説明

物品情報管理方法及び物品情報管理装置並びに物品情報管理プログラムを記録した記録媒体

【課題】 本発明は商品の安全性などの物品情報を消費者などに正しく伝えることが可能な物品情報管理方法及び物品情報管理装置並びに物品情報管理プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【解決手段】 情報提供者に対して作業の内容並びに安全基準情報の入力を促し、入力された作業の内容及び安全基準情報を記憶し、情報提供者に対して物品の識別情報及び作業情報の入力を促し、入力された物品の識別情報及び作業情報を互いに関連付けて記憶し、物品情報の利用者に対して物品の識別情報の入力を促し、入力された識別情報に対応する特定の物品に関する前記作業情報及び安全基準情報を記憶手段から読み出し、作業情報と安全基準情報とを比較して該当する物品の安全性の評価を行い、物品情報の利用者に対し入力された前記識別情報に対応する物品の情報をその物品の安全性の評価結果とともに与える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物品情報管理方法及び物品情報管理装置並びに物品情報管理プログラムを記録した記録媒体に関する。本発明は、商品などの物品及びその材料あるいは原料となる物品の情報を仕入れ,製造,流通,販売などの各過程で管理し利用するために使用される。
【0002】
【従来の技術】近年、PL法(製造物責任法)等の施行により製造物や食品の真贋性及び安全性について一番消費者の意識が高まりつつあり、各業界でその対応が行われつつある。例えば食品製造業においては、食品処理において危害分析重点管理点(HACCP:Hazard Analysis Critical Control Point)の概念を取り入れた総合衛生管理製造行程が注目されている。
【0003】HACCPにおいては、1工場毎に厚生省による認定を受け、該工場で生産された商品の包装に対して認定マークを表示している。この認定マークの表示により、消費者は商品の安全性を知ることができる。また、生鮮食品については、小売業者が商品にその産地や品名を表示している。従って、消費者は表示された産地などの情報により、生鮮食品の特性を知ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の方法で商品を管理する場合には次のような問題があった。1.従来の方法では、商品は生産,流通,加工,販売の各過程で独立して管理されている。従って、管理のために商品に付与されるID(識別番号)も生産,流通,加工,販売の各過程で異なっている。
【0005】例えば、肉の生産から販売までの各過程を考えると、肉牛農家は農家にとって都合の良いIDを肉牛毎に与え、肉牛を加工会杜に販売する。加工会杜では、その会社のID発行原理に基づきIDを発行して肉を加工し、加工された肉を販売会社に出荷する。販売会社では、肉をさらにスライスしてパックし、パック毎に独自のIDを付加して販売する。
【0006】このため、例えばパックされた特定の商品を購入する場合に、その商品がどのような経路をたどって生産されたのかを肉牛農家まで遡って追跡するのは容易ではない。2.HACCPの手法を取り入れた工場では、工場自体の安全性を認めることはできるが、その工場で生産された個々の商品の安全性までは保証できない。
【0007】HACCPの認定を受けた工場で製造される牛乳の場合を想定する。その工場がタンクを毎日洗浄するとの前提でHACCPの認定を受けたとしても、例えば洗浄の責任者の休暇などの理由によりタンクの洗浄が行われない日の発生が考えられる。従って、タンクの洗浄が行われなかった日に製造された牛乳については、HACCPマークが表示されていたとしても安全であるとは限らない。
【0008】また、原材料の仕入れや、商品の流通及び販売の際に予め定められた保存温度が守られない可能性もある。そのような場合には、牛乳などの商品にHACCPマークが表示されていたとしても安全であるとは限らない。3.HACCPでは、温度センサなどの計測値を所定の記録システムで記録して温度管理を行う。しかし、実際のシステムの操作や管理についてはコンピュータの専門家ではない食品業界の作業者が行っているのが実情である。このため、作業の効率が低くシステムの運用に大きな作業コストがかかるのは避けられない。
【0009】4.小売業者などにおける商品の管理においては、表示される商品の情報の信頼性は各々の業者の人間性によって決まるので、表示された情報が常に正しいとは限らない。例えば、実際には和歌山産のみかんを愛媛産のみかんとして故意に誤った表記を付けて販売し、不当な利益を上げてしまう販売業者が存在するのも否定できない。
【0010】このため、商品を購入しようとする消費者などは、各々の商品の安全性などの特性を正しく知ることができない。本発明は、商品の安全性などの物品情報を消費者などに正しく伝えることが可能な物品情報管理方法及び物品情報管理装置並びに物品情報管理プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1は、商品などの物品及びその材料あるいは原料となる物品の情報を管理するための物品情報管理方法であって、物品情報の提供者に対して、各々の物品に関して行われる作業の内容並びに前記作業の内容に関する安全性の基準を規定する安全基準情報の入力を促し、物品情報の提供者から入力された作業の内容及び安全基準情報を記憶手段に記憶し、物品情報の提供者に対して、物品の識別情報及びその物品の安全性と関連のある作業情報の入力を促し、物品情報の提供者から入力された物品の識別情報及び作業情報を互いに関連付けて記憶手段に記憶し、物品情報の利用者に対して、該当する物品の識別情報の入力を促し、物品情報の利用者から入力された前記識別情報に対応する特定の物品に関する前記作業情報及び安全基準情報を前記記憶手段から読み出し、読み出された前記作業情報と安全基準情報とを比較して該当する物品の安全性の評価を行い、物品情報の利用者に対して、入力された前記識別情報に対応する物品の情報をその物品の安全性の評価結果とともに与えることを特徴とする。
【0012】請求項1では、仕入れ,加工,流通,販売等の各過程の業者において行うべき作業の内容とそれに関連する安全基準情報とを、例えばサービス提供会社のサーバに予め登録しておくことができる。安全基準情報は、作業の内容に関する安全性の基準を規定するものである。従って、実際の作業の内容を表す作業情報を登録された安全基準情報と比較することにより、作業の内容が安全であるか否かを識別することができる。このため、作業の結果として出荷あるいは販売される商品などの物品が安全であるか否かを表す評価結果を、消費者や購入側の会社に提供することができる。
【0013】請求項2は、請求項1の物品情報管理方法において、前記記憶手段に登録される作業の内容及び安全基準情報の少なくとも一方について、情報の内容に関する承認の項目を付加しておき、前記承認の項目については初期状態で未承認の状態に定めておき、予め登録された特定の承認者からの入力によって承認情報が入力された場合に前記承認の項目に承認済みの情報を登録することを特徴とする。
【0014】請求項2においては、前記承認の項目を参照することにより、登録された作業の内容や安全基準情報が信頼できるものか否かを判断することができる。前記承認の項目に対する承認済みの登録については、予め登録された特定の承認者によって行われるため、情報提供者と利害関係のない第三者を承認者として割り当てることにより、情報の信頼性を確保できる。
【0015】請求項3は、商品などの物品及びその材料あるいは原料となる物品の情報を管理するための物品情報管理方法であって、物品情報の提供者に対して、少なくとも出荷する物品を特定する出荷物品情報,出荷する物品の材料もしくは原料となった仕入れ物品を特定する仕入れ物品情報及び仕入れ物品の利用率の情報を含む物品利用情報の入力を促し、物品情報の提供者から入力された物品利用情報を記憶手段に記憶し、仕入れ物品が発生した時もしくは仕入れ物品が購入された時に前記仕入れ物品の情報の正当性を示すクーポンを物品の所有者もしくは購入者に対して発行するとともに前記クーポンの情報を記憶し、物品が売却されたときに、売却者に割り当てられた該当する物品のクーポンを取引量に応じて償却し、物品情報の利用者に対して、該当する物品の識別情報の入力を促し、物品情報の利用者から入力された識別情報に対応する特定の物品について前記クーポンの情報を読み込み、売却者に割り当てられた前記クーポンの取引残量に基づいて該当する物品情報の正当性を評価し、物品情報の利用者に対して、前記識別情報に対応する物品の情報を物品情報の正当性の評価結果とともに与えることを特徴とする。
【0016】商品などの物品は、仕入れ,加工,流通,販売等の様々な業者を経て消費者の手に渡ることになる。また、複数の業者の間を通る間に仕入れた原料や材料は分割されたり組み合わせられて商品として出荷される。従って、複数の業者の間を通ると原料や材料の出所が不明確になる。請求項3においては、出荷する物品を特定する出荷物品情報,出荷する物品の材料もしくは原料となった仕入れ物品を特定する仕入れ物品情報及び仕入れ物品の利用率の情報を含む物品利用情報を登録しておくことができるので、この物品利用情報を参照することにより物品の原料や材料の出所を調べることができる。
【0017】また、請求項3では原料や材料の利用状況をクーポンにより管理し、売買などによって物品の受け渡しを行う際には取引量に応じてクーポンの発行及び償却を行う。これにより、複数の業者間で物品の受け渡しを行う場合でも実在する物品や原材料の量をその連続性が維持されるようにクーポンの量で管理することができる。すなわち、クーポンにより仕入れ物品の情報の正当性を把握することができる。
