物品取り付け具
【課題】物品に特殊な形状を設けることなく任意の箇所への取り付けを可能とし、物品自体を小型化できる物品取り付け具を提供する。
【解決手段】物品取り付け具50は、第1、第2の吸盤装置20A、20Bと、それら第1、第2の吸盤装置20A、20Bを連結する連結部80とを備えている。第1、第2の吸盤装置20A、20Bのうちの一方の吸盤装置の吸盤22をゲーム機10の背面1204に吸着固定させ、他方の吸盤装置の吸盤22を被吸着面2に吸着固定させる。ねじ挿通孔8206、4602に挿通した雄ねじ部材84を雌ねじ8206に対して緩めた状態でゲーム機10を所望の姿勢に揺動させ、所望の姿勢になったところで雄ねじ部材84の雄ねじ8402を締め付け、被挟持体46を球面状挟持面8202で締め付け固定する。
【解決手段】物品取り付け具50は、第1、第2の吸盤装置20A、20Bと、それら第1、第2の吸盤装置20A、20Bを連結する連結部80とを備えている。第1、第2の吸盤装置20A、20Bのうちの一方の吸盤装置の吸盤22をゲーム機10の背面1204に吸着固定させ、他方の吸盤装置の吸盤22を被吸着面2に吸着固定させる。ねじ挿通孔8206、4602に挿通した雄ねじ部材84を雌ねじ8206に対して緩めた状態でゲーム機10を所望の姿勢に揺動させ、所望の姿勢になったところで雄ねじ部材84の雄ねじ8402を締め付け、被挟持体46を球面状挟持面8202で締め付け固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品取り付け具に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の物品の表面に球面からなる球状部を突設し、この球状部を吸盤装置を介して壁面などに取り付けるようにした物品取り付け構造が提供されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−287800
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような従来の物品取り付け構造は、予め物品に球状部を設けなくてはならず、また、吸盤を必要とすることから、物品の出荷や販売時に物品が大型化し、取り扱いが不便となる不具合がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、物品に特殊な形状を設けることなく任意の箇所への取り付けを可能とし、物品自体を小型化できる物品取り付け具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目的を達成するため、本発明の物品取り付け具は、吸盤と、前記吸盤に連結され前記吸盤が被吸着面に吸着した状態で前記吸盤を介して前記被吸着面に取り付けられるケースとを有する2つの吸盤装置と、前記2つの吸盤装置のケースを姿勢変換可能に連結する連結部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明の物品取り付け具によれば、2つの吸盤装置を用いて物品を被吸着面に取り付けるようにしたので、物品側に吸盤の面積に対応した平坦面や湾曲面を設けておけば、物品を所望の被吸着面箇所に取り付けることが可能となる。
したがって、物品に予め球体を突設したり、また、物品に吸盤装置を設ける必要が無くなり、物品を小型化する上で有利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(第1の実施の形態)
次に、本発明の物品取り付け具50の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は第1の実施の形態の物品取り付け具50を用いて取り付けるゲーム機10の説明図、図2は第1の実施の形態の物品取り付け具50の分解斜視図、図3は第1の実施の形態の物品取り付け具50の組立図、図4は第1の実施の形態の物品取り付け具50を用いてゲーム機10を取り付けた状態を示す図である。
ゲーム機10はケース12と、該ケース12に収容保持された不図示の液晶表示パネルなどを含んで構成されている。
物品取り付け具50は、ゲーム機10を壁面や机の上面などの被吸着面2に取り付けるものである。
そして、本実施の形態の物品取り付け具50によりゲーム機10が姿勢変更可能に取り付けられ、より詳細には、壁面や机の上面に対してゲーム機10が姿勢変更可能に取着される。
【0007】
図1に示すように、ゲーム機10のケース12は長方形板状を呈し、その厚さ方向の一方の面が前面1202となっており、他方の面が背面1204となっている。
ケース12は、不図示の液晶表示パネルを、その表示面を前面1202の開口に臨ませて収容保持している。
ケース12の前面1202には、ゲーム機10を操作するための種々の操作ボタンが設けられ、上面1210には外部機器と接続するための入出力端子1220などが設けられ、背面1204は平坦面あるいはなだらかな湾曲面で形成されている。
【0008】
次に、物品取り付け具50について説明する。
図2、図3に示すように、物品取り付け具50は、第1、第2の吸盤装置20A、20Bと、それら第1、第2の吸盤装置20A、20Bを連結する連結部80とを備えている。
そして、連結部80は、図2、図3、図9に示すように、第1の吸盤装置20Aの被挟持体46と、第2の吸盤装置20Bの一対の挟持板82と、雄ねじ部材84とを含んで構成されている。
まず、第1の吸盤装置20Aについて説明する。
図5は第1の吸盤装置20Aの斜視図、図6は第1の吸盤装置20Aの平面図、図7は第1の吸盤装置20Aの側面図、図8は第1の吸盤装置20Aの側面断面図、図9は連結部80の説明図である。
図5に示すように、第1の吸盤装置20Aは、吸盤22と、軸状部材24と、ケース26と、コイルスプリング28(図8参照)などを含んで構成されている。
図8に示すように、吸盤22は、厚さ方向の一方の面に吸着面30が形成され厚さ方向の他方の面が背面32とされている。
吸盤22は、吸着面30が形成された円盤状の吸盤本体36を備えており、吸盤本体36の背面32の中央から吸盤軸部38が突設され、この吸盤軸部38に中心軸2404の基部が連結されている。
また、吸盤本体36の外縁に取り外し操作用の片体39が突設されている。
吸盤本体36は、弾性を有する合成樹脂材料、例えば、ウレタン系やスチレン系、シリコン樹脂系など、従来の吸盤に用いられている従来公知の様々な材料が使用可能である。
本実施の形態では、背面32と反対に位置する吸盤22の面に凹状の取り付け面2210が形成され、取り付け面2210に該取り付け面2210を覆うようにゲルからなるゲル層48が接合され、吸着面30はこのゲル層48の表面で凹状に形成されている。
このようなゲルとして、ポリエチレン系、スチレン系、シリコン樹脂系などの合成樹脂系のゲルが使用可能であり、ポリエチレン系のゲルとして、例えば、市販品である株式会社コスモ計器の商品名「コスモゲル」を使用可能である。スチレン系のゲルとして、例えば、市販品である株式会社イノアックコーポレーションの商品名「NAGFLEX」を使用可能である。シリコン系のゲルとして、例えば、市販品である株式会社ジェルテックの商品名「αGEL」(アルファゲル)を使用可能である。
また、取り付け面2210へのゲル層48の接合は、二色成形や接着剤による接合などの方法が採用可能である。
このような吸盤22によれば、吸盤22の吸着面30がゲル層48で形成されているので、被吸着面2が皮シボ面として形成され、こまかな凹凸面あるいはざらざらな面であっても、吸着面30は凹凸に追従して変形し、凹凸面との間に隙間を介在させずに凹凸面やざらざらな面に吸着面30を密着でき、吸盤22を凹凸面やざらざらな面に確実に吸着させる上で有利となる。
【0009】
中心軸2404の先端にねじ42によりキャップ40が取着され、軸状部材24は、このキャップ40と中心軸2404により構成されている。
【0010】
ケース26は、軸状部材24に、軸状部材24の長手方向に移動可能に結合されている。
ケース26は、キャップ40の外周面に軸方向に移動可能に結合され中心軸2404を覆う外筒部2602と、外筒部2602の軸方向の中間部の内周面に設けられたつば部2606と、外筒部2602の軸方向の一端から環板状に広がり吸盤本体36の背面32を覆う環板部2608とを備え、外筒部2602の長手方向の他端から被挟持体46が一体的に突設されている。
本実施の形態では、被挟持体46は第1の半径で球状に形成された第1球体46Aを含んで構成され、第1球体46Aの直径方向にねじ挿通孔4602が貫通形成されている。
【0011】
コイルスプリング28は、軸状部材24とケース26との間に設けられケース26を吸着面30方向に付勢している。
なお、コイルスプリング28はケース26を吸着面30方向に付勢するものであればよく、ゴムやソリッドなダンパなどの弾性体も使用可能である。
コイルスプリング28は、中心軸2404の外側かつ外筒部2602の内側でキャップ40の凹部の底面とつば部2606との間にわたって設けられている。本実施の形態では、それらコイルスプリング28、キャップ40、つば部2606により特許請求の範囲の付勢機構が構成されている。
【0012】
次に、第1の吸盤装置20Aの被吸着面2への吸着について説明する。
まず、図8に示すように、第1の吸盤装置20Aの吸盤22の吸着面30を被吸着面2に臨ませ、吸着面30の外周部を被吸着面2に当て付ける。この状態で、吸着面30と被吸着面2との間には空気が介在した空間が形成されている。
次に、キャップ40を吸着面2方向に押圧したのちキャップ40から指を離す。
