説明

物品搬送装置及び計量装置

【課題】フィードトラフ−プールホッパ間、プールホッパ−計量ホッパ間、及び計量ホッパ−集合シュート間での物品の受け渡しの際に、自由落下の衝撃によって物品に割れや欠けが生じることを回避又は抑制し得る、物品搬送装置及びそれを備えた計量装置を得る。
【解決手段】プールホッパ3は、固定された側壁10と、上下方向に可動な底壁11とを有している。底壁11が上方向に移動した状態で、フィードトラフ2からプールホッパ3に物品40が供給され、底壁11が下方向に移動した状態で、プールホッパ3から計量ホッパ4に向けて物品40が排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品搬送装置及び計量装置に関し、特に、組合せ計量装置におけるプールホッパ及び計量ホッパに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、分散テーブルの外周に沿って放射状に配設された複数のフィードトラフと、各フィードトラフから供給された物品を一時的に貯留するプールホッパと、プールホッパから排出された物品の重量を計量する計量ホッパと、選択された複数の計量ホッパから排出された物品を集合させる集合シュートとを備えた組合せ計量装置が、実用化されている。
【0003】
従来の組合せ計量装置においては、フィードトラフから排出された物品が自由落下することによって、フィードトラフからプールホッパへの物品の受け渡しが行われている。また、プールホッパから排出された物品が自由落下することによって、プールホッパから計量ホッパへの物品の受け渡しが行われている。さらに、計量ホッパから排出された物品が自由落下することによって、計量ホッパから集合シュートへの物品の受け渡しが行われている。
【0004】
なお、前面が開口したプールホッパ全体が斜め下方に向かって回動することによって、プールホッパから計量ホッパへの物品の受け渡しが行われ、同様に、前面が開口した計量ホッパ全体が斜め下方に向かって回動することによって、計量ホッパから集合シュートへの物品の受け渡しが行われるタイプの組合せ計量装置が、下記特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−55203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように従来の組合せ計量装置では、自由落下によって物品の受け渡しが行われているため、落下の衝撃によって物品に割れや欠けが生じる場合がある。
【0007】
落下の衝撃を抑制するために、プールホッパや計量ホッパの内壁にクッション材が敷設された製品もあるが、依然として割れや欠けは生じており、根本的な解決策とはなっていない。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、フィードトラフ−プールホッパ間、プールホッパ−計量ホッパ間、及び計量ホッパ−集合シュート間での物品の受け渡しの際に、自由落下の衝撃によって物品に割れや欠けが生じることを回避又は抑制し得る、物品搬送装置及びそれを備えた計量装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明に係る物品搬送装置は、物品を供給する供給手段と、前記供給手段の下流に配設され、物品を一時的に貯留して排出するホッパとを備える物品搬送装置であって、前記ホッパは、固定された側壁と、上下方向に可動な底壁とを有し、前記ホッパの前記底壁が上方向に移動した状態で、前記ホッパに物品が供給され、前記ホッパの前記底壁が下方向に移動した状態で、前記ホッパから物品が排出されることを特徴とする。
【0010】
第2の発明に係る物品搬送装置は、第1の発明に係る物品搬送装置において特に、前記ホッパは、前記供給手段から供給された物品を一時的に貯留するプールホッパであり、前記プールホッパの前記底壁が上方向に移動した状態で、前記供給手段から前記プールホッパに物品が供給され、前記プールホッパの前記底壁が下方向に移動した状態で、前記プールホッパから物品が排出されることを特徴とする。
【0011】
第3の発明に係る物品搬送装置は、第1の発明に係る物品搬送装置において特に、前記ホッパは、物品の重量を計量するために物品を一時的に貯留する計量ホッパであり、前記計量ホッパの前記底壁が上方向に移動した状態で、前記計量ホッパに物品が供給され、前記計量ホッパの前記底壁が下方向に移動した状態で、前記計量ホッパから物品が排出されることを特徴とする。
【0012】
