説明

物品吊下げ具連続体、物品吊下げ具およびその使用方法

【課題】吊下げ用フック4と商品など物品の収納容器との間に介在させて物品を吊り下げ、複数個の物品が重なり合っていても、それぞれの収納容器の間に所定の間隔を確保可能で、物品取付け部への物品の着脱操作が容易かつ確実な物品吊下げ具連続体、物品吊下げ具およびその使用方法を提供すること。
【解決手段】第1の領域15を吊下げ具本体11の表面から起立可能とすること、物品取付け領域14に、山形溝部23および谷形溝部24を交互に配置することに着目し、立体形成領域12は、第1の領域15と、第1の領域15の立ち上げた姿勢を保持可能とする第2の領域16と、を有するとともに、物品取付け領域14は、連続して蛇行する山形溝部23および谷形溝部24を交互に配置することにより形成した、収納容器の取付け用貫通孔に挿通可能な中央山形取付け片25と、中央山形取付け片25の両側において左右に位置する隣接山形押さえ片26と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品吊下げ具連続体、物品吊下げ具およびその使用方法にかかるもので、とくに商品その他各種物品の陳列販売や管理に利用可能な物品吊下げ具連続体、物品吊下げ具およびその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、たとえば、小売店などにおいて、商品を容れた商品パッケージ(収納容器)を吊下げ用フックなどに吊り下げて陳列販売することが行われている。
図9は、従来からの商品パッケージ1の正面図であって、商品パッケージ1は、その上部に円形状の取付け用貫通孔2を形成しているとともに商品M(被吊下げ物品)を収納している。
【0003】
図10は、商品パッケージ1の陳列状態を示す側面図であって、陳列棚3から突出させた吊下げ用フック4(ストレートフック)に取付け用貫通孔2を通して、複数個の商品パッケージ1を陳列し、小売店における販売管理や在庫管理に利用している。
【0004】
しかしながら、購買者が吊下げ用フック4の奥側の商品Mを取り出したいときには、手前にある商品Mを一度取り外す必要があり、不便であるという問題がある。
もちろん、図9に仮想線で示すように、取付け用貫通孔2自体を外縁部に連通する連続孔2Aとすれば、上記問題は解消されるが、一般的に販売用として利用されているすべての商品パッケージ1が連続孔2Aの形態を採用しているわけではなく、小売店としての対応を迫られているのが実情である。
また、商品パッケージ1が薄いものである場合には、吊下げ用フック4上で複数の商品パッケージ1が密に重なって商品Mを確認しにくくなるという問題がある。
【0005】
上述のような諸問題は、小売店などにおける商品の陳列販売に限らず、医療機関において各種の医療機器あるいは機材や薬品の保管管理にも同様のシステムを採用する場合はもちろん、その他の分野における物品の陳列、保管管理についても、同様の諸問題が発生する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平3−865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、吊下げ用フックと商品など物品の収納容器との間に介在させて物品を吊り下げておくことができる物品吊下げ具連続体、物品吊下げ具およびその使用方法を提供することを課題とする。
【0008】
また本発明は、吊下げ用フックに吊り下げられている物品の順序にかかわらず着脱自在とした物品吊下げ具連続体、物品吊下げ具およびその使用方法を提供することを課題とする。
【0009】
また本発明は、複数個の商品その他の物品が重なり合っている場合であっても、それぞれの収納容器の間に所定の間隔を確保可能な物品吊下げ具連続体、物品吊下げ具およびその使用方法を提供することを課題とする。
【0010】
