説明

物品投入機構及び物品投入設備

【課題】本発明は、収容箱の寸法の変化に対応できるとともに、安定した物品の投入作業を行うことのできる物品投入機構及び物品投入設備を提供することを目的とする。
【解決手段】物品投入機構10を、収容箱支持手段12に支持された収容箱14へ向かって物品16を搬送するコンベア18が、コンベア18の搬出部22に接近又は離隔する可動案内部材24と、可動案内部材24を搬出部22に接近又は離隔させるシリンダ(駆動手段)26と、可動案内部材24を搬出部22へ接近させた時に、物品16をコンベア18から可動案内部材24まで案内する中間案内部材32と、物品16を案内する可動案内部材24の案内面28の傾斜角度を調節する角度調節手段50と、を備えて構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容箱支持手段に支持された収容箱へ物品を箱詰めするために収容箱へ複数の物品を投入する物品投入機構及び物品投入設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、柑橘、馬鈴薯、玉ねぎ等の青果物(物品)を収容箱へ投入するとともに投入した物品の重量を計量器により計量することによって、収容箱へ一定重量の物品を箱詰めする自動計量箱詰装置及び自動計量箱詰方法が知られている。例えば、特許文献1〜5において、収容箱を傾動させた状態で青果物等の物品を箱詰めする旨について記載されている。
【0003】
特許文献1には、大小2種類の空箱用の空箱搬送ラインを上下2段に2本設け、上段の空箱搬送ライン上の空箱を仮受傾斜落下板によりV形受台へ落下させることにより、大小2種類の空箱に対応して箱詰できる旨が記載されている。また、特許文献2には、進退自在のベロシュート上で物品を滑動させて収容箱内へ案内することにより、緩やかな物品の投入が得られ、物品の損傷を容易に防止できる旨が記載されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載する二段切替箱詰装置の場合、青果物の投入部においては、大小2種類の収容箱に対応するように構成されておらず、例えば、収容箱が小さすぎる場合には、投入しようとする青果物が収容箱の外に落下する。一方で、収容箱が大きすぎる場合には、投入するコンベヤに収容箱が干渉する。また、特許文献2に記載する物品投入装置の場合、ベロシュートにより物品を案内して収容箱に投入するが、そのベロシュートが変形するため、収容箱内の所望の位置へ物品を投入することができず、物品の投入作業を安定して行うことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2980120号公報
【特許文献2】特開平10−1226号公報
【特許文献3】特許第3519784号公報
【特許文献4】特開昭62−271813号公報
【特許文献5】特開2002−284356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明者は、このような課題の原因を究明してこのような課題を解決するべく、鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったのである。
【0007】
すなわち、本発明は、収容箱が小さくとも投入しようとする物品が収容箱の外に落下することなく、収容箱が大きくとも投入するコンベヤに収容箱が干渉することなく、収容箱の寸法の変化に対応できるとともに、安定した物品の投入作業を行うことのできる物品投入機構及び物品投入設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の物品投入機構は、収容箱支持手段に支持された収容箱へ物品を箱詰めするために該収容箱へ複数の物品を投入する物品投入機構であり、前記収容箱支持手段に支持された収容箱へ向かって前記物品を搬送するコンベヤと、前記コンベヤの搬出部に接近又は離隔する可動案内部材と、前記可動案内部材を前記搬出部に接近又は離隔させる駆動手段と、を備え、前記可動案内部材を前記搬出部へ接近させた時に、前記コンベヤにより搬送された前記物品を該可動案内部材が前記収容箱まで案内することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の物品投入機構は、前記物品投入機構において、前記可動案内部材が斜め下方から前記搬出部に接近することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の物品投入機構は、前記物品投入機構において、前記搬出部から離隔した可動案内部材が前記コンベヤの下方に位置することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の物品投入機構は、前記物品投入機構において、前記物品を案内する可動案内部材の案内面が、案内方向先端部が下方に傾斜することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の物品投入機構は、前記物品投入機構において、前記物品を案内する可動案内部材の案内面の傾斜角度を調節する角度調節手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の物品投入機構は、前記物品投入機構において、前記可動案内部材を前記搬出部へ接近させた時に、前記物品を前記コンベヤから該可動案内部材まで案内する中間案内部材を備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明の物品投入設備は、収容箱支持手段に支持された収容箱へ物品を箱詰めするために該収容箱へ複数の物品を投入する物品投入設備であり、前記物品投入機構と、前記収容箱支持手段と、前記収容箱支持手段を一定の傾斜角度へ傾動させる傾動手段と、を備え、前記収容箱支持手段を一定の傾斜角度へ傾動させ、前記可動案内部材を前記搬出部へ接近させた時に、前記コンベヤにより搬送された前記物品を該可動案内部材が前記収容箱まで案内することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の物品投入設備は、前記物品投入設備において、前記収容箱内の物品の重量を計量する計量器を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の物品投入機構及び物品投入設備によれば、収容箱が小さくとも可動案内部材を搬出部に接近させることにより投入しようとする物品が収容箱の外に落下することなく、収容箱が大きくとも可動案内部材を搬出部から離隔することにより投入するコンベヤに収容箱が干渉することなく、収容箱の寸法の変化に対応して物品を収容箱に投入することができる。また、可動案内部材の形状が変形しないため、収容箱内の所望の位置へ物品を投入することができ、物品の投入作業を安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の物品投入機構及び物品投入設備を示す正面図である。
【図2】図1の物品投入機構及び物品投入設備を示す平面図である。
【図3】図1の物品投入機構及び物品投入設備を配置した選果場レイアウト図である。
【図4】図1の物品投入機構を示す図であり、同図(a)は拡大正面図であり、同図(b)は拡大側面図である。
【図5】図1の物品投入機構に係る角度調節手段を示す拡大正面図である。
【図6】図1の物品投入機構及び物品投入設備の使用状態を示す正面図である。
【図7】図1の物品投入機構の他の実施形態を示す図であり、同図(a)は拡大正面断面図であり、同図(b)は拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係る物品投入機構及び物品投入設備について、図面に基づいて詳しく説明する。図1〜図3において、符号10は本発明の物品投入機構を示し、符号40は本発明の物品投入設備を示す。
【0019】
本発明の物品投入機構10は、収容箱支持手段12に支持された収容箱14へ青果物(物品)16を箱詰めするために収容箱14へ複数の青果物16を投入する機構であり、収容箱支持手段12に支持された収容箱14へ向かって青果物16を搬送するコンベヤ18と、コンベヤ18の搬出部22に接近又は離隔する可動案内部材24と、可動案内部材24を搬出部22に接近又は離隔させるシリンダ(駆動手段)26と、可動案内部材24を搬出部22へ接近させた時に、青果物16をコンベヤ18から可動案内部材24まで案内する中間案内部材32と、青果物16を案内する可動案内部材24の案内面28の傾斜角度を調節する角度調節手段50と、を備え、可動案内部材24を搬出部22へ接近させた時に、コンベヤ18により搬送された青果物16を可動案内部材24が収容箱14まで案内する機構である。本発明の物品投入設備40は、物品投入機構10を含む設備であり、物品投入機構10と、収容箱支持手段12と、収容箱支持手段12を一定の傾斜角度へ傾動させる傾動手段42と、収容箱14内の青果物16の重量を計量する計量器100と、を備えた設備である。