第4の発明に係る物品搬送装置は、第1の発明に係る物品搬送装置において特に、前記ホッパは、前記供給手段から供給された物品を一時的に貯留して排出するプールホッパと、前記プールホッパから供給された物品の重量を計量するために当該物品を一時的に貯留する計量ホッパとを含み、前記プールホッパの前記底壁が上方向に移動した状態で、前記供給手段から前記プールホッパに物品が供給され、前記プールホッパの前記底壁が下方向に移動し、前記計量ホッパの前記底壁が上方向に移動した状態で、前記プールホッパから物品が排出されて、当該物品が前記計量ホッパに供給され、前記計量ホッパの前記底壁が下方向に移動した状態で、前記計量ホッパから物品が排出され、前記プールホッパから前記計量ホッパに物品を供給する際に、下方向に移動した前記プールホッパの前記底壁と、上方向に移動した前記計量ホッパの前記底壁とによって、連続する傾斜面が形成されることを特徴とする。
【0013】
第5の発明に係る計量装置は、第1乃至第4のいずれか一つの発明に係る物品搬送装置と、複数の前記物品搬送装置から供給された物品を集合させる集合シュートと、各前記物品搬送装置の計量ホッパに貯留されている物品の重量を計量する計量手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0014】
第1乃至第4の発明に係る物品搬送装置によれば、ホッパの底壁が上方向に移動した状態で、ホッパに物品が供給される。従って、ホッパに物品を供給する際には、供給元の装置とホッパとの間の距離が短くなるため、物品が自由落下する距離も短くなり、自由落下に起因する物品の割れや欠けの発生を回避又は抑制できる。また、ホッパの底壁が下方向に移動した状態で、ホッパから物品が排出される。従って、ホッパから物品を排出する際には、ホッパと排出先の装置との間の距離が短くなるため、物品が自由落下する距離も短くなり、自由落下に起因する物品の割れや欠けの発生を回避又は抑制できる。
【0015】
特に第2の発明に係る物品搬送装置によれば、第1の発明をプールホッパに適用することにより、供給手段からプールホッパに物品を供給する際の物品の割れ・欠けや、プールホッパから計量ホッパに物品を供給する際の物品の割れ・欠けを、回避又は抑制することができる。
【0016】
特に第3の発明に係る物品搬送装置によれば、第1の発明を計量ホッパに適用することにより、プールホッパから計量ホッパに物品を供給する際の物品の割れ・欠けや、計量ホッパから集合シュートに物品を供給する際の物品の割れ・欠けを、回避又は抑制することができる。
【0017】
特に第4の発明に係る物品搬送装置によれば、第1の発明をプールホッパ及び計量ホッパに適用することにより、供給手段からプールホッパに物品を供給する際の物品の割れ・欠け、プールホッパから計量ホッパに物品を供給する際の物品の割れ・欠け、及び、計量ホッパから集合シュートに物品を供給する際の物品の割れ・欠けを、回避又は抑制することができる。しかも、プールホッパから計量ホッパに物品を供給する際には、下方向に移動したプールホッパの底壁と、上方向に移動した計量ホッパの底壁とによって、連続する傾斜面が形成される。従って、物品は傾斜面を滑落してプールホッパから計量ホッパに供給されるため、物品の割れ・欠けの発生をより効果的に回避又は抑制できる。
【0018】
第5の発明に係る計量装置によれば、ホッパの底壁が上方向に移動した状態で、ホッパに物品が供給される。従って、ホッパに物品を供給する際には、供給元の装置とホッパとの間の距離が短くなるため、物品が自由落下する距離も短くなり、自由落下に起因する物品の割れや欠けの発生を回避又は抑制できる。また、ホッパの底壁が下方向に移動した状態で、ホッパから物品が排出される。従って、ホッパから物品を排出する際には、ホッパと排出先の装置との間の距離が短くなるため、物品が自由落下する距離も短くなり、自由落下に起因する物品の割れや欠けの発生を回避又は抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置の全体構成を模式的に示す側面図である。また、図2は、図1から分散テーブル1及びフィードトラフ2を抜き出して示す上面図である。
【0021】
図1,2を参照して、分散テーブル1の外周に沿って、複数のフィードトラフ2が放射状に配設されている。図1を参照して、各フィードトラフ2の下方にはプールホッパ3がそれぞれ配設されており、各プールホッパ3の下方には計量ホッパ4がそれぞれ配設されている。また、計量ホッパ4の下方には集合シュート5が配設されている。
【0022】
