出部が搬送面上のパレットPと当接して検出作用できるように、アクチュエータの検出作用部が搬送面から上方側に突出する状態となるように設けられている。
【0068】
第1リミットスイッチRS1は、右供給箇所ZRに供給されたL判パレットPLが、正搬送状態で搬送されて、段積み箇所Zdを通過して折り返し箇所まで搬送されたことを検出するL判パレット通過検出用センサである。
【0069】
第2リミットスイッチRS2は、右供給箇所ZRに供給されたT11型パレットPTが、正搬送状態で搬送されて、T11型パレット用可動ストッパー8にて受け止められた状態であること、及び、左供給箇所ZLに供給されたT11型パレットPTが、正搬送状態で搬送された後、逆搬送状態で搬送されて、T11型パレット用可動ストッパー8にて受け止められた状態であることを検出する在荷検出用センサである。
【0070】
第3リミットスイッチRS3は、左供給箇所ZLに供給されたL判パレットPLが、正搬送状態で搬送されて、L判パレット用可動ストッパー7にて受け止められた状態であること、及び、右供給箇所ZRに供給されたL判パレットPLが、正搬送状態で搬送された後、逆搬送状態で搬送されて、L判パレット用可動ストッパー7にて受け止められた状態であることを検出する在荷検出用センサである。
【0071】
第4リミットスイッチRS4は、左供給箇所ZLに供給されたT11型パレットPTが、正搬送状態で搬送されて、段積み箇所Zdを通過して折り返し箇所まで搬送されたことを検出するT11型パレット通過検出用センサである。
【0072】
そして、これらのパレット検出用の複数のリミットスイッチは、後述する第1コンベヤコントローラH1に接続されている(図3参照)。
【0073】
以上、第1パレット搬送コンベヤ6aの構成について説明したが、第2パレット搬送コンベヤ6bも同様の構成である。
【0074】
第3パレット搬送コンベヤ6cも、L判パレット用可動ストッパー7及びT11型パレット用可動ストッパー8を備えているが、前述の通り、第3パレット搬送コンベヤ6cについては、パレットPは段積み箇所Zdの一方側、つまり右供給箇所ZRだけに供給されるので、T11型パレット用可動ストッパー8は、右供給箇所ZRに供給されたT11型パレットPTを正搬送状態で受け止めるので正搬送用受け止め手段としてのみ機能し、逆搬送用受け止め手段としては機能せず、また、L判パレット用可動ストッパー7は、右供給箇所ZRに供給されたL判パレットPLを逆搬送状態で受け止めるので逆搬送用受け止め手段としてのみ機能し、正搬送用受け止め手段としては機能しない。
【0075】
また、図示は省略するが、第3パレット搬送コンベヤ6cのT11型パレット用可動ストッパー8は、逆搬送状態で搬送されるT11型パレットを受け止めることはないため、T11型パレット通過検出用センサとしての第4リミットスイッチRS4は不要につき、第3パレット搬送コンベヤ6cには、第4リミットスイッチRS4は設けられていない。なお、パレット検出用の複数のリミットスイッチのうち、第1リミットスイッチRS1〜第3リミットスイッチRS3については、第1パレット搬送コンベヤ6aと同様に設けられている。
【0076】
図2、図5及び図6に示すように、段積み装置5は、段積み箇所Zdに位置するパレットPのフォーク挿入孔に係合する4つのフック9が備えられている。これらの4つのフック9は、夫々について設けられた電動モータにより縦軸心周りに揺動して係入位置(図5(ハ)及び図6(ハ)で示す位置)と退避位置(図5(イ)及び(ロ)並びに図6(イ)及び(ロ)で示す位置)とに位置切り換え自在で、かつ、パレット搬送コンベヤ6の搬送面からパレットPの厚みの半分程度上方に設定された待機高さを基底高さとして縦軸心方向に一体昇降自在に構成されている(図2(ロ)参照)。そして、段積み装置5には、段積み装置5の段積み作動を制御する段積みコントローラHd(図1及び図3参照)が設けられている。
【0077】