まず、キャップ40が押圧されることで、図7に示すように、吸盤22の中央部分が被吸着面2に近接する方向に変形し、吸着面30の全域が被吸着面2に密着し、前記空間に介在した空気が吸着面30と被吸着面2との間から排出され、吸着面30と被吸着面2との間がほぼ真空状態となり、吸盤22が被吸着面2に吸着され、これにより第1の吸盤装置20Aが非吸着面2に取り付けられる。
次にキャップ40から指が離されると、コイルスプリング28の弾性力により、吸着面30が被吸着面2に吸着した状態でケース26の環板部2608の外周部全周が吸盤22の背面32に当接され、かつ、当接される方向に付勢されると共に中心軸2404が被吸着面2から離れる方向に付勢され、これにより、第1の吸盤装置20Aががたつくことなく壁面や机の上面などの被吸着面2に確実に取着される。
【0013】
次に第2の吸盤装置20Bについて説明する。
図2、図9に示すように、第2の吸盤装置20Bが第1の吸盤装置20Aと異なるのは、第2の吸盤装置20Bのケース26の外筒部2602の長手方向の他端から互いに対向するように一体に突出する一対の挟持板82が、被挟持体46に代えて設けられている点であり、それ以外は第1の吸盤装置20Aと同様に構成されている。
一対の挟持板82の対向する内面には、挟持用凹部8201がそれぞれ設けられている。
挟持用凹部8201は、挟持板82の内面に開口する部分全周に前記第1の半径で形成された球面状挟持面8202を有している。そして、球面状挟持面8202の中央に球面状挟持面8202の仮想延長面よりも深い深さで凹部8204が形成され、凹部8204の中央に挟持板82の外面に開口する孔が形成されている。この孔は一対の挟持板82のうちの一方の挟持板82では雄ねじ部材84の雄ねじが挿通される挿通孔8206として形成され、他方の挟持板82では雄ねじ部材84の雄ねじ8402が螺合される雌ねじ8208として形成されている。
【0014】
図2に示すように、雄ねじ部材84は、雄ねじ8402と、頭部8404とを有している。
また、本実施の形態では、頭部8404を指でつかみやすく弱い力でも確実に回転操作しやすいように、頭部8404の断面は、各辺が内側に湾曲した六角形状を呈している。
また、頭部8404の上面には、狭い箇所においても雄ねじ部材84を確実に締め付けできるように、六角孔などのような工具が係脱される回転操作用係合孔8406が形成されている。
【0015】
図2、図3、図9に示すように、本実施の形態の物品取り付け具50では、一対の挟持板82の間に被挟持体46を位置させ、雄ねじ部材84の雄ねじ8402を、一方の挟持板82のねじ挿通孔8204および被挟持体46のねじ挿通孔4602に挿通させ、他方の挟持板82の雌ねじ8206に螺合させる。この螺合を緩めた状態にしておくと、第1、第2の吸盤装置20A、20Bのケース26をそれぞれ雄ねじ8402の軸心回りに揺動させることができ、また、雄ねじ部材84を締め付けると、第1球体46Aが一対の挟持板82の球面状挟持面8202により固定される。
【0016】
本実施の形態の物品取り付け具50によってゲーム機10を机の上面からなる被吸着面2に取着する際には、まず、第1、第2の吸盤装置20A、20Bのうちの一方の吸盤装置の吸盤22をゲーム機10の背面1204に吸着固定させ、他方の吸盤装置の吸盤22を被吸着面2に吸着固定させる。
そして、ねじ挿通孔8206、4602に挿通した雄ねじ部材84を雌ねじ8206に対して緩めた状態でゲーム機10を所望の姿勢に揺動させ、所望の姿勢になったところで雄ねじ部材84の雄ねじ8402を締め付け、第1球体46Aを球面状挟持面8202で締め付け固定する。
これによりゲーム機10は机上において所望姿勢で確実に取り付けられる。
【0017】
本実施の形態によれば、2つの吸盤装置20A、20Bを用いて物品を被吸着面2に取り付けるようにしたので、物品側に吸盤22の面積に対応した平坦面や湾曲面を設けておけば、物品を所望の被吸着面2箇所に取り付けることが可能となる。
したがって、物品に予め球体を突設したり、また、物品に吸盤装置を設ける必要が無くなり、物品を小型化でき、物品の出荷時や店頭陳列時に極めて有利となる。
また、物品を所望の被吸着面箇所に所望の姿勢で簡単に取り付ける上で有利となる。
なお、第1、第2の吸盤装置20A、20B自体の構成は任意であり、ケース26の環板部2608を、図10に示すように、吸着面30が被吸着面2に吸着した状態で吸盤22の外側に位置する被吸着面2の箇所に当接するように設けてもよく、あるいは、コイルスプリング28に代え、中心軸2404とケース26との間に、吸着面30が被吸着面2に吸着した状態でケース26の環板部2608の外周部全周を吸盤22の背面32に、あるいは、吸盤22の外側に位置する被吸着面2の箇所に当接する方向に付勢すると共に中心軸2404を被吸着面2から離れる方向に付勢するカム機構などを設けるなど、従来公知の様々な吸盤装置の構成が採用可能である。
【0018】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、連結部の構成が第1の実施の形態と異なっており、その他の点は第1の実施の形態と同様に構成されている。
図11は第2の実施の形態の物品取り付け具51を用いてゲーム機10を取り付ける際の説明図、図12は第2の実施の形態の物品取り付け具51を用いてゲーム機10を取り付けた状態を示す図である。
図13(A)は第1挟持板52の平面図、(B)は同正面図、図14(A)は第2挟持板54の平面図、(B)は同正面図、図15は連結部86の組み立て図、図16は雄ねじ部材56の斜視図、図17(A)は雄ねじ部材56の平面図、(B)は同正面図である。
なお、以下の実施の形態では第1の実施の形態と同様の部分、部材には同一の符号を付して説明する。
【0019】
図10に示すように、第2の実施の形態の物品取り付け具51は、第1、第2の吸盤装置21A、21Bと、それら2つの吸盤装置21A、21Bを連結する連結部86とを備えている。
連結部86は、図15に示すように、第1、第2の吸盤装置21A、21Bのケース26からそれぞれ一体に突設された第1、第2の被挟持体88、90と、第1、第2の被挟持体88、90の挟持を可能とした第1、第2挟持板52、54と、第1、第2の被挟持体88、90を第1、第2挟持板52、54で挟持した状態で第1、第2挟持板52、54を締め付ける雄ねじ部材56とを含んで構成されている。
【0020】
第1の吸盤装置21Aは、第1の実施の形態の第1の吸盤装置20Aと同様に、吸盤22と、軸状部材24と、ケース26と、コイルスプリング28などを含んで構成され、ケース26の外筒部2602の長手方向の他端から第1の被挟持体88が突設されている。
第1の被挟持体88は、第1の半径で球状に形成された第1球体88Aを含んで構成されている。
第2の吸盤装置21Bも、第1の実施の形態の第1の吸盤装置20Aと同様に、吸盤22と、軸状部材24と、ケース26と、コイルスプリング28などを含んで構成され、ケース26の外筒部2602の長手方向の他端から第2の被挟持体90が突設されている。
第2の被挟持体90は、第2の半径で球状に形成された第2球体90Aを含んで構成され、本実施の形態では、前記第1の半径と前記第2の半径は同一の値である。
【0021】
図13、図14に示すように、第1、第2挟持板52、54はその長手方向と直交する方向の幅が均一の寸法で形成され、本実施の形態では、第1、第2挟持板52、54の幅は同一の寸法で形成され、長手方向の両端は円弧状に形成されている。
図13(A)、(B)に示すように、第1挟持板52の長手方向の両側における内面の箇所に第1挟持用凹部58と第2挟持用凹部60がそれぞれ形成されると共に、それら挟持用凹部58、60の間の箇所に雄ねじ部材56の雄ねじの挿通を可能とした挿通孔62が貫通形成されている。
第1挟持板52の長手方向の両側における内面の箇所は、同一平面上を延在する第1内面52Aとして形成されると共に、第1挟持板52の長手方向の中央部における内面の箇所は、第1内面52Aよりも突出し平面に平行する平面上を延在する第2内面52Bとして形成されている。
また、第1挟持板52の厚さ方向の他方の面である外面52Cは、それらの内面52A、52Bと平行する単一の平面で形成されている。
第1挟持用凹部58と第2挟持用凹部60は第1内面52Aに形成され、挿通孔62は第2内面52Bに形成されている。
第1挟持用凹部58は、第1内面52Aに開口する部分全周に前記第1の半径で形成された第1球面状挟持面58Aを有している。
本実施の形態では、第1球面状挟持面58Aの中央に第1球面状挟持面58Aの仮想延長面よりも深い深さで第1凹部5802が形成され、第1凹部5802の中央に外面52Cに開口する孔5804が形成されている。
第2挟持用凹部60は、第1内面52Aに開口する部分全周に前記第2の半径で形成された第2球面状挟持面60Aを有している。
本実施の形態では、第2球面状挟持面60Aの中央に第2球面状挟持面60Aの仮想延長面よりも深い深さで第2凹部6002が形成され、第2凹部6002の中央に外面52Cに開口する孔6004が形成されている。
上述のように前記第1の半径と前記第2の半径とは同一の寸法で形成されており、挿通孔62は、第1挟持用凹部58の軸心と第2挟持用凹部60の軸心との間の中心の箇所に形成されている。
挿通孔62の周囲の第2内面52Bの複数個所から回り止め用のピン64が突設されている。
【0022】
図14(A)、(B)に示すように、第2挟持板54の長手方向の両側における内面の箇所に第3挟持用凹部66と第4挟持用凹部68がそれぞれ形成されると共に、それら挟持用凹部66、68の間の箇所に雄ねじ部材56の雄ねじに螺合する雌ねじ70が形成されている。