プールホッパ3は支持部材7の一端に固定されており、支持部材7の他端は筐体6に固定されている。メンテナンス時の便宜のため、プールホッパ3は筐体6に対して着脱自在である。同様に、計量ホッパ4は支持部材8の一端に固定されており、支持部材8の他端は筐体6に固定されている。メンテナンス時の便宜のため、計量ホッパ4は筐体6に対して着脱自在である。ここで、支持部材8の他端が固定されている箇所の筐体6内には、計量ホッパ4内に貯留されている物品の重量を計量するために、ロードセル等の計量手段が配設されている。つまり、支持部材8の他端には計量手段が連結されている。
【0023】
ここで、フィードトラフ2は、分散テーブル1から供給された物品をプールホッパ3に供給する供給手段として機能する。プールホッパ3は、フィードトラフ2の下流に配設されており、フィードトラフ2から供給された物品を一時的に貯留して排出する。計量ホッパ4は、プールホッパ3の下流に配設されており、プールホッパ3から供給された物品の重量を計量するために、当該物品を一時的に貯留する。フィードトラフ2、プールホッパ3、及び計量ホッパ4は、全体として、分散テーブル1から供給された物品を搬送する物品搬送装置として機能する。そして、集合シュート5は、選択された複数の物品搬送装置から供給された物品を集合させる。つまり、物品の計量値の合計が目標値に最も近くなるような複数の計量ホッパ4の組合せが選択され、選択された複数の計量ホッパ4から排出された物品が、集合シュート5によって一つにまとめられる。
【0024】
図3は、プールホッパ3の構造を模式的に示す斜視図である。プールホッパ3は、上面が開口した中空の箱体であり、固定された側壁10と、上下方向に可動な底壁11とを有している。図3では、底壁11に斜線のハッチングを付している。底壁11の上端辺は、軸21によって側壁10に固定されている。また、底壁11の上端辺の一方端部からは、レバー部12が、側壁10の外側に突出している。
【0025】
図4は、プールホッパ3の構造を模式的に示す側面図である。レバー部12の先端は、リンク19の一端に、軸20を中心として回動自在に固定されている。同様に、リンク19の他端は、駆動レバー15の一端に、軸18を中心として回動自在に固定されている。駆動レバー15の他端は、筐体6(図1参照)内に配設されたモータ(図示しない)の回転軸16に固定されている。従って、モータによって回転軸16を回転させることにより、回転軸16を中心として駆動レバー15を回動させることができる。ここで、駆動レバー15の一端には、略U字型の切り欠き17が形成されている。従って、プールホッパ3のメンテナンス等の際には、切り欠き17から軸18を抜くことによって、リンク19を駆動レバー15から取り外すことが可能である。
【0026】
図5は、プールホッパ3の底壁11が駆動される状況を示す図である。図5の(C)→(B)→(A)の順に示すようにモータによって駆動レバー15を右方向に回動させると、図4を参照して、駆動レバー15によってリンク19が右方向に押され、それに伴い、リンク19によってレバー部12の先端が右方向に押される。ここで、図3,4に示すように底壁11の上端辺は軸21によって側壁10に固定されているため、リンク19によってレバー部12の先端が右方向に押されると、レバー部12は軸21を中心として右回転し、それに伴い、底壁11全体が右回転して上方向に駆動される。逆に、図5の(C)→(D)の順に示すようにモータによって駆動レバー15を左方向に回動させると、底壁11も左回転して下方向に駆動される。
【0027】
図6は、計量ホッパ4の構造を模式的に示す斜視図である。計量ホッパ4は、上面が開口した中空の箱体であり、固定された側壁25と、上下方向に可動な底壁26とを有している。図6では、底壁26に斜線のハッチングを付している。底壁26の上端辺は、軸36によって側壁25に固定されている。また、底壁26の上端辺の一方端部からは、レバー部27が、側壁25の外側に突出している。
【0028】
図7は、計量ホッパ4の構造を模式的に示す側面図である。レバー部27の先端は、リンク34の一端に、軸35を中心として回動自在に固定されている。同様に、リンク34の他端は、駆動レバー30の一端に、軸33を中心として回動自在に固定されている。駆動レバー30の他端は、筐体6(図1参照)内に配設されたモータ(図示しない)の回転軸31に固定されている。従って、モータによって回転軸31を回転させることにより、回転軸31を中心として駆動レバー30を回動させることができる。ここで、駆動レバー30の一端には、略U字型の切り欠き32が形成されている。従って、計量ホッパ4のメンテナンス等の際には、切り欠き32から軸33を抜くことによって、リンク34を駆動レバー30から取り外すことが可能である。
【0029】