図2(イ)に示すように、待機高さにあるときの4つのフック9は、パレット搬送コンベヤ6の両側部の夫々において搬送方向に並ぶ状態で位置している。パレット搬送コンベヤ6の搬送方向に並ぶ一対のフック9の縦軸心の間隔Dは、段積み作動においてパレットPを昇降させる際に4つのフック9で支持されたパレットPができるだけ安定するように極力広くしてあり、具体的には、縦軸心の間隔Dは、小さい方のパレットPであるL判パレットPLの搬送方向に並ぶ2つフォーク挿入孔の最大内寸より若干小さい寸法としている。
【0078】
また、搬送方向に並ぶ一対のフック9の縦軸心の中間位置は、段積み箇所Zdの搬送方向の基準位置Scに一致しており、段積み箇所Zdに位置決めされたパレットPを4つのフック9によりバランス良く適切に支持できるようになっている。
【0079】
ちなみに、段積み箇所ZdにT11型パレットPTが位置決めされたときには、待機高さにあるときの4つのフック9は、T11型パレットPTに対して図6(ハ)に示すような位置となる。すなわち、T11型パレットPTが段積み箇所Zdに位置決めされると、パレット搬送コンベヤ6の搬送方向に並ぶ一対のフック9の縦軸心の中心は、同搬送方向におけるT11型パレットPTの中心位置Pcと一致し、段積み箇所Zdに位置決めされたT11型パレットPTを4つのフック9によりバランス良く適切に支持できるようになっている。
【0080】
さらに、段積み装置5に段積み状態で保管されるT11型パレットPTとL判パレットPLとは、図4(ロ)に示すように、互いに搬送方向における中心位置Pcが一致することになるので、搬送方向における大きさの異なる2種のパレットPを安定した状態で段積み装置5に保管できる。
【0081】
段積みコントローラHdは、4つのフック9を退避位置に位置させた状態で待機高さにおいて待機させておき、パレットPが段積み箇所Zdに位置決めされると、これらの4つのフック9を係入位置に切り換えた上で一体上昇させて、保管支持用の支持体にパレットPを支持させた後、4つのフック9を退避位置に位置させ、待機高さに復帰下降させる段積み作動を制御すべく、4つのフック9の位置切り換え作動及び昇降作動を制御する。
【0082】
また、図3に示すように、段積みコントローラHdは、対応するパレット搬送コンベヤ6のコンベヤコントローラと通信可能に接続されており、詳しくは後述するが、段積みコントローラHdは、コンベヤコントローラが出力する位置決め完了信号S3に基づいて、上述のような段積み作動を開始し、かつ、段積み作動が完了するとコンベヤコントローラに対して段積み完了信号S4を送信するように構成されている。
【0083】
図1に示すように、自動倉庫BUには、第1パレット搬送コンベヤ6aの搬送作動並びに第1搬送コンベヤ6aについてのL判パレット用可動ストッパー7及びT11型パレット用可動ストッパー8の切り換え作動を制御する第1コンベヤコントローラH1が備えられている。
【0084】
第1コンベヤコントローラH1は、図3に示すように、第1クレーン4aについてのクレーンコントローラHc及び第2クレーン4bについてのクレーンコントローラHcと通信可能に接続されている。
【0085】
第1コンベヤコントローラH1と第1クレーン4aについてのクレーンコントローラHc及び第2クレーン4bについてのクレーンコントローラHcとの通信、並びに、第1コンベヤコントローラH1と第1パレット搬送コンベヤ6aに対応する段積み装置5の段積みコントローラHdとの通信は、図7に示すような手順で行われる。
【0086】
すなわち、第1コンベヤコントローラH1は、第1クレーン4a又は第2クレーン4bのいずれかからパレットPの供給を受けたときには、そのパレットPを供給したスタッカークレーン4についてのクレーンコントローラHcが送信するパレット供給完了信号S1を受信するように構成されている。なお、図7では、第1クレーン4aが第1パレット搬送コンベヤ6aにパレットPを供給した場合について例示している。
【0087】