第2挟持板54の長手方向の両側における内面の箇所は、同一平面上を延在する第3内面54Aとして形成されると共に、第2挟持板54の長手方向の中央部における内面の箇所は、第3内面54Aよりも突出し平面に平行する平面上を延在する第4内面54Bとして形成されている。
また、第2挟持板54の厚さ方向の他方の面である外面54Cは、それらの内面54A、54Bと平行する単一の平面で形成されている。
第3挟持用凹部66と第4挟持用凹部68は第3内面54Aに形成され、雌ねじ70は第4内面54Bに形成されている。
第3挟持用凹部66は、第3内面54Aに開口する部分全周に前記第1の半径で形成された第3球面状挟持面66Aを有している。
本実施の形態では、第3球面状挟持面66Aの中央に第3球面状挟持面66Aの仮想延長面よりも深い深さで第3凹部6602が形成され、第3凹部6602の中央に外面54Cに開口する孔6604が形成されている。
第4挟持用凹部68は、第3内面54Aに開口する部分全周に前記第2の半径で形成された第4球面状挟持面68Aを有している。
本実施の形態では、第4球面状挟持面68Aの中央に第4球面状挟持面68Aの仮想延長面よりも深い深さで第4凹部6802が形成され、第4凹部6802の中央に外面54Cに開口する孔6804が形成されている。
雌ねじ70は、第1挟持用凹部58と第3挟持用凹部66との軸心を合致させ、かつ、第2挟持用凹部60と第4挟持用凹部68との軸心を合致させた状態で、挿通孔62に挿通された雄ねじ部材56の雄ねじに螺合するように形成されている。
上述のように前記第1の半径と前記第2の半径とは同一の寸法で形成されており、雌ねじ70は、第3挟持用凹部66の軸心と第4挟持用凹部68の軸心との間の中心の箇所に形成されている。
雌ねじ70の周囲の第4内面54Bの複数個所に、回り止め用のピン64に係合する係合孔72が形成されている。
【0023】
雄ねじ部材56は、図16、図17に示すように、雄ねじ5602と、頭部5604とを有している。
また、図2、図4に示すように、頭部5604の外形は、回転操作しやすいように、第1、第2挟持板52、54の幅よりも大きな寸法で形成されている。
また、本実施の形態では、頭部5604を指でつかみやすく弱い力でも確実に回転操作しやすいように、頭部5604の断面は、各辺が内側に湾曲した六角形状を呈している。
また、頭部5604の上面には、狭い箇所においても雄ねじ部材56を確実に締め付けできるように、六角孔などのような工具が係脱される回転操作用係合孔5606が形成されている。
【0024】
本実施の形態の連結部86では、図15に示すように、第1挟持用凹部58と第3挟持用凹部66とを対向させ、第2挟持用凹部60と第4挟持用凹部68とを対向させて、それら第1挟持用凹部58と第3挟持用凹部66の間に第1球体88Aを位置させ、第2挟持用凹部60と第4挟持用凹部68の間に第2球体90Aを位置させる。
そして、頭部5604を操作して挿通孔62に挿通した雄ねじ部材56の雄ねじ5602を雌ねじ70に締め付けると、図15に示すように、第1球体88Aが第1球面状挟持面58Aと第3球面状挟持面66Aにより挟持固定され、第2球体90Aが第2球面状挟持面60Aと第4球面状挟持面68Aにより挟持固定される。なお、このように締め付け固定された状態で第1挟持板52の第2内面52Bと第2挟持板54の第4内面54Bとの間には隙間が確保され、また、それら内面52B、54Bは平行している。
【0025】
本実施の形態の物品取り付け具51によってゲーム機10を机の上面である被吸着面2に取着する際には、まず、第1、第2の吸盤装置21A、21Bのうちの一方の吸盤装置の吸盤22をゲーム機10の背面1204に吸着固定させ、他方の吸盤装置の吸盤22を被吸着面2に吸着固定させる。
そして、ねじ挿通孔62に挿通した雄ねじ部材56を雌ねじ70に対して緩めた状態でゲーム機10を所望の姿勢に揺動させ、所望の姿勢になったところで雄ねじ部材56の雄ねじ5602を締め付け、第1、第2球体88A、90Aを各球面状挟持面58A、66A、60A、68Aで締め付け固定する。
これによりゲーム機10は机上において所望姿勢で確実に取り付けられる。
【0026】
このような第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
さらに、第2の実施の形態では、第1の吸盤装置21Aの第1球体88Aと、第2の吸盤装置21Bの第2球体90Aとを独立して動かすことができるため、第1の実施の形態に比較して、物品の姿勢変更の自由度をより大きく確保することができ有利である。
また、第2の実施の形態では、第1球体88Aが、この第1球体88Aと同じ半径の第1球面状挟持面58Aと第3球面状挟持面66Aにより挟持され固定され、また、第2球体90Aが、この第2球体90Aと同じ半径の第2球面状挟持面60Aと第4球面状挟持面68Aにより挟持され固定されるので、2つの第1、第2球体88A、90Aの挟持固定が確実に行われる。
また、第2の実施の形態によれば、雄ねじ部材56を緩める、あるいは、締め付けるという簡単な操作で、第1、第2球体88A、90Aの双方を同時に自由に回転できる状態とし、あるいは、第1、第2球体88A、90Aの双方を同時に挟持固定することができるため、ゲーム機10の姿勢変更を素早く行え、操作性を向上させる上で有利となる。
【0027】
また、第2の実施の形態では、第1、第2球体88A、90Aの半径を同一とし、かつ、挿通孔62を、第1挟持用凹部58の軸心と第2挟持用凹部60の軸心との間の中心の箇所に形成し、かつ、雌ねじ70を、第3挟持用凹部66の軸心と第4挟持用凹部68の軸心との間の中心の箇所に形成したので、雄ねじ部材56を締め付けることによって第1球体88Aを第1、第3球面状挟持面58A、66Aで挟持する力と、第2球体90Aを第2、第4球面状挟持面60A、68Aで挟持する力とを等しくでき、第1、第2球体88A、90Aの挟持固定を確実に行う上でより有利となる。
また、第1、第2球体88A、90Aの半径を異ならせ、雄ねじ部材56の配設箇所を、第1挟持用凹部58の軸心と第2挟持用凹部60の軸心との間の中心の箇所から変位させてもよいが、第2の実施の形態のように構成すると、第1、第2球体88A、90Aを挟持する力を等しくするための構造を簡素化でき、製造コストの削減を図る上で有利となる。
【0028】
なお、各実施の形態では、物品取り付け具50、51によって取り付ける物品がゲーム機10である場合について説明したが、物品取り付け具50、51によって取り付けることができる物品は、その物品に吸盤22が吸着可能な面が設けられていれば任意であり、取り付け可能な物品は、例えば、ディスプレイ装置などの電子機器、あるいは、スピーカー装置などのオーディオ機器などが挙げられる。例えば、カーナビケーションシステムを構成するディスプレイ装置を、車のダッシュボードやフロントガラスに対して取着する場合、ディスプレイ装置の姿勢変更の自由度を大きく確保でき、ディスプレイ装置が車内において所望の姿勢で取着される。
また、各実施の形態では、物品取り付け具50、51を取り付ける被吸着面2が机の上面である場合について説明したが、被吸着面2は吸盤22の面積に対応した平坦面や湾曲面であれば任意であり、被吸着面2として、例えば、室内の壁面、あるいは、建物の窓ガラス、自動車のフロントガラス、ダッシュボードなどが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1の実施の形態の物品取り付け具50を用いて取り付けるゲーム機10の説明図である。
【図2】第1の実施の形態の物品取り付け具50の分解斜視図である。
【図3】第1の実施の形態の物品取り付け具50の組立図である。
【図4】第1の実施の形態の物品取り付け具50を用いてゲーム機10を取り付けた状態を示す図である。
【図5】第1の吸盤装置20Aの斜視図である。
【図6】第1の吸盤装置20Aの平面図である。
【図7】第1の吸盤装置20Aの側面図である。
【図8】第1の吸盤装置20Aの側面断面図である。
【図9】連結部80の説明図である。
【図10】他の吸盤装置の側面断面図である。
【図11】第2の実施の形態の物品取り付け具51を用いてゲーム機10を取り付ける際の説明図である。
【図12】第2の実施の形態の物品取り付け具51を用いてゲーム機10を取り付けた状態を示す図である。
【図13】(A)は第1挟持板52の平面図、(B)は同正面図である。
【図14】(A)は第2挟持板54の平面図、(B)は同正面図である。
【図15】連結部86の組み立て図である。
【図16】雄ねじ部材56の斜視図である。
【図17】(A)は雄ねじ部材56の平面図、(B)は同正面図である。
【符号の説明】
【0030】
22……吸盤、2……被吸着面、26……ケース、20A、21A……第1の吸盤装置、20B、21B……第2の吸盤装置、50、51……物品取り付け具、80、86……連結部。
【技術分野】
【0001】
本発明は物品取り付け具に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の物品の表面に球面からなる球状部を突設し、この球状部を吸盤装置を介して壁面などに取り付けるようにした物品取り付け構造が提供されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−287800