【0018】例えば、販売者がその業者に割り当てられた当該物品のクーポンの取引残量よりも多くの物品を販売しようとしている場合には、クーポンの取引残量を超えた分の物品については出所が不明であり、提供される物品情報の正当性は確認できないと判断できる。クーポンとして記録する情報については、前記物品利用情報に基づいて作成することができる。
【0019】請求項4は、請求項3の物品情報管理方法において、前記記憶手段に登録される物品利用情報に、その内容に関する承認の項目を付加しておき、前記承認の項目については初期状態で未承認の状態に定めておき、予め登録された特定の承認者からの入力によって承認情報が入力された場合に前記承認の項目に承認済みの情報を登録することを特徴とする。
【0020】請求項4においては、前記承認の項目を参照することにより、登録された物品利用情報が信頼できるものか否かを判断することができる。前記承認の項目に対する承認済みの登録については、予め登録された特定の承認者によって行われるため、情報提供者と利害関係のない第三者を承認者として割り当てることにより、情報の信頼性を確保できる。
【0021】請求項5は、商品などの物品及びその材料あるいは原料となる物品の情報を管理するための物品情報管理装置であって、各々の物品に関して行われる作業の内容並びに前記作業の内容に関する安全性の基準を規定する安全基準情報を入力するための第1の入力制御手段と、入力された作業の内容及び安全基準情報を記憶するための第1の記憶手段と、物品の識別情報及びその物品の安全性と関連のある作業情報を入力するための第2の入力制御手段と、入力された物品の識別情報及び作業情報を互いに関連付けて記憶する第2の記憶手段と、物品情報の利用者からの物品の識別情報を入力するための第3の入力制御手段と、入力された識別情報に対応する特定の物品の作業情報及び安全基準情報を前記記憶手段から読み出し、前記作業情報と安全基準情報とを比較して該当する物品の安全性の評価を行う安全性評価手段と、物品情報の利用者に対して、入力された前記識別情報に対応する物品の情報をその物品の安全性の評価結果とともに与える物品情報出力手段とを設けたこと特徴とする。
【0022】請求項5の物品情報管理装置を用いることにより、請求項1の物品情報管理方法を実施することができる。請求項6は、商品などの物品及びその材料あるいは原料となる物品の情報を管理するための物品情報管理装置であって、少なくとも出荷する物品を特定する出荷物品情報,出荷する物品の材料もしくは原料となった仕入れ物品を特定する仕入れ物品情報及び仕入れ物品の利用率の情報を含む物品利用情報を入力するための第1の入力制御手段と、入力された前記物品利用情報を記憶するための記憶手段と、仕入れ物品が発生した時もしくは仕入れ物品が購入された時に前記仕入れ物品の情報の正当性を示すクーポンを物品の所有者もしくは購入者に対して発行するとともに前記クーポンの情報を記憶するクーポン発行手段と、物品が売却されたときに、売却者に割り当てられた該当する物品のクーポンを取引量に応じて償却するクーポン償却手段と、物品情報の利用者からの物品の識別情報を入力するための第2の入力制御手段と、物品情報の利用者から入力された識別情報に対応する特定の物品について前記クーポンの情報を読み込み、売却者に割り当てられた前記クーポンの取引残量に基づいて該当する物品情報の正当性を評価する正当性評価手段と、物品情報の利用者に対して、前記識別情報に対応する物品の情報を物品情報の正当性の評価結果とともに与える物品情報出力手段とを設けたこと特徴とする。
【0023】請求項6の物品情報管理装置を用いることにより、請求項3の物品情報管理方法を実施することができる。請求項7は、商品などの物品及びその材料あるいは原料となる物品の情報を管理するための物品情報管理プログラムを記録した記録媒体であって、前記物品情報管理プログラムに、物品情報の提供者に対して、各々の物品に関して行われる作業の内容並びに前記作業の内容に関する安全性の基準を規定する安全基準情報の入力を促す手順と、物品情報の提供者から入力された作業の内容及び安全基準情報を記憶手段に記憶する手順と、物品情報の提供者に対して、物品の識別情報及びその物品の安全性と関連のある作業情報の入力を促す手順と、物品情報の提供者から入力された物品の識別情報及び作業情報を互いに関連付けて記憶手段に記憶する手順と、物品情報の利用者に対して、該当する物品の識別情報の入力を促す手順と、物品情報の利用者から入力された前記識別情報に対応する特定の物品に関する前記作業情報及び安全基準情報を前記記憶手段から読み出す手順と、読み出された前記作業情報と安全基準情報とを比較して該当する物品の安全性の評価を行う手順と、物品情報の利用者に対して、入力された前記識別情報に対応する物品の情報をその物品の安全性の評価結果とともに与える手順とを設けたこと特徴とする。
【0024】請求項7の記録媒体に記録した物品情報管理プログラムを所定のコンピュータシステムで実行することにより、請求項1の物品情報管理方法を実施することができる。請求項8は、商品などの物品及びその材料あるいは原料となる物品の情報を管理するための物品情報管理プログラムを記録した記録媒体であって、前記物品情報管理プログラムに、物品情報の提供者に対して、少なくとも出荷する物品を特定する出荷物品情報,出荷する物品の材料もしくは原料となった仕入れ物品を特定する仕入れ物品情報及び仕入れ物品の利用率の情報を含む物品利用情報の入力を促す手順と、物品情報の提供者から入力された物品利用情報を記憶手段に記憶する手順と、仕入れ物品が発生した時もしくは仕入れ物品が購入された時に前記仕入れ物品の情報の正当性を示すクーポンを物品の所有者もしくは購入者に対して発行するとともに前記クーポンの情報を記憶する手順と、物品が売却されたときに、売却者に割り当てられた該当する物品のクーポンを取引量に応じて償却する手順と、物品情報の利用者に対して、該当する物品の識別情報の入力を促す手順と、物品情報の利用者から入力された識別情報に対応する特定の物品について前記クーポンの情報を読み込み、売却者に割り当てられた前記クーポンの取引残量に基づいて該当する物品情報の正当性を評価する手順と、物品情報の利用者に対して、前記識別情報に対応する物品の情報を物品情報の正当性の評価結果とともに与える手順とを設けたことを特徴とする。
【0025】請求項8の記録媒体に記録した物品情報管理プログラムを所定のコンピュータシステムで実行することにより、請求項3の物品情報管理方法を実施することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の物品情報管理方法及び物品情報管理装置並びに物品情報管理プログラムを記録した記録媒体の1つの実施の形態について、図1〜図33を参照して説明する。この形態は全ての請求項に対応する。
【0027】図1は商品及び情報の流れの例を示すブロック図である。図2はサービス提供会社のサーバの構成を示すブロック図である。図3は顧客各社の処理装置の構成を示すブロック図である。図4は受取POS(Point of Sales)の構成を示すブロック図である。図5は送信POSの構成を示すブロック図である。図6は情報閲覧POSの構成を示すブロック図である。図7は商品の構成例を示す斜視図である。
【0028】図8はデータ例(生産地の場合1)を示す模式図である。図9はデータ例(生産地の場合2)を示す模式図である。図10はデータ例(加工流通業の場合1)を示す模式図である。図11はデータ例(加工流通業の場合2)を示す模式図である。図12はデータ例(小売業の場合1)を示す模式図である。図13はデータ例(小売業の場合2)を示す模式図である。図14は商品情報DB(データベースの略、以下同様)のデータ例を示す模式図である。図15は商品管理DBのデータ例(小売業の場合)を示す模式図である。
【0029】図16は販売商品情報例(産地の場合の送信POSでの送信情報)を示す模式図である。図17は買入情報の例1(流通の場合の受信POSでの受信情報)を示す模式図である。図18は買入情報の例2(消費者の情報閲覧POSでの受信情報)を示す模式図である。図19は購入時情報の例(流通の場合)を示す模式図である。図20は商品発生時情報の例(産地の場合)を示す模式図である。
【0030】図21は顧客及びサービス提供会社の処理の流れを示すブロック図である。図22は認証及びメニュー送信の手続きを示すシーケンス図である。図23は作業内容の登録手続きを示すシーケンス図である。図24は安全基準情報の登録手続きを示すシーケンス図である。図25は商品利用情報の登録手続きを示すシーケンス図である。図26は作業内容,安全基準情報,商品利用情報の修正手続きを示すシーケンス図である。
【0031】図27は登録情報の承認手続きを示すシーケンス図である。図28は作業情報の蓄積手続きを示すシーケンス図である。図29は商品の受け渡し手続き(1)を示すシーケンス図である。図30は商品の受け渡し手続き(2)を示すシーケンス図である。図31は情報の閲覧手続き(1)を示すシーケンス図である。図32は情報の閲覧手続き(2)を示すシーケンス図である。図33は商品の発生手続きを示すシーケンス図である。
【0032】この形態では、請求項5の第1の入力制御手段,第1の記憶手段,第2の入力制御手段,第2の記憶手段,第3の入力制御手段,安全性評価手段及び物品情報出力手段は、それぞれ入力制御部20(C5,D5),作業内容DB31(安全基準情報DB34),入力制御部20(H9〜H11,H14),作業情報DB32,入力制御部20(J11),安全評価部25(J15)及び出力制御部30(J20)に対応する。
【0033】また、請求項6の第1の入力制御手段,記憶手段,クーポン発行手段,クーポン償却手段,第2の入力制御手段,正当性評価手段及び物品情報出力手段は、それぞれ入力制御部20(E5,E9),商品利用情報DB36,クーポン発行償却部27(J31,J32),クーポン発行償却部27(J29,J30),入力制御部20(J11),クーポン評価部28(J17,J18)及び出力制御部30(J20)に対応する。