パレット供給完了信号S1には、いずれのクレーンコントローラHcが送信したものであるかを特定する送信元情報や、供給したパレットPがT11型パレットPTであるかL判パレットPLであるかを示すパレット種別情報が含まれている。
【0088】
したがって、第1コンベヤコントローラH1は、第1クレーン4aについてのクレーンコントローラHc又は第2クレーン4bについてのクレーンコントローラHcが送信するパレット供給完了信号S1を受信することにより、それに含まれる送信元情報に基づいて、第1パレット搬送コンベヤ6aの左供給箇所ZLにパレットPが供給されたのか、右供給箇所ZRにパレットPが供給されたのか、また、パレット種別情報に基づいて、供給されたパレットPがT11型パレットPTであるかL判パレットPLであるかを判別することができる。
【0089】
第1コンベヤコントローラH1は、パレット供給完了信号S1を受信すると、第1クレーン4aについてのクレーンコントローラHc及び第2クレーン4bについてのクレーンコントローラHcの双方に対して、新たなパレットPの供給を禁止する供給禁止信号S2を送信するとともに、パレットPを段積み箇所Zdに位置決めするべく、後述の位置決め搬送処理を実行し、この処理が完了すると、第1コンベヤコントローラH1は、位置決め完了信号S3を段積みコントローラHdに送信する。
【0090】
そして、段積みコントローラHdは、第1コンベヤコントローラH1が出力する位置決め完了信号S3に基づいて、前述したような段積み作動を開始し、段積み作動が完了すると第1コンベヤコントローラH1に対して段積み完了信号S4を送信する。
【0091】
第1コンベヤコントローラH1は、第1パレット搬送コンベヤ6aについての段積み装置5の段積みコントローラHdから段積み完了信号S4を受信すると、第1クレーン4aについてのクレーンコントローラHc及び第2クレーン4bについてのクレーンコントローラHcの双方に対して、新たなパレットPの供給を許可する供給許可信号S5を送信する。
【0092】
以上により、第1パレット搬送コンベヤ6aの左供給箇所ZL又は右供給箇所ZRのいずれかに一旦空状態のパレットPが供給された後は、当該パレットPが第1パレット搬送コンベヤ6aに対応する段積み装置5による段積み作動が完了するまでは、第1パレット搬送コンベヤ6aの左供給箇所ZL又は右供給箇所ZRのいずれにも次のパレットPが供給されないようにしている。
【0093】
自動倉庫BUには、第1コンベヤコントローラH1の他、第2パレット搬送コンベヤ6bの搬送作動等を制御する第2コンベヤコントローラH2及び第3パレット搬送コンベヤ6cの搬送作動等を制御する第3コンベヤコントローラH3が備えられている。
【0094】
第2コンベヤコントローラH2は、第2パレット搬送コンベヤ6bの搬送作動並びに第2搬送コンベヤ6bについてのL判パレット用可動ストッパー7及びT11型パレット用可動ストッパー8の切り換え作動を制御する。
【0095】
第3コンベヤコントローラH3は、第2パレット搬送コンベヤ6cの搬送作動並びに第2搬送コンベヤ6cについてのL判パレット用可動ストッパー7及びT11型パレット用可動ストッパー8の切り換え作動を制御する。
【0096】
つまり、第1コンベヤコントローラH1、第2コンベヤコントローラH2及び第3コンベヤコントローラH3の夫々が本発明の制御手段に相当する。
【0097】
第2コンベヤコントローラH2や第3コンベヤコントローラH3も、第1コンベヤコントローラH1と同様に、対応するクレーンコントローラHc及び段積みコントローラHdと通信可能に接続されている。ただし、第3コンベヤコントローラH3には、クレーンコントローラHcとして、第5クレーン4eについてのものだけが接続されている。
【0098】
第1コンベヤコントローラH1、第2コンベヤコントローラH2及び第3コンベヤコントローラH3の夫々が実行する位置決め搬送処理における制御動作について説明する。
【0099】