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような従来の物品取り付け構造は、予め物品に球状部を設けなくてはならず、また、吸盤を必要とすることから、物品の出荷や販売時に物品が大型化し、取り扱いが不便となる不具合がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、物品に特殊な形状を設けることなく任意の箇所への取り付けを可能とし、物品自体を小型化できる物品取り付け具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目的を達成するため、本発明の物品取り付け具は、吸盤と、前記吸盤に連結され前記吸盤が被吸着面に吸着した状態で前記吸盤を介して前記被吸着面に取り付けられるケースとを有する2つの吸盤装置と、前記2つの吸盤装置のケースを姿勢変換可能に連結する連結部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明の物品取り付け具によれば、2つの吸盤装置を用いて物品を被吸着面に取り付けるようにしたので、物品側に吸盤の面積に対応した平坦面や湾曲面を設けておけば、物品を所望の被吸着面箇所に取り付けることが可能となる。
したがって、物品に予め球体を突設したり、また、物品に吸盤装置を設ける必要が無くなり、物品を小型化する上で有利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(第1の実施の形態)
次に、本発明の物品取り付け具50の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は第1の実施の形態の物品取り付け具50を用いて取り付けるゲーム機10の説明図、図2は第1の実施の形態の物品取り付け具50の分解斜視図、図3は第1の実施の形態の物品取り付け具50の組立図、図4は第1の実施の形態の物品取り付け具50を用いてゲーム機10を取り付けた状態を示す図である。
ゲーム機10はケース12と、該ケース12に収容保持された不図示の液晶表示パネルなどを含んで構成されている。
物品取り付け具50は、ゲーム機10を壁面や机の上面などの被吸着面2に取り付けるものである。
そして、本実施の形態の物品取り付け具50によりゲーム機10が姿勢変更可能に取り付けられ、より詳細には、壁面や机の上面に対してゲーム機10が姿勢変更可能に取着される。
【0007】
図1に示すように、ゲーム機10のケース12は長方形板状を呈し、その厚さ方向の一方の面が前面1202となっており、他方の面が背面1204となっている。
ケース12は、不図示の液晶表示パネルを、その表示面を前面1202の開口に臨ませて収容保持している。
ケース12の前面1202には、ゲーム機10を操作するための種々の操作ボタンが設けられ、上面1210には外部機器と接続するための入出力端子1220などが設けられ、背面1204は平坦面あるいはなだらかな湾曲面で形成されている。
【0008】
次に、物品取り付け具50について説明する。
図2、図3に示すように、物品取り付け具50は、第1、第2の吸盤装置20A、20Bと、それら第1、第2の吸盤装置20A、20Bを連結する連結部80とを備えている。
そして、連結部80は、図2、図3、図9に示すように、第1の吸盤装置20Aの被挟持体46と、第2の吸盤装置20Bの一対の挟持板82と、雄ねじ部材84とを含んで構成されている。
まず、第1の吸盤装置20Aについて説明する。
図5は第1の吸盤装置20Aの斜視図、図6は第1の吸盤装置20Aの平面図、図7は第1の吸盤装置20Aの側面図、図8は第1の吸盤装置20Aの側面断面図、図9は連結部80の説明図である。
図5に示すように、第1の吸盤装置20Aは、吸盤22と、軸状部材24と、ケース26と、コイルスプリング28(図8参照)などを含んで構成されている。
図8に示すように、吸盤22は、厚さ方向の一方の面に吸着面30が形成され厚さ方向の他方の面が背面32とされている。
吸盤22は、吸着面30が形成された円盤状の吸盤本体36を備えており、吸盤本体36の背面32の中央から吸盤軸部38が突設され、この吸盤軸部38に中心軸2404の基部が連結されている。
また、吸盤本体36の外縁に取り外し操作用の片体39が突設されている。
吸盤本体36は、弾性を有する合成樹脂材料、例えば、ウレタン系やスチレン系、シリコン樹脂系など、従来の吸盤に用いられている従来公知の様々な材料が使用可能である。
本実施の形態では、背面32と反対に位置する吸盤22の面に凹状の取り付け面2210が形成され、取り付け面2210に該取り付け面2210を覆うようにゲルからなるゲル層48が接合され、吸着面30はこのゲル層48の表面で凹状に形成されている。
このようなゲルとして、ポリエチレン系、スチレン系、シリコン樹脂系などの合成樹脂系のゲルが使用可能であり、ポリエチレン系のゲルとして、例えば、市販品である株式会社コスモ計器の商品名「コスモゲル」を使用可能である。スチレン系のゲルとして、例えば、市販品である株式会社イノアックコーポレーションの商品名「NAGFLEX」を使用可能である。シリコン系のゲルとして、例えば、市販品である株式会社ジェルテックの商品名「αGEL」(アルファゲル)を使用可能である。
また、取り付け面2210へのゲル層48の接合は、二色成形や接着剤による接合などの方法が採用可能である。
このような吸盤22によれば、吸盤22の吸着面30がゲル層48で形成されているので、被吸着面2が皮シボ面として形成され、こまかな凹凸面あるいはざらざらな面であっても、吸着面30は凹凸に追従して変形し、凹凸面との間に隙間を介在させずに凹凸面やざらざらな面に吸着面30を密着でき、吸盤22を凹凸面やざらざらな面に確実に吸着させる上で有利となる。
【0009】
中心軸2404の先端にねじ42によりキャップ40が取着され、軸状部材24は、このキャップ40と中心軸2404により構成されている。
【0010】
ケース26は、軸状部材24に、軸状部材24の長手方向に移動可能に結合されている。
ケース26は、キャップ40の外周面に軸方向に移動可能に結合され中心軸2404を覆う外筒部2602と、外筒部2602の軸方向の中間部の内周面に設けられたつば部2606と、外筒部2602の軸方向の一端から環板状に広がり吸盤本体36の背面32を覆う環板部2608とを備え、外筒部2602の長手方向の他端から被挟持体46が一体的に突設されている。
本実施の形態では、被挟持体46は第1の半径で球状に形成された第1球体46Aを含んで構成され、第1球体46Aの直径方向にねじ挿通孔4602が貫通形成されている。
【0011】
コイルスプリング28は、軸状部材24とケース26との間に設けられケース26を吸着面30方向に付勢している。
なお、コイルスプリング28はケース26を吸着面30方向に付勢するものであればよく、ゴムやソリッドなダンパなどの弾性体も使用可能である。
コイルスプリング28は、中心軸2404の外側かつ外筒部2602の内側でキャップ40の凹部の底面とつば部2606との間にわたって設けられている。本実施の形態では、それらコイルスプリング28、キャップ40、つば部2606により特許請求の範囲の付勢機構が構成されている。
【0012】
次に、第1の吸盤装置20Aの被吸着面2への吸着について説明する。
まず、図8に示すように、第1の吸盤装置20Aの吸盤22の吸着面30を被吸着面2に臨ませ、吸着面30の外周部を被吸着面2に当て付ける。この状態で、吸着面30と被吸着面2との間には空気が介在した空間が形成されている。
次に、キャップ40を吸着面2方向に押圧したのちキャップ40から指を離す。
まず、キャップ40が押圧されることで、図7に示すように、吸盤22の中央部分が被吸着面2に近接する方向に変形し、吸着面30の全域が被吸着面2に密着し、前記空間に介在した空気が吸着面30と被吸着面2との間から排出され、吸着面30と被吸着面2との間がほぼ真空状態となり、吸盤22が被吸着面2に吸着され、これにより第1の吸盤装置20Aが非吸着面2に取り付けられる。
次にキャップ40から指が離されると、コイルスプリング28の弾性力により、吸着面30が被吸着面2に吸着した状態でケース26の環板部2608の外周部全周が吸盤22の背面32に当接され、かつ、当接される方向に付勢されると共に中心軸2404が被吸着面2から離れる方向に付勢され、これにより、第1の吸盤装置20Aががたつくことなく壁面や机の上面などの被吸着面2に確実に取着される。
【0013】
次に第2の吸盤装置20Bについて説明する。
図2、図9に示すように、第2の吸盤装置20Bが第1の吸盤装置20Aと異なるのは、第2の吸盤装置20Bのケース26の外筒部2602の長手方向の他端から互いに対向するように一体に突出する一対の挟持板82が、被挟持体46に代えて設けられている点であり、それ以外は第1の吸盤装置20Aと同様に構成されている。
一対の挟持板82の対向する内面には、挟持用凹部8201がそれぞれ設けられている。
挟持用凹部8201は、挟持板82の内面に開口する部分全周に前記第1の半径で形成された球面状挟持面8202を有している。そして、球面状挟持面8202の中央に球面状挟持面8202の仮想延長面よりも深い深さで凹部8204が形成され、凹部8204の中央に挟持板82の外面に開口する孔が形成されている。この孔は一対の挟持板82のうちの一方の挟持板82では雄ねじ部材84の雄ねじが挿通される挿通孔8206として形成され、他方の挟持板82では雄ねじ部材84の雄ねじ8402が螺合される雌ねじ8208として形成されている。
【0014】
図2に示すように、雄ねじ部材84は、雄ねじ8402と、頭部8404とを有している。
また、本実施の形態では、頭部8404を指でつかみやすく弱い力でも確実に回転操作しやすいように、頭部8404の断面は、各辺が内側に湾曲した六角形状を呈している。
また、頭部8404の上面には、狭い箇所においても雄ねじ部材84を確実に締め付けできるように、六角孔などのような工具が係脱される回転操作用係合孔8406が形成されている。