【0020】
収容箱支持手段12は、収容箱14を載置する載置面60と、載置面60に垂直な側壁面62と、載置面60及び側壁面62の回転運動の回転軸64とを備え、回転軸64周りに回転して傾動させられる時に、収容箱14が、載置面60に沿って摺動した後に側壁面62によって止められて、収容箱14が側壁面62に密着する状態で位置決めされるように構成されている。収容箱支持手段12を傾動させる傾動手段42は、基台102上に固定された計量器100の一端にシリンダ104の上端を自由回転可能にピン結合し、計量器100の他端及びシリンダ104のピストン106に、収容箱支持手段12を自由回転可能にピン結合することにより構成されている。収容箱支持手段12の載置面60の傾斜角度は、シリンダ104を作動させることにより、0°〜45°の範囲で調節できる。
【0021】
コンベヤ18は、図2に示すように、供給コンベヤ66から供給される青果物16を搬出部22までX軸正方向に搬送するように構成されている。コンベヤ18の態様は、物品をローラーコンベヤ上で移動させる態様、物品を無端回動チェーンに保持された載置台に載置して移動させる態様、物品を無端回動ベルト上に載置して移動させる態様等、特に限定されない。コンベヤ18の搬出部22には、図示しない駆動手段により平面視において回動され、青果物16を収容箱14に投入しない時には青果物16を搬出部22に止めるブラシ90が設けられている。
【0022】
なお、供給コンベヤ66と平面視平行に他の供給コンベヤ68が設けられている。供給コンベヤ68は、コンベヤ20を介して収容箱14へ青果物16を大量に投入するためのコンベヤであるのに対して、供給コンベヤ66は、コンベヤ18を介して収容箱14内の青果物16の重量が一定重量に達するまで、青果物16を収容箱14に投入するためのコンベヤである。供給コンベヤ66の搬送面92は供給コンベヤ68の搬送面94よりも低く構成されるとともに、搬送面92と搬送面94との間には段差があるのみで仕切り手段がなく、搬送面94上の青果物16が搬送面92へ転動し移動できる。
【0023】
可動案内部材24は、搬出部22から離隔した時にコンベヤ18の下方に位置し、シリンダ26によって斜め下方から搬出部22に接近するように構成されている。また、青果物16を案内する案内面28は、案内方向先端部30が下方に傾斜する平面であり、青果物16が転動して収容箱14内に投入されるように構成されている。なお、図1においては、案内面28の水平面に対する傾斜角度は25°である。可動案内部材24の材質は、変形しない部材であれば、金属又は樹脂等、特に限定されない。また、可動案内部材24の周囲をフッ素系のスポンジ等の弾性部材で覆ってもよい。また、可動案内部材24及び中間案内部材32は、図4に示すように、コの字形断面を有し、可動案内部材24を搬出部22へ接近させた時には、可動案内部材24が中間案内部材32を覆いながら中間案内部材32に重なるように構成されている。
【0024】
角度調節手段50は、図5に示すように、シリンダ26に固定された取付具72と、取付具72に設けられピストン運動方向に平行な2個の長孔74及び76と、支柱70に設けられた円孔78と、支柱70に設けられ円孔78の中心まわりの回転方向に延びる長孔80と、から構成されている。長孔74を円孔78へボルト82によって固定し、長孔76を長孔80へボルト84によって固定することにより、シリンダ26を支柱に固定する。ボルト82及び84を緩めて、シリンダ26を支柱70に対して円孔78の中心まわりに角度Δθの範囲で回転させることにより、可動案内部材24の案内面28の傾斜角度θを調節することができる。これにより、青果物16の収容箱14への投入角度及び投入速度を微調節することができる。なお、案内面28の傾斜角度θを変えることにより、可動案内部材24を搬出部22へ接近させた時における可動案内部材24と中間案内部材32との位置関係が変わるが、シリンダ26を距離ΔLの範囲でピストン運動方向に移動させることにより、その位置関係を、可動案内部材24と中間案内部材32とが干渉しないように調節できる。すなわち、シリンダ26の位置をピストン運動方向で調節できることによって、可動案内部材24と中間案内部材32との干渉を防止しつつ、可動案内部材24の案内面28の傾斜角度θを調節することが可能となる。