【0034】この例では、図1に示すような形態で商品の情報を管理する場合を想定している。ある商品が消費者の手元に届くまでには、商品の原材料の産地,流通,小売りなどの各過程に存在する複数の会社を順次に経由することになる。これらの複数の会社が扱う商品の情報を、この例では1つのサービス提供会社のサーバ2で一括して管理している。また、商品を仕入れる会社や消費者に対しては、商品の安全性などを保証するための情報をサーバ2が提供する。
【0035】図1の例では、商品が産地のA社から流通のB社に渡り、B社から小売りのC社に渡り、C社から消費者に渡る場合が示されている。情報の入力やサーバ2との通信のためにA社,B社,C社には,処理装置4がそれぞれ設けられている。各社の処理装置4とサーバ2との間は通信網3で接続されている。この例では、サーバ2において各社の商品毎の在庫量を把握するためにクーポン券(情報)の発行及び償却を行う。
【0036】図1に示すように、A社に新たな商品が発生した場合には、A社の処理装置4(A)に接続された受取POS12からサーバ2に対して商品発生情報及び商品ID(識別情報)が送信される。この情報を受け取ると、サーバ2はA社のクーポン券を発行し、その番号を受取POS12に通知する。A社が商品をB社に販売しようとする時には、保証を求めるためにA社の処理装置4(A)に接続された送信POS11からサーバ2に対して、販売する商品のクーポン券の番号及び商品IDを送信する。この情報を受け取ると、サーバ2は当該商品に関する安全評価及び出所評価を行い、その結果をA社の安全証明書及び出所証明としてB社の受取POS12に送信する。
【0037】B社がA社から商品を購入(仕入れ)した場合には、購入情報及び商品IDを処理装置4(B)からサーバ2に送信する。この場合、サーバ2はB社が購入した商品についてクーポン券を発行する。同時に、A社からB社に渡った商品の取引量に対応する分だけ、A社の商品のクーポン券を償却する。B社の受取POS12には、発行されたクーポン券の番号がサーバ2から通知される。
【0038】上記と同様に、B社が商品をC社に販売しようとする時には、保証を求めるためにB社の処理装置4(B)に接続された送信POS11からサーバ2に対して、販売する商品のクーポン券の番号及び商品IDを送信する。この情報を受け取ると、サーバ2は当該商品に関する安全評価及び出所評価を行い、その結果をB社の安全証明書及び出所証明としてC社の受取POS12に送信する。
【0039】C社がB社から商品を購入(仕入れ)した場合には、購入情報及び商品IDを処理装置4(C)からサーバ2に送信する。この場合、サーバ2はC社が購入した商品についてクーポン券を発行する。同時に、B社からC社に渡った商品の取引量に対応する分だけ、B社の商品のクーポン券を償却する。C社の受取POS12には、発行されたクーポン券の番号がサーバ2から通知される。
【0040】また、C社が商品を消費者に販売しようとする時には、保証を求めるためにC社の処理装置4(C)に接続された送信POS11からサーバ2に対して、販売する商品のクーポン券の番号及び商品IDを送信する。この情報を受け取ると、サーバ2は当該商品に関する安全評価及び出所評価を行い、その結果をC社の安全証明書及び出所証明として消費者の情報閲覧POS13に送信する。
【0041】消費者がC社から商品を購入した場合には、その商品の購入情報が消費者の情報閲覧POS13からサーバ2に通知される。この場合、サーバ2はC社から消費者に渡った商品の取引量に対応する分だけ、C社の商品のクーポン券を償却する。図2に示すように、サービス提供会社のサーバ2は、入力制御部20,認証制御部21,情報蓄積解析部22,情報登録検索部23,暗号解読部24,安全評価部25,商品情報検索部26,クーポン発行償却部27,クーポン評価部28,証明書発行部29,出力制御部30,作業内容DB31,作業情報DB32,商品情報DB33,安全基準情報DB34,クーポン券DB35及び商品利用情報DB36を備えている。
【0042】実際には、サーバ2はコンピュータのハードウェアと所定の管理サービスを提供するためのプログラムとで構成されている。プログラムは、例えばCD−ROMのような記録媒体に予め記憶されている。最初にサーバ2を起動する場合には、記録媒体からプログラムの情報を読み込んでコンピュータに組み込み、そのプログラムを実行する。
【0043】なお、サーバ2の一部の機能もしくは全体の機能を専用のハードウェアで実現することも可能である。図2において、入力制御部20は、各社の処理装置4との間で情報の入出力を制御する。認証制御部21は、サーバ2に対するアクセス者や相手の端末の認証を行う。情報蓄積解析部22は、各社の処理装置4から入力された様々な情報を蓄積し解析して各部に振り分けて出力する。
【0044】また、情報登録検索部23は入力された情報を各種DBに登録するとともに検索を行う。暗号解読部24は、入力された暗号の解読を行う。安全評価部25は、各種DBに登録された情報に基づいて商品の安全性の評価を行う。商品情報検索部26は、流通する商品情報のトラッキングを行う。クーポン発行償却部27は、商品の在庫量を管理するために各社の商品毎にクーポン券の発行及び償却を行う。クーポン評価部28は、クーポン券の残量に基づいて商品情報の正当性を評価する。証明書発行部29は、商品の安全性や情報の正当性に関する証明書を発行する。出力制御部30は、各種情報や証明書の情報を出力する。
【0045】作業内容DB31は、商品の加工などに関する作業内容の情報を蓄積する。作業情報DB32は、実際に行った作業の内容を示す情報を蓄積する。商品情報DB33は、商品の売買に関する情報を蓄積する。安全基準情報DB34は、作業の安全性の基準となる情報を蓄積する。クーポン券DB35は、商品のクーポン券の情報を蓄積する。商品利用情報DB36、各工程での商品の利用状況を表す情報を蓄積する。
【0046】この例で扱う商品は、例えば図7に示すように構成される。図7の例では、商品内容物40は箱のような商品梱包物42で梱包されている。また商品梱包物42の表面には商品情報保持媒体41が付加されている。商品情報保持媒体41には、商品内容物40を表す情報(商品毎の商品IDのリストなど)がバーコードの形式で記録されている。
【0047】また、サービス提供会社の顧客である各社(A社,B社,C社)の処理装置4は図3のように構成されている。図3を参照すると、実際に商品が扱われる作業現場50には、時間情報出力装置51,GPS受信装置52,作業情報読み取り装置53及び商品情報読み取り装置54が設けられている。
【0048】時間情報出力装置51は、日時の情報を出力する回路を内蔵しており、各作業の開始日時及び終了日時の情報を出力する。GPS受信装置52は、GPS衛星からの電波を受信して作業現場の位置を表す情報を出力する。作業情報読み取り装置53は、作業現場50に配置された様々なセンサで構成されており、作業現場50の温度や湿度などの作業環境に関する情報を出力する。商品情報読み取り装置54は、商品に付加された商品情報保持媒体41(図7参照)からそれに記録された情報を読み取る。
【0049】作業現場50の時間情報出力装置51,GPS受信装置52,作業情報読み取り装置53,商品情報読み取り装置54は、管理室内に配置されたコンピュータ55に対して情報を送信する。コンピュータ55の内部には、暗号化処理部61,商品管理部62,商品ID発行部63,発行クーポン番号蓄積部64,作業情報蓄積部65,情報登録部66,商品管理DB67及び入出力装置10が備わっている。
【0050】実際には、コンピュータ55はハードウェアと所定の管理サービスを提供するためのプログラムとで構成されている。プログラムは、例えばCD−ROMのような記録媒体に予め記憶されている。最初にコンピュータ55を起動する場合には、記録媒体からプログラムの情報を読み込んでコンピュータ55に組み込み、そのプログラムを実行する。なお、コンピュータ55内部の一部の機能もしくは全体の機能を専用のハードウェアで実現することも可能である。
【0051】図3において、暗号化処理部61は入力された情報を暗号化する。商品管理部62は、商品情報に基づいて商品の管理を行う。商品ID発行部63は、それぞれの商品について商品IDの発行を行う。発行クーポン番号蓄積部64は、発行されたクーポンの番号を一時的に蓄積しておく。作業情報蓄積部65は、発生した作業情報を一時的に蓄積しておく。情報登録部66は、各種情報の登録を行う。商品管理DB67は、商品の情報を蓄積する。
【0052】また、コンピュータ55は受取POS12,送信POS11,情報閲覧POS13及び入出力装置10を介して外部との間で情報の入出力や通信を行う。受取POS12は、図4に示すように商品情報読み込み部70,情報表示部71,情報蓄積部72,情報入力部73,情報解析部74及び入出力制御部75を備える端末装置である。
【0053】商品情報読み込み部70は、バーコードリーダのように商品に付加された商品情報保持媒体41からそれに記録された商品情報を読み取るための装置である。情報表示部71は、商品情報読み込み部70が読み取った商品情報や通信網3を介してサーバ2から送信される情報を表示しそれらの情報を操作者に伝えるために利用される。情報蓄積部72は、商品情報読み込み部70が読み取った商品情報や通信網3を介してサーバ2から送信される情報を一時的に保持するために利用される。情報入力部73は、キーボードのように操作者が情報を入力するために利用される入力装置である。情報解析部74は、各部から入力された情報の内容を解析する。入出力制御部75は、サーバ2との間で通信するための通信インタフェースである。