【0015】
図2、図3、図9に示すように、本実施の形態の物品取り付け具50では、一対の挟持板82の間に被挟持体46を位置させ、雄ねじ部材84の雄ねじ8402を、一方の挟持板82のねじ挿通孔8204および被挟持体46のねじ挿通孔4602に挿通させ、他方の挟持板82の雌ねじ8206に螺合させる。この螺合を緩めた状態にしておくと、第1、第2の吸盤装置20A、20Bのケース26をそれぞれ雄ねじ8402の軸心回りに揺動させることができ、また、雄ねじ部材84を締め付けると、第1球体46Aが一対の挟持板82の球面状挟持面8202により固定される。
【0016】
本実施の形態の物品取り付け具50によってゲーム機10を机の上面からなる被吸着面2に取着する際には、まず、第1、第2の吸盤装置20A、20Bのうちの一方の吸盤装置の吸盤22をゲーム機10の背面1204に吸着固定させ、他方の吸盤装置の吸盤22を被吸着面2に吸着固定させる。
そして、ねじ挿通孔8206、4602に挿通した雄ねじ部材84を雌ねじ8206に対して緩めた状態でゲーム機10を所望の姿勢に揺動させ、所望の姿勢になったところで雄ねじ部材84の雄ねじ8402を締め付け、第1球体46Aを球面状挟持面8202で締め付け固定する。
これによりゲーム機10は机上において所望姿勢で確実に取り付けられる。
【0017】
本実施の形態によれば、2つの吸盤装置20A、20Bを用いて物品を被吸着面2に取り付けるようにしたので、物品側に吸盤22の面積に対応した平坦面や湾曲面を設けておけば、物品を所望の被吸着面2箇所に取り付けることが可能となる。
したがって、物品に予め球体を突設したり、また、物品に吸盤装置を設ける必要が無くなり、物品を小型化でき、物品の出荷時や店頭陳列時に極めて有利となる。
また、物品を所望の被吸着面箇所に所望の姿勢で簡単に取り付ける上で有利となる。
なお、第1、第2の吸盤装置20A、20B自体の構成は任意であり、ケース26の環板部2608を、図10に示すように、吸着面30が被吸着面2に吸着した状態で吸盤22の外側に位置する被吸着面2の箇所に当接するように設けてもよく、あるいは、コイルスプリング28に代え、中心軸2404とケース26との間に、吸着面30が被吸着面2に吸着した状態でケース26の環板部2608の外周部全周を吸盤22の背面32に、あるいは、吸盤22の外側に位置する被吸着面2の箇所に当接する方向に付勢すると共に中心軸2404を被吸着面2から離れる方向に付勢するカム機構などを設けるなど、従来公知の様々な吸盤装置の構成が採用可能である。
【0018】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、連結部の構成が第1の実施の形態と異なっており、その他の点は第1の実施の形態と同様に構成されている。
図11は第2の実施の形態の物品取り付け具51を用いてゲーム機10を取り付ける際の説明図、図12は第2の実施の形態の物品取り付け具51を用いてゲーム機10を取り付けた状態を示す図である。
図13(A)は第1挟持板52の平面図、(B)は同正面図、図14(A)は第2挟持板54の平面図、(B)は同正面図、図15は連結部86の組み立て図、図16は雄ねじ部材56の斜視図、図17(A)は雄ねじ部材56の平面図、(B)は同正面図である。
なお、以下の実施の形態では第1の実施の形態と同様の部分、部材には同一の符号を付して説明する。
【0019】
図10に示すように、第2の実施の形態の物品取り付け具51は、第1、第2の吸盤装置21A、21Bと、それら2つの吸盤装置21A、21Bを連結する連結部86とを備えている。
連結部86は、図15に示すように、第1、第2の吸盤装置21A、21Bのケース26からそれぞれ一体に突設された第1、第2の被挟持体88、90と、第1、第2の被挟持体88、90の挟持を可能とした第1、第2挟持板52、54と、第1、第2の被挟持体88、90を第1、第2挟持板52、54で挟持した状態で第1、第2挟持板52、54を締め付ける雄ねじ部材56とを含んで構成されている。
【0020】
第1の吸盤装置21Aは、第1の実施の形態の第1の吸盤装置20Aと同様に、吸盤22と、軸状部材24と、ケース26と、コイルスプリング28などを含んで構成され、ケース26の外筒部2602の長手方向の他端から第1の被挟持体88が突設されている。
第1の被挟持体88は、第1の半径で球状に形成された第1球体88Aを含んで構成されている。
第2の吸盤装置21Bも、第1の実施の形態の第1の吸盤装置20Aと同様に、吸盤22と、軸状部材24と、ケース26と、コイルスプリング28などを含んで構成され、ケース26の外筒部2602の長手方向の他端から第2の被挟持体90が突設されている。
第2の被挟持体90は、第2の半径で球状に形成された第2球体90Aを含んで構成され、本実施の形態では、前記第1の半径と前記第2の半径は同一の値である。
【0021】
図13、図14に示すように、第1、第2挟持板52、54はその長手方向と直交する方向の幅が均一の寸法で形成され、本実施の形態では、第1、第2挟持板52、54の幅は同一の寸法で形成され、長手方向の両端は円弧状に形成されている。
図13(A)、(B)に示すように、第1挟持板52の長手方向の両側における内面の箇所に第1挟持用凹部58と第2挟持用凹部60がそれぞれ形成されると共に、それら挟持用凹部58、60の間の箇所に雄ねじ部材56の雄ねじの挿通を可能とした挿通孔62が貫通形成されている。
第1挟持板52の長手方向の両側における内面の箇所は、同一平面上を延在する第1内面52Aとして形成されると共に、第1挟持板52の長手方向の中央部における内面の箇所は、第1内面52Aよりも突出し平面に平行する平面上を延在する第2内面52Bとして形成されている。
また、第1挟持板52の厚さ方向の他方の面である外面52Cは、それらの内面52A、52Bと平行する単一の平面で形成されている。
第1挟持用凹部58と第2挟持用凹部60は第1内面52Aに形成され、挿通孔62は第2内面52Bに形成されている。
第1挟持用凹部58は、第1内面52Aに開口する部分全周に前記第1の半径で形成された第1球面状挟持面58Aを有している。
本実施の形態では、第1球面状挟持面58Aの中央に第1球面状挟持面58Aの仮想延長面よりも深い深さで第1凹部5802が形成され、第1凹部5802の中央に外面52Cに開口する孔5804が形成されている。
第2挟持用凹部60は、第1内面52Aに開口する部分全周に前記第2の半径で形成された第2球面状挟持面60Aを有している。
本実施の形態では、第2球面状挟持面60Aの中央に第2球面状挟持面60Aの仮想延長面よりも深い深さで第2凹部6002が形成され、第2凹部6002の中央に外面52Cに開口する孔6004が形成されている。
上述のように前記第1の半径と前記第2の半径とは同一の寸法で形成されており、挿通孔62は、第1挟持用凹部58の軸心と第2挟持用凹部60の軸心との間の中心の箇所に形成されている。
挿通孔62の周囲の第2内面52Bの複数個所から回り止め用のピン64が突設されている。
【0022】
図14(A)、(B)に示すように、第2挟持板54の長手方向の両側における内面の箇所に第3挟持用凹部66と第4挟持用凹部68がそれぞれ形成されると共に、それら挟持用凹部66、68の間の箇所に雄ねじ部材56の雄ねじに螺合する雌ねじ70が形成されている。
第2挟持板54の長手方向の両側における内面の箇所は、同一平面上を延在する第3内面54Aとして形成されると共に、第2挟持板54の長手方向の中央部における内面の箇所は、第3内面54Aよりも突出し平面に平行する平面上を延在する第4内面54Bとして形成されている。
また、第2挟持板54の厚さ方向の他方の面である外面54Cは、それらの内面54A、54Bと平行する単一の平面で形成されている。
第3挟持用凹部66と第4挟持用凹部68は第3内面54Aに形成され、雌ねじ70は第4内面54Bに形成されている。
第3挟持用凹部66は、第3内面54Aに開口する部分全周に前記第1の半径で形成された第3球面状挟持面66Aを有している。
本実施の形態では、第3球面状挟持面66Aの中央に第3球面状挟持面66Aの仮想延長面よりも深い深さで第3凹部6602が形成され、第3凹部6602の中央に外面54Cに開口する孔6604が形成されている。
第4挟持用凹部68は、第3内面54Aに開口する部分全周に前記第2の半径で形成された第4球面状挟持面68Aを有している。
本実施の形態では、第4球面状挟持面68Aの中央に第4球面状挟持面68Aの仮想延長面よりも深い深さで第4凹部6802が形成され、第4凹部6802の中央に外面54Cに開口する孔6804が形成されている。
雌ねじ70は、第1挟持用凹部58と第3挟持用凹部66との軸心を合致させ、かつ、第2挟持用凹部60と第4挟持用凹部68との軸心を合致させた状態で、挿通孔62に挿通された雄ねじ部材56の雄ねじに螺合するように形成されている。
上述のように前記第1の半径と前記第2の半径とは同一の寸法で形成されており、雌ねじ70は、第3挟持用凹部66の軸心と第4挟持用凹部68の軸心との間の中心の箇所に形成されている。
雌ねじ70の周囲の第4内面54Bの複数個所に、回り止め用のピン64に係合する係合孔72が形成されている。
【0023】
雄ねじ部材56は、図16、図17に示すように、雄ねじ5602と、頭部5604とを有している。
また、図2、図4に示すように、頭部5604の外形は、回転操作しやすいように、第1、第2挟持板52、54の幅よりも大きな寸法で形成されている。
また、本実施の形態では、頭部5604を指でつかみやすく弱い力でも確実に回転操作しやすいように、頭部5604の断面は、各辺が内側に湾曲した六角形状を呈している。