【0025】
また、中間案内部材32を着脱可能にコンベヤ18の搬出部22に固定し、異なる傾斜角度の案内面34を有する中間案内部材32と交換可能とすることにより、又は、中間案内部材32の角度調節可能とすることにより、案内面34の傾斜角度が調節可能な構成としてもよい。案内面34の傾斜角度が調節可能な構成とすることにより、又は、上記角度調節手段50により、可動案内部材24を搬出部22へ接近させた時における可動案内部材24の案内面28と中間案内部材32の案内面34との角度を調節できる。例えば、案内面28と案内面34との角度を、図4(a)に示すように同一にすることができる。また、案内面28の傾斜角度を案内面34の傾斜角度よりも大きくすることも小さくすることもできる。案内面28と案内面34との角度を調節することによっても、青果物16の収容箱14への投入角度及び投入速度を微調節することができる。
【0026】
このような構成の物品投入機構10及び物品投入設備40の作用について、以下に説明する。なお、物品投入機構10及び物品投入設備40は、図2及び図3に示すように、選果場において、複数台配設されて使用される。以下においては、青果物16であるみかんが、この選果場で箱詰めされる場合について、その作用を説明する。また、以下に示す搬送、移転、移動、傾動、離隔又は接近は、制御手段により自動的に行われる。
【0027】
図3に示すように、箱詰めを行う青果物16は、まず、原料供給ライン110から前処理ライン112へ搬送される。前処理ライン112においては、小玉抜機、人手による一次選定部、洗浄機、ワックス機、乾燥機及び人手による二次選定部において前処理がなされる。前処理が行われた青果物16は、28本の搬送コンベヤ114に振り分けられX軸正方向に搬送される。28本の搬送コンベヤ114は、全てが使用されるとは限らず、1部のみが使用されてもよい。また、搬送コンベヤ114の態様は、小片支持式搬送コンベヤの態様の他、青果物16をローラーコンベヤ上で移動させる態様、青果物16を無端回動チェーンに保持された載置台に載置して移動させる態様、青果物16を直接無端回動ベルト上に載置して移動させる態様等、特に限定されない。
【0028】
搬送コンベヤ114によってX軸正方向に搬送された青果物16は、搬送コンベヤ114に対して直角方向に延びる搬送コンベヤ116に移転され、搬送コンベヤ116によってY軸正方向に搬送される。搬送コンベヤ116の態様は、小片支持式搬送コンベヤの態様の他、青果物16をローラーコンベヤ上で移動させる態様、青果物16を無端回動チェーンに保持された載置台に載置して移動させる態様、青果物16を直接無端回動ベルト上に載置して移動させる態様等、特に限定されない。
【0029】
搬送コンベヤ116には供給コンベヤ66及び68が連続し、搬送コンベヤ116によって搬送された青果物16は、連続して、図2に示すように、コンベヤ66及び68上をY軸正方向に搬送される。コンベヤ68上の青果物16は、コンベヤ68と直角方向に延びるコンベヤ20に移転されてコンベヤ20によってX軸正方向に搬送され、コンベヤ66上の青果物16は、コンベヤ66と直角方向に延びるコンベヤ18に移転されてコンベヤ18によってX軸正方向に搬送される。
【0030】
コンベヤ20によってX軸正方向に搬送された青果物16は、第一投入部Aにおいて、収容箱14に大量に投入される。この時、収容箱14は、図示しない傾動手段によって傾斜させられる。第一投入部Aにおいて青果物16が投入された収容箱14は、図示しない押圧部材等の移動手段によってY軸正方向に第二投入部Bまで移動させられる。第一投入部Aから第二投入部Bへ移動する収容箱14は、水平な状態であっても傾斜させられていてもよい。なお、第一投入部Aへの空の収容箱14の搬入は、図2に示す収容箱搬入部Cから、図示しない移動手段によって行われ、収容箱搬入部Cへの空の収容箱14の搬入は、収容箱搬入部Dから、図示しない移動手段によって行われ、収容箱搬入部Dへの空の収容箱14の搬入は、図3に示す空箱ライン118から、図示しない移動手段によって行われる。すなわち、収容箱14は、空箱ライン118から供給されて、収容箱搬入部D、収容箱搬入部C、第一投入部A、第二投入部Bの順に移動させられていく。なお、少なくとも第一投入部A及び第二投入部Bにおいては、収容箱14の蓋部15は開いている。
【0031】