第3パレット搬送コンベヤ6cは、その段積み箇所Zdの搬送方向片側からパレットPが供給されるものであるので、第3パレット搬送コンベヤ6cについての第3コンベヤコントローラH3が実行する位置決め搬送処理における制御動作は、パレット搬送コンベヤ6の段積み箇所Zdの搬送方向両側からパレットPが供給されるもの、つまり、第1コンベヤコントローラH1及び第2コンベヤコントローラH2が実行する位置決め搬送処理において、右供給箇所ZRにだけパレットPが供給される場合の制御動作と同じになるので、第3コンベヤコントローラH3が実行する位置決め搬送処理における制御動作の説明は省略し、第1コンベヤコントローラH1及び第2コンベヤコントローラH2が実行する位置決め搬送処理における制御動作について、第1コンベヤコントローラH1を例に、図8及び図9に示されたフローチャートに基づいて説明する。なお、図中丸印で囲んだA及びBは図8及び図9に分断されたフローチャートの相互接続箇所を示すものである。
【0100】
第1コンベヤコントローラH1は、パレット供給完了信号S1を受信すると、それに含まれる送信元情報及びパレット種別情報に基づいて、ステップ#1で供給箇所の別(右供給箇所ZR又は左供給箇所ZL)を識別し、ステップ#2、ステップ#3でパレットの種別(L判パレットPL又はT11型パレットPT)を判別する。
【0101】
右供給箇所ZRにL判パレットPLが供給された場合は、ステップ#LR1〜ステップ#LR9の処理が実行され、右供給箇所ZRにT11型パレットPTが供給された場合は、ステップ#TF1〜ステップ#TF6の処理が実行される。また、左供給箇所ZLにT11型パレットPTが供給された場合は、ステップ#TR1〜ステップ#TR9の処理が実行され、右供給箇所ZRにL判パレットPLが供給された場合は、ステップ#LF1〜ステップ#LF6の処理が実行される。
【0102】
まず、右供給箇所ZRにL判パレットPLが供給された場合について説明する。ステップ#LR1で、搬送駆動用電動モータMの正転駆動を開始させて、右供給箇所ZRに供給された当該パレットにとっての正搬送状態で、つまり、右供給箇所ZRから段積み箇所Zdに向って当該L判パレットPLを搬送させる。
【0103】
ステップ#LR2で第1リミットスイッチRS1がオンとなるまで、搬送駆動用電動モータMの正転駆動を継続させ、第1リミットスイッチRS1がオンすると、ステップ#LR3で搬送駆動用電動モータMの正転駆動を停止させる。これにより、当該L判パレットPLの搬送方向の中心位置Pcが段積み箇所Zdの基準位置Scを超える状態となるまで搬送されることになる。
【0104】
そして、ステップ#LR4で、L判パレット用可動ストッパー7のプレート7Pを下降位置Pdから上昇位置Puに切り換える。これにより、L判パレット用可動ストッパー7は、受け止め作用状態となる。
【0105】
ステップ#LR5で、搬送駆動用電動モータMの逆転駆動を開始させて、右供給箇所ZRに供給された当該パレットにとっての逆搬送状態で、つまり、右供給箇所ZRから段積み箇所Zdに向う方向と反対側に当該L判パレットPLを搬送させる。
【0106】
ステップ#LR6で、第3リミットスイッチRS3がオンとなるまで、搬送駆動用電動モータMの逆転駆動を継続させ、第3リミットスイッチRS3がオンすると、L判受け止め用設定時間T3が経過した後(ステップ#LR7)に、ステップ#LR8で、搬送駆動用電動モータMの逆転駆動を停止させる。
【0107】
L判受け止め用設定時間T3は、第3リミットスイッチRS3がオンした後もパレット搬送コンベヤ6の搬送作動を一定時間だけ継続させることで、L判パレットPLが上昇位置Puにあるプレート7Pに確実に当接した状態とするために設けられた時間である。これにより、当該L判パレットPLは、受け止め作用状態のL判パレット用可動ストッパー7のプレート7Pに当接して受け止められ、その搬送方向の中心位置Pcが段積み箇所Zdの基準位置Scと一致した状態となるまで搬送され、その状態を維持したまま、パレット搬送コンベヤ6による搬送作用を受けなくなり、段積み箇所Zdに位置決めされることになる。