また、頭部5604の上面には、狭い箇所においても雄ねじ部材56を確実に締め付けできるように、六角孔などのような工具が係脱される回転操作用係合孔5606が形成されている。
【0024】
本実施の形態の連結部86では、図15に示すように、第1挟持用凹部58と第3挟持用凹部66とを対向させ、第2挟持用凹部60と第4挟持用凹部68とを対向させて、それら第1挟持用凹部58と第3挟持用凹部66の間に第1球体88Aを位置させ、第2挟持用凹部60と第4挟持用凹部68の間に第2球体90Aを位置させる。
そして、頭部5604を操作して挿通孔62に挿通した雄ねじ部材56の雄ねじ5602を雌ねじ70に締め付けると、図15に示すように、第1球体88Aが第1球面状挟持面58Aと第3球面状挟持面66Aにより挟持固定され、第2球体90Aが第2球面状挟持面60Aと第4球面状挟持面68Aにより挟持固定される。なお、このように締め付け固定された状態で第1挟持板52の第2内面52Bと第2挟持板54の第4内面54Bとの間には隙間が確保され、また、それら内面52B、54Bは平行している。
【0025】
本実施の形態の物品取り付け具51によってゲーム機10を机の上面である被吸着面2に取着する際には、まず、第1、第2の吸盤装置21A、21Bのうちの一方の吸盤装置の吸盤22をゲーム機10の背面1204に吸着固定させ、他方の吸盤装置の吸盤22を被吸着面2に吸着固定させる。
そして、ねじ挿通孔62に挿通した雄ねじ部材56を雌ねじ70に対して緩めた状態でゲーム機10を所望の姿勢に揺動させ、所望の姿勢になったところで雄ねじ部材56の雄ねじ5602を締め付け、第1、第2球体88A、90Aを各球面状挟持面58A、66A、60A、68Aで締め付け固定する。
これによりゲーム機10は机上において所望姿勢で確実に取り付けられる。
【0026】
このような第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
さらに、第2の実施の形態では、第1の吸盤装置21Aの第1球体88Aと、第2の吸盤装置21Bの第2球体90Aとを独立して動かすことができるため、第1の実施の形態に比較して、物品の姿勢変更の自由度をより大きく確保することができ有利である。
また、第2の実施の形態では、第1球体88Aが、この第1球体88Aと同じ半径の第1球面状挟持面58Aと第3球面状挟持面66Aにより挟持され固定され、また、第2球体90Aが、この第2球体90Aと同じ半径の第2球面状挟持面60Aと第4球面状挟持面68Aにより挟持され固定されるので、2つの第1、第2球体88A、90Aの挟持固定が確実に行われる。
また、第2の実施の形態によれば、雄ねじ部材56を緩める、あるいは、締め付けるという簡単な操作で、第1、第2球体88A、90Aの双方を同時に自由に回転できる状態とし、あるいは、第1、第2球体88A、90Aの双方を同時に挟持固定することができるため、ゲーム機10の姿勢変更を素早く行え、操作性を向上させる上で有利となる。
【0027】
また、第2の実施の形態では、第1、第2球体88A、90Aの半径を同一とし、かつ、挿通孔62を、第1挟持用凹部58の軸心と第2挟持用凹部60の軸心との間の中心の箇所に形成し、かつ、雌ねじ70を、第3挟持用凹部66の軸心と第4挟持用凹部68の軸心との間の中心の箇所に形成したので、雄ねじ部材56を締め付けることによって第1球体88Aを第1、第3球面状挟持面58A、66Aで挟持する力と、第2球体90Aを第2、第4球面状挟持面60A、68Aで挟持する力とを等しくでき、第1、第2球体88A、90Aの挟持固定を確実に行う上でより有利となる。
また、第1、第2球体88A、90Aの半径を異ならせ、雄ねじ部材56の配設箇所を、第1挟持用凹部58の軸心と第2挟持用凹部60の軸心との間の中心の箇所から変位させてもよいが、第2の実施の形態のように構成すると、第1、第2球体88A、90Aを挟持する力を等しくするための構造を簡素化でき、製造コストの削減を図る上で有利となる。
【0028】
なお、各実施の形態では、物品取り付け具50、51によって取り付ける物品がゲーム機10である場合について説明したが、物品取り付け具50、51によって取り付けることができる物品は、その物品に吸盤22が吸着可能な面が設けられていれば任意であり、取り付け可能な物品は、例えば、ディスプレイ装置などの電子機器、あるいは、スピーカー装置などのオーディオ機器などが挙げられる。例えば、カーナビケーションシステムを構成するディスプレイ装置を、車のダッシュボードやフロントガラスに対して取着する場合、ディスプレイ装置の姿勢変更の自由度を大きく確保でき、ディスプレイ装置が車内において所望の姿勢で取着される。
また、各実施の形態では、物品取り付け具50、51を取り付ける被吸着面2が机の上面である場合について説明したが、被吸着面2は吸盤22の面積に対応した平坦面や湾曲面であれば任意であり、被吸着面2として、例えば、室内の壁面、あるいは、建物の窓ガラス、自動車のフロントガラス、ダッシュボードなどが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1の実施の形態の物品取り付け具50を用いて取り付けるゲーム機10の説明図である。
【図2】第1の実施の形態の物品取り付け具50の分解斜視図である。
【図3】第1の実施の形態の物品取り付け具50の組立図である。
【図4】第1の実施の形態の物品取り付け具50を用いてゲーム機10を取り付けた状態を示す図である。
【図5】第1の吸盤装置20Aの斜視図である。
【図6】第1の吸盤装置20Aの平面図である。
【図7】第1の吸盤装置20Aの側面図である。
【図8】第1の吸盤装置20Aの側面断面図である。
【図9】連結部80の説明図である。
【図10】他の吸盤装置の側面断面図である。
【図11】第2の実施の形態の物品取り付け具51を用いてゲーム機10を取り付ける際の説明図である。
【図12】第2の実施の形態の物品取り付け具51を用いてゲーム機10を取り付けた状態を示す図である。
【図13】(A)は第1挟持板52の平面図、(B)は同正面図である。
【図14】(A)は第2挟持板54の平面図、(B)は同正面図である。
【図15】連結部86の組み立て図である。
【図16】雄ねじ部材56の斜視図である。
【図17】(A)は雄ねじ部材56の平面図、(B)は同正面図である。
【符号の説明】
【0030】
22……吸盤、2……被吸着面、26……ケース、20A、21A……第1の吸盤装置、20B、21B……第2の吸盤装置、50、51……物品取り付け具、80、86……連結部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸盤と、前記吸盤に連結され前記吸盤が被吸着面に吸着した状態で前記吸盤を介して前記被吸着面に取り付けられるケースとを有する2つの吸盤装置と、
前記2つの吸盤装置のケースを姿勢変換可能に連結する連結部と、
を備えることを特徴とする物品取り付け具。
【請求項2】
前記連結部は、前記2つの吸盤装置のうちの一方の吸盤装置のケースから一体に突設された被挟持体と、前記2つの吸盤装置のうちの他方の吸盤装置のケースから互いに対向するように一体に突設され前記被挟持体の挟持を可能とした一対の挟持板と、前記被挟持体を前記一対の挟持板で挟持した状態で前記一対の挟持板を締め付ける雄ねじ部材とを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の物品取り付け具。
【請求項3】
前記被挟持体は、第1の半径で球状に形成された第1球体を含んで構成され、
前記一対の挟持板が向かい合う内面にそれぞれ挟持用凹部が設けられ、
前記各挟持用凹部は、前記内面に開口する部分全周に前記第1の半径で形成された第1球面状挟持面を有し、
前記雄ねじ部材により前記一対の挟持板を締め付けることで、前記第1球面状挟持面により前記第1球体が締め付けられる、
ことを特徴とする請求項2記載の物品取り付け具。
【請求項4】
前記被挟持板は、第1の半径で球状に形成された第1球体を含んで構成され、
前記一対の挟持板が向かい合う内面にそれぞれ挟持用凹部が設けられ、
前記各挟持用凹部は、前記内面に開口する部分全周に前記第1の半径で形成された第1球面状挟持面を有し、
前記第1球体にその中心を通るように前記雄ねじ部材の雄ねじの挿通孔が貫通形成され、
前記一対の挟持板のうちの一方の挟持板の前記挟持用凹部の底部に、前記雄ねじ部材の雄ねじの挿通孔が貫通形成され、
前記一対の挟持板のうちの他方の挟持板の前記挟持用凹部の底部に、前記雄ねじ部材の雄ねじに螺合する雌ねじが形成され、
前記第1球体の挿通孔および前記一方の挟持板の挿通孔を挿通させた前記雄ねじ部材の雄ねじを前記雌ねじに螺合して前記一対の挟持板を締め付けることで、前記第1球面状挟持面により前記第1球体が締め付けられる、
ことを特徴とする請求項2記載の物品取り付け具。
【請求項5】
前記連結部は、前記2つの吸盤装置のケースからそれぞれ一体に突設された被挟持体と、前記2つの吸盤装置のケースの被挟持体の挟持を可能とした一対の挟持板と、前記2つの被挟持体を前記一対の挟持板で挟持した状態で前記一対の挟持板を締め付ける雄ねじ部材とを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の物品取り付け具。
【請求項6】
吸盤と、前記吸盤に連結され前記吸盤が被吸着面に吸着した状態で前記吸盤を介して前記被吸着面に取り付けられるケースとを有する2つの吸盤装置と、
前記2つの吸盤装置のケースを姿勢変換可能に連結する連結部とを備え、