第二投入部Bにおいては、図1に示すように、収容箱支持手段12の載置面60及び収容箱14が傾動手段42によって45°に傾斜させられた状態で、第一投入部Aから移動させられた収容箱14に、コンベヤ18から青果物16が投入される。第二投入部Bにおいては、計量器100により投入した青果物16の重量を計量することにより、青果物16が一定重量になるまで収容箱14に投入される。
【0032】
収容箱14が、図1に示す寸法の小さい小箱である場合、シリンダ26により可動案内部材24を搬出部22に接近させて中間案内部材32に重ね合わせた状態で、青果物16が収容箱14の蓋部15に投入される。なお、小箱とは、例えば青果物16を5kgまで箱詰めするためのダンボール箱である。可動案内部材24を搬出部22に接近させた状態であれば、コンベヤ18から中間案内部材32及び可動案内部材24を介して青果物16が収容箱14に投入され、青果物16が収容箱14の外へ落下することはない。すなわち、収容箱14が小箱である場合に、仮に可動案内部材24が中間案内部材32に重ね合わされていなければ、中間案内部材32の案内方向先端部36が収容箱14の蓋部15の開口部17上方の外側に位置するため、青果物16が中間案内部材32から収容箱14の蓋部15の外へ落下するが、可動案内部材24を中間案内部材32に重ね合わせて青果物16の案内面を延長することにより、可動案内部材24の案内方向先端部30が収容箱14の蓋部15の開口部17上方の内側に位置するため、青果物16が中間案内部材32から蓋部15の外へ落下するのを防止できる。なお、複数の小箱の収容箱14に連続して青果物16を投入する場合、可動案内部材24を搬出部22に接近させた状態で維持しても、各収容箱14へ投入する毎に可動案内部材24を搬出部22に接近させてもよい。
【0033】
一方、収容箱14が図6に示す寸法の大きな大箱である場合、可動案内部材24がコンベヤ18の下方に位置するように、シリンダ26により可動案内部材24を搬出部22から離隔させる。なお、大箱とは、例えば青果物16を10kgまで箱詰めするためのダンボール箱である。収容箱14が大箱である場合、可動案内部材24を搬出部22から離隔しても、図6に示すように、中間案内部材32の案内方向先端部36が収容箱14の蓋部15の開口部17上方の内側に位置するため、青果物16が中間案内部材32から収容箱14の蓋部15の外へ落下することなく、青果物16が収容箱14に投入される。収容箱14が大箱である場合、可動案内部材24がコンベヤ18の下方に位置するため、収容箱14が可動案内部材24に干渉することはない。なお、複数の大箱の収容箱14に連続して青果物16を投入する場合、可動案内部材24を搬出部22から離隔させた状態で維持するのが好ましい。
【0034】
第二投入部Bにおいて青果物16が一定重量になるまで投入された収容箱(実箱)14は、図3に示す実箱搬出部E及びFへ移動させられた後、図1に示す実箱ライン120へ移転され、後工程の図示しない自動封函機へ搬送される。
【0035】
このような物品投入機構10及び物品投入設備40によれば、収容箱14が小箱である場合には可動案内部材24を搬出部22に接近させ、収容箱14が大箱である場合には可動案内部材24を搬出部22から離隔することにより、収容箱14の寸法の変化に対応して青果物16を収容箱14に投入することができる。また、可動案内部材24の材質は、変形しない部材であるため、収容箱14内の所望の位置へ青果物16を投入することができ、青果物16の投入作業を安定して行うことができる。
【0036】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はその他の態様でも実施できる。例えば、図7に示す物品投入機構10であってもよい。図7に示す物品投入機構10においては、中間案内部材32の2個の側壁35間の幅が案内方向先端部36へいくに従って狭く構成されている。また、中間案内部材32の2個の側壁35が可動案内部材24の案内方向先端部30に向かって突出している。このため、図7(b)のXY面視における青果物16の投入方向が主として中間案内部材32によって規制され、可動案内部材24を搬出部22へ接近させた場合及び離隔させた場合において、図7(b)のXY面視における青果物16の投入方向が、略一定となる。すなわち、可動案内部材24を搬出部22へ接近させることにより、可動案内部材24を搬出部22から離隔させた場合に対して図7(b)のXY面視における青果物16の投入方向が変わるのを防止できる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、本発明は図示したものに限定されない。