また本発明は、物品取付け部への物品の取付け操作および取外し操作が容易かつ確実な物品吊下げ具連続体、物品吊下げ具およびその使用方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち本発明は、吊下げ具本体の一部を吊下げ具本体の表面から立体的に立ち上げ可能とすること、連続した蛇行形状の溝部を物品取付け部に形成することに着目したもので、第一の発明は、シート状の吊下げ具本体を有し、この吊下げ具本体に、この吊下げ具本体を吊下げ用フックに吊り下げ可能とする吊下げ用開口窓と、取付け用貫通孔を形成しているとともに被吊下げ物品を収容した収納容器を取り付け可能な物品取付け部と、を形成した物品吊下げ具であって、上記吊下げ具本体は、立体形成領域を有し、この立体形成領域は、上記吊下げ具本体の上方部において設けた折曲げ線により画成した第1の領域と、上記吊下げ具本体に形成した固定用係合溝に係合可能な固定用係合片を形成してこの第1の領域を上記吊下げ具本体の表面から立体的に立ち上げた姿勢を保持可能とする第2の領域と、を有するとともに、上記物品取付け部は、上記吊下げ具本体の下方部における物品取付け領域であって、連続して蛇行する山形溝部および谷形溝部を交互に配置することにより形成した、上記収納容器の上記取付け用貫通孔に挿通可能な中央山形取付け片と、この中央山形取付け片の両側において左右に位置する隣接山形押さえ片と、を有することを特徴とする物品吊下げ具である。
上記吊下げ用開口窓は、上記吊下げ具本体の縁部からその幅方向中心部に至る縁部開口窓と、この縁部開口窓に連続しているとともに上記吊り下げ用フックに引っ掛け可能な中心開口窓と、を有することができる。
上記折曲げ線は、上記第1の領域および上記第2の領域を画成する第1の折曲げ線および第2の折曲げ線を有することができる。
上記山形溝部および上記谷形溝部は、その幅を約2〜3mmとしていることができる。
第二の発明は、互いに連接した複数枚のシート状の吊下げ具本体を有し、それぞれの吊下げ具本体には、それぞれの吊下げ具本体を吊下げ用フックに吊り下げ可能とする吊下げ用開口窓と、取付け用貫通孔を形成している収納容器に収容した被吊下げ物品を取り付け可能な物品取付け部と、を形成するとともに、上記吊下げ具本体は、立体形成領域を有し、この立体形成領域は、上記吊下げ具本体の上方部において設けた折曲げ線により画成した第1の領域と、上記吊下げ具本体に形成した固定用係合溝に係合可能な固定用係合片を形成してこの第1の領域を上記吊下げ具本体の表面から立体的に立ち上げた姿勢を保持可能とする第2の領域と、を有するとともに、上記物品取付け部は、上記吊下げ具本体の下方部における物品取付け領域であって、連続して蛇行する山形溝部および谷形溝部を交互に配置することにより形成した、上記収納容器の上記取付け用貫通孔に挿通可能な中央山形取付け片と、この中央山形取付け片の両側において左右に位置する隣接山形押さえ片と、を有することを特徴とする物品吊下げ具連続体である。
第三の発明は、シート状の吊下げ具本体を有し、この吊下げ具本体に、この吊下げ具本体を吊下げ用フックに吊り下げ可能とする吊下げ用開口窓と、取付け用貫通孔を形成しているとともに被吊下げ物品を収容した収納容器を取り付け可能な物品取付け部と、を形成した物品吊下げ具の使用方法であって、上記吊下げ具本体には、立体形成領域を設けてあり、この立体形成領域には、上記吊下げ具本体の上方部において設けた折曲げ線により画成した第1の領域と、上記吊下げ具本体に形成した固定用係合溝に係合可能な固定用係合片を形成してこの第1の領域を上記吊下げ具本体の表面から立体的に立ち上げた姿勢を保持可能とする第2の領域と、を設けてあるとともに、上記物品取付け部は、上記吊下げ具本体の下方部における物品取付け領域であって、連続して蛇行する山形溝部および谷形溝部を交互に配置することにより形成した、上記収納容器の上記取付け用貫通孔に挿通可能な中央山形取付け片と、この中央山形取付け片の両側において左右に位置する隣接山形押さえ片と、を有し、上記折曲げ線において上記吊下げ具本体を折り曲げるとともに、上記固定用係合を上記固定用係合溝に係合して、上記第1の領域を上記吊下げ具本体の表面から立体的に立ち上げた姿勢を保持した状態で、上記吊下げ具本体を上記吊下げ用フックに吊り下げ、さらに、上記中央山形取付け片を上記収納容器の上記取付け用貫通孔に挿通し、上記左右の隣接山形取付け片を上記収納容器に係合させることにより、上記物品取付け領域に上記収納容器を取り付けることを特徴とする物品吊下げ具の使用方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明による物品吊下げ具連続体、物品吊下げ具およびその使用方法においては、吊下げ具本体の一部(第1の領域)を吊下げ具本体の表面から立体的に立ち上げ可能としたので、商品などの被吊下げ物品と陳列棚ないし保管棚との間に介在させて、それぞれの被吊下げ物品の間隔を均等に保持し、購買者ないしは管理者が物品を確認し易くすることができるとともに、収納容器の取付け用貫通孔に挿通可能な中央山形取付け片および左右に位置する隣接山形押さえ片を設けたので、物品取付け領域への収納容器の取付け操作も容易である。