【0108】
ステップ#LR9で、L判パレット用可動ストッパー7のプレート7Pを、上昇位置Puから下降位置Pdに切り換える。これにより、L判パレット用可動ストッパー7は、受け止め解除状態となる。
【0109】
以上に説明したステップ#LR1〜ステップ#LR9によりL判パレットPLが搬送される様子は、図6(イ)〜(ロ)に示すようになる。
【0110】
次に、右供給箇所ZRにT11型パレットPTが供給された場合について説明する。ステップ#TF1で、T11型パレット用可動ストッパー8のプレート8Pを下降位置Pdから上昇位置Puに切り換える。これにより、L判パレット用可動ストッパー7は、受け止め作用状態となる。
【0111】
ステップ#TF2で、搬送駆動用電動モータMの正転駆動を開始させて、右供給箇所ZRに供給された当該パレットにとっての正搬送状態で、つまり、右供給箇所ZRから段積み箇所Zdに向う方向に当該T11型パレットPTを搬送させる。
【0112】
ステップ#TF3で、第2リミットスイッチRS2がオンとなるまで、搬送駆動用電動モータMの正転駆動を継続させ、第2リミットスイッチRS2がオンすると、T11型受け止め用設定時間T2が経過した後(ステップ#TF4)に、ステップ#TF5で、搬送駆動用電動モータMの正転駆動を停止させる。
【0113】
T11型受け止め用設定時間T2は、第2リミットスイッチRS2がオンした後もパレット搬送コンベヤ6の搬送作動を一定時間だけ継続させることで、T11型パレットPTが上昇位置Puにあるプレート8Pに確実に当接した状態とするために設けられた時間である。これにより、当該T11型パレットPTは、受け止め作用状態のT11型パレット用可動ストッパー8のプレート8Pに当接して受け止められ、その搬送方向の中心位置Pcが段積み箇所Zdの基準位置Scと一致した状態となるまで搬送され、その状態を維持したまま、パレット搬送コンベヤ6による搬送作用を受けなくなり、段積み箇所Zdに位置決めされることになる。
【0114】
ステップ#TF6で、T11型パレット用可動ストッパー8のプレート8Pを、上昇位置Puから下降位置Pdに切り換える。これにより、T11型パレット用可動ストッパー8は、受け止め解除状態となる。
【0115】
以上に説明したステップ#TF1〜ステップ#TF6によりT11型パレットPTが搬送される様子は、図5(イ)〜(ロ)に示すようになる。
【0116】
以上説明したように、第1コンベヤコントローラH1は、右供給箇所ZRにパレットPが供給された場合の正搬送用受け止め手段としてのT11型パレット用可動ストッパー8にて受け止める大きさのパレットPであるT11型パレットPTについては、右供給箇所ZRに供給されたT11型パレットPTを供給元である右供給箇所ZR側から目標搬送箇所である段積み箇所Zdに向けて搬送する正搬送状態にてT11型パレットPTを搬送してT11型パレット用可動ストッパー8にてT11型パレットPTを受け止め、且つ、右供給箇所ZRにパレットPが供給された場合の逆搬送用受け止め手段としてのL判パレット用可動ストッパー7にて受け止める大きさのパレットPであるL判パレットPLについては、右供給箇所ZRにパレットPが供給された場合の正搬送状態でL判パレットPLをその搬送方向の中心位置Pcが目標搬送箇所である段積み箇所Zdの基準位置Scを超える状態となるまで搬送し、その後、正搬送状態とは逆方向に搬送する逆搬送状態にてL判パレットPLを搬送してL判パレット用可動ストッパー7にてL判パレットPLを受け止めるように、第1パレット搬送コンベヤ6aの搬送作動並びにL判パレット用可動ストッパー7及びT11型パレット用可動ストッパー8の切り換え作動を制御するように構成されている。
【0117】
左供給箇所ZLにT11型パレットPTが供給された場合及び左供給箇所ZLにL判パレットPLが供給された場合の第1コンベヤコントローラH1の制御動作は、図8の#1でNoと判別されることにより、図9のステップ#TR1〜ステップ#TR9及びステップ#LF1〜ステップ#LF6に示すものとなる。これらはそれぞれ、左供給箇所ZLにL判パレットPLが供給された場合及び左供給箇所ZLにT11型パレットPTが供給された場合の第1コンベヤコントローラH1の制御動作に対応したものとなっている。