【0054】送信POS11は、図5に示すように商品情報読み込み部80,情報表示部81,情報蓄積部82,情報入力部83,情報解析部84及び出力制御部85を備える端末装置である。商品情報読み込み部80は、バーコードリーダのように商品に付加された商品情報保持媒体41からそれに記録された商品情報を読み取るための装置である。情報表示部81は、商品情報読み込み部80が読み取った商品情報や通信網3を介してサーバ2から送信される情報を表示しそれらの情報を操作者に伝えるために利用される。情報蓄積部82は、商品情報読み込み部80が読み取った商品情報や通信網3を介してサーバ2から送信される情報を一時的に保持するために利用される。情報入力部83は、キーボードのように操作者が情報を入力するために利用される入力装置である。情報解析部84は、各部から入力された情報の内容を解析する。出力制御部85は、サーバ2との間で通信するための通信インタフェースである。
【0055】情報閲覧POS13は、図6に示すように商品情報読み込み部90,情報表示部91,情報蓄積部92及び入出力制御部93を備える端末装置である。商品情報読み込み部90は、バーコードリーダのように商品に付加された商品情報保持媒体41からそれに記録された商品情報を読み取るための装置である。情報表示部91は、商品情報読み込み部90が読み取った商品情報や通信網3を介してサーバ2から送信される情報を表示しそれらの情報を操作者に伝えるために利用される。情報蓄積部92は、商品情報読み込み部90が読み取った商品情報や通信網3を介してサーバ2から送信される情報を一時的に保持するために利用される。入出力制御部93は、サーバ2との間で通信するための通信インタフェースである。
【0056】次に、各部で扱うデータの例について説明する。ここでは、具体例として松阪牛が産地で発生し、その肉が加工業者でスライスされ、小売り業者で消費者に販売されるまでの流通過程を想定している。図8,図9には、サービス提供会社の顧客が生産地の業者である場合に管理されるデータの例が示されている。データの種類としては、図8に示す「作業内容」,「安全基準情報」,「作業情報」と図9に示す「商品利用情報」,「クーポン券情報」とがある。
【0057】実際には、これらの「作業内容」,「安全基準情報」,「作業情報」,「商品利用情報」及び「クーポン券情報」は、それぞれサーバ2の作業内容DB31,安全基準情報DB34,作業情報DB32,商品利用情報DB36及びクーポン券DB35(図2参照)に蓄積される。同様に、図10,図11には、サービス提供会社の顧客が加工流通業者である場合に管理されるデータの例が示されている。データの種類としては、図10に示す「作業内容」,「安全基準情報」,「作業情報」と図11に示す「商品利用情報」,「クーポン券情報」とがある。
【0058】また、図12,図13には、サービス提供会社の顧客が小売り業者である場合に管理されるデータの例が示されている。データの種類としては、図12に示す「作業内容」,「安全基準情報」,「作業情報」と図13に示す「商品利用情報」,「クーポン券情報」とがある。作業内容DB31に蓄積される「作業内容」の各レコードは、各商品の作業毎に与えられる。「作業内容」の項目としては、図8,図10,図12に示すように顧客ID,作業ID,承認項目,作業名目,作業場所,作業毎の作業番号及び作業毎の記録項目が含まれている。
【0059】顧客IDは、各顧客がサービス提供会社(サーバ2を運営する会社)のサービスに加入する際にサービス提供会社から発行される。作業IDは、各作業を登録する際に作業毎に発行される。承認項目は、それぞれの作業が承認されているか否かを表す。
【0060】また、安全基準情報DB34に蓄積される「安全基準情報」の各レコードは、各商品の作業毎に与えられる。「安全基準情報」の項目としては、図8,図10,図12に示すように顧客ID,作業ID,承認項目,作業名目,作業場所及び作業番号毎の安全基準(制約)の項目が含まれている。例えば、図8の例では、「安全基準情報」の作業No.1に対する安全基準の項目に「飼料安全性は中以上」として定めてあるので、「作業内容」で定められた作業No.1の作業項目の「餌やり」の「飼料の安全性評価結果」については飼料の安全性が中以上であれば安全とみなすことができる。
【0061】また、作業情報DB32に蓄積される「作業情報」の各レコードは、各商品の作業毎に与えられる。「作業情報」の項目としては、図8,図10,図12に示すように顧客ID,作業ID,作業名目,商品ID,作業場所,作業開始日時,作業終了日時及び作業番号毎の実際に検出された作業情報の項目が含まれている。「作業情報」の内容は、各顧客の作業現場50に設置された各装置(図3参照)から入力される情報に基づいて記録される。すなわち、商品情報読み取り装置54が商品から読み取った商品ID,時間情報出力装置51が出力する日時の情報,GPS受信装置52が出力する位置情報及び作業情報読み取り装置53が出力する温度などの情報を利用して「作業情報」が生成される。
【0062】商品利用情報DB36に蓄積される「商品利用情報」の各レコードは、各顧客が扱う商品毎に与えられる。「商品利用情報」の項目としては、図9,図11,図13に示すように顧客ID,仕入れ商品コード,仕入れ商品名,承認項目,出荷商品コード,出荷商品名,利用率及び年間発生数の項目が含まれている。仕入れ商品コード及び仕入れ商品名は、商品に利用された原材料などのコード及び名称を表す。出荷商品コード及び出荷商品名は、出荷する商品のコード及び名称を表す。利用率は、仕入れ商品が出荷する商品にどれだけの割合で利用されているかを表す。
【0063】クーポン券DB35に蓄積される「クーポン券情報」の各レコードは、各顧客が扱う商品毎に与えられる。「クーポン券情報」の項目としては、図9,図11,図13に示すようにクーポンNo.,顧客ID,商品コード,商品ID,商品名,商品の発生日,商品の発生理由,商品の量及び仕入先商品IDの項目が含まれている。
【0064】「クーポン券情報」のクーポンNo.は、商品の購入時(あるいは発生時)に与えられる番号である。商品IDは、それぞれのクーポン券に対応する商品の識別情報であり、出荷時に求められる。仕入先商品IDは、商品の原材料などの仕入先における商品IDを表す。また、サーバ2の商品情報DB33には、例えば図14に示すような「商品情報」のデータが蓄積される。「商品情報」の各レコードは、売却された商品毎に与えられる。
【0065】「商品情報」の項目としては、顧客ID,商品ID,売却先顧客ID,売却先商品ID,仕入先顧客ID及び仕入先商品IDが含まれている。これらの情報は商品の出荷時に求められる。一方、各顧客の処理装置4に備わった商品管理DB67には、例えば図15に示すようなデータ(小売業の場合)が保持される。すなわち、商品毎の商品IDとそれに対応付けられたクーポン券No.との対応関係を表すデータが保持されている。
【0066】また、例えば産地の業者の処理装置4に接続された送信POS11から送信される販売商品情報は、図16のように構成される。販売商品情報の各レコードは、販売する商品毎に与えられる。販売商品情報の項目としては、図16に示すように顧客ID,取引先ID,取引先POS,商品コード,商品ID,商品名,商品の量及び使用クーポンNo.が含まれている。
【0067】取引先IDは、取引先の顧客IDを表す。取引先POSは取引先が利用している受取POS12の識別情報を表す。一方、加工業者及び流通業者において商品を確認する際の受取POS12での受信情報(買入情報)は、図17のように構成される。また、消費者が商品を確認する際の情報閲覧POS13での受信情報(買入情報:追跡情報あり)は、図18のように構成される。
【0068】買入情報の各レコードは、買入側が買いたいと思う商品毎に与えられる。買入情報の項目としては、図17に示すように顧客ID,取引先ID,商品ID,商品名,商品の量,安全性,真贋性及び証明番号が含まれている。取引先IDは取引先の顧客IDを表す。安全性の項目は、該当する商品が安全か否かを評価した結果を表す。真贋性の項目は、与えられた商品の情報の正当性を評価した結果を表す。証明番号は、安全性及び真贋性の評価に対して発行される番号を表す。
【0069】また、図18に示すように消費者が受け取る買入情報には追跡情報が含まれている。図18の例では、追跡情報を参照することにより、該当する商品が流通した経路の各顧客IDが「C0003」,「C0002」,「C0001」であることが判明しているので、商品の流通経路を産地まで遡って追跡することができる。
【0070】また、加工流通業の顧客において商品購入時に受取POS12で受信する購入時情報は、例えば図19のように構成される。この購入時情報の各レコードは、購入を決定した商品毎に与えられる。購入時情報の項目としては、図19に示すように顧客ID,取引先ID,商品コード,商品ID,商品名,商品の量,使用クーポンNo.及び新商品IDが含まれている。
【0071】取引先IDは、取引先の顧客IDを表す。新商品IDは、購入した時点で予測されて付与される新しい商品IDを表す。また、産地で商品が発生した場合には図20に示すような商品発生時情報が、産地の処理装置4に接続された受取POS12から送信される。この商品発生時情報の各レコードは、発生した商品毎に与えられる。商品発生時情報の項目としては、図20に示すように顧客ID,商品コード,新商品ID,商品名及び商品の発生日が含まれている。
【0072】また、商品の商品情報保持媒体41に記録される情報のレコードは、図7に示すように商品梱包物42毎に与えられる。この情報の項目としては、商品梱包物42に含まれる商品(原料など)が加工されて未来の商品(加工物)になった時点での商品ID,商品名,原材料の識別情報などが含まれている。各顧客の処理装置4及びサービス提供会社のサーバ2を用いて行われる処理の流れの概略を示すと図21のようになる。図21に示す各ステップの内容の概略は次の通りである。