【0013】
とくに第一の発明の物品吊下げ具によれば、立体形成領域を設けて物品の吊下げ態勢を整然とすることができるとともに、連続して蛇行する山形溝部および谷形溝部を交互に配置することにより中央山形取付け片および隣接山形押さえ片を設けたので、簡単な操作で商品その他の物品を吊り下げることができるとともに、物品の管理を行うことができる。
【0014】
とくに第二の発明の物品吊下げ具連続体によれば、複数枚の上記物品吊下げ具を連接した構成であるので、任意のプリンターにこれを装填して、必要な情報を印字した上で物品の吊下げに利用することができる。
【0015】
とくに第三の発明の物品吊下げ具の使用方法によれば、折曲げ線において吊下げ具本体を折り曲げるとともに、固定用係合を固定用係合溝に係合して、第1の領域を吊下げ具本体の表面から立体的に立ち上げた姿勢を保持した状態で、吊下げ具本体を吊下げ用フックに吊り下げることができ、さらに、中央山形取付け片および隣接山形押さえ片の操作による収納容器の着脱操作を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例による物品吊下げ具10の平面図である。
【図2】本発明の実施例による物品吊下げ具連続体30の平面図である。
【図3】同、物品吊下げ具連続体30を装填して、任意の情報を物品吊下げ具10に印字する任意の印字方式によるプリンター(たとえば、サーマルプリンター32)の概略側面図である。
【図4】同、中央山形取付け片25を商品パッケージ1の取付け用貫通孔2に挿通する操作を示す斜視図である。
【図5】同、中央山形取付け片25の左右の隣接山形取付け片26を商品パッケージ1の上端縁をこして商品パッケージ1の上から押さえ付ける操作を示す斜視図である。
【図6】同、取付け用貫通孔2に挿通した中央山形取付け片25および商品パッケージ1を押さえた隣接山形取付け片26により商品パッケージ1を物品取付け領域14に取り付けた状態を示す正面図である。
【図7】同、物品吊下げ具10に商品パッケージ1を取り付けた状態で吊下げ用フック4に吊り下げた状態を示す斜視図である。
【図8】同、複数個の商品パッケージ1を複数個の物品吊下げ具10により陳列棚3の吊下げ用フック4にそれぞれ吊り下げた状態の側面図である。
【図9】従来からの商品パッケージ1の正面図である。
【図10】同、商品パッケージ1の陳列状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、立体形成領域を設けて吊下げ具本体の一部を吊下げ具本体に立体的に取り付けた状態で商品その他の物品を簡便な操作で吊り下げて、物品の確認を確実かつ簡単に実行することができるとともに、中央山形取付け片および隣接山形取付け片によって収納容器の着脱操作を容易とした物品吊下げ具連続体、物品吊下げ具およびその使用方法を実現した。
【実施例】
【0018】
つぎに本発明の実施例による物品吊下げ具連続体30、物品吊下げ具10およびその使用方法を図1ないし図8にもとづき説明する。ただし、図9および図10と同様の部分には同一符号を付し、その詳述はこれを省略する。
図1は、物品吊下げ具10の平面図であって、物品吊下げ具10は、シート状の吊下げ具本体11を有し、図1の上方側から順に、吊下げ具本体11の上方部における立体形成領域12と、開口領域13と、吊下げ具本体11の下方部における物品取付け領域14と、を有する。
【0019】
吊下げ具本体11は、樹脂シートなど任意の弾力性および剛性を有する材料から打抜き加工などにより、図示のような外形にこれを形成している。
【0020】
立体形成領域12は、第1の領域15と、第2の領域16と、固定領域17と、を有し、第1の領域15を吊下げ具本体11の他の表面(開口領域13および物品取付け領域14)から立体的に立ち上げ可能とする。
【0021】
第1の領域15および第2の領域16は、吊下げ具本体11の上方部において設けた筋押し加工あるいはミシン目加工などによる折曲げ線(第1の折曲げ線18、第2の折曲げ線19)によりこれを画成している。