前記連結部は、前記2つの吸盤装置のケースからそれぞれ一体に突設された被挟持体と、前記2つの吸盤装置のケースの被挟持体の挟持を可能とした一対の挟持板と、前記2つの被挟持体を前記一対の挟持板で挟持した状態で前記一対の挟持板を締め付ける雄ねじ部材とを含んで構成され、
前記2つの吸盤装置の一方の吸盤装置のケースから突設された前記被挟持体は、第1の半径で球状に形成された第1球体を含んで構成され、
前記2つの吸盤装置の他方の吸盤装置のケースから突設された前記被挟持体は、第2の半径で球状に形成された第2球体を含んで構成され、
前記一対の挟持板は、細長形状の第1挟持板と、細長形状の第2挟持板とを含み、
前記第1挟持板が前記第2挟持板に臨む内面で前記第1挟持板の長手方向の両側の箇所に第1挟持用凹部と第2挟持用凹部がそれぞれ形成されると共に、それら挟持用凹部の間の箇所に前記雄ねじ部材の雄ねじの挿通を可能とした挿通孔が貫通形成され、
前記第2挟持板が前記第1挟持板に臨む内面で前記第2挟持板の長手方向の両側の箇所に第3挟持用凹部と第4挟持用凹部がそれぞれ形成されると共に、それら挟持用凹部の間の箇所に、前記第1挟持用凹部と前記第3挟持用凹部との軸心を合致させ、かつ、前記第2挟持用凹部と前記第4挟持用凹部との軸心を合致させた状態で前記挿通孔に挿通された前記雄ねじ部材の雄ねじに螺合する雌ねじが形成され、
前記第1挟持用凹部は、前記内面に開口する部分全周に前記第1の半径で形成された第1球面状挟持面を有し、
前記第2挟持用凹部は、前記内面に開口する部分全周に前記第2の半径で形成された第2球面状挟持面を有し、
前記第3挟持用凹部は、前記内面に開口する部分全周に前記第1の半径で形成された第3球面状挟持面を有し、
前記第4挟持用凹部は、前記内面に開口する部分全周に前記第2の半径で形成された第4球面状挟持面を有し、
前記第1挟持用凹部と前記第3挟持用凹部とを対向させ、前記第2挟持用凹部と前記第4挟持用凹部とを対向させて、それら前記第1挟持用凹部と前記第3挟持用凹部の間に前記第1球体を位置させ、前記第2挟持用凹部と前記第4挟持用凹部の間に前記第2球体を位置させて前記挿通孔に挿通した雄ねじ部材の雄ねじを前記雌ねじに締め付けると、前記第1球体が前記第1球面状挟持面と前記第3球面状挟持面により挟持固定され、前記第2球体が前記第2球面状挟持面と前記第4球面状挟持面により挟持固定される、
ことを特徴とする物品取り付け具。
【請求項7】
前記第1挟持用凹部は、前記第1球面状挟持面の中央に前記第1球面状挟持面の仮想延長面よりも深い深さで形成された第1凹部を備え、
前記第2挟持用凹部は、前記第2球面状挟持面の中央に前記第2球面状挟持面の仮想延長面よりも深い深さで形成された第2凹部を備え、
前記第3挟持用凹部は、前記第3球面状挟持面の中央に前記第3球面状挟持面の仮想延長面よりも深い深さで形成された第3凹部を備え、
前記第4挟持用凹部は、前記第4球面状挟持面の中央に前記第4球面状挟持面の仮想延長面よりも深い深さで形成された第4凹部を備える、
ことを特徴とする請求項6記載の物品取り付け具。
【請求項8】
前記第1の半径と前記第2の半径とは同一の寸法で形成され、
前記挿通孔は、前記第1挟持用凹部の軸心と前記第2挟持用凹部の軸心との間の中心の箇所に形成され、
前記雌ねじは、前記第3挟持用凹部の軸心と前記第4挟持用凹部の軸心との間の中心の箇所に形成されている、
ことを特徴とする請求項6記載の物品取り付け具。
【請求項9】
前記第1挟持板の長手方向の両側における前記内面の箇所は、同一平面上を延在する第1内面として形成されると共に、前記第1挟持板の長手方向の中央部における前記内面の箇所は、前記第1内面よりも突出し前記平面に平行する平面上を延在する第2内面として形成され、
前記第1挟持用凹部と前記第2挟持用凹部は前記第1内面に形成され、前記挿通孔は前記第2内面に形成され、
前記第2挟持板の長手方向の両側における前記内面の箇所は、同一平面上を延在する第3内面として形成されると共に、前記第2挟持板の長手方向の中央部における前記内面の箇所は、前記第3内面よりも突出し前記平面に平行する平面上を延在する第4内面として形成され、
前記第3挟持用凹部と前記第4挟持用凹部は前記第3内面に形成され、前記雌ねじは前記第4内面に形成されている、
ことを特徴とする請求項6記載の物品取り付け具。
【請求項10】
前記第1挟持板の長手方向の両側における前記内面の箇所は、同一平面上を延在する第1内面として形成されると共に、前記第1挟持板の長手方向の中央部における前記内面の箇所は、前記第1内面よりも突出し前記平面に平行する平面上を延在する第2内面として形成され、
前記第1挟持用凹部と前記第2挟持用凹部は前記第1内面に形成され、前記挿通孔は前記第2内面に形成され、
前記第2挟持板の長手方向の両側における前記内面の箇所は、同一平面上を延在する第3内面として形成されると共に、前記第2挟持板の長手方向の中央部における前記内面の箇所は、前記第3内面よりも突出し前記平面に平行する平面上を延在する第4内面として形成され、
前記第3挟持用凹部と前記第4挟持用凹部は前記第3内面に形成され、前記雌ねじは前記第4内面に形成され、
前記挿通孔の周囲の前記第2内面の箇所と、前記雌ねじの周囲の前記第4内面の箇所に、前記第1挟持用凹部と前記第3挟持用凹部との軸心を合致させ、かつ、前記第2挟持用凹部と前記第4挟持用凹部との軸心を合致させて前記第2内面と前記第4内面とを向かい合わせた状態で、互いに係合するピンと係合孔とが複数設けられている、
ことを特徴とする請求項6記載の物品取り付け具。
【請求項11】
前記第1、第2挟持板の長手方向と直交する方向の幅は均一の寸法で形成され、
前記第1、第2挟持板の幅は同一の寸法で形成され、
前記雄ねじ部材は、前記雄ねじよりも大きい寸法の外径の頭部を有し、
前記頭部の外径は、前記第1、第2挟持板の幅よりも大きな寸法で形成されている、
ことを特徴とする請求項5記載の物品取り付け具。
【請求項12】
前記吸盤はその厚さ方向の一方の面が吸着面とされ他方の面が背面となっており、
前記吸盤装置は、
前記吸盤の背面の中央から前記厚さ方向に沿って前記背面から離れる方向に突出する中心軸を有し、
前記ケースは、前記中心軸の周囲と前記吸盤の背面を覆い前記吸盤の背面の外周部に、または、前記吸着面が被吸着面に吸着した状態で前記吸盤の外側に位置する前記被吸着面の箇所に当接可能に設けられ、
前記吸着面が被吸着面に吸着した状態で前記ケースを、前記背面の外周部に、または、前記被吸着面の箇所に、当接する方向に付勢すると共に前記中心軸を前記被吸着面から離れる方向に付勢する付勢機構が前記中心軸と前記ケースとの間に設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の物品取り付け具。
【請求項13】
前記ケースは、前記中心軸を覆う筒部と、前記筒部の端部に設けられ前記吸盤の背面を覆いその先端が前記背面の外周部に、または、前記吸着面が被吸着面に吸着した状態で前記吸盤の外側に位置する前記被吸着面の箇所に当接可能な環板部とを有し、
前記付勢機構はコイルスプリングを含んで構成され、
前記コイルスプリングは、前記筒部の内側で前記中心軸の外周に巻装され、前記中心軸の先端と前記筒部の前記環板部寄りの箇所との間に設けられている、
ことを特徴とする請求項12記載の物品取り付け具。
【請求項14】
前記吸盤はその厚さ方向の一方の面が吸着面とされ他方の面が背面となっており、
前記吸盤は、弾性変形可能な材料からなり厚さ方向の一方の面が前記背面を構成し厚さ方向の他方の面に凹状の取り付け面が形成された円盤状の吸盤本体と、前記取り付け面に該取り付け面を覆うように接合されたゲルからなるゲル層とを含んで構成され、
前記吸着面は前記ゲル層の表面で形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の物品取り付け具。
【請求項1】
吸盤と、前記吸盤に連結され前記吸盤が被吸着面に吸着した状態で前記吸盤を介して前記被吸着面に取り付けられるケースとを有する2つの吸盤装置と、
前記2つの吸盤装置のケースを姿勢変換可能に連結する連結部と、
を備えることを特徴とする物品取り付け具。
【請求項2】
前記連結部は、前記2つの吸盤装置のうちの一方の吸盤装置のケースから一体に突設された被挟持体と、前記2つの吸盤装置のうちの他方の吸盤装置のケースから互いに対向するように一体に突設され前記被挟持体の挟持を可能とした一対の挟持板と、前記被挟持体を前記一対の挟持板で挟持した状態で前記一対の挟持板を締め付ける雄ねじ部材とを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の物品取り付け具。
【請求項3】
前記被挟持体は、第1の半径で球状に形成された第1球体を含んで構成され、
前記一対の挟持板が向かい合う内面にそれぞれ挟持用凹部が設けられ、
前記各挟持用凹部は、前記内面に開口する部分全周に前記第1の半径で形成された第1球面状挟持面を有し、
前記雄ねじ部材により前記一対の挟持板を締め付けることで、前記第1球面状挟持面により前記第1球体が締め付けられる、
ことを特徴とする請求項2記載の物品取り付け具。
【請求項4】
前記被挟持板は、第1の半径で球状に形成された第1球体を含んで構成され、
前記一対の挟持板が向かい合う内面にそれぞれ挟持用凹部が設けられ、
前記各挟持用凹部は、前記内面に開口する部分全周に前記第1の半径で形成された第1球面状挟持面を有し、
前記第1球体にその中心を通るように前記雄ねじ部材の雄ねじの挿通孔が貫通形成され、
前記一対の挟持板のうちの一方の挟持板の前記挟持用凹部の底部に、前記雄ねじ部材の雄ねじの挿通孔が貫通形成され、
前記一対の挟持板のうちの他方の挟持板の前記挟持用凹部の底部に、前記雄ねじ部材の雄ねじに螺合する雌ねじが形成され、