【0118】
すなわち、搬送駆動用電動モータMの逆転駆動により正搬送状態が出現する点(ステップ#TR1〜ステップ#TR3,ステップ#LF2〜ステップ#LF5)、搬送駆動用電動モータMの正転駆動により逆搬送状態が出現する点(ステップ#TR5〜ステップ#TR8)、搬送方向の中心位置Pcが段積み箇所Zdの基準位置Scを超える状態となるまで搬送されるパレットPがT11型パレットPTであり、T11型パレットPTの搬送方向の中心位置Pcが段積み箇所Zdの基準位置Scを超える状態となることを検出するリミットスイッチが第4リミットスイッチRS4である点(ステップ#TR2)などが異なる他は全体の処理の流れは同様のものとなっているので、詳しい説明は省略する。
【0119】
以上、第1コンベヤコントローラH1について説明したが、第2コンベヤコントローラH2についても同様の制御動作となる。ちなみに、第3コンベヤコントローラH3の制御動作は、図8及び図9のフローチャートにおいてステップ#1で常にYesと判別される点が異なる以外は、第1コンベヤコントローラH1及び第2コンベヤコントローラH2のものと同様である。
【0120】
以上のように、自動倉庫BUでは、本発明の物品位置決め装置を適用したことにより、搬送方向の大きさが異なる2種のパレットPの搬送方向における大きさの差が300[mm]と小さくても、これらのパレットPの搬送方向での中心位置Pcを目標搬送箇所である段積み箇所Zdの搬送方向での基準位置Scに一致させた状態でこれらのパレットPを位置決めすることができるので、段積み箇所Zdに位置するパレットPを段積み装置5にて的確に段積みでき、大きさの異なる2種の物流パレットを安定した段積み状態で保管することができる。
【0121】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0122】
(1)上記実施形態では、物品が、物流パレットであり、目標搬送箇所が、物流パレットを段積み状態で保管する段積み装置の段積み箇所として設定されているものを例示したが、これに代えて、物品が、物流コンテナであり、目標搬送箇所が、物流コンテナから商品をピッキングするピッキング設備のピッキング箇所として設定されているものであってもよく、本発明の物品位置決め装置が対象とする物品は適宜変更可能である。
【0123】
(2)上記実施形態では、搬送手段が、チェーンコンベヤにて構成されたものを例示したが、これに代えて、搬送手段がベルトコンベヤやローラコンベヤにて構成されたもの等であってもよく、搬送手段の具体構成は適宜変更可能である。
【0124】
(3)上記実施形態では、搬送方向における大きさが異なる2種の物品として、搬送方向と直行する方向における大きさが同じであるものを例示したが、搬送方向における大きさが異なる2種の物品としては、搬送方向と直行する方向における大きさが異なるものであってもよい。
【0125】
(4)上記実施形態では、受け止め手段として、昇降駆動手段とこれにより上下昇降されるプレートとを備えて構成されたものを例示したが、プレートに代えて、受け止め作用面を形成するように棒体を並設したものや、受け止め作用面を形成するように棒体を折り曲げ形成又は湾曲形成したものであってもよい。
【0126】
また、受け止め手段としては、例えば、搬送面と並行状態になる倒伏姿勢と搬送面と垂直になる直立姿勢とに姿勢変更可能なもののように、姿勢変形自在又は形状変形自在に構成された受け止め部と、この受け止め部を姿勢変形又は形状変形させる駆動機構とで構成されたもの等、受け止め手段の具体構成は適宜変更可能である。
【0127】
(5)上記実施形態では、正搬送用受け止め手段と逆搬送用受け止め手段とが、同一の部材構成であり、設置箇所及び設置方向が異なるものを例示したが、これらは互いに異なる部材構成であってもよい。