第2の領域16には、吊下げ具本体11の固定領域17に形成した固定用係合溝20に係合可能な固定用係合片21を形成し、第1の領域15を吊下げ具本体11の表面から立体的に立ち上げた姿勢を保持可能とする。
【0022】
開口領域13には、吊下げ具本体11を前記吊下げ用フック4に吊り下げ可能とする吊下げ用開口窓22を形成してある。
吊下げ用開口窓22は、吊下げ具本体11の縁部からその幅方向中心部に至る縁部開口窓22Aと、この縁部開口窓22Aに連続しているとともに吊下げ具本体11の中心部に位置して吊り下げ用フック4に引っ掛け可能な中心開口窓22Bと、からこれを形成している。
【0023】
物品取付け領域14は、前記取付け用貫通孔2を形成しているとともに被吊下げ物品(前記商品M)を収容した収納容器(前記商品パッケージ1)を取り付け可能な物品取付け部である。
物品取付け領域14は、たとえばサインカーブ状に連続して蛇行する山形溝部23および谷形溝部24を交互に配置することにより形成した、ともに細長三角形状の中央山形取付け片25および左右一対の隣接山形押さえ片26を有する。
山形溝部23および谷形溝部24の幅は、たとえばこれを約2〜3mmとして、後述する商品パッケージ1の取付け操作を容易とするとともに、厚さのある商品パッケージ1の取付け(吊下げ)も可能とする。
【0024】
本発明においては、この物品吊下げ具10を複数枚連接して帯状の物品吊下げ具連続体30として構成することもできる。
図2は、物品吊下げ具連続体30の平面図であって、物品吊下げ具連続体30は、互いに連接した複数枚のシート状の吊下げ具本体11を有し、それぞれの吊下げ具本体11には、上述した構成の立体形成領域12、開口領域13および物品取付け領域14を形成している。
【0025】
なお、各物品吊下げ具10の裏面には、位置検出用マーク31をあらかじめ印刷してあり、任意のプリンター(たとえば、サーマルプリンター32、図3)に物品吊下げ具連続体30を装填して、必要に応じて任意の情報をそれぞれの物品吊下げ具10に印字することができる。
上記位置検出用マーク31のほか、物品吊下げ具10の表裏面に、必要に応じて、品名、ロゴ、各種文書などを印刷しておいてもよい。
【0026】
図3は、この物品吊下げ具連続体30を装填して、任意の情報を物品吊下げ具10に印字する任意の印字方式によるプリンター(たとえば、サーマルプリンター32)の概略側面図であって、サーマルプリンター32は、物品吊下げ具連続体30の供給部33と、検出部34と、印字部35と、を有する。
【0027】
供給部33は、帯状の物品吊下げ具連続体30をロール状に巻いた状態で保持し、検出部34および印字部35方向に帯状に繰り出し可能とする。
【0028】
検出部34は、光反射方式、光透過方式その他任意の検出方式による位置検出用センサー36を有し、物品吊下げ具連続体30の位置検出用マーク31を検出する。
【0029】
印字部35は、サーマルヘッド37と、プラテンローラー38と、熱転写インキリボン39の供給軸40および巻取り軸41と、を有し、プラテンローラー38の回転駆動にともなってサーマルヘッド37からの印字データの出力により、物品吊下げ具連続体30の表面に必要な情報を印字可能である。
【0030】
なお、必要であれば、印字部35の下流側に切断部42を設けて、印字済みの物品吊下げ具連続体30を単葉の物品吊下げ具10に切断するように構成することもできる。
【0031】
こうした構成の物品吊下げ具連続体30および物品吊下げ具10の使用方法について、図4ないし図8にもとづき説明する。
図4ないし図6は、物品取付け領域14に被吊下げ物品(たとえば商品M)の収納容器(商品パッケージ1)を吊り下げる手順を示しており、図4は、中央山形取付け片25を商品パッケージ1の取付け用貫通孔2に挿通する操作を示す斜視図、図5は、中央山形取付け片25の左右の隣接山形取付け片26を商品パッケージ1の上端縁をこして商品パッケージ1の上から押さえ付ける操作を示す斜視図、図6は、取付け用貫通孔2に挿通した中央山形取付け片25および商品パッケージ1を押さえた隣接山形取付け片26により商品パッケージ1を物品取付け領域14に取り付けた状態を示す正面図である。
【0032】
図4に示すように、吊下げ具本体11が所定の弾性および剛性を有しているので、中央山形取付け片25をたわませて商品パッケージ1の取付け用貫通孔2にまず挿入する。