図8は、計量ホッパ4の底壁26が駆動される状況を示す図である。図8の(C)→(B)→(A)の順に示すようにモータによって駆動レバー30を右方向に回動させると、図7を参照して、駆動レバー30によってリンク34が右方向に押され、それに伴い、リンク34によってレバー部27の先端が右方向に押される。ここで、図6,7に示すように底壁26の上端辺は軸36によって側壁25に固定されているため、リンク34によってレバー部27の先端が右方向に押されると、レバー部27は軸36を中心として右回転し、それに伴い、底壁26全体が右回転して上方向に駆動される。逆に、図8の(C)→(D)の順に示すようにモータによって駆動レバー30を左方向に回動させると、底壁26も左回転して下方向に駆動される。
【0030】
図9〜13は、フィードトラフ2からプールホッパ3及び計量ホッパ4を経由して集合シュート5に物品40を搬送する様子を順に示す模式図である。
【0031】
図9を参照して、プールホッパ3の底壁11は、上方向に駆動されており、底壁11の左端部が、フィードトラフ2の右端部の直下に位置するようなポジションで停止している。この状態で、フィードトラフ2から物品40が排出される。物品40は、わずかに自由落下した後、底壁11の傾斜面を滑落しながら、プールホッパ3内に供給される。同様に、計量ホッパ4の底壁26も、上方向に駆動されており、底壁26の左端部が、プールホッパ3の湾曲している側壁10aの下端部の直下に位置するようなポジションで停止している。
【0032】
図10を参照して、フィードトラフ2からプールホッパ3への物品40の供給が完了すると、底壁11は、図9の状態から下方向に駆動され、底壁11の左端部が側壁10aの下端部に位置するようなポジションで停止される。この状態で、物品40はプールホッパ3内に一時的に貯留される。
【0033】
図11を参照して、底壁11は、図10の状態からさらに左回転駆動される。これにより、底壁11と側壁10aとの間に隙間が生じ、その隙間から物品40が排出される。プールホッパ3から排出された物品40は、わずかに自由落下した後、計量ホッパ4の底壁26の傾斜面を滑落しながら、計量ホッパ4内に供給される。
【0034】
図12を参照して、プールホッパ3から計量ホッパ4への物品40の供給が完了すると、底壁26は、図11の状態から下方向に駆動され、底壁26の左端部が、湾曲している側壁25aの下端部に位置するようなポジションで停止される。この状態で、物品40は計量ホッパ4内に一時的に貯留され、ロードセルによって重量が計量される。また、プールホッパ3の底壁11は上方向に駆動され、図9と同様のポジションで停止されて、フィードトラフ2からの次の物品40の供給を待つ。
【0035】
図13を参照して、底壁26は、図12の状態からさらに左回転駆動される。これにより、底壁26と側壁25aとの間に隙間が生じ、その隙間から物品40が排出される。計量ホッパ4から排出された物品40は、わずかに自由落下した後、集合シュート5の傾斜面を滑落しながら、集合シュート5の中央部に集められる。
【0036】
このように、本実施の形態に係る物品搬送装置及び組合せ計量装置によれば、プールホッパ3の底壁11が上方向に移動した状態で、フィードトラフ2からプールホッパ3に物品40が供給される。従って、プールホッパ3に物品40を供給する際には、フィードトラフ2と底壁11との間の距離が短くなるため、物品40が自由落下する距離も短くなり、自由落下に起因する物品40の割れや欠けの発生を回避又は抑制できる。また、底壁11が下方向に移動した状態で、プールホッパ3から計量ホッパ4に向けて物品40が排出される。従って、プールホッパ3から物品40を排出する際には、プールホッパ3と計量ホッパ4との間の距離が短くなるため、物品40が自由落下する距離も短くなり、自由落下に起因する物品40の割れや欠けの発生を回避又は抑制できる。
【0037】
同様に、計量ホッパ4の底壁26が上方向に移動した状態で、プールホッパ3から計量ホッパ4に物品40が供給される。従って、計量ホッパ4に物品40を供給する際には、プールホッパ3と底壁26との間の距離が短くなるため、物品40が自由落下する距離も短くなり、自由落下に起因する物品40の割れや欠けの発生を回避又は抑制できる。また、底壁26が下方向に移動した状態で、計量ホッパ4から集合シュート5に向けて物品40が排出される。従って、計量ホッパ4から物品40を排出する際には、計量ホッパ4と集合シュート5との間の距離が短くなるため、物品40が自由落下する距離も短くなり、自由落下に起因する物品40の割れや欠けの発生を回避又は抑制できる。
【0038】
変形例.