例えば、第二投入部Bにおいて物品投入機構10及び物品投入設備40を使用する場合について説明したが、第一投入部Aにおいて物品投入機構10及び物品投入設備40を使用してもよい。また、可動案内部材は、搬出部から離隔した時にコンベヤの下方に位置し、シリンダによって斜め下方から搬出部に接近するとともに、コンベヤの下方と搬出部との間の中間部で停止できるように構成してもよい。さらに、可動案内部材を搬出部に接近又は離隔させる駆動手段は、シリンダに限定されず螺子機構又はリンク機構によって可動案内部材を移動させるモーターであってもよい。また、可動案内部材をシリンダのピストンに対して案内面と平行な方向に移動させて位置を調節できるように構成してもよい。その他、本発明の技術的範囲には、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加えた態様も含まれる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、いずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の物品投入機構及び物品投入設備によれば、収容箱の寸法の変化に対応して物品を収容箱に投入することができるとともに、物品の投入作業を安定して行うことができる。このため、物品の箱詰めのために広く利用できる。
【符号の説明】
【0039】
10:物品投入機構
12:収容箱支持手段
14:収容箱
16:青果物(物品)
18、20:コンベヤ
22:搬出部
24:可動案内部材
26:シリンダ(駆動手段)
28:案内面
30:案内方向先端部
32:中間案内部材
34:案内面
40:物品投入設備
42:傾動手段
60:載置面
62:側壁面
64:回転軸
66、68:供給コンベヤ
70:支柱
72:取付具
100:計量器
A:第一投入部
B:第二投入部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容箱支持手段に支持された収容箱へ物品を箱詰めするために該収容箱へ複数の物品を投入する物品投入機構であり、
前記収容箱支持手段に支持された収容箱へ向かって前記物品を搬送するコンベヤと、
前記コンベヤの搬出部に接近又は離隔する可動案内部材と、
前記可動案内部材を前記搬出部に接近又は離隔させる駆動手段と、を備え、
前記可動案内部材を前記搬出部へ接近させた時に、前記コンベヤにより搬送された前記物品を該可動案内部材が前記収容箱まで案内する物品投入機構。
【請求項2】
前記可動案内部材が斜め下方から前記搬出部に接近する請求項1に記載する物品投入機構。
【請求項3】
前記搬出部から離隔した可動案内部材が前記コンベヤの下方に位置する請求項2に記載する物品投入機構。
【請求項4】
前記物品を案内する可動案内部材が、案内方向先端部が下方に傾斜する案内面を有する請求項1〜請求項3のいずれかに記載する物品投入機構。
【請求項5】
前記物品を案内する可動案内部材の案内面の傾斜角度を調節する角度調節手段を備えた請求項4に記載する物品投入機構。
【請求項6】
前記可動案内部材を前記搬出部へ接近させた時に、前記物品を前記コンベヤから該可動案内部材まで案内する中間案内部材を備えた請求項1〜請求項5のいずれかに記載する物品投入機構。
【請求項7】
収容箱支持手段に支持された収容箱へ物品を箱詰めするために該収容箱へ複数の物品を投入する物品投入設備であり、
前記請求項1〜請求項6のいずれかに記載する物品投入機構と、
前記収容箱支持手段と、
前記収容箱支持手段を一定の傾斜角度へ傾動させる傾動手段と、を備え、
前記収容箱支持手段を一定の傾斜角度へ傾動させ、前記可動案内部材を前記搬出部へ接近させた時に、前記コンベヤにより搬送された前記物品を該可動案内部材が前記収容箱まで案内する物品投入設備。
【請求項8】
前記収容箱内の物品の重量を計量する計量器を備えた請求項7に記載する物品投入設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−106779(P2012−106779A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258454(P2010−258454)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】