図5に示すように、物品取付け領域14全体を商品パッケージ1に対して傾斜するようにたわませ、左右の隣接山形取付け片26が商品パッケージ1の上端縁をこえて中央山形取付け片25側に出るように位置させ、左右の隣接山形取付け片26を商品パッケージ1と係合させる。
かくして図6に示すように、物品取付け領域14に商品パッケージ1を取り付けて、中央山形取付け片25による吊り下げ可能な状態とすることができ、左右一対の隣接山形取付け片26によって商品パッケージ1の傾斜ないし揺れを防止可能な状態とすることができる。
とくに中央山形取付け片25および隣接山形取付け片26の基端部側の幅を比較的大きく形成することにより、商品パッケージ1の揺れを防止して安定した吊下げ状態を維持可能である。
しかも、上述した中央山形取付け片25および左右の隣接山形取付け片26の弾性変形処理のみにより、物品取付け領域14への商品パッケージ1の着脱操作を容易に行うことができる。
【0033】
また、山形溝部23および谷形溝部24の幅を約2〜3mmとしたので、中央山形取付け片25および隣接山形取付け片26の端部に指を引っ掛けてこれらを弾性変形させる操作が容易であり、商品パッケージ1の取付け操作を容易とするとともに、取付け用貫通孔2を形成した部分が厚くなっている商品パッケージ1の取付け(吊下げ)も可能とする。
【0034】
図7は、物品吊下げ具10に商品パッケージ1を取り付けた状態で吊下げ用フック4に吊り下げた状態を示す斜視図であって、立体形成領域12における第1の折曲げ線18および第2の折曲げ線19の部分で第2の領域16および固定領域17が互いに接近するように折り曲げて、立体形成領域12における第2の領域16の固定用係合片21を固定領域17の固定用係合溝20に係合して固定する。
かくして、立体形成領域12の部分を側面から見ると三角形状の立体に組み立てることができ、第1の領域15を吊下げ具本体11の表面から立体的に立ち上げた姿勢(起立姿勢)に保持した状態とすることができる。
【0035】
図8は、複数個の商品パッケージ1を複数個の物品吊下げ具10により陳列棚3の吊下げ用フック4にそれぞれ吊り下げた状態の側面図であって、吊下げ用フック4上に商品パッケージ1を整然と整列した状態で、しかもそれぞれの商品パッケージ1の間に所定の間隔をあけた状態での陳列が可能である。
したがって、商品パッケージ1ないし商品Mの確認が容易である。
【0036】
また、開口領域13には、吊下げ具本体11の縁部から中心部に至る開放状の吊下げ用開口窓22(縁部開口窓22A、中心開口窓22B)が形成されているので、吊下げ用フック4におけるどの商品パッケージ1も任意に取り出しが可能である。
さらに、商品Mの販売後には、当該物品吊下げ具10を再利用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 商品パッケージ(収納容器、図8、図9)
2 取付け用貫通孔
2A 連続孔(図9)
3 陳列棚
4 吊下げ用フック
10 物品吊下げ具(実施例、図1)
11 シート状の吊下げ具本体
12 立体形成領域
13 開口領域
14 物品取付け領域
15 立体形成領域12の第1の領域15
16 立体形成領域12の第2の領域16
17 固定領域
18 第1の折曲げ線
19 第2の折曲げ線
20 固定用係合溝
21 固定用係合片
22 吊下げ用開口窓
22A 吊下げ用開口窓22の縁部開口窓
22B 吊下げ用開口窓22の中心開口窓
23 山形溝部
24 谷形溝部
25 中央山形取付け片
26 左右一対の隣接山形取付け片
30 物品吊下げ具連続体(実施例、図2)
31 位置検出用マーク
32 サーマルプリンター(図3)
33 供給部
34 検出部
35 印字部
36 位置検出用センサー
37 サーマルヘッド
38 プラテンローラー
39 熱転写インキリボン
40 供給軸
41 巻取り軸
42 切断部
M 商品(被吊下げ物品)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の吊下げ具本体を有し、
この吊下げ具本体に、
この吊下げ具本体を吊下げ用フックに吊り下げ可能とする吊下げ用開口窓と、
取付け用貫通孔を形成しているとともに被吊下げ物品を収容した収納容器を取り付け可能な物品取付け部と、を形成した物品吊下げ具であって、
前記吊下げ具本体は、立体形成領域を有し、
この立体形成領域は、
前記吊下げ具本体の上方部において設けた折曲げ線により画成した第1の領域と、