図14〜18は、本実施の形態の変形例に関して、フィードトラフ2からプールホッパ3及び計量ホッパ4を経由して集合シュート5に物品40を搬送する様子を順に示す模式図である。計量ホッパ4の向きが、上記の例と逆になっている。
【0039】
図14を参照して、プールホッパ3の底壁11は、上方向に駆動されており、底壁11の左端部が、フィードトラフ2の右端部の直下に位置するようなポジションで停止している。この状態で、フィードトラフ2から物品40が排出される。物品40は、わずかに自由落下した後、底壁11の傾斜面を滑落しながら、プールホッパ3内に供給される。同様に、計量ホッパ4の底壁26も、上方向に駆動されており、底壁26の右端部が側壁10aの下端部の直下に位置するようなポジションで停止している。
【0040】
図15を参照して、フィードトラフ2からプールホッパ3への物品40の供給が完了すると、底壁11は、図14の状態から下方向に駆動され、底壁11の左端部が側壁10aの下端部に位置するようなポジションで停止される。この状態で、物品40はプールホッパ3内に一時的に貯留される。
【0041】
図16を参照して、底壁11は、図15の状態からさらに左回転駆動される。これにより、底壁11と側壁10aとの間に隙間が生じ、その隙間から物品40が排出される。プールホッパ3から排出された物品40は、底壁11,26によって形成された連続する傾斜面を滑落しながら、計量ホッパ4内に供給される。ここで、図16に示した例では底壁11が底壁26に接触することにより、「接触して連続する傾斜面」が形成されているが、底壁11が底壁26に接触しないことにより、「接触せずに連続する傾斜面」が形成されても良い。
【0042】
図17を参照して、プールホッパ3から計量ホッパ4への物品40の供給が完了すると、底壁26は、図16の状態から下方向に駆動され、底壁26の右端部が側壁25aの下端部に位置するようなポジションで停止される。この状態で、物品40は計量ホッパ4内に一時的に貯留され、ロードセルによって重量が計量される。また、プールホッパ3の底壁11は上方向に駆動され、図14と同様のポジションで停止されて、フィードトラフ2からの次の物品40の供給を待つ。
【0043】
図18を参照して、底壁26は、図17の状態からさらに右回転駆動される。これにより、底壁26と側壁25aとの間に隙間が生じ、その隙間から物品40が排出される。計量ホッパ4から排出された物品40は、わずかに自由落下した後、集合シュート5の傾斜面を滑落しながら、集合シュート5の中央部に集められる。
【0044】
この変形例によれば、プールホッパ3から計量ホッパ4に物品40を供給する際には、図16に示したように、下方向に移動した底壁11と上方向に移動した底壁26とによって、連続する傾斜面が形成される。従って、物品40は傾斜面を滑落しながらプールホッパ3から計量ホッパ4に供給されるため、物品40の割れ・欠けの発生をより効果的に回避又は抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態に係る組合せ計量装置の全体構成を模式的に示す側面図である。
【図2】図1から分散テーブル及びフィードトラフを抜き出して示す上面図である。
【図3】プールホッパの構造を模式的に示す斜視図である。
【図4】プールホッパの構造を模式的に示す側面図である。
【図5】プールホッパの底壁が駆動される状況を示す図である。
【図6】計量ホッパの構造を模式的に示す斜視図である。
【図7】計量ホッパの構造を模式的に示す側面図である。
【図8】計量ホッパの底壁が駆動される状況を示す図である。
【図9】フィードトラフからプールホッパ及び計量ホッパを経由して集合シュートに物品を搬送する様子を順に示す模式図である。
【図10】フィードトラフからプールホッパ及び計量ホッパを経由して集合シュートに物品を搬送する様子を順に示す模式図である。
【図11】フィードトラフからプールホッパ及び計量ホッパを経由して集合シュートに物品を搬送する様子を順に示す模式図である。
【図12】フィードトラフからプールホッパ及び計量ホッパを経由して集合シュートに物品を搬送する様子を順に示す模式図である。