前記第1球体の挿通孔および前記一方の挟持板の挿通孔を挿通させた前記雄ねじ部材の雄ねじを前記雌ねじに螺合して前記一対の挟持板を締め付けることで、前記第1球面状挟持面により前記第1球体が締め付けられる、
ことを特徴とする請求項2記載の物品取り付け具。
【請求項5】
前記連結部は、前記2つの吸盤装置のケースからそれぞれ一体に突設された被挟持体と、前記2つの吸盤装置のケースの被挟持体の挟持を可能とした一対の挟持板と、前記2つの被挟持体を前記一対の挟持板で挟持した状態で前記一対の挟持板を締め付ける雄ねじ部材とを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の物品取り付け具。
【請求項6】
吸盤と、前記吸盤に連結され前記吸盤が被吸着面に吸着した状態で前記吸盤を介して前記被吸着面に取り付けられるケースとを有する2つの吸盤装置と、
前記2つの吸盤装置のケースを姿勢変換可能に連結する連結部とを備え、
前記連結部は、前記2つの吸盤装置のケースからそれぞれ一体に突設された被挟持体と、前記2つの吸盤装置のケースの被挟持体の挟持を可能とした一対の挟持板と、前記2つの被挟持体を前記一対の挟持板で挟持した状態で前記一対の挟持板を締め付ける雄ねじ部材とを含んで構成され、
前記2つの吸盤装置の一方の吸盤装置のケースから突設された前記被挟持体は、第1の半径で球状に形成された第1球体を含んで構成され、
前記2つの吸盤装置の他方の吸盤装置のケースから突設された前記被挟持体は、第2の半径で球状に形成された第2球体を含んで構成され、
前記一対の挟持板は、細長形状の第1挟持板と、細長形状の第2挟持板とを含み、
前記第1挟持板が前記第2挟持板に臨む内面で前記第1挟持板の長手方向の両側の箇所に第1挟持用凹部と第2挟持用凹部がそれぞれ形成されると共に、それら挟持用凹部の間の箇所に前記雄ねじ部材の雄ねじの挿通を可能とした挿通孔が貫通形成され、
前記第2挟持板が前記第1挟持板に臨む内面で前記第2挟持板の長手方向の両側の箇所に第3挟持用凹部と第4挟持用凹部がそれぞれ形成されると共に、それら挟持用凹部の間の箇所に、前記第1挟持用凹部と前記第3挟持用凹部との軸心を合致させ、かつ、前記第2挟持用凹部と前記第4挟持用凹部との軸心を合致させた状態で前記挿通孔に挿通された前記雄ねじ部材の雄ねじに螺合する雌ねじが形成され、
前記第1挟持用凹部は、前記内面に開口する部分全周に前記第1の半径で形成された第1球面状挟持面を有し、
前記第2挟持用凹部は、前記内面に開口する部分全周に前記第2の半径で形成された第2球面状挟持面を有し、
前記第3挟持用凹部は、前記内面に開口する部分全周に前記第1の半径で形成された第3球面状挟持面を有し、
前記第4挟持用凹部は、前記内面に開口する部分全周に前記第2の半径で形成された第4球面状挟持面を有し、
前記第1挟持用凹部と前記第3挟持用凹部とを対向させ、前記第2挟持用凹部と前記第4挟持用凹部とを対向させて、それら前記第1挟持用凹部と前記第3挟持用凹部の間に前記第1球体を位置させ、前記第2挟持用凹部と前記第4挟持用凹部の間に前記第2球体を位置させて前記挿通孔に挿通した雄ねじ部材の雄ねじを前記雌ねじに締め付けると、前記第1球体が前記第1球面状挟持面と前記第3球面状挟持面により挟持固定され、前記第2球体が前記第2球面状挟持面と前記第4球面状挟持面により挟持固定される、
ことを特徴とする物品取り付け具。
【請求項7】
前記第1挟持用凹部は、前記第1球面状挟持面の中央に前記第1球面状挟持面の仮想延長面よりも深い深さで形成された第1凹部を備え、
前記第2挟持用凹部は、前記第2球面状挟持面の中央に前記第2球面状挟持面の仮想延長面よりも深い深さで形成された第2凹部を備え、
前記第3挟持用凹部は、前記第3球面状挟持面の中央に前記第3球面状挟持面の仮想延長面よりも深い深さで形成された第3凹部を備え、
前記第4挟持用凹部は、前記第4球面状挟持面の中央に前記第4球面状挟持面の仮想延長面よりも深い深さで形成された第4凹部を備える、
ことを特徴とする請求項6記載の物品取り付け具。
【請求項8】
前記第1の半径と前記第2の半径とは同一の寸法で形成され、
前記挿通孔は、前記第1挟持用凹部の軸心と前記第2挟持用凹部の軸心との間の中心の箇所に形成され、
前記雌ねじは、前記第3挟持用凹部の軸心と前記第4挟持用凹部の軸心との間の中心の箇所に形成されている、
ことを特徴とする請求項6記載の物品取り付け具。
【請求項9】
前記第1挟持板の長手方向の両側における前記内面の箇所は、同一平面上を延在する第1内面として形成されると共に、前記第1挟持板の長手方向の中央部における前記内面の箇所は、前記第1内面よりも突出し前記平面に平行する平面上を延在する第2内面として形成され、
前記第1挟持用凹部と前記第2挟持用凹部は前記第1内面に形成され、前記挿通孔は前記第2内面に形成され、
前記第2挟持板の長手方向の両側における前記内面の箇所は、同一平面上を延在する第3内面として形成されると共に、前記第2挟持板の長手方向の中央部における前記内面の箇所は、前記第3内面よりも突出し前記平面に平行する平面上を延在する第4内面として形成され、
前記第3挟持用凹部と前記第4挟持用凹部は前記第3内面に形成され、前記雌ねじは前記第4内面に形成されている、
ことを特徴とする請求項6記載の物品取り付け具。
【請求項10】
前記第1挟持板の長手方向の両側における前記内面の箇所は、同一平面上を延在する第1内面として形成されると共に、前記第1挟持板の長手方向の中央部における前記内面の箇所は、前記第1内面よりも突出し前記平面に平行する平面上を延在する第2内面として形成され、
前記第1挟持用凹部と前記第2挟持用凹部は前記第1内面に形成され、前記挿通孔は前記第2内面に形成され、
前記第2挟持板の長手方向の両側における前記内面の箇所は、同一平面上を延在する第3内面として形成されると共に、前記第2挟持板の長手方向の中央部における前記内面の箇所は、前記第3内面よりも突出し前記平面に平行する平面上を延在する第4内面として形成され、
前記第3挟持用凹部と前記第4挟持用凹部は前記第3内面に形成され、前記雌ねじは前記第4内面に形成され、
前記挿通孔の周囲の前記第2内面の箇所と、前記雌ねじの周囲の前記第4内面の箇所に、前記第1挟持用凹部と前記第3挟持用凹部との軸心を合致させ、かつ、前記第2挟持用凹部と前記第4挟持用凹部との軸心を合致させて前記第2内面と前記第4内面とを向かい合わせた状態で、互いに係合するピンと係合孔とが複数設けられている、
ことを特徴とする請求項6記載の物品取り付け具。
【請求項11】
前記第1、第2挟持板の長手方向と直交する方向の幅は均一の寸法で形成され、
前記第1、第2挟持板の幅は同一の寸法で形成され、
前記雄ねじ部材は、前記雄ねじよりも大きい寸法の外径の頭部を有し、
前記頭部の外径は、前記第1、第2挟持板の幅よりも大きな寸法で形成されている、
ことを特徴とする請求項5記載の物品取り付け具。
【請求項12】
前記吸盤はその厚さ方向の一方の面が吸着面とされ他方の面が背面となっており、
前記吸盤装置は、
前記吸盤の背面の中央から前記厚さ方向に沿って前記背面から離れる方向に突出する中心軸を有し、
前記ケースは、前記中心軸の周囲と前記吸盤の背面を覆い前記吸盤の背面の外周部に、または、前記吸着面が被吸着面に吸着した状態で前記吸盤の外側に位置する前記被吸着面の箇所に当接可能に設けられ、
前記吸着面が被吸着面に吸着した状態で前記ケースを、前記背面の外周部に、または、前記被吸着面の箇所に、当接する方向に付勢すると共に前記中心軸を前記被吸着面から離れる方向に付勢する付勢機構が前記中心軸と前記ケースとの間に設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の物品取り付け具。
【請求項13】
前記ケースは、前記中心軸を覆う筒部と、前記筒部の端部に設けられ前記吸盤の背面を覆いその先端が前記背面の外周部に、または、前記吸着面が被吸着面に吸着した状態で前記吸盤の外側に位置する前記被吸着面の箇所に当接可能な環板部とを有し、
前記付勢機構はコイルスプリングを含んで構成され、
前記コイルスプリングは、前記筒部の内側で前記中心軸の外周に巻装され、前記中心軸の先端と前記筒部の前記環板部寄りの箇所との間に設けられている、
ことを特徴とする請求項12記載の物品取り付け具。
【請求項14】
前記吸盤はその厚さ方向の一方の面が吸着面とされ他方の面が背面となっており、
前記吸盤は、弾性変形可能な材料からなり厚さ方向の一方の面が前記背面を構成し厚さ方向の他方の面に凹状の取り付け面が形成された円盤状の吸盤本体と、前記取り付け面に該取り付け面を覆うように接合されたゲルからなるゲル層とを含んで構成され、
前記吸着面は前記ゲル層の表面で形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の物品取り付け具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図14】
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【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−93026(P2008−93026A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−275472(P2006−275472)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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