前記吊下げ具本体に形成した固定用係合溝に係合可能な固定用係合片を形成してこの第1の領域を前記吊下げ具本体の表面から立体的に立ち上げた姿勢を保持可能とする第2の領域と、を有するとともに、
前記物品取付け部は、
前記吊下げ具本体の下方部における物品取付け領域であって、
連続して蛇行する山形溝部および谷形溝部を交互に配置することにより形成した、前記収納容器の前記取付け用貫通孔に挿通可能な中央山形取付け片と、この中央山形取付け片の両側において左右に位置する隣接山形押さえ片と、
を有することを特徴とする物品吊下げ具。
【請求項2】
前記吊下げ用開口窓は、
前記吊下げ具本体の縁部からその幅方向中心部に至る縁部開口窓と、
この縁部開口窓に連続しているとともに前記吊り下げ用フックに引っ掛け可能な中心開口窓と、を有することを特徴とする請求項1記載の物品吊下げ具。
【請求項3】
前記折曲げ線は、
前記第1の領域および前記第2の領域を画成する第1の折曲げ線および第2の折曲げ線を有することを特徴とする請求項1または2記載の物品吊下げ具。
【請求項4】
前記山形溝部および前記谷形溝部は、
その幅を約2〜3mmとしていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の物品吊下げ具。
【請求項5】
互いに連接した複数枚のシート状の吊下げ具本体を有し、
それぞれの吊下げ具本体には、
それぞれの吊下げ具本体を吊下げ用フックに吊り下げ可能とする吊下げ用開口窓と、
取付け用貫通孔を形成している収納容器に収容した被吊下げ物品を取り付け可能な物品取付け部と、を形成するとともに、
前記吊下げ具本体は、立体形成領域を有し、
この立体形成領域は、
前記吊下げ具本体の上方部において設けた折曲げ線により画成した第1の領域と、
前記吊下げ具本体に形成した固定用係合溝に係合可能な固定用係合片を形成してこの第1の領域を前記吊下げ具本体の表面から立体的に立ち上げた姿勢を保持可能とする第2の領域と、を有するとともに、
前記物品取付け部は、
前記吊下げ具本体の下方部における物品取付け領域であって、
連続して蛇行する山形溝部および谷形溝部を交互に配置することにより形成した、前記収納容器の前記取付け用貫通孔に挿通可能な中央山形取付け片と、この中央山形取付け片の両側において左右に位置する隣接山形押さえ片と、
を有することを特徴とする物品吊下げ具連続体。
【請求項6】
シート状の吊下げ具本体を有し、
この吊下げ具本体に、
この吊下げ具本体を吊下げ用フックに吊り下げ可能とする吊下げ用開口窓と、
取付け用貫通孔を形成しているとともに被吊下げ物品を収容した収納容器を取り付け可能な物品取付け部と、を形成した物品吊下げ具の使用方法であって、
前記吊下げ具本体には、立体形成領域を設けてあり、
この立体形成領域には、
前記吊下げ具本体の上方部において設けた折曲げ線により画成した第1の領域と、
前記吊下げ具本体に形成した固定用係合溝に係合可能な固定用係合片を形成してこの第1の領域を前記吊下げ具本体の表面から立体的に立ち上げた姿勢を保持可能とする第2の領域と、を設けてあるとともに、
前記物品取付け部は、
前記吊下げ具本体の下方部における物品取付け領域であって、
連続して蛇行する山形溝部および谷形溝部を交互に配置することにより形成した、前記収納容器の前記取付け用貫通孔に挿通可能な中央山形取付け片と、この中央山形取付け片の両側において左右に位置する隣接山形押さえ片と、
を有し、
前記折曲げ線において前記吊下げ具本体を折り曲げるとともに、前記固定用係合を前記固定用係合溝に係合して、前記第1の領域を前記吊下げ具本体の表面から立体的に立ち上げた姿勢を保持した状態で、前記吊下げ具本体を前記吊下げ用フックに吊り下げ、さらに、
前記中央山形取付け片を前記収納容器の前記取付け用貫通孔に挿通し、
前記左右の隣接山形取付け片を前記収納容器に係合させることにより、前記物品取付け領域に前記収納容器を取り付けることを特徴とする物品吊下げ具の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−75076(P2013−75076A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217527(P2011−217527)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)サトーホールディングス株式会社 (1,153)
【Fターム(参考)】