【0073】A1:各顧客における作業者の入力操作により、前述の「作業内容」,「安全基準情報」,「商品利用情報」が入力され、それらの情報がサーバ2に登録される。
A2:ステップA1が終了した後で、予め登録されたサービス提供会社の承認担当者の入力操作に従って、サーバ2に登録された各種情報の承認項目の状態が決定される。承認された場合には次のステップA3,A4,A5の処理に進む。不承認の場合にはステップA1に戻る。
【0074】A3:サーバ2に登録した情報に変更が生じた場合に、各顧客における作業者の入力操作に従って登録された情報の修正を行う。修正した場合には、ステップA4,A5を中止してA2に進む。
A4:各商品に関する作業についての情報が計測され、それらの情報がサーバ2へ転送され蓄積される。
【0075】A5:売買の際の商品の受け渡しに伴う様々な処理を行う。
A6:商品の発生に伴う様々な処理を行う。
A7:ある商品の現地点から産地までの管理情報の閲覧に関する処理を行う。次に、具体的な処理の内容について図22〜図33を参照して説明する。図22に示す手続きにおいては、情報入力者に関する認証及び情報の入力に利用されるメニュー画面の送信処理が行われる。
【0076】産地,流通,小売りの各社(サービス提供会社の顧客)は、処理装置4の入出力装置10を用いて入力操作を行い、サーバ2にアクセスする。この処理がステップ図22のB1で行われる。サーバ2においては、入力制御部20を介して外部からのアクセスを受け付けるとともに、認証制御部21に対してアクセス者の認証のために必要な情報を要求する。そして、サーバ2は所定の顧客情報入力画面の情報を処理装置4に送信する(B2)。
【0077】顧客の入出力装置10においては、サーバ2からの顧客情報入力画面の情報を受信してその画面を表示する(B3)。産地,流通,小売りの各社の作業者が入出力装置10を利用して顧客情報(顧客IDやパスワード)を入力すると(B4)、その顧客情報がサーバ2に送信される(B5)。
【0078】サーバ2は、処理装置4からの顧客情報を受信すると(B6)、認証制御部21を用いて顧客の認証を行う(B7)。すなわち、アクセス者が予め登録された顧客であるか否かを識別する。認証結果がOKの場合には、サーバ2は所定のメニュー画面の情報を顧客の処理装置4に送信する(B8)。顧客の処理装置4においては、サーバ2からのメニュー画面の情報を受信するとその画面を入出力装置10で表示する(B9)。
【0079】認証結果がNGの場合には、サーバ2は認証失敗画面の情報をアクセス者に送信する。顧客の処理装置4においては、認証失敗画面の情報を受信するとそれを表示して処理を終了する。図21のステップA1に相当する処理の詳細が図23,図24,図25に示されている。図23は「作業内容」を登録する場合の手続きであり、図24は「安全基準情報」を登録する場合の手続きであり、図25は「商品利用情報」を登録する場合の手続きである。
【0080】ステップB9で表示されたメニュー画面に対して顧客の顧客の作業者が入力操作を行い、「作業内容登録」のメニューを選択すると(C2)、その選択状態を示す情報が処理装置4からサーバ2に送信される(C3)。サーバ2においては、「作業内容登録」のメニューが選択されたことを示す情報を受信すると(C4)、所定の作業内容入力画面の情報を処理装置4に送信する(C5)。
【0081】処理装置4においては、作業内容入力画面の情報を受信するとその画面を入出力装置10で表示する(C6)。顧客の作業者が入出力装置10から前述の「作業内容」の情報を入力すると(C7)、処理装置4はその情報をサーバ2に送信する(C8)。サーバ2においては、処理装置4から送信された「作業内容」の情報を受信すると(C9)それを作業内容DB31に登録する(C10)。登録時の「作業内容」の承認項目の内容は初期状態であり「未承認」になっている。
【0082】なお、サーバ2で受信された情報の種類は図2の情報蓄積解析部22によって識別され、それぞれの情報は各部に振り分けられる。上記と同様に、ステップB9で表示されたメニュー画面に対して顧客の顧客の作業者が入力操作を行い、「安全基準情報登録」のメニューを選択すると(D2)、その選択状態を示す情報が処理装置4からサーバ2に送信される(D3)。
【0083】サーバ2においては、「安全基準情報登録」のメニューが選択されたことを示す情報を受信すると(D4)、所定の安全基準情報入力画面の情報を処理装置4に送信する(D5)。処理装置4においては、安全基準情報入力画面の情報を受信するとその画面を入出力装置10で表示する(D6)。顧客の作業者が入出力装置10から前述の「安全基準情報」を入力すると(D7)、処理装置4はその情報をサーバ2に送信する(D8)。
【0084】サーバ2においては、処理装置4から送信された「安全基準情報」を受信すると(D9)それを安全基準情報DB34に登録する(D10)。登録時の「安全基準情報」の承認項目の内容は初期状態であり「未承認」になっている。また、ステップB9で表示されたメニュー画面に対して顧客の顧客の作業者が入力操作を行い、「商品利用情報登録」のメニューを選択すると(E2)、その選択状態を示す情報が処理装置4からサーバ2に送信される(E3)。
【0085】サーバ2においては、「商品利用情報登録」のメニューが選択されたことを示す情報を受信すると(E4)、所定の商品利用情報入力画面の情報を処理装置4に送信する(E5)。処理装置4においては、商品利用情報入力画面の情報を受信するとその画面を入出力装置10で表示する(E6)。顧客の作業者が入出力装置10から前述の「商品利用情報」を入力すると(E7)、処理装置4はその情報をサーバ2に送信する(E8)。
【0086】サーバ2においては、処理装置4から送信された「商品利用情報」を受信すると(E9)それを商品利用情報DB36に登録する(E10)。登録時の「商品利用情報」の承認項目の内容は初期状態であり「未承認」になっている。図21のステップA3に相当する処理の詳細が図26に示されている。ステップB9で表示されたメニュー画面に対して顧客の顧客の作業者が入力操作を行い、「修正」のメニューを選択すると(F2)、その選択状態を示す情報が処理装置4からサーバ2に送信される(F3)。
【0087】サーバ2においては、「修正」のメニューが選択されたことを示す情報を受信すると(F4)、作業内容DB31,安全基準情報DB34又は商品利用情報DB36を検索してそれに登録された情報を取り出す(F5)。そして、サーバ2は各データベースの登録情報の内容及びそれを修正するための修正画面の情報を処理装置4に送信する(F6)。
【0088】処理装置4においては、登録情報及びそれを修正するための修正画面の情報を受信するとその画面を入出力装置10で表示する(F7)。顧客の作業者が入出力装置10から修正内容を入力すると(F8)、処理装置4はその修正結果の情報をサーバ2に送信する(F9)。サーバ2においては、処理装置4から送信された修正結果を受信すると(F10)それを各データベースに登録する(F11)。この場合、修正結果はまだ未承認であるので、各データベースの各登録情報の承認項目の内容は「未承認」になっている。
【0089】図21のステップA2に相当する処理の詳細が図27に示されている。ステップB9で表示されたメニュー画面に対して顧客の顧客の作業者が入力操作を行い、「登録情報承認」のメニューを選択すると(G2)、その選択状態を示す情報が処理装置4からサーバ2に送信される(G3)。サーバ2においては、「登録情報承認」のメニューが選択されたことを示す情報を受信すると(G4)、承認者を確認するための承認者情報入力画面の情報を処理装置4に対して送信する(G5)。
【0090】処理装置4においては、サーバ2からの承認者情報入力画面の情報を受信するとその画面を入出力装置10で表示する(G6)。実際の承認の作業については、この例ではサービス提供会社に属する予め登録された担当者が顧客の作業現場50などにおいて行う。承認者は、入出力装置10に表示された承認者情報入力画面に対してその人の予め登録された識別情報及びパスワードを承認者情報として入力する(G7)。処理装置4は承認者の入力した承認者情報をサーバ2に送信する(G8)。
【0091】サーバ2においては、顧客の処理装置4からの承認者情報を受信すると、認証制御部21に対して問い合わせを行い、予め登録された承認者の情報と一致するか否かを確認する(G4)。承認者の認証に失敗した場合には、サーバ2は認証失敗画面の情報を処理装置4に送信(G10)し、それを受信した処理装置4は認証失敗画面を入出力装置10に表示して(G11)処理を終了する。
【0092】承認者の認証に成功した場合には、サーバ2の情報登録検索部23が登録情報の検索を行い(G12)、検索結果である登録情報とともに登録情報承認画面の情報を処理装置4に対して送信する(G13)。処理装置4においては、登録情報及び登録情報承認画面の情報を受信するとそれらを入出力装置10で表示する(G14)。承認担当者は、入出力装置10に表示された登録内容を確認し、それが承認可能な内容であれば承認の入力操作を行い(G15)、承認できなければ不承認の入力を行う(G19)。
【0093】承認担当者が承認の入力を行った場合には、処理装置4は承認情報をサーバ2に送信する(G16)。承認担当者が不承認の入力を行った場合には、処理装置4は不承認情報をサーバ2に送信する(G20)。サーバ2が承認担当者からの承認情報を受信した場合には、対応する登録情報(「作業内容」,「安全基準情報」,「商品利用情報」)の承認項目の内容を「承認済」に更新する(G18)。また、サーバ2が承認担当者からの不承認情報を受信した場合には、対応する登録情報(「作業内容」,「安全基準情報」,「商品利用情報」)の承認項目の内容を「不承認」に更新する(G22)。