【0128】
(6)上記実施形態では、第1コンベヤコントローラH1が、位置決め搬送処理において、パレット供給完了信号S1に含まれている送信元情報に基づいて、第1パレット搬送コンベヤ6aの左供給箇所ZLにパレットPが供給されたのか、右供給箇所ZRにパレットPが供給されたのか、また、パレット供給完了信号S1に含まれているパレット種別情報に基づいて、供給されたパレットPがT11型パレットPTであるかL判パレットPLであるかを判別するように構成されたものを例示したが、これに代えて、例えば、右供給箇所ZRに右側パレット種別判別手段を、左供給箇所ZLに左側パレット種別判別手段を設けて、第1コンベヤコントローラH1が、これらの検出情報に基づいて、第1パレット搬送コンベヤ6aの左供給箇所ZLにパレットPが供給されたのか、右供給箇所ZRにパレットPが供給されたのか、また、供給されたパレットPがT11型パレットPTであるかL判パレットPLであるかを判別するように構成されたものであってもよい。
【0129】
ちなみに、パレット種別判別手段としては、リミットスイッチやロードセル等の検出用センサを搬送方向に沿って複数並設し、これらの検出用センサの検出情報の組み合わせにより、パレット供給の有無及びパレット種別を判別するものや、パレットを搬送移動する際の検出用センサの検出作用時間に基づいて、パレット種別を判別するもの等、その具体構成は適宜考えられる。
【0130】
(7)上記実施形態では、第1コンベヤコントローラH1が、位置決め搬送処理において、ステップ#LR6で、第3リミットスイッチRS3がオンとなるまで、搬送駆動用電動モータMの逆転駆動を継続させ、第3リミットスイッチRS3がオンすると、L判受け止め用設定時間T3が経過した後(ステップ#LR7)に、ステップ#LR8で、搬送駆動用電動モータMの逆転駆動を停止させるものを例示したが、これに代えて、第1コンベヤコントローラH1が、位置決め搬送処理において、第3リミットスイッチRS3がオンとなるまで、搬送駆動用電動モータMの逆転駆動を継続させ、第3リミットスイッチRS3がオンすると、直ちに、搬送駆動用電動モータMの逆転駆動を停止させるものであってもよい。
【0131】
この場合、搬送駆動用電動モータMの逆転駆動を停止させた後、T11型パレットPTに発生する慣性力により、当該T11型パレットPTは、受け止め作用状態のT11型パレット用可動ストッパー8のプレート8Pに当接して受け止められてその搬送方向の中心位置Pcが段積み箇所Zdの基準位置Scと一致した状態となるまで移動することも可能である。
【0132】
同様に、第1コンベヤコントローラH1が、位置決め搬送処理において、ステップ#TF3で、第2リミットスイッチRS2がオンとなるまで、搬送駆動用電動モータMの正転駆動を継続させ、第2リミットスイッチRS2がオンすると、T11型受け止め用設定時間T2が経過した後(ステップ#TF4)に、ステップ#TF5で、搬送駆動用電動モータMの正転駆動を停止させるものを例示したが、これに代えて、第1コンベヤコントローラH1が、位置決め搬送処理において、第2リミットスイッチRS2がオンとなるまで、搬送駆動用電動モータMの正転駆動を継続させ、第2リミットスイッチRS2がオンすると、直ちに、搬送駆動用電動モータMの正転駆動を停止させるものであってもよい。また、第1コンベヤコントローラH1に限らず、第2コンベヤコントローラH2や第3コンベヤコントローラH3についても、同様である。
【0133】
(8)上記実施形態では、第1コンベヤコントローラH1等が、位置決め搬送処理において、搬送駆動用電動モータMの正転駆動又は逆転駆動が開始する直前又は停止した直後に、パレット用可動ストッパーのプレートを下降位置Pdから上昇位置Puに、又は、上昇位置Puから下降位置Pdに切り換えるものを例示したが、これに限らず、パレット用可動ストッパーのプレートの下降位置Pdと上昇位置Puとの切り換えタイミングはパレットPと干渉しない限り適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】自動倉庫の全体平面図