【図13】フィードトラフからプールホッパ及び計量ホッパを経由して集合シュートに物品を搬送する様子を順に示す模式図である。
【図14】変形例に関して、フィードトラフからプールホッパ及び計量ホッパを経由して集合シュートに物品を搬送する様子を順に示す模式図である。
【図15】変形例に関して、フィードトラフからプールホッパ及び計量ホッパを経由して集合シュートに物品を搬送する様子を順に示す模式図である。
【図16】変形例に関して、フィードトラフからプールホッパ及び計量ホッパを経由して集合シュートに物品を搬送する様子を順に示す模式図である。
【図17】変形例に関して、フィードトラフからプールホッパ及び計量ホッパを経由して集合シュートに物品を搬送する様子を順に示す模式図である。
【図18】変形例に関して、フィードトラフからプールホッパ及び計量ホッパを経由して集合シュートに物品を搬送する様子を順に示す模式図である。
【符号の説明】
【0046】
2 フィードトラフ
3 プールホッパ
4 計量ホッパ
5 集合シュート
10,10a,25,25a 側壁
11,26 底壁
40 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を供給する供給手段と、前記供給手段の下流に配設され、物品を一時的に貯留して排出するホッパとを備える物品搬送装置であって、
前記ホッパは、固定された側壁と、上下方向に可動な底壁とを有し、
前記ホッパの前記底壁が上方向に移動した状態で、前記ホッパに物品が供給され、
前記ホッパの前記底壁が下方向に移動した状態で、前記ホッパから物品が排出される、物品搬送装置。
【請求項2】
前記ホッパは、前記供給手段から供給された物品を一時的に貯留するプールホッパであり、
前記プールホッパの前記底壁が上方向に移動した状態で、前記供給手段から前記プールホッパに物品が供給され、
前記プールホッパの前記底壁が下方向に移動した状態で、前記プールホッパから物品が排出される、請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記ホッパは、物品の重量を計量するために物品を一時的に貯留する計量ホッパであり、
前記計量ホッパの前記底壁が上方向に移動した状態で、前記計量ホッパに物品が供給され、
前記計量ホッパの前記底壁が下方向に移動した状態で、前記計量ホッパから物品が排出される、請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記ホッパは、
前記供給手段から供給された物品を一時的に貯留して排出するプールホッパと、
前記プールホッパから供給された物品の重量を計量するために当該物品を一時的に貯留する計量ホッパと
を含み、
前記プールホッパの前記底壁が上方向に移動した状態で、前記供給手段から前記プールホッパに物品が供給され、
前記プールホッパの前記底壁が下方向に移動し、前記計量ホッパの前記底壁が上方向に移動した状態で、前記プールホッパから物品が排出されて、当該物品が前記計量ホッパに供給され、
前記計量ホッパの前記底壁が下方向に移動した状態で、前記計量ホッパから物品が排出され、
前記プールホッパから前記計量ホッパに物品を供給する際に、下方向に移動した前記プールホッパの前記底壁と、上方向に移動した前記計量ホッパの前記底壁とによって、連続する傾斜面が形成される、請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の物品搬送装置と、
複数の前記供給装置から供給された物品を集合させる集合シュートと、
各前記物品搬送装置の計量ホッパに貯留されている物品の重量を計量する計量手段と
を備える、計量装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−203010(P2008−203010A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−37335(P2007−37335)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)