【0094】図21のステップA4に相当する処理の詳細が図28に示されている。図28の処理について説明する。顧客の処理装置4においては、商品情報読み取り装置54が商品情報保持媒体41から商品情報を読み取り(H1)、作業情報読み取り装置53が作業情報(温度など)を読み取り(H3)、時間情報出力装置51が時間情報の検出及び計算を行い(H4)、GPS受信装置52が場所情報(位置)の計算を行う(H5)。
【0095】時間情報出力装置51,GPS受信装置52,作業情報読み取り装置53,商品情報読み取り装置54の各情報は、暗号化処理部61で暗号化され(H6)、作業情報蓄積部65で蓄積される(H7)。作業情報蓄積部65に蓄積された情報については、時刻の計算が行われ、予め定めた送信時刻になると、顧客ID及びその顧客のパスワードが処理装置4からサーバ2に送信される(H8)。
【0096】サーバ2においては、処理装置4からの顧客ID及びパスワードを受信すると(H9)それの認証を行う(H10)。認証に失敗した場合には、認証失敗画面の情報を処理装置4に送信し(H20)、認証に成功した場合にはAckを送信する(H11)。顧客の処理装置4においては、サーバ2からのAckを受信すると(H12)、作業情報蓄積部65から暗号化された作業情報を取り出してサーバ2に送信する(H13)。
【0097】サーバ2においては、処理装置4からの暗号化された作業情報を受信すると(H14)、それを情報蓄積解析部22に一時記憶する(H15)とともに暗号解読部24に入力して暗号の解読を試みる(H18)。そして、解読された作業情報を作業情報DB32に蓄積する(H19)。図21のステップA5に相当する処理の詳細が図29,図30に示されている。図29,図30の処理について説明する。
【0098】商品の販売を行う顧客の送信POS11においては、商品情報読み込み部80が商品の商品情報保持媒体41から商品情報(商品IDを含む)を読み込む(J1)。この商品情報は情報表示部81に表示される(J2)。
【0099】送信POS11を操作する作業者が情報入力部83から送信要求を入力すると(J3)、情報解析部84が入力情報を解析しその結果として作業情報の送信要求及び商品IDが出力制御部85を介して出力される(J4)。処理装置4の作業情報蓄積部65は、作業情報の送信要求に対して、商品IDと合致する作業情報を検索し、サーバ2に送信する(J6)。
【0100】また、処理装置4の商品管理部62は、前記作業情報の送信要求をトリガーとして商品IDと合致するクーポン番号(クーポンNo.)を商品管理DB67から検索する。そして、検索したクーポン番号を送信POS11に送信する(J5)。送信POS11を操作する作業者は、送信POS11に対して取引先及び取引先POSの情報を入力する(J8)とともに、安全証明及び出所証明の発行要求を入力する(J9)。送信POS11は、例えば図16に示すような販売商品情報をサーバ2に送信する(J10)。
【0101】サーバ2においては、販売商品情報を送信POS11から受信すると(J11)、J12,J17の処理に進む。すなわち、サーバ2の安全評価部25は商品IDに合致する作業情報DB32の内容を検索し(J12)、商品IDに合致する作業内容DB31の内容を検索し(J13)、作業IDに合致する作業内容DB31の情報を検索し(J14)、検索結果の作業情報と安全基準情報とを比較して対応する商品の全ての作業が安全か否かを自動的に評価する(J15)。
【0102】安全評価部25が安全であるとみなした場合には、安全証明書を発行する(J16)。安全でないと評価した場合には、安全証明書は発行しない。また、クーポン評価部28は販売側の顧客に発行されたクーポンのクーポン番号に合致する情報の検索を行い(J17)、その検索結果を利用して出所の評価を行う(J18)。すなわち、販売される商品の量と対応するクーポンの残量とを比較する。
【0103】販売される商品の量がクーポンの残量以下である場合には、販売される商品全ての出所をクーポンで確認できるので出所証明書を発行する(J19)。もしもクーポンの残量よりも多くの商品が販売される場合には、商品の中に出所の不明なものが含まれていることになるので、出所証明書は発行しない。サーバ2は、取引先(購入側)の受取POS12に対して買入商品情報を送信する(J20)。安全証明書及び出所証明書がサーバ2の内部で発行された場合には、それらの証明書も受取POS12に送信される。
【0104】商品を購入する顧客の受取POS12においては、図30のJ21でサーバ2からの買入商品情報を受信する。この場合、受取POS12の商品情報読み込み部70が商品の商品情報保持媒体41から商品情報を読み込み(J22)、情報表示部71はサーバ2から受信した買入商品情報と商品情報読み込み部70が実際の商品から読み込んだ商品情報とを同時に画面に表示する(J23)。
【0105】受取POS12を操作する購入側の操作者は、画面に表示された情報から商品の情報を確認し購入の可否を決定する。そして、購入又は不購入の情報を入力する(J24)。不購入の場合にはそのまま処理を終了し、購入の場合には商品ID発行部63が商品管理DB67に存在しない新しい商品IDを発行し、商品情報保持媒体41の情報を書き換える(J25)。この場合、受取POS12は図19に示すような購入時情報をサーバ2に送信する(J26)。
【0106】この購入時情報を、サーバ2は購入者の購入意志として受信する(J27)。この場合、サーバ2のクーポン発行償却部27はクーポン番号をキーとしてクーポン券DB35からクーポン券のレコードを検索し(J29)、販売分に相当する量だけ販売会社に発行されたクーポン券を償却する(J30)。
【0107】また、クーポン発行償却部27は仕入れ商品名をキーとして商品利用情報DB36から情報の検索を行い(J28)、該当する「商品利用情報」の「利用率」の値に基づいて、購入会社に対してクーポン券を発行する(J31)。発行されたクーポン券はクーポン券DB35に蓄積される。また、発行されたクーポン券の番号を購入側の顧客の受取POS12に送信する(J33)。
【0108】更に、商品情報検索部26は新たに成立した売買の情報を商品情報DB33に蓄積する(J34)。この際、仕入先顧客ID,仕入先商品IDは不明であるため、新たに成立した売買情報の商品IDをキーとして、古いレコードの売却先商品IDが一致するレコードを検索し、仕入先顧客ID及び仕入先商品IDを求める。
【0109】購入側の顧客の受取POS12が、サーバ2からクーポン券の番号を受信すると(J35)、発行クーポン番号蓄積部64にその情報を蓄積し、発行した商品IDとクーポン番号とをリンクしてそれらを商品管理部62が商品管理DB67に蓄積する(J36)。図21のステップA7に相当する処理の詳細が図31,図32に示されている。図31,図32の処理について説明する。
【0110】消費者などは、商品を購入すべきか否かを決定する際に、情報閲覧POS13を用いてサービス提供会社が管理している商品の情報を閲覧することができる。商品の情報を閲覧する場合、消費者は情報閲覧POS13の商品情報読み込み部90を用いて該当する商品の商品情報保持媒体41から商品情報を読み取る(K1)。読み取られた商品情報は、情報表示部91の画面に表示される(K2)。また、消費者が商品に関する作業情報の送信要求を入力すると(K3)、作業情報の送信要求及び商品IDが入出力制御部93から出力される(K4)。
【0111】この場合、処理装置4の作業情報蓄積部65は商品IDに合致する作業情報を検索し、検索結果をサーバ2に送信する(K6)。また、処理装置4の商品管理部62は作業情報の送信要求をトリガーとして商品IDに合致するクーポン番号を商品管理DB67から検索する(K5)。このクーポン番号は、情報閲覧POS13に送信される。
【0112】消費者など情報閲覧POS13の操作者が安全証明及び出所証明の発行要求を入力すると(K7)、図16に示すような販売商品情報が情報閲覧POS13からサーバ2に送信される。サーバ2においては、販売商品情報を受信すると(K9)、K10,K15の処理に進む。この場合、安全評価部25は商品IDに合致する商品の作業情報を作業情報DB32から検索し(K10)、作業IDに合致する作業内容を作業内容DB31から検索し(K11)、作業IDに合致する安全基準情報を安全基準情報DB34から検索し、商品の各作業に関する安全評価を行う(K13)。
【0113】すなわち、検索したそれぞれの作業情報を安全基準情報と比較し、安全か否かを識別する。対応する商品の全ての作業について安全であるとみなした場合には、安全証明書を発行する(K14)。安全でないとみなした場合には、安全証明書は発行しない。また、サーバ2のクーポン評価部28はクーポン番号に合致する情報をクーポン券DB35から検索し(K15)、商品に関する出所の評価を行う(K16)。すなわち、販売される商品の量とその商品のクーポン残量とを比較する。クーポン残量が販売される商品の量以上であれば、その商品全ての出所をクーポンで確認することができるので出所証明書を発行する(K17)。もしもクーポン残量が販売される商品の量よりも少ない場合には、商品の少なくとも一部分の出所をクーポンで確認できないので、出所証明書は発行しない。
【0114】更に、サーバ2は商品情報検索部26を用いて商品情報DB33から商品の追跡情報を検索する(K18)。まず、買入情報における商品IDをキーとして各レコードの売却先商品IDを参照し、一致するレコードを検索する。次に、検索されたレコードの商品IDを再びキーとして検索する。これを繰り返すことにより追跡情報を検索できる。