【図2】第1パレット搬送コンベヤの周辺構造を示す(イ)平面図及び(ロ)側面図
【図3】制御ブロック図
【図4】(イ)2種の物流パレットの斜視図(ロ)段積み保管状態のパレットの側面図
【図5】(イ)右供給箇所に供給されたT11型パレットの平面図(ロ)段積み箇所に搬送されるT11型パレットの平面図(ハ)段積み箇所に位置決めされたT11型パレットの平面図
【図6】(イ)右供給箇所に供給されたL判パレットの平面図(ロ)段積み箇所に搬送されるL判パレットの平面図(ハ)段積み箇所に位置決めされたL判パレットの平面図
【図7】第1コンベヤコントローラ、段積みコントローラ及びクレーンコントローラの通信フローチャートを示す図
【図8】第1コンベヤコントローラが実行する位置決め搬送処理による制御動作のフローチャートを示す図
【図9】第1コンベヤコントローラが実行する位置決め搬送処理による制御動作のフローチャートを示す図
【符号の説明】
【0135】
P 物品
PL,PT 2種の物品
Pc 中心位置
H1、H2、H3 制御手段
Zd 目標搬送箇所
Sc 基準位置
5 段積み装置
6、6a、6b、6c 搬送手段
7、8 正搬送用受け止め手段、逆搬送用受け止め手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を目標搬送箇所に向けて載置搬送する搬送手段と、
物品の搬送方向での中心位置を前記目標搬送箇所の搬送方向での基準位置に一致させた状態で前記搬送手段にて搬送される物品を受け止め、且つ、受け止め作用状態と受け止めを解除する受け止め解除状態とに切り換え自在な受け止め手段と、
前記搬送手段の搬送作動及び前記受け止め手段の切り換え作動を制御する制御手段とが設けられた物品位置決め装置であって、
前記搬送手段が、物品を供給元側から前記目標搬送箇所に向けて搬送する正搬送状態とそれとは逆方向に搬送する逆搬送状態とに切り換え自在に構成され、
前記受け止め手段として、前記搬送手段の前記正搬送状態で物品を受け止める正搬送用受け止め手段と前記逆搬送状態で物品を受け止める逆搬送用受け止め手段とが、搬送方向における大きさが異なる2種の物品の夫々に対応させて設けられ、
前記制御手段が、前記正搬送用受け止め手段にて受け止める大きさの物品については、前記正搬送状態にて物品を搬送して前記正搬送用受け止め手段にて物品を受け止め、且つ、前記逆搬送用受け止め手段にて受け止める大きさの物品については、前記正搬送状態で物品をその搬送方向の中心位置が前記目標搬送箇所の基準位置を超える状態となるまで搬送し、その後、前記逆搬送状態にて物品を搬送して前記逆搬送用受け止め手段にて物品を受け止めるように、前記搬送手段の搬送作動及び前記受け止め手段の切り換え作動を制御するように構成されている物品位置決め装置。
【請求項2】
前記正搬送用受け止め手段と前記逆搬送用受け止め手段とが、前記正搬送用受止手段にて搬送方向の大きさが大きい物品を受け止めるように配設されている請求項1記載の物品受止装置。
【請求項3】
前記搬送手段が、前記目標搬送箇所の搬送方向両側から物品が供給されるように構成されている請求項1又は2に記載の物品位置決め装置。
【請求項4】
前記物品が、物流パレットであり、
前記目標搬送箇所が、前記物流パレットを段積み状態で保管する段積み装置の段積み箇所として設定されている請求項1〜3の何れか1項に記載の物品位置決め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−51616(P2009−51616A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−219809(P2007−219809)
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)