【0115】具体例として、商品情報DB33に蓄積されている商品情報が図14の状態である場合を想定する。買入商品の商品IDがC−154、取引先IDがC0003である場合には、売却先商品IDがC−154であるレコードの商品IDはB−567であり、顧客IDはC0002である。また、売却先商品IDがB−567であるレコードの商品IDはA−312であり、顧客IDはC0001である。
【0116】従って、追跡結果はC0003,C−0002,C−0001になる。すなわち、この商品は顧客IDがC−0001の顧客から、顧客IDがC−0002の顧客を経由して、顧客IDがC−0003の顧客に渡っていることが追跡結果から分かる。サーバ2は、このような追跡結果を含む買入商品情報を取引先の情報閲覧POS13に送信する(K19)。
【0117】消費者の情報閲覧POS13がサーバ2からの買入商品情報を受信すると(K20)、情報表示部91は受信した買入商品情報(追跡情報あり)を表示する(K22)。消費者は、情報閲覧POS13の情報表示部91に表示された買入商品情報(追跡情報あり)を参照して購入の可否を決定する。そして、購入の可否を表す情報を情報閲覧POS13から入力する(K23)。
【0118】商品を購入する場合には、情報閲覧POS13が図19に示すような購入時情報をサーバ2に送信する(K24)。サーバ2は、情報閲覧POS13が送信した購入時情報を消費者の購入意志として受信する(K25)。また、サーバ2のクーポン発行償却部27はクーポン番号をキーとしてクーポン券DB35からレコードを検索し(K26)、売却した商品の量に相当する分だけ売却側の会社に発行されたクーポン券を償却する(K27)。
【0119】図21のステップA6に相当する処理の詳細が図33に示されている。図33の処理について説明する。産地において商品が発生した場合(L1)、処理装置4の商品ID発行部63が商品管理DB67に存在しない新しい商品IDを発行し、商品の商品情報保持媒体41に記録された情報を書き換える(L2)。また、受取POS12は図20に示すような商品発生時情報をサーバ2に送信する。
【0120】サーバ2においてはは、受取POS12から商品発生時情報を受信すると(L4)、クーポン発行償却部27が仕入れ商品名をキーとして商品利用情報DB36からの情報検索を行い(L5)「年間発生数」を得る。また、顧客ID及び発生時間をキーとしてクーポン券DB35を検索して発行済みクーポン券の量を検出する。そして、「年間発生数」と発行済みクーポン券の量とに基づいてクーポン券発行の正当性評価を行う(L6)。
【0121】クーポン券の発行が正当でない場合には、クーポン券発行が不可であることを示す情報を産地の受取POS12に送信し(L8)処理を終了する。また、クーポン券の発行が正当である場合には、クーポン券をクーポン券DB35に蓄積し(L9)、クーポン券の番号をサーバ2から産地の受取POS12に送信する。
【0122】受取POS12がサーバ2からクーポン券の番号を受信すると(L12)、発行されたクーポン券の番号を発行クーポン番号蓄積部64に蓄積し(L13)、発行した商品IDとクーポン番号とをリンクして商品管理部62がそれらの情報を商品管理DB67に蓄積する(L14)。なお、この例ではサービス提供会社はそれぞれの顧客に対して、顧客のシステム利用量(利用時間,利用した回数,利用した情報量など)に応じて課金し、料金を顧客から徴収することを想定している。
【0123】なお、本発明は上記の実施例に限定されることなく特許請求の範囲内で種々変更・応用が可能である。例えば、情報閲覧端末はインターネットを用いたブラウザでもよい。また、顧客各社の処理装置に存在するID発行部を、サービス提供会社のサーバ内に配置し、必要に応じて商品IDを顧客各社に送信してもよい。以上のように、商品が発生した場合、もしくは商品を受取った場合に、各会杜がこれから製造及び加工する商品の商品IDを即座に発行し、サービス提供会社のサーバに登録して管理し、商品を販売もしくは償却した場合にも、サーバに商品IDを送付すると同時に販売先の会社の情報を登録するため、ある商品に関する情報を追跡することができる。
【0124】また、商品の安全に関わる情報を逐次サーバに登録しておき、商品受け渡し時に、各会社に残された安全に関わる情報をすべてサーバに登録してから商品に関する安全性を評価して、販売相手に安全証明書を発行するため、個別の商品に関する安全性を保証できる。更に、商品の安全に関わる情報をサービス提供会社のサーバにて管理するため、各会杜は情報管理を行う必要がない。また、商品に対する作業情報をサービス提供会杜が一括して管理するため、作業管理コストが少なくてすむ。
【0125】また、商品が発生した場合、もしくは商品を受取った場合に、サーバにて商品のクーポン券を発行してそれを管理し、商品を販売もしくは償却した場合にはサーバにて商品のクーポン券を償却するため、ある商品の出所に関する情報の正しさを証明できる。
【0126】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、個々の商品を商品ID情報によって管理し、該商品がどのような環境下でどのような作業を受け、どのような管理がなされていたかをサービス提供会社が一括して記録及び管理し、クーポン券を用いて商品情報の正当性をサービス会社内部で管理し、商品の受け渡し時点での商品の安全性や商品情報の正当性を評価するため、個々の商品の安全性について売買時点で保証することができる。また、消費者に正しい商品の知識を伝えることができる。さらに、商品に対する作業情報をサービス会社が一括して管理するため、作業管理コストが少なくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】商品及び情報の流れの例を示すブロック図である。
【図2】サービス提供会社のサーバの構成を示すブロック図である。
【図3】顧客各社の処理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】受取POSの構成を示すブロック図である。
【図5】送信POSの構成を示すブロック図である。
【図6】情報閲覧POSの構成を示すブロック図である。
【図7】商品の構成例を示す斜視図である。
【図8】データ例(生産地の場合1)を示す模式図である。
【図9】データ例(生産地の場合2)を示す模式図である。
【図10】データ例(加工流通業の場合1)を示す模式図である。
【図11】データ例(加工流通業の場合2)を示す模式図である。
【図12】データ例(小売業の場合1)を示す模式図である。
【図13】データ例(小売業の場合2)を示す模式図である。
【図14】商品情報DBのデータ例を示す模式図である。
【図15】商品管理DBのデータ例(小売業の場合)を示す模式図である。
【図16】販売商品情報例(産地の場合の送信POSでの送信情報)を示す模式図である。
【図17】買入情報の例1(流通の場合の受信POSでの受信情報)を示す模式図である。
【図18】買入情報の例2(消費者の情報閲覧POSでの受信情報)を示す模式図である。
【図19】購入時情報の例(流通の場合)を示す模式図である。
【図20】商品発生時情報の例(産地の場合)を示す模式図である。
【図21】顧客及びサービス提供会社の処理の流れを示すブロック図である。
【図22】認証及びメニュー送信の手続きを示すシーケンス図である。
【図23】作業内容の登録手続きを示すシーケンス図である。
【図24】安全基準情報の登録手続きを示すシーケンス図である。
【図25】商品利用情報の登録手続きを示すシーケンス図である。
【図26】作業内容,安全基準情報,商品利用情報の修正手続きを示すシーケンス図である。
【図27】登録情報の承認手続きを示すシーケンス図である。
【図28】作業情報の蓄積手続きを示すシーケンス図である。
【図29】商品の受け渡し手続き(1)を示すシーケンス図である。
【図30】商品の受け渡し手続き(2)を示すシーケンス図である。
【図31】情報の閲覧手続き(1)を示すシーケンス図である。
【図32】情報の閲覧手続き(2)を示すシーケンス図である。
【図33】商品の発生手続きを示すシーケンス図である。
【符号の説明】
2 サーバ
3 通信網
4 処理装置
8 商品
10 入出力装置
11 送信POS
12 受取POS
13 情報閲覧POS
20 入力制御部
21 認証制御部
22 情報蓄積解析部
23 情報登録検索部
24 暗号解読部
25 安全評価部
26 商品情報検索部
27 クーポン発行償却部
28 クーポン評価部
29 証明書発行部
30 出力制御部
31 作業内容DB
32 作業情報DB
33 商品情報DB
34 安全基準情報DB
35 クーポン券DB
36 商品利用情報DB
40 商品内容物
41 商品情報保持媒体
42 商品梱包物
50 作業現場
51 時間情報出力装置
52 GPS受信装置
53 作業情報読み取り装置
54 商品情報読み取り装置
55 コンピュータ
61 暗号化処理部
62 商品管理部
63 商品ID発行部
64 発行クーポン番号蓄積部
65 作業情報蓄積部
66 情報登録部
67 商品管理DB
70 商品情報読み込み部
71 情報表示部
72 情報蓄積部
73 情報入力部
74 情報解析部
75 入出力制御部
80 商品情報読み込み部
81 情報表示部
82 情報蓄積部
83 情報入力部
84 情報解析部
85 出力制御部
90 商品情報読み込み部
91 情報表示部
92 情報蓄積部
93 入出力制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 商品などの物品及びその材料あるいは原料となる物品の情報を管理するための物品情報管理方法であって、物品情報の提供者に対して、各々の物品に関して行われる作業の内容並びに前記作業の内容に関する安全性の基準を規定する安全基準情報の入力を促し、物品情報の提供者から入力された作業の内容及び安全基準情報を記憶手段に記憶し、物品情報の提供者に対して、物品の識別情報及びその物品の安全性と関連のある作業情報の入力を促し、物品情報の提供者から入力された物品の識別情報及び作業情報を互いに関連付けて記憶手段に記憶し、物品情報の利用者に対して、該当する物品の識別情報の入力を促し、物品情報の利用者から入力された前記識別情報に対応する特定の物品に関する前記作業情報及び安全基準情報を前記記憶手段から読み出し、読み出された前記作業情報と安全基準情報とを比較して該当する物品の安全性の評価を行い、物品情報の利用者に対して、入力された前記識別情報に対応する物品の情報をその物品の安全性の評価結果とともに与えることを特徴とする物品情報管理方法。
【請求項2】 請求項1の物品情報管理方法において、前記記憶手段に登録される作業の内容及び安全基準情報の少なくとも一方について、情報の内容に関する承認の項目を付加しておき、前記承認の項目については初期状態で未承認の状態に定めておき、予め登録された特定の承認者からの入力によって承認情報が入力された場合に前記承認の項目に承認済みの情報を登録することを特徴とする物品情報管理方法。
【請求項3】 商品などの物品及びその材料あるいは原料となる物品の情報を管理するための物品情報管理方法であって、物品情報の提供者に対して、少なくとも出荷する物品を特定する出荷物品情報,出荷する物品の材料もしくは原料となった仕入れ物品を特定する仕入れ物品情報及び仕入れ物品の利用率の情報を含む物品利用情報の入力を促し、物品情報の提供者から入力された物品利用情報を記憶手段に記憶し、仕入れ物品が発生した時もしくは仕入れ物品が購入された時に前記仕入れ物品の情報の正当性を示すクーポンを物品の所有者もしくは購入者に対して発行するとともに前記クーポンの情報を記憶し、物品が売却されたときに、売却者に割り当てられた該当する物品のクーポンを取引量に応じて償却し、物品情報の利用者に対して、該当する物品の識別情報の入力を促し、物品情報の利用者から入力された識別情報に対応する特定の物品について前記クーポンの情報を読み込み、売却者に割り当てられた前記クーポンの取引残量に基づいて該当する物品情報の正当性を評価し、物品情報の利用者に対して、前記識別情報に対応する物品の情報を物品情報の正当性の評価結果とともに与えることを特徴とする物品情報管理方法。
【請求項4】 請求項3の物品情報管理方法において、前記記憶手段に登録される物品利用情報に、その内容に関する承認の項目を付加しておき、前記承認の項目については初期状態で未承認の状態に定めておき、予め登録された特定の承認者からの入力によって承認情報が入力された場合に前記承認の項目に承認済みの情報を登録することを特徴とする物品情報管理方法。
【請求項5】 商品などの物品及びその材料あるいは原料となる物品の情報を管理するための物品情報管理装置であって、各々の物品に関して行われる作業の内容並びに前記作業の内容に関する安全性の基準を規定する安全基準情報を入力するための第1の入力制御手段と、入力された作業の内容及び安全基準情報を記憶するための第1の記憶手段と、物品の識別情報及びその物品の安全性と関連のある作業情報を入力するための第2の入力制御手段と、入力された物品の識別情報及び作業情報を互いに関連付けて記憶する第2の記憶手段と、物品情報の利用者からの物品の識別情報を入力するための第3の入力制御手段と、入力された識別情報に対応する特定の物品の作業情報及び安全基準情報を前記記憶手段から読み出し、前記作業情報と安全基準情報とを比較して該当する物品の安全性の評価を行う安全性評価手段と、物品情報の利用者に対して、入力された前記識別情報に対応する物品の情報をその物品の安全性の評価結果とともに与える物品情報出力手段とを設けたこと特徴とする物品情報管理装置。
【請求項6】 商品などの物品及びその材料あるいは原料となる物品の情報を管理するための物品情報管理装置であって、少なくとも出荷する物品を特定する出荷物品情報,出荷する物品の材料もしくは原料となった仕入れ物品を特定する仕入れ物品情報及び仕入れ物品の利用率の情報を含む物品利用情報を入力するための第1の入力制御手段と、入力された前記物品利用情報を記憶するための記憶手段と、仕入れ物品が発生した時もしくは仕入れ物品が購入された時に前記仕入れ物品の情報の正当性を示すクーポンを物品の所有者もしくは購入者に対して発行するとともに前記クーポンの情報を記憶するクーポン発行手段と、物品が売却されたときに、売却者に割り当てられた該当する物品のクーポンを取引量に応じて償却するクーポン償却手段と、物品情報の利用者からの物品の識別情報を入力するための第2の入力制御手段と、物品情報の利用者から入力された識別情報に対応する特定の物品について前記クーポンの情報を読み込み、売却者に割り当てられた前記クーポンの取引残量に基づいて該当する物品情報の正当性を評価する正当性評価手段と、物品情報の利用者に対して、前記識別情報に対応する物品の情報を物品情報の正当性の評価結果とともに与える物品情報出力手段とを設けたこと特徴とする物品情報管理装置。
【請求項7】 商品などの物品及びその材料あるいは原料となる物品の情報を管理するための物品情報管理プログラムを記録した記録媒体であって、前記物品情報管理プログラムに、物品情報の提供者に対して、各々の物品に関して行われる作業の内容並びに前記作業の内容に関する安全性の基準を規定する安全基準情報の入力を促す手順と、物品情報の提供者から入力された作業の内容及び安全基準情報を記憶手段に記憶する手順と、物品情報の提供者に対して、物品の識別情報及びその物品の安全性と関連のある作業情報の入力を促す手順と、物品情報の提供者から入力された物品の識別情報及び作業情報を互いに関連付けて記憶手段に記憶する手順と、物品情報の利用者に対して、該当する物品の識別情報の入力を促す手順と、物品情報の利用者から入力された前記識別情報に対応する特定の物品に関する前記作業情報及び安全基準情報を前記記憶手段から読み出す手順と、読み出された前記作業情報と安全基準情報とを比較して該当する物品の安全性の評価を行う手順と、物品情報の利用者に対して、入力された前記識別情報に対応する物品の情報をその物品の安全性の評価結果とともに与える手順とを設けたこと特徴とする物品情報管理プログラムを記録した記録媒体。
【請求項8】 商品などの物品及びその材料あるいは原料となる物品の情報を管理するための物品情報管理プログラムを記録した記録媒体であって、前記物品情報管理プログラムに、物品情報の提供者に対して、少なくとも出荷する物品を特定する出荷物品情報,出荷する物品の材料もしくは原料となった仕入れ物品を特定する仕入れ物品情報及び仕入れ物品の利用率の情報を含む物品利用情報の入力を促す手順と、物品情報の提供者から入力された物品利用情報を記憶手段に記憶する手順と、仕入れ物品が発生した時もしくは仕入れ物品が購入された時に前記仕入れ物品の情報の正当性を示すクーポンを物品の所有者もしくは購入者に対して発行するとともに前記クーポンの情報を記憶する手順と、物品が売却されたときに、売却者に割り当てられた該当する物品のクーポンを取引量に応じて償却する手順と、物品情報の利用者に対して、該当する物品の識別情報の入力を促す手順と、物品情報の利用者から入力された識別情報に対応する特定の物品について前記クーポンの情報を読み込み、売却者に割り当てられた前記クーポンの取引残量に基づいて該当する物品情報の正当性を評価する手順と、物品情報の利用者に対して、前記識別情報に対応する物品の情報を物品情報の正当性の評価結果とともに与える手順とを設けたことを特徴とする物品情報管理プログラムを記録した記録媒体。

【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図15】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図16】
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【図17】
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【図10】
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【図11】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図12】
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【図13】
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【図21】
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【図14】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図30】
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【図32】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図31】
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【図33】
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【公開番号】特開2002−149804(P2002−149804A)
【公開日】平成14年5月24日(2002.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−346924(P2000−346924)
【出願日】平成12年11月14日(2000.11.14)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】